JP2017141064A - 脱気機構付き袋 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献3には、袋の開口部に底部と平行な溶着部(二重シール部)を設けた袋がある。その二重シール部には未溶着部分(空気孔)が互い違いになるように形成している。
発酵が終了した後、空気抜きの穴から水分が入ると中身が黴びるため、発酵が終わった袋は穴をふさぐ為にテープやステッカーなどを1袋ずつ手作業で貼り、穴を塞いでいた。例えば、一度積み付けした袋の穴を塞ぐ為には、荷崩れ防止などのために保管時に巻いていたストレッチフィルムを一旦剥がして、穴を塞ぐ作業を行い、出荷前に再度ストレッチフィルムを巻くことが行われていた。
しかし、一般に、未溶着部が小さいと素早く脱気を行うことができず、内容物の充填作業を遅らさせる一因となる。一方で、未溶着部が大きいと、内容物の流出や、外部から水やごみが進入する一因となる。このように、脱気を素早く行うことと、内容物の流出や、外部からの水やごみの進入を防止することとは相反する。
また、通常、内容物の充填作業では、充填を促進させるために、袋を吊り下げた状態で充填途中の袋の底部をシリンダでたたく。しかしながら、通気路が底部に設けられていると、通気の妨げになり充填作業を阻害する可能性がある。
さらに、前記弁機構の脱気用の孔から水が進入する可能性がある。
また、収納部から抜かれる気体などの通気の方向を例えば袋の幅方向に延ばすと、幅方向に大きなスペースを必要とする。また、溶着部が長くなるから製造に手間がかかる。
(2)このような脱気機構付き袋は、前記シール部のうち収納部側のシール部の少なくとも一端に未接合部が形成され、隅部側のシール部の他端が底部あるいは側部に達していることを特徴としている。
ここで、角部位とは、偏平に折り畳まれた袋の側部と底部を連結する部位を含み、尖っていたり、いくらか湾曲していてもよい。
また、接合とは、接着および溶着を含む概念である。
その上で、シール部は斜めに形成されているので、内容物の充填により袋が拡がり、袋に縦および横方向の力が加わっても、通気路および通気路の開口付近を拡げるような力をシール部で支持することができる。このため、内容物の通気路への移動をいくらか防止できる。
さらに、斜めのシール部を袋の隅部に設けているので、内容物の材質、形状など、さらには必要とされる脱気の具合を加味して、必要な長さの通気路を袋内にデットスペースを作らないで形成できる。このため、脱気機構を設けたにもかかわらず、収納スペースを大きくすることができる。
さらに、袋の幅方向の通気路を無理に形成しなくてもよいので、接着部が長くならず、構成が簡易である。
さらに、通気路が隅部に設けられているので、袋を吊り下げた状態で充填途中の袋の底部中央付近をシリンダでたたきながら、脱気するのが容易である。
さらに、シリンダでたたいたり、床面に袋をたたきつけて、充填を促しても、内容物の自重で脱気機構の接合部が剥がれるなどの不具合を防止できる。
すなわち、内容物が充填されて袋が立体的な形状になると、折り畳まれた袋の側部および底部が開いて袋の側面および底面を形成する。その形成された側面と底面とが連結する近辺には、しわや折り目が発生しやすい。
そのしわや折り目の一例として、収納部側のシール部(5)の未接合部付近(5a)の底部の上下のシート(17、18)は互いに拡がってほぼ平坦な底部を形成しつつ、未接合部(5b)を塞ぐように収納部側のシール部の一端部(5c)に近づく。このため、非接合部を大きくして脱気を促進させても、内容物の流出をいくらか防止することができる。
また、袋の両隅に脱気機構を設けたにもかかわらず、収納部のスペースが大きい。
さらに、吊り下げた袋に内容物を充填する際に、底部の中央付近をたたきながら左右の通気路からほぼ均等に脱気をすることができるので、充填作業の効率が一層高い。
また、内部に湿気がある場合、シートの内周面が一層密着しやすくなり、外部からの水分やゴミなどの混入をさらに一層防止できる。
「1.概略説明」
まず図2を用いて本発明の脱気機構付き袋の概略を説明する。その袋10は、例えばインフレーション加工などで形成された筒体から形成されている。その筒体は扁平に折り畳まれ、帯状の部材11とされる。その帯状の部材は所定の長さにカットされ、後端の底部12となるべき部位がヒートシールで閉じられる。その閉じられた袋の内部は内容物19を収納するための収納部13であり、前端は内容物19を投入するための開口部14である。その袋の底部の角部15近辺に収納部13内の気体を外部へ脱気するための脱気機構1が設けられている。
