本発明が適用された実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、スロットマシン1の上部を形成する機種固有の遊技ユニット1aと、各機種間で共通とされ、スロットマシン1の下部を構成する共通ユニット200と、から構成されており、遊技ユニット1aを他の機種のものと交換することにより、複数種類のスロットマシン1とすることができるようになっている。
遊技ユニット1aは、前面が開口する筐体1bと、この筐体1bの側端に回動自在に枢支された前面扉1cと、から構成されている。
遊技ユニット1aの筐体1bの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1cに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合があり、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
遊技ユニット1aの前面扉1cの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
遊技ユニット1aの前面扉1cには、図1に示すように、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56、後述する投入装置61による1の投入数に対応する1単位の投入動作(発射動作ともいう)を実行させる際に操作される投入スイッチ62aと、自動的に1単位の投入動作を繰り返し実行させる自動投入状態への移行や自動投入状態を終了させる際に操作される自動投入スイッチ62bが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例の自動投入スイッチ62bは、図1に示すように、操作ボタンが突出しているOFF状態において押下することにより、操作ボタンが没しているON状態となるとともに、操作ボタンが没しているON状態において押下することにより、操作ボタンが突出しているOFF状態に変化することが可能なボタンスイッチであり、操作ボタンの状態によって、自動投入状態となっているか否かを遊技者が認識できるようになっている。尚、本実施例の自動投入スイッチ62bは、OFF状態からON状態の変化については、押下の操作が必須であるのに対し、ON状態からOFF状態の変化については、後述するように、自動投入状態が終了される時に共通制御部201aの制御によって、操作ボタン内部のスプリングの伸長を規制しているロック機構が解除されることにより、押下の操作が無くても変化するようになっており、これら操作ボタンの状態と自動投入状態とが一致するようになっている。また、自動投入スイッチ62bは、ON状態またはOFF状態に変化するときにおいて、該自動投入スイッチ62bから共通制御基板201に対して信号を出力する。
また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの右側位置には、図1に示すように、内設されている投入装置61の内部のパチンコ球を遊技者が視認可能とするための透明窓61aが設けられている。尚、本実施例では、投入装置61、透明窓61a並びに投入スイッチ62a、自動投入スイッチ62bを遊技ユニット1aに設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入装置61、透明窓61a、投入スイッチ62a並びに自動投入スイッチ62bの少なくとも一部を共通ユニット200側に設けるようにしてもよい。
尚、本実施例では、これら投入装置61、投入スイッチ62a並びに自動投入スイッチ62bを、図3に示すように、共通ユニット200の共通制御基板201に接続した形態、つまり、投入スイッチ62aや自動投入スイッチ62bの操作検出や、投入装置61の動作制御を共通制御基板201にて行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入装置61や投入スイッチ62aや自動投入スイッチ62bを、遊技制御基板40に接続して、投入スイッチ62aや自動投入スイッチ62bの操作検出や、投入装置61の動作制御を、該遊技制御基板40が実行するようにしてもよい。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、遊技ユニット1aの前面扉1cには、図1に示すように、後述する遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉を使用して投入装置61が1単位の投入動作を実行した回数である投入数が表示される投入数表示器11、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉に入賞の発生により加算される付与遊技玉数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1以上設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2以上設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。また、遊技ユニット1aの前面扉1cには、図1では特に図示しないが、演出効果LED52、スピーカ53、54(図3参照)が設けられている。
尚、本実施例では、MAXBETスイッチ6のみを設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1ベットスイッチを設けるようにしても良い。また、本実施例では、MAXBETスイッチ6のみを設けることで賭数3のみが設定可能とされ、該MAXBETスイッチ6が操作されて賭数3が設定されているときに、3BETLED16とともに1BETLED14と2BETLED15とが点灯することで、賭数3であることを遊技者が認識し易くした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3BETLED16のみを設けるようにしても良い。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図3参照)が設けられている。
遊技ユニット1aの前面扉1cの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、前面扉1cの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図3参照)が設けられている。
遊技ユニット1aの筐体1bは、前述したように、開閉可能な前面扉1cを前面に有するとともに、下方端の形状が共通ユニット200と連結可能な形状とされた中空形状とされており、その内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図3参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)からなるリールユニット2が設けられている。また、筐体1bの内部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38が設けられている。
尚、遊技ユニット1aの前面扉1cは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1cを開放したうえで、更にキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
次に、本実施例の共通ユニット200について説明する。本実施例の共通ユニット200は、前面が開口する筐体200aと、この筐体200aの側端に回動自在に枢支された前面扉200bと、から構成されている。
共通ユニット200の前面扉200bには、遊技に使用可能な玉数であって、遊技者が遊技当日において他の遊技機における遊技で獲得することで所有している持玉や、遊技者が会員登録した会員遊技者である場合に前日以前における遊技において獲得することで所有している貯玉から払い出された玉数や後述する貸出ユニット300に現金を投入することにより貸し出された玉数が加算更新表示されるとともに、投入装置61において1単位の投入動作に使用される玉数が減算更新されることで、その時点において遊技者が、投入装置61の投入動作に使用可能な玉数である遊技玉数が表示される遊技玉数表示器202、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数を持玉に加算させる際に操作される計数スイッチ60、スロットマシン1に関する情報(スロットマシン1のタイトル、配当表、エラー情報等)が表示される共通液晶表示器213、共通スピーカ214、215が設けられている。また、共通ユニット200の前面扉200bには、図1では特に図示しないが、共通LED212(図3参照)が設けられている。
尚、本実施例では、遊技ユニット1aの筐体1bと共通ユニット200の筐体200aとの2つの筐体を使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら2つの筐体を1つの筐体、例えば、筐体200aを筐体1bの部分を含む形状(筐体1bと筐体200aとを合体した形状)にて形成し、その前面に前面扉1cと前面扉200bとを設けたものであってもよい。また、本実施例では、遊技ユニット1aの前面扉1cと共通ユニット200の前面扉200bとの2つの前面扉を使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら2つの前面扉を1つの前面扉としたものであってもよい。つまり、遊技ユニット1aと共通ユニット200とで、筐体や前面扉の一方を兼用するようにしてもよい。
共通ユニット200の前面扉200bの内側には、音量を調節するための音量調節スイッチ210(図3参照)、光量を調節するための光量調節スイッチ211(図3参照)、リセットスイッチ203(図3参照)が設けられている。尚、本実施例では、これらの音量調節スイッチ210、光量調節スイッチ211、リセットスイッチ203を共通ユニット200の前面扉200bに設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらを遊技ユニット1aの前面扉1cに設けるようにしてもよい。
共通ユニット200の筐体200aの内部には、電源ボックス(図示略)が設けられている。電源ボックスの前面には、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ221(図3参照)が設けられている。
共通ユニット200の前面扉200bは、遊技ユニット1aの前面扉1cが開放していることを条件に、開放可能とされており、前述のように前面扉1cは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、遊技ユニット1aの前面扉1cも店員等が所持する所定のキー操作により開放可能となる。また、リセットスイッチ203は、前面扉200bの内側に設けられているとともに、電源ボックス(図示略)は、筐体200aの内部に設けられているため、リセットスイッチ203、電源スイッチ221は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされている。
本実施例のスロットマシン1は、現金または残額(プリペイド残額)や持玉(会員の場合は持玉及び貯玉(遊技者が所有する遊技用価値であって、遊技玉数として使用することができる遊技者所有の数値データ))が記録されたカード(ビジターカードや会員カード等の遊技用記録媒体)を受付け、受付けた現金の金額やカードの残額を用いて遊技玉を貸し出す機能(具体的には、対応するスロットマシン1において遊技に使用可能な遊技玉数のデータに受付け金額や残額を変換する機能)とともに、遊技者が所有する持玉や貯玉を遊技玉として払い出す(払い戻しともいう)ための機能(具体的には、対応するスロットマシン1において遊技に使用可能な遊技玉数のデータに持玉や貯玉を変換する機能)を有する貸出ユニット300と併設して用いられる。
貸出ユニット300の前面には、残額が表示される残額表示器302、残額の範囲で遊技玉の貸出を行う際に操作される貸出スイッチ303、投入金額の残額が記録され、遊技にて獲得した持玉(遊技玉)を特定可能とされたカードの発行や、更新後の残額や遊技にて獲得した持玉(遊技玉)が特定可能とされた挿入中のカードを返却させる際に操作される返却スイッチ304、カード挿入口305a、紙幣挿入口306a、挿入したカードから特定される、該カードを所持する遊技者が所有している持玉数や貯玉数から、予め定められた所定数を遊技玉として払い出し(払い戻し)させる際に操作される持玉・貯玉払出スイッチ310、挿入したカードから特定される、該カードを所持する遊技者が所有している持玉数や貯玉数が表示される持玉数・貯玉数表示器311、が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、投入数を使用して賭数を設定する。投入数を使用して賭数を設定するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。また、賭数の設定に必要な投入数である「3」が残存しない場合には遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数を用いて投入数を増加(投入数への加算)させる。遊技玉数を用いて投入数を増加させるには、投入スイッチ62aを操作するか、或いは自動投入スイッチ62bを操作して自動投入状態に移行させればよい。また、投入数を増加させる1単位の投入動作に必要な5玉以上の遊技玉数が残存しない場合には、後述する図16に示すように、液晶表示器51の下方に「遊技玉を補充してください」の案内メッセージが表示されるので、該案内に従って、例えば、貸出ユニット300に紙幣やカードを挿入し、図9に示すように、貸出スイッチ303を操作して残額の一部である貸出単位額に相当する貸出玉数を遊技玉数に加算させる遊技玉加算処理1や、持玉・貯玉払出スイッチ310を操作して持玉または貯玉の一部である払出単位数に相当する払出玉数を遊技玉数に加算させる遊技玉加算処理2を実行させて、遊技玉数を増やせばよい。
投入数を使用して遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技玉数が遊技者に対して付与され、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数に加算される。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施例では、物理的なリールにて演出表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて演出表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施例では、従来のスロットマシンとは異なり、投入装置61による投入動作により加算された投入数については遊技玉数に戻すことができないとともに、該投入数を使用して設定された賭数についても遊技玉数に戻すことができない構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技者が操作可能な精算スイッチ等を設けて、該精算スイッチの操作により、投入数や賭数の少なくともいずれか一方を遊技玉数に戻すこと、つまり、投入数や賭数に相当する遊技玉数を、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉に加算させることができるようにしてもよいし、精算スイッチの操作により、賭数を投入数に戻すことができるようにしてもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1を構成する遊技ユニット1aには、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって遊技の進行が制御され、演出制御基板90によって遊技の進行に応じた演出が制御される。また、スロットマシン1を構成する共通ユニット200には、共通制御基板201、電源基板209が設けられており、共通制御基板201によって遊技玉数に関する処理(加算、減算等の更新)や、外部出力信号を出力する制御が行われ、電源基板209によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33R、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述した投入数表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、リールモータ32L、32C、32Rが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、前述したように、投入数や賭数の精算が不能とされていることから設けられてはいないが、投入数や賭数の遊技玉数への加算による精算を、所定の契機(例えば、BB終了時)に行う自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチを設けるようにしてもよい。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
