JP2017143288A - 電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板に設けられた端子に対し、その他の各種端子を十分な接続信頼性を持って接続できるようにし、装置の小型化に貢献する。
【解決手段】電子制御ユニット4は、互いに接合されるケース5とカバー6とを有している。このカバー6にはモータユニット3を駆動させる駆動回路基板7が固定されている一方、ケース5には駆動回路基板を制御する制御回路基板8が固定されている。また、ケース5の開口部10には、各基板7、8とモータユニット3に電力を供給する電気コネクタ9が取り付けられている。この電気コネクタ9およびモータユニット3の第1通電端子25、3eと、駆動回路基板7の第2通電端子35、37とは、ケースとカバーの接合によって直接的に電気接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子制御装置に係るものであって、例えば車両の電動パワーステアリング装置(EPS)などの電動モータを駆動制御するために適用される電子制御装置に関するものである。
例えば電動パワーステアリング装置などの車両に搭載される電子制御装置としては、各種電子部品を実装した回路基板が、複数の筐体部材(例えば後述のケース,カバー等)から成る筐体内部の空間に収容され、その回路基板に設けられた端子と、その他の各種端子(例えばバスバー等の通電端子)と、の両端子を、例えば特許文献1のようにワイヤボンディングや溶接(直流バスバー等を適用した溶接)により互いに電気的に接続した構造が知られている。
また、電子制御装置の小型化を図るために、前記のように両端子を単にワイヤボンディングや溶接により接続するのではなく、例えば特許文献2のような音叉端子を前記の両端子の何れか一方に適用し、当該両端子を互いに対向する方向から接続(特許文献2ではサーキットブレーカーの入力端子(符号14)と薄肉構造の音叉端子(符号38)とを接続)できるようにした構造が検討されている。
特開2010−132102 特開2012−124294
しかしながら、互いに対向する方向から接続される前記の両端子においては、当該接続時に荷重が加わることになるため、両端子のうち何れか一方において単なる音叉端子(薄肉構造の端子)を適用した場合には、接続が不安定になる等により接続信頼性が低下する虞がある。前記のような荷重に耐え得るように、音叉端子を肉厚化したり、音叉端子の支持構造を補強(バスバー等を用いて補強)して、両端子の接続信頼性を高めることが考えられるが、装置の大型化につながってしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、回路基板に設けられた端子と、その他の各種端子と、を十分な接続信頼性を持って接続できるようにし、装置の小型化に貢献することを解決課題としている。
この発明に係る電子制御装置は、前記の課題を解決できる創作であり、その一態様は、互いに対向方向に位置して接合可能な二つの筐体部材を備えた筐体内に、電子部品を実装した回路基板が収容され、その回路基板が前記筐体部材のうち一方に設けられた電子制御装置であって、前記筐体部材のうち他方側に配置される第1端子と、回路基板に設けられる第2端子と、が前記の二つの筐体部材の接合によって接続され、前記第2端子は、回路基板のランド部に電気接合して固定される底面部と、底面部の両端側から起立して互いに近接する方向に屈曲した一対の屈曲部と、前記の各屈曲部の先端側に形成され互いに対向して位置する一対の接続部と、を有し、前記の一対の接続部間に、第1端子の先端側が前記屈曲部の起立方向側から圧入して接続されることを特徴としている。
本発明によれば、回路基板に設けられた端子に対し、その他の各種端子を十分な接続信頼性を持って接続できるようになり、装置の小型化に貢献することが可能となる。
本実施形態に係る電子制御ユニットの分解斜視図。 同 電子制御ユニットをモータユニットに取付けた状態の要部縦断面図。 同 電子制御ユニットの縦断面図。 駆動回路基板の平面図。 ケースのジョイント部の斜視図。 第2通電端子の斜視図。 パワーステアリング装置の構成図。 第2通電端子の変形例の斜視図。 第1通電端子の変形例の斜視図。 第2通電端子の変形例の斜視図。
