JP2017145458A - めっきされた線状の金属材料の製造方法およびめっき装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い生産性及び低コストで、角状線材の一面を選択的にめっきする方法の提供。【解決手段】角状線材1を準備する準備工程と、前記金属材料の表面のうち、長手方向に沿った一部の領域を選択的に電気めっきするめっき工程と、を備え、前記めっき工程が、金属材料1を固定するための溝111が表面に形成された固定部材を準備する工程と、金属材料1を、溝111に沿うように嵌め込む工程と、金属材料1を、溝111に嵌め込まれた状態で前記めっき液に浸漬する工程と、を備える、めっき2された線状の金属材料の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、部分的にめっきされた線状の金属材料の製造方法、および、線状の金属材料を部分的にめっきするめっき装置に関する。
従来、線状の金属材料(線材)へのめっき処理は、線材をロールで搬送しながら、めっき液に浸漬することにより行われている(特許文献1参照)。この場合、めっき被膜は、線材の側面全面に形成される。
プリント基板に接続される接続端子として、プレスフィット部を備えるプレスフィット端子が知られている。プレスフィット端子200は、例えば図4に示すように、環状のプレスフィット部201を備え、プレスフィット部201によりバネ性が発現される。プレスフィット部201をプリント基板のスルーホールへ圧入すると、プレスフィット部201が広がろうとする作用により、プリント基板にプレスフィット部201が固定される。これにより、半田を用いることなく、プレスフィット端子200をプリント基板に接続することができる。
プレスフィット端子200をプリント基板のスルーホールへ圧入する際、プレスフィット部201のスルーホール内壁との接触面201Sは強く摩擦され、摩耗する。接触面201Sが摩耗すると、プリント基板との導通性が低下したり、プレスフィット端子200の機械的強度が低下する。さらに、プレスフィット端子200は、繰り返し挿抜される場合もある。この場合、プレスフィット部201の接触面201Sの摩耗は拡大する。そこで、プレスフィット端子200の表面に、耐摩耗性のあるめっき被膜を形成することが行われている。なお、図4では、接触面201Sをハッチングを付して示している。
プレスフィット端子200は、通常、圧延した板材を打ち抜く方法、線状の金属材料(以下、線材と称する)を所望の長さに切断した後、プレス加工する方法等により製造される。プレス加工により、切断された線材の所望の位置には貫通孔やスリットが形成される。この貫通孔やスリットを拡幅することにより、プレスフィット部201が形成される。プレスフィット端子200の材料として線材を用いる場合、生産性等の観点から、めっき処理は線材を切断する前に行われる。上記したように、従来の方法によれば、線材の側面全面にめっき被膜が形成される。一方、プレスフィット端子200においては、互いに対向する2つの接触面201Sにのみ、めっき被膜が形成されていればよい。
本発明の一局面は、線状の金属材料を準備する準備工程と、前記金属材料の表面のうち、長手方向に沿った一部の領域を選択的に電気めっきするめっき工程と、を備え、前記めっき工程が、前記金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材を準備する工程と、前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込む工程と、前記金属材料を、前記溝に嵌め込まれた状態で前記めっき液に浸漬する工程と、を備える、めっきされた線状の金属材料の製造方法に関する。
本発明の他の一局面は、線状の金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材と、めっき液が収容されるめっき槽と、を備え、前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込んだ状態で前記めっき液に浸漬する、めっき装置に関する。
本発明によれば、高い生産性および低コストで、線状の金属材料を長手方向に沿って選択的にめっきすることができる。
[発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の第一の局面に係る線状の金属材料(線材)の製造方法は、線状の金属材料を準備する準備工程と、前記金属材料の表面のうち、長手方向に沿った一部の領域を選択的に電気めっきするめっき工程と、を備え、前記めっき工程が、前記金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材を準備する工程と、前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込む工程と、前記金属材料を、前記溝に嵌め込まれた状態で前記めっき液に浸漬する工程と、を備える。線材の表面のうち、少なくとも溝で囲まれた一部の領域は陰になるため、電流が回り込み難い。よって、線材の溝で囲まれた表面にはめっき被膜が形成されず、あるいは、形成されたとしても非常に薄い。つまり、この製造方法によれば、マスキングを使用することなく、めっき被膜を、主に線材の溝で囲まれていない表面の長手方向に沿った領域に、連続的に形成することができる。そのため生産性が高まる。