図4は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図3に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、例えば、ROM41bの格納領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの格納領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としてもよい。
メイン制御部41は、シリアル通信回路512を介して共通制御部201aとの間で各種のコマンドを送受信する。また、本実施例では、シリアル通信回路512を介して共通制御部201aとの間でコマンドの送受信を行う構成、すなわちシリアル通信にて通信を行う構成であるが、パラレル出力ポート513を介して共通制御部201aにコマンドを送信し、パラレル入力ポート511を介して共通制御部201aからのコマンドを受信する構成、すなわちコマンドの送受信がパラレル信号にて行われる構成としてもよい。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
図3に示すように、演出制御基板90には、前述した演出用スイッチ56が接続されているとともに、共通ユニット200に設けられた音量調節スイッチ210及び光量調節スイッチ211が共通ユニット200側のサブ中継基板219を介して接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述した液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されているとともに、共通ユニット200に設けられた共通LED212、共通液晶表示器213、共通スピーカ214、215等の演出装置が共通ユニット200側のサブ中継基板219を介して接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、共通LED212、共通液晶表示器213、共通スピーカ214、215等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51、共通液晶表示器213の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52、リールLED55、共通LED212の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54、共通スピーカ214、215からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
図3に示すように、共通制御基板201には、前述したリセットスイッチ203や、計数スイッチ60、投入スイッチ62a、自動投入スイッチ62bが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっているとともに、自動投入スイッチ62bの動作が共通制御基板201に搭載された後述の共通制御部201aにより制御される。また、共通制御基板201には、投入装置61が接続されており、投入装置61の動作が共通制御基板201に搭載された後述の共通制御部201aにより制御される。更には、前述した遊技玉数表示器202が接続されており、遊技玉数表示器202は、共通制御基板201に搭載された後述の共通制御部201aによる制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、メイン制御部41の処理負荷低減やプログラム容量の増加防止等のために、遊技ユニット1a側に設けられている投入装置61、投入スイッチ62a並びに自動投入スイッチ62bを、共通ユニット200側に設けられている共通制御基板201に接続する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入装置61、投入スイッチ62a並びに自動投入スイッチ62bを、メイン制御部41が搭載されている遊技制御基板40に接続して、該メイン制御部41が、投入スイッチ62aや自動投入スイッチ62bの操作の検知に応じて投入装置61の動作を制御するようにしてもよい。
共通制御基板201には、CPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにより構成されて遊技玉数に関する処理等を行う共通制御部201aと、共通制御基板201に接続された遊技玉数表示器202を構成するLEDの駆動制御を行うLED駆動回路201bと、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号を共通制御部201aのCPUに対して出力する電断検出回路201cと、電源投入時または共通制御部201aのCPUからの初期化命令が一定時間入力されないときに共通制御部201aにリセット信号を与えるリセット回路201dと、共通制御基板201に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路201eと、投入装置61の駆動するための投入装置駆動回路201fと、その他の回路等、が搭載されている。尚、RAMには、遊技玉数表示器202に表示される遊技玉数のデータや、後述する未投入玉数のデータや、投入数コマンドに基づく投入数のデータ等の各種のデータが記憶されている。
共通制御部201aは、メイン制御部41との間で各種のコマンドを送受信する。また、共通制御基板201は、貸出ユニット300と接続されており、共通制御部201aは、貸出ユニット300に搭載された後述の貸出制御部301との間で各種コマンドを送受信する。
共通制御部201aのCPUは、メイン制御部41からのコマンド、貸出制御部301からのコマンドを受けて遊技玉数の加算制御及び減算制御、遊技玉数表示器202の表示制御等を行う。
リセット回路201dは、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時において共通制御部201aは、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路201cは、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時において共通制御部201aは、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電源断検出処理(図8のSk40)を行うこととなる。
共通制御部201aにも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、共通制御部201aのRAMに記憶されているデータが保持されるようになっている。つまり、本実施例の共通制御部201aのRAMは、電断の発生からバックアップ電源の供給が停止するまでの期間において記憶内容を保持できるようになっている。
共通制御部201aは、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41や貸出制御部301からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41や貸出制御部301から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、共通制御部201aは、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて、図8に示すタイマ割込処理(共通)を実行する。また、共通制御部201aは、サブ制御部91と同様に、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
次に、本実施例の貸出ユニット300の構成について説明する。図3に示すように、貸出ユニット300は、前述の残額表示器302、貸出スイッチ303、返却スイッチ304、持玉・貯玉払出スイッチ310、持玉数・貯玉数表示器311に加え、貸出ユニット300の制御を行う貸出制御部301、カードに記録されたデータの読出及び書込が可能なカードリーダライタ305、挿入された紙幣の真贋を識別する紙幣識別ユニット306、外部出力信号を出力するための外部出力部315を備える。
貸出制御部301は、貸出スイッチ303が操作されることで、投入された現金または挿入されたカードから読み出された残額を用いて、対応するスロットマシン1の遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数に所定数(本実施例では125玉)の遊技玉数を加算する貸出処理と、持玉・貯玉払出スイッチ310が操作されることで、その時点において持玉数・貯玉数表示器311に表示されている、遊技者が所有する持玉数または貯玉数の少なくとも一部である所定数(本実施例では125玉)を、対応するスロットマシン1の遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数に加算する払出処理と、返却スイッチ304が操作されることで、投入金額の残額が記録され、遊技にて獲得した持玉(遊技玉)を特定可能とされたカードの発行や、更新後の残額や遊技にて獲得した持玉(遊技玉)が特定可能とされた挿入中のカードを返却させる返却処理を行う。
また、外部出力部315からは、貸出ユニット300の動作状況等に関する各種信号や、対応するスロットマシン1の動作状況等に関する各種信号が出力される。尚、図示していないが、貸出制御部301には、カード(遊技用記録媒体)を管理するカード管理コンピュータや、貯玉数を管理する貯玉管理コンピュータや、遊技場の売り上げ等を管理するホールコンピュータ等の各管理装置とのデータ通信を可能とするための通信部が接続されており、貸出制御部301は、各種の処理に伴って、これら各管理装置とのデータ通信を行うようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じて入賞により付与する遊技玉の付与率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、遊技玉の付与率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も付与率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど付与率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6から更に操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1cが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1cが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1cが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1cが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1cが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1cの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1cが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、共通制御部201aも電断検出回路201cからの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時に共通制御部201aのRAMのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電源断検出処理(図8参照)を実行する。
そして、後述する図7に示すように、共通制御部201aは、その起動時において実行する共通制御部メイン処理において、共通制御部201aのRAMのデータが正常であることを条件に、共通制御部201aのRAMに記憶されているデータに基づいて共通制御部201aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、共通制御部201aのRAMのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラー状態に制御する。RAM異常エラー状態は、リセットスイッチ203が操作されることで解除されるようになっており、共通制御部201aのRAMが初期化されるようになっている。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されており、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域の順で配置されている。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定変更終了時、特定の遊技状態の終了時、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化2では、使用可能領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化3では、使用可能領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
本実施例におけるメイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、後述のHWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