本発明の実施形態の電子制御装置は、互いに対向方向に位置して接合可能な二つの筐体部材を備え、回路基板が前記筐体部材のうち一方に設けられて収容されるものであって、前記筐体部材のうち他方側に配置される第1端子(後述の第1通電端子25,3eに相当)と、回路基板に設けられる第2端子(後述の第2通電端子35,37に相当)とを、十分な接続信頼性を持って接続(音叉端子等を用いることなく接続)できるようにし、また装置の小型化に貢献できるようにしたものである。
以下、本発明の実施形態に係る電子制御装置を電動パワーステアリング装置への適用例に基づき説明する。すなわち、図7に示すように、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイールから操舵トルクが入力される入力軸2と、操舵トルクに対してアシストトルクを付与するモータユニット3とを備え、モータユニット3は電子制御ユニット(ECU)4により駆動制御されるものであり、この電子制御ユニット4に本実施形態の電子制御装置を適用することが可能である。
≪本実施形態の電子制御装置の適用例≫
図1〜図7の電子制御ユニット4は、例えば図1〜図3に示すように、モータユニット3のシャフト3aの基端部側(出力側の端部と反対側、即ち後述する制御回路基板8と対応する側の端部)に配置されている。
このモータユニット3は、図示省略の電動モータ(三相交流型ブラシレスモータ)と、該電動モータを収容するモータハウジング3cと、前記電動モータにより回転駆動される前記シャフト3aと、シャフト3aの基端部に取り付けられて後述するホール素子47でシャフト3aの回転を検出するマグネットSと、前記モータの三相の各端子と接続された第1通電端子(三相モータ端子)3eとを備えている。このシャフト3aは前記電動モータの駆動により回転され、図示省略の減速機を介して操舵トルクに対してアシストトルクを付与している。また、モータハウジング3cの電子制御ユニット4側には外形寸法の大きな外装部3fが形成されている。
具体的には電子制御ユニット4は、モータハウジング3cの外装部3fに固定されるケース(筐体部材)5と、ケース5と接合されるカバー(筐体部材)6と、両者5,6間に収容されて前記電動モータを駆動させる駆動回路基板7と、同じく両者5,6間に収容されて駆動回路基板7の駆動を制御する制御回路基板8と、図示省略の電源バッテリから前記各回路基板7,8および前記電動モータに電力などを供給する電気コネクタ9とを有している。
(1)ケース5
ケース5は、回路基板7,8を収容する筐体の一部であり、例えばアルミニウム合金材などで上部が開口したボックス状に形成され、底板5aと該底板5aの縁部に立設された側板5bとを有し、図1に示すように、底板5aの上部が側板5bと反対方向に突出形成されている。
この底板5aの上部には電気コネクタ9を取り付ける開口部10が形成され、開口部10の外周縁には孔部10aが周設され、モータハウジング3c側の上部四隅には電気コネクタ固定用の雌ねじ孔12が形成されている。
また、底板5aのモータハウジング3c側の下部には、外装部3fの開口部3dに嵌入する円環状のジョイント部11が形成され、四隅には外装部3fへの固定用の雌ねじ孔17が形成されている。この雌ねじ孔17には、外装部3fの貫通孔に挿通された図示省略の固定ねじの軸部が締結される。
ジョイント部11内の中心にはシャフト3aの基端部(シャフト基端部)に取り付けられたセンサ用マグネットSを収容する円形の開口部13が形成され、開口部13下方には三相モータ側の第1通電端子(三相モータ端子)3eが挿通される三つの横長長方形状の開口部14が形成され、開口部13の左右の斜め上方には前記両回路基板7,8を接続する通電端子15の先端部に望む縦長長方形状の一対の開口部16が形成されている。
