JP2017139717A - 圧電発振器及びその製造方法 - Google Patents

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Takao Fukutome
隆雄 福留
孝英 臼井
Takahide Usui
孝英 臼井
新一 荒木
Shinichi Araki
新一 荒木
石原 誠一
Seiichi Ishihara
誠一 石原
義行 幸田
Yoshiyuki Koda
義行 幸田
義則 木下
Yoshinori Kinoshita
義則 木下
翔 小澤
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翔 小澤
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Tsutomu Saito
勉 齊藤
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Kotaro Kawada
耕太郎 河田
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【課題】振動素子の搭載が容易で、振動素子と基板とのクリアランスも一定となる等により、歩留まりを改善することができ、また小型化にも寄与できるようにする。【解決手段】シリコン第1基板(第1ウェーハ)1の表面側に、回路部3が形成されると共に、略平板状の裏面には水晶振動子9が搭載される。この水晶振動子9は、マウント電極7の上に導電性接着剤8で接続され、マウント電極7に接続されたスルーホールビア6を介して回路部3に接続される。一方、シリコン第2基板(第2ウェーハ)には、水晶振動子9を収納する大きさの凹部10が形成されており、この凹部10内に水晶振動子9を収める状態として第1基板1と第2基板2を重ねて接合することで、発振器パッケージが製作される。前記スルーホールビア6は、マウント電極7の水晶振動子9との接続部から外れた位置に配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、特に水晶振動子等の圧電素子を搭載する圧電発振器の構造及びその製造方法に関する。
機械的な振動素子を使った発振器は、振動素子の固有振動数を基準に発振するので、CR発振回路等と比べて精度が高く、高精度を要する機器に搭載されている。このような圧電発振器に使用される振動素子としては、圧電振動子が一般に知られており、中でも水晶振動子を用いたものは、セラミック振動子等と比べ精度が高く、クロック信号を作り出すのに好適である。
一方、近年のモバイル機器の発達により、発振器のモジュール化並びに小型化が求められており、セラミックパッケージでは対応が難しくなってきている。そこで、半導体材料を使い、従来のグリーンシートの積層焼成といった工程を半導体プロセスに置き換えることが行われている。この半導体プロセスによれば、フォトリソグラフを主体とした微細加工を利用できるため、発振器モジュールの大きさを劇的に縮小することが可能である。
図8に、下記特許文献1の圧電発振器の構成が示されており、これは前述の半導体材料を使用した発振器の一例である(図は縦断面)。図8において、101はシリコンからなる平板、102は集積回路の回路パターン、103はスルーホール、104は電極パッド、105はマウント電極、106は導電性接着剤、107は圧電振動片、109はポリイミド被膜、120はガラス製のリッド、130はキャビティである。
この圧電発振器では、平板101において回路パターン102が形成された面を表面とすると、裏面にキャビティ130となる凹部が形成され、この凹部にマウント電極105及び導電性接着剤106を介して圧電振動片107が実装される。そして、前記凹部をガラス製リッド120で被蓋することで、キャビティ130内に圧電振動片107が封入される。
前記圧電振動片107と回路パターン102は、スルーホール103によって電気的に接続されており、このスルーホール103に樹脂を充填することによって、キャビティ130内が気密に維持される。また、前記回路パターン102上には電極パッド104が形成され、これが外部接続端子として機能する。
特許第4221756号公報
ところで、前述の半導体材料を用いた圧電発振器を歩留まりよく製作しようとする場合、種々の課題が生じる。例えば、図8の発振器では、圧電振動片107を凹部に実装する際に、圧電振動片107を保持する吸着コレットが凹部壁面に接触する等の不都合があり、また圧電振動片107をマウント電極105に接続する接着剤106がスルーホール103の位置と重なるため、スルーホール103とマウント電極105の接続において僅かな凹凸ができると、このマウント電極105に接着される圧電振動片107と平板101とのクリアランスを一定にすることが難くなる等である。