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の第一の局面に係る線状の金属材料(線材)の製造方法は、線状の金属材料を準備する準備工程と、前記金属材料の表面のうち、長手方向に沿った一部の領域を選択的に電気めっきするめっき工程と、を備え、前記めっき工程が、前記金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材を準備する工程と、前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込む工程と、前記金属材料を、前記溝に嵌め込まれた状態で前記めっき液に浸漬する工程と、を備える。線材の表面のうち、少なくとも溝で囲まれた一部の領域は陰になるため、電流が回り込み難い。よって、線材の溝で囲まれた表面にはめっき被膜が形成されず、あるいは、形成されたとしても非常に薄い。つまり、この製造方法によれば、マスキングを使用することなく、めっき被膜を、主に線材の溝で囲まれていない表面の長手方向に沿った領域に、連続的に形成することができる。そのため生産性が高まる。
この製造方法は、溝が形成された固定部材を準備する他は、既存のめっき装置を用いることができるため、少ないコストで実施できる。さらに、線材の全面にめっき処理する場合と比較して、めっき液の消費量が抑制されるため、材料にかかるコストも低減される。すなわち、上記方法によれば、高い生産性および低コストで、線材の長手方向に沿った領域を選択的にめっき処理することができる。なお、線材に選択的にめっき処理するとは、線材が、めっき被膜の形成されていない領域を必ずしも含んでいなくてもよく、領域によって、形成されるめっき被膜の厚みに顕著な違いがあることをいう。顕著な違いとは、例えば後述するように、めっき被膜の最も厚い領域と薄い領域との厚みの比が0.5以下であることをいう。
(2)前記固定部材は、回転可能な円筒形であることが好ましく、前記溝は、前記固定部材の周面に、回転方向に沿って形成されていることが好ましい。これにより、線材を、長尺のまま固定部材に嵌め込んだ状態で搬送しながら、線材の長手方向に沿った領域を選択的にめっき処理することができる。よって、生産性がさらに向上する。
(3)前記めっき液の付きまわり性は、−100〜50%であることが好ましい。これにより、めっき処理の選択性がさらに高まる。
(4)前記めっき液は貴金属イオンを含むことが好ましい。これにより、線材の耐摩耗性が高まる。さらに、貴金属元素は高価であるため、貴金属元素を含むめっき被膜を線材に部分的に形成させることにより、コストの低減効果が高められる。
(5)前記線材および前記溝の断面形状はいずれも矩形であることが好ましい。この場合、前記線材は、一つの側面(第1側面)が前記溝の底面に対向するように嵌め込まれていることが好ましい。このように、線材と溝との断面形状が対応する場合、線材の溝の底面に対向する第1側面に加えて、線材の溝の側面に対向する側面(第3側面および第4側面)にめっき液が回り込むのを抑制できる。よって、線材の第1側面に対向する第2側面に選択的にめっき処理することができる。
(6)前記線材の前記第1側面の幅Wmに対する、前記溝の幅Wgの比:Wg/Wmは、1.01〜1.3であることが好ましい。線材の脱着を妨げることなく、線材の第2側面に選択的にめっき処理することができるためである。
(7)前記線材の前記溝の前記底面に垂直な方向の高さHmに対する、前記溝の高さHgの比:Hg/Hmは、0.9〜3.0であることが好ましい。これにより、線材の第2側面に選択的にめっき処理する効果が高まる。
(8)前記線材の前記第2側面に形成されるめっき被膜の厚みTeに対する、上記第3側面および第4側面に形成されるめっき被膜の厚みTsの比:Ts/Teは、例えば0〜0.5である。上記厚みの比Ts/Teがこの範囲であれば、線材の第2側面に高い選択性でめっき処理が行われたということができ、コストの低減効果が高められる。
(9)本発明の第二の局面に係るめっき装置は、線状の金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材と、めっき液が収容されるめっき槽と、を備える。このとき、前記金属材料は、前記溝に沿うように嵌め込んだ状態で前記めっき液に浸漬される。これにより、高い生産性および低コストで、線材の長手方向に沿った領域を、選択的にめっき処理することができる。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[線状の金属材料]
線状の金属材料(線材)の材質は特に限定されず、銅、銅合金(黄銅、リン青銅等)、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄、鉄合金(鉄−ニッケル合金等)等が例示できる。部分めっきされる線材は、その表面の一部あるいは全部に予め他のめっき被膜(プレめっき被膜)を備えていてもよい。プレめっき被膜としては、例えば、ニッケルめっき被膜、錫めっき被膜、銅めっき被膜等が挙げられる。プレめっき被膜は、これらのめっき被膜を複数備えていてもよい。
線状の金属材料(線材)の材質は特に限定されず、銅、銅合金(黄銅、リン青銅等)、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄、鉄合金(鉄−ニッケル合金等)等が例示できる。部分めっきされる線材は、その表面の一部あるいは全部に予め他のめっき被膜(プレめっき被膜)を備えていてもよい。プレめっき被膜としては、例えば、ニッケルめっき被膜、錫めっき被膜、銅めっき被膜等が挙げられる。プレめっき被膜は、これらのめっき被膜を複数備えていてもよい。
