JP2004513679A - 局部的組織係合手段を有する前立腺ステントおよび前立腺尿道の閉塞を阻止する方法 - Google Patents
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- A61F2/0027—Closure means for urethra or rectum, i.e. anti-incontinence devices or support slings against pelvic prolapse placed deep in the body opening inflatable
Abstract
前立腺ステントは、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、括約筋の上方に位置する単一体から構成され、単一体は括約筋を通って患者の対外に延在する細長いチューブを備えている。ステントは、患者の体内の適切な位置に配置されるとき、括約筋の自然な運動を阻害しないように構成され、ステントの単一体は、組織と接触するように拡張して約2〜14日にわたる長い期間中ステントを所定の位置に保持する膨張性下部を備えている。ステントはまた、上側および/または中間膨張性部を備えている。前立腺尿道の開口の障害すなわち閉塞を阻止する方法は、ステントの単一体が括約筋の上方の前立腺内に配置されるように、ステントを患者の体内に位置決めする段階を含んでいる。BPHを治療する方法は、前立腺内の局部的組織を温熱融除する段階と、(好ましくは、初期回復期間後に)、前立腺内に治療後カテーテルを挿入して治療された組織をカテーテル周囲に沿って造形して尿路の開口を維持する段階を含んでいる。ステントは括約筋の実質的に正常な運動を阻害しないように患者の括約筋の上方に配置される単一体として構成されている。ステントは、拡張したときに(括約筋および精丘間の)膜状尿道の周囲の局部的治療領域の下方の組織と係合する膨張性下部を備えている。治療後カテーテルは、温熱融除治療または療法が終了してから約2〜14日の期間患者の体内に配置されるように構成されている。
Description
【0001】
[関連出願]
本出願は、引例として全文をここに組み込まれている2000年6月30日に提出された米国仮出願番号第60/215,156号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、患者の管状器官の内腔または体内空洞に挿入されるように構成されたステントに関する。
【0003】
[発明の背景]
従来、人体のある種の病理学上の疾患部を、その対象組織を加熱、すなわち、温熱によって融除することによって、治療する種々の温熱治療システムが提案されている。これらの温熱治療システムは、対象組織を治療、すなわち、融除するのに必要な熱を生成させるために、種々の加熱源を用いている。例えば、選択された体内空洞の内側またはその周囲の対象組織に伝達される熱を生成する手段として、レーザ、マイクロ波、および無線周波(RF)などのエネルギー源の使用が提案されている。温熱治療システムは、前立腺(および、他の器官、体内空洞、および/または管状器官の内腔)を温熱融除するのに用いられている。
【0004】
温熱融除システムの具体的な成功例の1つとして、熱凝固プロセスによって前立腺を温熱融除する方法が挙げられる。この温熱融除システムは、被治療者である患者の体外において液体、典型的には水を加熱し、その加熱された水を、患者のペニス側尿道口から適切な位置に挿入しかつ保持された治療用カテーテル内に循環させることによって、治療の対象となる局部的組織を融除温度に晒す、閉鎖ループ式液体または水誘導温熱療法(WIT)システムを採用している。治療用カテーテルは、治療中膀胱頚部に対して固定される上端部と、その固定される上端部から前立腺内の所定の治療領域に沿うように配置される膨張性治療部を備えている。治療時において、膨張性治療部をその内部を循環する流体によって膨張させ、前立腺内の局部的な(すなわち、治療領域内の)対象組織に押し付け、その組織を循環する液体で上昇した温度に晒すことによって温熱融除している。なお、膨張性治療部は局部的な対象組織に加圧接触しているので、体内の血液循環による熱吸収効果を低減させ、膨張性治療部による前立腺組織内への熱の伝達深さを増すことができる。
【0005】
外科手術による治療(経尿道的前立腺切除(TURP))に替わる治療法として、WIT(水導入温熱療法)はBPH(両性前立腺肥大症)の治療に特に適していることがわかっている。一般的に、「BPH」という用語は、前立腺が肥大して前立腺組織の密度が増し、その結果、尿の排出路を閉塞する疾患を意味している。この疾患は典型的には年老いた男性に生じるが、その原因は長年にわたる前立腺組織(および膀胱筋肉)の生理学的な(病理学的ではない)変化によるものである。前立腺尿道の開口を(外科手術による切除および組織の除去によらず)拡大するために、温熱の循環水が前述したようにペニス側尿道口からペニス側尿道を介して前立腺内に挿入された治療用カテーテルに導入されるようになっている。治療用カテーテルの膨張性治療部は、その内部に導入された温水によって膨張し、前立腺に押し付けられ、対象となる前立腺組織を熱伝達により加熱して温熱融除される。典型的には、循環水を約60〜62℃の温度に加熱し、対象組織をその温水によって約45分間温熱融除し、前立腺内の尿排出路の近傍の組織を局部的に壊死させ、前立腺内の尿道路を拡大している。
【0006】
温熱融除治療に続いて、前立腺内の治療された組織に対する回復治療が行われる。温熱融除治療が行われた当初、融除された組織は炎症または浮腫(むくみ)によって膨張または隆起することになる。このような前立腺内の組織の膨張または隆起によって、前立腺尿道が閉塞するおそれがある。さらに、回復期間中に、治療された組織の一部が壊死することによって尿道の開口寸法が過度に小さくなるという好ましくない現象も生じる。ただし、この治療後の開口寸法が小さくなるという現象を積極的に利用して、回復サイクル中に、融除された組織をその内部に留置させたカテーテルまたはステントの輪郭に対応する形状に造形することができる。従って、適切な回復を促進し、かつ融除治療の効果を増すために、治療用カテーテルを一定期間患者の体内に残留させ、および/または従来のフォーレイカテーテルのような治療後用カテーテルを患者の体内に配置させるような回復治療が行われている。しかし、治療用カテーテルまたは治療後カテーテルは、患者の体内に2〜14日またはそれ以上留置されていなければならない。従って、特に治療後カテーテルは括約筋の正常な機能を阻害することなく、失禁用のバッグの使用を必要とせず、さらに、ユーザの不便さまたは不快さを軽減するように、ユーザに対する侵襲性を可能な限り小さくするように構成されることが望ましい。
【0007】
従来、上端部に膀胱留置バルーンを有するフォーレイカテーテルは、初期の回復期に温熱融除された組織をカテーテルの周囲に沿って造形するための治療後用カテーテルとして用いられている。この種の治療後カテーテルは患者の膀胱頚部に対して固定配置されるが、以下の問題点がある。すなわち、括約筋の自然な運動を阻害し、(ペニス側尿道を貫通して配置されるので)構成が比較的複雑であり、ユーザに対する侵襲性が過度に大きく、さらに、患者の体内の所定の位置に配置されたとき、(特に長期間にわたって留置された場合)、尿路感染症(UTI)を併発するおそれがある。(「留置カテーテル」および「ステント」として知られる)他の構成の治療後カテーテルも提案されている。しかし、これらの治療後カテーテルのいくつかは治療によって生じる血塊を洗い流す機能を阻害し、他のいくつかはユーザに対する侵襲性の点で劣り、および/または括約筋の自然な運動を阻害することがある。また、他のいくつかは治療領域の周囲の前立腺空洞内に適切に配置することができず、および/または前立腺内の所定の位置に長時間にわたって留置することができない。さらに、他のいくつかは長期間の使用によって、筋肉の萎縮および/または局部的組織の壊死を促進させるおそれがある。
【0008】
公知の治療後カテーテルまたはステントの例がエシェルらに付与された米国特許第5、916、195号、デボネックらに付与された米国特許第5,876,417号および5,766,209号、およびロードに付与された米国特許第3,811,450号に記載されている。しかし、コスト効果が高く、融除治療後プロセスすなわち回復サイクル中に治療された組織に隣接して前立腺内に配置されており、(組織を造形することができ)、適切な期間を経たあと、容易に除去することができ、および/または侵襲性を可能な限り少なくすることができるように改善された治療後カテーテルまたはステントが求められている。
【0009】
[発明の目的と要約]
従って、本発明の目的は、前立腺内の温熱治療後の閉塞を阻止するのに適し、かつ着帯者に対する侵襲性を可能な限り少なくすることができるステントを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ペニス側尿道口からペニス側尿道に挿入され、前立腺尿道内に位置し、長期間にわたる使用中、温熱治療組織に対して所定の位置に保持されるように構成されたステントを提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、膀胱に対して接近または離隔する長手方向の移動を阻止するように、前立腺内に比較的安定した状態で局部的に留置されるように構成されたステントを提供することにある。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、前立腺尿道内の閉塞を阻止し、患者が正常に尿を排出することができるように尿道経路の開口を維持することが可能な装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、カテーテルの移動を監視する方法、および/または膨張システムが完全に膨張した状態を確認するように改善された方法を提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、管状器官の内腔または体内空洞内の閉塞を阻止することができるように改善されたステントを提供することにある。
【0015】
これらおよび他の目的は、とりわけ、一定長さの細長かつ小径のチューブが延在している侵襲性を極力少なくした本発明による単一体ステントによって達成される。小径のチューブすなわち導管は、単一体からペニス側尿道に沿って患者の体外の位置に延在する長さを有していれば十分である。ステントは、回復期間中、前立腺内に保持されるように括約筋の上方に配置されるように構成される。同様に、本発明は、温熱融除療法の後の回復期間中、前立腺尿道の閉塞を阻止するようにBPH(および他の前立腺疾患)を治療する方法を提供するものである。
【0016】
さらに具体的に、本発明の第1態様によれば、男性患者の尿道内に挿入される前立腺ステントが提供される。男性尿道は、その最外部から内部に向かって、ペニス側尿道口、ペニス側尿道、球状尿道、括約筋、膜状尿道、前立腺尿道、膀胱頚部、および膀胱をこの順に略備えている。前立腺ステントは第1断面幅を有する単一管体を備え、その単一管体はその内部に延在する中心内腔を有している。また、ステントは、単一管体の下側周辺部に配置される組織係合膨張性バルーンと、流体内腔が内部に形成された少なくとも1つの導管を備えている。導管は互いに対向する上下端部を有し、上端部の一部は単一管体に膨張性バルーンと、流体的に連通するように取り付けられている。導管は第1断面幅よりも小さい(好ましくは、実質的に小さい)第2断面幅を有している。操作時において、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、単一管体は括約筋の上方に位置し、導管は括約筋内を通ってペニス側尿道口から外部に延在するように構成されている。また、導管はステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋の実質的に自然な閉鎖運動を妨げないような寸法および/または断面積を有している。
【0017】
本発明の他の態様によれば、それぞれが患者の男性尿道内に挿入されるように構成された一組の前立腺ステントが提供される。この一組のステントは、各単一体が個々の患者に対して適合できる様々な長さ(そのステント体の一部が膜状尿道と前立腺尿道内に配置される長さ、典型的には、約4〜10cmの範囲の長さ)を有するように構成されている。
【0018】
本発明のさらに他の態様によれば、BPHを治療する方法が提供される。本治療方法は、(a)患者の前立腺尿道内の局部的治療領域を、前立腺尿道の下方の膜状尿道の部分を実質的に融除しない状態に維持しながら、温熱融除する段階と、(b)温熱融除段階の後、患者の前立腺にステントを挿入する段階であって、前記ステントは単一体と、前記単一体に形成された膨張性下部と、単一体から下方に延在する少なくとも1つの導管からなるような段階と、(c)ステントを、単一体が括約筋の上方に位置し、導管が括約筋を通ってペニス側尿道口から外部に延在するように、患者の体内に配置する段階であって、導管はステントが患者の体内の適切な位置に配置された状態で括約筋が実質的に正常に機能することができるような寸法を有しているような段階と、(d)挿入段階の後、膨張性下部が治療領域の下方かつ括約筋の上方に位置する組織と係合し、ステントの一部が治療領域に近接して配置されるように、膨張性下部を膨張させる段階と、(e)温熱融除に続く回復期間中、前立腺尿道の障害すなわち閉塞を阻止する段階と、(f)膨張性下部を萎ませる段階と、(g)ステントが挿入された時点から少なくとも約2〜14日の期間を経た後、膨張性下部を萎ませた段階に続いて前記ステントを除去する段階と、を含んでいる。
【0019】
一実施形態において、膨張性下部を萎ませ、次いで、導管を引っ張ってステントに患者から離れる方向に力を加えることにより、ステントは除去される。挿入段階は、治療側との不必要な接触または処置を避けて治療された組織の出血を阻止するために、温熱融除の終了から約12〜72時間、好ましくは24〜48時間の初期回復期間(典型的には、この期間中治療用カテーテルが留置されている)の後に実施されるとよい。初期回復期間の後にステントを挿入することによって、活性的な温熱融除治療の後直ちに治療用カテーテルを除去するときに生じる出血を低減させることができる。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、患者への侵襲性を極力抑制して前立腺尿道の閉塞を阻止する方法が提供される。本方法は、単一体とそこに取り付けられる少なくとも1つの一定長さを有する導管を備えるステントを患者のペニス側尿道口からペニス側尿道に沿って前立腺尿道内に挿入し、ステントをステント単一体が括約筋の上方に位置して導管が括約筋を貫通してペニス側尿道口から外部に延在するような所定の位置に配置する段階を含んでいる。ここで導管は、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋が実質的に自然に尿道を閉鎖できるような寸法に設定されている。
【0021】
少なくとも1つの導管は2つ(またはそれ以上)の導管、具体的には、膀胱留置バルーンと流体的に連通する第1導管と、膨張性下部と流体的に連通する第2導管を備えている。なお、第1導管はステントに離脱可能に取り付けられるとよい。一実施形態において、位置決め段階の後、留置バルーンと流体的に連通する離脱可能な導管を膨張させ、患者の体内にステントを位置決めした状態でステントから離脱可能な導管を取り外すように構成されている。
【0022】
一実施形態において、導管は(ステントが患者の体内にあるとき)、導管の対外に位置する部分にステントの移動を監視するための外部から肉眼によって観察できる目印を有している。従って、本発明の方法はその外部目印の位置の変化によって患者の体内におけるステントの移動を監視する段階をさらに含んでいるとよい。なお、体内における膨張性バルーン(局部的留置バルーンまたは膀胱留置バルーンのいずれか)の完全な膨張状態または膨張の適切な程度を監視するための外部目印は、導管と関連して操作可能に構成されてもよい。また、ステントは、体内におけるステントの(例えば、X線による)位置確認を行うための放射線不透正標識を有しているとよい。さらに、ステント、特に単一体および膨張性部の外面には、抗微生物皮膜および/または耐摩擦皮膜のような表面処理が施されるとよい。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、BPHを治療する方法が提供される。本治療方法は、(a)加熱された流体を患者の前立腺に向けてペニス側尿道に沿って循環させるように構成された治療用カテーテルを挿入する段階と、(b)治療用カテーテル内に約45℃以上に加熱された流体を循環させる段階と、(c)循環段階において治療用カテーテル内を循環する加熱流体を前立腺内の局部的治療領域に誘導する段階と、(d)局部的治療領域における治療対象とされる前立腺組織を循環および誘導段階によって供給される流体の温度に対応する約45℃よりも高い温度に所定の温熱治療期間だけ晒す段階と、(e)温熱治療期間の後、加熱流体の循環を終了させる段階と、(f)終了段階の後、患者の体内に約12〜72時間の初期回復期間だけ治療用カテーテルを留置する段階と、(g)初期回復期間の後、治療用カテーテルを除去する段階と、(h)除去段階の後、単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを患者の体内に挿入する段階と、(i)単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを、前記単一体が括約筋の上方に位置し、前記導管が括約筋、ペニス側尿道、およびペニス側尿道口を通ってその下部が患者の対外に延在し、かつ前記ステントの一部が温熱融除後の回復期間中に治療組織を前記ステントに対応する形状に造形すべく前立腺の局部的治療領域内に位置するように、患者の体内に配置する段階と、(j)治療後ステントに設けられた膨張性下部を局部的治療領域の下方かつ括約筋の上方の組織と係合するように拡張する段階と、(k)約2〜14日の回復期間の後、膨張性下部を萎ませ、次いで、患者の対外に位置する導管を引張ることによって、ステントをペニス側尿道に沿って滑動させながら患者から除去し、その結果、回復期間中に、組織を前記ステントの外周に沿って造形または変形させ、所定の前立腺尿道の開口を得ることによって、前立腺尿道の閉塞を阻止する段階を含んでいる。
【0024】
好ましい実施態様において、導管は、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の対外に位置する部分に目盛線マークを有し、本方法はペニス側尿道口に対して接近または離隔する方向における目盛線マークの移動によって体内におけるステントの移動を監視する段階をさらに備えている。他の実施態様において、少なくとも1つの導管は、ステントの単一体に取り付けられる2つの導管からなり、本方法はステントが使用中(体内の適切な位置に配置されているとき)導管の選択された1つをステント体からその場で取り外して患者から除去する段階をさらに備えている。前述したように、ステントはステントの移動を監視するための外部目印とバルーンの膨張を監視するための外部目印を有しているとよい。
【0025】
好ましい実施態様において、侵襲性を極力少なくして尿道排出経路の前立腺障害を阻止するのに用いられる治療後ステントまたはステントが提供される。この単一体ステントは、括約筋の上方に配置されており、1つ以上の導管のみをステントから患者の対外に延在させるように構成されている。ステントは、1つ以上の下側組織係合留置バルーン、上側膀胱頚部留置バルーン、および膨張性組織造形中間部を備えることが可能である。導管は、膨張媒体をステント内の所定の膨張領域に供給し、かつそこから放出するように構成されるとよい。1つ以上の導管をステントにその場で離脱可能に取り付けられるように構成し、その離脱可能な導管に対して、操作中、医者によって容易に識別されるように、外部から肉眼によって観察できるマークが付されるとよい。
【0026】
また、導管は、ユーザまたは医者がペニス側尿道口に対して接近または離隔する方向におけるカテーテルの移動を監視するために、目盛線マークのような移動指示外部目印(および/またはストッパ)または患者の体内における所定の位置からステントが外れたタイミングまたは移動したかどうかを確認するための標識を有することもできる。
【0027】
単一体ステントは、患者の尿の排出および/または患者への洗浄液の注入をそのステントを介して行うように構成され、特に温熱融除療法が前立腺内の局部的領域に適用された後、長い回復期間(例えば2〜14日)を必要とする患者に対して好適である。本発明はまた、融除された組織に生じる炎症(従って、多くの血塊の発生)を低減させるための初期回復期間の後になされる回復治療に適している。ステントは1つ以上の導管を備えることができ、その1つを回復期間中に(回復の促進および/またはUTIの阻止のために)治療剤、生理食塩水、またはリンスを治療領域に供給するために用いることができる。また、1つ以上の取付けバルーンを膨張させることでステントを確実に保持することができるように構成されたプッシャーへの取付けによって、ステントを患者の体内に配置することができる。
【0028】
なお、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施例を具体的な形態で例示し、以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するためのものである。
【0029】
[発明の実施例の詳細な説明]
以下、本発明を実施例が示されている添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。なお、本発明は多くの異なった形態で実施されてもよく、ここで述べる実施例に制限されると解釈されるべきではない。ここで述べる実施例は、その開示内容を綿密かつ完全なものとし、当業者に本発明の範囲を十分に知らしめる意図をもってなされたものである。図面において、一部の構成要素または特徴は理解しやすいように誇張されている。また、図面の全体にわたって、同一の参照番号は同一の構成要素を示すものとする。
【0030】
