JP2017143616A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流側に依存せず、直流電流制御、直流電圧制御を単純化することのできる電力変換器の制御装置を提供する。【解決手段】スイッチング素子C1a、C1b及びコンデンサC3を有するチョッパセルCが多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する変換器3A、3Bの制御装置4A、4Bであって、変換器3A、3Bを直流電流制御又は直流電圧制御する直流電圧・電流制御部43を有する。直流電圧・電流制御部43は、直流電流を直流電流指令値に追従させる追従部と、リミッタ値に基づく上限値及び下限値を有し、追従部からの入力を受けて上限値及び下限値に基づいて出力値を制限するリミッタ433と、リミッタ433の出力と直流電圧指令値とを加算する演算部434と、リミッタ値を0又は0でない所定値に設定するリミッタ値設定部433aと、を有する。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、直流と交流との間で相互に電力を変換する電力変換器の制御装置に関する。
直流送電は、迅速な潮流制御が可能な点や、長距離送電やケーブル送電に適している点などの利点があり、世界的に導入が進んでいる。従来、直流から交流に又は交流から直流に電力を変換する直流送電システム用の電力変換器には、半導体スイッチにサイリスタを適用した他励式変換器が用いられていたが、制御性に優れること、設備の小型化が可能なことから近年では自励式変換器の導入が進んでいる。
直流送電システム用の自励式変換器としては、例えば2レベル変換器が用いられる。この変換器は、直流コンデンサを有し、当該直流コンデンサが直流送電線と接続されている。そのため、コンデンサ電圧と直流電圧は等しい。そのため、2レベル変換器の直流側の制御には、交流側を制御、すなわち交流系統と変換器の電力授受の制御することによって、直流コンデンサのエネルギーを調整し、直流電圧を制御していた。
他の自励式変換器としては、モジュラー・マルチレベル変換器(以下、MMCともいう。)がある。MMCは、直流コンデンサとスイッチング素子を含んでなる単位変換器を多段に直列接続して構成されており、スイッチング素子のオンオフのタイミングをずらすことにより、出力電圧波形を多レベル化でき、正弦波に近づけることができる。
MMCの場合、2レベル変換器と異なり、スイッチング素子がオフであれば直流コンデンサが直流側と未接続状態となり、スイッチング素子がオンであれば直流コンデンサが直流側と接続状態となる。すなわち、常時直流コンデンサが直流側と接続されていた2レベル変換器とは変換器の動作原理が異なる。そのため、2レベル変換器の直流電圧・電流制御が適用できない。
すなわち、2レベル変換器では、直流送電システムの両端に設けられた2レベル変換器に直流電圧指令値に差分を設ける電圧マージン方式で直流電圧・電流制御していた。電圧マージンにより、送電端と受電端を切り替え、潮流反転させていた。一方、MMCでは、変換器の動作原理が異なるため、この制御方式は適用できない。そこで、電圧マージンと電流マージンを併用した制御方式が提案されている。
この電圧マージン及び電流マージンを併用する制御方式では、定常時は送電端で電圧マージンをVmagとし、電流マージンを0として定電流制御を行い、受電端で電圧マージンを0とし、電圧マージンをImagとして定電圧制御を行うことにより直流電圧、電流の制御を行う。
常盤幸生、他5名、「自励式変換器を適用したHVDCシステムにおける端子制御と協調制御」、電気学会論文誌B、112巻1号、pp.19−26 菊間俊明、他4名、「直流事故電流を抑制可能な自励式直流送電システムの制御保護方式」、電気学会論文誌B、Vol.133 No.5 pp.449−456
特開2013−179781号公報
電圧マージン及び電流マージンを併用する制御方式では、2つのマージンで制御するため、制御が複雑化するという問題があった。例えば、この制御方式には、交流電圧と直流電圧とが乗算される制御が含まれており、交流と直流が混在し、一層制御を複雑化させていた。
本発明の実施形態に係る電力変換器の制御装置は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、交流側に依存せず、直流電流制御、直流電圧制御を単純化することのできる電力変換器の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態の電力変換器の制御装置は、スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、を備え、前記直流電圧・電流制御部は、直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、リミッタ値に基づく上限値及び下限値を有し、前記追従部からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、前記リミッタの出力値と直流電圧指令値とを加算することで前記変換器出力電圧を算出する演算部と、前記リミッタ値を0又は0でない値に設定するリミッタ値設定部と、を有すること、を特徴とする。
また、本実施形態の電力変換器の制御装置は、スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、を備え、前記直流電圧・電流制御部は、直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、前記追従部の出力値と直流電圧指令値とを加算する演算器と、直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、前記演算器からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、前記リミッタ値を0又は0でない所定の値に設定するリミッタ値設定部と、を有し、前記リミッタの出力値を前記変換器出力電圧とすること、を特徴とする。
また、本実施形態の電力変換器の制御装置は、スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、を備え、前記直流電圧・電流制御部は、直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、前記追従部からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、前記リミッタ値を0又は0でない所定の値に設定するリミッタ値設定部と、を有し、前記リミッタの出力値を前記変換器出力電圧とすること、を特徴とする。
第1の実施形態に係る電力変換器の制御装置が適用される直流送電システムの全体構成を示す図である。 電力変換器の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 直流電圧・電流制御部の制御ブロック図である。 信号生成部の制御ブロックの一部を示す図である。 第2の実施形態に係る制御装置の直流電圧・電流制御部の制御ブロック図である。 (a)は通常時の制御特性図である。(b)は電流制御端の交流側での事故発生時の制御特性図である。(c)は電圧制御端の交流側での事故発生時の制御特性図である。 第3の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 循環電流演算部の制御ブロック図である。 αβ0変換部の制御ブロック図である。 第4の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 直流電力指令値生成部の制御ブロック図である。 送電線損失演算部の制御ブロック図である。 変換器損失演算部の制御ブロック図である。 直流電流指令値生成部の制御ブロック図である。 受電側の電流制御端の交流端子において電力取引する場合の直流送電システムを示す図である。 送電側の電圧制御端の交流端子において電力取引する場合の直流送電システムを示す図である。 他の実施形態に係る直流電圧・電流制御部の制御ブロック図である。 他の実施形態に係る直流電圧・電流制御部の制御ブロック図である。 他の実施形態に係る直流電力指令値生成部の制御ブロック図である。
[1.第1の実施形態]
[1−1.全体構成]
以下では、図1〜図5を参照しつつ、本実施形態の電力変換器の制御装置について説明する。図1は、本実施形態に係る制御装置が適用された直流送電システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、直流送電システム(HVDC)は、交流系統1A,1Bにそれぞれ接続され、交流から直流、直流から交流への電力変換を行う二つの電力変換器(以下、単に「変換器」ともいう。)3A,3Bを備える。
