JP2017144172A - 逆行性射精の治療方法および逆行性射精の治療用装置 - Google Patents

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雄太郎 角田
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Abstract

【課題】日常生活に影響を与えることなく、精液を射精管から尿道を介して体外に導出させることができる逆行性射精の治療方法を提供する。【解決手段】逆行性射精の治療方法は、精液が射精管507から膀胱502に向かって逆行することを防止する治療方法であって、精液の逆行を規制する留置物100を射精管と膀胱との間に導入する導入ステップS101と、留置物を射精管と膀胱との間に留置する留置ステップS103と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、精液が射精管から膀胱に向かって逆行することを防止する逆行性射精の治療方法および逆行性射精の治療用装置に関する。
逆行性射精は、精液が射精管から膀胱に向かって逆行することによって、精液が尿道から体外に導出されない疾患であって、男性側に起因した不妊の原因となる。逆行性射精の疾患を有する患者は、射精の際に膀胱頸部が十分に収縮しない。このため、射精管から導出された精液は、膀胱頸部を通って膀胱内に逆行してしまう。
そこで、疾患が軽症の場合は、膀胱頸部を収縮させるための薬剤(例えば、特許文献1を参照。)を服用して治療することがある。しかしながら、薬剤の服用には手間が掛かり、また、薬剤の服用を失念することもあることから、患者の日常生活に影響を与えてしまう虞がある。
特表2003−523333号
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、日常生活に影響を与えることなく、精液を射精管から尿道を介して体外に導出させることができる逆行性射精の治療方法および逆行性射精の治療用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る逆行性射精の治療方法は、精液が射精管から膀胱に向かって逆行することを防止する治療方法であって、前記精液の逆行を規制する留置物を前記射精管と前記膀胱との間に導入する導入ステップと、前記留置物を前記射精管と前記膀胱との間に留置する留置ステップと、を有する。
本発明に係る逆行性射精の治療方法では、留置物によって、尿が膀胱から尿道を介して体外に排出されることを妨げず、かつ、精液が射精管から膀胱に向かって逆行することを規制する。したがって、このような逆行性射精の治療方法によれば、日常生活に影響を与えることなく、精液を射精管から尿道を介して体外に導出させることができる。
実施形態に係る治療用装置を示す斜視図である。 図1の治療用装置を示す斜視図であって、(A)は要部を拡大して示す図、(B)は(A)を軸方向に沿って断面で示す図である。 図2の治療用装置の状態を変化させた状態を示す斜視図であって、(A)はカバーシースから突出させたバルーンを拡張させた状態を示す図、(B)は(A)を軸方向に沿って断面で示す図である。 留置物を示す斜視図であって、(A)はステントが拡径し且つ生体弁が閉じた状態を示す図、(B)は(A)の生体弁が開いた状態を示す図である。 治療用装置によって拡張される留置物を示す斜視図であって、(A)は拡張される前の状態を示す図、(B)は拡張された後の状態を示す図である。 治療用装置を使用した逆行性射精の治療方法の手順を示すフローチャートである。 治療用装置を使用した逆行性射精の治療方法の手順を模式的に示す図であって、ガイドワイヤを尿道から膀胱まで導入した状態を示す図である。 図7Aに示す状態から引き続き、カバーシースに被覆されたカテーテルをガイドワイヤに沿わせつつ尿道から膀胱頸部まで導入した状態を示す図である。 図7Bに示す状態から引き続き、バルーンを備えたカテーテルをカバーシースから膀胱頸部に向かって突出させた状態を示す図である。 図7Cに示す状態から引き続き、留置物を装着したバルーンを膀胱頸部で拡張させた状態を示す図である。 図7Dに示す状態から引き続き、バルーンを縮小させつつ留置物を膀胱頸部に留置した状態を示す図である。 図7Eに示す状態から引き続き、カバーシースに被覆されたカテーテルを膀胱頸部から尿道を介して抜去した状態を示す図である。 図7Fに示す状態から引き続き、ガイドワイヤを膀胱から尿道を介して抜去した状態を示す図である。 治療用装置を使用して患者に逆行性射精の治療を施した結果、患者が排尿および射精をそれぞれ適切に行えるようになった状態を模式的に示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。実施形態に係る治療用装置10において、術者が把持して操作するカテーテル12の基端部12aの側が基端側に相当し、カテーテル12の先端部12bに備えられたバルーン13の側が先端側に相当する。図8に示す逆行性射精の治療を終えた患者500において、矢印X(一点鎖線)は排尿の際の尿の経路を示し、矢印Y(二点鎖線)は射精の際の精液の経路を示している。
