JP2017141369A - ゴム組成物、その加硫物及び成形体 - Google Patents

ゴム組成物、その加硫物及び成形体 Download PDF

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Takashi Sunada
貴史 砂田
阿部 靖
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Abstract

【課題】機械的強度が良好で加工安定性にも優れた、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のゴム混合物を有するゴム組成物、その加硫物及び成形体を提供する。【解決手段】クロロプレンゴム60〜95質量%とクロロプレンゴム以外のジエン系ゴム40〜5質量%からなるゴム混合物100質量部と、チオウレア系化合物0.2〜3.0質量部と、硫黄系化合物0.2〜4.0質量部と、を含有するゴム組成物。クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムが、天然ゴムやイソプレンゴム、エチレン−α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体であることが好ましく、硫黄系化合物が4,4‘−ジチオジモルホリン、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールであることが好ましい。本発明のゴム組成物は、伝動ベルトや空気バネ、防振材、ホース等の用途に好適に用いることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、伝動ベルトや空気バネ、防振材、ホース等、ゴム製品の材料として好適な、ゴム組成物に関する。また、その加硫物及び成形体に関する。より詳しくは、ゴム成分としてクロロプレンゴムを含有するゴム組成物、その加硫物及び成形体に関する。
クロロプレンゴムは、機械特性や耐オゾン性、耐薬品性に優れており、その特性を活かして自動車部品、接着剤、各種工業ゴム部品など広範囲な分野に用いられている。また、近年、工業用ゴム部品に要求される性能が著しく高まっており、前述した機械特性や耐オゾン性、耐薬品性の向上に加えて、優れた耐熱性や耐寒性なども求められている。
前述した要求特性を満たすため、一般的にクロロプレンゴムにクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムをブレンドする方法が提案されている。例えば、クロロプレンゴムと天然ゴムをブレンドすることにより、耐寒性を改善する技術(特許文献1参照)や、クロロプレンゴムとエチレン−α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体をブレンドすることにより、耐オゾン性を改善する技術(特許文献2参照)も提案されている。
特開2012−111899号公報 特開2008−195870号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載される技術だけでは、機械的強度や加工安定性などのいずれかが劣るという問題点がある。例えば、クロロプレンゴムにクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムをブレンドしたゴム混合物に硫黄を添加すると、機械的強度は改善されるものの加工安定性が劣ってしまうことが知られている。
そこで、本発明は、機械的強度が良好で加工安定性にも優れた、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のゴム混合物を有するゴム組成物、その加硫物及び成形体を提供することを主目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、クロロプレンゴム60〜95質量%とクロロプレンゴム以外のジエン系ゴム40〜5質量%からなるゴム混合物100質量部と、チオウレア系化合物0.2〜3.0質量部と、硫黄系化合物0.2〜4.0質量部と、を含有するものである。
クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体から選ばれる少なくとも一種のジエン系ゴムであることが好ましく、硫黄系化合物は、4,4‘−ジチオジモルホリン、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールから選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが好ましい。
本発明に係る加硫物は、前述したゴム組成物を加硫したものである。また、本発明に係る成形体は、前述した加硫物からなるものであり、この成形体は、伝動ベルト、空気バネ、防振材、ホース等である。
本発明のゴム組成物は、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムをブレンドしたゴム混合物に、特定量のチオウレア系化合物と硫黄系化合物を配合したものであり、機械的強度が良好で、かつ加工安定性にも優れたゴム組成物を得ることができる。ゴム組成物は、加硫物や成形体とすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(ゴム組成物)
ゴム組成物は、(1)クロロプレンゴムと(2)クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムからなる(3)ゴム混合物と、(4)特定のチオウレア系化合物と、(5)硫黄系化合物を含有するものである。
(1)クロロプレンゴム
ゴム成分を構成するクロロプレンゴムは、クロロプレンを主成分とする原料単量体を重合した後、必要に応じて洗浄や乾燥を行うことにより得られるものである。クロロプレンゴムには、重合反応の生成物であるクロロプレン単独重合体又はクロロプレンと他の単量体との共重合体の他に、重合時に添加された乳化剤、分散剤、触媒、触媒活性化剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤などが含まれている場合がある。
クロロプレンゴムは、クロロプレンの単独重合体の他に、クロロプレンとこれに共重合可能な単量体との共重合体がある。クロロプレンと共重合可能な単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレート類、並びに2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、スチレン及びアクリロニトリルがある。
クロロプレンと共重合させる単量体は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせ使用してもよい。クロロプレン重合体のポリマー構造も、特に限定されるものではない。