変換器3Aは交流系統1Aと、変換器3Bは交流系統1Bと、それぞれ不図示の変圧器を介して接続されている。また、変換器3A,3B同士は、直流送電線5で相互に接続されている。直流送電線5としては、直流架線及び直流ケーブルが含まれる。
電力変換器(変換器)3A、3Bは、交流から直流に又は直流から交流に変換して電力伝送を行う。ここでは、変換器3A、3Bは自励式変換器であり、モジュラー・マルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)である。図2に、変換器3Aの構成を示す。なお、変換器3A、3Bは、交流から直流に変換する順変換器(REC)としても、直流から交流に変換する逆変換器(INV)としても制御可能とするため、その構成は同じである。
変換器3A、3Bは、直流送電線5と接続される直流正側端子と直流負側端子とを備える。これらの端子は、直流端子であり、後述のレグ31の中性点を基準に電圧の高い方を正側、電圧の低い方を負側とする。なお、本明細書では、変換器3A、3Bの構成を説明するのに、直流正側端子側を「正側」と称し、直流負側端子側を「負側」と称する。
図2に示すように、変換器3A、3Bは、3相の各相に、直流正側端子と直流負側端子との間に複数個のチョッパセルCが接続されてなるレグ31を備え、チョッパセルCを単位電圧源として直流正側端子及び直流負側端子から電圧を出力する。
レグ31は、複数のチョッパセルCが直列接続された正側アーム31aと、複数のチョッパセルCが直列接続された負側アーム31bとが、正側及び負側の2つのリアクトルReを介して直列接続されてなる。正側アーム31aは上アーム、負側アーム31bは下アームとも称される。正側アーム31aと負側アーム31bとの間は、リアクトルReを介して交流端子と接続されており、当該端子を介して交流系統1A、1Bとの電力融通がなされる。
チョッパセルCは、単位変換器である。チョッパセルCは、2つのスイッチング素子C1a、C1b、ダイオードC2a、C2b、及びコンデンサC3を有し、コンデンサC3を電圧源とし、スイッチング素子C1a、C1bのオンオフ動作により所望の直流電圧を出力する。
具体的には、スイッチング素子C1a、C1bは、互いに直列接続されてスイッチング列を構成し、コンデンサC3はこのスイッチング列に並列に接続されている。スイッチング素子C1a、C1bとしては、GTO、IGBT、IEGTなどの自己消弧型素子を用いることができる。スイッチング素子C1a、C1bには、帰還ダイオードC2a、C2bが逆並列に接続されている。チョッパセルCは、スイッチング素子C1aがオン時にコンデンサC3の直流電圧Vcを出力し、スイッチング素子C1bがオン時にゼロ電圧となる。
各相のレグ31は、チョッパセルCを単位変換器として、階段状の交流電圧など任意の電圧を出力する。階段状の交流電圧の出力は、各チョッパセルCのスイッチング素子C1a、C1bのスイッチング動作のタイミングをずらすことにより行う。
変換器3A、3Bには、それぞれ制御装置4A、4Bが接続されている。制御装置4A、4Bは、変換器3A、3Bの動作を制御する。すなわち、制御装置4A、4Bは、変換器3A、3Bを直流電圧制御又は直流電流制御で動作させる。直流送電システムでは、一方の変換器3A、3Bを直流電圧制御で運転し、他方の変換器3A、3Bを直流電流制御で運転する。変換器3A、3Bを順変換器としても逆変換器としても機能させるようにするため、制御装置4A、4Bの構成も同じ構成である。
[1−2.詳細構成]
制御装置4A、4Bは、直流に関する物理量で変換器3A、3Bの動作を制御する。制御装置4A、4Bの機能ブロック図を図3に示す。図3に示すように、制御装置4A、4Bは、直流検出部41、記憶部42、直流電圧・電流制御部43、信号生成部44を備える。
直流検出部41は、変換器3A、3Bの直流端子における直流電流を検出する。具体的には、直流検出部41は、直流電流検出器である。なお、制御装置4A、4Bには、変換器3A、3Bが接続された箇所の近傍における直流電流が入力されれば良く、直流検出部41が制御装置4A、4Bの構成要件でなくても良い。すなわち、直流検出部41は、直流送電システムに設けられていれば良い。
記憶部42は、直流電圧・電流制御部43で実行される処理に必要な各種データが記憶されている。例えば、後述する直流電圧・電流制御部43のリミッタ433に設けられるリミッタ値が記憶されている。
直流電圧・電流制御部43は、直流電流及び直流電流指令値を入力として、変換器直流出力電圧を出力する。図4は、直流電圧・電流制御部の制御ブロック図である。図4に示すように、直流電圧・電流制御部43は、演算器431、ゲイン432、リミッタ433、リミッタ値設定部433a、演算器434を有する。
演算器431は、直流電流指令値Idc_refと、検出した直流電流Iとの差分を算出する。ゲイン432は、演算器431の算出した差分を入力として、当該差分が零となるように追従するフィードバック制御を行う。ゲイン432は、例えば、P制御(比例制御)、PI制御(比例積分制御)、PID制御とすることができる。
演算器431とゲイン432とで追従部を構成する。追従部は、直流電流を直流電流指令値に追従させるための演算を行い、その結果をリミッタ433に出力する。
リミッタ433は、追従部の出力値を制限する。すなわち、リミッタ433には、変換器3A、3Bを直流電圧制御又は直流電流制御の何れで動作させるかを決定するリミッタ値が設けられており、追従部の出力値は、上限及び下限のリミッタ値で制限される。リミッタ値は、0又は0でない所定値である。なお、上限のリミッタ値を単に「上限値」と称し、下限のリミッタ値を単に「下限値」と称する。
本実施形態では、リミッタ値をL(L≧0)とすると、下限値及び上限値はリミッタ値Lに基づき、下限値は−Lとし、上限値は+Lとする。リミッタ433は、追従部からの入力値が、下限値以上上限値以下の範囲内であれば、当該入力値をリミッタ433の出力値とする。また、追従部からの入力値が、上限値超であれば、リミッタ433の出力値を上限値とし、追従部からの入力値が、下限値未満であれば、リミッタ433の出力値を下限値とする。例えば、リミッタ値Lが0であれば、リミッタ433の出力値は追従部からの入力値に関わらず常に0である。L=0であれば上限値及び下限値も0になるからである。
リミッタ値設定部433aは、リミッタ値を0又は0でない所定値に設定する。リミッタ値設定部433aとしては、記憶部42に予め記憶されたリミッタ値で設定しても良いし、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力手段を介してユーザの入力を受け付けて設定しても良い。また、リミッタ値設定部433aは、このリミッタ値に基づいてリミッタ433の上限値及び下限値を設定する。ここでは、リミッタ値設定部433aは、下限値を−Lとし、上限値を+Lとする。
本実施形態でリミッタ433の上限値及び下限値の大きさを同じとしたが、上限値の大きさを下限値の大きさより大きくしても良いし、上限値の大きさを下限値の大きさより小さくしても良い。
演算器434は、リミッタ433の出力値及び直流電圧指令値を入力として、これらを加算する。この加算により得られた値が、変換器3A、3Bが出力すべき変換器直流出力電圧である。演算器434は、得られた変換器直流出力電圧を信号生成部44に出力する。
信号生成部44は、入力された変換器直流出力電圧及び変換器交流出力電圧に基づき、正側相アーム31a及び負側相アーム31bの各チョッパセルCが有するスイッチング素子C1a、C1bのオンオフ制御する信号を生成する。変換器交流出力電圧とは、変換器3A、3Bの出力する交流電圧である。
具体的には、信号生成部44は、まず、変換器直流出力電圧と変換器交流出力電圧とから、正側アーム出力電圧指令値、負側アーム出力電圧指令値を生成する。より詳細には、図5に示すように、変換器直流出力電圧の1/2から変換器交流出力電圧を減算して正側アーム出力電圧指令値を生成し、変換器直流出力電圧の1/2と変換器交流出力電圧とを加算して負側アーム出力電圧指令値を生成する。
次に、信号生成部44は、正側アーム出力電圧指令値および負側アーム出力電圧指令値の指令値に基づいて、各チョッパセルCが有するスイッチング素子C1a、C1bのオンオフ制御する信号を生成する。そして、信号生成部44は、各スイッチング素子C1a、C1bに生成した制御信号を出力し、直流電圧・電流制御部43で得られた変換器出力電圧が出力されるよう、変換器3A、3Bの動作を制御する。