そして、メイン制御部41は、初期設定処理において、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技玉の付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、前述した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を、対応する貸出ユニット300の外部出力部315から出力させる処理を行う。具体的には、遊技状態を示す信号が共通制御基板201から貸出ユニット300に出力されるように共通制御部201aに対して指示する。これら外部出力信号は、外部出力部315、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子盤を介してホールコンピュータや台データを表示する呼び出しランプ(情報表示装置)などのホール機器に出力されるようになっている。尚、これらホールコンピュータに対しては、外部出力部315からではなく前述した通信部から、各出力信号に対応する台データを送信するようにしてもよい。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられた投入数を示すIN信号、入賞の発生により遊技者に付与された遊技玉数を示すOUT信号、遊技状態が遊技者にとって有利なRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が遊技者にとって有利なBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、遊技玉数から投入数への変換が行われたことを示す信号であって、該投入数への変換に使用された遊技玉数に対応する数の所定幅のパルス数から成る投入信号、前面扉1cが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、投入装置61の異常を示す投入装置エラー信号をそれぞれ共通制御基板201から貸出ユニット300に出力させて、これらの信号を貸出ユニット300の外部出力部315から、例えば、ホールコンピュータ等の管理装置に接続されている島端末等の信号入力用端末に出力させる。尚、外部出力部315から各信号が出力されることによってホールコンピュータ等の管理装置においては、上記したIN信号やOUT信号により、賭数の設定に用いられた投入数に相当する遊技玉数の合計数や、入賞の発生により遊技者に付与された遊技玉数の合計数等を集計して、スロットマシン1の収支や、スロットマシン1の遊技状態や台データ(RB回数、BB回数、ART回数)や、投入数への変換に使用された総変換遊技玉数が集計、管理されるとともに、投入装置エラー信号が出力された場合には、信号入力用端末にて付与されるスロットマシン1の台番号とともに投入装置61に異常が発生した旨の報知メッセージが表示されて異常の発生が報知される。
尚、貸出ユニット300の外部出力部315には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子盤や呼び出しランプの回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。これら共通制御基板201から出力される信号のうち、IN信号、OUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号、投入信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子盤や呼び出しランプに出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入装置エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子盤に出力される。
尚、本実施例では、共通制御基板201から貸出ユニット300に信号を出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら信号に代えて、各信号の出力を指示する指示データを、共通制御基板201から貸出ユニット300に送信して、上記した各信号が外部出力部315から出力されるようにしてもよい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、賭数コマンド、投入数コマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、待機コマンド、打止コマンド、投入装置61の異常以外のエラーによるエラーコマンド、投入装置61の異常による投入装置エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、補充表示指示コマンド、未完了投入情報表示指示コマンド、自動投入解除表示指示コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。尚、上記した各コマンドのうち、遊技終了コマンドや投入数コマンド等の一部のコマンドについては、共通制御部201aについても送信される。
賭数コマンドは、賭数の設定に使用された投入数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、賭数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、賭数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能となる。
投入数コマンドは、投入数として記憶されているメダル数を特定可能なコマンドであり、投入スイッチ62aが操作された場合や自動投入状態にある場合に1単位の投入動作が行われて投入数が増加したときや、賭数の設定に使用されて投入数が減少したとき、つまり投入数が変化したときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選において後述のナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するときに送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
補充表示指示コマンドは、図15に示すように、遊技玉数が投入単位数(本実施例では5)未満である場合において送信されるコマンドであり、該補充表示指示コマンドが送信されることにより、図16に示すように、遊技玉の補充を促すメッセージが、所定期間に亘って液晶表示器51に点滅表示される。
未完了投入情報表示指示コマンドは、投入装置61が投入動作を行っている途中において電断が発生して、投入動作が完了していない場合において、電断からの復帰時において送信されるコマンドであり、該未完了投入情報表示指示コマンドが送信されることにより、図17に示すように、未完了の投入動作を実行中である旨と、未完了の遊技玉数とを遊技者に報知するメッセージが、該未完了の投入動作が完了し遊技が開始可能となるまでの期間に亘って液晶表示器51に点滅表示される。
自動投入解除表示指示コマンドは、投入装置61が投入動作を行っている途中において自動投入スイッチ62bが操作されて自動投入状態が解除された場合において送信されるコマンドであり、該自動投入解除表示指示コマンドが送信されることにより、図18に示すように、未完了の投入動作を実行中であって、未完了の投入動作が完了したときに自動投入状態が解除される旨を遊技者に報知するメッセージが、該未完了の投入動作が完了するまでの期間に亘って液晶表示器51に点滅表示される。
尚、本実施例では、上記したように、図17や図18の表示を未完了の投入動作が完了するまでの期間に亘って表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら未完了の投入動作が完了する最大期間を所定の表示期間として設定し、該所定の表示期間において表示を行うようにしてもよい。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、共通LED212、共通液晶表示器213、共通スピーカ214、215等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様、共通LED212の点灯態様、共通液晶表示器213の表示パターン、共通スピーカ214、215の出力態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。但し、本実施例の補充表示指示コマンド、未完了投入情報表示指示コマンド、自動投入解除表示指示コマンドは、上記した新たな演出の契機となるコマンドには該当せず、これらの各コマンドの受信時において既に実行されている演出はキャンセルされることなく、各コマンドに対応するメッセージ表示が実行中の演出とともに表示される。尚、補充表示指示コマンドに対応するメッセージ表示は、終了条件である所定期間が経過することにより消去され、未完了投入情報表示指示コマンドに対応するメッセージ表示は、後述するように、未完了の遊技玉数の投入が完了することに応じて消去され、自動投入解除表示指示コマンドに対応するメッセージ表示も、後述するように、未完了の遊技玉数の投入が完了することに応じて消去される。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な操作態様(停止順、停止タイミング等)等を識別可能に報知するナビ報知を実行可能である。また、サブ制御部91は、ナビ報知が実行される場合に、ナビ報知により報知される操作態様を液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知するナビ演出を実行可能である。
また、ナビ演出は、スタートスイッチ7が操作され、ゲームが開始したときから第3停止操作が行われるまでの期間にわたり実行されるが、操作態様に応じて第1停止操作がされること、第2停止操作がされることで終了する構成でもよい。
次に、本実施例の投入装置61について、図5及び図6を用いて以下に説明する。図5(A)は、投入装置61を示す平面図であり、図5(B)は、投入装置61を示す平面図である。図6は、投入装置61を示す正面図である。
図5及び図6に示すように、本実施例の投入装置61は、直方体状をなす筐体63を有している。筐体63の内部には、回転可能な円盤体67が設けられている。この円盤体67は、中央の中心軸67aを軸心として回転される円形をなす部材であり、その外周縁近傍に中心軸を介して離間して配置された2つのパチンコ球P(被検出球)が固定されている。
円盤体67の中心軸67aは、筐体63の底面側に設けられた従動ギヤ66に接続されている。円盤体67の右側近傍には、駆動モータ64が設けられ、この駆動モータ64の駆動ギヤ65が円盤体67の従動ギヤ66に噛合されている。そして、駆動モータ64の駆動力により円盤体67が回転するようになっている。この駆動モータ64は、ステッピングモータとなっており、共通制御部201a(図3参照)は、駆動モータ64に入力するパルス信号を制御することにより、円盤体67を回転駆動させ、更に任意の位置で停止することができる。また、筐体63には、特定位置で停止されたパチンコ球Pを外部から視認可能にする透明窓61aが設けられている。この透明窓61aには、アクリル樹脂等で構成された透明な板部材が嵌め込まれており、筐体63内部のパチンコ球Pを封入している。
円盤体67の中心軸67aには、検出センサ69により検出可能とされた2つのドグ68が設けられている。互いのドグ68は、回転方向に180度変位した位置に設けられ、円盤体67が回転されると、半回転する毎にドグが近接センサから成る検出センサ69により検出されることで、円盤体67の回転、具体的には、パチンコ球Pの打撃を検知できるようになっている。
円盤体67の左側近傍には、円盤体67上のパチンコ球Pを打撃可能な位置にハンマー部材70が設けられている。このハンマー部材70は、基端側に軸部73を有し、この軸部73を中心として揺動可能に設けられている。また、ハンマー部材70には、揺動範囲を規定する長孔75が設けられ、この長孔75内に、筐体63に対して固定された規制軸75aが設けられている。
また、ハンマー部材70の近傍には、駆動ソレノイド71が設けられている。駆動ソレノイド71の一端には、電磁石部71aが設けられている。そして、ハンマー部材70には、励磁された電磁石部71aに吸着する着磁部材72が設けられている。図5(A)に示すように、駆動ソレノイド71の駆動を開始し、電磁石部71aが励磁されると、着磁部材72が電磁石部71aに吸着され、ハンマー部材70が駆動ソレノイド71に近づく方向に移動し、着磁部材72が電磁石部71aに接触された状態で停止される。この停止位置(第1位置)では、ハンマー部材70の先端部のヘッド部70aが円盤体67上のパチンコ球Pを打撃する。
図5(A)、(B)に示すように、まず、駆動ソレノイド71が駆動されることにより、ハンマー部材70が駆動ソレノイド71に近づく方向に移動することで、ヘッド部70aの先端部が、円盤体67上のパチンコ球Pを所定位置で打撃する。そして、該打撃によってパチンコ球Pと該パチンコ球Pを上面に有する円盤体67が、図5(B)に示すように、時計方向回りにある程度の回転角度(本実施例では、約120度程度)にて回転移動して、円盤体67の上面における1時方向の位置に停止する。その後、駆動モータ64が駆動されると、該駆動モータ64の駆動力により円盤体67と該円盤体67上のパチンコ球Pとが回転移動を開始し、打撃されたパチンコ球Pとは反対位置に設けられているパチンコ球Pが、打撃後に停止した位置(7時方向位置)から所定位置である9時方向位置に向けて移動する。
尚、本実施例では、短い時間ではあるが、打撃後にパチンコ球Pと円盤体67とが一度停止する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該停止の前に駆動モータ64の駆動を開始して、パチンコ球Pと円盤体67とが停止することなく、ハンマー部材70による打撃が連続して実行されるようにしてもよい。
7時方向位置から9時方向位置へパチンコ球Pが移動することにより、ハンマー部材70のヘッド部70aにパチンコ球Pが接触する。ここで、円盤体67の回転駆動力が電磁石部71aの吸着力に抗し、ハンマー部材70の着磁部材72が電磁石部71aから離間した揺動位置(第2位置)に移動される。そして、パチンコ球Pの回転移動とともにハンマー部材70が電磁石部71aから離れる方向に移動する。一方、パチンコ球Pは、円盤体67の移動に連動して9時方向位置に移動する。
尚、揺動位置(第2位置)では、ハンマー部材70に設けられたドグ74を、筐体63に設けられた検出センサ80が検出するようになっている。この検出信号が共通制御基板201(図3参照)に入力されることで、共通制御部201a(図3参照)が、パチンコ球Pの打撃が可能であることを検知する。
そして、パチンコ球Pが9時方向位置に到達した時点で駆動ソレノイド71が駆動されることにより、上記したように、該パチンコ球Pがヘッド部70aの先端部により打撃されて、該打撃により円盤体67が回転し、円盤体67の中心軸67aに設けられているドグが検出センサ69により検出され、この検出信号が共通制御基板201(図3参照)に入力されることで、共通制御部201a(図3参照)が、パチンコ球Pが打撃されたこと、つまり、打撃されたパチンコ球Pを検知する。
尚、本実施例では、打撃によってパチンコ球Pと円盤体67とが回転移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンマー部材70と円盤体67とがそれぞれ一定の速度およびタイミング(所定の動作パターン)で動作を行うことで、パチンコ球Pがヘッド部70aにより、あたかも打撃されるように接触するものであってもよいし、接触しているように見えて実際には接触しないものとして、接触しなくても検出センサ69によりドグを検出することで、ヘッド部70aに近い位置に接近したパチンコ球Pを検知するものとしてもよい。
上記のように、パチンコ球Pの打撃が、円盤体67の回転と連動して繰り返し実行されることで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。
例えば、後述する投入処理を行う際には、パチンコ球Pの打撃が、円盤体67が回転と連動して繰り返し実行されることで、1単位に設定された所定の玉数のパチンコ球Pの検出が行われる。この検出の度に検出信号を出力するようにしている。尚、本実施例では、「1」の投入数に相当する「5玉」のパチンコ球Pを検出する度に、後述するように、1の投入コマンドがメイン制御部41に対して送信される。遊技者は、透明窓61aを介してパチンコ球Pがハンマー部材70により打撃されていることを視認すること、または、パチンコ球Pがハンマー部材70により打撃されている打撃音を聞くことにより、パチンコ球Pが投入されることを認識することができる。
尚、本実施例では、前述したように、賭数や投入数の精算を不能とした形態を例示しているが、これら賭数や投入数の精算を可能とする場合にあっては、これら精算される賭数や投入数に相当する数のパチンコ球Pの打撃が、円盤体67が回転と連動して繰り返し実行されるようにしてもよい。
