JP2017138079A - 給湯装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、耐久性を向上させ得る給湯装置を提案する。
【解決手段】
本発明の給湯装置1は、収容ケース10と、その収容ケース10に設けられる燃焼用給気口13およびドレン気化用給気口14と、収容ケース内部に設けられる燃焼ケース20およびドレン気化ケース30とを備える。収容ケース内部では、燃焼用給気口13から燃焼ケース20の流出口22までに流れる燃焼用空気の燃焼用流路と、ドレン気化用給気口14からドレン気化ケース30の流出口32までに流れるドレン気化用空気のドレン用流路とが互いに交わることなく隔離される。
【選択図】 図2
Description
このような給湯装置では、ドレン用流路を流れる空気量に変動があったとしても、当該変動が燃焼用流路に流れる燃焼用空気に影響することが低減される。このため、熱交換器における燃焼性が安定となり、その分だけ熱交換器の耐久性を向上させることができる。
これに加えて、ドレン気化用給気口から前記ドレン気化ケースの流出口までに流れるドレン気化用空気が燃焼ケースに流入することが抑制される。このため、ドレンに含まれる硝酸成分に起因して燃焼ケースが腐食することを防止することができ、その分だけ燃焼ケースの耐久性を向上させることができる。
こうして、耐久性を向上させ得る給湯装置が提供されることとなる。
1.ドレン中には硝酸(HNO3)が含まれるので、ドレンを中和させずに噴霧(例えば超音波気化など、液体状態で放出)させると、硝酸も飛び散り、給湯装置の周囲のものが錆びてしまうという問題点を本願発明者は見出した。さらに、ドレンを中和させてから噴霧させると、今度は中和剤が飛び散り、給湯装置の周囲に粉状のものが付着して汚してしまうという問題点を見出した。
そこで、本発明者はドレンを噴霧するのではなく、ドレン中の水分を気化させる気化装置を作り実験した結果、気化させたドレン中の水分には硝酸が含まれず、気化装置の周囲が錆びることがなかった。また、ドレンを中和させてから気化させた場合にはドレン中の水分には中和剤成分が含まれず、気化装置の周囲を汚してしまうということがなかった。
2.しかしながら、良好な実験結果が得られた後、しばらく実験装置を放置していたところ、中和剤を用いないでドレンを気化(噴霧ではなく気化)させていた気化装置を取り付けていた周囲が錆びていることを本願発明者は見つけた。
3.本願発明者は、燃焼→ドレン発生→気化→燃焼→ドレン発生→気化の実験を行っている間は気化装置から出る気体中には硝酸成分がほぼ含まれず(周囲が錆びず)、実験終了後の放置状態の時に、気化装置から漏れ出た気体中に硝酸成分が含まれ、これが原因で周囲が錆びたとの仮説をたてた。
4.そこでドレンをビーカに入れて加熱し、水分を除く実験を行ったところ、ビーカに水分が無くなった時点でビーカの底に白い結晶が一時的に残った後、白い結晶もなくなってしまった。この白い結晶は、加熱せずに窓気際に放置していただけでも同様に無くなった。本願発明者はドレン中の硝酸(HNO3)成分が、水分が無くなった時点で白い結晶である五酸化二窒素(N2O5:吸湿性を持つ通称無水硝酸)に変わった後に昇華し、この昇華した腐食成分が気化装置周囲に吹く微風(Light air以下)により高濃度で気化装置を取り付けていた周囲を漂い、これにより錆びが発生するものと推定した。
5.本願発明者は、気化装置内の気化フィルタが浸かる水位が、所定水位以下となれば送風を中止して気化を止め、それでも長期不使用で水位が下がる場合には水道水を足して適正水位をコントロールすれば上述の腐食を防止できるが、例えばリゾート地における別荘において長期不使用時には、電気、水道を止めてしまう場合があり、水道水を足しての水位コントロールができないことに気づき上記腐食防止方法の採用を断念した。
6.そこで、風が吹いている環境下(特に微風時)において、気化装置内を空気が通り抜け難い構造(メカニカルな構造)とすれば周囲が錆びることを防止できる点に着目し、本願発明に至った。
7.さらに、湯を多量に使用する時間帯が夕方〜夜間にかけての入浴用湯水使用時間帯である点に着目し、気化装置の駆動時間帯が深夜〜翌朝早朝にかけての就寝時間帯となる可能性が高いので、気化用布から気化したドレンを含む空気を吸い出す方法、すなわち、吸引圧を利用したほうが低騒音になる点を見出し、本願発明の気化装置に取り入れた。
気化用布を略円柱状に形成して下端にドレンを浸し、上端の気化用布53内側から空気を吸い出すと、気化用布の全周から空気を吸い込むので、落葉等の異物が気化用布の表面に付着しても、異物を避けて空気が流れるので異物で発生する風切り音が少なくなる。すなわち、夜間に風切り音を発生させないようにするために、能力を減少させる必要がなくなった。さらに長期間(径年)能力を維持したままでも圧力損失量が少ない状態を維持する(気化用布の目に異物が入り込んでしまう事態を避けられる)ので、加湿量の減少を避けることができる。