更に、圧電発振器においても、他の装置と同様に小型化が求められており、前述の問題を解決すれば、大量に生産されるモバイル機器のキーデバイスとして現実に寄与する発振器を得ることが可能になる。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動素子の搭載が容易で、振動素子と基板とのクリアランスも一定となる等により、歩留まりを改善することができ、また小型化にも寄与する圧電発振器及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る圧電発振器は、表面側に回路部が形成され、略平板状の裏面にマウント電極を介して振動素子が搭載され、この振動素子と前記回路部とが前記マウント電極及びスルーホールビアにより接続された半導体の第1基板と、前記振動素子を収納する大きさの凹部が形成された半導体の第2基板(リッド基板)とを備え、前記振動素子が前記凹部内に収納される状態で、前記第1基板と第2基板を接合してなることを特徴とする。
請求項2の圧電発振器は、前記振動素子の一端を前記マウント電極に接続し、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置に配置したことを特徴とする。
請求項3の圧電発振器は、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置で、かつ前記振動素子下の領域内(第1基板の振動素子下領域内)に配置したことを特徴とする。
請求項4の発明に係る圧電発振器の製造方法は、発振器単位において、表面側に回路部が形成され、略平板状の裏面にマウント電極を介して振動素子が搭載され、この振動素子と前記回路部とが前記マウント電極及びスルーホールビアにより接続された第1ウェーハと、発振器単位において、前記振動素子を収納する大きさの凹部が形成された第2ウェーハとを備え、前記装置単位において、前記振動素子が前記凹部内に収納される状態で、前記第1ウェーハと第2ウェーハを重ねて接合し、接合した第1ウェーハと第2ウェーハを個片化して複数の発振器を製作することを特徴とする。
請求項5の圧電発振器の製造方法は、発振器単位において、前記振動素子の一端を前記マウント電極に接続し、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置に配置したことを特徴とする。
請求項6の圧電発振器の製造方法は、発振器単位において、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置で、かつ前記振動素子下の領域内に配置したことを特徴とする。
また、請求項7の圧電発振器に係る前記振動素子(圧電振動子)は、両面にそれぞれ形成された厚肉状の励振部と、この励振部の外縁に沿って一体に形成された薄肉状のベース部と、前記励振部に形成された励振電極とを有し、前記励振部が曲面形状の外縁部を含むことを特徴とする。
前記の構成によれば、例えばシリコンの第1ウェーハ(又は第1基板)に、発振器単位で、表面側の回路部を形成すると共に、略平板状の裏面にマウント電極を介して振動素子を搭載し、この振動素子と前記回路部とをマウント電極及びスルーホールビアにより接続し、またシリコンの第2ウェーハ(又は第2基板)に、発振器単位で、振動素子を収納する大きさの凹部を形成する。そして、第1ウェーハ上の各振動素子を第2ウェーハの各凹部内に収納するようにして、第1ウェーハと第2ウェーハを重ねて接合し、最後に個片化すれば、複数個の圧電発振器が製作される。
本発明によれば、平板状面に振動素子を搭載するので、振動素子の搭載が容易となり、またスルーホールビアを、マウント電極の振動素子接続部(接着部)から外れた位置に配置することにより、第1基板に対する振動素子のクリアランスも一定となり、製造の歩留まりを改善することが可能となる。
更に、前記スルーホールビアを、マウント電極の振動素子接続部から外れた位置で、かつ振動素子が搭載された振動素子領域内に配置することで、小型化にも寄与することができる。
また、本発明では、半導体シリコンを用いた2枚のウェーハ又は基板を重ね、チップスケールで接合しパッケージ化することによって圧電発振器が製作できるので、製造が容易となり、実装密度を上げることによる小型化も可能となる。
請求項7の構成によれば、励振部の外周部が曲面形状の外縁部を有して圧電振動片の外縁部近辺まで拡張させることで、励振電極の有効面積を増加させ、振動効率の向上及び等価直列抵抗の低減を図ることができ、発振器の安定発振領域の拡大(負性抵抗値/CI値の拡大)、発振起動特性の改善、消費電流の低減が可能となった。