線材の断面の形状も特に限定されず、円形、楕円形、矩形等であってもよい。なかでも、めっき処理される部分を制御し易い点で、線材の断面の形状は矩形であることが好ましい。ここで矩形とは、四角形のうち、4つの角がすべて略直角(例えば、80〜110度)である形状である。矩形の4辺の長さはすべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、矩形には、角が面取りされた矩形が含まれる。さらに、矩形の辺は直線でなくてもよく、緩やかな曲線であってもよい。以下、溝の断面の形状についても同様である。線材の断面とは、線材の長手方向に垂直な面である。線材の太さも特に限定されず、用途等に応じて適宜選択すればよい。線材は、長尺のままめっき処理されてもよいし、適宜の長さに切断された後、めっき処理されてもよい。
[めっき装置]
めっき装置は、線状の金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材と、めっき液が収容されるめっき槽と、を備える。線材は、溝に沿うように嵌め込まれた状態で、めっき液に浸漬される。
めっき装置は、線状の金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材と、めっき液が収容されるめっき槽と、を備える。線材は、溝に沿うように嵌め込まれた状態で、めっき液に浸漬される。
(固定部材)
固定部材の形状は特に限定されず、平板状であってもよいし、円筒形であってもよい。円筒形の固定部材は、中空部を有さないロール型であってもよいし、中空部を有するドラム型であってもよい。線材を長尺のままめっき処理する場合、固定部材は円筒形であることが好ましく、さらに回転可能であることが好ましい。この場合、溝は、固定部材の周面に、回転方向に沿って形成される。
固定部材の形状は特に限定されず、平板状であってもよいし、円筒形であってもよい。円筒形の固定部材は、中空部を有さないロール型であってもよいし、中空部を有するドラム型であってもよい。線材を長尺のままめっき処理する場合、固定部材は円筒形であることが好ましく、さらに回転可能であることが好ましい。この場合、溝は、固定部材の周面に、回転方向に沿って形成される。
固定部材の材質も特に限定されない。安定した電気めっきを行うために、固定部材は非導電性の材料により形成されていることが好ましい。非導電性の材料としては、耐薬品性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、これら樹脂と繊維との複合体(いわゆる繊維強化プラスチック)、ガラス、酸化アルミニウム等のセラミックス等が例示できる。
溝は、固定部材の表面の少なくとも一部に形成されている。線材は、溝に沿うように嵌め込まれ、長手方向に沿って溝に固定される。線材を固定するため、溝の断面の形状は、少なくとも線材の一部が収容できるような形状および大きさである。線材を安定して固定するために、溝は、線材の溝に嵌め込まれる部分の形状に対応する断面形状を備えることが好ましい。
溝は、線材の一部をめっき液から遮蔽するマスクの役割を担う。線材は、溝に嵌め込まれた状態でめっき液に浸漬される。線材の表面のうち、少なくとも溝で囲まれた領域は陰になるため、電流が回り込み難い。よって、線材の溝で囲まれた領域以外の表面が、線材の長手方向に沿って連続的にめっきされる。さらに、溝の断面の大きさと線材の断面の大きさとを適切に設定することにより、線材のめっきされる表面をより限定することができる。
(めっき槽)
めっき槽はめっき液を収容する。めっき槽の材質は、めっき液に対する耐薬品性がある限り特に限定されず、固定部材の材料として例示したものが同じく例示できる。めっき槽の大きさも特に限定されず、めっき装置の規模、固定部材の大きさや形状等に応じて適宜設定すればよい。なお、固定部材の少なくとも一部はめっき液に浸漬されるため、めっき槽は、固定部材の少なくとも一部を収容できる以上の大きさを備える。
めっき槽はめっき液を収容する。めっき槽の材質は、めっき液に対する耐薬品性がある限り特に限定されず、固定部材の材料として例示したものが同じく例示できる。めっき槽の大きさも特に限定されず、めっき装置の規模、固定部材の大きさや形状等に応じて適宜設定すればよい。なお、固定部材の少なくとも一部はめっき液に浸漬されるため、めっき槽は、固定部材の少なくとも一部を収容できる以上の大きさを備える。
(めっき液)
線材にめっきされる金属元素は、特に限定されない。なかでも、耐摩耗性の観点から、線材には、貴金属元素を含むめっき被膜が形成されることが好ましい。つまり、金属めっき液が貴金属イオンを含むことが好ましい。部分めっきによって、貴金属イオンを含むめっき液の消費量が抑制されることによるコストの低減効果はさらに高まる。貴金属元素とは、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)である。
線材にめっきされる金属元素は、特に限定されない。なかでも、耐摩耗性の観点から、線材には、貴金属元素を含むめっき被膜が形成されることが好ましい。つまり、金属めっき液が貴金属イオンを含むことが好ましい。部分めっきによって、貴金属イオンを含むめっき液の消費量が抑制されることによるコストの低減効果はさらに高まる。貴金属元素とは、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)である。