なお、帯状の部材11の側方の折り畳まれている部位は側部16、16であり、折り畳まれて重なり合った2枚のシートのうち、図の上側のものが上シート17で、下側のものが下シート18である。
なお、本実施形態では底部の両端にそれぞれ脱気機構1が設けられている。
なお、前記第1シール部5の両端には、未溶着部5a、5bが設けられている。側部16側に設けられているのが外未シール部5aであり、底部12側に設けられているのが内未シール部5bである。さらに、前記第2シール部6の中央付近には、未溶着部(中未シール部)6aが設けられている。本実施形態では未溶着部5a、5bおよび6aの長さは同じにされているが、異なるようにしてもよい。
このような通気路2の幅Lは例えば10〜40mmであり、好ましくは20〜30mmである。また、その長さは例えば10〜40mmであり、好ましくは〜30mmである。
さらに、前記シール部5、6の太さは例えば3〜5mmであり、好ましくは約3mmである。シール5と6の間隔は20mm〜30mmであり、30mm程度が好ましい。
未溶着部5a、5b、6aの長さは例えば10〜40mmであり、好ましくは20〜30mmである。
なお、前記切れ込みは上下どちらかのシートに形成されていてもよい。さらに十字状の切れ込みでもよい。さらに、そのようなY字あるいは十字状の切れ込みは、通気路6aから離れた位置に形成してもいし、袋の角に近く通気路6aと角を結ぶ線上に開けてもよい。なお、連通部3として単に孔を形成してもよい。
本発明の袋10に包装される内容物19は、粉粒体であるなら、例えば樹脂ペレット、化学肥料、化学製品、食品、ペットフード、穀物、セメントなどである。さらに、細長い部材や繊維状の部材を含むものであるなら、例えば、培土、肥料、発酵飼料、食品などである。その他、不定形の部材を含むものでもよいし、定形の部材と不定形な部材とを混合したものでよい。
図3aに示すように、前記袋10に前記内容物19を充填すると(図2参照)、前記シート17、18は矢印B方向に拡がりながら、折り線33を生じ、その折り線をほぼ中心にして折り畳まれ、ほぼ平坦な底部を形成する。このとき底部側の非接合部5b付近の底部の上下のシート17、18はシール部5の一端部5cに近づく。なお、その折り線33の始点は第2シール部の溶着部6と底部との接点付近33a付近(始点)である。
図3bに示すように、底部の形成に伴う非接合部5b付近の袋内に形成される開口34は横方向(図中の矢印B方向)に細長い形状になり、閉じるあるいはほぼ閉じる。このため、その開口34付近で内容物は流れにくい、あるいは、閉塞したような状態にある。従って、脱気性を向上させ、かつ、内容物の流出を防止することができる。
図3cでは、通気路2の非接合部5b付近には、細長い菱形(開口34)を底辺とし、頂点を前記始点33a近辺とする四角錐状の空間35が形成されている。なお、前記頂点はいくらか尖った形状の他、滑らかな球面のような形状などになることもある。さらになお、前記始点33aの位置は、非接合部に形成されることもある。
前記空間35に内容物が満たされると、この空間を形成する上下のシート17、18の内面で内容物の圧力(粉体圧などを含む)を受け止めることができる。このため前記通気路2をこじ開けるほどの力(粉体圧などを含む力)は生じにくい。
次に、図4を用いて脱気機構付き袋10を使用する方法の一例を説明する。
(S1):前記脱気機構付き袋10は開口部14が上方を向くように吊り下げられており、その開口部へ上から内容物19が投入される。
(S2):次いで、内容物の充填中にシリンダ36により袋の底部の中心付近を所定のタイミングでたたきながら、さらに充填を行う。前記シリンダでたたきながら、通気路2から脱気ができるので、充填作業の効率が高い。
あるいは、人の手で空気を袋の隅部4の孔へ向かって追い出すように、例えば袋を上から押圧する。このとき押圧により、内部の空気と共に内容物19も移動するが、内容物19は前記第1シール部5で受け止められる。
例えば、内容物が発酵飼料であると、充填中は勿論、充填後も一定期間(2週〜4週)発酵が継続する間はガスが放出され続け、通気路2を通って袋外に継続してガスが排出される。この排出される間、Y字状の切れ込み3は、弁の働きをする。すなわち内圧がかかった時には切れ込みの間の片3aがわずかに開き、圧力が無くなると弾性で閉じる。このため、一層袋内へのゴミや雑菌の混入を防止することができる。