[1−3.作用]
本実施形態の電力変換器の制御装置4A、4Bの作用について説明する。制御装置4A、4Bは、直流電圧・電流制御部43のリミッタ433に設けられるリミッタ値によって、変換器3A、3Bを直流電圧制御で動作させるか、直流電流制御で動作させるかが決定される。
(1)リミッタ値が0の場合
リミッタ433により、リミッタ433から出力される値は常に0であるから、直流電圧指令値がそのまま変換器直流出力電圧となる。すなわち、リミッタ値Lが0に設定された制御装置4A、4Bに制御される変換器3A、3Bは、直流送電システムにおいて、直流電圧を一定に制御する電圧制御端となる。例えば、変換器3Aを電圧制御端とする場合には、制御装置4Aにおけるリミッタ値Lを0とする。
(2)リミッタ値が所定の値(0でない値)の場合
リミッタ433から出力される値は、リミッタ値−Lからリミッタ値+Lの範囲を満たす値であり、直流電流を制御する追従部の制御が変換器直流出力電圧に反映される。すなわち、リミッタ値Lが所定の値(0でない値)に設定された制御装置4A、4Bに制御される変換器3A、3Bは、直流送電システムにおいて、直流電流を直流電流指令値に追従するように制御する電流制御端となる。例えば、変換器3Bを電流制御端とする場合には、制御装置4Bにおけるリミッタ値Lを0でない値とする。これにより、リミッタ433は、上限値及び下限値を有する。この下限値から上限値の幅は、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧変動幅である。電流制御端は、例えば、直流電流を引き込みたければ変換器出力電圧を下げる方向に制御し、直流電流を送り出したければ変換器出力電圧を上げる方向に制御する。
リミッタ値は、直流送電線5の長さや潮流反転させる速度を加味して決定することができる。例えば、変換器3Aを送電側で電圧制御端とし、変換器3Bを受電側で電流制御端として運転させる場合、電流制御端の直流端子間電圧は、直流送電線5の抵抗による電圧降下があるため、電圧制御端の直流端子間電圧、すなわち直流電圧指令値より小さくなる。そのため、この電圧降下があっても直流電流を調整できるように、リミッタ値は、直流送電線5の抵抗による電圧降下の倍以上を加味して設定することが挙げられる。
以上のように、リミッタ値によって変換器3A、3Bの動作を制御することができ、リミッタ値により直流送電システムの端部における各変換器3A、3Bの協調を図ることができる。すなわち、一方の変換器3A、3Bを直流電圧制御端として動作させ、他方の変換器3A、3Bを直流電流制御端として動作させ、これらの変換器3A、3Bの直流電圧指令値と直流電流指令値のかけ算として得られる電力を一定に保つ直流送電システムを得ることができる。
特に、直流電圧・電流制御部43は、直流側の物理量だけで変換器3A、3Bの動作を制御することができ、交流側の物理量に依存しないので、直流と交流が混じり合うこともなく、制御を単純化することができる。
[1−4.効果]
本実施形態の電力変換器3A、3Bの制御装置4A、4Bは、スイッチング素子C1a、C1b及びコンデンサC3を有するチョッパセルCが多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する変換器3A、3Bの制御装置4A、4Bであって、変換器3A、3Bを直流電流制御又は直流電圧制御する直流電圧・電流制御部43を有する。直流電圧・電流制御部43は、直流電流を直流電流指令値に追従させる追従部と、リミッタ値に基づく上限値及び下限値を有し、追従部からの入力を受けて上限値及び下限値に基づいて出力値を制限するリミッタ433と、リミッタ433の出力と直流電圧指令値とを加算する演算部434と、リミッタ値を0又は0でない所定値に設定するリミッタ値設定部433aと、を有するようにした。
これにより、交流側の情報に依存せず、直流側の情報だけで直流電流制御又は直流電圧制御を行うことができ、変換器3A、3Bの制御を単純化することができる。すなわち、リミッタ値の設定で直流電流制御か、直流電圧制御かを決定することができ、制御構成を単純化することができる。
[2.第2の実施形態]
[2−1.構成]
第2の実施形態について、図6および図7を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、第2の実施形態に係る直流電圧・電流制御部43の制御ブロック図である。第2の実施形態に係る直流電圧・電流制御部43は、第1の実施形態の構成に加えて、交流事故検出部45、リミッタ値変更部46をさらに有している。
交流事故検出部45は、変換器3A、3Bの交流側の事故を検出する。交流側の事故とは、例えば、交流系統1A、1Bでの短絡、地絡事故や、交流系統1A、1Bと変換器3A、3Bの交流端子との間における短絡、地絡事故が挙げられる。
交流事故検出部45は、例えば、変換器3A、3Bの交流側に設けられた交流電圧検出器と、当該検出器が検出した交流電圧に基づいて、交流電圧の低下を検出する検出部とで構成する。変換器3A、3Bは、一方が直流電流制御で他方が直流電圧制御であれば良い。なお、交流電圧検出器は、直流送電システムに設けられていれば良く、必ずしも制御装置4A、4Bの構成要素としなくても良い。
交流事故検出部45は、交流側の事故を検出した場合、リミッタ値変更部46に交流事故発生を通知する。この通知としては、例えば、所定の信号をリミッタ値変更部46に出力する。
リミッタ値変更部46は、リミッタ433のリミッタ値を変更する。ここでは、リミッタ値の変更は、交流事故検出部45からの交流事故発生の通知を契機とする。換言すれば、制御対象となる変換器の交流側で事故が発生した場合に、当該変換器側のリミッタ値を変更する。リミッタ値の変更は、交流事故前の値より大きな値とする。なお、交流事故前の値より大きな値とは、絶対値である。換言すれば、リミッタ433に設けられた上限と下限の成す幅を交流事故前から拡げることをいう。
具体的には、直流送電システムの受電端側の変換器3A、3Bを直流電流制御する場合、受電端の交流側での事故検出により、リミッタ値変更部46は、受電端側のリミッタ値を交流事故前のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。ここで、Vfaultは正数である。つまり、この変更によりリミッタ433の上限と下限の成す幅が2Vfault分拡がる。なお、変更するリミッタ値Vlimit+Vfaultは、予め記憶部42に記憶されている。同様に、直流送電システムの送電端側の変換器3A、3Bを直流電流制御する場合、送電端の交流側での事故検出により、リミッタ値変更部46は、送電端側のリミッタ値を交流事故前のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。
一方、直流送電システムの送電端側の変換器3A、3Bを直流電圧制御する場合、送電端の交流側での事故検出により、リミッタ値変更部46は、送電側のリミッタ値を0から相手端である直流電流制御で動作している受電端のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。ここで、Vfaultは正数である。なお、変更するリミッタ値Vlimit+Vfaultは、予め記憶部42に記憶されている。また、同様に、直流送電システムの受電端側の変換器3A、3Bを直流電圧制御する場合、受電端の交流側での事故検出により、リミッタ値変更部46は、リミッタ値を0から相手端である直流電流制御で動作している送電端のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。
[2−2.作用]
本実施形態に係る制御装置4A、4Bの作用を、図7を用いて説明する。図7(a)は通常時の制御特性図である。図7(b)は、電流制御端の交流側での事故発生時の制御特性図である。図7(c)は電圧制御端の交流側での事故発生時の制御特性図である。
通常時では、電圧制御端である変換器3Aを制御する制御装置4Aにおいて、リミッタ値はL=0で設定されているので、変換器3Aの直流出力電圧は直流電圧指令値Vdc_refの電圧となる。図7(a)に示すように、所定範囲のどの電流を流しても電圧が一定である。一方、電流制御端である変換器3Bを制御する制御装置4Bにおいて、リミッタ値はL=Vlimitで設定されており、変換器3Bは、直流電流指令値Idc_refとなるように、追従部及びリミッタ433によりVdc_refを基準として±Vlimitの幅で電圧を変動可能である。図7(a)に示すように、電圧制御端の特性線と電流制御端の特性線との交差点が、変換器3A、3Bの動作点となる。