金イオンの供給源としては、シアン化金カリウム、亜硫酸金カリウム等が挙げられる。銀イオンの供給源としては、シアン化銀、有機スルホン銀等が挙げられる。パラジウムイオンの供給源としては、例えば、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、ジアミノジクロロパラジウム、ジアミノジ亜硝酸パラジウム、等が挙げられる。白金イオンの供給源としては、例えば、塩化白金酸、ジニトロジアミン白金、ジニトロ硫酸白金、等が挙げられる。ロジウムイオンの供給源としては、硫酸ロジウム、リン酸ロジウム等が挙げられる。イリジウムイオンの供給源としては、塩化イリジウム酸塩、臭化イリジウム酸塩等が挙げられる。ルテニウムイオンの供給源としては、スルファミン酸ルテニウム等が挙げられる。めっき液は、他の金属イオンを含んでいても良い。この場合、貴金属元素は、めっき被膜に他の金属元素との合金として含まれ得る。
めっき液には、上記金属イオンの供給源である金属塩の他、錯化剤(キレート剤)、pH緩衝剤、光沢剤、界面活性剤等が含まれる。これら以外の添加剤が含まれていてもよい。これらの化合物は、所定の濃度を維持するように、浴中に適宜追加投入される。各化合物の濃度は特に限定されず、従来公知の濃度で添加されればよい。めっき槽のpHも、金属塩の種類に応じて適切な範囲に適宜設定すればよく、酸性域、中性域、アルカリ性域であってもよい。
錯化剤は、浴中の金属イオンと錯体を形成し、安定化させる化合物である。錯化剤も特に限定されず、金属塩の種類に応じて適宜選択すればよい。錯化剤としては、例えば、硫酸、リン酸、塩酸などのアンモニウム塩、スルファミン酸、エチレンジアミン四酢酸、有機カルボン酸(グルコン酸、プロピオン酸等)等が挙げられる。
pH緩衝剤は、金属イオンの沈殿を防止する化合物であって、例えば、ホウ酸、酢酸、クエン酸等が挙げられる。光沢剤は、電着層の表面を平滑化する化合物であって、例えば、サッカリンナトリウム、ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ブチンジオール等が挙げられる。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
(めっき処理)
電気めっき法は、線材を陰極、めっきする金属(あるいは不溶性電極)を陽極として電流を流すことにより、線材に金属を析出させる方法である。めっき処理の条件は特に限定されず、めっき槽の組成等に応じて適宜設定すればよい。電流密度は、例えば0.1〜20A/dm2である。浴の温度は、例えば20〜70℃である。めっき処理の時間は、所望のめっき被膜の厚さに応じて、適宜設定すれば良い。
電気めっき法は、線材を陰極、めっきする金属(あるいは不溶性電極)を陽極として電流を流すことにより、線材に金属を析出させる方法である。めっき処理の条件は特に限定されず、めっき槽の組成等に応じて適宜設定すればよい。電流密度は、例えば0.1〜20A/dm2である。浴の温度は、例えば20〜70℃である。めっき処理の時間は、所望のめっき被膜の厚さに応じて、適宜設定すれば良い。
図1を参照して、線材が溝に嵌め込まれた3つのパターンを説明する。図1では、線材1および溝111がいずれも矩形の断面を有しており、線材1の第1側面1aが、溝111の底面111aに対向するように嵌め込まれている場合を示している。ここでは、固定部材110の表面110aを基準面(=0)として、線材1の表面110aからのはみ出しの程度と、めっきされ得る部分の関係について説明する。
図1では、溝111の側面111cおよび111dと線材1との間の隙間は十分に小さく、当該隙間には電流が回り込み難い。このように、当該隙間の大きさに応じて、線材1の溝111の側面111cおよび111dに対向する側面(第3側面1cおよび第4側面1d)へのめっき処理の程度は決定され得る。ここで、線材1を溝111に固定させるためには、当該隙間は過度に大きくないことが好ましい。そのため、線材1の複数の側面をめっき処理する場合、線材1の溝111の底面111aに対向させる側面を変えながら、複数回に分けてめっき処理することが好ましい。この方法については後述する。
図1(a)では、線材1は、一部が固定部材110に形成された溝111からはみ出すように、溝111に嵌め込まれている。このとき、線材1の第2側面1bは、基準面よりプラス側にある。この場合、電流は、線材1の第2側面1bに加えて、第3側面1cおよび第4側面1dの一部に選択的に作用する。よって、線材1の第2側面1bと、第3側面1cおよび第4側面1dの溝111からはみ出した部分とに、部分的にめっき被膜2が形成される。なお、第3側面1cおよび第4側面1dの溝111からはみ出した部分以外の部分にもめっき被膜2は形成され得るが、その厚さは非常に薄くなる。
図1(b)では、線材1は溝111にちょうど収まっている。つまり、線材1の第2側面1bは、基準面と同じ位置にある。この場合、電流は、線材1の第2側面1bに選択的に作用する。この場合も、第3側面1cおよび第4側面1dにもめっき被膜2は形成され得るが、非常に薄い。つまり、線材1の第2側面1bに、部分的にめっき被膜2が形成される。
図1(c)では、溝111が十分に深く、線材1は溝111に完全に収まっている。つまり、線材1の第2側面1bは、基準面よりマイナス側にある。この場合、図1(b)と比較して、線材1の第2側面1bに、より選択的に電流が作用し、第2側面1bに部分的にめっき被膜2が形成される。
以下、図1(c)を参照しながら、線材1の第2側面1bにのみ選択的にめっき被膜2を形成する場合における、溝111の断面の大きさと線材1の断面の大きさとの好ましい関係を、より具体的に説明する。