本発明の第1実施例の圧電発振器の構成を示す断面図(一部のみ断面表示の図)である。 第1実施例の第1基板の裏面側を示す平面図である。 第1実施例の第1基板において振動子を除いた状態を示す平面図である。 第2実施例の圧電発振器の構成を示す断面図(一部のみ断面表示の図)である。 第2実施例の第1基板の裏面側を示す平面図である。 実施例の圧電発振器に用いられる振動子の斜視図である。 実施例の圧電発振器の振動子の平面図である。 従来の圧電発振器の構成を示す断面図である。
図1乃至図3に、第1実施例の圧電発振器の構成が示されており、図1において、1はシリコンからなる第1基板、2はシリコンからなる第2基板(リッド基板)、3は発振器の動作をするための回路部(活性層を含む)、4は再配線層、5は外部電極(ランド)、6はスルーホールビア(貫通電極)、7は振動素子を搭載するためのマウント電極、8は導電性接着剤、9は表裏面に励振電極が形成された水晶振動子であり、これらは、第1基板1に形成される。10は第2基板2に形成された凹部である。図3に示されるように、前記マウント電極7(及びスルーホールビア6)は、水晶振動子9の短辺側(支持側)の2箇所に配置され、このマウント電極7に接続されることで、水晶振動子9は片持ち支持される。
前記第1基板1には、所定のドーパントが導入されたエピタキシャル層が存在し、このエピタキシャル層内に回路部3を構成する活性層が形成される。この第1基板1の回路部3が形成された面を表面とすると、この表面側に再配線層4が形成されることで、外部電極5が設けられ、この再配線層4の配線に接続してスルーホールビア6が形成され、このスルーホールビア6に接続してマウント電極7が形成される。そして、このマウント電極7に、導電性接着剤8によって水晶振動子9が第1基板1の裏面に対し平行となるように接続され、片持ち支持される。
一方、第2基板2は、前記水晶振動子9を収納できる大きさの凹部10が形成されたリッド基板であり、凹部10内に水晶振動子9を収める状態で第2基板2を第1基板1に重ね、チップ周辺部に配置された金等の接合材(又は接着剤)12で接合することで、第1基板1の裏面と凹部10で形成されるキャビティ13の気密性が確保される。
実施例では、シリコンの第1ウェーハに前述した第1基板1を複数個形成し、シリコンの第2ウェーハに前述の第2基板2を複数個形成し、この第1ウェーハと第2ウェーハを重ねて接合し、個片化することで、複数個の圧電発振器(パッケージ)が製作されており、各図は、その発振器単位の構成を表している。
前記圧電発振器の製造において、第1基板1の裏面はフラットとなっており、従来のように水晶振動子9の周りを囲む壁面が存在しないので、水晶振動子9の実装が容易となる。即ち、図6のように、第1基板1側に形成された凹部に水晶振動子9を実装する場合は、水晶振動子9を搬送する吸着コレットを先端が先細りとなるものを使用し、凹部の壁面にぶつからないようにする必要がある。これに対し、実施例は、第1基板1の裏面がフラットな実装面となるため、クランプ型のコレットも使用することができ、チップマウンタ一等の実装用自動機の選定に自由度を与えるか、さもなければコレットのカスタマイズのための余計な工数を省くことができるという利点がある。
図2には、第1基板1の裏面側が示され、図3には、第1基板1の裏面側で水晶振動子9を除いた状態が示されている。図2に示されるように、水晶振動子9では図に表れる一方の面に励振電極9aが形成され、第1基板側の他方の面にも同様の励振電極が形成されている。この励振電極9aは、水晶振動子9の取付け後にその領域がレーザー、イオンビームミリング、蒸着法などでトリミングされ、これにより周波数の調整が行われる。
図3に示されるように、マウント電極7と水晶振動子9の接続は、スルーホールビア6を接続した部分から外れた位置、即ちスルーホールビア6と重ならない位置で導電性接着剤8により行っている。このようにすれば、スルーホールビア6内に充填される導電性物質やこれらを覆う絶縁膜が第1基板1の裏面と面一にならず、僅かな凹凸が残る場合であっても、それが水晶振動子9と第1基板1の裏面とのクリアランス(間隙)を変動させる原因となることなく、一定のクリアランスが得られる。なお、導電性接着剤8として、最低厚みを確保する異方性導電性シートを用いてもよく、この場合は、前記クリアランスを一定に制御し易くなり、製品特性のばらつきも良好に抑えることが可能になる。
実施例では、図2の平面視に示されるように、上から見てマウント電極7の一部を水晶振動子9から露出させる構成としており、このマウント電極7の一部をテストパッドとして用い、このテストパッドから信号を入力することにより、水晶振動子9の特性を測定することができる。
また、図3に示されるように、マウント電極7の一部を細くした配線抵抗部7aを水晶振動子9の下側に配置し、構造的に脆い細線の配線抵抗部7aが露出しないようにしている。これにより、例えば前述した周波数調整の工程で、水晶振動子9の表面の励振電極9aをレーザートリミングする場合に、誤って配線抵抗部7aを切断する危険を回避することができる。