図1において、前立腺11内において線影が付された領域が温熱融除治療領域10である。「温熱融除」という用語は、対象となる組織をその組織を壊死させるのに十分な温度に晒す処置を意味している。温熱融除の具体例として、対象となる組織を患者の体内に挿入されたカテーテルを介して熱凝固させる処置が挙げられる。この場合、カテーテルは、患者の体外で加熱された熱い液体を対象となる治療領域に向けて循環させるように構成されている。好ましくは、対象となる組織を所定期間だけ約45℃以上の高温に晒すとよい。なお、対象となる組織に施される温熱融除以外の治療例として、切除手術や他の温熱療法が挙げられる。本発明によるステントは、治療後または治療前の管状器官の内腔または体内空洞、例えば、動脈のような血管、腸、子宮、子宮頚部、喉、呼吸器官の導管、耳、鼻などにそれらの閉塞または収縮を阻止するために挿入されるのに適している。
【0031】
一具体例として、温熱融除はBPH(良性前立腺肥大症)の治療に適用される。この温熱融除において、前立腺組織を約50〜60℃以上の温度に20〜60分の治療期間だけ晒すとよい。治療温度は約60〜62℃であってもよい。あるいは45〜50℃であってもよい。BPHに対する温熱融除療法は、好ましくは、前立腺尿道内の局部的治療領域、具体的には、図1に示す患者の膀胱頚部12aの下側からと精丘11bの上側にわたって略延長する前立腺尿道の略上部である治療領域10に対して実施されるとよい。あるいは、治療領域10は膀胱頚部12aまたはその一部を含んでいてもよい。好ましい温熱融除システムおよび治療用カテーテルは、ノースカロナイナ州カリー在のアルゴメッド社から市販されている。また、エシェルに付与された米国特許第5,257,977号および5,549,559号、および共同譲渡されたエシェルらに付与された米国特許出願番号第09/433,952号を参照するとよい。なお、これらの資料は、その全文を引例として本明細書に組み込まれている。
【0032】
温熱融除療法が患者に対してなされた後、治療用カテーテルは初期回復期間中患者の体内に留置されるとよい。この初期回復期間は約12〜72時間、好ましくは、24〜48時間である。この初期回復期間中、治療用カテーテルを患者の体内に留置させることによって、その治療用カテーテルを除去するときに生じる出血とそれに続く血液の凝固を減少させることができる。
【0033】
いずれにしても、上記の温熱融除治療の後、図2、図4、図5Aおよび図5Bに示す治療後用カテーテルすなわちステント20がペニス側尿道口からペニス側尿道を通って治療領域10に対応する前立腺尿道(図1参照)内の所定の位置に挿入される。なお、ステント20は治療後の用途に制限されるものではなく、必要に応じて、治療前の用途に用いてもよい。
【0034】
図示するように、ステント20は、当該ステント20が患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋13の上方に延在するような長さを有する単一体20bを備えている。また、ステント20は、当該ステント20が前立腺の空洞に配置されたときに、ステント体20bから患者の体外の位置まで延在するのに十分な長さを有する少なくとも1つの流体を流体的に連通させるチューブすなわち導管25を備えている。導管25の形状および/または断面寸法は、括約筋の正常な機能を阻害しないように、ステント体の断面寸法すなわち幅よりも実質的に小さく構成されている。ステント20は、さらにチューブすなわち導管25および中心内腔23と流体的に連通している局部的組織留置バルーン22を備えている。このように、ステント20の寸法は、これが患者の括約筋13の上方に留置されるように設定されている。すなわち、失禁を伴う経尿道カテーテルまたはステント構成と異なり、本発明によるステント20は、単一ステント体20bの全体が括約筋13の上方に位置し、1つ以上の実質的に小径(すなわち、小断面)の導管(チューブ)25が患者の括約筋13から下方に延在してペニス側尿道口から外部に至るように構成されている。さらに具体的には、1つ以上の導管25のみが括約筋13を貫通するように延びているので、括約筋13の自然な運動を妨げることがなく、(すなわち、ステント20が体内に留置された状態においても、括約筋13は尿道を実質的に正常に閉鎖することができ)、その結果、複雑な構成を必要とせず、ステント20の留置による患者に対する侵襲性を低減させることができる。好ましくは、ステント体20bの断面幅すなわち外径は約6〜9mmで、導管25の寸法(断面幅または外径)はステント体20bの断面幅すなわち外径の少なくとも20〜25%未満、さらに好ましくは、約0.5〜2.25mmであるとよい。
【0035】
ステント20を前立腺11内の所定の位置(場所)に留置させるために、(ステント20を前立腺11内に挿入した後)、ステント20の膨張可能な部分である局部的組織留置バルーン22を導管25内に導入された流体によって所定の大きさに膨張させている。この膨張によって、留置バルーン22は前立腺組織と係合することになる(なお、留置バルーン22が萎んだ状態において、患者の体内に容易に挿入されるように、ステント体20bは滑らかでかつ実質的に一定の輪郭を有するように構成されているとよい)。好ましくは、ステント20は、組織留置バルーン22が治療領域10の下側と括約筋13の上側の間の尿道組織、さらに好ましくは、膜状尿道内の尿道組織、最も好ましくは、括約筋13と精丘11bとの間の尿道組織に係合するように構成されているとよい。
【0036】
図2、図5Aおよび図5Bに示すように、好ましくは、組織留置バルーン22は膨張したときに梨形状、湾曲または傾斜形状、または円錐台形状を有するように構成されているとよい。このような構成によって、膨張したとき、組織留置バルーン22は上側から下側に向かって末広がりのテーパを有する輪郭を呈し、その結果、括約筋13が弛緩するとき、すなわち、尿道を開くとき、ステント20の括約筋13への移動を阻止することができる。また、このような構成によって、特に、前立腺の上部の治療された組織に炎症による腫れまたは浮腫(むくみ)が生じて治療領域10における尿道の開口面積を閉鎖または縮小しようとした場合、ステント体20bの治療領域10または膀胱12に向かう上方移動を阻止することができる。すなわち、膜状尿道内に位置する末広がりの留置バルーン22はその上方に位置する治療領域10における尿道の頸部に当接し、ステント20の上方への移動(移行)を阻止することができる。なお、留置バルーン22の膨張時における形状は、ここに述べた形状に制限されるものではなく、他の形状、例えば、球状、楕円状、卵状、円筒状、蛇腹状、または、(ステント体の下部の周囲に沿って配置された)複数のテーパフィンなどの形状であってもよい。
【0037】
すでに述べたように、組織留置バルーン22は導管25と流体的に連通し、導管25はバルブ30の操作によって流体膨張源(図示せず)と連通している。バルブ30は当業者にとって公知であり、例えば、ノースカロライナ州クリードムーアおよびカルフォルニア州サンジェゴ在のアラリス・メディカル・システム社のような医療品供給業者によって市販されている。バルブ30を操作することによって、膨張媒体(液体、気体、または、1種以上の液体、気体、および/または(気体または液体に溶解する)粉体または固体)が導管(すなわちチューブ)50内に導入されて組織留置バルーン22に至ることになる。
【0038】
ステント体20bは互いに離間された管状壁を有し、それらの壁間の間隙が膨張経路の一部をなすように構成されてもよい(図13Aを参照)。図4および図5Aに示すように、導管25は、ステント体20bの管状壁に形成された開口26に直接接続され、該開口26には膨張媒体が通過するようになっている。好適な膨張媒体の例として、気体、液体、または固体/粉体、またはそれらの混合物、さらに具体的には(単なる例示にすぎないが)、窒素やヘリウムのような希ガス、酸素、水、またはオイル(例えば、キャノラ油、オリーブ油など)などが挙げられる。好ましくは、膨張媒体は非毒性であり、かつ使用中にバルーンの完全な膨張状態が損なわれたとき、偶発的にバルーンが破裂したとき、バルーンから媒体が漏れたとき、あるいはそれ以外の要因によってバルーンが故障したとき、患者に有害な影響が及ばないようなものが媒体として選択されるとよい。具体的には、液体(または実質的に液状媒体)を用いて、少なくとも組織留置バルーン22を膨張させて、長期にわたって(治療後の回復期間中)、実質的にそのバルーン22の膨張した状態を体内において維持するとよい。膨張性バルーンの壁は薄いので、空気または気体を膨張媒体として用いると、バルーンの形状が変形しやすく、所定の期間が経過する前にバルーンが萎むことがあり、あるいは、バルーンの周囲の組織を過度に圧迫することがあり、さらに空気または気体が漏れると、所定の位置にバルーンを留置する効果が失われる場合もある。
【0039】
図4はステント20の一実施例を示している。このステント20は、膨張性下部(組織留置バルーン)22の完全な膨張状態を肉眼で確認可能な外部目印を備えている。なお、外部目印を膀胱留置バルーン52の完全な膨張状態を確認するために用いてもよい。この場合、図9Aに示すように、膨張性下部22と膀胱留置バルーン52のそれぞれに対して1つの目印を設けるとよい。本実施例においては、外部バルーンを目印として用いている。この外部バルーンは、図4に示すように、バルブ30と膨張性下部22に流体的に連通し、ステント20が患者の体内に留置されたとき体外に位置するように、ステント20から離れて配置されている。好ましくは、図4に示すように、外部指示バルーン75をバルブ30と近接させて、バルブ30およびペニス側尿道口間のクッションをなすように配置するとよい。
【0040】
操作時において、膨張媒体がバルブ30と外部バルーン75を介して導管25内に導入される。外部バルーン75は膨張性下部22の完全な膨張状態に対応する状態に膨張する。次いで、バルブ30が閉鎖され、外部バルーン75と膨張性下部22が所定の膨張状態に保持される。ここで、もし閉鎖ループの膨張系に破綻が生じると、(内部バルーンが破綻して萎みつつあるかまたは萎んでしまった状態を反映して)外部バルーンが萎むことになる。このように、外部バルーン75は膨張系の破綻を肉眼によって確認することができる手段として機能する。従って、ユーザまたは医者は膨張系の機能不全を察知することができ、好ましくは、ステント20が患者の体内の好ましくない場所に移行する前に、バルーンを再膨張させるかまたはステント20の位置を検査することができる。なお、(ここでは、下側留置バルーン22の膨張状態を示すために用いているが)、完全な膨張状態を外部から肉眼によって観察するための目印となる手段は、ステントに設けられた膨張性バルーンの1つまたはすべてに対して用いることができる。また、完全な膨張状態を外部から肉眼によって観察するための目印となる手段は、上記以外の機構、例えば、バルブ30、導管25、および/またはステントの特定の膨張性部またはバルーと関連して作動するポップアップ(飛出し)式指示具、すなわち、滑り部材によって具体化されてもよい。滑り部材すなわち指示具は、(その指示機構、バルブ、導管、およびステントの膨張性部および/またはバルーンからなる)閉鎖ループの膨張経路内の圧力が圧力レベル閾値(図示せず)よりも低い値に降下すると、所定の方向に滑動して、外部から肉眼で観察可能な形態を呈することによって、膨張経路の破綻を示すものである。なお、確動圧力バルブはハルキー・ロバーツ社から市販されている。
【0041】
具体的には、ステント体20bは、中心内腔23の開口の大きさを十分に維持して回復期間中ステント体20bが配置された状態であっても尿の排出および/または尿道の洗浄または薬剤の送達を可能にするのに十分な剛性を有すると共に、尿道の外形に追従できる順応性を有するように構成されているとよい。さらに具体的には、ステント体20bは順応性を有すると共に、体内に挿入され、適切な位置に配置されたとき、(局部的治療領域内において圧縮性膨張圧を受けたときに)、中心内腔23の開口を実質的に十分に維持して、尿道に挿入される前のステントの中心内腔23の断面積の少なくとも約75%、好ましくは、約90%以上を維持するように構成されているとよい。なお、挿入される前の中心内腔23の断面に対する挿入後の中心内腔23の断面の収縮率は、当然、ステント体20bを接触状態で包囲する組織の圧力分布に依存して変化する。換言すれば、単一管状ステント体20bは、患者の体内に挿入されて前立腺内の適切な位置に配置されるときには患者の体内の輪郭に追従するのに十分な柔軟性を呈し、前立腺内において温熱融除治療が施された後圧迫作用を示す前立腺組織に晒されたときには内腔の開口を維持するのに十分な剛性を呈するように構成されているとよい。例えば、本実施例によるステント体20bは、約7〜21psiのレベルの圧縮圧が治療後の組織から付加された状態においても、十分に内腔の開口を維持することができるようになっている。
【0042】
図2、図4、図5Aおよび図5Bに示す実施例において、ステント体20bは、下側膨張性留置バルーン22から離間され、実質的に均一な変化しない形状部分(非膨張性部分)を有している。また、図2に示すように、ステント体20bの上端は開口され、好ましくは、ステント体20bの上部の周囲に一連の食違い(オフセット)開口24が形成されているとよい。ステント20のこの部分が膀胱内に配置されるが、この場合、上端の開口に加えて、(中心内腔23から離間された位置にも)開口24が設けられているので、膀胱に隣接した中心内腔23内への尿の流入、従って、ステント体20bを通過する尿の排出を促進させることが可能となる。
【0043】
ステントを形成する好適な材料例として、熱可塑性エラストマー、シリコーン、ゴム、可塑化PVC,または他の好適な生物医学的に許容されるエラストマー体を挙げることができる。ステント単一体20bは、例えば、約1.0mmの肉厚と約4.7〜7.0mmの中心内腔を有している。前立腺の長さは患者によって異なるので、好ましくは、約3〜12cmの範囲、さらに好ましくは、4〜10cmの範囲の複数の長さを有するステントを用意するとよい。
【0044】
前述したように、本発明によるステント20は、括約筋13の上方に位置するように構成されている。また、図2に示すように、ステント20は長手方向の移動を監視するための外部目印を備えているとよい。この目印によって、患者はステント20が所定の位置から移動したかどうかを察知することができる。例えば、一連の目盛線25gを外部導管に付し、ステント20を挿入したとき、適当な目印、すなわち、指示マーク25aをペニス側尿道口から外部に現れている目盛線の1つに記すとよい。この場合、尿道口側から目盛線に番号を付け、図2に示すように、所定番号の目盛線に指示マーク25aを記入するとよい。この構成によって、ステント20が膀胱12側に移動した場合、患者は導管25上の所定の目盛線に付された指示マーク25aがペニス側尿道口に近づくように移動するのを察知することができ、逆に、ステント体20bが括約筋13側に移動した場合、指示マーク25aがペニス側尿道口から外側に移動し、その指示マーク25aおよび尿道口間の目盛線の数が増えるのを察知することができる。
【0045】
目盛線が所定の数だけ、例えば、1番目の目盛線から10番目の目盛線まで移動するのを確認したとき、患者は医者にその事実を告げて、適当な処置を要請するように構成されるとよい。この場合、目盛線の間隔を所定値(mmまたはcmで表される距離)に設定することによって、1番目の目盛線から10番目の目盛線に移動した距離を確認することができる。このような目印によって導管25の移動、従って、ステント20の移動を確認することによって、ステントの移動がない状態が保たれ、ステントを除去するのに十分な回復がなされたか、または、不適当な患者の挙動によって不適当な力がステントに付加されたことによってステントが所定の位置から外れ、ステントの除去および/または再挿入が必要であるかを判断することができる。
【0046】
あるいは、特に導管25、従って、ステント20が患者の体内側に移動した場合、患者は導管25を指示マーク25aの付された目盛線がペニス側尿道口から所定の位置に来るまで単に引張るだけで、ステント体20bの位置を自己調整することができる。
【0047】
さらに、「ストッパ」を導管の患者の対外に位置する部分に取り付けてもよい。この「ストッパ」は、ペニス側尿道口内に進入できない寸法に構成されているとよい。この構成によって、ステント体20bの不適当な体内側への移動を阻止することができる。ストッパはどのように構成されてもよく、導管と一体的にまたは導管とは別に設けられていてもよい。ただし、ストッパ(図示せず)は、使用中、ユーザに対して極力非侵襲性であるように、すなわち、炎症を起こさないように構成される必要がある。
【0048】
また、ステント20には、その位置をX線観察によって確認するための放射線不透性標識が付けられているとよい。X線観察は、挿入/配置(初期の位置決め)時、およびステントの使用時に周期的になされるとよい。あるいは、ステントが所定の位置から移動した疑いのあるとき、または患者の体内におけるステントの位置決めを単にその場で確認したいときに、X線観察がなされるとよい。図5Aに示すように、放射線不透性標識77は、組織留置バルーン22の上方(77u)および下方(77l)のいずれかまたは両方の位置に、ステントの円周方向に延在するように設けられているとよい。このような標識の配置によって、括約筋の上方の膜状尿道内に位置する留置バルーン22をX線によって容易にその存在を誇張して確認することができる。あるいは(または付加的に)、図4に示すように、1つ以上の長手方向に延在する放射線不透性標識77aを径方向の種々の位置(好ましくは、撮像角度と無関係にX線観察を行えるように、ステントの周囲に沿った少なくとも4つの中心断面に関して対称的な位置、例えば、90°間隔の位置)において、実質的にステントの長さ方向に沿って配置するとよい。放射線不透性標識はX線の透過を遮って良好な撮像のコントラストを得るために設けられる。不透性、コントラストの程度、および撮像の鮮鋭度は標識の材料および標識を生成するプロセスの種類によって異なる。放射線不透性標識は、どのような生体親和性標識の形態、例えば、非毒性放射線不透性皮膜、薄膜、塗料、テープ、帯片、収縮フィルムなどであってもよい。例えば、リチャード・サハジアン:「緊急報告:放射線不透性皮膜を用いる標識生成装置」、メディカル・デバイス&ダイアゴノスチック・インダストリ社(1999年5月)を参照するとよい。この記事は、( HYPERLINK ”http://www.devicelink.com/mddi/archive/99/05/011.html” http://www.devicelink.com/mddi/archive/99/05/011.html) に記載されている。放射線不透性標識の他の例として、カラーコン社から市販されている「ノートックス(No−Tox)、登録商標」の付された「メディカルデバイス・ポリオレフィンインキ」、およびコネチカット州のノースへブン在のニューイングランド・ウレタン社から市販されている硫酸バリウムおよび/またはビスマスとの樹脂化合物などが挙げられる。なお、ダニリシェブら:「ワイヤ絶縁面の接着特性の改善」、ワイヤテクノロジー・インターナショナル社(1994年3月)を参照するとよい。この文献には、ステント20の製造に好適な、例えば、医薬品に対するガスプラズマ処理システムなど、種々の処理システムが述べられている。
【0049】
図5Bは、ステント20が2つの導管25a,25bを備えている状態を示している。これらの導管25a,25bのうち、1つの導管は下側膨張性留置バルーン22に流体的に連通し、他の導管は治療剤送達口90と流体的に連通している。治療剤、薬物、処置剤、リンスなどを外部の治療剤入口90iから患者に投与させるとよい。その流体状の治療剤(または混合物)などは、導管25bを通ってステント20の送達口90から患者の体内に放出される。一実施例として、治療剤口90は、ステント体20bの外面の周囲に延在する分配溝90cと関連して機能するように構成されているとよい。すなわち、治療剤口90から放出された流体は分配溝90c内を流れることによって、広い範囲にわたって拡散することができる。治療剤入口には、当業者にとってはよく知られているどのようなバルブ/ポート装置が設けられてもよい。(膨張システムと治療剤送達システムの両方に適した)適当なバルブ装置がアラリス・メディカル・システム社「スマートサイト(Smartsite、登録商標)を有するシステム」およびビー・ブラウン社のような医療装置製造業者から市販されている。治療剤は、浮腫の軽減、細菌性感染症の阻止、尿道感染症(UTI)の見込みの軽減、尿道感染症(UTI)の発症の治療、さらに回復および/または治療の促進のために用いられている。
【0050】
図5Bはまた、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、導管25aおよび25bがステント体20bから(点線によって示す)括約筋の内側に移動している状態を示している。このように、導管25a,25bが括約筋の内側に移動して配置されることによって、ステント20が適切な位置に配置されたとき、括約筋は実質的に正常に機能することができる。
【0051】
図6Aは、組織留置部(組織留置バルーン)22の上方に膨張性組織造形部42が設置される以外、図4および図5に示されるのと同様のステント20を示している。膨張性組織造形部42は、ステント20が患者の体内の適切な位置に配置されたとき、治療領域10に近接して拡張するように構成されている。組織造形部42は略円筒状を拡張され、前立腺尿道の治療された領域の開口をその融除組織の回復に伴って拡げ、組織造形部42の円筒形状に対応する幅または外径に造形する。このような治療領域の開口寸法の増大によって、治療の有効期間を延ばすことができる。具体的に、膨張性組織造形部42の膨張時の寸法(外径または幅)は約15〜25mmであるとよい。膨張性組織造形部42は、組織留置バルーン22と共に、導管(またはチューブ)25と流体的に連通するように構成されているとよい。
【0052】
図6Aに示すように、流体通路44を前述したステント体20bの壁内の2つの膨張性部22,44の中間に設けるか、または、橋絡用導管(図示せず)を用いて2つの膨張性バルーン部22,42を橋絡して導管(チューブ)25に流体的に連通しているとよい。あるいは、膨張性組織部42を膨張/収縮させる別のチューブを設けて、(膨張性部の変更例を示す図9Aに示すように)、組織留置バルーン22が膨張性組織部42と流体的に連通しないように構成してもよい。
【0053】
図6Bは、例えば、図4に示すような開放端式ステント20が選択的に(または付加的に)上側留置バルーン52を備えている状態を示している。この上側留置バルーン52は、患者の体内において膨張したとき、膀胱頚部に隣接して配置されるように構成されている。図6Bに示すように、このステント20は、2つのバルーン22,52を独立して膨張/収縮させるように、2つの互いに離れて接続していない導管25a,25bを有している。