さらに底板5aのカバー6側には制御回路基板8を固定する複数の円柱状の基板固定部18が立設されている。なお、各側板5bの上端部には嵌合溝20がケース5の外形に沿って周設され、各側板5bの外面の所定位置にはボス部19が形成されている。
(2)カバー6
カバー6は、例えば図1〜3に示すように、アルミニウム合金材などをケース5の外形に沿った長方形状に形成され、ケース5の開口部を閉塞する。このカバー6のケース5側の縁部には嵌合溝20に嵌入する嵌合突部23が外形に沿って周設されている。
また、カバー6は、左右の縁部に駆動回路基板7を固定する雌ねじ21a群が形成され、各端面にはボス部19に応じた位置にボス部22が形成され、ボス部22には図示省略の貫通孔が形成されている。この貫通孔に挿通された図示省略の固定ねじの軸部はボス部19の雌ねじ孔に締結されている。なお、カバー6のケース5と反対側には図示省略のヒートシンクが形成されている。
(3)電気コネクタ9
電気コネクタ9は、ケース5の開口部10の外周縁に取り付けられ、図1〜図3および図5に示すように、コネクタ側の第1通電端子(電源端子)25の略中央部を樹脂封入した一対の第1コネクタC1と、各種信号端子(トルク/S、イグニッションSW等)26の略中央部を樹脂封入した第1コネクタC2と、CAN通信用端子27の略中央部を樹脂封入した第1コネクタC3と、第1コネクタC1〜C3が固定される第2コネクタ28と、を有し、開口部10は第2コネクタ28により閉塞されている。
この第2コネクタ28は、第1コネクタC1〜C3を保持するコネクタホルダからなり、第1コネクタC1〜C3が挿通される三つの取付孔29aが貫通形成されている。この各取付孔29aの内面に第1コネクタC1〜C3の樹脂部分30の外周が結合し、第1コネクタC1〜C3が第2コネクタ28に保持固定されている。具体的には両コネクタC1〜C3,28の結合にあたっては、前記端子25〜27の略中央部を樹脂封入した各第1コネクタC1〜C3を第2コネクタ28の各取付孔29aに挿入して結合させる。この結合後に両者C1〜C3,28間の隙間に接着剤(シール材)を塗布し、該隙間の防水と両者C1〜C3,28間の結合力を強化する。この両コネクタC1〜C3,28の結合により電気コネクタ9が完成し、開口部10の外周縁に取り付けられる。
このとき第2コネクタ28のケース5側には開口部10の外周縁に形成された周溝10b内に装着される装着部28aが周設されている一方、ケース5と反対側にはコネクタ嵌合部33a〜33cが形成されている。また、第2コネクタ28の四隅には貫通孔30aが形成され、各貫通孔30aに挿通された図示省略の固定ねじの軸部がケース5の雌ねじ孔12に締結され、両端部の各貫通孔30a間にはケース5の孔部10aに挿入されるピン31が形成されている。このピン31と孔部10aとは左右非対称の個数に形成されているため、電気コネクタ9を誤って左右反対に取り付けることが防止されている。
前記端子25〜27の一端部(端子25の一端部は、例えば図9の一端部90に相当;以下、符号等は適宜省略)は駆動回路基板7側に配置されている一方、他端部はコネクタ嵌合部33a〜33c内に配置されている。また、例えば図3および図5に示すように、前記端子26,27の一端部はピン状に形成されている一方、前記第1通電端子25の一端部は先細りの帯状に形成され、その先端がV字状に切り欠かれて一対の挟持部25aの先端内面がテーパ状に形成されている。三相側の第1通電端子3eの一端部(端子3eの一端部は、例えば図9の一端部90に相当;以下、符号等は適宜省略)も、同様のテーパ状の形状を有するものとする。)。
なお、各コネクタ嵌合部33a〜33cには図示省略の外部機器(例えば電源バッテリなど)の電気コネクタに形成されたコネクタ嵌合部が嵌め込まれ、各端子25〜27の他端部がそれぞれ外部機器の電気コネクタの端子と電気接続される。
(4)駆動回路基板7
駆動回路基板7は、電気コネクタ9から供給される電流を三相(U相,V相,W相)交流に変換し、制御回路基板8からの制御信号に応じて前記電動モータを駆動させるパワーモジュールに関する。