まず、逆行性射精の治療において使用する治療用装置10の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る治療用装置10を示す斜視図である。図2は、図1の治療用装置10を示す斜視図であって、(A)は要部を拡大して示す図、(B)は(A)を軸方向に沿って断面で示す図である。図2は、図1中の領域2を示している。図3は、図2の治療用装置10の状態を変化させた状態を示す斜視図であって、(A)はカバーシース14から突出させたバルーン13を拡張させた状態を示す図、(B)は(A)を軸方向に沿って断面で示す図である。
治療用装置10は、カテーテル12を尿道504から膀胱頸部503まで案内するガイドワイヤ11、留置物100を膀胱頸部503まで導入するカテーテル12、留置物100のステント101を拡径するバルーン13、および留置物100を装着したバルーン13を備えたカテーテル12の先端部12bを保護するカバーシース14を含んでいる。
ガイドワイヤ11は、カテーテル12を尿道504から膀胱頸部503まで案内するものである。
ガイドワイヤ11は、生体内に導入可能なように軸方向に延びた細長い円柱形状から形成されている。ガイドワイヤ11は、基端部11aの側を術者が把持しつつ先端側に向かって送り出すようにして、先端部11bの側を尿道504から挿入して膀胱頸部503を介して膀胱502まで到達させるように構成されている。ガイドワイヤ11には、例えば、可撓性を備えたニッケルとチタンの合金からなる芯線が用いられ、親水性の被膜が施されている。
カテーテル12は、留置物100を膀胱頸部503まで導入する。
カテーテル12は、軸方向に延びた細長い円筒形状から形成されている。カテーテル12は、基端部12aから先端部12bにかけて内部に区画されたガイドワイヤルーメン12cに、ガイドワイヤ11を挿通させる。カテーテル12は、基端部12aからバルーン13の直前にかけて、ガイドワイヤルーメン12cよりも径方向外方に、円筒状の空孔からなるバルーン流通部12dを備えている。バルーン流通部12dは、基端部12aに設けられたポート12eに連通している。
図1〜図3に示すように、カテーテル12のバルーン流通部12dは、ポート12eに取り付けたシリンジ(図示省略)から注入された空気を、バルーン13の中央部13fに対して注入させる。また、バルーン流通部12dは、バルーン13の中央部13f内の空気を、ポート12eに取り付けたシリンジ(図示省略)に対して排出させる。
カテーテル12は、術者が基端部12aの側をカバーシース14の基端部14aと共に把持しつつ先端側に向かって送り出すようにして、その先端部12bの側を尿道504から膀胱頸部503まで到達させるように構成されている。さらに、カテーテル12は、術者が一方の手でカバーシース14の基端部14aを軽く把持した状態において、他方の手でカテーテル12の基端部12aを十分に把持して先端側に少し押し出すことによって、その先端部12bをカバーシース14の先端部14bから膀胱頸部503に向かって突出させるように構成されている。
カテーテル12には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種の軟質または硬質樹脂、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスを用いている。
カテーテル12は、先端部12bに、造影マーカーを備えている。造影マーカーは、生体内におけるカテーテル12の先端部12bの位置を、X線造影下で確認するためのものである。造影マーカーは、X線不透過性を有する金、白金、タングステンあるいはこれらの混合物等によって構成される。
バルーン13は、留置物100のステント101を拡径するためのものである。
バルーン13は、空気の注入および排出によって拡張および収縮する。バルーン13は、基端部13eから中央部13fを介して先端部13gにいたるまで、長尺の袋状に形成されている。バルーン13は、基端部13eと先端部13gがそれぞれ開口している。基端部13eおよび先端部13gは、その開口の内周縁を封止するように、カテーテル12に接続されている。バルーン13の中央部13fは、カテーテル12のバルーン流通部12dを介して空気が注入されると、拡張する。一方、バルーン13の中央部13fは、カテーテル12のバルーン流通部12dを介して空気が排出されると、収縮する。