クロロプレンゴムは、硫黄変性クロロプレンゴムと非硫黄変性クロロプレンゴムに大別され、更に非硫黄変性のものは、分子量調整剤の種類によって、メルカプタン変性クロロプレンゴムとキサントゲン変性クロロプレンゴムとに分類される。硫黄変性クロロプレンゴムは、クロロプレンを主成分とする原料単量体と硫黄を共重合し、得られた共重合体をチウラムジスルフィドで可塑化して、所定のムーニー粘度に調整したものである。
メルカプタン変性クロロプレンゴムは、分子量調整剤に、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン及びオクチルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類を使用することにより得られるものである。キサントゲン変性クロロプレンゴムは、分子量調整剤に、アルキルキサントゲン化合物を使用することにより得られるものである。そして、本実施形態のゴム組成物に配合されるクロロプレンゴムは、前述した各種クロロプレンゴムのいずれでもよいが、特にメルカプタン変性クロロプレンゴムやキサントゲン変性クロロプレンゴムが好適に用いられる。
クロロプレンゴムは、その結晶化速度に基づいて、例えば、結晶化速度が遅いタイプ、結晶化速度が中庸であるタイプ及び結晶化速度が速いタイプなどに分類することもできる。そして、本実施形態のゴム組成物は、前述した各タイプのクロロプレンゴムのいずれを用いてもよく、用途などに応じて適宜選択して使用することができる。
クロロプレンゴムを製造する方法は、特に限定するものではないが、原料単量体を、乳化剤、重合開始剤及び分子量調整剤などの存在下で、一般に用いられる乳化重合法により重合させればよい。その際、乳化剤には、一般にクロロプレンの乳化重合に使用される、炭素数が6〜22の飽和又は不飽和の脂肪族のアルカリ金属塩、ロジン酸又は不均化ロジン酸のアルカリ金属塩及びβ−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩などを用いることができる。
重合開始剤は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素及びtert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類を用いることができる。
乳化重合する際の重合温度は、特に限定されるものではないが、生産性及び重合安定性の観点から、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。また、単量体の最終転化率も、特に限定されるものはないが、生産性の観点から、60〜90%の範囲とすることが好ましい。
最終転化率が所定の範囲に達した時点で、重合液に重合禁止剤を少量添加して重合反応を停止させる。重合禁止剤としては、チオジフェニルアミン、4−tert−ブチルカテコール及び2,2−メチレンビス−4−メチル−6−tert−ブチルフェノールなどを用いることができる。重合反応後は、スチームストリッピング法などによって未反応の単量体を除去した後、ラテックスのpHを調整し、常法の凍結凝固、水洗及び熱風乾燥などの方法により、重合体を単離することができる。
(2)クロロプレンゴム以外のジエン系ゴム
クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムは、得られるゴム組成物の機械特性や耐オゾン性、耐寒性などを向上させるために配合するものである。ゴム組成物に配合させるクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムは、特に限定されるものではないが、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体などがあり、特に天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が好適である。これにより、ゴム組成物の耐オゾン性や耐寒性を更に向上させることができる。これらのジエン系ゴムは、単独で使用してもよく、複数を組み合わせ使用してもよい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体におけるα−オレフィンは、特に限定されるものではないが、加工性の観点から、炭素数が3〜20のα−オレフィンが好ましい。炭素数が3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン及び1−デセンなどがある。
これらのα−オレフィンの中でも、加工性と耐熱性の物性のバランスの観点から、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を構成するα−オレフィンは、1種には限定されず、2種以上のα−オレフィンが共重合されていてもよい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を構成する非共役ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロオクタジエン及び1,5−シクロオクタジエンなどの環状ポリエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、4−エチリデン−1,6−オクタジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、7−エチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン及び6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエンなどの炭素数が6〜15の内部不飽和結合を有する鎖状ポリエン、並びに1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,12−トリデカジエン及び1,13−テトラデカジエンなどのα,ω−ジエンがある。
これらの非共役ポリエンの中でも、架橋効率の観点から、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、7−メチル−1,6−オクタジエン及び5−メチル−1,4−ヘキサジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネンが特に好ましい。なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を構成する非共役ポリエンは、1種には限定されず、2種以上の非共役ポリエンが共重合されていてもよい。
前述したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、気相重合法、溶液重合法及びスラリー重合法などの従来公知の方法により、エチレンとα−オレフィンや非共役ポリエンを共重合させることで製造することができる。