この駆動回路基板7にはベースとなる金属材料からなる板上に絶縁層を介して図示省略の配線パターンが形成され、図4(a)に示すように、前記各第1通電端子25の一端部と電気接続される電源用の第2通電端子35と、三相交流の前記各相ごとに上流側Pと下流側Qとが直列に電気接続された駆動トランジスタ(駆動素子、スイッチング素子)36と、前記各第1通電端子3eの一端部と電気接続される三相モータ用の第2通電端子37とが実装されている。
すなわち、駆動トランジスタ36が「2個(上流Pと下流Qとが一対となったセット)×3セット(三相分)」の配列で駆動回路基板7に実装され、各セットの上流側の各駆動トランジスタ36と下流側の各駆動トランジスタ36との間に前記第2通電端子37が配置され、三相交流を前記各第1通電端子3eに供給している。前記各第2通電端子35は前記第1通電端子25の一端部と対向して配置され、前記各第2通電端子37は前記第1通電端子3eの一端部と対向して配置されている。
また、駆動回路基板7は、図4の平滑コンデンサ38、障害発生時のフェイルセーフ用リレー39、コイル60等の電子部品が実装されている。この平滑コンデンサ38は、前記両通電端子25,35の接続により供給される電流を平滑化して各駆動トランジスタ36に供給している。
さらに駆動回路基板7の左右の縁部には通電端子15の基端部が電気接合され、またカバー6への固定用の貫通孔45群が形成されている。この各貫通孔45に挿通された固定ねじ46の軸部が、図3に示すように、カバー6の雌ねじ孔21に締結されている。
(5)第2通電端子35,37
各第2通電端子35,37は、銅材などの金属板材を折曲して形成され、例えば図6に示すように、駆動回路基板7の所定位置に形成されたランド部71に電気接合して固定される底面部40と、底面部40の両端部40a,40b側から起立して互いに近接する方向(以下、屈曲部近接方向)に屈曲した一対の屈曲部42と、各屈曲部42の先端側に形成され互いに対向(屈曲部近接方向において対向)して位置する一対の接続部43と、を有し、各接続部43間の隙間部44に対し、第1通電端子25の一端部や第1通電端子3eの一端部を圧入して電気的に接続できるように構成される。
ランド部71は、例えば駆動回路基板7の一端面側にフォトレジスト等をマスキングして成るマスク72において、所望位置を底面部40の形状に応じて開口して形成することが可能である。このランド部71と底面部40とを電気接合して各第2通電端子35,37が固定されるため、音叉端子等を用いた場合と比較すると、固定支持面積(ランド部71と底面部40との接合面積)を確保し易く、安定した接続構造を得ることが可能である。
各屈曲部42は、底面部40における互いに対向して位置する両端部40aまたは40b側からそれぞれ駆動回路基板7の肉厚方向に突出する起立部42aと、各起立部42aの先端側から屈曲部近接方向に延出した延出部42bと、を有し、各接続部43間の隙間部44に対する第1通電端子25の一端部や第1通電端子3eの一端部の圧入(起立部42aの起立方向側からの圧入)により、弾性変形するように構成されている。
各接続部43間の距離(隙間部44の幅)は、第1通電端子25の一端部や第1通電端子3eの一端部の横断面方向の寸法よりも小さく設定することにより、両端子25,3eを隙間部44に対して所定の圧入力(以下、端子圧入力)で圧入するように設定、すなわち各接続部43間の距離を拡張し各屈曲部42を弾性変形させて圧入するように設定できる。また、当該圧入した後において、両端子25,3eが各接続部43によって所定の挟持力により挟持されるように設定、すなわち前記のように弾性変形した各屈曲部42の復元作用が前記の挟持力として作用するように設定できる。したがって、挟持力が所望の大きさとなるように各屈曲部42を設計することもできるため、接続信頼性に寄与することにもなる。
また、図6の各接続部43においては、各屈曲部42の先端側(図6では延出部42bの先端側)から底面部40側に屈曲して延在するように形成され、各接続部43の延在方向に沿って第1通電端子25の一端部や第1通電端子3eの一端部が隙間部44に圧入し易くなり、また、当該圧入された各端子25,3eの一端部が各接続部43によって挟持され易く構成されている。