バルーン13には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、シリコーンゴム、およびラテックスゴムの材料を用いている。バルーン13は、上記の材料を1種類用いて単層構造に形成してもよく、上記の材料を2種類以上組み合わせてラミネート構造に形成してもよい。
バルーン13は、造影マーカーを備えている。造影マーカーは、生体内におけるバルーン13の位置を、X線造影下で確認するためのものである。造影マーカーは、例えば、バルーン13の中央部13fにおいて、筒状に形成されている。
バルーン13を拡張および収縮させる作動流体は、空気に換えて、他の気体や液体を用いて拡張および収縮させてもよい。他の気体には、例えば、窒素、酸素、二酸化炭素などを用いている。液体には、例えば、造影剤、生理食塩水などを用いている。
カバーシース14は、留置物100を装着したバルーン13を備えたカテーテル12の先端部12bを保護するためのものである。
カバーシース14は、生体内に導入可能なように軸方向に延びた細長い円筒形状から形成されている。カバーシース14は、基端部14aから先端部14bにいたる内腔に、カテーテル12を挿通させる。
カバーシース14には、カテーテル12と同様の材料を用いている。
カバーシース14は、先端部14bに、造影マーカーを備えている。造影マーカーは、生体内におけるカバーシース14の先端部14bの位置を、X線造影下で確認するためのものである。
つぎに、逆行性射精の治療において使用する留置物100の構成について、図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、留置物100を示す斜視図であって、(A)はステント101が拡径し且つ弁102が閉じた状態を示す図、(B)は(A)の弁102が開いた状態を示す図である。図5は、治療用装置10によって拡張される留置物100を示す斜視図であって、(A)は拡張される前の状態を示す図、(B)は拡張された後の状態を示す図である。図5(A)は、カバーシース14を部分的に点線で示すことによって、拡張される前の留置物100を示している。
留置物100は、拡径自在なステント101と、精液の移動を一方方向に規制する弁102と、を含んでいる。このような留置物100には、例えば、経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI, transcatheter aortic valveimplantation)に適用されている公知の弁と同等の機能を備えた弁を用いている。
ステント101は、径方向に沿って拡径しつつ塑性変形した状態において、膀胱頸部503の内壁に留置される。ステント101は、自ら拡径することなくバルーン13によって拡径されるバルーンエクスパンダブルタイプから構成している。ステント101は、例えば、ストラットを軸方向に沿って螺旋状に巻回して形成されている。ステント101は、図5(A)から図5(B)に示すように、治療用装置10のバルーン13の拡張に伴って拡径しつつ塑性変形した後、バルーン13が収縮しても、その拡径した状態が維持される。
ステント101には、非生分解性の金属材料であるステンレス鋼、コバルト−クロム合金等のコバルト系合金、プラチナ−クロム合金等の弾性金属が用いられる。ステント101には、溶解性を備え、経年的に分解する生分解性の材料を用いてもよい。
ステントは、バルーン13の拡張に依存することなく、自らの弾性変形力によって拡張するセルフエクスパンダブルタイプによって構成してもよい。そのような場合、ステントは、カテーテル12の先端部12bに装着され、そのカテーテル12の先端部12bがカバーシース14の先端部14bから突出されたときに、自ら拡径する。
弁102は、媒体(尿)が一の方向(膀胱502から尿道504)に向かって移動する場合、その尿の圧力によって開いて、尿の流通を阻害しない。一方、弁102は、媒体(精液)が他の方向(射精管507から膀胱502)に向かって移動しようとする場合、その精液の圧力によって閉じて、精液の流通を阻害する。弁102は、複数枚の弁(第1弁102A、第2弁102Bおよび第3弁102C)から構成され、各々の基端側の部分がステント101に接合されている。
弁102は、閉じている状態の場合、図4(A)に示すように、第1弁102A、第2弁102Bおよび第3弁102Cの隣り合う縁が接触している。一方、弁102は、開いている状態の場合、図4(B)に示すように、第1弁102A、第2弁102Bおよび第3弁102Cの隣り合う縁が離間している。