以下、電流制御端の交流側で交流事故が発生した場合、電圧制御端の交流側で交流事故が発生した場合、それぞれ場合分けして各ケースにおける作用を説明する。
(1)電流制御端が受電端であり、その交流側で交流事故が発生した場合、受電端側の交流電圧が低下する。例えば、変換器3Aを送電端として電圧制御端として動作させ、変換器3Bを受電端として電流制御端として動作させるとすると、この交流電圧の低下に伴い受電端となる変換器3Bが出力する交流電力も低下する。ここで、直流電圧は一定のままであるので、受電端となる変換器3Bに流入する直流電力も一定のままとなり、受電端の入出力する電力のバランスが崩れ、流入超過となる。従って、受電端となる変換器3Bのコンデンサ電圧が上昇し過電圧となり、変換器3Bが故障する虞がある。
そこで、交流事故検出部45が受電端の交流側における交流事故を検出すると、この検出によりリミッタ値変更部46は、受電端側のリミッタ値を、交流事故前のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。これにより、制御特性図は図7(b)に示すようになる。すなわち、受電端の電圧を送電端より相対的に高くすることができるので、受電端となる変換器3Bの直流側から流入する直流電流を0にすることができ、直流側からの電力供給を抑制することができる。従って、コンデンサ電圧が過電圧となるのを防止し、変換器3Bの故障を防止することができる。
なお、リミッタ値の変更は、上限値の変更幅を下限値の変更幅より大きくすることで、より送電端の電圧を高くすることができるので、直流電力の流入をより効果的に阻止することができる。
(2)電流制御端が送電端であり、その交流側で交流事故が発生した場合、送電端側の交流電圧が低下する。例えば、変換器3Aを送電端として電流制御端として動作させ、変換器3Bを受電端として電圧制御端として動作させるとすると、この交流電圧の低下に伴い送電端となる変換器3Aのコンデンサ電圧が低下する。これにより、直流電流に歪みが生じる等、変換器3Aの運転に悪影響が及ぶ虞がある。
そこで、交流事故検出部45が送電端の交流側における交流事故を検出すると、この検出によりリミッタ値変更部46は、送電端側のリミッタ値を、交流事故前のリミッタ値Vlimitより大きい値Vlimit+Vfaultに変更する。これにより、制御特性図は図7(b)に示すようになる。すなわち、送電端の電圧を受電端より相対的に低くすることができるので、直流電流を0にすることができ、変換器3Aの運転に悪影響が及ぶのを防止することができる。
なお、リミッタ値の変更は、下限値の変更幅を上限値の変更幅より大きくすることで、より送電端の電圧を低くすることができるので、早期に交流系統への影響を防止できる。
(3)電圧制御端が送電端であり、その交流側で交流事故が発生した場合、送電端側の交流電圧が低下する。この交流電圧の低下に伴い送電端におけるコンデンサ電圧が低下し、当該送電端の運転に悪影響が及ぶ虞がある。例えば、変換器3Aが電圧制御端かつ送電端であり、変換器3Bが電流制御端かつ受電端である場合、変換器3Aに悪影響が及ぶ虞がある。
この点、制御装置4A、4B間を接続する有線又は無線の通信手段を介して、相手端である電流制御端(受電端)の制御装置4Bに対し、交流事故検出部45が事故検出を通知し、当該通知を受けて、変換器3Bを、当該変換器3Bに入力される直流電流を下げるよう制御することで、変換器3Aへの悪影響を防止することも可能である。すなわち、制御装置4Aから送電端の交流側で発生した交流事故を、通信手段を介して制御装置4Bのリミッタ値変更部46が受け、リミッタ値を交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更する。通信手段としては、イーサネット(登録商標)、無線LANなど公知の手段を用いることができる。
但し、直流送電システムにおいて、変換器3A、3Bは遠く離れており、通信の遅れが無視できない場合もありうる。そこで、交流事故検出部45が送電端の交流側における交流事故を検出すると、相手端の直流電流制御に依らず、自端で直流電流制御を行う。
すなわち、まず、交流事故検出部45が送電端の交流側で事故検出すると、この検出によりリミッタ値変更部46は、自端においてリミッタ値を0から、相手端となる電流制御端のリミッタ値より大きくなるように変更する。つまり、リミッタ値L=0をL=Vlimit+Vfaultに変更する。これにより、図7(c)に示す制御特性図になる。
図7(c)に示すように、受電端における出力電圧は、リミッタ433の上限値又は下限値で止まる。一方、送電端では、送電端のリミッタ値を受電端のリミッタ値より大きくなるように変更したことにより、Vdc_refを基準として±(Vlimit+Vfault)の幅で電圧を変動させることができる。
つまり、電圧制御端のリミッタ値を変更することで電流制御に切り替えるとともに、当該リミッタ値が相手端のリミッタ値より大きい分、相手端の電流制御が制約される。従って、電流制御端で制御したい直流電流指令値ではなく、電圧制御端で制御したい直流電流指令値に変更することができる。言い換えると、送電側である電圧制御端が、直流電流を制御する制限権を握り、電流制御端で制御したい直流電流指令値より小さい値、例えば0に変更することができる。
これにより、通信のやりとりなく送電端において、自端だけで早期に事故対処できるので、送電端となる変換器への影響を防止することができる。
(4)電圧制御端が受電端であり、その交流側で交流事故が発生した場合、受電端側の交流電圧が低下する。この交流電圧の低下に伴い受電端が出力する交流電力も低下する。ここで、直流電圧は一定のままであるので、受電端に流入する直流電力も一定のままとなり、受電端の入出力する電力のバランスが崩れ、流入超過となる。従って、受電端のコンデンサ電圧が上昇し過電圧となり、受電端が故障する虞がある。
上記のように通信手段を介して、電流制御端(送電端)で直流電流制御して過電圧を防止することも可能であるが、通信の遅れが無視できない場合もある。
そこで、交流事故検出部45が受電端の交流側における交流事故を検出すると、この検出によりリミッタ値変更部46は、自端においてリミッタ値を0から、相手端となる電流制御端のリミッタ値より大きくなるように変更する。これにより、制御特性図は図7(c)に示すようになる。すなわち、受電端の電圧を送電端より相対的に高くすることができるので、受電端の直流側から流入する直流電流を0にすることができ、直流側からの電力供給を抑制することができる。従って、コンデンサ電圧が過電圧となるのを防止し、受電端の故障を防止することができる。
[2−3.効果]
(1)本実施形態の制御装置4A、4Bは、直流送電システムにおける受電端側の変換器3A、3Bを直流電流制御する制御装置4A、4Bであって、リミッタ値を変更するリミッタ値変更部46を備え、リミッタ値変更部46は、受電端側の変換器3A、3Bの交流側での交流事故の検出により、受電端側のリミッタ値を交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更するようにした。
これにより、受電端となる変換器3A、3Bの電圧を送電端より高くすることができるので、受電端の直流側からの電力供給を抑制することができる。従って、当該受電端のコンデンサ電圧の上昇を抑制でき、当該受電端の破壊を防止することができる。
(2)直流送電システムにおける送電端側の変換器3A、3Bを直流電流制御する制御装置4A、4Bであって、リミッタ値を変更するリミッタ値変更部46を備え、リミッタ値変更部46は、送電端側の変換器3A、3Bの交流側での交流事故の検出により、リミッタ値を交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更するようにした。
これにより、送電端となる変換器3A、3Bの電圧を、受電端で直流電圧制御する変換器3A、3Bでの電圧より低くすることができるので、直流電流を0に近づけることができ、送電端となる変換器3A、3Bへの影響を防止することができる。
(3)直流送電システムにおける送電端側の変換器3A、3Bを制御する制御装置4A、4Bであって、直流送電システムの送電端側の変換器3A、3Bが直流電圧制御され、受電端側の変換器3A、3Bが直流電流制御されており、リミッタ値を変更するリミッタ値変更部46を備え、リミッタ値変更部46は、送電端側の変換器3A、3Bの交流側での交流事故の検出により、送電端側のリミッタ値を受電端側のリミッタ値より大きい値に変更するようにした。
これにより、送電端の変換器3A、3Bが直流電流制御する制御権を握ることができる。すなわち、相手端の電流制御に依存することなく、自端で電流制御ができるので、いち早く交流事故に対応することができ、送電端の変換器3A、3Bへの影響を防止することができる。