【0054】
図7Aおよび図7Bは本発明によるステント20の他の実施例を示している。本実施例のステント20は閉鎖端部20eを備えている。この閉鎖端部20eはその先端から離間された位置に少なくとも1つの開口27を有している。また、この閉鎖された端部20eは、(必要に応じて、薬物送達口を含む)少なくとも1つの開口27を介して流体による洗浄および/または尿の排出がなされるように、膀胱12内に配置されている。ステント20は前述したのと同様の単一体20bを備えている。単一体20bは、組織留置バルーン22が治療領域10の下方に位置し、非膨張性軸部20nが治療領域10に沿って延在するように、前立腺内に配置されている。図8は、上記のステント20が閉鎖端部20eと組織留置バルーン22との中間に配置された前述の膨張性組織部42を備えている状態を示している。
【0055】
図3、図9Aおよび図9Bは本発明のさらに他の実施例を示している。本実施例のステント20は、(下側)組織留置バルーン22と共に上側膀胱留置バルーン52を備えている。図3に示すように、膀胱留置バルーン52は患者の膀胱頚部に隣接して配置され、膀胱12に対して前立腺内のステント20を確実に位置決めするものである。膨張すなわち拡張されたバルーン52が膀胱頚部に隣接して配置されるので、ステント20の括約筋13側への移動を阻止することができる。同様に、ステントの他端部に設けられた組織留置バルーン22は、ステント20の膀胱側への移動を阻止することができる(すなわち、これらのバルーン22,52によって、ステント20の両側を前立腺内において留置することができる)。図示するように、ステント軸すなわちステント体20bの中間非膨張性部20nは、治療領域10に隣接して配置されている。本実施例のステント体20bは膀胱内に進入するので、開放端式ステント20のステント体20bよりも大きい長さを有しているとよい。例えば、上側バルーン52の下方に位置するステント体20bの部分の長さは約3〜12cm、好ましくは、約4〜10cmの範囲内のいくつかの値に設定されるとよい。図7A、図7Bおよび図8に示される実施例における閉鎖端式ステントの場合も同様である(すなわち、閉鎖端部および排出開口27よりも下方のステント20の部分の長さは上記の範囲内の値に設定されるとよい)。
【0056】
一具体例として、下側バルーン22を膨張させる前に上側バルーン52を膨張させるために、上側バルーン52を独立して膨張させることができるように構成されているとよい。この構成によって、上側バルーン52が所定の位置の下方で膨張することによって、膀胱頚部(すなわち、前立腺尿道の上部)を損傷する可能性を低減し、括約筋13の上方の前立腺内において、ステント20を膀胱に対して容易に適切な場所に位置決めすることができることになる。
【0057】
図3および図9Aに示すように、上側バルーン52および下側バルーン22のそれぞれに流体的に連通する2つの導管25a,25bがステント体20bから延在している。図9Bは、収縮した状態の上側留置バルーン52および下側留置バルーン22を有するステント20を示している。この実施例によるステント20は、上側バルーン52および下側バルーン22の両方を各々に対して1つ設けられた流体開口26を介して膨張させるのに用いられる単一チューブ25を有している。
【0058】
図9Aは本発明のさらに他の実施例を示している。本実施例において、導管225は、ステント体20bに離脱可能に取り付けられ、上側留置バルーン52に流体的に連通している。このステント20の作動は以下の通りである。まず、ステント20を前述したように患者の体内に挿入し、上側留置バルーン52を導管225を介して膨張させて、ステント20を膀胱頚部に対して所定の場所に位置決めする。次いで、下側バルーン22を膨張させて、ステントを括約筋13の上方の適切な位置に保持する。その後、矢印「F引ク」によって示される引張力を付加することによって、導管225を除去し、上側留置バルーン52を萎ませる。この構成によって、回復期間中患者の体外に延在する導管の数(および患者に対する侵襲性)を低減させることができる。好ましくは、導管225および/またはステント20に離脱可能に取り付けられて導管と関連して作動されるバルブ30は、識別マーク225iによって肉眼で識別できるように構成されているとよい。この構成によって、医者はどの導管に離脱力を付加すればよいのかを容易に識別することができる。例えば、離脱可能な導管225および/またはその関連バルブ部材30に縞模様、ラベル、塗料、着色などによって可視目印を設けているとよい。
【0059】
適切な取り付け手段、例えば、機械的または化学的な取り付け手段を用いて、導管225をステント体20bに離脱可能に固着させるとよい。このような機械的または化学的な取り付け手段として、単なる例示に過ぎないが、接着、加熱接合、化学接合、または紫外線(UV)硬化による接合などによって、導管225を離脱可能にステント体20bに固着させる手段が挙げられる。導管225は、ステント体20bに沿った適切な任意の位置または上側バルーン52への流体入口26に取り付けられているとよい。ただし、導管225を容易に挿入させることができ、その取扱い性の簡便さを維持でき、および/またはステントに対して応力が付加せずまたはステントを破損させないようにするには、導管225をステント体20bの内面に沿った位置に配置するとよい。好ましくは、導管225の離脱可能な取り付けは、挿入および取扱い時にわずかな張力または捻り力が付加されても取り付けられた状態が保持され、約2〜10Nよりも大きい張力が付加されたときに離脱するように構成されているとよい。このような導管225の取り付けシステムの例として、ニューヨーク州のネフェイン在のプラスチック・ウェルド・システムズ社から市販されている「プラスチックウェルドシステム(カテーテル製造機器)」、カナダのミシサーガ在のEFOS社から市販されている「ノバキュア(Novacure、登録商標)」(米国特許第5、521、392号を参照するとよい。なお、この特許の全文を引例として本明細書に組み込まれている)、「UV75」、および「ウルトラ100SSプラス」、カルフォルニア州トランス在のUVソース社から市販されている「グリーンスポットUVキュアシステム」、およびコネチカット州トリントン在のDYMAX社から市販されている「メディーキュア(Medi−Cure、登録商標)」の付された「MCキュアリングスポット」、「フルッドランプス」(および他の製品)が挙げられる。また、好適なUV(紫外線)硬化接着剤も業界において知られている。その例として、コネチカット州トリントン在のDYMAX社から市販されている型式201〜204CTHで知られているCTH接着剤およびニュージャージ州のエングルウッド在のパーマボンド・エンジニアリング・アドヒージブ社から市販されている医療装置用の「パーマボンドアドヒージブ」が挙げられる。
【0060】
図10は、図3、図9Aおよび図9Bに示されるステント20に、他の実施例において述べた中間膨張性組織造形部42を第3膨張部として設けた実施例を示している。前述したのと同様に、この実施例においても、1つ、2つ、または3つ以上の導管25を設けることができる。好ましくは、ステント20は2つの導管25a,25bを備え、上側バルーン52が他の中間バルーン42および下側バルーン22とは流体的に連通しないように構成されているとよい。前述したように、上側バルーン52用の導管25bは、ステント20が前立腺内の所定の位置に配置された後、ステント体20bから離脱可能であるように取り付けられているとよい。また、前述したように、導管25はステント体20bの断面幅よりも実質的に小さい断面幅を有しているとよい。
【0061】
図17に示すように、ステント体20bはこれまでの実施例において述べた組織留置部とは別の構成の組織留置手段を備えていてもよい。図示するように、ステント体20bの下部は、上部に対して横方向、すなわち、外側に向かって広がるテーパ22tを有している。このテーパによって、(外面から内壁20iに引かれた矢印によって示されるように)、外壁20oは約7°未満の角度で径方向外側に傾斜している。本実施例においてはさらに、ステント体20bの底が斜行形状を有している。すなわち、参照符号20傾斜で示されるように、ステント体20bの底はそのステント体20bの幅を横切って傾斜している。また、図示するように、ステント体20bは薬剤送達口90を備えていてもよい。
【0062】
一具体例として、薬剤送達口90は少なくとも1つの流体導管25と流体的に連通し、リンス、治療剤、または他の流体を導くことができるようになっている。また、他の具体例として、ステント体20bは、その外周に形成された少なくとも1つの液体溝90cを有していてもよい。好ましくは、液体溝90cは薬剤送達口90と流体的に連通しているとよい。ステント20の操作時において、生理的食塩水または他の生体親和性かつ非毒性のリンス、薬剤、処置剤、または治療剤などを導管から薬剤送達口90を経て液体溝90c内に導くことができる。液体溝90cは、導入された液体を治療領域の周囲に分布させることが可能となっている。もし、薬剤送達口90から単に放出するだけの構成であれば、液体は薬剤送達口90と対向する領域のみにしか行き渡らない。液体溝90cは、ステント体20bに切込みを入れるか、またはステント体20bの1つ以上の互いに隣接する上下部の境界の肉厚を薄くすることによって形成することができる。送達口90は、ステント体20bの周囲に沿って形成された周方向および/または軸方向に離間する複数の開口(図示せず)であってもよい。
【0063】
図18は他の組織留置手段である複数の膨張性部322を示している。複数の膨張性部322は、ステントが体内の適切な位置に配置されたとき、尿道と係合してステントの上方への移動を阻止する肋骨状または畝状の輪郭を有している。なお、図18は一直線上に並ぶ一連の円錐台形状を有する膨張性部322を例示しているが、肋骨状または畝状の輪郭を有している限り、膨張性部322の形状および構成は図示されるものと異なっていてもよい。また、図示するように、ステントの移動を阻止する膀胱留置バルーン52が設けられている。膀胱留置バルーン52は、ステントの下方への移動を阻止するような形状および向きに構成されている。図18に示す膨張性部322はステント体20bの全長にわたって延在しているが、ステント体20bの一部のみに延在するように構成されていてもよい。例えば、複数の膨張性部322をステント体の底部のみに配置してもよい(図示せず)。
【0064】
図19は本発明によるステント20のさらに他の実施例を示している。図示するように、本実施例のステント20は、下側留置バルーン(または下側留置手段)22の上方の位置において、ステント体20bの周囲に配置される高弾性部190を備えている。高弾性部190はステント体20b内の引張力(または収縮力)を吸収し、および/または、ステント20を所定の位置に位置決めするためのもので、種々の方法によって形成することができる。例えば、ステント体の隣接する上側区域191uと下側区域191lの境界部を他の部分の材料と異なる材料によって形成するか、その境界部に切り込みを形成するか、その境界部の肉厚を薄くするか、またはその境界部に周方向へ対称的に離間する窓部を形成することによって、高弾性部190を形成することができる。ステント20の操作時において、膀胱留置バルーン52を膨張させて、下側組織留置バルーン22を膜状尿道内に位置決めするとき、組織留置バルーン22は下方に引っ張られ、ステント体20bは上方に引っ張られることになる。このとき、2つのバルーン52,22間の弾性部190は十分に伸張し、患者の解剖学的な構造によって2つのバルーン52,22間のステント体20bに不適切な引張力が付加されるのを阻止し、ステント体20bを所定の場所に位置決めすることができる。また、弾性部190は周囲の組織に2つのバルーン52,22の不必要な互いに対向する力(すなわち、膀胱頚部に対する下向きの力と膜状尿道近傍または前立腺尿道に対する上向きの力)が付加されるのを阻止することができる。なお、弾性部190は、前述の治療剤/リンス溝90cとして機能すべく構成されていてもよい。
【0065】
一具体例として、ステントは2〜14日(またはそれ以上)体内に留置されるので、高潤滑性、(挿入を容易にするための)低摩擦係数、高組織親和性(例えば、耐微生物成長性)および/または尿道感染症(UTI)の軽減の1つ以上を満足するような表面あるいは他の箇所に対する処理剤をステント20に塗布するかまたは一体的に形成するとよい。例えば、ステント体20bの少なくとも露出している表面は、ステント20が体内において前記の回復期間中保持される間に好ましくない微生物の成長を阻止することができる材料によって形成されているとよい。好ましくは、ステント20は細菌、酵母菌、糸状菌、および真菌などの成長を阻止することができる生体親和性のある耐微生物溶液または皮膜によって被覆されているとよい。好ましい材料の一例として、マサチューセッツ州のウェイクフィールド在のヘルスシールド・テクノロジィズLLC社から市販されている耐微生物銀ゼオライト系製品が挙げられる。他の例として、ミネソタ州のエデンプライオリ在のサーモデックス社から市販されている「フォトリンク(Photolink、登録商標)」の付された「インフェクションレジスタンス」(耐微生物皮膜または血液親和性皮膜)が挙げられる。これらの皮膜(耐微生物皮膜または他の皮膜)は、さらに抗生物質のような他の生体活性成分を含んでいてもよい。一例として、マサチューセッツ州のビレリカ在のAST社から市販されている「ルブリラスト(LubriLAST、登録商標)」の付された潤滑性皮膜が挙げられる。
【0066】
さらに(または選択的に)、装置を体内に挿入する際に伴う不快さを軽減するための生体親和性潤滑剤または低摩擦剤がステントに施されていてもよい。好ましくは、そのような皮膜は潤滑性とともに濡れ性を備えているとよい。例えば、ステント20の外面の全体にわたり、紫外線によって化学的に結合する薄い層(約0.5〜50μm程度の厚み)として形成される親水性皮膜が挙げられる。具体例として、ミネソタ州のエデンプライオリ在のサーモデックス社から市販されている「ハイドロレーン(Hydrolene、登録商標)」の付された親水性ポリマーが挙げられる。類似の製品も同じサーモデックス社から市販されている。ステント20に施される皮膜は潤滑剤のみならず、抗生物質、耐微生物剤、および耐再狭窄剤などを継続的に放出する生体活性成分を含んでいるとよい。その一例として、上記のAST社から市販されている「ルブリラスト(LubriLAST、登録商標)」の付された生活活性成分が挙げられる。
【0067】
図11A〜図11Fは、ステント20を患者の体内に配置するための一連の操作図である。図11Aはステント20を示している。図11Bは、ステント20の中心内腔23に延在してステント20を患者の体内の適切な位置に挿入するプッシャーすなわち挿入ガイド120の一実施例を示している。挿入ガイドすなわちプッシャー120は、少なくとも1つの外側に拡張可能な固定バルーン136と遠位端部に配置された留置/位置決めバルーン152を備えている。固定バルーンは、ステント体20bの全長に沿って延在する単一バルーンか、または図示するように、ステント体20bの遠位端すなわち上部と係合するように配置される単一の局部的固定バルーンであるとよい。なお、複数の固定バルーンを用いてもよい(図示せず)。また、図示するように、ガイド120はステント体20bよりも実質的に長い細長の本体を備えている。
【0068】
図11Cは、挿入ガイド120の上部すなわち遠位端部がステント20の開いた遠位端を貫通して延在するように、挿入ガイド120をステント20に挿入した状態を示している。そして、固定バルーン136を膨張させ、挿入ガイド120に取り付けられたステント20を内部から保持している。細長の挿入ガイド120は、ステント20の底すなわち近位端から一定の距離だけ外部に延在するような長さを有している。ステント20の導管25は、挿入ガイド120の外面に沿って配置されるか、または挿入ガイド120の溝内に配置されて体内に挿入される間その溝内に保持されることになる。
【0069】
図11Dに示すように、ガイド120とステント20を患者の体内(例えば、前立腺内)の適当な位置に配置した後、ガイド120の膨張性(膀胱)留置バルーン152を膨張させる。次いで、図11Eに示すように、ステント20の局部的組織留置バルーン22を膨張させる。その後、図11Fに示すように、ガイド120の上部留置バルーン152と固定バルーン136を萎ませ、ガイド120をステント20から滑動可能に除去し、ステント20を(前立腺内)の適当な位置に留置する。他の適当なガイドすなわちプッシャーも当業者にはよく知られている。ステント20が所定の位置に配置されるまでステント20の内壁を(横方向に拡張して)案内する膨張性取付け手段または固定手段を備えるガイドの詳細を知るには、米国特許第5,916,195号および同時係属かつ共同譲渡された米国特許出願番号第09/239,312号を参照するとよい。なお、これらの内容はその全文を引例として組み込まれている。回復期間の後、下側バルーン22を萎ませ、次いで、導管25を引っ張ることによって、ステント20を除去することができる。
【0070】
図12は、図11A〜図11Fに示したのと同様の単一体ステント20および挿入ガイド120の他の実施例を示している。本実施例のステント20は、その操作中に組織に対して所定の適合性を発揮するための互いに離間された壁20w1,20w2を有している。すなわち、このステント20は、挿入時には尿道の外形に対する適合性を発揮し、かつ、前立腺内に配置されたときには、ステント20の中心内腔の寸法をステント20が患者の対外にある時の中心内腔の寸法と実質的に同一に保持するのに十分な剛性(すなわち、前立腺内において融除された組織の圧力によって通路すなわち中心内腔を閉鎖させるような変形を生じさせない剛性)を有するように構成されている。2つの離間された壁20w1,20w2によって形成される空間内には、特に治療領域(図示せず)に配置される部分において、その空間を仕切るような邪魔板または支持手段が設けられているとよい。この邪魔板または支持手段に関しては、同時係属および共同譲渡された米国仮特許出願番号第60/248,109号を参照するとよい。この文献の内容はその全文を引例として組み込まれている。また、壁間の間隙に膨張媒体、すなわち、膨張流体を導入する導管25は、ステント体20bに取り付けられているとよい。あるいは、外壁20w1から膨張媒体を導入して、下側バルーン22を膨張させるように、ステント体20bに取り付けられていてもよい。
【0071】
ガイド120は2つの個別に設けられた膨張性部を有するように構成されている。1つの膨張性部はステント20の内壁20w2の内面に固着するように拡張される細長部136であり、他の膨張性部は上側留置バルーン152である。また、図示するように、ガイド120は閉鎖端を有し、先端部分の留置バルーン152の上方の位置に排出および/または洗浄用オリフィス127を備えている。操作時に、ガイド120は、膨張源236からそこに接続されているバルブ230を介して固定バルーン部136と流体的に連通している入口/出口(すなわち、ポート)136i内に膨張流体を送給している。同様に、前立腺内のステントを膀胱頸部において留置するために、ガイドの上側留置バルーン152をポート126から進入する流体によって拡張している。(なお、バルーンを萎ませるときには、流体はポート126から放出される)。この場合、流体は膨張源252からそこに接続されているバルブ230’を介してポート126に導かれる。図示するように、ガイド120は、(ガイド120が操作中)、患者の膀胱と流体的に連通する中心排出内腔123を備え、それらの間で尿の排泄および/または洗浄が行えるように構成されている。
【0072】
図13Aは、図9Aおよび図9Bに示される実施例と同様の構成を有する実施例を示している。図示するように、ステント20は、上側留置バルーン52を備え、膨張性ガイド120’(図13B)は、開放端とそこからガイド120’を貫通するように延在する排出内腔123を有している。膨張性ガイド120’(図13B)は、図12に示される実施例において述べたのと同様の固定部、すなわち固定バルーン136を備えている。ただし、本実施例においては、ガイド120’が上側留置バルーンを有していないので、1つのバルブ230とそのバルブ230が接続している1つのガイド用膨張源のみしか必要としない。操作時において、ステントの上側留置バルーン52を適切な位置に配置し、膨張させてステント20を適切な位置に固定した後、ガイドの固定バルーン部136を萎ませ、ガイド120’を容易にステント20から滑動可能に除去し、前述したように、ステント20を膀胱を介して括約筋の上方の所定位置に留置している。
【0073】
上記以外の他のガイドすなわちプッシャーを用いても、ステントを前立腺内に挿入させて適切な場所に位置決めすることが可能であることは当業者にとっては明らかである。例えば、ガイドワイヤまたは注射針などに入れる細い針金などが知られている。ガイドワイヤは、典型的には図2に示すような開放端を有するステントに用いられ、針金は、(図3に示すような)閉鎖端部(または閉鎖先端)を有するステントに用いられる。閉鎖端部を有するステントの場合、針金が尿道に接触することはなく、針金による尿道の損傷を防ぐことができる。
【0074】
なお、実施例において、ステント20の閉鎖端は実質的に直立した状態で図示されているが、クーデまたはタイメン式カテーテルの先端部のような湾曲した形状であってもよい。
【0075】
図14は、温熱融除(または切除または他の処置)の後、前立腺尿道の閉塞を阻止する本発明による方法を示している。まず、前立腺組織を例えば温熱融除によって治療する(ブロック400)。この治療に続いて、第1断面積を有する単一体と第1断面積よりも実質的に小さい第2断面積を有して単一体に取付けられた導管を有するステントを、ステントの単一体が括約筋の上方の前立腺内の所定の場所に位置するまで、ペニス側尿道口からペニス側尿道に沿って上方に挿入する(ブロック410)。(下側)組織留置バルーンを膨張させてステントを所定の位置に固定する(ブロック420)。2〜14日の期間を経て、ステントの下側留置バルーンを萎ませ、導管の外部に露出している端部を引っ張ることによって、ステントを除去する(ブロック430)。
【0076】