図1(c)に示すように、溝111および線材1がいずれも矩形の断面を有しており、線材1の第1側面1aが溝111の底面111aに対向するように嵌め込まれている場合、めっき処理の選択性が向上する点で、線材1の第1側面1aの少なくとも一部と溝111の底面111aとは、接触していることが好ましい。これにより、第1側面1aにはほとんどめっき被膜2は形成されない。
図1(c)に示すように、溝111および線材1がいずれも矩形の断面を有しており、線材1の第1側面1aが溝111の底面111aに対向するように嵌め込まれている場合、めっき処理の選択性が向上する点で、線材1の第1側面1aの少なくとも一部と溝111の底面111aとは、接触していることが好ましい。これにより、第1側面1aにはほとんどめっき被膜2は形成されない。
線材1の第3側面1cと溝111の側面111cとの間、および、線材1の第4側面1dと溝111の側面111dとの間には、それぞれ隙間があってもよい。線材1が着脱され易くなるためである。一方、線材1を安定して固定できる点、および、線材1の第3側面1cおよび第4側面1dにめっき被膜2を形成させないためには、上記隙間はできるだけ小さい方が好ましい。これらの点を考慮すると、線材1の第1側面1aの幅Wmは、溝111の底面111aの幅Wgよりも少しだけ小さいことが好ましい。具体的には、線材1の第1側面1aの幅Wmに対する溝の幅Wgの比:Wg/Wmは、1.01〜1.3であることが好ましく、1.05〜1.3であることがより好ましい。線材1の第3側面1cと溝111の側面111cとの隙間と、線材1の第4側面1dと溝111の側面111dとの隙間とは、同じ大きさであっても良いし、異なっていてもよい。
第1側面1aの幅Wmとは、線材1の長手方向に垂直な方向(あるいは、溝111の長手方向に垂直な方向。以下、方向DA)における第1側面1aの幅である。方向DAにおける線材1の幅が一定でない場合、方向DAにおける第3側面1cと第4側面1dとの間の最大距離を、幅Wmとしてもよい。溝111の幅Wgは、方向DAにおける溝111の幅である。方向DAにおける溝111の幅が一定でない場合、方向DAにおける側面111cと側面111dとの間の最大距離を、幅Wgとしてもよい。
めっき処理の選択性がさらに向上する点で、溝111と溝111に嵌め込まれた線材1の断面を見たとき、線材1の断面の全体が溝111に収容されることが好ましい。一方で、脱着のし易さを考慮すると、溝111は過度に深くない方が好ましい。これらの点を考慮すると、溝111の底面111aに垂直な方向(あるいは、線材1の第1側面1aに垂直な方向。以下、方向DB)における線材1の高さHmに対する、方向DBにおける溝の高さHgの比:Hg/Hmは、0.9〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。方向DBにおける線材1の高さが一定でない場合、方向DBにおける第2側面1bと第1側面1aとの間の最大距離を、高さHmとしてもよい。溝111の高さHgは、方向DBにおける溝111の最小の高さである。
線材1の第2側面1bに形成されるめっき被膜2の厚みTeに対する、第3側面1cおよび第4側面1dに形成されるめっき被膜2の厚みTsの比:Ts/Teは、0〜0.5であることが好ましく、0〜0.2であることがより好ましい。めっき被膜2の厚みの比Ts/Teがこの範囲であれば、第2側面1bに高い選択性でめっき処理が行われたということができる。各側面に形成されるめっき被膜2の厚みは、線材1の長手方向に垂直な断面のうち、溝111の底面111aに対向していた面(第1側面1a)に対応する辺以外の各辺について、それぞれ任意の5点のめっき被膜の厚みを測定し、辺ごとに平均化して得られる数値である。ここで、上記任意の5点は、各辺を6等分するように配置された点とする。めっき被膜2の厚みTeは特に限定されず、用途等に応じて適宜設定すればよい。
溝111の形状は特に限定されない。固定部材110が平板状である場合、溝111は、生産性の観点から、渦巻き型やサーペンタイン型のように、線材1をより長く固定できる形状に形成されていてもよい。しかし、線材1の脱着のし易さ等を考慮すると、溝111の形状は直線であることが好ましい。固定部材110が平板状である場合の溝111の形状とは、固定部材110の主面の法線方向から見た溝111の形状である。固定部材110が円筒形である場合、生産性の観点から、溝111は螺旋状に形成されることが好ましい。溝111は固定部材110に複数形成されていても良い。これにより、複数の線材1を同時に部分めっきすることが可能である。この場合、平板状の固定部材110に形成される複数の溝111は、直線状であってかつ互いに平行に形成されていることが好ましい。円筒形の固定部材110に形成される複数の溝111は、互いに平行なリング状であることが好ましい。
図2に、本実施形態に係るめっき装置100の概略を示す。めっき装置100は、溝(図示せず)を有する固定部材110と、めっき液130が収容されるめっき槽120と、を備える。さらにめっき装置100は、不溶性陽極150を備える。長尺である線材1をめっき処理する場合、線材1を誘導する誘導ローラ140を複数(図2では、140A〜140Cの3つ)配置することが好ましい。これにより、線材1にテンションかけながら、めっき処理することができる。不溶性陽極150の材質としては特に限定されず、例えば、白金がめっきされたチタン製のエキスパンドメッシュ等が挙げられる。めっき装置100に配置される固定部材110の数は特に限定されず、1つ以上であればよい。例えば、めっき被膜2を厚くしたい場合、複数の固定部材110を配置して、それぞれに線材1を固定させてめっき処理してもよい。めっき槽120は、めっき液130を撹拌するための装置(例えば、噴流撹拌機等)を備えていてもよい。