(4)直流送電システムにおける受電端側の変換器3A、3Bを制御する制御装置4A、4Bであって、直流送電システムの受電端側の変換器3A、3Bが直流電圧制御され、送電端側の変換器3A、3Bが直流電流制御されており、リミッタ値を変更するリミッタ値変更部46を備え、リミッタ値変更部46は、受電端側の変換器3A、3Bの交流側での交流事故の検出により、受電端側のリミッタ値を送電端側のリミッタ値より大きい値に変更するようにした。
これにより、受電端の変換器3A、3Bが直流電流制御する制御権を握ることができる。すなわち、相手端の電流制御に依存することなく、自端で電流制御ができるので、いち早く交流事故に対応することができる。例えば、受電端となる変換器3Bの電圧を送電端より高くすることができるので、受電端となる変換器3Bの直流側からの電力供給を抑制することができる。従って、当該変換器3Bのコンデンサ電圧の上昇を抑制でき、当該変換器3Bの破壊を防止することができる。
[3.第3の実施形態]
第3の実施形態について、図8を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図8は、第3の実施形態に係る電力変換器の制御装置の構成を示す図である。第3の実施形態は、第1の実施形態の実施例である。すなわち、第3の実施形態に係る制御装置4A、4Bには、零相電流制御部50が設けられており、当該電流制御部50に直流電圧・電流制御部43が含まれる。第3の実施形態では、変換器3A、3Bの各相の正側アーム31a、負側アーム31bに電流検出器(不図示)がそれぞれ設けられており、検出した電流値は零相電流制御部50に出力される。
零相電流制御部50は、検出した各相の電流に基づいて、所定の零相電流指令値に追従するよう変換器3A、3Bの動作を制御する。具体的には、零相電流制御部50は、循環電流演算部51、αβ0変換部52、直流電圧・電流制御部43を有する。
循環電流演算部51は、図9に示すように、各相において検出された正側アーム31aの電流と負側アーム31bの電流を演算器51aで加算して、演算器51bでこの加算値に1/2を乗算してR,S,T相の3相の循環電流を算出する。
αβ0変換部52は、図10に示すように、循環電流演算部51で算出されたR相、S相、T相の循環電流を入力として、これらの循環電流をαβ0変換し、α相、β相、零相の循環電流を算出する。この零相の循環電流は各3相に同相で流れる直流電流であり、各レグ31のコンデンサ電圧の均一化を図る。零相の循環電流は直流電圧・電流制御部43に入力される直流電流である。
直流電圧・電流制御部43は、第1の実施形態と同じである。但し、演算器431に入力される直流電流指令値は、零相電流指令値とし、演算器434に入力される直流電圧指令値は、零相電圧指令値とする。
なお、αβ0変換部52に代えて、dq0変換部としても良い。何れの変換部であっても、零相電流を制御することに変わりないからである。
以上のように、零相電流制御部50に直流電圧・電流制御部43を設けたことより、次の作用効果を奏する。すなわち、各相の正側相アーム31a、負側相アーム31bに設けられた電流検出器は、モジュラー・マルチレベル変換器において通常設けられているものであり、既存の設備だけで直流電流を得ることができ、直流電流を検出するためだけに電流検出器を別途設ける必要がなくなる。従って、既存の設備変更を要せず、制御を簡素化できる利点を享受できる。
[4.第4の実施形態]
[4−1.構成]
第4の実施形態について、図11〜図14を用いて説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第4の実施形態は、直流送電システムにおける電力融通の補正に関する。電力規定点において要求する電力と、直流電力を制御する電力制御点における電力とは必ずしも一致しない。すなわち、電力規定点と電力制御点が異なることから、両点間で電力融通の際に直流送電線5や変換器3A、3Bにより電力損失が発生する。
ここで、電力規定点とは、取引する電力を決める点であり、変換器3Aの交流側の点(例えば、変換器3Aの交流端子)や変換器3Bの交流側の点(例えば、変換器3Bの交流端子)である。電力制御点とは、直流電力を直流電力指令値に制御する点である。
本実施形態は、上記のような不一致の場合であっても、電力規定点と電力制御点との電力の差分を電力単価にて金銭的に精算していた不都合を是正するものである。なお、本実施形態は、送電端となる変換器3A、3Bを電圧制御端とし、受電端となる変換器3A、3Bを電流制御端とする。すなわち、制御装置4Aのリミッタ値をリミッタ値設定部433aによりL=0と設定して送電端となる変換器3Aを直流電圧制御し、制御装置4Bのリミッタ値をリミッタ値設定部433aによりL≠0と設定して受電端となる変換器3Bを直流電流制御する。また、電力制御点は、電圧制御端の直流端子であるとする。
図11は、第4の実施形態に係る電力変換器の制御装置4A、4Bの構成を示す図である。第4の実施形態に係る制御装置4A、4Bは、第1の実施形態の構成に加えて、電力規定点設定部61、直流電力指令値生成部62、直流電流指令値生成部63、スイッチ64を有している。
電力規定点設定部61は、電力の取引に用いられる点を設定する。電力規定点設定部61としては、電力規定点として予め記憶部42に記憶された点で設定しても良いし、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力手段を介してユーザの入力を受け付けて設定しても良い。
直流電力指令値生成部62は、融通電力指令値を入力として、直流電力指令値を生成し、出力する。融通電力指令値は、電力規定点で要求される電力値であり、例えば直流送電システムを制御する上位の制御装置から入力される。
具体的には、図12に示すように、直流電力指令値生成部62は、演算器621、622、送電線損失演算部623、変換器損失演算部624を有する。演算器621は、融通電力指令値と送電線損失演算部623の出力値を入力してこれらを加算し、演算器622に出力する。演算器622は、演算器621の出力値と変換器損失演算部624の出力値を入力としてこれらを加算し、得られた加算値を直流電流指令値生成部62に出力する。この得られた加算値は電力制御点における直流電力指令値である。つまり、直流電力指令値生成部62は、融通電力指令値を、送電線損失や変換器損失などの電力損失分を補正して直流電力指令値を生成する補正部とも言える。
送電線損失演算部623は、融通電力指令値と直流端子電圧指令値を入力として、直流送電線5での電力損失を算出する。直流端子電圧指令値とは、電圧制御端となる変換器3A、3Bの直流端子における電圧の目標値である。換言すれば、電力制御点における直流電圧指令値である。直流端子電圧指令値は、例えば直流送電システムを制御する上位の制御装置から入力される。
図13に示すように、送電線損失演算部623は、除算器623a、送電線抵抗部623b、演算器623c、除算器623d、自乗器623e、送電線抵抗部623f、演算器623gを有する。
除算器623aは、融通電力指令値を直流端子電圧指令値で除算する。送電線抵抗部623bは、直流送電線5の温度Tに基づいて直流送電線5の抵抗Rを求め、当該抵抗と除算器623aから入力された値とを乗算し、演算器623cに出力する。抵抗Rの求め方としては、直流送電線5の温度Tに依存する関数R=R(T)を予め設定しておき、不図示の温度検出部で直流送電線5の温度Tを検出し、当該関数に代入して求める。或いは、温度Tと抵抗Rのテーブルを予め記憶部42に記憶させておき、検出した温度Tと当該テーブルに基づいて求めても良い。
除算器623a及び送電線抵抗部623bにより、直流送電線5による電圧降下が算出される。
演算器623cは、送電線抵抗部623bの出力値と直流端子電圧指令値を入力として、これらを加算する。換言すれば、演算器623cは、直流端子電圧指令値に対し、直流送電線5による電圧降下分を補正する。演算器623cは、得られた加算値を除算器623dcに出力する。
除算器623dは、融通電力指令値を演算器623cの出力値で除算し、自乗器623eに出力する。除算器623dにより得られる値は、直流送電線5による電圧降下分を加味して電力融通する場合の直流送電線5を流れる電流値である。
自乗器623eは、除算器623dから入力された値を自乗し、送電線抵抗部623fに出力する。送電線抵抗部623fは、送電線抵抗部623bの構成と同じであり、自乗器623eから入力された値(電流の2乗)と直流送電線5の抵抗値とを乗算する。