(6)制御回路基板8
制御回路基板8は、プリント基板(ガラスエポキシ基板)またはセラミック基板により構成されている。この制御回路基板8は、例えば図1に示すように、各駆動トランジスタ36を制御するマイクロコンピュータ(CPU:以下、マイコンと省略する。)4mと、前記電動モータの回転を検出するホール素子とを有している。
このマイコン4mは制御回路基板8の駆動回路基板7に対向する面に実装されている一方、ホール素子47はマイコン4mと反対の面、即ちケース5の開口部13に収容配置されたセンサマグネットSの対向面に実装され、両者4m,47は制御回路基板8の回路パターンを通じて電気接続され、該回路パターンが両者4m,47間の信号伝達経路となっている。
すなわち、ホール素子47は制御回路基板8の一端部側においてセンサマグネットSに対向する位置に配置され、ホール効果(Hall effect)を利用してセンサ用マグネットSの磁界を検出し、シャフト3aの回転を検出する。この検出信号は制御回路基板8の回路パターンを通じてマイコン4mに入力される。
また、制御回路基板8の一端部側には、例えば図6に示すように、通電端子15の先端部が挿通されて半田付や溶接などで電気接続されている。一方、制御回路基板8の他端部側には、前記通電端子25の一端部を駆動回路基板7側に通すための切欠部49が形成されている。この切欠部49の両側には前記両端子26,27の一端部が挿通されて電気接続されている。
したがって、マイコン4mは、電気コネクタ9の前記両端子26,27を通じて外部から入力される情報(例えば操舵トルク、車速信号など)やホール素子47の検出信号に基づき駆動トランジスタ36を制御する。
なお、制御回路基板8の左右の縁部には貫通孔48群が形成され、図2および図3に示すように、各貫通孔48に挿通された固定ねじ48aの軸部がケース5の基板固定部18の雌ねじ孔に締結されている。
(7)組立手順
以下、電子制御ユニット4の組立手順を説明する。まずケース5に制御回路基板8および電気コネクタ9を取り付けるとともに、カバー6に駆動回路基板7を取り付けておく。
制御回路基板8の取り付けに際しては、ホール素子47をカバー6の開口部13に対向させた状態のまま制御回路基板8の各貫通孔48に固定ねじ48aの軸部を挿通し、その後に各固定ねじ48aの軸部をケース5の各基板固定部18の雌ねじ孔に締結する。
電気コネクタ9の取り付けに際しては、各端子25〜27の略中央部を樹脂封入した各第1コネクタC1〜C3を第2コネクタ28に挿入して結合が完了した後にケース5の開口部10の外周縁に取り付ける。すなわち、第2コネクタ28の装着部28aをケース5の周溝10bに嵌着させ、ピン31を孔部10aに嵌入させる。その後に貫通孔30aに固定ねじの軸部を挿通して雌ねじ孔12に締結し、その後に制御回路基板8に端子26,27の一端部を半田付により電気接合する。駆動回路基板7の取付に際しては、駆動回路基板7の貫通孔45に固定ねじ46の軸部を挿通し、カバー6の雌ねじ孔21に締結する。
次に、電気コネクタ9および制御回路基板8が取り付けられたケース5と、駆動回路基板7が取り付けられたカバー6とを組み付ける。この作業にあたってはコネクタ側の第1通電端子25の一端部を、制御回路基板8の切欠部49を介して駆動回路基板7に実装された電源用の第2通電端子35に対向させる。この状態のままケース5の嵌合溝20にカバー6の嵌合突部23を嵌入させ、両者20,23を嵌合させる。
このとき第1通電端子25の一端部が、嵌合突部23の嵌合溝20への嵌合力により、第2通電端子35の各接続部43間の隙間部44に対して圧入される。すなわち、第1通電端子25の一端部が、両者5,6の組付時に第2通電端子35の各屈曲部42を弾性変形させながら隙間部44に対して圧入し、当該弾性変形した各屈曲部42の復元作用による挟持力をもって各接続部43により挟持された状態となる。したがって、ケース5の嵌合溝20にカバー6の嵌合突部23を嵌入させると同時に、第1通電端子25の一端部が、第2通電端子35の各接続部43間の隙間部44に対し圧入され、各接続部43に挟持されて電気接合することにより、両通電端子25,35が直接的(電気的)に接続される。