弁102には、例えば、牛の心膜や豚の心臓弁を加工処理した生体由来性の弁や機械式の弁が用いられる。弁102は、10〜20年で耐久性が低下するが、一般的な人間の生殖活動の期間を考慮すれば、問題無い。
つぎに、患者500における排尿および射精の概要について、図7Aを参照しながら説明する。
図7Aは、治療用装置10を使用した逆行性射精の治療方法の手順を模式的に示す図であって、排尿および射精に関わる患者500の主要な臓器が示されている。
図7Aに示すように、患者500の体内において、腎臓によって生成された尿は、尿管501を介して膀胱502に貯蔵された後、膀胱502から膀胱頸部503を通り尿道504を介して体外に排出される。
一方、患者500の体内において、精巣505によって生成された精子は、精巣上体506に貯留された後、射精の際に射精管507に移動する。精嚢508によって生成された精嚢液は、射精管507で精子と合流する。前立腺509によって生成された前立腺液は、射精管507で精子と合流する。精子、精嚢液および前立腺液を含む精液は、通常、射精管507から尿道504を介して体外に射精される。ところが、逆行性射精の疾患を有する患者500は、射精の際に膀胱頸部503が十分に収縮しないことから、射精管507から導出された精液が膀胱頸部503を通り膀胱502内に逆行してしまう。
つぎに、治療用装置10を使用した逆行性射精の治療方法について、図6および図7を参照しながら説明する。
図6は、治療用装置10を使用した逆行性射精の治療方法の手順を示すフローチャートである。図7A〜図7Gは、治療用装置10を使用した逆行性射精の治療方法の手順を模式的に示す図である。
導入ステップS101(図6)は、精液の逆行を規制する留置物100を、射精管507と膀胱502との間に導入するステップであって、図7A〜図7Cに示す手順に対応している。
術者(不図示、以下同様)は、図7Aに示すように、X線透視下においてガイドワイヤ11の先端部11bの位置を確認しつつ、そのガイドワイヤ11を患者500の尿道504から膀胱頸部503を通して膀胱502まで導入する。
さらに、術者は、図7Bに示すように、X線透視下においてカバーシース14の先端部14bの位置を確認しつつ、カバーシース14に被覆されたカテーテル12をガイドワイヤ11に沿わせて尿道504から膀胱頸部503まで導入する。術者は、カバーシース14を十分に把持することによって、カバーシース14と共にカテーテル12を移動させる。
さらに、術者は、図7Cに示すように、一方の手でカバーシース14を軽く把持した状態において、他方の手でカテーテル12を十分に把持して先端側に少し押し出す。その結果、カテーテル12の先端部12bは、カバーシース14の先端部14bから膀胱頸部503に向かって突出する。バルーン13は、カテーテル12の先端部12bに備えられていることから、カテーテル12の先端部12bと共に、膀胱頸部503内に露出する。
拡張ステップS102(図6)は、導入ステップS101に引き続き、留置物100を装着したバルーン13を拡張させることによって、留置物100のステント101を拡径するステップであって、図7Dに示す手順に対応している。
術者は、図7Dに示すように、X線透視下においてバルーン13の形状を確認しつつ、バルーン13の内部に空気を注入することによって、そのバルーン13を拡張させる。留置物100を外周面に装着したバルーン13は、留置物100と共に拡張する。留置物100のステント101は、膀胱頸部503において拡径しつつ塑性変形する。
留置ステップS103(図6)は、拡張ステップS102に引き続き、留置物100を射精管507と膀胱502との間に留置するステップであって、図7Eに示す手順に対応している。
術者は、図7Eに示すように、X線透視下においてバルーン13の形状を確認しつつ、バルーン13の内部から空気を排出して、そのバルーン13を収縮させる。収縮したバルーン13は、留置物100から離間して、カテーテル12の先端部12bの外周面に貼り付く。留置物100は、ステント101が拡径したまま塑性変形していることから、膀胱頸部503の内腔に留置される。
抜去ステップS104(図6)は、留置ステップS103に引き続き、治療用装置10の構成部材を体外に抜去するステップであって、図7Fおよび図7Gに示す手順に対応している。
術者は、X線透視下においてカテーテル12の先端部12bの位置を確認しつつ、カテーテル12を膀胱頸部503から尿道504に向かって引っ張ることによって、図7Fに示すように、カテーテル12を体外に抜去する。