切替弁49は制御器60で燃焼量、水量、給水温度、記憶された熱効率に基づいて下記の演算を行って潜熱熱交換器26内で沸騰(振動音等)を回避する制御がなされる。
第1の水路と第2の水路との分配比(例えば、全量が比率「32」、第2の水路が比率「31」、第1の水路が比率「1」とした場合には、1:31)と、給水温度(例えば15[℃])、水量(例えば16[リットル/min])、記憶された熱効率(例えば第2の水路に全量通過した時の熱効率81[%]と、第2の水路にほとんどの水量を通過させた時の熱効率91[%])、燃焼量(例えば25000[kal/h])から、第1の水路の温度が求められるので(例えば98.3[℃]=32×(15[℃]+(25000[kal/h]×(91[%]−81[%])÷60[min]÷16[リットル/min]))−31×15[℃]=32×17.6[℃]−31×15[℃])、第1の水路を流れる水が沸騰しない温度(例えば102℃以下)となるように第1の水路と第2の水路との分配比(例えば1:31)を求めて、切替弁49を制御器60で制御する(フィード制御で、第1の水路を、比率「1」である0.5[リットル/min]とする)。なお記憶する熱効率の2つの一方は、出湯温度(給湯サーミスタ47の実測値。例えば38.7[℃])を用いて演算で求めても良い(例えば、91[%]=(38.7[℃]−15[℃])×16[リットル/min])×60[min]÷25000[kal/h])。換言すれば、切替弁49を制御しながら燃焼量、水量、給水温度、出湯温度から第1の水路を流れる水が沸騰しない温度となるように分配比をフィードバック制御しても良い。
第2の水路に切り替えても、ごく一部が第1の水路を通るような構造としては、上述のように演算を行って開度制御を行う切替弁49を用いても良いが、例えば第2の水路に切り替えた時に、例えば分配比1:15のように、例えば6%位(沸騰しない位)の水量が第1の水路を通るような固定バイパス構造としても良い。
特に、気化用ファン56で発生するムラのある正圧の空気を気化用布53に吹き付け、かつ、流出口32に気化用布53が対向配置していると、気化用布53のバタツキ音が直接流出口32から出る。さらに、気化用ファン56の羽根までもが、流出口32に対向配置していると、羽根の風切り音までもが直接流出口32から出る。本願では、流出口32に気化用布53、気化用ファン56を対向配置させないようにして直接音が流出口32から出ないようにしている。
制御器60は、給水流量センサ45から水流値を検出すると、ガス開閉弁42を開ける。このとき制御器60は、前回の給水温情報、リモコンに設定され出湯設定温情報、給水流量センサ45からの水流値情報から、リモコンに設定され出湯設定温の湯となるべきガス比例弁43の開度を演算・制御する(フィードフォワード制御)。そして制御器60は、給湯サーミスタ47の出湯温度情報とリモコンに設定され出湯設定温情報が一致する開度でガス比例弁43の開ける(フィードバック制御)とともに、給水温情報を更新する。
さらに制御器60は、バーナ24に供給されるガス量と燃焼ケース20内に供給される大気量(燃焼用空気量)とが所定の関係に保たれるように燃焼用ファン23の単位時間あたりの回転数を制御する。
このようにして制御器60は給湯処理を実行し、水栓の使用があった場合には給湯設定温度の湯を給湯配管46に供給するようになっている。
制御器60は、ステップSP3では、潜熱熱交換器26を経由せずに顕熱熱交換器25に給水する第2の水路から、当該潜熱熱交換器26を経由して顕熱熱交換器25に給水する第1の水路に切替弁49を切り替えた後、ステップSP1に戻る。なお、切替弁49が第1の水路に既に切り替えられた状態にある場合、制御器60は、切替弁49の切替状態を維持し、ステップSP1に戻る。
この状態では、給水管44から供給される水は、当該給水管44の分岐部位から給水管44Aを流れ、潜熱熱交換器26を経由して顕熱熱交換器25に流入する。したがって、潜熱熱交換器26ではドレンが発生し、ドレン受け部27、ドレン配管33、水封部34および中和器35を順次介してドレンタンク36にドレンが供給され貯留されることになる。
制御器60は、ステップSP4では、潜熱熱交換器26を経由して顕熱熱交換器25に給水する第1の水路から、当該潜熱熱交換器26を経由せずに顕熱熱交換器25に給水する第2の水路に切替弁49を切り替えた後、ステップSP1に戻る。なお、切替弁49が第2の水路に既に切り替えられた状態にある場合、制御器60は、切替弁49の切替状態を維持し、ステップSP1に戻る。
この状態では、給水管44から供給される水のほとんどは、当該給水管44の分岐部位から主に給水管44Bを流れ、潜熱熱交換器26をほぼ経由することなく顕熱熱交換器25に流入する。したがって、潜熱熱交換器26ではドレンが発生せず、当該ドレンタンク36に貯留されるドレン量が増えることが抑止されることになる。さらに全ての水が潜熱熱交換器26を経由することなく顕熱熱交換器25に流入する場合、潜熱熱交換器26の温度が高くなり、伝熱管26A内の水が沸騰し、伝熱管26Aの詰まりや腐食を引き起こす恐れがあるが、これを防止できる。