図2に戻って、脱気機構付き袋10の製造方法の一例を説明する。その製造方法20は、押し出し機により押し出し成形したチューブに圧縮空気を吹き込んで膨張させ、細長く太い筒体21に成形するインフレーション工程22と、得られた筒体21を扁平に折り畳み、袋の予め定められた位置に印刷機により特定のデザインを印刷する印刷工程23と、袋10の隅部になるべき部分に第1シール部5および第2シール部6を形成する迷路シール工程24aと共に、孔3をあける孔あけ工程24bと、筒体21を規定の長さにカットするカット工程25と、そのカットされた袋の底部になるべき部位をボトムシーラーに挿入し、ヒートシールして閉じるボトムシール工程26とからなる。
これらの迷路シール工程24a、孔あけ工程24b、カット工程25およびボトムシール工程26は製袋機で行われる。
例えば、前記迷路シール工程24aは、第1シール部5および第2シール部6の形状に予め加工した左右一組の図示しない熱板を用意し、前記原反を間欠移動させて行う。その原反が停止している間に前記熱板を原反へ押し付けるように下降させ、シールする。そのシール位置は、印刷工程23で印刷されたマークまたは印刷模様の位置に基づいて決めてもよい。前記熱板の形状を変更することにより、3段のシール部や波型のシール部を形成してもよい。
なお、迷路シール工程24aと孔あけ工程24bは別々に行ってもよい。
使用した袋は2種類であり、第1シール部5の非接合部5a、5bおよび第2シール部6の未接合部6aの長さを変えたものである。すなわち非接合部5a、5b、6aの長さを30mm、20mmとした2種類である。
それ以外の部分は共通するので、共通する部分の説明を一緒に行い個別の説明を省略する。使用した袋は、長さ800mm、幅550mm、厚み0.12mmである。その材質は、ポリエチレンである。第1シール部5と第2シール部6が成す角度αは約45°である。また第1シール部5と第2シール部6の間隔は30mmである。各シール部5、6の幅は約5mmである。前記Y字状の切れ込みの1辺は3mmである。
この脱気機構付き袋10に飼料を入れ、空気を抜き、縦横5袋に並べて1段とし、それらを10段に積載して、2〜4週間畑に放置した。時間の経過と共に、飼料からは発酵によりガスが発生する。そのガスは脱気機構1から外部に放出され、そのガスによる袋の膨張が防止され、荷崩れはおきなかった。また、脱気機構1を介して外部から水や不純物が入り込むことによる隅部4におけるカビの発生は見られなかった。
さらに、前記袋を5×10段に積載した積載物の周囲をストレッチフィルムで巻くことにより、隅部4が屈曲あるいは湾曲された状態で固定され、さらに外部からのゴミや雑菌の混入を防止する効果を高めることが確認できた。
(第2実施形態)
次に、図5を用いて、本発明の脱気機構付き袋の第2実施形態を説明する。この袋30は図1に示す袋10とほぼ同じであるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
この脱気機構付き袋27では、未溶着部が互い違いに形成されている。図5に示すように、底部12側の内未シール部5bのみ形成され、側部16側の外未シール部5aは形成されていない。その部分には、前記第1シール部5が延長されている。
また、第2シール部7の未溶着部6aは前記内未シール部5bと反対側に設けられている。これにより、互い違いな通気路2が形成される。
なお、図示していないが、未溶着部6aを真ん中に設けてもよい。
次に、図6a、図6b、図6c、図6dを用いて、本発明の脱気機構付き袋の第3実施形態を説明する。これらの実施形態では通気路2に連通する他の通気路2aが形成されている。また、これらの袋は上述した袋10、27とほぼ同じであるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
図6aに示す袋28aでは、袋10の通気路2に対し、その隅部4側に間隔を空けて平行に第3シール部29が設けられている。その第3シール部29の両端には未溶着部29a、29aが形成されている。
一方、図6bに示す袋28bでは、通気路2の収納部側に第3シール部29が設けられている。その第3シール部29の真ん中に未溶着部29aが形成されている。
さらに、図6cの袋30aでは脱気機構付き袋27の通気路2に対し、通気路2の収納部側に第3シール部29を設けている。この第3シール部29の側部側に未シール部29aが形成されている。
一方、図6dに示す袋30bでは、通気路2の隅部側に第3シール部29を設けている。その第3シール部29の底部側に未溶着部29aが形成されている。
図7aに示す袋31では、袋10の通気路2の収納部側に1つ以上の未溶着部29が形成された第3シール部29が形成されている。
また図7bの袋32には、袋20の通気路2の収納部側に1つ以上の未溶着部29aが形成された第3シール部29が形成されている。
なお、図7a、図7bにおいて、第3シール部29は、通気路2の隅部4側に設けてもよい。