本実施例では、パチンコ球Pがハンマー部材70により打撃されている打撃音が毎回同一の音色になっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球Pまたはハンマー部材70のいずれか一方に、打撃音の音色を変更するために接触部材等を設けるようにし、5玉に1回の割合で接触部材等をパチンコ球Pまたはハンマー部材70に接触させて、5玉を検出する毎に異なる音色の打撃音を発生させるようにしてもよい。遊技者は異なる音色の打撃音を聞くことにより、何玉目のパチンコ球Pが検出されたのかを認識できるようになる。
尚、本実施例では、上記したように、円盤体67の中心軸67aに設けられているドグを検出センサ69が検出したことにより、パチンコ球Pの検出を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動モータ64にパルス信号を入力し、円盤体67が半回転する度に、1のパチンコ球Pが検出されたとして、検出信号を出力するようにしてもよい。つまり、円盤体67の回転数がパチンコ球Pの検出数に相当するもの(円盤体67の1回転で2玉のパチンコ球Pの検出に相当する)であってもよい。
このように、本実施例では、パチンコ球Pの検出を、円盤体67の中心軸67aに設けられているドグを検出センサ69にて検出する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらドグではなく、パチンコ球P自体を検出センサにて検出するようにしてもよい。尚、このように、パチンコ球P自体を検出する場合にあっては、検出センサの位置は、パチンコ球Pを検出しやすい位置に設けるようにすればよい。
また、本実施例では、1の検出センサ69のみを設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の検出センサを設けるようにしても良く、このように、複数の検出センサを設ける場合にあっては、光センサとは検出方式の異なるセンサ、例えば、近接センサや回動するパチンコ球Pと接触することでON状態となる物理的スイッチ等を、組み合わせて用いるようにしてもよい。
また、これら検出方式の異なる複数のセンサを組み合わせて用いる場合にあっては、検出方式の異なる各センサの検出数が同一ではない場合に、不正が実施されている可能性があるものとして、投入装置エラーコマンドの送信や投入装置エラー信号の出力等の特定のエラー処理を実行することで、エラー報知等をサブ制御部91に行わさせたり、外部装置にエラー通知を行うようにしてもよい。尚、このような場合にあっては、投入数への加算をせずに、検出済の玉数については、遊技玉数に戻すようにすればよい。
また、駆動ソレノイド71や駆動モータ64の駆動状態を駆動信号や駆動フラグの有無等により監視しておき、これら駆動ソレノイド71や駆動モータ64が駆動されていないときに検出センサ69による検出があった場合にも不正が実施されている可能性があるものとして、投入装置エラーコマンドの送信や投入装置エラー信号の出力等の特定のエラー処理を実行することで、エラー報知等をサブ制御部91に行わさせたり、外部装置にエラー通知を行うようにしてもよい。
尚、本実施例では、各パチンコ球Pが筐体63の内部に固定的に封入されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球Pを筐体63から取り出したり交換したりするようにしてもよい。例えば、パチンコ球Pを筐体63から取り出して研磨することで錆付きを防止してもよいし、劣化して輝きを失ったパチンコ球Pを交換してもよい。また、投入装置61を遊技ユニット1aに対して着脱自在に設けるようにし、パチンコ球Pが劣化した場合には、投入装置61毎交換できるようにしてもよい。
また、筐体63の内部に、パチンコ球Pがハンマー部材70に接触したときに点灯するLED装置を設けるようにし、パチンコ球Pが検出されたことをLED装置の点灯によって遊技者が認識できるようにしてもよい。尚、LED装置の発光色は、5玉を検出する毎に異なる色に変化させるようにしてもよい。また、投入処理を行う場合と遊技玉加算処理や遊技玉清算処理を行う場合とで異なる発光色でLED装置を点灯させてもよい。
尚、本実施例では、パチンコ球Pがハンマー部材70に接触されることで、パチンコ球Pの検出が行われているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンマー部材70がパチンコ球Pを叩いて円盤体67が回転されることで、パチンコ球Pの検出が行われるものであってもよい。
次に、スロットマシン1並びに貸出ユニット300において実行される各種の処理について、図7〜図15に基づいて説明する。
まず、共通制御部201aが実行する処理について説明する。図7は、共通制御部201aが実行する共通制御部メイン処理の一例を示す図である。
スロットマシン1(共通制御基板201)に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、共通制御部201a(具体的には、共通制御部201aが備えるCPU)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sk1以降の共通制御部メイン処理を開始する。
共通制御部メイン処理において、共通制御部201aは、まず、必要な初期設定を行う。具体的には、初期設定処理において、共通制御部201aは、まず、割込禁止に設定する(Sk1)。次に、割込モードを、マスク可能割込の割込モードである割込モード2に設定し(Sk2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定するとともに、各種の内蔵デバイス(内蔵周辺回路)を利用可能とするために内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(Sk3)。そして、RAMをアクセス可能状態に設定する(Sk4)。
尚、Sk2では、共通制御部201aの特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、共通制御部201aは、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、共通制御部201aは、貸出ユニット300との接続確認処理を実行することで、共通ユニット200が貸出ユニット300と接続されていることを確認する(Sk5)。具体的には、貸出ユニット300の貸出制御部301に対して接続確認要求を送信し、該接続確認要求に対する応答が返信されるか否かにより接続確認と、貸出ユニット300が動作している状態であることを確認する。
そして、共通制御部201aは、リセットスイッチ203の状態を判定する(Sk6)。リセットスイッチ203がオンである場合に共通制御部201aは、通常の初期化処理としてSk20〜Sk24の初期化処理を実行する。
一方、リセットスイッチ203がオフである場合に共通制御部201aは、スロットマシン1への電力供給が停止したときに共通制御部201aのRAMに設定されたバックアップ領域のデータ保護処理として、例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理が行われたか否かを判定する(Sk7)。
このような電力供給停止時処理が行われていない場合は、共通制御部201aはSk20〜Sk23の初期化処理を実行する。尚、電力供給停止時処理が行われているか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてRAMのバックアップ領域に設定されるバックアップフラグが所定の値とされているか否かによって判定できる。
電力供給停止時処理が行われた場合は、共通制御部201aは、RAMのバックアップ領域のデータチェックを行う(Sk8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sk8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、RAMのバックアップ領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップ領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(Sk20〜Sk24)を実行する。
チェック結果が正常であれば、共通制御部201aは、バックアップデータによりデータを復旧し(Sk9)、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧コマンドを貸出ユニット300(貸出制御部301)に対して送信して、停電から復旧したことを貸出ユニット300(貸出制御部301)に通知する(Sk10)。
そして、メイン制御部41からメイン制御部41の電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復帰コマンドを受信したか否かを判定する(Sk11)。メイン制御部41から復帰コマンドを受信していない場合は、再びメイン制御部41から復帰コマンドを受信したか否かを繰り返し判定して、復帰コマンドの受信待ち状態となる。また、メイン制御部41から復帰コマンドを受信している場合は、RAMのバックアップ領域に記憶されているバックアップデータに未完了投入数のデータ(未完了投入数が1〜5であるデータ)が含まれているか否かを判定する(Sk12)。
未完了投入数が有る場合、つまり、投入動作の途中において電断が発生した場合には、共通制御部201aは、未完了投入数コマンドをメイン制御部41に送信する(Sk13)。メイン制御部41は、該未完了投入数コマンドを受信した場合には、前述の未完了投入情報表示指示コマンドをサブ制御部91に対して送信して、サブ制御部91に、図17に示す、未完了の投入動作を実行中である旨を遊技者に報知するメッセージを液晶表示器51に表示させる。
共通制御部201aは、未完了投入数コマンドを送信した後、該未完了の投入動作を完了させる未完了投入実行処理を実行する(Sk14)。具体的に未完了投入実行処理においては、バックアップデータから未完了投入数を特定し、投入装置61を動作させて、該特定した未完了投入数の投入をおこなう。例えば、特定した未完了投入数が「3」であれば、投入装置61を動作させて、パチンコ球Pの検出が3回行われるまで円盤体67を回転させる。そして、該未完了投入数である「3」を、バックアップデータから特定される「遊技玉数」から減算し、該減算後の遊技玉数を遊技玉数表示器202に表示する。
このように、本実施例では、電源供給の停止があった投入動作における未投入の遊技玉数の投入が自動的に実行されて、投入数に1が加算されるので、電源供給の停止までに投入された遊技玉数が無駄となってしまうという遊技者の不利益の発生を回避できるとともに、これら未投入の遊技玉数を投入するための操作を遊技者が行う必要がないので、遊技者に面倒(手間)が発生することも防ぐことができる。
そして、該未完了投入実行処理の後、未完了の投入が完了したことによる投入コマンドと、電断から復旧したことを示す復旧完了コマンドとをメイン制御部41に送信して遊技を可能化する(Sk16)。そして、Sk25に移行する。つまり、メイン制御部41は、未完了の投入が完了したことによる投入コマンドと、復旧完了コマンドとを共通制御部201aから受信していない場合には、スタートスイッチ7の操作やMAXBETスイッチ6の操作を受付けないことで遊技を不能化する。
尚、この投入コマンドの受信に応じてメッセージ表示終了コマンドがサブ制御部91に送信されることで、未完了の投入動作を実行中である旨を遊技者に報知するメッセージ表示が消去される。
上記したように、本実施例では、未完了の遊技玉数を投入する未完了投入実行処理が完了するまでの期間においては、MAXBETスイッチ6の操作もスタートスイッチ7の操作も不能として遊技を不能化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スタートスイッチ7の操作は不能とするが、MAXBETスイッチ6の操作は有効とするようにしても良い。
尚、本実施例では、上記したように、未完了投入実行処理が完了するまでは、スタートスイッチ7の操作やMAXBETスイッチ6の操作を受付けないことで遊技を不能としているが、これら遊技だけではなく、投入スイッチ62aや自動投入スイッチ62bの操作や、計数スイッチ60の操作や、残額や持玉数等からの遊技玉数への加算等を不能としてもよい。
一方、Sk12の判定において未完了投入数が無い場合に共通制御部201aは、復旧完了コマンドをメイン制御部41に送信して遊技を可能化する(Sk17)。そして、Sk25に移行する。
尚、リセットスイッチ203がオンである場合(Sk6でY)や、電力供給停止時処理が行われていない場合(Sk7でN)や、パリティチェックのチェック結果が正常ではない場合(Sk8でN)である場合には、前述したように、Sk20〜Sk24の初期化処理を実行する。
初期化処理では、共通制御部201aは、まず、RAMクリア処理を行い(Sk20)、各初期値の設定を行う(Sk21)。そして、共通制御部201aは、初期化コマンドを貸出ユニット300(貸出制御部301)に送信し(Sk22)、該初期化コマンドの送信に応じて返信される初期化応答コマンドを受信したか否かを判定する(Sk23)。
初期化応答コマンドを受信していない場合は、繰り返し初期化応答コマンドを受信していないか否かを判定して、初期化応答コマンドの受信待ち状態となる。また、初期化応答コマンドを受信している場合は、初期化完了コマンドをメイン制御部41に送信して、貸出ユニット300との接続並びに動作確認および初期化が完了したことをメイン制御部41が認識できるようにする(Sk24)。
尚、本実施例では、上記したように、共通制御部201aは、データのバックアップが適切になされて復帰できた場合には停電復旧コマンドを貸出ユニット300(貸出制御部301)送信し、データのバックアップが適切になされていない等により初期化処理が行われた場合には、初期化コマンドを貸出ユニット300(貸出制御部301)へ送信するので、貸出制御部301は、停電復旧が適切になされたか否かを特定できるようになっており、自己が電断から復旧したにもかかわらず、共通制御部201aから初期化コマンドが送信されてきた場合には、停電時における「遊技玉数」がクリアされてしまった可能性が高いと判断して、当該エラーの発生を、貸出ユニット300の前面上端部に設けられているランプの点灯状態を当該エラーに対応した点灯状態とすること等により報知する。
そして、Sk25において共通制御部201aは、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように共通制御部201aに内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。そして、割込許可状態に設定する(Sk26)。
次いで、共通制御部201aは、タイマ割込フラグの値が1であるか否かを判定する(Sk27)。タイマ割込フラグの値が1でない場合は、再びタイマ割込フラグの値が1であるか否かを判定する。また、タイマ割込フラグの値が1である場合、つまり、タイマ割込が発生した場合は、共通制御部201aは、タイマ割り込みフラグをクリアし(Sk28)、図8に示すタイマ割込処理を実行する(Sk29)。尚、タイマ割込処理を実行した後は、再びタイマ割込フラグの値が1であるか否かを判定する(Sk27)。
次に、本実施例のタイマ割込処理(共通)について説明する。図8は、本実施例のタイマ割込処理(共通)の一例を示すフローチャートである。本実施例のタイマ割込処理(共通)において、共通制御部201aは、まず、電断検出回路201cから電圧低下信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(Sk40)。そして、電源断検出処理において、共通制御部201aは、電圧低下信号が出力されたことを検出したら、RAMに記憶されているデータのうち、バックアップデータとされているデータ、具体的には、遊技玉数のデータや未完了投入数のデータを、パリティデータを付加してRAMのバックアップ領域に記憶するとともに、チェックサムを保存し、バックアップフラグを所定の値(例えば「1」)に更新する電力供給停止時処理を実行する。