ここで、ドレントレー51の水位が許容水位以下でない場合、制御器60は、ステップSP16に進んで気化用ファン56を駆動し、ステップSP11に戻る。
気化用ファン56が駆動された場合、収容ケース10のドレン気化用給気口14からドレン気化ケース30の流入口31を介して気化用布53にドレン気化用空気が送り込まれ、当該ドレン気化用空気によって気化用布53に浸透しているドレンが気化する。このため、気化したドレン量だけドレントレー51から気化用布53にドレンが再び浸透し、当該ドレントレー51に貯留されるドレン量が減少することになる。
また、バーナ24が燃焼されている場合、制御器60は、ステップSP13に進んでドレン補給弁38を所定期間(例えば30秒)だけ開けて、ドレンタンク36から所定量のドレンをドレントレー51に移行させた後、制御器60は、ステップSP14に進む。
なお、ドレンタンク36が空の場合、ドレンタンク36から所定量のドレンはドレントレー51に移行されない。ステップSP14でドレントレー51が許容水位以下である場合、すなわち、ドレンタンク36がほぼ空である場合、制御器60はステップSP15に進んで、気化用ファン56を停止し、ステップSP11に戻る。
一方、ステップSP14でドレントレー51が許容水位以下でない場合、すなわち、ドレンタンク36がほぼ空でない場合、制御器40は、ステップSP16に進んで気化用ファン56を駆動し、ステップSP11に戻る。
次に燃焼用給気口13、ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15に関する受圧片RPについて詳述する。カバーパネル12の正面に燃焼用給気口13、ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15が開口しており、前記開口の周囲はカバーパネル12の正面であり、正面が受圧片RPの役割を果たす。図10Aに受圧片RPで作られる正面風の時の正圧の風圧帯を一点鎖線で囲んで示す。ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15周囲は正面風により略同じ正圧の風圧帯であれば、ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15周囲の圧力がバランスすることでドレン気化ケース30内に空気は流れない。ちょうどパスカルの原理で密閉した容器の一端に圧力を加えると、その圧力は、同じ大きさの圧力のまま他端に伝わるので、他端側にも圧力を加えるとバランスするのと同じである(図10B参照。なお、図中の波線はパスカルの原理等で示す水面を示す)。ところで、本実施形態においてドレン気化用排気口15はドレン気化用給気口14よりも少し奥まった所にある(なお正確には、流出口32と流出口22が連通している。図10C参照)。このような場合に流出口22の圧力が低いと(後述の他端側燃焼用給気口13の圧力が低いと)バランスしない。容器の一端に圧力を加えても、他端側に穴(流出口22の圧力が低いという穴)が空いていれば水が漏れるのと同じである。すなわちドレン気化用排気口15(流出口22)を一端とする、他端側の燃焼用給気口13の影響を受けるが、後述のように燃焼用給気口13もまた正面風で正圧の風圧帯を示すように受圧片RPを設けてバランスさせている(図10D参照)。なお、燃焼用給気口13、ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15の周囲に正面風で正圧の風圧帯を示すように受圧片を設ければ、微風時において燃焼用給気口13、ドレン気化用給気口14、ドレン気化用排気口15付近の圧力が、一方が正圧、他方が負圧のように極端な差圧が発生せずにバランスし、気化用ファン56の作る低圧風で、ドレン気化用空気により気化されたドレンを排出できる。
したがって、湿度が高いほど気化用布53に送り込まれるドレン気化用空気の風量および風速が高まり、当該湿度に起因する気化量の増減が低減される。
このため、ドレン気化用給気口14およびドレン気化用排気口15は、カバーパネル12の側面に向かってくる風をおおむね受けることなく、当該カバーパネル12の正面に向かってくる風を受ける。
したがって、カバーパネル12の正面に向かってくる風は、ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15との双方から入って相殺され、当該風に起因するドレン気化用空気の流れがドレン用流路FP2では生じないことになる。
この結果、風によってドレンが気化することが大幅に低減され、当該風に起因する湿度変化幅はおおむねないに等しくなる。こうして、トレー水位センサ52に基づいて正確な湿度を取得させ得る給湯装置1が提供される。