即ち、製造工程において、ウェーハの状態で検査及び調整を実施しており、各素子形成領域に水晶振動子9をマウントした状態のウェーハ上でプローバーを操作すれば、同時に全発振器の周波数特性を測定検査することが可能であり、同様にウェーハをトリマー装置に載置してレーザーを走査すれば、同時に周波数調整が可能である。なお、ガスの吸蔵・放出の問題があるため、トリミングにレーザーを用いるのが望ましい。
図4に、第2実施例の圧電発振器の構成が示され、図5には、第1基板の裏面側で振動子を除いた状態が示されており、この第2実施例は、スルーホールビア及びマウント電極を振動子下領域内に配置したものである。
即ち、シリコンからなる第1基板16には、回路部17が形成されると共に、この回路部17に対して再配線層18を介して外部電極5が接続される。そして、この第2実施例では、水晶振動子9の中央(平面視の長辺方向の中央)付近にスルーホールビア6(2箇所)を配置し、このスルーホールビア6に接続するようにマウント電極21を形成し、このマウント電極21に導電性接着剤8で水晶振動子9の一端(支持側2箇所)が接続される。このマウント電極21とスルーホールビア6は、図5に示されるように、配線抵抗部21aを含めて水晶振動子9の領域内に配置されている。
第2基板2については、第1実施例と同様の構成となっており、第2基板2に凹部10が形成される。
この第2実施例の場合も、シリコンの第1ウェーハに前記第1基板16を複数個形成し、シリコンの第2ウェーハに前記第2基板2を複数個形成し、この第1ウェーハと第2ウェーハを重ねて接合材12で接合し、個片化することで、複数個の圧電発振器が製作される。
このような第2実施例の構成によれば、スルーホールビア6とマウント電極21の全てが水晶振動子9の下に隠れる構成となり、発振器の長辺の長さ(図の横方向の長さ)を従来よりも短縮して小型化を図ることができる。なお、本実施例の場合、検査・測定のための水晶振動子9への信号は外部電極5から入力することになる。
また、第2実施例でも、トリミング時での配線抵抗部(マウント電極)21aの損傷を確実に回避できすることが可能となる。
前述のように、第1及び第2実施例では、活性層を有する回路部3,17と外部への接続のための外部電極5との電気的接続を再配線により行い、第1基板1の面方向において外部電極5を回路部3,17から外側にシフトした位置(オフセット位置)に配置している。これにより、実装時に外部電極5に加わる鉛直方向への衝撃が回路部3,17へ直接伝わることがなく、再配線層4,18の配線間に充填された樹脂が衝撃を吸収することになり、この結果、発振器の割れや欠け等の不具合を防止することができる。
また、実施例のスルーホールビア6は、ドライエッチングで貫通孔を開けたのち、貫通孔壁面を酸化し、金属(金等)メッキや導電性ポリシリコン等の導電性物質を埋め込むことによって形成されており、この導電性物質の充填によりキャビティ13内が気密に保たれる。なお、導電性物質の充填後にスルーホールビア6に僅かな隙間が形成される場合は、これを埋める絶縁物の充填を行ってもよく、この絶縁物充填としては例えば水ガラス含浸が好適である。
図6及び図7には、実施例の振動素子(振動片)の構成が示されており、図示されるように、実施例の振動子51は、ATカットの水晶板によって矩形状に形成されている。この振動子51は、所定のカット角によって薄板状に切り出された水晶原板からエッチング等によって、厚内状のメサ部53と、このメサ部53の周辺に広がる薄肉状のベース部52が設けられている。前記メサ部53は、励振部54、リード部56、端子部58及び突出部63からなっている。
前記振動子51は、第1基板1と第2基板2からなるパッケージのR面又はC面からなるコーナ部の面取形状に合わせて、ベース部52の四隅もR面又はC面による面取部61が設けられる。なお、前記振動子51の裏面側の構成は、前記表面側の構成とミラー対称となっている。
前記の面取部61をベース部52の四隅に形成することで、前記パッケージのR面又はC面からなるコーナ部を避けるようにして前記振動子51を搭載することができる。これによって、前記振動子51の縦横サイズをパッケージ内の有効な収容スペースに合わせて広く形成することができ、励振部54の形成領域をより拡張させることが可能となる。その結果、前記励振部54に形成される励振電極55の形成エリアを拡大することができるため、前記振動子51の等価直列抵抗を大幅に低減させることが可能となり、発振器の安定発振領域の拡大(負性抵抗値/CI値の拡大)、発振特性の改善、消費電流の低減が可能となった。
前記メサ部53は、ベース部52の表面から所定厚みの段差を有して形成されており、このベース部52の上辺及び左右側辺に近接するように広がる励振部54と、ベース部52の一端に設けられる端子部58と、この端子部58と前記励振部54の一端とを結ぶリード部56と、前記励振部54の前記リード部56が延びる方向と反対側にT字状に延びる突出部63とを有して形成されている。