前記第1シール部6はまっすぐな形状でもよいが、袋内に内容物19が溜まらない程度に湾曲あるいは屈曲させた形状でもよい(図8a、図8b参照)。
前記第2シール部7は第1シール部6と平行に配置されほぼ同じ形状であるのが好ましい。しかし、異なる形状であってもよい。
図示していないが、前記第3シール部29を通気路2の手前および隅部4側に設けてもよく、シール部が全体として4本以上設けてもよい。
これらのシール部の本数、通気路2の幅や長さ、未溶着部の幅、第3シール部31の未溶着部31aの個数、前記連通部3の個数や大きさは、脱気の量や、発酵などで発生する気体の量に応じて変更することができる。
本実施形態では、シール部を形成するのに、袋の外部にある熱源から、熱伝導によって加熱し熱溶着しているが、高周波誘電加熱法を用いて高周波溶着したり、超音波振動を被加熱物に伝えて超音波溶着するものであってもよい。さらに接着剤を用いて接着してもよい。
2 通気路
2a 第2通気路
3 連通部(Y字状の切れ込み)
4 隅部
5 溶着部(第1シール部)
5a 未溶着部(外未シール部)
5b 未溶着部(側未シール部)
5c 一端部
6 溶着部(第2シール部)
6a 未溶着部(中未シール部)
10 脱気機構付き袋(第1実施形態)
11 帯状の部材
12 底部
13 収納部
14 開口部
15 角部
16 側部
17 上シート
18 下シート
19 内容物
20 製造方法
21 筒体
22 インフレーション工程
23 印刷工程
24a 迷路シール工程
24b 孔あけ工程
25 カット工程
26 ボトムシール工程
27 脱気機構付き袋(第2実施形態)
28a 脱気機構付き袋(第3実施形態)
28b 脱気機構付き袋(第3実施形態)
29 第3シール部
29a 未溶着部
30a 脱気機構付き袋(第3実施形態)
30b 脱気機構付き袋(第3実施形態)
31 脱気機構付き袋(第3実施形態)
32 脱気機構付き袋(第3実施形態)
33 折り線
33a 始点
34 開口
35 空間
36 シリンダ
α 角度
L 通気路の幅
Claims (8)
- 合成樹脂製の筒体を扁平に折り畳むことで重なり合った上下2枚のシートからなる帯状の部材の一端を閉じて底部とすると共に、その内部が仕切られて形成される収納部と、その収納部の気体を外部へ脱気するための脱気機構とを設けた脱気機構付き袋であって、
前記脱気機構が、前記収納部に連通すると共に前記帯状の部材の底方から側方に向けて斜めに延設されている通気路と、その通気路に連通し、袋の角部位を含むと共に外部に連通する連通部が形成された隅部とからなり、
前記通気路が、前記帯状の部材の向かい合う上下のシートの内面同士を接合して併設された2本のシール部によって形成されている、脱気機構付き袋。 - 前記シール部のうち収納部側のシール部の少なくとも一端に未接合部が形成され、隅部側のシール部の他端が底部あるいは側部に達している、請求項1記載の脱気機構付き袋。
- 前記収納部側のシール部の両端に未接合部が形成されることにより、前記通気路がその両端付近で収納部と連通しており、
前記隅部側のシール部の中央付近に未接合部が形成されることにより、前記通気路が中央付近で隅部に連通している請求項1または2記載の脱気機構付き袋。 - 前記収納部側のシール部の一端に未接合部が形成されることにより、前記通気路の一端が収納部と連通しており、
前記隅部側のシール部の他端に未接合部が形成されることにより、前記通気路が他端で隅部に連通している請求項1記載の脱気機構付き袋。 - 前記連通部が少なくとも1枚のシートを十字あるいはY字状に貫通したものである、請求項1、2、3あるいは4のいずれかに記載の脱気機構付き袋。
- 前記脱気機構が袋の底部の両端の隅部に設けられている請求項1、2、3、4あるいは5のいずれかに記載の脱気機構付き袋。
- 前記通気路の収納部側あるいは隅部側に第3シール部が併設されており、
そのシール部に前記収納部あるいは隅部に通じる未接合部が形成されている、請求項1、2、3、4、5あるいは6のいずれかに記載の脱気機構付き袋。 - 前記収納部に収納される内容物が、その収納部内で発酵するものである、請求項1、2、3、4、5、6あるいは7のいずれかに記載の脱気機構付き袋。
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KR102523634B1 (ko) * | 2022-05-02 | 2023-04-18 | 안상환 | 사료 및 비료용 진공포대 |
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