さらに、術者は、X線透視下においてガイドワイヤ11の先端部11bの位置を確認しつつ、ガイドワイヤ11を膀胱502から尿道504に向かって引っ張ることによって、図7Gに示すように、ガイドワイヤ11を体外に抜去して、逆行性射精の治療に係る手術を完了する。
つぎに、治療用装置10を使用した逆行性射精の治療の結果について、図8を参照しながら説明する。
図8は、治療用装置10を使用して患者500に逆行性射精の治療を施した結果、患者500が排尿および射精をそれぞれ適切に行えるようになった状態を模式的に示す図である。図8は、図7G中の領域8を示している。
患者500が排尿する際は、図8の矢印X(一点鎖線)に示すように、膀胱502に貯蔵された尿が、膀胱頸部503から尿道504を介して体外に排出される。膀胱頸部503に留置された留置物100は、尿の移動を規制することなく、尿を膀胱502から尿道504に流通させる。
一方、患者500が射精する際は、図8の矢印Y(二点鎖線)に示すように、精巣505によって生成され精巣上体506に貯留された精子、精嚢508によって生成された精嚢液、および前立腺509によって生成された前立腺液を含む精液が、射精管507を通って尿道504の側に移動する。ここで、逆行性射精の疾患を有する患者500は、射精の際に膀胱頸部503が十分に収縮しないことから、射精管507から導出された精液が膀胱502に向かって逆行してしまう。しかしながら、膀胱頸部503に留置された留置物100は、精液が膀胱502内に移動することを規制して、その精液が尿道504を介して体外に導出されるように導く。
以上、実施形態に係る逆行性射精の治療方法および治療用装置10によれば、次の構成によって作用効果を奏する。
逆行性射精の治療方法は、精液が射精管507から膀胱502に向かって逆行することを防止する治療方法であって、精液の逆行を規制する留置物100を射精管507と膀胱502との間に導入する導入ステップS101と、留置物100を射精管507と膀胱502との間に留置する留置ステップS103と、を有する。
逆行性射精の治療用装置10は、精液が射精管507から膀胱502に向かって逆行することを防止する装置であって、精液の逆行を規制する留置物100を射精管507と膀胱502との間に導入して留置する搬送部材(カテーテル12)を、有する。
このような逆行性射精の治療方法および治療用装置10によれば、留置物100によって、尿が膀胱502から尿道504を介して体外に排出されることを妨げず、かつ、精液が射精管507から膀胱502に向かって逆行することを規制する。したがって、このような逆行性射精の治療方法および治療用装置10によれば、日常生活に影響を与えることなく、精液を射精管507から尿道504を介して体外に導出させることができる。
さらに、逆行性射精の治療方法において、導入ステップS101は、留置物100を尿道504から射精管507と膀胱502との間に導入する。
このような逆行性射精の治療方法によれば、留置物100を、射精管507と膀胱502との間に向かって、尿道504を介して滑らかに導入することができる。したがって、患者500に過度な負荷を掛けることなく、逆行性射精の治療を行うことができる。
さらに、逆行性射精の治療方法において、留置物100は、拡径自在なステント101と、媒体(精液)の移動を一方方向に規制する弁102と、を含む。導入ステップS101は、拡張および収縮自在なバルーン13を備えたカテーテル12によって留置物100を射精管507と膀胱502との間に導入する。ここで、留置物100を装着したバルーン13を拡張させることによってステント101を拡径する拡張ステップS102を、さらに有する。
このような逆行性射精の治療方法によれば、生体内での実績が豊富であって汎用性が高く剛直なステント101と、逆行防止の機能を備えた弁102を組み合わせた留置物100によって、逆行性射精の治療を高い信頼性を保って十分に行うことができる。
さらに、逆行性射精の治療方法において、導入ステップS101は、射精管507と膀胱502との間にガイドワイヤ11を導入し、カテーテル12をガイドワイヤ11に沿わせつつ射精管507と膀胱502との間に導入する。
このような逆行性射精の治療方法によれば、カテーテル12を、射精管507と膀胱502との間に向かって、ガイドワイヤ11に沿わせつつ滑らかに導入することができる。したがって、患者500に過度な負荷を掛けることなく、逆行性射精の治療を行うことができる。
さらに、逆行性射精の治療方法において、留置ステップS103は、少なくとも溶解性を備えたステント101を含む留置物100を留置する。