前記励振部54は、振動子51の外縁部51aの上辺及び左右側辺からの距離が0.03mmの位置に設定された4か所の頂点を基点として、4方向に対して曲面形状に突出する外縁部54aを有して形成されている。この励振部54の外縁部54aと前記振動子51の外縁部51aとが最も近接する距離は0.02mmとすることができる。このようにして形成された前記励振部54の表面積は、前記4か所の頂点を直線状に結ぶ平面形状の外縁部(仮想線B)で形成される表面積に比べて約5%拡張されたものとなっている。なお、前記励振部54の外縁部54aと振動子51の外縁部51aとの最短距離は、等価直列抵抗値(CI)が最低値となる0.02mm程度であればよい。
前記励振電極55は、その外縁部55aが前記励振部54の外縁部54aに沿うようにして略全面に形成される。ただし、前記励振電極55の外縁部55aが前記励振部54の外縁部54aからはみ出さないように、僅かに内側に沿って形成される。
このように、前記振動子51の外縁部51aと対向する前記励振部54の外縁部54aを曲面形状とすることで、振動子51の外部との振動境界部分の反射がランダムになり、スプリアスの抑制効果が得られる。また、前記励振部54の平面領域が従来の矩形状の励振部4に対して4方向の外縁部54aが外側に向けて張り出した形となるので、その分励振電極55の形成面積が増加し、振動強度の向上効果が図られることとなる。
前記励振部54においては、4方向の外縁部54aを曲面形状にしたが、これは1方向の外縁部54aでもよく、曲面形状にする外縁部54aの数が多くなるほど励振電極55の面積が増加するので、それに比例してCI値が低下することになる。
また、曲面形状の外縁部54aの頂上部と振動子51の外縁部51aとの離間距離0.02mmまでであれば、CI値が大きく上昇することがない。それと共に、励振電極55の形成面積が従来に比べて0.280〜0.295mm、平均で5%程度拡大させることが可能となった。これによって、CI値のさらなる改善効果が得られることとなり、発振器の安定発振領域の拡大(負性抵抗値/CI値の拡大)、発振特性の改善、消費電流の低減が可能となった。
また、前記励振部54の外縁部54aの曲率を大きくしようとすると、振動の節となる位置が内側にずれ込むこととなるが、本実施例の励振部54は、四隅の節62を規定した矩形領域を設定し、この矩形領域の各外縁部を曲面形状にして突出させた形状となっている。このため、設計上の制約が多い小型の圧電振動片にあっても、安定且つ精度の高い振動モードを得ることができると共に、振動強度も高めることが可能となった。
次に、前記励振部54に形成される励振電極55との電気的接続を図るリード部56及び端子部58の構成について説明する。前記リード部56及び端子部58にそれぞれ形成されるリード電極57及び端子電極59については、励振部54のように直接励振に寄与するものではない。このため、従来では、端子電極及びリード電極は、励振部が形成されるメサ部ではなく、薄肉状のベース部上に沿って形成されるのが一般的であった。このように、前記励振部からリード部及び端子電極に至る間に段差が生じると、それによって電極膜の厚みに差が生じる場合があり、電気抵抗が変化したり、断線等による導通不良が発生したりするなどの問題が生じるおそれがあった。
本発明では、前記励振部54、リード部56及び端子部58が同一厚みのメサ部53として形成されているため、ここに形成される励振電極55、リード電極57及び端子電極59も同一高さに形成することができる。これによって、振動子51を形成する際に、エッチング速度差によるエッジを有した段差が生じることがなく、励振部54からリード部56及び端子部58に至る電気的な安定を図ることができる。
さらに、イオンビーム照射によって周波数調整を行う際に、前記リード部56及び端子部58が励振部54と同じ厚みを有しているので、前記励振電極55、リード電極57及び端子電極59の厚みを均等に調整することができる。これによって、周波数調整を精度よく行うことができると共に、導電性の劣化を有効に防止することができる。
前記リード部56の幅と振動素子51の等価直列抵抗値(CI)との関係をシミュレーションした結果、リード部56の幅が0.1mm以上では、励振部54から振動漏れが生じる場合があり、CI値が上昇するが、リード部56の幅が0.06mm以下であれば、CI値が30〜40Ωと低く抑えられた。これによって、リード部56における前記振動漏れによる影響を最小限に抑えることが可能となる。なお、前記0.06mm以下に規定されるリード部16の最小幅は、励振部に近い方が望ましく、振動漏れの影響を最も小さくする効果がある。