図15は、ステント(またはカテーテル)を患者の体内の適切な位置に配置した後、ステントから導管を取り外す方法を示すブロック図である。まず、導管が離脱可能に取り付けられたステントを、導管の一部が患者の対外に残るように、患者の体内の内腔に挿入する(ブロック500)。次いで、(導管の露出した部分を引張ることによって)離脱可能に取り付けられた導管に引張力を加え、ステントを体内の適切な位置に留置したまま、導管をステントから取り外す(ブロック510)。
【0077】
一具体例として、離脱可能な導管(第1導管)は、膀胱留置バルーンに対して流体的に連通し、第1導管を取り外すことによって膀胱留置バルーンを萎ませるように構成されているとよい。ステントはさらに、取り外し可能な第1導管とは別に、ステントの下側膨張部内に膨張媒体(好ましくは、流体)を導くための第2導管を備えているとよい。操作時において、ステントの挿入の後、(膀胱留置バルーンが留置されている)膀胱頚部に対して患者の体内にあるステントを位置決めするために、膀胱頚部留置バルーンを膨張させている。
【0078】
位置決め段階は、好ましくは、ステント体を括約筋の上方に配置し、下側留置手段(例えば、下側バルーン)を精丘と(膜状尿道内の)括約筋との間に配置するように実施されるとよい。膀胱留置バルーンを適切な位置に配置して、(第2導管を介して)膨張させた後、ステントを留置するために、下側膨張部材を膨張させるとよい。離脱可能な導管の除去は、この第2の(下側バルーンの)膨張の後に行われる。
【0079】
図16は、本発明の実施例によるBPHを治療する方法のブロック図である。本方法は、患者の前立腺に加熱流体を循環させるように構成された治療用カテーテルを挿入する段階(ブロック600)と、45℃よりも高い温度に加熱された液体を循環する段階(ブロック610)を含んでいる。加熱液体はカテーテル内を循環し、ペニス側尿道口からペニス側尿道、球状尿道、および膜状尿道を経て、前立腺内の局部的治療領域と隣接する治療バルーンに向かう(ブロック620)。前立腺内の局部的治療領域内の組織は、加熱した循環液体に晒されて、約45℃よりも高い温度に所定の温熱融除治療期間だけ晒される(典型的には、約50〜62℃に約30分よりも長く晒される)(ブロック630)。前述したように、局部的治療領域は前立腺尿道の上部であり、膜状尿道の周囲の前立腺尿道の部分は非融除領域である。従って、遠隔的に加熱する循環システムであっても、治療用カテーテルの軸部が治療バルーンの上部を断熱することによって、対象外の組織が融除温度に晒されるのを阻止することができる。
【0080】
一具体例として、循環する流体は、45℃よりも低い温度(例えば、35〜44℃)に加熱されるとよい。あるいは、局部的組織を冷却によって治療する場合は、循環する流体を冷却してもよい。
【0081】
いずれにせよ、温熱療法がなされた後、循環する加熱水は、治療用カテーテルから部分的に(好ましくは、全体的に)除去されることになる。一具体例として、治療用カテーテルを回復期間の初期(約12〜72時間、好ましくは、24〜48時間)において、患者の体内に留置するとよい(なお、この段階は任意に選択可能な段階であり、その任意選択性を表すために、図では破線によって示されている)(ブロック640)。この治療用カテーテルの離脱を遅らせることによって、治療用カテーテルの即時離脱によって生じる出血およびそれに伴う血塊の可能性を低減させ、または生じたとしてもその量を低減させることができる。
【0082】
温熱融除の直後または一定期間だけ遅らせて、組織造形ステントを前立腺内に挿入する(ブロック650)。次いで、局部的バルーン部を膨張させ、括約筋の正常な運動を阻害しないように患者の組織に係合させることによって、このステントを前立腺内の適切な位置に留置させる(ブロック660)。挿入から典型的には約2〜14日を経た後、組織留置バルーン(膀胱留置バルーンが用いられている場合はその膀胱留置バルーンも含む)を萎ませ、治療後ステントを患者から除去する(ブロック670)。
【0083】
ブロック図の1つ以上のブロックおよびそれらのブロックの組合せをコンピュータプログラム指令によって実施可能であることは明らかである。これらのコンピュータプログラム指令をコンピュータまたは他のプラグラム可能データ処理装置に読み込ませ、そのコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置において実行される指令が1つまたは複数のフローチャートブロック内で規定された機能を実行する手段を生成するように、システムが構成されているとよい。これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその関連するハードウエア機器と直結するコンピュータ読み取りメモリ内に記憶され、具体的なブロック図内の機能を実行するように構成されていてもよい。
【0084】
本発明を前立腺ステントに好適な実施例に基づいて説明したが、本発明のステントの離脱可能な取り付け構成、弾性領域、および他の特徴は、他のカテーテルまたはステント構成およびそのようなカテーテルおよび/またはステントを配置するためのガイドすなわちプッシャーに対しても適用可能であることは当業者にとって明らかである。さらに、離脱可能な導管は図示したように管状であってもよいが、ステントまたはガイドが体内に配置されたときに外部から手が届く長さを有するライン状、紐状、リンク状、または他の小断面積部材として構成されてもよい。人体の内腔内の所定の位置に配置させる経尿道ステントに対して2つ以上のラインを繋いで用いることにより、ライン間の広がりを少なくし、使用中に患者の対外に延在するラインの数(またはスリーブの大きさ)を低減させることができる。さらに、離脱可能なラインまたは導管を、人体の管状器官の内腔または体内空洞、例えば、血管(例えば、動脈)、直腸、結腸、子宮頸管および/または子宮、膀胱、喉、耳、鼻、心臓の通路および/またはその関連する弁、呼吸システム、食道などに挿入されるカテーテル、ガイド、またはステントなどの他の用途にも用いることができる。
【0085】
上記の説明は本発明の単なる例示であり、本発明を制限すると解釈されるべきではない。本発明のいくつかの具体的な実施例について説明したが、本発明の新規の示唆および利点から実質的に逸脱することなく、それらの実施例に対して多くの変更例を行うことが可能であることは当業者にとっては容易に理解されることである。従って、そのような変更例は請求項に定義される本発明の範囲内に包含されるとみなされるべきである。すなわち、上記の説明は本発明の単なる例示であり、本発明は開示された具体的な実施例に制限されると解釈されるべきではなく、開示された実施例に対する変更例および他の実施例は請求項の範囲内に包含されるとみなされるべきである。本発明は請求項によって定義され、請求項の等価物もまた本発明に包含されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
前立腺内の温熱融除治療領域を示す男性尿道の解剖学的構造の概略図である。
【図2】
温熱融除治療後に患者の体内の適切な位置に配置される本発明の実施例によって構成されるステントを説明するための男性尿道の前立腺部分を示す概略図である。
【図2A】
図2に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図3】
患者の体内の適切な位置に配置される本発明によるステントの他の実施例を説明するための男性尿道の前立腺部分を示す概略図である。
【図3A】
図3に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図3B】
図3に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図4】
萎んだ状態の組織留置バルーンを説明するための図2に示されるのと同様のステントの一部切欠き正面図である。
【図5A】
本発明の実施例による所定の拡大形状に膨張させた状態の組織留置バルーンを説明するための図4に示されるステントの一部切欠き正面図である。
【図5B】
ステントが患者の体内の適切な位置に配置された状態において、留置バルーンを膨張させる導管と治療剤、薬剤、またはリンスを対象となるもの(融除された前立腺組織)に送給する導管を用いる本発明の実施例による構成を説明するための図5Aに示されるのと同様の構成を有するステントの実施例を示す正面図である。
【図6A】
膨張性組織造形中間部を備える以外は図2〜図5A、図5Bに示されたのと同様の構成を有するステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図6B】
膀胱留置バルーン(または遠位端留置バルーン)を備える以外は図2ないし図5A、図5Bに示されたのと同様の構成を有するステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図6C】
図6Bに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図7A】
本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図7B】
傾斜した形状に膨張する下側留置バルーンを説明するための図7Aに示されるステントの一部切欠き正面図である。
【図8】
中間組織造形膨張性部を備える以外は図7Aおよび図7Bに示されるのと同様の構成を有する本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9A】
膀胱頚部留置バルーンと組織留置バルーンが共に膨張している状態の単一体を説明するための本発明のステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9B】
単一の膨張導管のみを備えている以外は図9Aと同じ構成であり、かつ組織留置バルーンと膀胱頚部留置バルーンが萎んだ状態にある本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9C】
図9Aに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図10】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図10A】
図10に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図11A】
図11B〜図11Fと共に、本発明の実施例による操作シーケンスを説明するための連続図の1つであり、図2〜図5に示されるのと同様のステントを示す側面図である。
【図11B】
患者の体内にステントを位置決めするのを補助するためにステントの内側に配置されるプッシャーを示す側面図である。
【図11C】
図11Aに示されるステントと図11Bに示されるプッシャーの一部切欠き側面図であり、本発明の実施例において組織留置バルーンが萎んだ状態のステントにプッシャー(挿入ガイド)を挿入し、プッシャーの一部を横方向に拡張してステントの中心内腔に取り付け、ステントをペニス側尿道口から前立腺の所定の位置(または他の所定の体内空洞または管状器官の内腔)に案内する準備が整った状態を示す図である。
【図11D】
図11Cに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、(プッシャー)の留置バルーンを膨張させた状態を示す図である。
【図11E】
図11Dに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、プッシャーのガイド位置決めバルーンを膨張させて所定の位置に配置した後、ステントの留置バルーンを膨張させた状態を示す図である。
【図11F】
図11Eに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、プッシヤー(挿入ガイド)の固定バルーンを萎ませて、プッシャーをステントから除去し、ステントを体内に留置する状態を示す図である。
【図12】
本発明によるプッシャー(挿入ガイド)およびステントの他の実施例を示す一部拡大側断面図である。
【図12A】
図12に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図13A】
図9Aおよび図9Bに示されるのと同様の構成を有するステントの拡大側断面図である。
【図13B】
プッシャー(挿入ガイド)のさらに他の実施例が備えられる以外は図13Aに示されるのと同様の構成を有するステントの拡大側断面図である。
【図13C】
図13Aに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図14】
温熱融除の後に前立腺尿道の閉塞を阻止する本発明による方法を示すブロック図である。
【図15】
ステントが患者の体内の適切な位置に配置された後、カテーテルまたはステントから導管を取り外すための本発明の実施例による方法を示すブロック図である。
【図16】
本発明の実施例によるBPHを治療する方法を示すブロック図である。
【図17】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図18】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図18A】
図18に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図19】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図19A】
図19に示されるステントの一領域の拡大図である。
[関連出願]
本出願は、引例として全文をここに組み込まれている2000年6月30日に提出された米国仮出願番号第60/215,156号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、患者の管状器官の内腔または体内空洞に挿入されるように構成されたステントに関する。
【0003】
[発明の背景]
従来、人体のある種の病理学上の疾患部を、その対象組織を加熱、すなわち、温熱によって融除することによって、治療する種々の温熱治療システムが提案されている。これらの温熱治療システムは、対象組織を治療、すなわち、融除するのに必要な熱を生成させるために、種々の加熱源を用いている。例えば、選択された体内空洞の内側またはその周囲の対象組織に伝達される熱を生成する手段として、レーザ、マイクロ波、および無線周波(RF)などのエネルギー源の使用が提案されている。温熱治療システムは、前立腺(および、他の器官、体内空洞、および/または管状器官の内腔)を温熱融除するのに用いられている。
【0004】
温熱融除システムの具体的な成功例の1つとして、熱凝固プロセスによって前立腺を温熱融除する方法が挙げられる。この温熱融除システムは、被治療者である患者の体外において液体、典型的には水を加熱し、その加熱された水を、患者のペニス側尿道口から適切な位置に挿入しかつ保持された治療用カテーテル内に循環させることによって、治療の対象となる局部的組織を融除温度に晒す、閉鎖ループ式液体または水誘導温熱療法(WIT)システムを採用している。治療用カテーテルは、治療中膀胱頚部に対して固定される上端部と、その固定される上端部から前立腺内の所定の治療領域に沿うように配置される膨張性治療部を備えている。治療時において、膨張性治療部をその内部を循環する流体によって膨張させ、前立腺内の局部的な(すなわち、治療領域内の)対象組織に押し付け、その組織を循環する液体で上昇した温度に晒すことによって温熱融除している。なお、膨張性治療部は局部的な対象組織に加圧接触しているので、体内の血液循環による熱吸収効果を低減させ、膨張性治療部による前立腺組織内への熱の伝達深さを増すことができる。
【0005】
外科手術による治療(経尿道的前立腺切除(TURP))に替わる治療法として、WIT(水導入温熱療法)はBPH(両性前立腺肥大症)の治療に特に適していることがわかっている。一般的に、「BPH」という用語は、前立腺が肥大して前立腺組織の密度が増し、その結果、尿の排出路を閉塞する疾患を意味している。この疾患は典型的には年老いた男性に生じるが、その原因は長年にわたる前立腺組織(および膀胱筋肉)の生理学的な(病理学的ではない)変化によるものである。前立腺尿道の開口を(外科手術による切除および組織の除去によらず)拡大するために、温熱の循環水が前述したようにペニス側尿道口からペニス側尿道を介して前立腺内に挿入された治療用カテーテルに導入されるようになっている。治療用カテーテルの膨張性治療部は、その内部に導入された温水によって膨張し、前立腺に押し付けられ、対象となる前立腺組織を熱伝達により加熱して温熱融除される。典型的には、循環水を約60〜62℃の温度に加熱し、対象組織をその温水によって約45分間温熱融除し、前立腺内の尿排出路の近傍の組織を局部的に壊死させ、前立腺内の尿道路を拡大している。
【0006】
温熱融除治療に続いて、前立腺内の治療された組織に対する回復治療が行われる。温熱融除治療が行われた当初、融除された組織は炎症または浮腫(むくみ)によって膨張または隆起することになる。このような前立腺内の組織の膨張または隆起によって、前立腺尿道が閉塞するおそれがある。さらに、回復期間中に、治療された組織の一部が壊死することによって尿道の開口寸法が過度に小さくなるという好ましくない現象も生じる。ただし、この治療後の開口寸法が小さくなるという現象を積極的に利用して、回復サイクル中に、融除された組織をその内部に留置させたカテーテルまたはステントの輪郭に対応する形状に造形することができる。従って、適切な回復を促進し、かつ融除治療の効果を増すために、治療用カテーテルを一定期間患者の体内に残留させ、および/または従来のフォーレイカテーテルのような治療後用カテーテルを患者の体内に配置させるような回復治療が行われている。しかし、治療用カテーテルまたは治療後カテーテルは、患者の体内に2〜14日またはそれ以上留置されていなければならない。従って、特に治療後カテーテルは括約筋の正常な機能を阻害することなく、失禁用のバッグの使用を必要とせず、さらに、ユーザの不便さまたは不快さを軽減するように、ユーザに対する侵襲性を可能な限り小さくするように構成されることが望ましい。
【0007】
従来、上端部に膀胱留置バルーンを有するフォーレイカテーテルは、初期の回復期に温熱融除された組織をカテーテルの周囲に沿って造形するための治療後用カテーテルとして用いられている。この種の治療後カテーテルは患者の膀胱頚部に対して固定配置されるが、以下の問題点がある。すなわち、括約筋の自然な運動を阻害し、(ペニス側尿道を貫通して配置されるので)構成が比較的複雑であり、ユーザに対する侵襲性が過度に大きく、さらに、患者の体内の所定の位置に配置されたとき、(特に長期間にわたって留置された場合)、尿路感染症(UTI)を併発するおそれがある。(「留置カテーテル」および「ステント」として知られる)他の構成の治療後カテーテルも提案されている。しかし、これらの治療後カテーテルのいくつかは治療によって生じる血塊を洗い流す機能を阻害し、他のいくつかはユーザに対する侵襲性の点で劣り、および/または括約筋の自然な運動を阻害することがある。また、他のいくつかは治療領域の周囲の前立腺空洞内に適切に配置することができず、および/または前立腺内の所定の位置に長時間にわたって留置することができない。さらに、他のいくつかは長期間の使用によって、筋肉の萎縮および/または局部的組織の壊死を促進させるおそれがある。
【0008】
公知の治療後カテーテルまたはステントの例がエシェルらに付与された米国特許第5、916、195号、デボネックらに付与された米国特許第5,876,417号および5,766,209号、およびロードに付与された米国特許第3,811,450号に記載されている。しかし、コスト効果が高く、融除治療後プロセスすなわち回復サイクル中に治療された組織に隣接して前立腺内に配置されており、(組織を造形することができ)、適切な期間を経たあと、容易に除去することができ、および/または侵襲性を可能な限り少なくすることができるように改善された治療後カテーテルまたはステントが求められている。
【0009】
[発明の目的と要約]
従って、本発明の目的は、前立腺内の温熱治療後の閉塞を阻止するのに適し、かつ着帯者に対する侵襲性を可能な限り少なくすることができるステントを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ペニス側尿道口からペニス側尿道に挿入され、前立腺尿道内に位置し、長期間にわたる使用中、温熱治療組織に対して所定の位置に保持されるように構成されたステントを提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、膀胱に対して接近または離隔する長手方向の移動を阻止するように、前立腺内に比較的安定した状態で局部的に留置されるように構成されたステントを提供することにある。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、前立腺尿道内の閉塞を阻止し、患者が正常に尿を排出することができるように尿道経路の開口を維持することが可能な装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、カテーテルの移動を監視する方法、および/または膨張システムが完全に膨張した状態を確認するように改善された方法を提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、管状器官の内腔または体内空洞内の閉塞を阻止することができるように改善されたステントを提供することにある。
【0015】
これらおよび他の目的は、とりわけ、一定長さの細長かつ小径のチューブが延在している侵襲性を極力少なくした本発明による単一体ステントによって達成される。小径のチューブすなわち導管は、単一体からペニス側尿道に沿って患者の体外の位置に延在する長さを有していれば十分である。ステントは、回復期間中、前立腺内に保持されるように括約筋の上方に配置されるように構成される。同様に、本発明は、温熱融除療法の後の回復期間中、前立腺尿道の閉塞を阻止するようにBPH(および他の前立腺疾患)を治療する方法を提供するものである。
【0016】