図2では、2つの円筒形の固定部材110Aおよび110Bが使用されており、各固定部材110は、回転シャフト112(112Aおよび112B)により回転可能である。また、線材1は、固定部材110Aを経由した後、誘導ローラ140Cによって反転させられて、固定部材110Bに形成された溝(図示せず)に嵌め込まれる。つまり、このめっき装置100によれば、例えば矩形の断面を有する線材1の互いに対向する側面(例えば、図2における第1側面1aおよび第2側面1b)に、それぞれめっき被膜2が形成される。なお、線材1を、90度回転させた状態で固定部材110Bに固定することにより、線材1の互いに交わる側面(例えば、図2における第2側面1aおよび第3側面1cあるいは第4側面1d)に、それぞれめっき被膜を形成することができる。複数の固定部材110が配置される場合、各固定部材110に形成される溝111の形状および大きさはそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
通常、電気めっき法においては、広範囲に均一にめっき被膜が形成されること、すなわち、めっき液の付きまわり性が良いことが要求される。付きまわり性は、めっき液における金属イオン供給源の濃度、温度条件、電流密度等に依存する。例えば、電流密度を大きくすると、一般的にめっき液の付きまわり性は低下する。本実施形態においては、めっき液130の付きまわり性はむしろ低いほうが望ましい。めっき液130の付きまわり性が低い場合、線材1の溝111に対向する領域には、めっき被膜2が形成され難くなるためである。よって、めっき処理の選択性がさらに向上する。あるいは、めっき液130の付きまわり性を低くするために、電流密度を大きくすることができる。すなわち、めっき被膜2の形成スピードを高める条件でめっき処理できるため、生産性が向上する。
めっき液130の付きまわり性は、ハーリングセル試験法において−100〜50%であることが好ましい。ハーリングセル試験は、例えば図3に示す試験装置300により実施される。試験装置300は、付きまわり性の測定対象である対象めっき液(図示せず)を収容する電解槽330と、その両端に配置される陰極320Aおよび320Bと、陰極320Aと320Bとの間に配置される陽極310と、を備える。陽極310の位置を、図3のような陰極320B寄りの位置から陰極320A側へと移動させてめっき処理を行い、陰極320Aおよび320Bに付着した金属の質量(形成されためっき被膜の質量)をそれぞれ計測する。陽極310の移動を繰り返しながら、逐次、上記金属の質量を計測する。陽極310の位置および各陰極に付着した金属の質量を以下の式に当てはめることにより、付きまわり性Tp(%)が算出される。Tp(%)は、−100%から+100%までの範囲をとる。付きまわり性がよいとは、Tp(%)がプラス側に大きいことをいう。
Tp(%)={(X/Y)−(Mb/Ma)}×100/{(X/Y)+(Mb/Ma)−2}
ただし、Xは陰極320Aと陽極310との距離、Yは陰極320Bと陽極310との距離、Maは陰極320Aに付着した金属の質量、Mbは陰極320Bに付着した金属の質量である。
ただし、Xは陰極320Aと陽極310との距離、Yは陰極320Bと陽極310との距離、Maは陰極320Aに付着した金属の質量、Mbは陰極320Bに付着した金属の質量である。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
(1)線材の準備
黄銅にニッケルめっき層および錫めっき層が順次形成された、断面形状が略正方形、一辺(=Wm、Hm)が0.65mmの線材を準備した。
(1)線材の準備
黄銅にニッケルめっき層および錫めっき層が順次形成された、断面形状が略正方形、一辺(=Wm、Hm)が0.65mmの線材を準備した。
(2)固定部材の準備
断面形状が略正方形の溝aが形成された、回転可能な円筒形の固定部材Aを準備した。溝aは、固定部材Aの周面に、回転方向に沿って形成した。溝aの幅Wgは0.7mmであり、高さHgは0.65mmであった。
断面形状が略正方形の溝aが形成された、回転可能な円筒形の固定部材Aを準備した。溝aは、固定部材Aの周面に、回転方向に沿って形成した。溝aの幅Wgは0.7mmであり、高さHgは0.65mmであった。
(3)めっき液の準備
パラジウム濃度5g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが40%のめっき液A(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を準備した。
パラジウム濃度5g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが40%のめっき液A(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を準備した。
(4)めっき処理
固定部材Aが1つ配置されていること以外は、図2に示すめっき装置と同様の装置を用いて、電流密度3A/dm2で、線材にめっき処理Aを施した。めっき浴の温度は50℃であった。めっき処理後、線材を水洗し、乾燥させて、溝Aから露出した面(第2側面)の厚みTeおよび溝Aの側面に対向する面(第3側面および第4側面)の厚みTsを測定した。なお、第3側面および第4側面の厚みはほぼ同じであった。めっき処理における電流密度、めっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