天然ゴムやイソプレンゴムについては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
(3)ゴム混合物
ゴム混合物は上述の(1)クロロプレンゴムと(2)クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを、クロロプレンゴム60〜95質量%とクロロプレンゴム以外のジエン系ゴム40〜5質量%の割合でブレンドしたものである。クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの配合量が5質量%未満の場合は、クロロプレンゴムの機械特性や耐オゾン性、耐寒性などを向上させる効果が小さく、配合量が40質量%を超えると、クロロプレンゴムとの相容性が低下して、加硫しにくくなり、機械的強度が低下する場合がある。
クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムをブレンドするには、一般にクロロプレンの混練作業に用いるオープンロールやバンバリーミキサー、ニーダーなどの混練装置を用いて混練すればよい。
(4)チオウレア系化合物
チオウレア系化合物は、クロロプレンゴムの架橋密度を上げ、機械特性を向上させるための加硫促進剤である。
チオウレア系化合物の添加量は、ゴム成分100質量部あたり0.2質量部未満の場合、十分な架橋密度が得られず、機械的強度等が低下してしまう。チオウレア系化合物の添加量が、ゴム成分100質量部あたり3.0質量部を超えると、加硫速度が速くなり、成形時における加工特性が低下する。ここで、加工特性とは、「加工安定性」とも言われ、スコーチタイムにより評価される。加工安定性は、不良発生率に大きく影響し、例えばスコーチタイムが短いと、高温での成形中に未加硫配合物が加硫されて成形不良が発生する頻度が高くなる。よって、チオウレア系化合物の添加量は、ゴム成分100質量部あたり、0.2〜3.0質量部とする。
チオウレア系化合物としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレアなどが挙げられる。これらのチオウレア系化合物は、1種には限定されず、2種以上を併用してもよい。
(5)硫黄系化合物
硫黄系化合物も加硫促進剤であり、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを共加硫させ、機械的強度を向上させるために配合するものである。硫黄系化合物の添加量が、ゴム成分100質量部あたり0.2質量部未満の場合、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムとの共加硫が不十分となり、機械的強度が低下する。また、4.0質量部を超えると、加硫速度が遅く加硫が不十分となり、機械的強度が低下する。よって、硫黄系化合物の添加量は、ゴム成分100質量部あたり0.2〜4.0質量部とする。
硫黄系化合物としては、4,4‘−ジチオジモルホリン、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられるが、特に4,4‘−ジチオジモルホリン、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールが好適である。これらの硫黄系化合物は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせ使用してもよい。
本実施形態のゴム組成物には、前述した効果が損なわれない範囲で、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば、充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤、加工助剤などを配合することができる。
充填剤及び補強剤は、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどがある。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートなどがある。
老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、カルバミン酸金属塩、フェノール系老化防止剤、ワックスなどを使用することができ、これらは単独のみならず併用することもできる。これらの老化防止剤のなかでも、アミン系老化防止剤である4,4‘−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどを用いると、ゴム組成物の耐熱性を向上させることができる。
軟化剤としては、潤滑油、プロセルオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルトなどの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油などの植物油系軟化剤を使用することができ、これらは単独のみならず併用することもできる。
加硫剤としては、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリブテン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケル、コバルト、オスミウムなどの金属単体、及びこれらの酸化物や水酸化物などを使用することができる。これらの金属化合物のなかでも、特に酸化カルシウムや酸化亜鉛、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、酸化マグネシウムが、加硫効果が高いため好ましい。なお、これらの加硫剤は2種類以上を併用して用いてもよい。
本実施形態のゴム組成物は、通常のゴム組成物と同様の方法で製造することができる。具体的には、ゴム成分(クロロプレンゴム、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴム)、チオウレア系化合物、硫黄系化合物及びその他の成分を、ニーダー、バンバリー又はロールなどの混練り機によって、加硫温度以下の温度で混練することにより得られる。
以上詳述したように、本実施形態のゴム組成物は、ゴム成分としてクロロプレンゴムに特定量のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを配合すると共に、特定量のチオウレア系化合物及び硫黄系化合物を配合しているため、機械的強度や加工安定性を低下させることなく、耐オゾン性や耐寒性などを向上させることができる。これにより、機械的強度や加工安定性に優れた加硫物が得られるゴム組成物を実現することができる。
(加硫物)
加硫物は、前述したゴム組成物を、目的に応じた形状に成形加工して加硫したものである。ゴム組成物の加硫方法は、特に限定されるものではなく、成形中又は成形後に、例えばプレス加硫、インジェクション加硫、直接釜加硫、間接釜加硫、直接蒸気連続加硫、常圧連続加硫又は連続加硫プレスなどの加硫方法により、加硫すればよい。