演算器623gは、送電線抵抗部623fからの入力値と送電線無負荷損失とを加算する。送電線無負荷損失は、直流送電線5に電流が流れていない状態で発生する電力損失である。当該損失は、直流送電線5の長さ、材質等で決まるため、例えば、予め記憶部42に記憶させておき、送電線損失の演算に応じて記憶した値を取り出す。演算器623gにより得られた加算値は、直流送電線5を介して電力融通した際に生じる電力損失PTLである。
変換器損失演算部624は、融通電力指令値を入力として、変換器3A、3Bの電力損失を演算する。図14に示すように、変換器損失演算部624は、融通電力指令値の絶対値を算定する演算器624aと、当該絶対値に変換器3A、3Bによる電力損失率を乗算する乗算部624bとを有する。変換器3A、3Bによる電力損失率は、例えば、予め記憶部42に記憶しておき、変換器電力損失を算出する際に取り出す。
直流電流指令値生成部63は、直流電力指令値生成部62により得られた直流電力指令値に基づいて、直流電流指令値を算出する。この直流電流指令値が、受電側の電流制御端が目標とする電流指令値であり、電力損失を加味した値である。
図15に示すように、直流電流指令値生成部63は、除算器631、リミッタ632を有する。
除算器631は、直流電力指令値生成部62により得られた直流電力指令値と、直流端子電圧指令値とを除算する。リミッタ632は、除算器631により得られた電流値が所定の値以下であれば得られた値を出力し、所定の値超であれば、所定の値を出力する。すなわち、リミッタ632には、上限値が設けられており、当該上限値は、変換器3A、3Bの定格電流に設定されている。
スイッチ64は、図12に示すように、直流電力指令値生成部62において、送電線損失演算部623と演算器621との間に設けられている。スイッチ64は、電力損失の演算に送電線損失を加味するか否かを切り替える。
すなわち、受電端となる変換器3A、3Bを制御する制御装置4A、4Bのスイッチ64は、電力規定点設定部61で設定された電力規定点が、受電端となる変換器3A、3B(電流制御端)の交流側であるとき、オンとして送電線損失を加味し、電力規定点設定部61で設定された電力規定点が、送電端となる変換器3A、3B(電圧制御端)の交流側であるとき、オフとして送電線損失を加味しないように切り替える。
換言すれば、送電側に設けられる電力制御点と、設定された電力規定点が直流送電線5を挟む場合はスイッチ64をオンとし、挟まない場合はスイッチ64をオフとする。
具体的な構成としては、スイッチ64は、例えば、電力規定点設定部61で変換器3A、3Bの何れかの交流側に設定された電力規定点と、当該変換器3A、3Bに設定されるリミッタ値Lとから、当該変換器3A、3Bが送電側又は受電側の変換器3A、3Bであるかを判定する判定部(不図示)を有し、当該判定部の判定結果に基づいてオンオフする。
[4−2.作用]
従来の直流送電システムにおいては、送電側の変換器の直流端子の電力を電力指令値に一致するように制御する。しかし、電力の取引を行う電力規定点における電力と、電力指令値に一致させる電力制御点における電力とは必ずしも一致しない。そのため、その差分の電力は電力単価にて金銭的に精算する必要があり、電力会社などのユーザにとって負担となっていた。
そこで、本実施形態では、電力規定点で得たい融通電力が得られるように、すなわち電力規定点での電力が融通電力指令値と一致するように、電力制御点における直流電力指令値、及び、電流制御端における直流電流指令値を、直流送電線5による電力損失や、変換器3A、3Bによる電力損失を加味するようにした。
本実施形態の作用を、図16及び図17を用いて説明する。なお、潮流は、変換器3Aから変換器3Bの方向を正として定義する。
(1)受電側の変換器の交流端子で電力取引する場合
図16は、受電側の電流制御端の交流端子において電力取引する場合の直流送電システムを示す。図16に示すように、電力規定点設定部61により、電力規定点を受電側の変換器3Bの交流端子に設定する。電力制御点は、送電側の変換器3Aの直流端子であり、潮流は正である。すなわち、制御装置4Aのリミッタ値Lを0に設定して電圧制御端とし、制御装置4Bのリミッタ値Lを0でない所定値に設定して電流制御端とし、変換器3Aから変換器3Bの方向に電力融通する。
電力制御点から電力規定点までの電力融通は、直流送電線5と変換器3Bを介してなされる。そのため、直流送電線5による電力損失と、変換器3Bによる電力損失を加味する。換言すれば、制御装置4Bのスイッチ64をオンとする。
具体的には、直流電力指令値生成部62は、融通電力指令値に送電線損失演算部623で算出した直流送電線5による送電線損失PTLと、変換器損失演算部624で算出した変換器3Bの変換器損失P3Bとを演算器621、622で加算し、電力制御点で一致させるべき直流電力指令値を算出する。当該直流電力指令値を直流電流指令値生成部63において、電力制御点における直流端子電圧指令値で除算することで、直流電流指令値を求めることができる。この直流電流指令値は、電流制御端である変換器3Bに流入すべき電流値であり、制御装置4Bの直流電圧・電流制御部43に出力される。変換器3Bは、当該直流電流指令値になるように電流制御することで、電力規定点における電力を融通電力指令値に一致させることができる。
(2)送電側の変換器の交流端子で電力取引する場合
図17は、送電側の電圧制御端の交流端子において電力取引する場合の直流送電システムを示す。図17に示すように、電力規定点設定部61により、電力規定点を送電側の変換器3Bの交流端子に設定する。電力制御点は、電力制御点は、送電側の変換器3Bの直流端子であり、潮流は負である。すなわち、制御装置4Bのリミッタ値Lを0に設定して電圧制御端とし、制御装置4Aのリミッタ値Lを0でない所定値に設定して電流制御端とし、変換器3Bから変換器3Aの方向に電力融通する。
電力規定点から電力制御点までの電力融通は、変換器3Bを介してなされる。そのため、変換器3Bによる電力損失を加味する。換言すれば、スイッチ64をオフとする。
具体的には、直流電力指令値生成部62は、融通電力指令値に変換器損失演算部624で算出した変換器3Bの変換器損失P3Bを演算器622で加算し、電力制御点で一致させるべき直流電力指令値を算出する。当該直流電力指令値を直流電流指令値生成部63において、電力制御点における直流端子電圧指令値で除算することで、直流電流指令値を求めることができる。この直流電流指令値は、電流制御端である変換器3Aに流入すべき電流値であり、制御装置4Aの直流電圧・電流制御部43に出力される。変換器3Aは、当該直流電流指令値になるように電流制御することで、電力規定点における電力を融通電力指令値に一致させることができる。
[4−3.効果]
(1)制御装置4A、4Bは、電力取引を行う電力規定点における融通電力指令値に、電力損失分を補正して電力制御点における直流電力指令値を生成する直流電力指令値生成部62を有するようにした。これにより、電力規定点と電力制御点が異なる場合であっても、両点の間の電力損失分を加味するので、電力規定点において所望の電力とすることができる。そのため、電力規定点における電力と当該規定点で要求する電力とに差をなくすことができるので、電力単価にて金銭的に精算する必要性がなくなり、ユーザ負担を軽減させることができる。
(2)直流電力指令値生成部62は、融通電力指令値の絶対値に電力変換器3A、3Bの損失率を乗算する変換器損失演算部624を有するようにした。これにより、電力損失として変換器3A、3Bによる損失分を加味して直流電力指令値を生成することができる。
(3)直流電力指令値生成部62は、電力変換器3A、3Bが設けられた直流送電システムの直流送電線5の損失を演算する送電線損失演算部を有するようにした。これにより、電力損失として直流送電システムの直流送電線5による損失分を加味して直流電力指令値を生成することができる。
(4)直流送電システムにおいて送電端となる電力変換器3A、3Bが直流電圧制御され、受電端となる電力変換器3A、3Bが直流電流制御されており、受電端となる電力変換器3A、3Bの制御装置であって、直流電力指令値生成部62は、電力取引を行う電力規定点が、受電側の電力変換器3A、3Bの交流側であるとき、送電線損失演算部623をオンにし、送電側の電力変換器3A、3Bの交流側であるとき、送電線損失演算部623をオフにするスイッチ64を有するようにした。これにより、潮流によって電力損失を切り替えることができ、潮流の向きに関わらず特定の変換器3A、3Bの交流側に電力規定点が固定されている場合であっても、当該規定点における電力を制御することができる。