尚、電圧低下信号が出力されていない場合には、電力供給停止時処理を実行せずに電源断検出処理を終了する。
次いで、スイッチ検出回路201eを介して、リセットスイッチ203、計数スイッチ60、投入スイッチ62a、自動投入スイッチ62bから信号が入力されているか否かの状態判定を行い、各スイッチが操作されていると判定した場合には、各々のスイッチの操作があったことを示すフラグをセットして、各処理において各スイッチが操作されているか否かを特定できるようにする(スイッチ処理:Sk41)。
次に、共通制御部201aは、RAMに記憶されている遊技玉数を遊技玉数表示器202に表示するための遊技玉表示制御処理(Sk42)と、貸出制御部301やメイン制御部41から受信したコマンドを解析するコマンド解析処理(Sk44)と、貸出制御部301やメイン制御部41にコマンドを送信するためのコマンド送信処理(Sk45)を実行する。
そして、共通制御部201aは、投入金額の残額から変換された遊技玉数を、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数(上記したようにRAMに記憶されている遊技玉数に同じ)に加算する遊技玉加算処理1(Sk46)と、持玉や貯玉から変換された遊技玉数を、遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数(上記したようにRAMに記憶されている遊技玉数に同じ)に加算する遊技玉加算処理2(Sk47)と、入賞によって付与された遊技玉数を遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数(上記したようにRAMに記憶されている遊技玉数に同じ)に加算する遊技玉加算処理3(Sk48)とを実行する。
尚、本実施例では、投入金額の残額を、遊技玉数の加算に直接使用できる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投入金額の残額を、持玉数に一旦加算し、該加算後の持玉数を遊技玉数の加算に使用する形態としても良い。
尚、これら遊技玉加算処理1、遊技玉加算処理2、遊技玉加算処理3は、貸出ユニット300からの貸出要求コマンドや払出要求コマンドの受信が無い場合や、メイン制御部41からの付与遊技玉数コマンドの受信が無い場合には終了される。
次いで、共通制御部201aは、図10に示す投入処理(Sk49)、図13に示す遊技玉返却処理(Sk50)、図14に示す自動投入解除処理(Sk51)、および図15に示す遊技玉補充表示要求処理(Sk52)を実行してタイマ割込処理を終了する。このようにタイマ割込処理を実行することで、タイマ割込処理に含まれる各処理を逐次実行することができるようになっている。
次に、遊技を開始するために遊技玉数に変換させる流れについて説明する。図9に示すように、貸出制御部301は、まず、貸出ユニット300のカード挿入口305aにカードが挿入されたか否か、紙幣挿入口306aに紙幣が挿入されたか否か、貸出スイッチ303が操作されたか否か、持玉・貯玉払出スイッチ310が操作されたか否か、返却スイッチ304が操作されたか否かを順次判定する監視状態となっている。
この状態においてカードの挿入を検出した場合には、挿入されたカードに記録されているカードIDや会員ID(会員カードのみ)等をカードリーダライタ305にて読み出し、該読み出したカードIDがカード管理コンピュータ(カード管理サーバ)に登録されているか否かにより正規のカードである否かを認証するカード認証処理を行う。カード認証処理において正規のカードでないと判定した場合には、図9に図示していないが、挿入されたカードを排出して、前述した監視状態に戻る。
一方、カード認証処理において正規のカードであると認証された場合には、カード管理コンピュータ(カード管理サーバ)においてカードIDに対応付けて記憶されているカード残額(プリペイド残額)をカード管理コンピュータ(カード管理サーバ)から取得して残額に設定し、該設定した残額を残額表示器302に表示する残額設定処理を行う。尚、本実施例では、残額をカード管理コンピュータ(カード管理サーバ)から取得する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カードにカード残額(プリペイド残額)が記録されていた場合には、これらカードに記録されていたカード残額(プリペイド残額)を認証した上で、認証したカード残額(プリペイド残額)を残額に設定して残額表示器302に表示するようにしてもよい。
そして、挿入されたカードを所持する遊技者が所有している持玉数や貯玉数を設定する持玉数・貯玉数設定処理を行う。具体的に、持玉数・貯玉数設定処理においては、挿入されたカードからカードリーダライタ305にて読み出したカードIDや会員IDを持玉数・貯玉数を管理する貯玉管理コンピュータに送信し、貯玉管理コンピュータにおいてカードIDや会員IDに対応付けて記憶されている持玉数や貯玉数を取得して、持玉数や貯玉数に設定し、持玉数・貯玉数表示器311に表示する。
尚、持玉数は、該カードを所持する遊技者が、その当日において遊技にて獲得した玉数であり、遊技者が会員であるか非会員であるかに関係なく(つまり、カードがビジターカードであるか会員カードであるかに関係なく)、カードIDに対応付けて貯玉管理コンピュータにおいて管理される玉数であり、その当日においてのみ払い出し(払い戻し)が可能とされている。よって、ビジターカードを所持する非会員遊技者が持玉数を、その当日において払い出し(払い戻し)しなかった場合には、持玉数が無効(消去)される。
一方、会員カードを所持する会員遊技者が持玉数を、その当日において払い出し(払い戻し)がなかった場合には、該持玉数は自動的に貯玉に加算される。このように、貯玉となった場合において該貯玉の払い出し(払い戻し)をする場合には、所定の手数料が必要となるが、持玉数の払い出し(払い戻し)には手数料がかからない。よって、遊技者が会員であって、持玉数と貯玉数の双方を所有している場合には、手数料のかからない持玉数を優先して払い出し(払い戻し)、該持玉数がなくなったときまたは持玉数がないときにのみ、貯玉数からの払い出し(払い戻し)が実行されるようになっている。尚、本実施例において持玉数や貯玉数からの払い出し(払い戻し)とは、持玉数や貯玉数の一部を遊技玉数の変換に使用することをいう。
よって、本実施例の持玉数・貯玉数設定処理においては、持玉数が優先して設定され、持玉数が存在しないときに貯玉数が設定されて持玉数・貯玉数表示器311にされる。尚、本実施例では、表示している玉数の表示色を、持玉数である場合と貯玉数である場合とで異なるようにすることで、持玉数・貯玉数表示器311に表示されている玉数が持玉数であるのか貯玉数であるのかを、遊技者が把握できるようになっている。
また、前述した監視状態において、紙幣挿入口306aからの紙幣の挿入を検知した場合には、残額加算処理を実行する。この残額加算処理においては、まず、挿入された紙幣を紙幣識別ユニット306により識別して、投入金額を特定する。そして、特定した投入金額を、その時点において残額表示器302に表示されている残額に加算更新して当該処理を終了する。よって、カードが挿入されておらず残額が存在しない場合でも、紙幣挿入口306aから紙幣を挿入して残額を増やすことができるとともに、カードが挿入されていて残額が存在する場合においても、紙幣挿入口306aから紙幣を挿入して残額を増やすことができる。
また、前述した監視状態において、貸出スイッチ303の操作を検出した場合には、残額表示器302に表示されている残額が、予め設定されている貸出単位額である「500円+消費税=540円」以上の金額であるか否かを判定し、貸出単位額以上でない場合には、前述した監視状態に戻る。このように、本実施例では、残額が貸出単位額に満たない場合には、貸出を行わない形態を例示していが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、貸出単位額に満たない残額であっても、残額を、パチンコ球Pの1玉に対応する貸出金額である、例えば、「4円+消費税=4.32円」や、「1円+消費税=1.08円」で除した値の範囲内の最大整数値を貸出すようにしてもよい。
貸出単位額以上の残額が存在する場合には、該残額から貸出単位額である540円を減算更新した後、該貸出単位額に相当する玉数である125玉(貸出単位玉数)の貸出を要求する貸出要求コマンドを共通制御部201aに対して送信する。
共通制御部201aは、貸出制御部301からの貸出要求コマンドを受信することで、Sk46の遊技玉加算処理1を実行する。具体的には、1回の貸出スイッチ303の操作で貸し出される所定の貸出単位玉数である125玉を貸出玉数として共通制御部201aのRAMに設定して一時記憶し、共通制御部201aのRAMに記憶されている遊技玉数に貸出玉数を加算した後、貸出玉数をクリアして、処理を終了する。
また、前述した監視状態において、持玉・貯玉払出スイッチ310の操作を検出した場合には、持玉数・貯玉数表示器311に表示されている持玉数が予め設定されている持玉数の払出単位数(125玉)以上であるか、または持玉数・貯玉数表示器311に表示されている貯玉数が予め設定されている貯玉数の払出単位数(135玉(125玉分の手数料10玉を含む))以上であるかを判定する。払出単位数以上の持玉数や貯玉数が存在していない場合には、前述した監視状態に戻る。このように、本実施例では、払出単位数以上の持玉数や貯玉数が存在していない場合には、払い出し(払い戻し)を行わない形態を例示していが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、払出単位数以上の持玉数や貯玉数が存在していない場合であっても、これら払出単位数未満の持玉数や貯玉数の払い出し(払い戻し)を可能とするようにしてもよい。
払出単位数以上の持玉数や貯玉数が存在している場合には、存在している持玉数や貯玉数から払出単位数である125玉の払い出し(払い戻し)を要求する払出要求コマンドを共通制御部201aに対して送信する。
共通制御部201aは、貸出制御部301からの払出要求コマンドを受信することで、Sk47の遊技玉加算処理2を実行する。具体的には、1回の持玉・貯玉払出スイッチ310の操作で払い出し(払い戻し)される払出単位数である125玉を払出玉数として共通制御部201aのRAMに設定して一時記憶し、共通制御部201aのRAMに記憶されている遊技玉数に、払出玉数を加算した後、払出玉数をクリアして、処理を終了する。
また、前述した監視状態において、返却スイッチ304の操作を検出した場合には、返却処理を実行する。具体的に、本実施例の返却処理においては、カードの受付け中であるか否か、カードを受付け中でない場合にはさらに、残額、持玉数、貯玉数のいずれかが存在しているか否かが判定される。
カードの受付け中でもなく、残額、持玉数、貯玉数のいずれも存在していない場合には、当該返却スイッチ304の操作を無効として返却処理を終了する。一方、カードの受付け中である場合には、その時点の残額と受付け中のカードのカードIDとをカード管理コンピュータに送信して、該カード管理コンピュータにて管理されている残額を更新させるとともに、その時点の持玉数、貯玉数と受付け中のカードのカードID(会員カードの場合には会員IDも)を貯玉管理コンピュータに送信して、該貯玉管理コンピュータにて管理されている持玉数、貯玉数を更新させた後、受付け中のカードを排出して返却し、当該返却処理を終了する。
このように、図9の処理が実行されることで、遊技者は、遊技を開始するときには、紙幣(現金)やカードを貸出ユニット300に挿入して、スロットマシン1の遊技玉数表示器202に遊技玉が存在する状態とすることができる。
そして、これら遊技玉数表示器202に遊技玉数が存在する状態において、図10に示す投入処理が共通制御部201aによって実行されることにより、これら遊技玉数が使用されて投入数が増加することで、図11のBET処理において、該増加した投入数を使用して賭数を設定することが可能となり、スタートスイッチ7の操作が有効化されることで遊技を実行することができる。
本実施例の投入処理においては、図10に示すように、まず、共通制御部201aは、RAMに記憶されている未投入玉数(1の投入数に変換するのに必要な投入単位数である5球のパチンコ球Pのうち、未だ投入装置61によって投入されていない玉数)が「0」であるか否かを判定する。
未投入玉数が「0」でない場合、つまり、1の投入数に変換するのに必要となる5球のパチンコ球Pの打撃が未だ検出されていない場合には、投入装置61からのパチンコ球Pの検出信号の入力があるか否かを判定する。
パチンコ球Pの検出信号の入力がある場合には、未投入玉数から1を減算し、RAMに記憶されている遊技玉数から1を減算した後、減算後の未投入玉数が「0」であるか否かを判定する。
減算後の未投入玉数が「0」である場合、つまり、5球のパチンコ球Pの打撃が検出された場合には、投入コマンドの送信設定を行う。尚、該送信設定された投入コマンドは、タイマ割込処理(共通)のコマンド送信処理にてメイン制御部41に対して送信される。
このようにして送信された投入コマンドがメイン制御部41に受信されることにより、メイン制御部41は、投入数に1を加算して、投入数表示器11の表示を加算後の投入数に更新する。
このように、本実施例では、投入数をメイン制御部41にて記憶し、表示を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入数を共通制御部201aにおいて記憶し、表示を行うようにしてもよい。
共通制御部201aは、投入コマンドの送信設定を行った後に、自動投入キャンセルフラグがセットされているか否かの判定を行う。自動投入キャンセルフラグがセットされていなければ投入装置61の動作を停止して当該処理を終了する一方、自動投入キャンセルフラグがセットされている場合、つまり、後述するように、投入動作の途中において自動投入スイッチ62bがOFF状態とされた場合における該投入動作が完了した場合には、自動投入キャンセルフラグと自動投入フラグをクリアして自動投入状態を終了し、投入装置61の動作を停止して当該処理を終了する。尚、送信設定された投入コマンドの受信に応じてメイン制御部41により、メッセージ表示終了コマンドがサブ制御部91に送信されることで、未完了の投入動作を実行中であって、未完了の投入動作が完了したときに自動投入状態が解除される旨を遊技者に報知するメッセージ(図18参照)が消去される。
パチンコ球Pの検出信号の入力がある場合又はパチンコ球Pの検出信号の入力があって減算された後の未投入玉数が「0」ではない場合には、自動投入キャンセルフラグがセットされているか否かを判定し、自動投入キャンセルフラグがセットされていなければ更に、自動投入フラグがセットされているか否かを判定し、自動投入フラグがセットされている場合には更に、自動投入スイッチ62bがOFF状態であるか否かを判定する。
自動投入キャンセルフラグがセットされておらず自動投入フラグがセットされており自動投入スイッチ62bがOFF状態である場合、つまり、自動投入状態において自動実行される5球のパチンコ球Pを打撃する投入動作が未完了の状態において自動投入スイッチ62bがOFF状態とされた場合には、自動投入キャンセルフラグをセットし、自動投入キャンセル報知要求コマンドをコマンド送信処理においてメイン制御部41に送信させるための送信設定をし、当該処理を終了する。尚、自動投入キャンセルフラグは、未投入玉数が存在する状態、つまり投入動作が未完了の状態において自動投入の解除操作が実行されたことにより、当該未完了の投入動作が完了したときに自動投入状態を終了させるためにセットされるフラグである。
この自動投入キャンセル報知要求コマンドを受信したメイン制御部41は、前述した自動投入解除表示指示コマンドをサブ制御部91に送信することにより、図18に示すように、未完了の投入動作を実行中であって、未完了の投入動作が完了したときに自動投入状態が解除される旨を遊技者に報知するメッセージが、液晶表示器51に点滅表示される。