このように第2通電端子35を適用したことにより、両通電端子25,35を十分な接続信頼性を持って接続することができる。また、両通電端子25,35において音叉端子を適用する必要がなく、この点で装置の小型化に寄与できる。さらに、第1通電端子25の一端部は単に各接続部43に挟持されて接続、すなわち挿抜自在に接続された構成であるため、両通電端子25,35は互いに電気接合して接続した後であっても容易に挿抜することができ、電子制御ユニット4の電気検査やモータ特性検査を当該挿抜状態で行うことが容易となる。
以上示したケース5とカバー6との組み付け作業時には、例えば図5に示すように各通電端子15の先端部が制御回路基板8に挿通されて、図1に示すようにケース5の左右の開口部16内に収容配置されるため、ケース5とカバー6とを組み付けた後に通電端子15を制御回路基板8に半田付や溶接などで電気接合して接続することができる。この点で、制御回路基板8と駆動回路基板7とを積層した状態で配置することが可能となる。この電気接合作業の後にカバー6のボス部22の貫通孔に固定ねじの軸部を挿通し、該軸部をケース5のボス部19の雌ねじ孔に締結することで両者5,6が接合されて組立が完了する。
そして、このような組立作業後にモータユニット3に電子制御ユニット4が取り付けられる。この作業時にはケース5のジョイント部11を外装部3fの開口部3dに対向させ、その後にジョイント部11を開口部3d内に嵌入させる。このとき各第1通電端子3eの一端部は、ケース5の各開口部14に対向するため、第2通電端子35と同様にジョイント部11の嵌入と同時に、第2通電端子37の各接続部43間の隙間部44に対して圧入され、各接続部43に挟持されて電気接合し、両通電端子3e,37が直接的(電気的)に接続される。この点でも、第2通電端子35を適用した場合と同様に、両通電端子3e,37を十分な接続信頼性を持って接続することができ、装置の小型化に寄与し、また、電子制御ユニット4の電気検査やモータ特性検査を当該挿抜状態で行うことも容易となる。
なお、例えば特許文献1に基づいて通電端子25等を駆動回路基板7に接続する場合には、ワイヤボンディングや溶接のための直流バスバー等を適用して接続することになるが、図6等に示したような構造の通電端子35,37を適用することにより、ワイヤボンディングや溶接のための直流バスバー等は不要となり、この点で特許文献1と比較すると、電子制御ユニットの部品点数が削減され、装置の低コスト化に寄与できるものと言える。また、部品点数の削減により装置の製造工数の簡素化にも寄与でき、作業労力が低減できる。
次に、ボス部3gの貫通孔に固定ねじの軸部を挿通し、該軸部をケース5の雌ねじ孔17に締結することによりモータハウジング3cに電子制御ユニット4が取り付けられている。この場合に前記電動モータとパワーモジュールとが異なる筐体部材(ケース5あるいはカバー6)に固定されているため、それぞれで発生した熱干渉が抑制でき、放熱性の向上に貢献できる。
また、駆動回路基板7の部品配置上、上流側Pの駆動トランジスタ36と下流側Qの駆動トランジスタ36との間に第2通電端子37が配置されているので、前記電動モータのシャフト3aと第2通電端子37との配置干渉を抑制することができる。さらに両駆動トランジスタ36と第2通電端子37との配線距離が短縮可能なため、配線の複雑化も抑制できる。
なお、電子制御ユニット4の組立順序は、特に限定されるものではなく、モータユニット3とケース5とを最初に組み付け、その後にケース5とカバー6とを組みつけてもよいものとする。
≪変形例≫
例えば第2通電端子35,37は、図6等に基づいて前述したように、回路基板7の所定位置のランド部71に接続固定される底面部40と、底面部40の両端側から起立し互いに屈曲部近接方向に屈曲した一対の屈曲部42と、各屈曲部42の先端側に形成され互いに対向して位置する一対の接続部43と、を有し、接続対象である各種端子(例えば第1通電端子25,3eの一端部)を屈曲部42の起立方向側から前記の一対の接続部43間に圧入して電気的に接続できる構成であれば、適宜設計変更することが可能である。