(5)送電線損失演算部623は、直流送電線5の温度に基づいて、直流送電線5の抵抗を求め、直流送電線5の損失を演算するようにした。これにより、直流送電線の損失すなわち電圧降下をより正確に算出することができるので、電力規定点における電力と、当該規定点で要求する電力との差をなくすことができる。
(6)直流電力指令値生成部62から出力された直流電力指令値と、電力変換器3A、3Bの直流端子における直流電圧指令値とを除算し、直流電流指令値を生成する直流電流指令値生成部63を有し、直流電流指令値生成部63には、生成した直流電流指令値の上限値が設けられ、当該上限値は、電力変換器の定格電流とした。これにより、直流電流指令値が変換器3A、3Bの定格電流を上回ることがなくなるので、過電流が流れることによる変換器3A、3Bの損傷を防止することができる。
(7)送電端となる変換器3Aの制御装置4Aであって、リミッタ値設定部433aは、送電端側のリミッタ値を0として送電端となる変換器3Aを直流電圧制御するようにした。つまり、送電側を電圧制御端とし、受電側を電流制御端とした。これにより、直流送電システムの直流回路の設計が容易になる。すなわち、直流送電線5には、鉄塔等の種々の設備や機器が配置されるが、直流送電の定格を満たすように設計する必要がある。
この点、受電側を電圧制御端とした場合、直流送電線5による電圧降下を加味して電流制御端では、受電端より大きな電圧を出力する必要がある。そのため、電力融通する途中経路にある直流送電線5に設けられる鉄塔等の種々の設備や機器について、電圧降下分を加味して直流送電の定格電圧を満たすように考慮しなければならない。
これに対し、送電側を電圧制御端とすることで、受電側は電圧降下するだけなので、送電側の直流電圧指令値を基準に設計すれば良く、電圧降下を加味する必要がなくなる利点がある。
[5.その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(1)本実施形態の電力変換器の制御装置4A、4Bは、二端子直流送電システムに適用したが、多端子直流送電システムに適用しても良い。
(2)第1乃至第4の実施形態に示したように、制御装置4A、4Bは、変換器3A、3Bに個別に設けられても良いし、直流送電システムを制御する上位の制御装置に設けられていても良い。
(3)制御装置4A、4Bは、CPUを含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような各部の処理を実現するものである。ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。
(4)第1乃至第4の実施形態では、変換器3A、3Bの単位変換器をチョッパセルCとしたが、フルブリッジセルとしても良い。単位変換器をフルブリッジセルにすることにより、直流地絡事故などの事故電流を遮断することができる。また、変換器3A、3Bを3巻線トランスMMCとしても良い。これにより、正側アーム31aと負側アーム31bの間に各相合計6台のバッファリアクトルが不要にすることができる。
(5)第1乃至第4の実施形態の直流電圧・電流制御部43に代えて、次の様に構成しても良い。すなわち、図18に示すように、直流電圧・電流制御部43は、追従部の出力に直流電圧指令値を加算した後、直流電圧指令値をベースとした上限値及び下限値により出力値を制限するようにしても良い。
具体的には、直流電圧・電流制御部43は、追従部と、追従部の出力値と直流電圧指令値とを加算する演算器435と、直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、演算器435からの入力を受けて上限値及び下限値に基づいて出力値を制限するリミッタ436と、リミッタ値を0又は0でない所定の値に設定するリミッタ値設定部436aと、を有し、リミッタ436の出力値を変換器出力電圧とするようにしても良い。
リミッタ値設定部436aは、リミッタ436の上限値及び下限値を、直流電圧指令値Vdc_refとリミッタ値Lとの和に基づいて決定する。すなわち、リミッタ値L=0の時は、上限値及び下限値は、Vdc_refであり、リミッタ436の出力(変換器出力電圧)はVdc_refとなるので、直流電圧・電流制御部43は直流電圧制御で動作させる。一方、リミッタ値L≠0のときは、上限値がVdc_ref+L、下限値がVdc_ref−Lとなるから、リミッタ436の出力(変換器出力電圧)は(Vdc_ref−L)〜(Vdc_ref+L)の値であり、直流電圧・電流制御部43は直流電流制御で動作させる。
また、図19に示すように、リミッタ436に代えて、直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、追従部からの入力を受けて上限値及び下限値に基づいて出力値を制限するリミッタ437としても良い。何れの場合でも、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができ、リミッタ値の値に基づいて直流電圧制御か直流電流制御かを決定することができる。
(6)第4の実施形態では、直流電力指令値生成部62を、送電線損失と変換器損失を加味した計算式と、変換器損失のみを考慮した計算式とを切り替える構成としても良い。具体的には、図20に示すように、直流電力指令値生成部62は、直流送電システムの送電線損失と変換器損失とを加味して電力損失を演算する送電線・変換器損失演算部625と、変換器損失を演算する変換器損失演算部626と、直流送電システムの潮流方向に基づいて、送電線・変換器損失演算部625又は変換器損失演算部626の何れかに切り替えるスイッチ64’と、を有するようにしても良い。
送電線・変換器損失演算部625、変換器損失演算部626の計算式の関数形は、適宜変更可能である。図20に示す係数a〜fは、送電線や変換器の損失を考慮した値である。変換器損失演算部626は、第4の実施形態の変換器損失演算部624と同じであっても良い。
スイッチ64’は、ここでは一対のスイッチ64a、64bにより構成されており、これらのスイッチ64a、64bのオンオフは反転関係にある。例えば、潮流方向が正のとき、スイッチ64aをオン、スイッチ64bをオフとし、潮流方向が負のとき、スイッチ64aをオフ、スイッチ64bをオンとする。潮流方向は、例えば変換器3Aから変換器3Bの送電方向を正とする。直流電力指令値生成部62は、潮流方向を外部からの入力を受けても良いし、潮流方向を判定する判定部を有していても良い。この判定部の構成は公知の方法を採用することができる。
1A、1B 交流系統
3A、3B 電力変換器
31 レグ
31a 正側アーム
31b 負側アーム
4A、4B 制御装置
41 直流検出部
42 記憶部
43 直流電圧・電流制御部
431 演算器
432 ゲイン
433 リミッタ
433a リミッタ値設定部
434 演算器
435 演算器
436、437 リミッタ
436a リミッタ値設定部
44 信号生成部
45 交流事故検出部
46 リミッタ値変更部
5 直流送電線
50 零相電流制御部
51 循環電流演算部
51a、51b 演算器
52 αβ0変換部
61 電力規定点設定部
62 直流電力指令値生成部
621、622 演算器
623 送電線損失演算部
623a 除算器
623b 送電線抵抗部
623c 演算器
623d 除算器
623e 自乗器
623f 送電線抵抗部
623g 演算器
624 変換器損失演算部
624a 演算器
624b 乗算部
625 送電線・変換器損失演算部
626 変換器損失演算部
63 直流電流指令値生成部
631 除算器
632 リミッタ
64、64’ スイッチ
C チョッパセル
C1a、C1b スイッチング素子
C2a、C2b ダイオード
C3 コンデンサ

Claims (18)

  1. スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、
    前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、
    前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、
    を備え、
    前記直流電圧・電流制御部は、
    直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、
    リミッタ値に基づく上限値及び下限値を有し、前記追従部からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、
    前記リミッタの出力値と直流電圧指令値とを加算することで前記変換器出力電圧を算出する演算部と、
    前記リミッタ値を0又は0でない値に設定するリミッタ値設定部と、