さらに具体的に、本発明の第1態様によれば、男性患者の尿道内に挿入される前立腺ステントが提供される。男性尿道は、その最外部から内部に向かって、ペニス側尿道口、ペニス側尿道、球状尿道、括約筋、膜状尿道、前立腺尿道、膀胱頚部、および膀胱をこの順に略備えている。前立腺ステントは第1断面幅を有する単一管体を備え、その単一管体はその内部に延在する中心内腔を有している。また、ステントは、単一管体の下側周辺部に配置される組織係合膨張性バルーンと、流体内腔が内部に形成された少なくとも1つの導管を備えている。導管は互いに対向する上下端部を有し、上端部の一部は単一管体に膨張性バルーンと、流体的に連通するように取り付けられている。導管は第1断面幅よりも小さい(好ましくは、実質的に小さい)第2断面幅を有している。操作時において、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、単一管体は括約筋の上方に位置し、導管は括約筋内を通ってペニス側尿道口から外部に延在するように構成されている。また、導管はステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋の実質的に自然な閉鎖運動を妨げないような寸法および/または断面積を有している。
【0017】
本発明の他の態様によれば、それぞれが患者の男性尿道内に挿入されるように構成された一組の前立腺ステントが提供される。この一組のステントは、各単一体が個々の患者に対して適合できる様々な長さ(そのステント体の一部が膜状尿道と前立腺尿道内に配置される長さ、典型的には、約4〜10cmの範囲の長さ)を有するように構成されている。
【0018】
本発明のさらに他の態様によれば、BPHを治療する方法が提供される。本治療方法は、(a)患者の前立腺尿道内の局部的治療領域を、前立腺尿道の下方の膜状尿道の部分を実質的に融除しない状態に維持しながら、温熱融除する段階と、(b)温熱融除段階の後、患者の前立腺にステントを挿入する段階であって、前記ステントは単一体と、前記単一体に形成された膨張性下部と、単一体から下方に延在する少なくとも1つの導管からなるような段階と、(c)ステントを、単一体が括約筋の上方に位置し、導管が括約筋を通ってペニス側尿道口から外部に延在するように、患者の体内に配置する段階であって、導管はステントが患者の体内の適切な位置に配置された状態で括約筋が実質的に正常に機能することができるような寸法を有しているような段階と、(d)挿入段階の後、膨張性下部が治療領域の下方かつ括約筋の上方に位置する組織と係合し、ステントの一部が治療領域に近接して配置されるように、膨張性下部を膨張させる段階と、(e)温熱融除に続く回復期間中、前立腺尿道の障害すなわち閉塞を阻止する段階と、(f)膨張性下部を萎ませる段階と、(g)ステントが挿入された時点から少なくとも約2〜14日の期間を経た後、膨張性下部を萎ませた段階に続いて前記ステントを除去する段階と、を含んでいる。
【0019】
一実施形態において、膨張性下部を萎ませ、次いで、導管を引っ張ってステントに患者から離れる方向に力を加えることにより、ステントは除去される。挿入段階は、治療側との不必要な接触または処置を避けて治療された組織の出血を阻止するために、温熱融除の終了から約12〜72時間、好ましくは24〜48時間の初期回復期間(典型的には、この期間中治療用カテーテルが留置されている)の後に実施されるとよい。初期回復期間の後にステントを挿入することによって、活性的な温熱融除治療の後直ちに治療用カテーテルを除去するときに生じる出血を低減させることができる。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、患者への侵襲性を極力抑制して前立腺尿道の閉塞を阻止する方法が提供される。本方法は、単一体とそこに取り付けられる少なくとも1つの一定長さを有する導管を備えるステントを患者のペニス側尿道口からペニス側尿道に沿って前立腺尿道内に挿入し、ステントをステント単一体が括約筋の上方に位置して導管が括約筋を貫通してペニス側尿道口から外部に延在するような所定の位置に配置する段階を含んでいる。ここで導管は、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋が実質的に自然に尿道を閉鎖できるような寸法に設定されている。
【0021】
少なくとも1つの導管は2つ(またはそれ以上)の導管、具体的には、膀胱留置バルーンと流体的に連通する第1導管と、膨張性下部と流体的に連通する第2導管を備えている。なお、第1導管はステントに離脱可能に取り付けられるとよい。一実施形態において、位置決め段階の後、留置バルーンと流体的に連通する離脱可能な導管を膨張させ、患者の体内にステントを位置決めした状態でステントから離脱可能な導管を取り外すように構成されている。
【0022】
一実施形態において、導管は(ステントが患者の体内にあるとき)、導管の対外に位置する部分にステントの移動を監視するための外部から肉眼によって観察できる目印を有している。従って、本発明の方法はその外部目印の位置の変化によって患者の体内におけるステントの移動を監視する段階をさらに含んでいるとよい。なお、体内における膨張性バルーン(局部的留置バルーンまたは膀胱留置バルーンのいずれか)の完全な膨張状態または膨張の適切な程度を監視するための外部目印は、導管と関連して操作可能に構成されてもよい。また、ステントは、体内におけるステントの(例えば、X線による)位置確認を行うための放射線不透正標識を有しているとよい。さらに、ステント、特に単一体および膨張性部の外面には、抗微生物皮膜および/または耐摩擦皮膜のような表面処理が施されるとよい。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、BPHを治療する方法が提供される。本治療方法は、(a)加熱された流体を患者の前立腺に向けてペニス側尿道に沿って循環させるように構成された治療用カテーテルを挿入する段階と、(b)治療用カテーテル内に約45℃以上に加熱された流体を循環させる段階と、(c)循環段階において治療用カテーテル内を循環する加熱流体を前立腺内の局部的治療領域に誘導する段階と、(d)局部的治療領域における治療対象とされる前立腺組織を循環および誘導段階によって供給される流体の温度に対応する約45℃よりも高い温度に所定の温熱治療期間だけ晒す段階と、(e)温熱治療期間の後、加熱流体の循環を終了させる段階と、(f)終了段階の後、患者の体内に約12〜72時間の初期回復期間だけ治療用カテーテルを留置する段階と、(g)初期回復期間の後、治療用カテーテルを除去する段階と、(h)除去段階の後、単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを患者の体内に挿入する段階と、(i)単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを、前記単一体が括約筋の上方に位置し、前記導管が括約筋、ペニス側尿道、およびペニス側尿道口を通ってその下部が患者の対外に延在し、かつ前記ステントの一部が温熱融除後の回復期間中に治療組織を前記ステントに対応する形状に造形すべく前立腺の局部的治療領域内に位置するように、患者の体内に配置する段階と、(j)治療後ステントに設けられた膨張性下部を局部的治療領域の下方かつ括約筋の上方の組織と係合するように拡張する段階と、(k)約2〜14日の回復期間の後、膨張性下部を萎ませ、次いで、患者の対外に位置する導管を引張ることによって、ステントをペニス側尿道に沿って滑動させながら患者から除去し、その結果、回復期間中に、組織を前記ステントの外周に沿って造形または変形させ、所定の前立腺尿道の開口を得ることによって、前立腺尿道の閉塞を阻止する段階を含んでいる。
【0024】
好ましい実施態様において、導管は、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の対外に位置する部分に目盛線マークを有し、本方法はペニス側尿道口に対して接近または離隔する方向における目盛線マークの移動によって体内におけるステントの移動を監視する段階をさらに備えている。他の実施態様において、少なくとも1つの導管は、ステントの単一体に取り付けられる2つの導管からなり、本方法はステントが使用中(体内の適切な位置に配置されているとき)導管の選択された1つをステント体からその場で取り外して患者から除去する段階をさらに備えている。前述したように、ステントはステントの移動を監視するための外部目印とバルーンの膨張を監視するための外部目印を有しているとよい。
【0025】
好ましい実施態様において、侵襲性を極力少なくして尿道排出経路の前立腺障害を阻止するのに用いられる治療後ステントまたはステントが提供される。この単一体ステントは、括約筋の上方に配置されており、1つ以上の導管のみをステントから患者の対外に延在させるように構成されている。ステントは、1つ以上の下側組織係合留置バルーン、上側膀胱頚部留置バルーン、および膨張性組織造形中間部を備えることが可能である。導管は、膨張媒体をステント内の所定の膨張領域に供給し、かつそこから放出するように構成されるとよい。1つ以上の導管をステントにその場で離脱可能に取り付けられるように構成し、その離脱可能な導管に対して、操作中、医者によって容易に識別されるように、外部から肉眼によって観察できるマークが付されるとよい。
【0026】
また、導管は、ユーザまたは医者がペニス側尿道口に対して接近または離隔する方向におけるカテーテルの移動を監視するために、目盛線マークのような移動指示外部目印(および/またはストッパ)または患者の体内における所定の位置からステントが外れたタイミングまたは移動したかどうかを確認するための標識を有することもできる。
【0027】
単一体ステントは、患者の尿の排出および/または患者への洗浄液の注入をそのステントを介して行うように構成され、特に温熱融除療法が前立腺内の局部的領域に適用された後、長い回復期間(例えば2〜14日)を必要とする患者に対して好適である。本発明はまた、融除された組織に生じる炎症(従って、多くの血塊の発生)を低減させるための初期回復期間の後になされる回復治療に適している。ステントは1つ以上の導管を備えることができ、その1つを回復期間中に(回復の促進および/またはUTIの阻止のために)治療剤、生理食塩水、またはリンスを治療領域に供給するために用いることができる。また、1つ以上の取付けバルーンを膨張させることでステントを確実に保持することができるように構成されたプッシャーへの取付けによって、ステントを患者の体内に配置することができる。
【0028】
なお、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施例を具体的な形態で例示し、以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するためのものである。
【0029】
[発明の実施例の詳細な説明]
以下、本発明を実施例が示されている添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。なお、本発明は多くの異なった形態で実施されてもよく、ここで述べる実施例に制限されると解釈されるべきではない。ここで述べる実施例は、その開示内容を綿密かつ完全なものとし、当業者に本発明の範囲を十分に知らしめる意図をもってなされたものである。図面において、一部の構成要素または特徴は理解しやすいように誇張されている。また、図面の全体にわたって、同一の参照番号は同一の構成要素を示すものとする。
【0030】
図1において、前立腺11内において線影が付された領域が温熱融除治療領域10である。「温熱融除」という用語は、対象となる組織をその組織を壊死させるのに十分な温度に晒す処置を意味している。温熱融除の具体例として、対象となる組織を患者の体内に挿入されたカテーテルを介して熱凝固させる処置が挙げられる。この場合、カテーテルは、患者の体外で加熱された熱い液体を対象となる治療領域に向けて循環させるように構成されている。好ましくは、対象となる組織を所定期間だけ約45℃以上の高温に晒すとよい。なお、対象となる組織に施される温熱融除以外の治療例として、切除手術や他の温熱療法が挙げられる。本発明によるステントは、治療後または治療前の管状器官の内腔または体内空洞、例えば、動脈のような血管、腸、子宮、子宮頚部、喉、呼吸器官の導管、耳、鼻などにそれらの閉塞または収縮を阻止するために挿入されるのに適している。
【0031】
一具体例として、温熱融除はBPH(良性前立腺肥大症)の治療に適用される。この温熱融除において、前立腺組織を約50〜60℃以上の温度に20〜60分の治療期間だけ晒すとよい。治療温度は約60〜62℃であってもよい。あるいは45〜50℃であってもよい。BPHに対する温熱融除療法は、好ましくは、前立腺尿道内の局部的治療領域、具体的には、図1に示す患者の膀胱頚部12aの下側からと精丘11bの上側にわたって略延長する前立腺尿道の略上部である治療領域10に対して実施されるとよい。あるいは、治療領域10は膀胱頚部12aまたはその一部を含んでいてもよい。好ましい温熱融除システムおよび治療用カテーテルは、ノースカロナイナ州カリー在のアルゴメッド社から市販されている。また、エシェルに付与された米国特許第5,257,977号および5,549,559号、および共同譲渡されたエシェルらに付与された米国特許出願番号第09/433,952号を参照するとよい。なお、これらの資料は、その全文を引例として本明細書に組み込まれている。
【0032】
温熱融除療法が患者に対してなされた後、治療用カテーテルは初期回復期間中患者の体内に留置されるとよい。この初期回復期間は約12〜72時間、好ましくは、24〜48時間である。この初期回復期間中、治療用カテーテルを患者の体内に留置させることによって、その治療用カテーテルを除去するときに生じる出血とそれに続く血液の凝固を減少させることができる。
【0033】
いずれにしても、上記の温熱融除治療の後、図2、図4、図5Aおよび図5Bに示す治療後用カテーテルすなわちステント20がペニス側尿道口からペニス側尿道を通って治療領域10に対応する前立腺尿道(図1参照)内の所定の位置に挿入される。なお、ステント20は治療後の用途に制限されるものではなく、必要に応じて、治療前の用途に用いてもよい。
【0034】
図示するように、ステント20は、当該ステント20が患者の体内の適切な位置に配置されたときに、括約筋13の上方に延在するような長さを有する単一体20bを備えている。また、ステント20は、当該ステント20が前立腺の空洞に配置されたときに、ステント体20bから患者の体外の位置まで延在するのに十分な長さを有する少なくとも1つの流体を流体的に連通させるチューブすなわち導管25を備えている。導管25の形状および/または断面寸法は、括約筋の正常な機能を阻害しないように、ステント体の断面寸法すなわち幅よりも実質的に小さく構成されている。ステント20は、さらにチューブすなわち導管25および中心内腔23と流体的に連通している局部的組織留置バルーン22を備えている。このように、ステント20の寸法は、これが患者の括約筋13の上方に留置されるように設定されている。すなわち、失禁を伴う経尿道カテーテルまたはステント構成と異なり、本発明によるステント20は、単一ステント体20bの全体が括約筋13の上方に位置し、1つ以上の実質的に小径(すなわち、小断面)の導管(チューブ)25が患者の括約筋13から下方に延在してペニス側尿道口から外部に至るように構成されている。さらに具体的には、1つ以上の導管25のみが括約筋13を貫通するように延びているので、括約筋13の自然な運動を妨げることがなく、(すなわち、ステント20が体内に留置された状態においても、括約筋13は尿道を実質的に正常に閉鎖することができ)、その結果、複雑な構成を必要とせず、ステント20の留置による患者に対する侵襲性を低減させることができる。好ましくは、ステント体20bの断面幅すなわち外径は約6〜9mmで、導管25の寸法(断面幅または外径)はステント体20bの断面幅すなわち外径の少なくとも20〜25%未満、さらに好ましくは、約0.5〜2.25mmであるとよい。
【0035】
ステント20を前立腺11内の所定の位置(場所)に留置させるために、(ステント20を前立腺11内に挿入した後)、ステント20の膨張可能な部分である局部的組織留置バルーン22を導管25内に導入された流体によって所定の大きさに膨張させている。この膨張によって、留置バルーン22は前立腺組織と係合することになる(なお、留置バルーン22が萎んだ状態において、患者の体内に容易に挿入されるように、ステント体20bは滑らかでかつ実質的に一定の輪郭を有するように構成されているとよい)。好ましくは、ステント20は、組織留置バルーン22が治療領域10の下側と括約筋13の上側の間の尿道組織、さらに好ましくは、膜状尿道内の尿道組織、最も好ましくは、括約筋13と精丘11bとの間の尿道組織に係合するように構成されているとよい。
【0036】
図2、図5Aおよび図5Bに示すように、好ましくは、組織留置バルーン22は膨張したときに梨形状、湾曲または傾斜形状、または円錐台形状を有するように構成されているとよい。このような構成によって、膨張したとき、組織留置バルーン22は上側から下側に向かって末広がりのテーパを有する輪郭を呈し、その結果、括約筋13が弛緩するとき、すなわち、尿道を開くとき、ステント20の括約筋13への移動を阻止することができる。また、このような構成によって、特に、前立腺の上部の治療された組織に炎症による腫れまたは浮腫(むくみ)が生じて治療領域10における尿道の開口面積を閉鎖または縮小しようとした場合、ステント体20bの治療領域10または膀胱12に向かう上方移動を阻止することができる。すなわち、膜状尿道内に位置する末広がりの留置バルーン22はその上方に位置する治療領域10における尿道の頸部に当接し、ステント20の上方への移動(移行)を阻止することができる。なお、留置バルーン22の膨張時における形状は、ここに述べた形状に制限されるものではなく、他の形状、例えば、球状、楕円状、卵状、円筒状、蛇腹状、または、(ステント体の下部の周囲に沿って配置された)複数のテーパフィンなどの形状であってもよい。
【0037】
すでに述べたように、組織留置バルーン22は導管25と流体的に連通し、導管25はバルブ30の操作によって流体膨張源(図示せず)と連通している。バルブ30は当業者にとって公知であり、例えば、ノースカロライナ州クリードムーアおよびカルフォルニア州サンジェゴ在のアラリス・メディカル・システム社のような医療品供給業者によって市販されている。バルブ30を操作することによって、膨張媒体(液体、気体、または、1種以上の液体、気体、および/または(気体または液体に溶解する)粉体または固体)が導管(すなわちチューブ)50内に導入されて組織留置バルーン22に至ることになる。
【0038】
ステント体20bは互いに離間された管状壁を有し、それらの壁間の間隙が膨張経路の一部をなすように構成されてもよい(図13Aを参照)。図4および図5Aに示すように、導管25は、ステント体20bの管状壁に形成された開口26に直接接続され、該開口26には膨張媒体が通過するようになっている。好適な膨張媒体の例として、気体、液体、または固体/粉体、またはそれらの混合物、さらに具体的には(単なる例示にすぎないが)、窒素やヘリウムのような希ガス、酸素、水、またはオイル(例えば、キャノラ油、オリーブ油など)などが挙げられる。好ましくは、膨張媒体は非毒性であり、かつ使用中にバルーンの完全な膨張状態が損なわれたとき、偶発的にバルーンが破裂したとき、バルーンから媒体が漏れたとき、あるいはそれ以外の要因によってバルーンが故障したとき、患者に有害な影響が及ばないようなものが媒体として選択されるとよい。具体的には、液体(または実質的に液状媒体)を用いて、少なくとも組織留置バルーン22を膨張させて、長期にわたって(治療後の回復期間中)、実質的にそのバルーン22の膨張した状態を体内において維持するとよい。膨張性バルーンの壁は薄いので、空気または気体を膨張媒体として用いると、バルーンの形状が変形しやすく、所定の期間が経過する前にバルーンが萎むことがあり、あるいは、バルーンの周囲の組織を過度に圧迫することがあり、さらに空気または気体が漏れると、所定の位置にバルーンを留置する効果が失われる場合もある。
【0039】
図4はステント20の一実施例を示している。このステント20は、膨張性下部(組織留置バルーン)22の完全な膨張状態を肉眼で確認可能な外部目印を備えている。なお、外部目印を膀胱留置バルーン52の完全な膨張状態を確認するために用いてもよい。この場合、図9Aに示すように、膨張性下部22と膀胱留置バルーン52のそれぞれに対して1つの目印を設けるとよい。本実施例においては、外部バルーンを目印として用いている。この外部バルーンは、図4に示すように、バルブ30と膨張性下部22に流体的に連通し、ステント20が患者の体内に留置されたとき体外に位置するように、ステント20から離れて配置されている。好ましくは、図4に示すように、外部指示バルーン75をバルブ30と近接させて、バルブ30およびペニス側尿道口間のクッションをなすように配置するとよい。
【0040】
操作時において、膨張媒体がバルブ30と外部バルーン75を介して導管25内に導入される。外部バルーン75は膨張性下部22の完全な膨張状態に対応する状態に膨張する。次いで、バルブ30が閉鎖され、外部バルーン75と膨張性下部22が所定の膨張状態に保持される。ここで、もし閉鎖ループの膨張系に破綻が生じると、(内部バルーンが破綻して萎みつつあるかまたは萎んでしまった状態を反映して)外部バルーンが萎むことになる。このように、外部バルーン75は膨張系の破綻を肉眼によって確認することができる手段として機能する。従って、ユーザまたは医者は膨張系の機能不全を察知することができ、好ましくは、ステント20が患者の体内の好ましくない場所に移行する前に、バルーンを再膨張させるかまたはステント20の位置を検査することができる。なお、(ここでは、下側留置バルーン22の膨張状態を示すために用いているが)、完全な膨張状態を外部から肉眼によって観察するための目印となる手段は、ステントに設けられた膨張性バルーンの1つまたはすべてに対して用いることができる。また、完全な膨張状態を外部から肉眼によって観察するための目印となる手段は、上記以外の機構、例えば、バルブ30、導管25、および/またはステントの特定の膨張性部またはバルーと関連して作動するポップアップ(飛出し)式指示具、すなわち、滑り部材によって具体化されてもよい。滑り部材すなわち指示具は、(その指示機構、バルブ、導管、およびステントの膨張性部および/またはバルーンからなる)閉鎖ループの膨張経路内の圧力が圧力レベル閾値(図示せず)よりも低い値に降下すると、所定の方向に滑動して、外部から肉眼で観察可能な形態を呈することによって、膨張経路の破綻を示すものである。なお、確動圧力バルブはハルキー・ロバーツ社から市販されている。