また、自動投入キャンセルフラグが既にセットされている場合には、自動投入スイッチ62bがON状態となっているか否かを判定し、自動投入スイッチ62bがON状態となっていない場合には当該処理を終了する一方、自動投入スイッチ62bがON状態となっている場合、つまり、5球のパチンコ球Pを打撃する投入動作の途中において自動投入スイッチ62bがOFF状態とされたが、該投入動作が完了する前に、再度、自動投入スイッチ62bがON状態とされた場合(具体的には自動投入スイッチ62bの誤操作があった場合等)には、自動投入キャンセルフラグをクリアして当該処理を終了する。このようにすることで、投入動作の途中において自動投入スイッチ62bがOFF状態とされても、該投入動作が完了するまでの期間に、再度、自動投入スイッチ62bがON状態とすることで、自動投入状態を維持(継続)させることができる。
また、自動投入キャンセルフラグも自動投入フラグもセットされていない場合(自動投入状態ではない場合)、及び、自動投入キャンセルフラグはセットされていないが自動投入フラグはセットされており、自動投入スイッチ62bがON状態である場合(自動投入状態である場合)には、当該処理を終了する。
一方、未投入玉数が「0」である場合には、投入処理の最初の判定において「Yes」と判定することにより、遊技玉返却処理中フラグがセットされているか否か判定する。該判定において遊技玉返却処理中フラグがセットされている場合、つまり、遊技玉返却処理が実行中である場合には、自動投入スイッチ62bがON状態であるかの判定や、投入スイッチ62aが操作されたかの判定や、自動投入フラグがセットされているか否かの判定を実行せずに当該処理を終了することにより、新たな投入動作を開始しないとともに、自動投入状態としないようになっている。尚、遊技玉返却処理が実行中である場合に自動投入スイッチ62bがON状態に操作されても、ON状態にロックされずにOFF状態に戻るようになる。このように、本実施例では、遊技玉返却処理が実行中である場合に自動投入スイッチ62bの操作検出等を行わないことで、自動投入スイッチ62bのON状態の操作等を無効とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら自動投入スイッチ62bの操作等があっても該操作を無視するようにしても良いし、遊技玉返却処理が実行中である場合には、そもそも、自動投入スイッチ62bをON状態にすることができないように、自動投入スイッチ62bをOFF状態に固定するようにしても良い。
これに対し、遊技玉返却処理中フラグがセットされていない場合には、RAMに記憶されている遊技玉数が投入単位数である「5」以上であるか否かを判定する。
遊技玉数が投入単位数である「5」以上でない場合には、当該処理を終了し、遊技玉数が投入単位数である「5」以上である場合には、自動投入スイッチ62bがON状態であるか否かを更に判定する。
自動投入スイッチ62bがON状態である場合には、自動投入フラグがセットされているか否かを判定し、自動投入フラグがセットされていない場合(つまり、自動投入状態でないときに自動投入スイッチ62bがON状態に操作された場合)には、自動投入フラグをセットした後に、未投入玉数に投入単位数である「5」をセットして当該処理を終了する。
尚、自動投入スイッチ62bがON状態であって自動投入フラグが既にセットされている場合には、自動投入フラグを新たにセットすることなく、未投入玉数に投入単位数である「5」をセットして当該処理を終了する。
一方、自動投入スイッチ62bがON状態ではない場合には、投入スイッチ62aの操作の有無を判定する。そして、投入スイッチ62aの操作が有る場合には更に、自動投入フラグがセットされているか否かを判定し、自動投入フラグがセットされていない場合には、未投入玉数に投入単位数である「5」をセットして当該処理を終了する。よって、下記に示すように、次のタイマ割り込み時には、未投入玉数に「5」がセットされている状態にて投入処理が実行されることになる。尚、投入スイッチ62aの操作が無い場合、及び、投入スイッチ62aの操作があっても自動投入フラグがセットされている場合には、未投入玉数がセットされることなく当該処理が終了される。つまり、自動投入フラグがセットされている自動投入状態においては、投入スイッチ62aの操作が無効とされるようになっており、自動投入フラグがセットされていない自動投入状態ではない場合においてのみ、投入スイッチ62aによる投入動作が可能とされている。
尚、上記のように、未投入玉数に投入単位数である「5」がセットされることにより、タイマ割り込み毎に該投入処理が実行されることで、上記したように、パチンコ球Pの検出が有る毎に未投入玉数から1が減算され、未投入玉数が0となった場合、つまり、投入装置61において5球のパチンコ球Pの打撃による検出があった場合に、投入動作が完了して投入コマンドが送信されるようになっている。
ここで、メイン制御部41が実行するBET処理を図11に基づいて説明すると、BET処理では、賭数が規定数に達しているか否かを判定し、賭数が規定数に達している場合は、BET処理を終了する。一方、賭数が規定数に達していない場合は、投入数の範囲内で規定数まで賭数を加算し、該加算分を投入数から減算するとともに、投入数表示器11の表示を減算後の投入数に更新する。その後、賭数が規定数に達したか否かを判定する。そして、賭数が規定数に達していないと判定された場合には、BET処理を終了する。一方、賭数が規定数に達したと判定された場合には、スタートスイッチ7を有効化して、BET処理を終了する。
これらゲームにおいて小役の入賞が発生した場合にメイン制御部41は、図12に示すように、付与処理を実行して、入賞した小役の種類に応じて付与される付与遊技玉数をRAM41cに設定する。そして、付与遊技玉数を特定可能な付与遊技玉数コマンドを共通制御部201aに送信し、付与遊技玉数をクリアして付与処理を終了する。
このようにして送信された付与遊技玉数コマンドを受信した共通制御部201aは、遊技玉加算処理3を実行する。
具体的に遊技玉加算処理3においては、受信した付与遊技玉数コマンドから遊技玉数に加算する遊技玉数加算数(付与遊技玉数と同じ)を特定し、該特定した遊技玉数加算数を、RAMに記憶されている遊技玉数に加算して、当該処理を終了する。
よって、遊技により小役が多く入賞した場合には遊技玉数が増加し、小役の入賞が少ない場合には遊技玉数が減少することになる。
尚、本実施例では、上記したように、小役の入賞により付与される遊技価値である付与遊技玉数を、遊技玉数に加算する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小役の入賞により付与される遊技価値を持玉数に加算するようにし、該持玉数を遊技玉数に加算して精算できるようにしてもよい。
次に遊技者が遊技を終了する際に計数スイッチ60を操作したときに実行される遊技玉返却処理の流れについて、図13を用いて説明する。
図13に示すように、遊技玉返却処理において共通制御部201aは、まず、遊技玉返却処理中フラグがセットされているか否かを判定する。該判定において遊技玉返却処理中フラグがセットされていると判定した場合には、貸出ユニット300の貸出制御部301から加算完了コマンドの受信が有るか否かを判定し、加算完了コマンドの受信が無い場合には当該処理を終了する。尚、加算完了コマンドの受信が有るか否かの判定は、加算完了コマンドの受信が有るまでのタイマ割り込みにおいて行われることになるので、該判定を行うことにより、加算完了コマンドの受信待ち状態が形成される。
加算完了コマンドの受信が有った場合には、RAMの遊技玉数を「0」に更新し、遊技玉返却処理中フラグをクリアする。
一方、遊技玉返却処理中フラグがセットされていない場合には、計数スイッチ60の操作の有無を判定し、操作が無い場合には当該処理を終了する。
計数スイッチ60の操作が有る場合には、更に、RAMに記憶されている遊技玉数が「0」であるか否かを判定する。遊技玉数が「0」である場合には、該遊技玉返却処理を終了する。遊技玉数が「0」でない場合には、自動投入フラグがセットされているか否かを判定し、自動投入フラグがセットされている場合は、該遊技玉返却処理を終了する。つまり、自動投入フラグがセットされている自動投入状態においては、計数スイッチ60の操作は無効とされるため、遊技玉数が持玉数に加算されることはない。
尚、このように、遊技玉数が「0」でなく、自動投入フラグがセットされているために計数スイッチ60の操作が無効とされて遊技玉が持玉数に加算されないと、遊技玉数が残存したまま遊技を終了してしまい、遊技者に不利益が発生してしまう畏れがあるので、このように遊技玉数が「0」でない場合において、自動投入フラグがセットされているために計数スイッチ60の操作が無効されたときには、自動投入状態を解除する必要がある旨のメッセージ等を表示して、自動投入状態の解除を促して、遊技者に不利益が発生しないようにしてもよいし、或いは、自動投入状態を解除する必要がある旨のメッセージに代えて、自動投入状態を解除するか否かの確認メニューを表示して、自動投入状態の解除選択を受付けた場合に、自動投入状態を解除するようにしてもよい。
また、本実施例では、図13に示すように、計数スイッチ60の操作が有る場合に遊技玉数が残存しているか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技玉数だけではなく投入数についても残存しているか否かを判定し、残存している場合には、残存していることを、メッセージ等を表示する等によって遊技者に報知して、これら残存している投入数が遊技に使用されることなく、遊技者が遊技を終了してしまうことが無いようにしてもよい。
自動投入フラグがセットされていない場合には、遊技玉返却処理が実行中であることを示す遊技玉返却処理中フラグをセットした後、RAMに記憶されている遊技玉数を返却玉数に設定し、返却玉数を特定可能な返却玉数コマンドをコマンド送信処理において貸出制御部301に送信させる送信設定をして、当該処理を終了する。
このようにして送信される返却玉数コマンドが貸出制御部301により受信された場合には、貸出制御部301は、返却玉数コマンドから特定される返却玉数を持玉数に加算する。よって、遊技者がすでに当日の遊技で持玉数を所有している場合であって、貸出ユニット300の持玉数・貯玉数表示器311に持玉数が表示されている場合には、該表示されている持玉数に返却玉数が加算されることになる。そして、これら返却玉数が加算された持玉数は、前述したように、返却スイッチ304を遊技者が操作することで、該持玉数を特定可能とされたカードが排出または発行される。そして、これらの加算が完了した後、加算が完了したことを示す加算完了コマンドを返信する。
これら返信された加算完了コマンドは、上記した加算完了コマンドの受信判定において受信有りと判定されることで、遊技玉数が「0」に更新されるとともに、遊技玉返却処理中フラグがクリアされる。
尚、本実施例では、持玉数への加算が良好に実行されずに遊技玉数の「0」への更新が実行されて遊技者に不利益が発生してしまうことがないように、遊技玉数の「0」への更新を加算完了コマンドの受信後に行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技玉数の「0」への更新を、加算完了コマンドを送信するときに行うようにしてもよい。
また、本実施例では、計数スイッチ60を操作しないと遊技玉数表示器202に表示されている遊技玉数が貸出ユニット300の持玉数に加算されない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技者によって返却スイッチ304が操作されたときに遊技玉数が存在する場合には、該存在する遊技玉数を持玉数に自動的に加算するようにすることで、遊技玉数の持玉数への加算忘れ(返却忘れ)を防止できるようにしてもよい。
次に、タイマ割込処理(共通)において実行される、本実施例の自動投入解除処理(Sk51)について、図14に基づき説明する。本実施例では、自動投入解除処理(Sk51)が、タイマ割り込みが発生する毎に実行されることで、予め設定されている解除条件が成立したときに、自動投入状態が終了(解除)されるようになっている。
本実施例の自動投入解除処理においては、図14に示すように、共通制御部201aは、まず、1のゲームが終了したときに送信される遊技終了コマンドの受信が有るか否かを判定する。遊技終了コマンドの受信が有る場合には、ゲーム非実行時間カウンタに、所定の解除時間(例えば、5分)に相当するカウンタ値をセットする。一方、遊技終了コマンドの受信が無い場合は、ゲーム非実行時間カウンタがカウントアップしていなければ該ゲーム非実行時間カウンタを1減算更新する。
そして、自動投入スイッチ62bがON状態であるか否かを判定し、自動投入スイッチ62bがON状態でない場合には、当該処理を終了する。
一方、自動投入スイッチ62bがON状態である場合には、遊技玉数が投入単位数である「5」未満であるか否かを判定する。遊技玉数が投入単位数未満でない場合は、更に、ゲーム非実行時間カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ゲーム非実行時間カウンタの値が「0」でない場合には、更に、投入数が予め設定された上限値(例えば、50)に達しているか否かを判定する。
遊技玉数が投入単位数未満でなく、ゲーム非実行時間カウンタの値が「0」でなく、投入数が上限値に達していない場合には、当該処理を終了する。
また、遊技玉数が投入単位数未満である場合、遊技玉数が投入単位数未満ではないがゲーム非実行時間カウンタの値が「0」である場合、遊技玉数が投入単位数未満ではないとともにゲーム非実行時間カウンタの値が「0」でもないが投入数が上限値に達している場合には、共通制御部201aは、自動投入スイッチ62bに制御信号を出力してロック機能を解除し、自動投入スイッチ62bをOFF状態に変更する。そして、自動投入フラグをクリアして当該処理を終了する。
つまり、本実施例では、遊技玉数が投入単位数未満である場合、最後に実行されたゲームから解除時間が経過することでゲーム非実行時間カウンタの値が「0」である場合、投入数が上限値に達している場合のいずれかであるときには、自動投入フラグがクリアされて自動投入状態が終了(解除)される。
尚、本実施例では、遊技玉数が投入単位数未満であるときに自動投入状態を終了(解除)するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら自動投入状態を終了(解除)する遊技玉数を、投入単位数以外の遊技玉数(例えば、投入単位数よりも少ない「0」や、投入単位数よりも多い「9」など)としてもよいし、これら自動投入状態を終了(解除)する遊技玉数を、遊技者や遊技場の係員が設定変更できるようにしてもよい。
また、本実施例では、解除時間を5分とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら解除時間を、5分よりも長い時間や、5分よりも短い時間、或いは、5分よりも長い時間としてもよいし、これら解除時間を、遊技者や遊技場の係員が設定変更できるようにしてもよい。
また、本実施例では、投入数の上限値を50とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入数の上限値を50よりも大きな値、或いは、50よりも小さな値としてもよいし、これら上限値を、遊技者や遊技場の係員が設定変更できるようにしてもよい。
また、上記した3つの条件とは異なる条件、例えば、BB状態やRB状態やRT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態が終了することや、遊技状態が変化することや、所定数の遊技玉数が使用されたことや、貸出ユニット300において離席操作がなされたこと等の条件を解除条件としてもよい。