固定部材Aが1つ配置されていること以外は、図2に示すめっき装置と同様の装置を用いて、電流密度3A/dm2で、線材にめっき処理Aを施した。めっき浴の温度は50℃であった。めっき処理後、線材を水洗し、乾燥させて、溝Aから露出した面(第2側面)の厚みTeおよび溝Aの側面に対向する面(第3側面および第4側面)の厚みTsを測定した。なお、第3側面および第4側面の厚みはほぼ同じであった。めっき処理における電流密度、めっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例2]
パラジウム濃度5g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが65%のめっき液B(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度15A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Bを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
パラジウム濃度5g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが65%のめっき液B(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度15A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Bを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例3]
パラジウム濃度10g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが−50%のめっき液C(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Cを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
パラジウム濃度10g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが−50%のめっき液C(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Cを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例4]
パラジウム濃度10g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが−100%のめっき液D(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Dを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
パラジウム濃度10g/リットル、pH8.5であり、付きまわり性Tpが−100%のめっき液D(松田産業株式会社製、パラシグマLN−5シリーズ)を用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Dを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例5]
幅Wgが0.7mmであり、高さHgが1.3mmの溝bを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Bと、めっき液Dとを用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Eを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
幅Wgが0.7mmであり、高さHgが1.3mmの溝bを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Bと、めっき液Dとを用いて、電流密度1A/dm2でめっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき処理Eを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例6]
幅Wgが0.9mmであり、高さHgが2.6mmの溝cを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Cを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Fを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
幅Wgが0.9mmであり、高さHgが2.6mmの溝cを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Cを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Fを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例7]
幅Wgが0.9mmであり、高さHgが0.65mmの溝dを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Dを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Gを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