【0041】
具体的には、ステント体20bは、中心内腔23の開口の大きさを十分に維持して回復期間中ステント体20bが配置された状態であっても尿の排出および/または尿道の洗浄または薬剤の送達を可能にするのに十分な剛性を有すると共に、尿道の外形に追従できる順応性を有するように構成されているとよい。さらに具体的には、ステント体20bは順応性を有すると共に、体内に挿入され、適切な位置に配置されたとき、(局部的治療領域内において圧縮性膨張圧を受けたときに)、中心内腔23の開口を実質的に十分に維持して、尿道に挿入される前のステントの中心内腔23の断面積の少なくとも約75%、好ましくは、約90%以上を維持するように構成されているとよい。なお、挿入される前の中心内腔23の断面に対する挿入後の中心内腔23の断面の収縮率は、当然、ステント体20bを接触状態で包囲する組織の圧力分布に依存して変化する。換言すれば、単一管状ステント体20bは、患者の体内に挿入されて前立腺内の適切な位置に配置されるときには患者の体内の輪郭に追従するのに十分な柔軟性を呈し、前立腺内において温熱融除治療が施された後圧迫作用を示す前立腺組織に晒されたときには内腔の開口を維持するのに十分な剛性を呈するように構成されているとよい。例えば、本実施例によるステント体20bは、約7〜21psiのレベルの圧縮圧が治療後の組織から付加された状態においても、十分に内腔の開口を維持することができるようになっている。
【0042】
図2、図4、図5Aおよび図5Bに示す実施例において、ステント体20bは、下側膨張性留置バルーン22から離間され、実質的に均一な変化しない形状部分(非膨張性部分)を有している。また、図2に示すように、ステント体20bの上端は開口され、好ましくは、ステント体20bの上部の周囲に一連の食違い(オフセット)開口24が形成されているとよい。ステント20のこの部分が膀胱内に配置されるが、この場合、上端の開口に加えて、(中心内腔23から離間された位置にも)開口24が設けられているので、膀胱に隣接した中心内腔23内への尿の流入、従って、ステント体20bを通過する尿の排出を促進させることが可能となる。
【0043】
ステントを形成する好適な材料例として、熱可塑性エラストマー、シリコーン、ゴム、可塑化PVC,または他の好適な生物医学的に許容されるエラストマー体を挙げることができる。ステント単一体20bは、例えば、約1.0mmの肉厚と約4.7〜7.0mmの中心内腔を有している。前立腺の長さは患者によって異なるので、好ましくは、約3〜12cmの範囲、さらに好ましくは、4〜10cmの範囲の複数の長さを有するステントを用意するとよい。
【0044】
前述したように、本発明によるステント20は、括約筋13の上方に位置するように構成されている。また、図2に示すように、ステント20は長手方向の移動を監視するための外部目印を備えているとよい。この目印によって、患者はステント20が所定の位置から移動したかどうかを察知することができる。例えば、一連の目盛線25gを外部導管に付し、ステント20を挿入したとき、適当な目印、すなわち、指示マーク25aをペニス側尿道口から外部に現れている目盛線の1つに記すとよい。この場合、尿道口側から目盛線に番号を付け、図2に示すように、所定番号の目盛線に指示マーク25aを記入するとよい。この構成によって、ステント20が膀胱12側に移動した場合、患者は導管25上の所定の目盛線に付された指示マーク25aがペニス側尿道口に近づくように移動するのを察知することができ、逆に、ステント体20bが括約筋13側に移動した場合、指示マーク25aがペニス側尿道口から外側に移動し、その指示マーク25aおよび尿道口間の目盛線の数が増えるのを察知することができる。
【0045】
目盛線が所定の数だけ、例えば、1番目の目盛線から10番目の目盛線まで移動するのを確認したとき、患者は医者にその事実を告げて、適当な処置を要請するように構成されるとよい。この場合、目盛線の間隔を所定値(mmまたはcmで表される距離)に設定することによって、1番目の目盛線から10番目の目盛線に移動した距離を確認することができる。このような目印によって導管25の移動、従って、ステント20の移動を確認することによって、ステントの移動がない状態が保たれ、ステントを除去するのに十分な回復がなされたか、または、不適当な患者の挙動によって不適当な力がステントに付加されたことによってステントが所定の位置から外れ、ステントの除去および/または再挿入が必要であるかを判断することができる。
【0046】
あるいは、特に導管25、従って、ステント20が患者の体内側に移動した場合、患者は導管25を指示マーク25aの付された目盛線がペニス側尿道口から所定の位置に来るまで単に引張るだけで、ステント体20bの位置を自己調整することができる。
【0047】
さらに、「ストッパ」を導管の患者の対外に位置する部分に取り付けてもよい。この「ストッパ」は、ペニス側尿道口内に進入できない寸法に構成されているとよい。この構成によって、ステント体20bの不適当な体内側への移動を阻止することができる。ストッパはどのように構成されてもよく、導管と一体的にまたは導管とは別に設けられていてもよい。ただし、ストッパ(図示せず)は、使用中、ユーザに対して極力非侵襲性であるように、すなわち、炎症を起こさないように構成される必要がある。
【0048】
また、ステント20には、その位置をX線観察によって確認するための放射線不透性標識が付けられているとよい。X線観察は、挿入/配置(初期の位置決め)時、およびステントの使用時に周期的になされるとよい。あるいは、ステントが所定の位置から移動した疑いのあるとき、または患者の体内におけるステントの位置決めを単にその場で確認したいときに、X線観察がなされるとよい。図5Aに示すように、放射線不透性標識77は、組織留置バルーン22の上方(77u)および下方(77l)のいずれかまたは両方の位置に、ステントの円周方向に延在するように設けられているとよい。このような標識の配置によって、括約筋の上方の膜状尿道内に位置する留置バルーン22をX線によって容易にその存在を誇張して確認することができる。あるいは(または付加的に)、図4に示すように、1つ以上の長手方向に延在する放射線不透性標識77aを径方向の種々の位置(好ましくは、撮像角度と無関係にX線観察を行えるように、ステントの周囲に沿った少なくとも4つの中心断面に関して対称的な位置、例えば、90°間隔の位置)において、実質的にステントの長さ方向に沿って配置するとよい。放射線不透性標識はX線の透過を遮って良好な撮像のコントラストを得るために設けられる。不透性、コントラストの程度、および撮像の鮮鋭度は標識の材料および標識を生成するプロセスの種類によって異なる。放射線不透性標識は、どのような生体親和性標識の形態、例えば、非毒性放射線不透性皮膜、薄膜、塗料、テープ、帯片、収縮フィルムなどであってもよい。例えば、リチャード・サハジアン:「緊急報告:放射線不透性皮膜を用いる標識生成装置」、メディカル・デバイス&ダイアゴノスチック・インダストリ社(1999年5月)を参照するとよい。この記事は、( HYPERLINK ”http://www.devicelink.com/mddi/archive/99/05/011.html” http://www.devicelink.com/mddi/archive/99/05/011.html) に記載されている。放射線不透性標識の他の例として、カラーコン社から市販されている「ノートックス(No−Tox)、登録商標」の付された「メディカルデバイス・ポリオレフィンインキ」、およびコネチカット州のノースへブン在のニューイングランド・ウレタン社から市販されている硫酸バリウムおよび/またはビスマスとの樹脂化合物などが挙げられる。なお、ダニリシェブら:「ワイヤ絶縁面の接着特性の改善」、ワイヤテクノロジー・インターナショナル社(1994年3月)を参照するとよい。この文献には、ステント20の製造に好適な、例えば、医薬品に対するガスプラズマ処理システムなど、種々の処理システムが述べられている。
【0049】
図5Bは、ステント20が2つの導管25a,25bを備えている状態を示している。これらの導管25a,25bのうち、1つの導管は下側膨張性留置バルーン22に流体的に連通し、他の導管は治療剤送達口90と流体的に連通している。治療剤、薬物、処置剤、リンスなどを外部の治療剤入口90iから患者に投与させるとよい。その流体状の治療剤(または混合物)などは、導管25bを通ってステント20の送達口90から患者の体内に放出される。一実施例として、治療剤口90は、ステント体20bの外面の周囲に延在する分配溝90cと関連して機能するように構成されているとよい。すなわち、治療剤口90から放出された流体は分配溝90c内を流れることによって、広い範囲にわたって拡散することができる。治療剤入口には、当業者にとってはよく知られているどのようなバルブ/ポート装置が設けられてもよい。(膨張システムと治療剤送達システムの両方に適した)適当なバルブ装置がアラリス・メディカル・システム社「スマートサイト(Smartsite、登録商標)を有するシステム」およびビー・ブラウン社のような医療装置製造業者から市販されている。治療剤は、浮腫の軽減、細菌性感染症の阻止、尿道感染症(UTI)の見込みの軽減、尿道感染症(UTI)の発症の治療、さらに回復および/または治療の促進のために用いられている。
【0050】
図5Bはまた、ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、導管25aおよび25bがステント体20bから(点線によって示す)括約筋の内側に移動している状態を示している。このように、導管25a,25bが括約筋の内側に移動して配置されることによって、ステント20が適切な位置に配置されたとき、括約筋は実質的に正常に機能することができる。
【0051】
図6Aは、組織留置部(組織留置バルーン)22の上方に膨張性組織造形部42が設置される以外、図4および図5に示されるのと同様のステント20を示している。膨張性組織造形部42は、ステント20が患者の体内の適切な位置に配置されたとき、治療領域10に近接して拡張するように構成されている。組織造形部42は略円筒状を拡張され、前立腺尿道の治療された領域の開口をその融除組織の回復に伴って拡げ、組織造形部42の円筒形状に対応する幅または外径に造形する。このような治療領域の開口寸法の増大によって、治療の有効期間を延ばすことができる。具体的に、膨張性組織造形部42の膨張時の寸法(外径または幅)は約15〜25mmであるとよい。膨張性組織造形部42は、組織留置バルーン22と共に、導管(またはチューブ)25と流体的に連通するように構成されているとよい。
【0052】
図6Aに示すように、流体通路44を前述したステント体20bの壁内の2つの膨張性部22,44の中間に設けるか、または、橋絡用導管(図示せず)を用いて2つの膨張性バルーン部22,42を橋絡して導管(チューブ)25に流体的に連通しているとよい。あるいは、膨張性組織部42を膨張/収縮させる別のチューブを設けて、(膨張性部の変更例を示す図9Aに示すように)、組織留置バルーン22が膨張性組織部42と流体的に連通しないように構成してもよい。
【0053】
図6Bは、例えば、図4に示すような開放端式ステント20が選択的に(または付加的に)上側留置バルーン52を備えている状態を示している。この上側留置バルーン52は、患者の体内において膨張したとき、膀胱頚部に隣接して配置されるように構成されている。図6Bに示すように、このステント20は、2つのバルーン22,52を独立して膨張/収縮させるように、2つの互いに離れて接続していない導管25a,25bを有している。
【0054】
図7Aおよび図7Bは本発明によるステント20の他の実施例を示している。本実施例のステント20は閉鎖端部20eを備えている。この閉鎖端部20eはその先端から離間された位置に少なくとも1つの開口27を有している。また、この閉鎖された端部20eは、(必要に応じて、薬物送達口を含む)少なくとも1つの開口27を介して流体による洗浄および/または尿の排出がなされるように、膀胱12内に配置されている。ステント20は前述したのと同様の単一体20bを備えている。単一体20bは、組織留置バルーン22が治療領域10の下方に位置し、非膨張性軸部20nが治療領域10に沿って延在するように、前立腺内に配置されている。図8は、上記のステント20が閉鎖端部20eと組織留置バルーン22との中間に配置された前述の膨張性組織部42を備えている状態を示している。
【0055】
図3、図9Aおよび図9Bは本発明のさらに他の実施例を示している。本実施例のステント20は、(下側)組織留置バルーン22と共に上側膀胱留置バルーン52を備えている。図3に示すように、膀胱留置バルーン52は患者の膀胱頚部に隣接して配置され、膀胱12に対して前立腺内のステント20を確実に位置決めするものである。膨張すなわち拡張されたバルーン52が膀胱頚部に隣接して配置されるので、ステント20の括約筋13側への移動を阻止することができる。同様に、ステントの他端部に設けられた組織留置バルーン22は、ステント20の膀胱側への移動を阻止することができる(すなわち、これらのバルーン22,52によって、ステント20の両側を前立腺内において留置することができる)。図示するように、ステント軸すなわちステント体20bの中間非膨張性部20nは、治療領域10に隣接して配置されている。本実施例のステント体20bは膀胱内に進入するので、開放端式ステント20のステント体20bよりも大きい長さを有しているとよい。例えば、上側バルーン52の下方に位置するステント体20bの部分の長さは約3〜12cm、好ましくは、約4〜10cmの範囲内のいくつかの値に設定されるとよい。図7A、図7Bおよび図8に示される実施例における閉鎖端式ステントの場合も同様である(すなわち、閉鎖端部および排出開口27よりも下方のステント20の部分の長さは上記の範囲内の値に設定されるとよい)。
【0056】
一具体例として、下側バルーン22を膨張させる前に上側バルーン52を膨張させるために、上側バルーン52を独立して膨張させることができるように構成されているとよい。この構成によって、上側バルーン52が所定の位置の下方で膨張することによって、膀胱頚部(すなわち、前立腺尿道の上部)を損傷する可能性を低減し、括約筋13の上方の前立腺内において、ステント20を膀胱に対して容易に適切な場所に位置決めすることができることになる。
【0057】
図3および図9Aに示すように、上側バルーン52および下側バルーン22のそれぞれに流体的に連通する2つの導管25a,25bがステント体20bから延在している。図9Bは、収縮した状態の上側留置バルーン52および下側留置バルーン22を有するステント20を示している。この実施例によるステント20は、上側バルーン52および下側バルーン22の両方を各々に対して1つ設けられた流体開口26を介して膨張させるのに用いられる単一チューブ25を有している。
【0058】
図9Aは本発明のさらに他の実施例を示している。本実施例において、導管225は、ステント体20bに離脱可能に取り付けられ、上側留置バルーン52に流体的に連通している。このステント20の作動は以下の通りである。まず、ステント20を前述したように患者の体内に挿入し、上側留置バルーン52を導管225を介して膨張させて、ステント20を膀胱頚部に対して所定の場所に位置決めする。次いで、下側バルーン22を膨張させて、ステントを括約筋13の上方の適切な位置に保持する。その後、矢印「F引ク」によって示される引張力を付加することによって、導管225を除去し、上側留置バルーン52を萎ませる。この構成によって、回復期間中患者の体外に延在する導管の数(および患者に対する侵襲性)を低減させることができる。好ましくは、導管225および/またはステント20に離脱可能に取り付けられて導管と関連して作動されるバルブ30は、識別マーク225iによって肉眼で識別できるように構成されているとよい。この構成によって、医者はどの導管に離脱力を付加すればよいのかを容易に識別することができる。例えば、離脱可能な導管225および/またはその関連バルブ部材30に縞模様、ラベル、塗料、着色などによって可視目印を設けているとよい。
【0059】
適切な取り付け手段、例えば、機械的または化学的な取り付け手段を用いて、導管225をステント体20bに離脱可能に固着させるとよい。このような機械的または化学的な取り付け手段として、単なる例示に過ぎないが、接着、加熱接合、化学接合、または紫外線(UV)硬化による接合などによって、導管225を離脱可能にステント体20bに固着させる手段が挙げられる。導管225は、ステント体20bに沿った適切な任意の位置または上側バルーン52への流体入口26に取り付けられているとよい。ただし、導管225を容易に挿入させることができ、その取扱い性の簡便さを維持でき、および/またはステントに対して応力が付加せずまたはステントを破損させないようにするには、導管225をステント体20bの内面に沿った位置に配置するとよい。好ましくは、導管225の離脱可能な取り付けは、挿入および取扱い時にわずかな張力または捻り力が付加されても取り付けられた状態が保持され、約2〜10Nよりも大きい張力が付加されたときに離脱するように構成されているとよい。このような導管225の取り付けシステムの例として、ニューヨーク州のネフェイン在のプラスチック・ウェルド・システムズ社から市販されている「プラスチックウェルドシステム(カテーテル製造機器)」、カナダのミシサーガ在のEFOS社から市販されている「ノバキュア(Novacure、登録商標)」(米国特許第5、521、392号を参照するとよい。なお、この特許の全文を引例として本明細書に組み込まれている)、「UV75」、および「ウルトラ100SSプラス」、カルフォルニア州トランス在のUVソース社から市販されている「グリーンスポットUVキュアシステム」、およびコネチカット州トリントン在のDYMAX社から市販されている「メディーキュア(Medi−Cure、登録商標)」の付された「MCキュアリングスポット」、「フルッドランプス」(および他の製品)が挙げられる。また、好適なUV(紫外線)硬化接着剤も業界において知られている。その例として、コネチカット州トリントン在のDYMAX社から市販されている型式201〜204CTHで知られているCTH接着剤およびニュージャージ州のエングルウッド在のパーマボンド・エンジニアリング・アドヒージブ社から市販されている医療装置用の「パーマボンドアドヒージブ」が挙げられる。
【0060】
図10は、図3、図9Aおよび図9Bに示されるステント20に、他の実施例において述べた中間膨張性組織造形部42を第3膨張部として設けた実施例を示している。前述したのと同様に、この実施例においても、1つ、2つ、または3つ以上の導管25を設けることができる。好ましくは、ステント20は2つの導管25a,25bを備え、上側バルーン52が他の中間バルーン42および下側バルーン22とは流体的に連通しないように構成されているとよい。前述したように、上側バルーン52用の導管25bは、ステント20が前立腺内の所定の位置に配置された後、ステント体20bから離脱可能であるように取り付けられているとよい。また、前述したように、導管25はステント体20bの断面幅よりも実質的に小さい断面幅を有しているとよい。
【0061】
図17に示すように、ステント体20bはこれまでの実施例において述べた組織留置部とは別の構成の組織留置手段を備えていてもよい。図示するように、ステント体20bの下部は、上部に対して横方向、すなわち、外側に向かって広がるテーパ22tを有している。このテーパによって、(外面から内壁20iに引かれた矢印によって示されるように)、外壁20oは約7°未満の角度で径方向外側に傾斜している。本実施例においてはさらに、ステント体20bの底が斜行形状を有している。すなわち、参照符号20傾斜で示されるように、ステント体20bの底はそのステント体20bの幅を横切って傾斜している。また、図示するように、ステント体20bは薬剤送達口90を備えていてもよい。
【0062】
一具体例として、薬剤送達口90は少なくとも1つの流体導管25と流体的に連通し、リンス、治療剤、または他の流体を導くことができるようになっている。また、他の具体例として、ステント体20bは、その外周に形成された少なくとも1つの液体溝90cを有していてもよい。好ましくは、液体溝90cは薬剤送達口90と流体的に連通しているとよい。ステント20の操作時において、生理的食塩水または他の生体親和性かつ非毒性のリンス、薬剤、処置剤、または治療剤などを導管から薬剤送達口90を経て液体溝90c内に導くことができる。液体溝90cは、導入された液体を治療領域の周囲に分布させることが可能となっている。もし、薬剤送達口90から単に放出するだけの構成であれば、液体は薬剤送達口90と対向する領域のみにしか行き渡らない。液体溝90cは、ステント体20bに切込みを入れるか、またはステント体20bの1つ以上の互いに隣接する上下部の境界の肉厚を薄くすることによって形成することができる。送達口90は、ステント体20bの周囲に沿って形成された周方向および/または軸方向に離間する複数の開口(図示せず)であってもよい。
【0063】
図18は他の組織留置手段である複数の膨張性部322を示している。複数の膨張性部322は、ステントが体内の適切な位置に配置されたとき、尿道と係合してステントの上方への移動を阻止する肋骨状または畝状の輪郭を有している。なお、図18は一直線上に並ぶ一連の円錐台形状を有する膨張性部322を例示しているが、肋骨状または畝状の輪郭を有している限り、膨張性部322の形状および構成は図示されるものと異なっていてもよい。また、図示するように、ステントの移動を阻止する膀胱留置バルーン52が設けられている。膀胱留置バルーン52は、ステントの下方への移動を阻止するような形状および向きに構成されている。図18に示す膨張性部322はステント体20bの全長にわたって延在しているが、ステント体20bの一部のみに延在するように構成されていてもよい。例えば、複数の膨張性部322をステント体の底部のみに配置してもよい(図示せず)。
【0064】