前記実施例の励振部54は、4方向の外周部を曲面形状の外縁部54aとすることで、励振電極55の有効面積を最大限拡張することができ、従来設計と比較した場合、37.4MHzの周波数帯で等価直列抵抗の平均値が34Ω〜27Ωまで低減されることが確認できた。このように、励振部54の全ての辺を曲面形状の外縁部54aにしなくとも、いずれか一辺以上を曲面形状の外縁部54aにしてもよい。この場合、前記一辺の両端が振動の節に設定される。これによって、振動の節を確保しつつ、少しでも励振部54及び励振電極55の面積を広げることができる。
1,16…半導体の第1基板、 2…半導体の第2基板、
3,17…回路部、 4,18…再配線層、
5…外部電極、 6…スルーホールビア、
7,21…マウント電極、 7a,21a…配線抵抗部、
8…導電性接着剤、 9…水晶振動子、
10…凹部、 12…接合材、
13…キャビティ、
51…圧電振動子、 51a…外縁部、
52…ベース部、 53…メサ部、
54…励振部、 54a…外縁部、
55…励振電極、 55a…外縁部、
56…リード部、 57…リード電極、
58…端子部、 59…端子電極、
61…面取部、 62…節、
63…突出部。

Claims (14)

  1. 表面側に回路部が形成され、略平板状の裏面にマウント電極を介して振動素子が搭載され、この振動素子と前記回路部とが前記マウント電極及びスルーホールビアにより接続された半導体の第1基板と、
    前記振動素子を収納する大きさの凹部が形成された半導体の第2基板とを備え、
    前記振動素子が前記凹部内に収納される状態で、前記第1基板と第2基板を接合してなる圧電発振器。
  2. 前記振動素子の一端を前記マウント電極に接続し、
    前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の圧電発振器。
  3. 前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置で、かつ前記振動素子下の領域内に配置したことを特徴とする請求項2記載の圧電発振器。
  4. 発振器単位において、表面側に回路部が形成され、略平板状の裏面にマウント電極を介して振動素子が搭載され、この振動素子と前記回路部とが前記マウント電極及びスルーホールビアにより接続された第1ウェーハと、
    発振器単位において、前記振動素子を収納する大きさの凹部が形成された第2ウェーハとを備え、
    前記装置単位において、前記振動素子が前記凹部内に収納される状態で、前記第1ウェーハと第2ウェーハを重ねて接合し、
    接合した第1ウェーハと第2ウェーハを個片化して複数の発振器を製作する圧電発振器の製造方法。
  5. 発振器単位において、前記振動素子の一端を前記マウント電極に接続し、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置に配置したことを特徴とする請求項4記載の圧電発振器の製造方法。
  6. 発振器単位において、前記スルーホールビアを、前記マウント電極の前記振動素子との接続部から外れた位置で、かつ前記振動素子下の領域内に配置したことを特徴とする請求項5記載の圧電発振器の製造方法。
  7. 前記振動素子は、両面にそれぞれ形成された厚肉状の励振部と、この励振部の外縁に沿って一体に形成された薄肉状のベース部と、前記励振部に形成された励振電極とを有し、
    前記励振部が曲面形状の外縁部を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電発振器。
  8. 前記励振部が平面視で矩形状に形成され、この励振部の外縁の少なくとも一辺が曲面形状に形成され、前記一辺の両端が振動の節に設定されている請求項7記載の圧電発振器。
  9. 前記励振部が平面視で矩形状に形成され、この励振部の外縁の四辺が曲面形状に形成され、各辺の両端が振動の節に設定されている請求項7記載の圧電発振器。
  10. 前記励振部に形成された励振電極は、その外縁形状が前記励振部の外縁に沿って設けられている請求項7乃至9のいずれかに記載の圧電発振器。
  11. 前記ベース部は、前記励振部と同一の厚みで一体に形威されたリード部を有し、このリード部に前記励振電極から引き出されたリード電極が前記励振電極と同一高さに形成されている請求項7乃至10のいずれかに記載の圧電発振器。
  12. 前記ベース部が平面視で矩形状に形成され、四隅が面取りされている請求項7乃至11のいずれかに記載の圧電発振器。
  13. 前記リード部は、最少幅が0.06mm以下に形成される請求項11記載の圧電発振器。
  14. 前記圧電振動片の端子部を片持ち支持してなるパッケージを含む請求項7乃至13のいずれかに記載の圧電発振器。
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