尚、本実施例では、遊技状態に関係なく、上記した解除条件を一律に適用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、BB状態やRB状態やRT状態等である場合には、解除時間が経過しても自動投入状態が終了(解除)しない等のように、遊技状態に応じて、自動投入状態が終了(解除)に使用する解除条件の内容を変更するようにしてもよい。尚、この解除条件の内容の変更としては、複数の異なる解除条件のうちで使用する解除条件を変更することや、使用する解除条件の数は変更せずに、例えば、BB状態やRB状態やRT状態等である場合には、解除時間を5分よりも長くすることや、投入数の上限値を50よりも多いものとすることや、遊技玉数の閾値を「5」とは異なる値に変更することのように、解除条件を変更するようにしてもよい。
次に、タイマ割込処理(共通)において実行される、本実施例の遊技玉補充表示要求処理(Sk52)について、図15に基づき説明する。
本実施例では、遊技玉補充表示要求処理(Sk52)が、タイマ割り込みが発生する毎に実行されることで、予め設定されている補充報知条件が成立したか否かが監視されるようになっている。
具体的には、本実施例の遊技玉補充表示要求処理においては、図15に示すように、共通制御部201aは、補充報知条件として、RAMに記憶されている遊技玉数が投入単位数である「5」未満であるか否か、つまり、投入動作が可能な遊技玉数が残存しているか否かを判定する。
RAMに記憶されている遊技玉数が投入単位数である「5」未満でない場合、つまり、投入動作が可能な遊技玉数が残存している場合には当該処理を終了する一方、RAMに記憶されている遊技玉数が投入単位数である「5」未満である場合、つまり、投入動作が可能な遊技玉数が残存していない場合には、補充表示要求コマンドをコマンド送信処理においてメイン制御部41に送信させる送信設定をして、当該処理を終了する。
このようにして送信される補充表示要求コマンドを受信したメイン制御部41は、サブ制御部91に対して補充表示指示コマンドを送信することにより、サブ制御部91によって、図16に示すように、遊技玉の補充を促す「遊技玉を補充してください」のメッセージが、所定期間に亘って液晶表示器51に点滅表示されることで、遊技玉が不足していて、補充が必要であることを遊技者に報知できるようになっている。尚、本実施例では、これら遊技玉の補充を促す「遊技玉を補充してください」のメッセージをスロットマシン1の液晶表示器51に表示する形態を例示していが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技玉の補充が必要であることの報知を、貸出ユニット300のみにおいて実行したり、或いは、スロットマシン1と貸出ユニット300との双方で実行するようにしてもよい。
以上、本実施例によれば、自動投入フラグがセットされている自動実行状態においては、持玉数に遊技玉数を加算するための返却玉数コマンドの送信等の処理が実施されることはないので、自動実行状態における投入動作の制御処理と、持玉数に遊技玉数を加算するための処理とが同時に並行して行われることがないので、処理負荷が増加してしまうことを防ぐことができるとともに、これら遊技玉数を減算する投入動作の制御処理と、遊技玉数を持玉数に加算するための処理とが同時に並行して行われることにより、正しい遊技玉数よりも少ない誤った遊技玉数が持玉数に加算されて遊技者に不利益が発生してしまうことも防ぐことができる。
また、本実施例によれば、遊技玉返却処理中フラグがセットされている遊技玉返却処理の実行中においては、自動投入スイッチ62bがON状態とされても、自動投入状態に移行しない(自動投入フラグをセットしない)ようになっているので、自動実行状態における投入動作の制御処理と、持玉数に遊技玉数を加算するための処理とが同時に並行して行われることがないので、処理負荷が増加してしまうことを防ぐことができるとともに、これら遊技玉数を減算する投入動作の制御処理と、遊技玉数を持玉数に加算するための処理とが同時に並行して行われることにより、正しい遊技玉数よりも少ない誤った遊技玉数が持玉数に加算されて遊技者に不利益が発生してしまうことも防ぐことができる。
また、本実施例によれば、自動実行状態であるときに、RAMに記憶されている遊技玉数が解除条件である、投入単位数未満となっている場合や、解除時間に設定されている時間に亘って非遊技状態が継続している場合には、自動実行状態を終了する制御を行うので、これら自動実行状態が、遊技者が交代したにもかかわらずに交代した新たな遊技者の遊技に引き継がれてしまい、該新たな遊技者が意図せずに遊技玉数が使用されてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、自動投入状態においては、投入スイッチ62aの操作があっても、該操作が無効とされて投入動作が行われることはないので、自動実行状態による投入動作が適切に行われなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、投入動作に使用された遊技玉数が減算された後の新たな遊技玉数が補充報知条件である遊技玉数が投入単位数である「5」未満であることを満たした場合には、持玉数からの変換が必要であることが、図16に示すメッセージが表示されることで報知されるので、持玉数からの変換が必要であることを遊技者が認識できる。
また、本実施例によれば、投入動作によって加算された投入数や賭数については、遊技玉数に加算することによる精算が不能とされているため、これら精算を行う必要がなく、精算処理を行う処理負荷を低減できるとともに、精算に関する不正も防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
図19は、変形例1における遊技玉返却処理を示すフロー図である。つまり、上記した実施例においては、計数スイッチ60の操作によって、遊技玉数が持玉数に加算されて、貸出ユニット300の貸出制御部301から加算完了コマンドの受信があったときに自動投入状態があった場合には、該自動投入状態を維持する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19の変形例1に示すように、加算完了コマンドの受信が有った場合に、RAMの遊技玉数を「0」に更新し、遊技玉返却処理中フラグをクリアした後、自動投入スイッチ62bがON状態であるか否かを判定し、ON状態であれば、該、自動投入スイッチ62bをOFF状態とするとともに、自動投入フラグをクリアして自動投入状態を終了(解除)するようにしても良く、このようにすることで、自動実行状態が、遊技者が交代したにもかかわらずに交代した新たな遊技者の遊技に引き継がれてしまい、該新たな遊技者が意図せずに遊技玉数が使用されてしまうことを防ぐことができるようにしてもよい。
図20は、変形例2における遊技玉返却処理を示すフロー図である。つまり、上記した実施例の遊技玉返却処理においては、遊技者に不利益が発生しないようにするために、貸出ユニット300において持玉数に遊技玉数の加算が完了して、貸出ユニット300の貸出制御部301から加算完了コマンドの受信があったときに遊技玉数を「0」に更新する形態を例示しているが、このようにした場合において、遊技玉数を「0」に更新される前に自動投入スイッチ62bがON状態とされて投入動作が実行されてしまうと、持玉数に加算された遊技玉数が重複して使用されてしまう問題が生じてしまうことから、図20に示すように、遊技玉数を「0」に更新する前の加算完了コマンドの受信待ち状態において自動投入スイッチ62bがON状態とされたか否かを判定し、該判定において自動投入スイッチ62bがON状態とされたと判定した場合には、貸出ユニット300の貸出制御部301に返却無効コマンドをコマンド送信処理により送信させる設定をすることにより返却無効コマンドを送信させて、貸出制御部301における返却玉数の持玉数への加算をキャンセルさせて、持玉数を加算前の持玉数に戻させるとともに、遊技玉返却処理中フラグをクリアして、遊技玉返却処理を終了するようにしてもよい。つまり、遊技玉返却処理中に自動投入状態への移行操作があった場合には、実行中の遊技玉返却処理を終了するようにしてもよい。
尚、図20においては、自動投入スイッチ62bについての例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技玉返却処理中に投入スイッチ62aの操作があった場合についても、実行中の遊技玉返却処理を終了するようにしてもよい。
また、前記実施例では、自動投入状態を終了させる解除操作である自動投入スイッチ62bをOFF状態とする操作を、投入装置61の動作状態に関係なく実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図21に示す変形例3−1のように、例えば、一定時間における投入数に制限がある場合等において投入装置61が、動作状態と非動作状態とを繰り返す場合(間歇的に動作する場合)においては、投入装置61が非動作状態である期間においてのみ解除操作を有効とする、つまり、投入動作が完了してからでないと、自動投入状態を終了(解除)できないようにしてもよいし、図21に示す変形例3−2のように、これら非動作状態である期間に、投入装置61の投入動作で投入される単位玉数の残り玉数が所定数(例えば「2」)以下となって少なくなった期間を加えた期間においてのみ解除操作を有効とする、つまり、投入装置61が動作している期間において、解除操作を無効とする期間と解除操作を有効とする期間が設定されていてもよい。
また、前記実施例では、投入装置61の投入動作の途中において電断が発生した場合には、電断復旧時において未投入玉数を特定して、該未投入玉数の投入動作を行った後に遊技を可能とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図22の変形例4に示すように、投入装置61の投入動作の途中において電断が発生した場合において、該実行中の投入動作を最初からやり直し、該投入動作が完了したときに、該投入動作に使用した投入単位数を遊技玉数から減算し、該減算が完了したときに、遊技を実行可能とするようにしてもよい。
尚、これら変形例4や前記実施例では、投入装置61の投入動作の途中において電断が発生した場合において、実行中であった投入動作を途中または最初から電断復旧時に実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電断が発生したときに投入装置61が投入動作を行っていた場合においては、前述した電力供給停止時処理において、該投入動作の開始時においてRAMに記憶される該投入動作に使用される遊技玉数が減算される前の減算前遊技玉数のデータと、投入動作中に電断が発生したことを示す投入動作中電断フラグとをRAMのバックアップ領域に記憶しておき、図23の変形例5に示すように、電断からの復旧時においてバックアップ領域に投入動作中電断フラグがセットされているか否かにより電断時に投入動作中であったか否かを判定し、電断時に投入動作中でなかった場合には、バックアップ領域に記憶されている遊技玉数を遊技玉数表示器202に表示する遊技玉数として記憶して、遊技玉数表示器202の表示を更新した後、復旧完了コマンドをメイン制御部41に送信して遊技を可能化する一方、電断時に投入操作中であったと判定される場合には、バックアップ領域に記憶されている減算前遊技玉数を、遊技玉数表示器202に表示する遊技玉数として記憶して、遊技玉数表示器202の表示を更新した後、復旧完了コマンドをメイン制御部41に送信して遊技を可能化することで、電断時に実行していた投入動作については、電断復旧時には実行しないようにしてもよい。
また、前記実施例では、投入数を使用して賭数を設定して遊技を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定数の遊技玉数を使用する投入動作が行われる毎にスタートスイッチ7の操作が有効となって、遊技を開始できるものであってもよいし、所定数の遊技玉数を使用する投入動作が行われて遊技(ゲーム)が開始可能な投入数が存在していれば、スタートスイッチ7の操作が無くても自動的に遊技(ゲーム)が開始されるものであってもよい。つまり、BET操作を行うことなく、投入数を直接使用して遊技(ゲーム)を行うことができるものであってもよい。
また、前記実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作して対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる形態の遊技を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら停止操作がなくても、抽選された停止図柄が、所定時間が経過したときに自動的に導出されるものであってもよい。
また、前記実施例では、リール2L、2C、2Rを回転させて入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せを停止させて小役を入賞させる遊技のみを行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機のように、始動入賞の有無によって、変動表示を実行させる権利となる保留記憶が記憶され、該保留記憶を使用して図柄(識別情報)の変動表示が実行される遊技性と同様に、投入装置61において投入単位数のパチンコ球Pの打撃による投入(疑似発射)があった場合に、保留記憶数に加算する値を、遊技者の操作タイミングに応じて「0」、「1」、「2」のいずれかから抽選し、抽選した値を保留記憶数に記憶し、該保留記憶数が存在する場合に、リール2L、2C、2Rの回転を自動的に開始して抽選された停止図柄を入賞ラインLN上に停止して、該停止図柄が小役の入賞図柄である場合に、遊技玉数を付与するようにしてもよい。尚、このように、投入数を使用して保留記憶数に加算する値を決定するゲームを行う場合にあって、保留記憶数に上限がある場合には、保留記憶数が該上限に達した場合、或いは、その時点の保留数と上限値との差に投入数が達した場合には、自動投入状態を終了するようにしてもよい。
また、前記実施例では、投入動作に使用される遊技玉数を、該投入動作において1のパチンコ球Pが検出される毎に、逐次、1の遊技玉数を減算する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した変形例4に示すように、投入単位数の全てのパチンコ球Pが検出されて投入動作が完了したときに、投入単位数の遊技玉数を減算するようにしてもよいし、逆に、投入動作を開始するときに投入単位数の遊技玉数を減算しておいて、該投入動作を完了させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、電断復帰時に未投入玉数が存在しているときには、該未投入玉数の投入を行う形態を例示し、前記変形例4では、電断復帰時に最初からやり直す形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投入動作に使用された遊技玉数の減算を該投入動作の完了後に行う減算形態の場合においては、前述した変形例5に示すように、電断復帰時に、これら投入動作を行わずに、遊技を可能とするようにしてもよい。
前記実施例では、本発明の所定動作として、遊技玉数「5」を使用して、投入装置61が投入単位数である5球のパチンコ球Pの打撃を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1の投入数に必要な遊技玉数が「1」であれば、1球のパチンコ球Pの打撃を行う動作が本発明の所定動作となるように、これら所定動作は、1のパチンコ球Pの打撃を行う動作であってもよいし、複数のパチンコ球Pの打撃を行う動作であってもよい。
また、前記実施例では、本発明の所定動作として、パチンコ球Pの打撃を行い、これら打撃を遊技者が視認できるようにすることで、遊技玉数が遊技に使用されていることを遊技者が認識しやすくなるようにした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら所定動作は、パチンコ球Pの打撃以外の動作、例えば、一列状に配置されたパチンコ球Pを、検出センサを移動させて投入する数量分だけ検出する動作としたり、パチンコ球Pを打撃する映像を表示する動作等としたり、単に、投入中LEDを点灯や点滅させる動作や、単に、遊技玉数の表示を減算更新する動作であってもよい。