図19は本発明によるステント20のさらに他の実施例を示している。図示するように、本実施例のステント20は、下側留置バルーン(または下側留置手段)22の上方の位置において、ステント体20bの周囲に配置される高弾性部190を備えている。高弾性部190はステント体20b内の引張力(または収縮力)を吸収し、および/または、ステント20を所定の位置に位置決めするためのもので、種々の方法によって形成することができる。例えば、ステント体の隣接する上側区域191uと下側区域191lの境界部を他の部分の材料と異なる材料によって形成するか、その境界部に切り込みを形成するか、その境界部の肉厚を薄くするか、またはその境界部に周方向へ対称的に離間する窓部を形成することによって、高弾性部190を形成することができる。ステント20の操作時において、膀胱留置バルーン52を膨張させて、下側組織留置バルーン22を膜状尿道内に位置決めするとき、組織留置バルーン22は下方に引っ張られ、ステント体20bは上方に引っ張られることになる。このとき、2つのバルーン52,22間の弾性部190は十分に伸張し、患者の解剖学的な構造によって2つのバルーン52,22間のステント体20bに不適切な引張力が付加されるのを阻止し、ステント体20bを所定の場所に位置決めすることができる。また、弾性部190は周囲の組織に2つのバルーン52,22の不必要な互いに対向する力(すなわち、膀胱頚部に対する下向きの力と膜状尿道近傍または前立腺尿道に対する上向きの力)が付加されるのを阻止することができる。なお、弾性部190は、前述の治療剤/リンス溝90cとして機能すべく構成されていてもよい。
【0065】
一具体例として、ステントは2〜14日(またはそれ以上)体内に留置されるので、高潤滑性、(挿入を容易にするための)低摩擦係数、高組織親和性(例えば、耐微生物成長性)および/または尿道感染症(UTI)の軽減の1つ以上を満足するような表面あるいは他の箇所に対する処理剤をステント20に塗布するかまたは一体的に形成するとよい。例えば、ステント体20bの少なくとも露出している表面は、ステント20が体内において前記の回復期間中保持される間に好ましくない微生物の成長を阻止することができる材料によって形成されているとよい。好ましくは、ステント20は細菌、酵母菌、糸状菌、および真菌などの成長を阻止することができる生体親和性のある耐微生物溶液または皮膜によって被覆されているとよい。好ましい材料の一例として、マサチューセッツ州のウェイクフィールド在のヘルスシールド・テクノロジィズLLC社から市販されている耐微生物銀ゼオライト系製品が挙げられる。他の例として、ミネソタ州のエデンプライオリ在のサーモデックス社から市販されている「フォトリンク(Photolink、登録商標)」の付された「インフェクションレジスタンス」(耐微生物皮膜または血液親和性皮膜)が挙げられる。これらの皮膜(耐微生物皮膜または他の皮膜)は、さらに抗生物質のような他の生体活性成分を含んでいてもよい。一例として、マサチューセッツ州のビレリカ在のAST社から市販されている「ルブリラスト(LubriLAST、登録商標)」の付された潤滑性皮膜が挙げられる。
【0066】
さらに(または選択的に)、装置を体内に挿入する際に伴う不快さを軽減するための生体親和性潤滑剤または低摩擦剤がステントに施されていてもよい。好ましくは、そのような皮膜は潤滑性とともに濡れ性を備えているとよい。例えば、ステント20の外面の全体にわたり、紫外線によって化学的に結合する薄い層(約0.5〜50μm程度の厚み)として形成される親水性皮膜が挙げられる。具体例として、ミネソタ州のエデンプライオリ在のサーモデックス社から市販されている「ハイドロレーン(Hydrolene、登録商標)」の付された親水性ポリマーが挙げられる。類似の製品も同じサーモデックス社から市販されている。ステント20に施される皮膜は潤滑剤のみならず、抗生物質、耐微生物剤、および耐再狭窄剤などを継続的に放出する生体活性成分を含んでいるとよい。その一例として、上記のAST社から市販されている「ルブリラスト(LubriLAST、登録商標)」の付された生活活性成分が挙げられる。
【0067】
図11A〜図11Fは、ステント20を患者の体内に配置するための一連の操作図である。図11Aはステント20を示している。図11Bは、ステント20の中心内腔23に延在してステント20を患者の体内の適切な位置に挿入するプッシャーすなわち挿入ガイド120の一実施例を示している。挿入ガイドすなわちプッシャー120は、少なくとも1つの外側に拡張可能な固定バルーン136と遠位端部に配置された留置/位置決めバルーン152を備えている。固定バルーンは、ステント体20bの全長に沿って延在する単一バルーンか、または図示するように、ステント体20bの遠位端すなわち上部と係合するように配置される単一の局部的固定バルーンであるとよい。なお、複数の固定バルーンを用いてもよい(図示せず)。また、図示するように、ガイド120はステント体20bよりも実質的に長い細長の本体を備えている。
【0068】
図11Cは、挿入ガイド120の上部すなわち遠位端部がステント20の開いた遠位端を貫通して延在するように、挿入ガイド120をステント20に挿入した状態を示している。そして、固定バルーン136を膨張させ、挿入ガイド120に取り付けられたステント20を内部から保持している。細長の挿入ガイド120は、ステント20の底すなわち近位端から一定の距離だけ外部に延在するような長さを有している。ステント20の導管25は、挿入ガイド120の外面に沿って配置されるか、または挿入ガイド120の溝内に配置されて体内に挿入される間その溝内に保持されることになる。
【0069】
図11Dに示すように、ガイド120とステント20を患者の体内(例えば、前立腺内)の適当な位置に配置した後、ガイド120の膨張性(膀胱)留置バルーン152を膨張させる。次いで、図11Eに示すように、ステント20の局部的組織留置バルーン22を膨張させる。その後、図11Fに示すように、ガイド120の上部留置バルーン152と固定バルーン136を萎ませ、ガイド120をステント20から滑動可能に除去し、ステント20を(前立腺内)の適当な位置に留置する。他の適当なガイドすなわちプッシャーも当業者にはよく知られている。ステント20が所定の位置に配置されるまでステント20の内壁を(横方向に拡張して)案内する膨張性取付け手段または固定手段を備えるガイドの詳細を知るには、米国特許第5,916,195号および同時係属かつ共同譲渡された米国特許出願番号第09/239,312号を参照するとよい。なお、これらの内容はその全文を引例として組み込まれている。回復期間の後、下側バルーン22を萎ませ、次いで、導管25を引っ張ることによって、ステント20を除去することができる。
【0070】
図12は、図11A〜図11Fに示したのと同様の単一体ステント20および挿入ガイド120の他の実施例を示している。本実施例のステント20は、その操作中に組織に対して所定の適合性を発揮するための互いに離間された壁20w1,20w2を有している。すなわち、このステント20は、挿入時には尿道の外形に対する適合性を発揮し、かつ、前立腺内に配置されたときには、ステント20の中心内腔の寸法をステント20が患者の対外にある時の中心内腔の寸法と実質的に同一に保持するのに十分な剛性(すなわち、前立腺内において融除された組織の圧力によって通路すなわち中心内腔を閉鎖させるような変形を生じさせない剛性)を有するように構成されている。2つの離間された壁20w1,20w2によって形成される空間内には、特に治療領域(図示せず)に配置される部分において、その空間を仕切るような邪魔板または支持手段が設けられているとよい。この邪魔板または支持手段に関しては、同時係属および共同譲渡された米国仮特許出願番号第60/248,109号を参照するとよい。この文献の内容はその全文を引例として組み込まれている。また、壁間の間隙に膨張媒体、すなわち、膨張流体を導入する導管25は、ステント体20bに取り付けられているとよい。あるいは、外壁20w1から膨張媒体を導入して、下側バルーン22を膨張させるように、ステント体20bに取り付けられていてもよい。
【0071】
ガイド120は2つの個別に設けられた膨張性部を有するように構成されている。1つの膨張性部はステント20の内壁20w2の内面に固着するように拡張される細長部136であり、他の膨張性部は上側留置バルーン152である。また、図示するように、ガイド120は閉鎖端を有し、先端部分の留置バルーン152の上方の位置に排出および/または洗浄用オリフィス127を備えている。操作時に、ガイド120は、膨張源236からそこに接続されているバルブ230を介して固定バルーン部136と流体的に連通している入口/出口(すなわち、ポート)136i内に膨張流体を送給している。同様に、前立腺内のステントを膀胱頸部において留置するために、ガイドの上側留置バルーン152をポート126から進入する流体によって拡張している。(なお、バルーンを萎ませるときには、流体はポート126から放出される)。この場合、流体は膨張源252からそこに接続されているバルブ230’を介してポート126に導かれる。図示するように、ガイド120は、(ガイド120が操作中)、患者の膀胱と流体的に連通する中心排出内腔123を備え、それらの間で尿の排泄および/または洗浄が行えるように構成されている。
【0072】
図13Aは、図9Aおよび図9Bに示される実施例と同様の構成を有する実施例を示している。図示するように、ステント20は、上側留置バルーン52を備え、膨張性ガイド120’(図13B)は、開放端とそこからガイド120’を貫通するように延在する排出内腔123を有している。膨張性ガイド120’(図13B)は、図12に示される実施例において述べたのと同様の固定部、すなわち固定バルーン136を備えている。ただし、本実施例においては、ガイド120’が上側留置バルーンを有していないので、1つのバルブ230とそのバルブ230が接続している1つのガイド用膨張源のみしか必要としない。操作時において、ステントの上側留置バルーン52を適切な位置に配置し、膨張させてステント20を適切な位置に固定した後、ガイドの固定バルーン部136を萎ませ、ガイド120’を容易にステント20から滑動可能に除去し、前述したように、ステント20を膀胱を介して括約筋の上方の所定位置に留置している。
【0073】
上記以外の他のガイドすなわちプッシャーを用いても、ステントを前立腺内に挿入させて適切な場所に位置決めすることが可能であることは当業者にとっては明らかである。例えば、ガイドワイヤまたは注射針などに入れる細い針金などが知られている。ガイドワイヤは、典型的には図2に示すような開放端を有するステントに用いられ、針金は、(図3に示すような)閉鎖端部(または閉鎖先端)を有するステントに用いられる。閉鎖端部を有するステントの場合、針金が尿道に接触することはなく、針金による尿道の損傷を防ぐことができる。
【0074】
なお、実施例において、ステント20の閉鎖端は実質的に直立した状態で図示されているが、クーデまたはタイメン式カテーテルの先端部のような湾曲した形状であってもよい。
【0075】
図14は、温熱融除(または切除または他の処置)の後、前立腺尿道の閉塞を阻止する本発明による方法を示している。まず、前立腺組織を例えば温熱融除によって治療する(ブロック400)。この治療に続いて、第1断面積を有する単一体と第1断面積よりも実質的に小さい第2断面積を有して単一体に取付けられた導管を有するステントを、ステントの単一体が括約筋の上方の前立腺内の所定の場所に位置するまで、ペニス側尿道口からペニス側尿道に沿って上方に挿入する(ブロック410)。(下側)組織留置バルーンを膨張させてステントを所定の位置に固定する(ブロック420)。2〜14日の期間を経て、ステントの下側留置バルーンを萎ませ、導管の外部に露出している端部を引っ張ることによって、ステントを除去する(ブロック430)。
【0076】
図15は、ステント(またはカテーテル)を患者の体内の適切な位置に配置した後、ステントから導管を取り外す方法を示すブロック図である。まず、導管が離脱可能に取り付けられたステントを、導管の一部が患者の対外に残るように、患者の体内の内腔に挿入する(ブロック500)。次いで、(導管の露出した部分を引張ることによって)離脱可能に取り付けられた導管に引張力を加え、ステントを体内の適切な位置に留置したまま、導管をステントから取り外す(ブロック510)。
【0077】
一具体例として、離脱可能な導管(第1導管)は、膀胱留置バルーンに対して流体的に連通し、第1導管を取り外すことによって膀胱留置バルーンを萎ませるように構成されているとよい。ステントはさらに、取り外し可能な第1導管とは別に、ステントの下側膨張部内に膨張媒体(好ましくは、流体)を導くための第2導管を備えているとよい。操作時において、ステントの挿入の後、(膀胱留置バルーンが留置されている)膀胱頚部に対して患者の体内にあるステントを位置決めするために、膀胱頚部留置バルーンを膨張させている。
【0078】
位置決め段階は、好ましくは、ステント体を括約筋の上方に配置し、下側留置手段(例えば、下側バルーン)を精丘と(膜状尿道内の)括約筋との間に配置するように実施されるとよい。膀胱留置バルーンを適切な位置に配置して、(第2導管を介して)膨張させた後、ステントを留置するために、下側膨張部材を膨張させるとよい。離脱可能な導管の除去は、この第2の(下側バルーンの)膨張の後に行われる。
【0079】
図16は、本発明の実施例によるBPHを治療する方法のブロック図である。本方法は、患者の前立腺に加熱流体を循環させるように構成された治療用カテーテルを挿入する段階(ブロック600)と、45℃よりも高い温度に加熱された液体を循環する段階(ブロック610)を含んでいる。加熱液体はカテーテル内を循環し、ペニス側尿道口からペニス側尿道、球状尿道、および膜状尿道を経て、前立腺内の局部的治療領域と隣接する治療バルーンに向かう(ブロック620)。前立腺内の局部的治療領域内の組織は、加熱した循環液体に晒されて、約45℃よりも高い温度に所定の温熱融除治療期間だけ晒される(典型的には、約50〜62℃に約30分よりも長く晒される)(ブロック630)。前述したように、局部的治療領域は前立腺尿道の上部であり、膜状尿道の周囲の前立腺尿道の部分は非融除領域である。従って、遠隔的に加熱する循環システムであっても、治療用カテーテルの軸部が治療バルーンの上部を断熱することによって、対象外の組織が融除温度に晒されるのを阻止することができる。
【0080】
一具体例として、循環する流体は、45℃よりも低い温度(例えば、35〜44℃)に加熱されるとよい。あるいは、局部的組織を冷却によって治療する場合は、循環する流体を冷却してもよい。
【0081】
いずれにせよ、温熱療法がなされた後、循環する加熱水は、治療用カテーテルから部分的に(好ましくは、全体的に)除去されることになる。一具体例として、治療用カテーテルを回復期間の初期(約12〜72時間、好ましくは、24〜48時間)において、患者の体内に留置するとよい(なお、この段階は任意に選択可能な段階であり、その任意選択性を表すために、図では破線によって示されている)(ブロック640)。この治療用カテーテルの離脱を遅らせることによって、治療用カテーテルの即時離脱によって生じる出血およびそれに伴う血塊の可能性を低減させ、または生じたとしてもその量を低減させることができる。
【0082】
温熱融除の直後または一定期間だけ遅らせて、組織造形ステントを前立腺内に挿入する(ブロック650)。次いで、局部的バルーン部を膨張させ、括約筋の正常な運動を阻害しないように患者の組織に係合させることによって、このステントを前立腺内の適切な位置に留置させる(ブロック660)。挿入から典型的には約2〜14日を経た後、組織留置バルーン(膀胱留置バルーンが用いられている場合はその膀胱留置バルーンも含む)を萎ませ、治療後ステントを患者から除去する(ブロック670)。
【0083】
ブロック図の1つ以上のブロックおよびそれらのブロックの組合せをコンピュータプログラム指令によって実施可能であることは明らかである。これらのコンピュータプログラム指令をコンピュータまたは他のプラグラム可能データ処理装置に読み込ませ、そのコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置において実行される指令が1つまたは複数のフローチャートブロック内で規定された機能を実行する手段を生成するように、システムが構成されているとよい。これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその関連するハードウエア機器と直結するコンピュータ読み取りメモリ内に記憶され、具体的なブロック図内の機能を実行するように構成されていてもよい。
【0084】
本発明を前立腺ステントに好適な実施例に基づいて説明したが、本発明のステントの離脱可能な取り付け構成、弾性領域、および他の特徴は、他のカテーテルまたはステント構成およびそのようなカテーテルおよび/またはステントを配置するためのガイドすなわちプッシャーに対しても適用可能であることは当業者にとって明らかである。さらに、離脱可能な導管は図示したように管状であってもよいが、ステントまたはガイドが体内に配置されたときに外部から手が届く長さを有するライン状、紐状、リンク状、または他の小断面積部材として構成されてもよい。人体の内腔内の所定の位置に配置させる経尿道ステントに対して2つ以上のラインを繋いで用いることにより、ライン間の広がりを少なくし、使用中に患者の対外に延在するラインの数(またはスリーブの大きさ)を低減させることができる。さらに、離脱可能なラインまたは導管を、人体の管状器官の内腔または体内空洞、例えば、血管(例えば、動脈)、直腸、結腸、子宮頸管および/または子宮、膀胱、喉、耳、鼻、心臓の通路および/またはその関連する弁、呼吸システム、食道などに挿入されるカテーテル、ガイド、またはステントなどの他の用途にも用いることができる。
【0085】
上記の説明は本発明の単なる例示であり、本発明を制限すると解釈されるべきではない。本発明のいくつかの具体的な実施例について説明したが、本発明の新規の示唆および利点から実質的に逸脱することなく、それらの実施例に対して多くの変更例を行うことが可能であることは当業者にとっては容易に理解されることである。従って、そのような変更例は請求項に定義される本発明の範囲内に包含されるとみなされるべきである。すなわち、上記の説明は本発明の単なる例示であり、本発明は開示された具体的な実施例に制限されると解釈されるべきではなく、開示された実施例に対する変更例および他の実施例は請求項の範囲内に包含されるとみなされるべきである。本発明は請求項によって定義され、請求項の等価物もまた本発明に包含されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
前立腺内の温熱融除治療領域を示す男性尿道の解剖学的構造の概略図である。
【図2】
温熱融除治療後に患者の体内の適切な位置に配置される本発明の実施例によって構成されるステントを説明するための男性尿道の前立腺部分を示す概略図である。
【図2A】
図2に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図3】
患者の体内の適切な位置に配置される本発明によるステントの他の実施例を説明するための男性尿道の前立腺部分を示す概略図である。
【図3A】
図3に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図3B】
図3に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図4】
萎んだ状態の組織留置バルーンを説明するための図2に示されるのと同様のステントの一部切欠き正面図である。
【図5A】
本発明の実施例による所定の拡大形状に膨張させた状態の組織留置バルーンを説明するための図4に示されるステントの一部切欠き正面図である。
【図5B】
ステントが患者の体内の適切な位置に配置された状態において、留置バルーンを膨張させる導管と治療剤、薬剤、またはリンスを対象となるもの(融除された前立腺組織)に送給する導管を用いる本発明の実施例による構成を説明するための図5Aに示されるのと同様の構成を有するステントの実施例を示す正面図である。
【図6A】
膨張性組織造形中間部を備える以外は図2〜図5A、図5Bに示されたのと同様の構成を有するステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図6B】
膀胱留置バルーン(または遠位端留置バルーン)を備える以外は図2ないし図5A、図5Bに示されたのと同様の構成を有するステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図6C】
図6Bに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図7A】
本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図7B】
傾斜した形状に膨張する下側留置バルーンを説明するための図7Aに示されるステントの一部切欠き正面図である。
【図8】
中間組織造形膨張性部を備える以外は図7Aおよび図7Bに示されるのと同様の構成を有する本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9A】
膀胱頚部留置バルーンと組織留置バルーンが共に膨張している状態の単一体を説明するための本発明のステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9B】
単一の膨張導管のみを備えている以外は図9Aと同じ構成であり、かつ組織留置バルーンと膀胱頚部留置バルーンが萎んだ状態にある本発明によるステントの他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図9C】
図9Aに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図10】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す一部切欠き正面図である。
【図10A】
図10に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図11A】
図11B〜図11Fと共に、本発明の実施例による操作シーケンスを説明するための連続図の1つであり、図2〜図5に示されるのと同様のステントを示す側面図である。
【図11B】
患者の体内にステントを位置決めするのを補助するためにステントの内側に配置されるプッシャーを示す側面図である。
【図11C】
図11Aに示されるステントと図11Bに示されるプッシャーの一部切欠き側面図であり、本発明の実施例において組織留置バルーンが萎んだ状態のステントにプッシャー(挿入ガイド)を挿入し、プッシャーの一部を横方向に拡張してステントの中心内腔に取り付け、ステントをペニス側尿道口から前立腺の所定の位置(または他の所定の体内空洞または管状器官の内腔)に案内する準備が整った状態を示す図である。