図6等に示した一対の屈曲部42のように、起立部42aと、起立部42aの先端側から屈曲部近接方向に延出した延出部42bと、を有した構造の場合、延出部42bにおいては底面部40と対向して位置することになる。この延出部42bが、図6等に示したように平坦状であり吸引式の自動部品実装機等により吸引できる形状であれば、当該延出部42bを利用して第2通電端子35,37を回路基板7の所定位置に対して自動実装することも可能であり、装置の製造工数の簡素化にも寄与でき、作業労力が低減できる。
底面部40においては、ランド部71に対して電気接合して固定される構成であれば良く、当該底面部40とランド部71との間に対して半田等の導電性結合材(図示省略)を介在させて電気接合(半田付等)した構成や、溶接等により電気接合した構成であっても良い。回路基板7に実装される各種電子部品(平滑コンデンサ38等)が半田等の導電性結合材による電気接合される場合には、その各種電子部品の電気接合作業時に底面部40とランド部とを電気接合(同じ導電性結合材により電気接合)することも可能であり、製造工数の簡素化に寄与でき、作業労力が低減できるものと言える。
底面部40の形状は、ランド部71の形状等に応じて適宜設定することが可能であるが、底面部40の形状が大きくなるに連れて、すなわちランド部71に対する固定支持面積(ランド部71と底面部40との接合面積)が大きくなるに連れて、ランド部71に対する第2通電端子35,37の接続構造はより安定し、例えば接続部43間への第1通電端子25,3eの圧入に対する耐久性も向上することになる。また、電気抵抗低下によるモータ効率が向上したり、発熱の発生が抑制されることにもなる。また、底面部40において肉厚方向に貫通する貫通孔45を形成しておくことにより、導電性結合材を介してランド部71に電気接合する際、液状あるいは半液状等の比較的軟性を有する状態の導電性結合材が貫通孔45に充填され易くなり、その充填された導電性結合材を固化することによりアンカー効果が得られ(充填された導電性結合材がアンカーとして機能し)、接続構造がより安定したものとなる。
ランド部71においては、例えば図8に示すように、両端部71a,71bと中央部71cとの間にマスク72を介在させてマスク領域72aを有した構造にしても良い。このような構造のランド部71に導電性結合材を介して底面部40を電気接合することより、例えば底面部40における両端部40a,40bに端子圧入力が作用し、ランド部71の両端部71a,71bに位置する導電性結合材にクラックが生じたとしても、マスク領域72aにより、当該クラックが中央部71c側の導電性結合材に進展しないように抑制されるため、接続信頼性が維持され易くなるものと言える。
また、図8に示すように、ランド部71の中央部71cにおいて切欠部71dを形成して括れ状にしても良い。この場合、底面部40においても、ランド部71の形状に合わせて、中央部40cに切欠部41を形成して括れ状にしても良い。このような括れ状のランド部71と底面部40との間に介在する導電性結合材において、液状あるいは半液状等の比較的軟性を有する状態となって両者40,71間からはみ出た場合、そのはみ出た分の導電性結合材は切欠部41,71dの位置において表面張力が作用して当該両者40,71間に戻り易い。これにより、底面部40の中央部40cとランド部71の中央部71cとが互いに位置ズレし得る場合であっても、両者40c,71cが一致する方向に変位し易いため、当該位置ズレが抑制できることになる。
第1通電端子25,3eの一端部は、例えば図9に示す一端部90のように、当該一端部90の側端縁側に溝部91を形成することにより、図示Y方向に対して弾性変形し易くしても良い。これにより、端子35,37の各接続部43間の隙間部44に圧入する際の圧入角度が位置ズレした場合であっても、一端部90は図示Y方向に矯正され易く、接続信頼性が得られ易くなる。また、一端部90の先端側に溝部92を形成した場合には、図示X方向やθ方向に対して弾性変形し易くなり、前記の圧入角度が位置ズレした場合であっても、一端部90は図示X方向やθ方向に矯正され易く、接続信頼性が得られ易くなる。なお、第2通電端子35,37においても、例えば図10に示すように、屈曲部42の側端縁側に溝部93を形成しても良く、当該屈曲部42が弾性変形し易くなるため、接続信頼性に貢献できることになる。