このような逆行性射精の治療方法によれば、生殖活動を終えた患者500から、留置物100を排出または除去し易くすることができる。したがって、患者500は、生殖活動を終えた後に留置物100を体外に取り出すことを決めた場合、留置物100の取り出しに要する負荷を軽減することができる。
さらに、逆行性射精の治療方法において、留置ステップS103は、留置物100を膀胱頸部503に留置する。
このような逆行性射精の治療方法によれば、射精する際に通常であれば収縮して精液の逆行を防止する膀胱頸部503に対して、精液の逆行を防止する留置物100を留置することによって、射精管507から尿道504にいたる精液の正常な流れを再現させることができる。したがって、患者500は、精液を正常な流れによって体外に導出させることができる。
以上、本発明における好適な実施形態を説明したが、これらは本発明を説明するための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
例えば、実施形態では、導入ステップS101において、留置物100を、尿道504から射精管507と膀胱502との間に導入する構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、導入ステップS101において、留置物100を、切開した体表面から射精管507と膀胱502との間に導入する構成としてもよい。
また、実施形態では、導入ステップS101において、カテーテル12を、ガイドワイヤ11に沿わせつつ射精管507と膀胱502との間に導入する構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、導入ステップS101において、カテーテル12を、ガイドワイヤ11を使用することなく、射精管507と膀胱502との間に直接的に導入する構成としてもよい。
また、実施形態では、留置物100は、拡径自在なステント101と、媒体の移動を一方方向に規制する弁102と、を含む構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、留置物は、尿の流路に沿った上流側(膀胱502)から下流側(尿道504)に向かって開口面積が徐々に小さくなるような円錐台形状の筒から構成してもよい。このような留置物において、媒体は、膀胱502から尿道504の方向に向かって移動し易く、射精管507から膀胱502の方向に向かって移動し難い。このように、精液の逆行を完全に防止することなく、精液の逆行を部分的に防止する構成としてもよい。
10 治療用装置、
11 ガイドワイヤ、
12 カテーテル、
13 バルーン、
14 カバーシース、
100 留置物、
101 ステント、
102 弁、
500 患者、
501 尿管、
502 膀胱、
503 膀胱頸部、
504 尿道、
505 精巣、
506 精巣上体、
507 射精管、
508 精嚢、
509 前立腺。

Claims (7)

  1. 精液が射精管から膀胱に向かって逆行することを防止する逆行性射精の治療方法であって、
    前記精液の逆行を規制する留置物を前記射精管と前記膀胱との間に導入する導入ステップと、
    前記留置物を前記射精管と前記膀胱との間に留置する留置ステップと、を有する逆行性射精の治療方法。
  2. 前記導入ステップは、前記留置物を尿道から前記射精管と前記膀胱との間に導入する請求項1に記載の逆行性射精の治療方法。
  3. 前記留置物は、拡径自在なステントと、媒体の移動を一方方向に規制する弁と、を含み、
    前記導入ステップは、拡張および収縮自在なバルーンを備えたカテーテルによって前記留置物を前記射精管と前記膀胱との間に導入し、
    前記留置物を装着した前記バルーンを拡張させることによって前記ステントを拡径する拡張ステップをさらに有する請求項1または2に記載の逆行性射精の治療方法。
  4. 前記導入ステップは、前記射精管と前記膀胱との間にガイドワイヤを導入し、前記カテーテルを前記ガイドワイヤに沿わせつつ前記射精管と前記膀胱との間に導入する請求項3に記載の逆行性射精の治療方法。
  5. 前記留置ステップは、少なくとも溶解性を備えた前記ステントを含む前記留置物を留置する請求項3または4に記載の逆行性射精の治療方法。
  6. 前記留置ステップは、前記留置物を膀胱頸部に留置する請求項1〜5のいずれか1項に記載の逆行性射精の治療方法。
  7. 精液が射精管から膀胱に向かって逆行することを防止する逆行性射精の治療用装置であって、
    前記精液の逆行を規制する留置物を前記射精管と前記膀胱との間に導入して留置する搬送部材を有する逆行性射精の治療用装置。
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