【図11D】
図11Cに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、(プッシャー)の留置バルーンを膨張させた状態を示す図である。
【図11E】
図11Dに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、プッシャーのガイド位置決めバルーンを膨張させて所定の位置に配置した後、ステントの留置バルーンを膨張させた状態を示す図である。
【図11F】
図11Eに示されるステントとプッシャーの一部切欠き側面図であり、プッシヤー(挿入ガイド)の固定バルーンを萎ませて、プッシャーをステントから除去し、ステントを体内に留置する状態を示す図である。
【図12】
本発明によるプッシャー(挿入ガイド)およびステントの他の実施例を示す一部拡大側断面図である。
【図12A】
図12に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図13A】
図9Aおよび図9Bに示されるのと同様の構成を有するステントの拡大側断面図である。
【図13B】
プッシャー(挿入ガイド)のさらに他の実施例が備えられる以外は図13Aに示されるのと同様の構成を有するステントの拡大側断面図である。
【図13C】
図13Aに示されるステントの一領域の拡大図である。
【図14】
温熱融除の後に前立腺尿道の閉塞を阻止する本発明による方法を示すブロック図である。
【図15】
ステントが患者の体内の適切な位置に配置された後、カテーテルまたはステントから導管を取り外すための本発明の実施例による方法を示すブロック図である。
【図16】
本発明の実施例によるBPHを治療する方法を示すブロック図である。
【図17】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図18】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図18A】
図18に示されるステントの一領域の拡大図である。
【図19】
本発明によるステントのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図19A】
図19に示されるステントの一領域の拡大図である。
Claims (48)
- 男性患者の尿道内に挿入される前立腺ステントであって、前記尿道がその最外部から内部に向かってペニス側尿道口、ペニス側尿道、球状尿道、括約筋、膜状尿道、前立腺尿道、膀胱頚部、および膀胱をこの順に略備えているような前立腺ステントにおいて、
第1断面幅を有する単一管体が設けられ、前記単一管体はその内部に延在する中心内腔を有し、
組織係合膨張性バルーンが前記単一管体の下側周辺部に配置され、
流体内腔が内部に形成された少なくとも1つの導管が設けられ、前記導管は互いに対向する上下端部を有し、前記上端部の一部は前記単一管体に前記膨張性バルーンと流体的に連通するように取り付けられ、前記導管は前記第1断面幅よりも小さい第2断面幅を有し、
前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、前記単一管体は括約筋の上方に位置し、前記導管は括約筋内を通ってペニス側尿道口から外部に延在し、かつ前記導管は前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに括約筋の実質的に自然な閉鎖運動を妨げないような寸法を有している、
ことを特徴とする前立腺ステント。 - 前記単一管体はその長さ方向において一体的に延在する非膨
張性の主要部を備え、前記一体的に延在する主要部は前記膨張性組織係合留置バルーンの上方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。 - 前記単一管体の上部の周囲には、上側留置バルーンがさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記少なくとも1つの導管の選択された1つは、その導管の一端を引っ張ることによって、前記単一管体を患者の体内の所定の位置から取り外すことなく、前記ステントからその場において取り外すことが可能であるように、前記単一管体に離脱可能に取り付けられ、前記離脱可能に取り付けられる選択された導管は、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたとき、外部から肉眼によって容易に識別できるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体の周囲には、組織造形中間バルーンがさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体は、患者の体内に挿入されるときにその患者の体内の輪郭に追従するのに十分な順応性を有すると共に、前立腺組織に晒された状態で前立腺に配置されたときに、温熱融除治療後に前立腺組織が呈する圧迫作用によって前記内腔が収縮するのを防ぐのに十分な剛性を有していることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記少なくとも1つの導管の少なくとも1つには、前記ステントの移動を監視するための外部から肉眼で観察できる目印が付されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体は約4〜10cmの長さを有していることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体は1対の互いに離間された壁を有し、前記1対の壁間に少なくとも1つの流体流路が画成されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体は対向する上下端を有し、前記上端は膀胱内に一定距離だけ進入し、前記上端は開口していることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 一連の空間的に離間された開口が、前記単一管体に形成されていると共に、前記上端部分の周囲に配置され、前記開口は前記中心内腔と流体的に連通していることを特徴とする、請求項2に記載の前立腺ステント。
- 前記単一管体は対向する上下端を有し、前記上端は膀胱内に一定距離だけ進入し、前記上端は閉鎖され、前記ステント体はさらに前記中心内腔と流体的に連通する単一排出口を有し、前記単一排出口は長手方向において前記閉鎖された上端から前記単一体の前記下端に向って離間した位置に配置され、前記単一管体は前記組織係合バルーンと前記上側留置バルーンの中間に高弾性領域を有していることを特徴とする、請求項3に記載の前立腺ステント。
- 前記少なくとも1つの導管は2つの導管を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記2つの導管は互いに流体的に連通していることを特徴とする、請求項13に記載の前立腺ステント。
- 前記2つの導管は、流体的な連通に関して、互いに隔離されていることを特徴とする、請求項13に記載の前立腺ステント。
- 前記組織係合膨張性バルーンは、上側から下側に向かって幅が広がるようなテーパを有する輪郭に拡張されることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記組織係合膨張性バルーンの膨張状態を監視するための外部から肉眼で観察できる目印がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記ステントの管体には親水性潤滑剤が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 前記ステントの管体には抗微生物剤が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の前立腺ステント。
- 一組の前立腺ステントであって、各々が男性患者の尿道内に挿入され、前記尿道がその最外部から内部に向かってペニス側尿道口、ペニス側尿道、球状尿道、括約筋、膜状尿道、前立腺尿道、膀胱頚部、および膀胱をこの順に略備えているような一組の前立腺ステントにおいて、前記一組の前立腺ステントは第1前立腺ステントおよび第2前立腺ステントを備え、
(a)前記第1前立腺ステントにおいて、
第1長さとその長さに対応する断面幅を有する単一管体が設けられ、前記単一管体はその内部に延在する中心内腔を有し、
組織係合膨張性バルーンが前記単一管体の下側周辺部に配置され、
流体内腔が内部に形成された少なくとも1つの導管が設けられ、前記導管は互いに対向する上下端部を有し、前記上端部の一部は前記単一管体に前記膨張性バルーンと流体的に連通するように取り付けられ、前記導管は前記第1断面幅よりも実質的に小さい第2断面幅を有し、
(b)前記第2前立腺ステントにおいて、
第2長さとその長さに対応する断面幅を有する単一管体が設けられ、前記単一管体はその内部に延在する中心内腔を有し、
組織係合膨張性バルーンが前記単一管体の下側周辺部に配置され、
流体内腔が内部に形成された少なくとも1つの導管が設けられ、前記導管は互いに対向する上下端部を有し、前記上端部の一部は前記単一管体に前記膨張性バルーンと流体的に連通するように取り付けられ、前記導管は前記第1断面幅よりも実質的に小さい第2断面幅を有し、
前記ステントの各々が患者の体内の適切な位置に配置されたとき、前記単一管体は括約筋の上方に位置し、前記導管は括約筋内を通ってペニス側尿道口から外部に延在し、かつ前記導管は前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに括約筋の実質的に自然な閉鎖運動を妨げないような寸法を有し、さらに前記第1ステントの前記単一管体は前記第2ステントの前記単一管体の長さと異なる長さを有していることを特徴とする、一組の前立腺ステント。 - 前記第1および第2ステントの前記導管には、一連の外部から肉眼で観察できる目盛線マークが付されていることを特徴とする、請求項20に記載の一組の前立腺ステント。
- BPHを治療する方法において、
患者の前立腺尿道内の局部的治療領域を、前記前立腺尿道の下方の膜状尿道の部分について実質的に融除しない状態に維持しながら、温熱融除する段階と、
前記温熱融除段階の後、患者の前立腺にステントを挿入する段階であって、前記ステントは単一体と、前記単一体に形成された膨張性下部と、前記単一体から下方に延在する少なくとも1つの導管とを有しているような段階と、
前記単一体が括約筋の上方に位置し、前記導管が括約筋を通ってペニス側入道口から外部に延在するように、前記ステントを患者の体内に配置する段階であって、前記導管は前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置された状態で括約筋が実質的に正常に機能することができるような寸法に設定する段階と、
前記挿入段階の後、前記膨張性下部が治療領域の下方かつ括約筋の上方に位置する組織と係合し、前記ステントの一部が治療領域に近接して配置されるように、前記膨張性下部を膨張させる段階と、
前記ステントが挿入された初期時点から少なくとも約2〜14日の期間を経た後、前記膨張性下部を萎ませて前記ステントを取り外すことによって、前記温熱融除段階に続く回復期間中、前立腺尿道の障害すなわち閉塞を阻止する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記膨張性下部を萎ませる段階と、前記導管を引っ張って前記ステントを患者から取り外す段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記膨張段階は、前記膨張性下部に液体を導入させることによって実施され、前記ステントは、温熱融除治療された領域の組織を前記前立腺尿道内における所定の回復開口の寸法に造形することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記挿入段階は、温熱融除療法が終了した後、約12〜72時間の初期回復期間の後に実施されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記導管は、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の対外に位置する部分に目盛線マークを有し、前記ペニス側尿道口に接近または離隔する方向における前記目盛線マークの移動に対応して、体内における前記ステントの移動を監視する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの導管は、前記ステントの前記単一体に取り付けられた2つの導管を備え、前記導管の選択された1つを前記ステント体からその場で取り外す段階と、前記ステントを体内に保持した状態で前記導管を患者から除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記導管は、前記ステントの断面よりも実質的に小さい断面を有していることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 前記ステントは、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の体外に位置する膨張状態指示バルーンを備え、前記膨張状態指示バルーンは、前記膨張性下部と流体的に連通し、膨張性状態を肉眼によって監視することができるように前記膨張性下部の膨張状態に対応する外観を呈することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 患者への侵襲性を極力抑制して前立腺尿道の閉塞を阻止する方法において、
単一体とそこに取り付けられる少なくとも1つの一定長さを有する導管を備えたステントを患者のペニス側尿道口からペニス側尿道に沿って前立腺尿道内に挿入し、前記ステントを前記ステント単一体が括約筋の上方に位置し前記導管が括約筋を貫通してペニス側尿道口から外部に延在するような所定の場所に配置する段階を含み、前記導管は、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに括約筋が実質的に自然に尿道を閉鎖できるような寸法に設定されている、ことを特徴とする方法。 - 前記ステント単一体は前記導管と流体的に連通する膨張性下部を備え、前記膨張性下部を括約筋の上方の前立腺組織と係合するように膨張させる段階をさらに含んでいることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
- 前記ステント単一体はその上部に配置される膀胱留置バルーンを備え、前記挿入段階は前記ステントの上部を膀胱内まで挿入する段階を含み、前記留置バルーンが患者の膀胱頚部の上方に位置した後、前記留置バルーンを膨張させる段階をさらに含んでいることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの導管は、前記膀胱留置バルーンと流体的に連通する第1導管と、前記膨張性下部と流体的に連通する第2導管とを備えていることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
- 前記第1導管は前記ステントに離脱可能に取り付けられ、前記留置バルーンを膨張させた後、前記ステントが患者の体内に留置された状態で前記第1導管を前記ステントから取り外す段階をさらに含んでいることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
- 前記導管は、患者の対外に位置する部分に1つ以上の前記ステントの移動を示す外部目印と前記バルーンの膨張を示す外部目印、さらに前記ステント体に配置された放射線不透性標識を備え、前記外部目印の位置または患者の体内の前記放射線不透性標識の位置の変化に対応して前記ステントの移動を監視する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
- 前記ステント体は高弾性中間部を有していることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
- 前記ステント体はその外面に形成された流体通路を有していることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
- 前立腺疾患を治療する方法において、
加熱された流体を患者の前立腺に向けてペニス側尿道に沿って循環させるように構成された治療用カテーテルを挿入する段階と、
前記治療用カテーテル内で加熱された流体を循環させる段階と、
前記循環段階において前記治療用カテーテル内を循環する加熱流体を前立腺内の局部的治療領域に誘導する段階と、
局部的治療領域における治療対象とされる前立腺組織を前記循環および誘導段階によって供給される流体の温度に対応する所定の温度に所定の温熱治療期間だけ晒す段階と、
前記温熱治療期間の後、加熱流体の循環を終了させる段階と、
前記終了段階の後患者の体内に約12〜72時間の初期回復期間だけ前記治療用カテーテルを留置する段階と、
前記初期回復期間の後、前記治療用カテーテルを除去する段階と、
前記除去段階の後、単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを患者の体内に挿入する段階と、
前記単一体とそこから延在する少なくとも1つの導管を有する治療後用ステントを、前記単一体が括約筋の上方に位置し、前記導管が括約筋、ペニス側尿道、およびペニス側尿道口を通ってその下部が患者の対外に延在し、かつ前記ステントの一部が温熱融除後の回復期間中に治療組織を前記ステントに対応する形状に造形するように前立腺の局部的治療領域内に位置すべく、患者の体内に配置する段階と、
前記治療後ステントに設けられた膨張性下部を局部的治療領域の下方かつ括約筋の上方の組織と係合するように拡張する段階と、
前記膨張性下部と係合する組織を前記ステントの外周に沿って造形または変形させて前立腺尿道の所定の開口を容易に維持することによって、前立腺尿道の閉塞を阻止する段階と、
約2〜14日の回復期間の後、前記膨張性下部を萎ませ、次いで、患者の対外に位置する前記導管の部分を引っ張ることによって、前記ステントをペニス側尿道に沿って滑動させながら患者から除去する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記導管は、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の対外に位置する部分に目盛線マークを備え、前記ペニス側尿道口に接近または離隔する方向における目盛線マークの移動によって体内における前記ステントの移動を監視する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項38に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの導管は、前記ステントの前記単一体に取り付けられる2つの導管を備え、
前記導管の選択された1つを前記ステント体からその場で取り外す段階と、
前記ステントを体内に留置させた状態で前記選択された1つの導管を患者から除去する段階と
をさらに含むことを特徴とする、請求項38に記載の方法。 - 前記導管は、前記ステントの断面よりも実質的に小さい断面を有していることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
- 前記ステントは、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに体外に位置する膨張状態指示バルーンを備え、前記膨張状態指示バルーンは前記膨張性下部と流体的に連通し、前記膨張性下部の膨張状態を肉眼によって監視できるように前記膨張性下部の膨張状態に対応する外観を呈するように構成されていることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
- 男性のペニス側尿道の内腔入口側に挿入されるように構成された、前立腺尿道の治療に用いられるプッシャーとステントの組立体において、
前記ステントは、本体、内腔および本体から延在する少なくとも1つの細長の導管を備え、前記本体は患者の体内の適切な位置で、前記ステント体の全体が患者の括約筋の上方に配置されるような長さを有し、
前記プッシャーは、少なくとも1つの固定バルーンを有する細長の本体と、前記固定バルーンから外部膨張源に延在する膨張経路を有し、前記プッシャーの前記細長の本体は前記ステント体の内腔に進入する寸法を有し、前記固定バルーンは前記ステントを前記プッシャーに固定させて膨張するようになっている、
ことを特徴とするプッシャーとステントの組立体。 - 前記固定バルーンは、前記ステント体の上部すなわち遠位端に接触するように構成されていることを特徴とする、請求項43に記載のプッシャーとステントの組立体。
- 前記プッシャーは、前記固定バルーンの上方の遠位端部に内部排出内腔と膨張性膀胱留置バルーンを有し、前記膨張性膀胱留置バルーンは前記ステント体の上方に配置され、前記留置バルーンに対抗して保持される前記ステントによって拘束されることなく自在に拡張かつ収縮するようになっていることを特徴とする、請求項44に記載のプッシャーとステントの組立体。
- 前記ステントは、膀胱の下方で膜状尿道の周囲の括約筋の上方に位置する前立腺尿道内の組織と係合するように外側に拡張する局部組織留置バルーンを備えていることを特徴とする、請求項43に記載のプッシャーとステントの組立体。
- 前記導管は、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに患者の体外に位置する場所に目盛線マークを有し、前記ペニス側尿道口に対して接近または離隔する方向における前記目盛線マークの移動によって、前記ステントの体内における移動を肉眼で監視するようにしたことを特徴とする、請求項43に記載のプッシャーとステントの組立体。
- 前記ステントは、前記ステントが患者の体内の適切な位置に配置されたときに体外に配置される膨張状態指示バルーンを備え、前記膨張状態指示バルーンは前記局部的組織留置バルーンと流体的に連通し、膨張状態を肉眼によって監視できるように前記下側膨張性バルーンの膨張状態と対応する外観を呈するように構成されていることを特徴とする、請求項46に記載のプッシャーとステントの組立体。
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