    を有すること、
    を特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、
    前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、
    前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、
    を備え、
    前記直流電圧・電流制御部は、
    直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、
    前記追従部の出力値と直流電圧指令値とを加算する演算器と、
    直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、前記演算器からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、
    前記リミッタ値を0又は0でない所定の値に設定するリミッタ値設定部と、
    を有し、
    前記リミッタの出力値を前記変換器出力電圧とすること、
    を特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. スイッチング素子及びコンデンサを有する単位変換器が多段接続され、交流と直流の間で電力を変換する電力変換器の制御装置であって、
    前記電力変換器を直流電圧制御又は直流電流制御で動作させるための変換器出力電圧を算出する直流電圧・電流制御部と、
    前記変換器出力電圧を前記電力変換器に出力させるように、前記スイッチング素子をオンオフする信号を生成する信号生成部と、
    を備え、
    前記直流電圧・電流制御部は、
    直流電流と直流電流指令値との偏差に基づいて、直流電流を直流電流指令値に追従させるための電圧値を算出する追従部と、
    直流電圧指令値とリミッタ値とに基づく上限値及び下限値を有し、前記追従部からの入力を受けて前記上限値及び前記下限値に基づいて出力値を制限するリミッタと、
    前記リミッタ値を0又は0でない所定の値に設定するリミッタ値設定部と、
    を有し、
    前記リミッタの出力値を前記変換器出力電圧とすること、
    を特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 直流送電システムにおける受電端側の前記電力変換器を直流電流制御する前記制御装置であって、
    前記リミッタ値を変更するリミッタ値変更部を備え、
    前記リミッタ値変更部は、
    前記電力変換器の交流側での交流事故の検出により、前記リミッタ値を前記交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  5. 前記リミッタ値変更部は、
    前記直流送電システムにおける送電端となる前記電力変換器の前記制御装置から、当該送電端の交流側での交流事故の通知を、有線又は無線の通信手段により受けて、前記リミッタ値を前記交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項4記載の電力変換器の制御装置。
  6. 直流送電システムにおける送電端側の前記電力変換器を直流電流制御する前記制御装置であって、
    前記リミッタ値を変更するリミッタ値変更部を備え、
    前記リミッタ値変更部は、
    前記電力変換器の交流側での交流事故の検出により、前記リミッタ値を前記交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  7. 前記リミッタ値変更部は、
    前記直流送電システムにおける受電端となる前記電力変換器の前記制御装置から、当該受電端の交流側での交流事故の通知を、有線又は無線の通信手段により受けて、前記リミッタ値を前記交流事故前のリミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項6記載の電力変換器の制御装置。
  8. 直流送電システムにおける送電端側の前記電力変換器を制御する前記制御装置であって、
    前記直流送電システムの送電端側の前記電力変換器が直流電圧制御され、受電端側の前記電力変換器が直流電流制御されており、
    前記リミッタ値を変更するリミッタ値変更部を備え、
    前記リミッタ値変更部は、
    前記送電端側の電力変換器の交流側での交流事故の検出により、前記送電端側の前記リミッタ値を前記受電端側の前記リミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  9. 直流送電システムにおける受電端側の前記電力変換器を制御する前記制御装置であって、
    前記直流送電システムの受電端側の前記電力変換器が直流電圧制御され、送電端側の前記電力変換器が直流電流制御されており、
    前記リミッタ値を変更するリミッタ値変更部を備え、
    前記リミッタ値変更部は、
    前記受電端側の電力変換器の交流側での交流事故の検出により、前記受電端側の前記リミッタ値を前記送電端側の前記リミッタ値より大きい値に変更すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  10. 前記直流電圧・電流制御部は、前記直流電流を算出する零相電流制御部に設けられていること、
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  11. 電力取引を行う電力規定点における融通電力指令値に、電力損失分を補正して電力制御点における直流電力指令値を生成する直流電力指令値生成部を有すること、
    を特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  12. 前記直流電力指令値生成部は、
    前記融通電力指令値の絶対値に電力変換器の損失率を乗算する変換器損失演算部を有すること、
    を特徴とする請求項11記載の電力変換器の制御装置。
  13. 前記直流電力指令値生成部は、
    前記電力変換器が設けられた直流送電システムの送電線の損失を演算する送電線損失演算部を有すること、
    を特徴とする請求項11又は12記載の電力変換器の制御装置。
  14. 前記直流送電システムにおいて送電端となる電力変換器が直流電圧制御され、受電端となる電力変換器が直流電流制御されており、
    前記受電端となる電力変換器の制御装置であって、
    前記直流電力指令値生成部は、
    電力取引を行う電力規定点が、前記受電端となる電力変換器の交流側であるとき、前記送電線損失演算部をオンにし、前記送電端となる電力変換器の交流側であるとき、前記送電線損失演算部をオフにするスイッチを有すること、
    を特徴とする請求項13記載の電力変換器の制御装置。
  15. 前記送電線損失演算部は、前記送電線の温度に基づいて、前記送電線の抵抗を求め、前記送電線の損失を演算すること、
    を特徴とする請求項13又は14記載の電力変換器の制御装置。
  16. 前記直流電力指令値生成部は、
    直流送電システムの送電線損失と変換器損失とを加味して電力損失を演算する送電線・変換器損失演算部と、
    直流送電システムの変換器損失を演算する変換器損失演算部と、
    前記直流送電システムの潮流方向に基づいて、前記送電線・変換器損失演算部又は前記変換器損失演算部の何れかに切り替えるスイッチと、
    を有すること、
    を特徴とする請求項11記載の電力変換器の制御装置。
  17. 前記直流電力指令値生成部から出力された直流電力指令値と、電力変換器の直流端子における直流電圧指令値とを除算し、直流電流指令値を生成する直流電流指令値生成部を有し、
    前記直流電流指令値生成部には、生成した直流電流指令値の上限値が設けられ、当該上限値は、電力変換器の定格電流であること、
    を特徴とする請求項11〜16の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
  18. 前記直流送電システムの送電端となる電力変換器の制御装置であって、
    前記リミッタ値設定部は、前記送電端側のリミッタ値を0として前記送電端となる電力変換器を直流電圧制御すること、
    を特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の電力変換器の制御装置。
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