第1通電端子25,3eや第2通電端子35,37等は、互いに電気的に接続できるものであれば、種々の材料を適用することが可能である。具体例としては、第1通電端子25,3eにおいて純銅等の導電性材料から成る展延性を有するものを適用したり、第2通電端子35,37においてはリン青銅等の導電性材料から成り弾性を有するものを適用することが挙げられる。
≪その他≫
本発明は、前記実施形態の構成などに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内で変形して実施することができる。例えば本発明は電動パワーステアリング装置1に限らず、自動車の電動ブレーキ装置や内燃機関の可変動弁装置などの電子制御装置(電子制御ユニット)にも適用することができる。
また、ケース5とカバー6の接合によって第1通電端子3eをモータ側端子と結合させることもできる。この手順を説明すれば、まず各端子25〜27の略中央部を樹脂封入した第1コネクタC1〜C3を第2コネクタ28の取付孔29aに挿入して結合させる。この結合後に両者C1〜C3,28間の隙間に接着剤(シール材)を塗布し、該隙間の防水と両者C1〜C3,28の結合力を強化する。
つぎに電気コネクタ9をケース5の開口部10の外周縁に取り付け、かつ第1通電端子3eの一端部を駆動回路基板7の第2通電端子37に結合させておく。この状態のままケース5とカバー6とを組み付ければ、第1通電端子25の一端部が第2通電端子35に結合すると同時に第1通電端子3eの他端部がモータハウジング3c内でモータ側端子と結合する。
なお、前記各実施形態から把握される特許請求の範囲に記載した発明以外の技術的思想について以下に例示する。
[請求項a] 請求項1,2の何れかに記載の電子制御装置において、
ランド部の中央部は、当該中央部に切欠部を形成して括れ状にしたことを特徴とする電子制御装置
[請求項b] 請求項1,2の何れかに記載の電子制御装置において、
底面部は、当該底面部の肉厚方向に貫通した貫通孔が形成されたことを特徴とする電子制御装置。
3…モータユニット
3e,25…第1通電端子(第1端子)
4…電子制御ユニット(電子制御装置)
5…ケース(他方の筐体部材)
6…カバー(一方の筐体部材)
7…駆動回路基板(回路基板)
8…制御回路基板
15…通電端子(通電部材)
35,37…第2通電端子(第2端子)
40…底面部
42…屈曲部
43…接続部
71…ランド部
72…マスク

Claims (2)

  1. コネクタと、
    前記コネクタを固定する第1の筐体部材と、
    前記第1の筐体部材と対向した対置で前記第1の筐体部材へ固定される第2の筐体部材と、を備え、
    前記第1の筐体部材と前記第2の筐体部材の内側に、電子部品を実装した回路基板が収容された電子制御装置であって、
    前記回路基板は、駆動回路基板と制御回路基板とから構成され、
    前記第1の筐体部材に前記制御回路基板が配置され、
    前記第2の筐体部材に前記駆動回路基板が配置されており、
    前記第1の筐体部材に固定される第1端子と、
    前記駆動回路基板に半田付けされる底面部を有する第2端子と、を備え、
    前記第1端子と前記第2端子は、前記第1の筐体部材と第2の筐体部材を互いに固定することによって接続されることを特徴とする電子制御装置。
  2. 前記第1端子は、モータの端子または前記コネクタの端子であることを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
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