幅Wgが0.9mmであり、高さHgが0.65mmの溝dを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Dを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Gを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
[実施例8]
幅Wgが0.7mmであり、高さHgが0.4mmの溝eを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Eを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Hを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
幅Wgが0.7mmであり、高さHgが0.4mmの溝eを備える以外は、実施例1と同様の固定部材Eを用いて、実施例1と同様にしてめっき処理Hを行った。形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teを表1に示す。
めっき処理Aとめっき処理Bとを比較すると、付きまわり性の小さなめっき液Aを用いためっき処理Aでは、厚みの比Ts/Teが小さく、めっき処理の選択性がより向上していた。また、めっき処理A〜Dから、めっき液の付きまわり性が−100〜50%であれば、電流密度およびPd濃度にあまり影響されずに、めっき処理の選択性が高まることがわかる。めっき処理DおよびEから、溝の高さが線材の高さに比べて高い場合、めっき処理の選択性がさらに高まる傾向にあることがわかる。この傾向は、めっき処理F〜Hで形成されためっき被膜の厚みの比Ts/Teからもわかる。ただし、めっき処理Fでは、線材の第2側面のコーナー部に、厚いめっき被膜が形成されていた。
本発明に係るめっき方法およびめっき装置によれば、高い生産性および低コストで、線材に選択的にめっき処理することができるため、様々な電子機器部品(例えば、プレスフィット端子、各種コネクタ材料等)、電子機器の測定装置部品(コンタクトプローブ等)、装飾品等の部分めっき処理に使用することができる。
1:線材、1a:第1側面、1b:第2側面、1c:第3側面、1d:第4側面、2:めっき被膜、100:めっき装置、110、110A、110B:固定部材、110a:固定部材の表面、111:溝、111a:溝の底面、111c、111d:溝の側面、112、112A、112B:回転シャフト、120:めっき槽、130:めっき液、140、140A〜140C:誘導ローラ、150:不溶性陽極、200:プレスフィット端子、201:プレスフィット部、201S:接触面、300:試験装置、310:陽極、320A、320B:陰極、330:電解槽
Claims (9)
- 線状の金属材料を準備する準備工程と、
前記金属材料の表面のうち、長手方向に沿った領域を選択的に電気めっきするめっき工程と、を備え、
前記めっき工程が、
前記金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材を準備する工程と、
前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込む工程と、
前記金属材料を、前記溝に嵌め込まれた状態で前記めっき液に浸漬する工程と、を備える、めっきされた線状の金属材料の製造方法。 - 前記固定部材が、回転可能な円筒形であり、
前記溝が、前記固定部材の周面に、回転方向に沿って形成されている、請求項1に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。 - 前記めっき液の付きまわり性が、−100〜50%である、請求項1または2に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。
- 前記めっき液が貴金属イオンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。
- 前記金属材料および前記溝の断面形状がいずれも矩形であり、
前記金属材料の第1側面が、前記溝の底面に対向するように嵌め込まれている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。 - 前記金属材料の前記第1側面の幅Wmに対する、前記溝の幅Wgの比:Wg/Wmが、1.01〜1.3である、請求項5に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。
- 前記金属材料の前記溝の前記底面に垂直な方向の高さHmに対する、前記溝の高さHgの比:Hg/Hmが、0.9〜3.0である、請求項5または6に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。
- 前記金属材料の前記第1側面に対向する第2側面に形成されるめっき被膜の厚みTeに対する、前記第1側面に交わる第3側面および第4側面に形成されるめっき被膜の厚みTsの比:Ts/Teが、0〜0.5である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のめっきされた線状の金属材料の製造方法。
- 線状の金属材料を固定するための溝が表面に形成された固定部材と、
めっき液が収容されるめっき槽と、を備え、
前記金属材料を、前記溝に沿うように嵌め込んだ状態で前記めっき液に浸漬する、めっき装置。
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