また、前記実施例では、遊技者が所有する持玉数から変換された遊技価値を「遊技玉数」と称する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技者が所有する持玉数から変換され、所定動作に使用可能な遊技価値は、「ポイント」や「持点」と称しても良く、これら遊技価値の名称については、適宜な呼称を使用すればよい。
前記実施例では、遊技玉数が投入単位数未満である場合には、自動投入状態とすることができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら自動投入状態とすることができない遊技玉数の条件を、投入単位数以上の遊技玉数、例えば、少なくとも2回以上の投入動作が実行可能な10玉以上としてもよいし、これら自動投入状態とすることができない遊技玉数を遊技場の係員が設定変更できるようにしてもよい。
前記実施例では、自動投入スイッチ62bが、自動投入状態がOFF状態において突出状態となり、自動投入状態がON状態において没状態となることで、操作する自動投入スイッチ62bの状態によって、自動投入状態がOFF状態かON状態かを遊技者が容易に認識できるようにした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら自動投入スイッチ62bを、通常のスイッチとして、該通常のスイッチからなる自動投入スイッチの周囲近傍位置に、自動投入状態がOFF状態かON状態かを示す自動投入状態LED(ランプ)を設けるようにしてもよい。
前記実施例では、スタートスイッチ7の操作による遊技(ゲーム)が実行されているか否かに関係なく、投入装置61における投入動作を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入装置61における投入動作を、スタートスイッチ7の操作による遊技(ゲーム)が実行されていない期間においてのみ実行するようにして、遊技者が、透明窓61aを介して、遊技が実行されていることでパチンコ球Pの打撃を視認し難くなってしまうことを防ぐことができるようにしても良く、このようにする場合には、投入スイッチ62aの操作については、スタートスイッチ7の操作による遊技(ゲーム)が実行されていない期間においてのみ有効とするようにしてもよい。
また、前記実施例では、自動実行状態による投入動作の制御処理と、持玉数に遊技玉数を加算するための処理とが同時に並行して行われることを防ぐだけではなく、投入スイッチ62aによる投入動作の制御処理と、玉数に遊技玉数を加算するための処理とが同時に並行して行われることも防ぐために、図10に示すように、遊技玉返却処理中フラグがセットされている遊技玉返却処理の実行中においては、投入スイッチ62aの操作検知の判断を行わないことで投入スイッチ62aの操作が無効とされ、投入スイッチ62aが操作されても、投入動作を行わないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、自動実行状態による投入動作の制御処理と、持玉数に遊技玉数を加算するための処理とが同時に並行して行われることのみを防ぐ構成としてもよい。
また、前記実施例では、5球のパチンコ球Pを打撃する投入動作の途中において自動投入状態が終了(解除)された場合には、該実行中の投入動作を完了してから自動投入状態を終了する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投入動作が完了した段階で該投入動作に使用した遊技玉数を一度に減算する場合にあっては、自動投入状態が終了(解除)された時点で、実行中の投入動作を終了し、遊技玉数の減算を行わないようにしてもよいし、1のパチンコ球Pを打撃する毎に遊技玉数を減算する場合においては、自動投入状態が終了(解除)された時点で、実行中の投入動作を終了し、未投入の遊技玉数を記憶しておき、次に投入動作を行うときに、未投入の遊技玉数が存在する場合には、該未投入の遊技玉数の投入を実行して投入数に1を加算するようにしてもよい。尚、これら未投入の遊技玉数を記憶する場合に、計数スイッチ60が操作された場合には、未投入の遊技玉数が存在することを遊技者に報知したり、或いは、これら未投入の遊技玉数を、該操作による遊技玉数返却処理が開始される前に、遊技玉数に自動的に加算するようにしてもよい。
つまり、投入動作中に自動投入状態の終了(解除)操作が実行されてしまうと、上記したように、すでに実行したパチンコ球Pの打撃数をどのように処理するのかや、遊技玉数の減算をどのように行うのか等の処理が発生し、処理が複雑化してしまうとともに、遊技者にも不信感を与えてしまう畏れがあるので、前述の変形例3−1で示したように、投入動作が行われていないときにおいてのみ、自動投入状態の終了(解除)操作を有効とするようにすることで、これらを防ぐことができる。
次に、変形例6としての投入装置について説明する。図24は、変形例6における投入装置を示す正面図である。
図24(A)に示すように、変形例6における投入装置601の筐体の内部には、ハンマー部材603に向かって下がるように傾斜するレール部材604が設けられている。このレール部材604上には、パチンコ球P(被検出球)が設けられ、レール部材604に沿って移動可能となっている。パチンコ球Pの検出が行われないときには、パチンコ球Pはレール部材604の下端側に配置されている。レール部材604の近傍には、ハンマー部材603が設けられ、このハンマー部材603を動作させるためのソレノイド602が設けられている。また、レール部材604の上端側の近傍には、パチンコ球Pの近接を検出する検出センサ605が設けられている。
前記実施例では、投入装置61を起動すると常に駆動ソレノイド71が励磁され、ハンマー部材70が駆動ソレノイド71に近づく方向に移動されるようになっているが、以下に述べる変形例(変形例3〜5)では、ソレノイドが常時励磁されておらず、ハンマー部材がパチンコ球Pを叩く場合のみソレノイドが励磁されるようになっている。
図24(B)に示すように、ソレノイド602を励磁すると、ハンマー部材603が動作してヘッド部603aがパチンコ球Pを叩く。すると、パチンコ球Pがレール部材604に沿って上昇移動し、検出センサ605によりパチンコ球Pが検出される。例えば、遊技玉投入処理を行う際には、ソレノイド602の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。ここで、検出センサ605によりパチンコ球Pが5回検出される度、つまり、「1」のクレジット数に相当する「5玉」のパチンコ球Pを検出する度に、1の投入コマンドがメイン制御部41に対して送信される。遊技者は、透明窓(図示略)を介してパチンコ球Pがハンマー部材603に接触していることを視認すること、または、パチンコ球Pがハンマー部材603に接触したときの打撃音を聞くことにより、パチンコ球Pが検出されることを認識することができる。また、遊技玉加算処理や遊技玉清算処理を行う際にも、ソレノイド602の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。
次に、変形例7としての投入装置について説明する。図25は、変形例7における投入装置を示す正面図である。
図25に示すように、変形例7における投入装置611の筐体の内部には、ハンマー部材613の近傍に円盤体614が設けられている。この円盤体614には、周方向に均等に並んだ4つのパチンコ球Pが設けられている。円盤体614は、その中心を軸として反時計回りに回転駆動される。また、ハンマー部材613の近傍には、このハンマー部材613を動作させるためのソレノイド612が設けられている。パチンコ球Pの検出が行われないときには、円盤体614が停止され、ソレノイド612が励磁されていない状態となっている。
パチンコ球Pの検出が行われるときには、円盤体614の回転駆動が開始されるとともに、この駆動に同期して所定タイミングでソレノイド612が励磁される。ソレノイド612が励磁されると、ハンマー部材613が動作してヘッド部613aがパチンコ球Pを叩くようになる。ハンマー部材613がパチンコ球Pを叩く動作をする度に検出信号が出力される。
例えば、遊技玉投入処理を行う際には、ソレノイド612の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。ここで、パチンコ球Pが5回検出される度、つまり、「1」のクレジット数に相当する「5玉」のパチンコ球Pを検出する度に、1の投入コマンドがメイン制御部41に対して送信される。遊技者は、透明窓(図示略)を介してパチンコ球Pがハンマー部材613に接触していることを視認すること、または、パチンコ球Pがハンマー部材613に接触したときの打撃音を聞くことにより、パチンコ球Pが検出されることを認識することができる。また、遊技玉加算処理や遊技玉清算処理を行う際にも、ソレノイド612の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。
次に、変形例8としての投入装置について説明する。図26は、変形例8における投入装置を示す正面図である。
図26に示すように、変形例8における投入装置621の筐体の内部には、ハンマー部材623の近傍に棒部材624が設けられている。この棒部材624には、その両端部のそれぞれにパチンコ球Pが1つずつ設けられている。棒部材624は、その中心を軸として反時計回りに回転駆動される。また、ハンマー部材623の近傍には、このハンマー部材623を動作させるためのソレノイド622が設けられている。パチンコ球Pの検出が行われないときには、棒部材624が停止され、ソレノイド622が励磁されていない状態となっている。
パチンコ球Pの検出が行われるときには、棒部材624の回転駆動が開始されるとともに、この駆動に同期して所定タイミングでソレノイド622が励磁される。ソレノイド622が励磁されると、ハンマー部材623が動作してヘッド部623aがパチンコ球Pを叩くようになる。ハンマー部材623がパチンコ球Pを叩く動作をする度に検出信号が出力される。
例えば、遊技玉投入処理を行う際には、ソレノイド622の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。ここで、パチンコ球Pが5回検出される度、つまり、「1」のクレジット数に相当する「5玉」のパチンコ球Pを検出する度に、1の投入コマンドがメイン制御部41に対して送信される。遊技者は、透明窓(図示略)を介してパチンコ球Pがハンマー部材623に接触していることを視認すること、または、パチンコ球Pがハンマー部材623に接触したときの打撃音を聞くことにより、パチンコ球Pが検出されることを認識することができる。また、遊技玉加算処理や遊技玉清算処理を行う際にも、ソレノイド622の励磁を繰り返すことで、パチンコ球Pの検出が繰り返される。
尚、変形例7及び8における投入装置では、回転移動するパチンコ球Pをハンマー部材が叩く動作をする度に検出信号が出力されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、停止(固定)されている1個のパチンコ球Pをハンマー部材が叩く動作をする度に検出信号が出力されるものであってもよい。
また、前記実施例並びに各変形例においては、投入装置61や投入装置601を、演出用スイッチ56の近傍位置に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投入装置61や投入装置601の配置位置は、投入装置61や投入装置601の形状や大きさ等に応じて、演出用スイッチ56の近傍とは異なる位置に設けるようにしてもよい。
また、前記実施例並びに各変形例においては実施していないが、例えば、前記実施例においては、不正がされておらず投入装置61が正常に動作している場合には、検出センサ80による検出と検出センサ69による検出とは、所定の順序や所定のタイミングとなることから、これらの検出センサ80による検出と検出センサ69による検出順序や検出タイミングを監視しておき、所定の検出順序ではない場合(検出センサ69による検出がないのに検出センサ80による検出が多数ある場合等)や、所定のタイミングではない場合(検出センサ69の検出から検出センサ80による検出までの期間が所定よりも著しく短い場合等)には、不正が実施されている可能性があるものとして、投入装置エラーコマンドの送信や投入装置エラー信号の出力等の特定のエラー処理を実行することで、エラー報知等をサブ制御部91に行わさせたり、外部装置にエラー通知を行うようにしてもよい。
同様に、不正検知として、検出センサ80と検出センサ69等の複数の検出センサの検出状態を用いるのではなく、例えば、駆動モータ64の駆動状態と、検出センサ69の検出状態とにより、不正検知を行うようにしてもよい具体的には、駆動ソレノイド71に駆動信号が出力されていない状態(非駆動状態)であるときに、検出センサ69による検出がある場合等においては、不正が実施されている可能性があるものとして、投入装置エラーコマンドの送信や投入装置エラー信号の出力等の特定のエラー処理を実行することで、エラー報知等をサブ制御部91に行わさせたり、外部装置にエラー通知を行うようにしてもよい。
また、上記した投入装置エラーの場合には、図11に示すベット処理を無効として、賭数の設定に投入数が使用されてしまうことを防ぐとともに、遊技が実行されてしまうことを防ぐことができるようにしてもよい。
また、投入動作の途中において投入装置61の動作エラー(故障や異常)が検出された場合には、該投入動作はなかったものとして、該投入動作に使用される遊技玉数が減算されないようにする処理(先に減算または打撃に応じて逐次減算している場合は、遊技玉数に戻す処理)を行えばよい。
また、前記実施例では、投入数の全てについて遊技玉数への加算による精算を不能としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小役の入賞により投入数を付与する場合においては、これら小役の入賞により付与された付与投入数と、投入装置61による投入動作により加算された動作投入数とを個別に表示し、動作投入数については遊技玉数への加算による精算を不能とするが、付与投入数については遊技玉数への加算による精算を可能とするようにしてもよい。
また、前記実施例や各変形例では、遊技機としてスロットマシン1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したように、投入装置61により投入された投入数を使用した遊技(ゲーム)は、リールを回転させて停止させるもの以外であっても良く、これら遊技玉数を使用した所定動作である投入装置61による投入動作等により実行可能となる遊技を行うものであれば良い。
また、前記実施例や各変形例では、電断復帰時においても、自動投入フラグがセットされている場合には、自動投入フラグのセットを維持して自動投入状態を維持する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電断復帰時において、自動投入フラグがセットされている場合には、自動投入フラグをクリアするか、或いは、自動投入フラグについてはバックアップデータに含めないことで、電断復帰時には、自動投入状態が必ずOFF状態となるようにしてもよい。
また、前記実施例では、自動投入フラグのクリアを、未完了玉数の投入が完了したときに、自動投入キャンセルフラグとともにクリアする形態を例示していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、自動投入スイッチ62bをOFF状態とする操作がなされたときに自動投入フラグを先にクリアして自動投入キャンセルフラグのみをセットしておき、未完了玉数の投入が完了したときに自動投入キャンセルフラグをクリアするようにしてもよい。つまり、自動投入状態を終了する制御とは、投入装置61による投入動作が、遊技者による操作なしに新たに実行されないようにするための制御が該当する。
また、上記した各変形例は、それぞれを重複して前記実施例に適用可能である。