加硫温度及び加硫時間などの加硫条件も、特に限定されるものではなく、適宜設定することができるが、生産性及び加工安定性の観点から、加硫温度は130〜200℃とすることが好ましく、140〜190℃とすることがより好ましい。ここで、「加工安定性」とは、スコーチタイムにより評価される加工特性であり、不良発生率に大きく影響する。具体的には、スコーチタイムが短いと、高温での成形中に未加硫ゴム成分が加硫されて成形不良が発生する頻度が高くなる。
加硫物は、前述したム組成物を使用しているため、耐オゾン性や耐寒性などが良好で、機械的強度や加工安定性にも優れる。
(成形体)
成形体は、前述したゴム組成物を、目的に応じた形状に成形加工して加硫して得たものである。その成形方法は、特に限定されるものではないが、プレス成形、射出成形及び押出成形などを適用することができる。そして、例えば、成形体が伝動ベルト、空気バネ、防振材、ホースなどである場合は、プレス成形や射出成形、押出成形により形成することができる。
成形体は、前述したゴム組成物を使用しているため、耐オゾン性や耐寒性などが良好で、機械的強度や加工安定性にも優れる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。各実施例及び比較例のゴム組成物は、各成分を表1または表2に示す組成で配合した後、8インチロールを用いて混練して作製したものである。得られたゴム組成物は、加硫して加硫物としその性能を評価した。
Figure 2017141369
Figure 2017141369
表1及び表2に示す各配合成分は、以下の通りである。
(クロロプレンゴム)
・メルカプタン変性クロロプレンゴム(電気化学工業株式会社製 M−40)
(ジエン系ゴム)
・エチレン・プロピレン・ジエンゴム(三井化学株式会社製 EPT 4045)
・天然ゴム(SMRCV60)
・イソプレンゴム(JSR株式会社製 JSR IR2200)
(チオウレア系化合物)
・トリメチルチオウレア(大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーTMU)
(硫黄系化合物)
・4,4‘−ジチオジモルホリン(大内新興化学工業株式会社製 バルノックR)
・2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(大内新興化学工業株式会社製
ノクセラーMDB)
(滑剤・加工助剤)
・ステアリン酸(新日本理化株式会社製 ステアリン酸50S)
(老化防止剤)
・オクチル化ジフェニルアミン(大内新興化学工業株式会社製 ノクラックAD−F)
(カーボンブラック)
・カーボンブラックFEF(旭カーボン株式会社製 旭#60)
(可塑剤)
・ジオクチルセバケート(新日本理化株式会社製 サンソサイザーDOS)
(酸化マグネシウム)
・MgO(協和化学工業株式会社製 キョーワマグ150)
(加硫促進剤)
・ZnO(堺化学工業株式会社製 酸化亜鉛2種)
・テトラメチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーTT)
<評価>
前述した方法で作製した実施例1〜10及び比較例1〜5の各ゴム組成物を、以下に示す方法及び条件で評価した。
(加工安定性(スコーチタイム))
実施例及び比較例の各ゴム組成物について、JIS K 6300に基づいて、125℃におけるスコーチタイムを測定した。なお、スコーチタイムが7分以上のものを、加工安定性が良好(○)とした。
(機械的強度(TB))
JIS K 6250に基づいてテストピースを作製し(加硫条件:160℃×15分間)、JIS K 6251に基づいて引張試験を行い、各加硫物の機械的強度を測定した。15MPaを超えたものを合格(○)とした。
上記表1に示すように、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの配合量が40質量部を超えている比較例1は、機械的強度が劣っていた。
また、硫黄系化合物の添加量が、ゴム成分100質量部あたり0.2質量部未満である比較例2は、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムとの共加硫が不十分となり、機械的強度が劣っていた。一方、硫黄系化合物の添加量が4.0質量部を超えている比較例3は、加硫速度が遅く加硫が不十分となり、機械的強度が劣っていた。
更にチオウレア系化合物の添加量が、ゴム成分100質量部あたり0.2質量部未満である比較例4は、クロロプレンゴムの加硫が不十分となり、機械的強度が劣っていた。一方、チオウレア系化合物の添加量が、ゴム成分100質量部あたり3.0質量部を超えている比較例5は、加硫速度が速くなり、成形時における加工特性が低下し、サンプルを作製することができなかった。
これに対して、クロロプレンゴムとクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの合計100質量部あたり、クロロプレンゴム60〜95質量部とクロロプレンゴム以外のジエン系ゴム40〜5質量部を有し、かつ、チオウレア系化合物を0.2〜3.0質量部、硫黄系化合物を0.2〜4.0質量部を配合した、実施例1〜8では、機械的強度や加工安定性を低下させることなく、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムをブレンドしたゴム組成物を得られることが確認された。

Claims (6)

  1. クロロプレンゴム60〜95質量%とクロロプレンゴム以外のジエン系ゴム40〜5質量%からなるゴム混合物100質量部と、チオウレア系化合物0.2〜3.0質量部と、硫黄系化合物0.2〜4.0質量部と、を含有するゴム組成物。
  2. 前記クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムが、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体から選ばれる少なくとも一種のジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記硫黄系化合物が、4,4‘−ジチオジモルホリン、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールから選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載したゴム組成物を加硫した加硫物。
  5. 請求項1〜3いずれか一項に記載したゴム組成物を成形後または成形時に加硫して得た成形体。
  6. 伝動ベルト、空気バネ、防振材、ホースであること特徴とする請求項5の成形体。
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