上記実施形態が例として説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
このようにしても、ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15との双方がカバーパネル12に設けられるため、当該給排気口の一方がカバーパネル12に設けられ他方がカバーパネル12以外に設けられている場合に比べて、ドレン気化用給気口14およびドレン気化用排気口15に受ける風圧を近似させることができる。この結果、上記実施形態と同様に、トレー水位センサ52に基づいて正確な湿度を取得させることができる。
さらに、ドレン気化用給気口14が外側パネル12A及び内側パネル12Bの下端部分に設けられ、ドレン気化用排気口15が外側パネル12A及び内側パネル12Bの上端部分に設けられた。しかしながら、ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15とは、上記実施形態に限らず、様々な位置に設けることができる。
例えば、図7に示すように、カバーパネル12における外側パネル12Aの枠壁の下端部分にドレン気化用給気口14が設けられていても良い。ドレン気化用給気口14が外側パネル12Aの枠壁の下端部分に設けられた場合、ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15との開口方向が相違するので、収容ケース10の前方からくる風はドレン気化用排気口15に直接的に入る一方、ドレン気化用給気口14には直接的に入らないことになる。しかしながら、収容ケース10の前方からくる風はフランジFRにあたってドレン気化用給気口14に導かれ、当該フランジFRが受圧片RPの役割を担うことになるため、外部からドレン気化用給気口14が受ける風圧とドレン気化用排気口15が受ける風圧とは同程度となる。
このように、ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15との一方がカバーパネル12の正面側に開口され、当該ドレン気化用給気口14とドレン気化用排気口15との他方がカバーパネル12の正面側とは異なるカバーパネル部位に開口する場合であっても良い。この場合、カバーパネル12の正面側から来る風の風圧を、当該カバーパネル部位に開口される開口と同じ風圧を受けられるように受圧片RPを有していれば(同一平面、又は受圧片RPを用いて同一平面化できれば、略同一風圧帯とすることができ)、上記実施形態と同様に、トレー水位センサ52に基づいて正確な湿度を取得させることができる。
要するに、ドレン気化用排気口15とドレン気化用給気口14との双方がカバーパネル12に設けられていれば良い。この理由としては、上述したように、給排気口の一方がカバーパネル12に設けられ他方がカバーパネル12以外に設けられている場合に比べて、ドレン気化用給気口14およびドレン気化用排気口15に受ける風圧を近似させることができるからである。
また、ドレン気化用給気口14をカバーパネル12の上段部位を、燃焼用給気口13をカバーパネル12のフランジFRを有する部位(受圧片RPを設けた部位)としたが、逆であってもかまわないし、両方とも上段部位としても、フランジ部位としてもかまわない。
具体的に制御器60は、例えば、湿度が高いほどドレン補給弁38の開放時間が短くなるようにドレン補給弁38を制御する。このようにすれば、湿度が高くて気化し難い状況になるほどドレントレー51に供給されるドレン量が抑えられるため、ドレントレー51に貯留されるドレンがドレントレー51から溢れることを抑止することができる。
あるいは、燃焼用ファン23が駆動されている場合、当該燃焼用ファン23が駆動されていない場合に比べて、単位時間あたりの水位の変化量に基づいて可変すべき気化用ファン56の単位時間あたりの回転数が小さくなるように気化用ファン56が制御されても良い。燃焼用ファン23が駆動されている場合に燃焼ケース20内で生じる燃焼熱はドレン気化ケース30に少なからず伝導するため、当該燃焼用ファン23が駆動されていない場合に比べて、気化用布53で気化するドレンの気化量が多くなる傾向にある。したがって、燃焼用ファン23が駆動されている場合に気化用ファン56の送風力を高めなくてもドレン気化がスムーズに行われる。
なお、本実施形態では、燃焼用排気口からの排気は流路が狭められ、排気流速は加速され、かつ、加速された排気と気体ドレンを緩く交差させている。排気が出ていく力で気体ドレンが吸引されるので、気化用ファン56の単位時間あたりの回転数が小さくしても、ドレン気化がスムーズに行われる。この時の交差は、気体ドレンが略水平であるのに対し排気が、やや下方に向かせて行ったが、例えば排気をやや上方に向け、気体ドレンをその角度よりも多く上方に向けることで交差させても良い。流出口22と流出口32を上下方向で並べるのではなく、流出口22と流出口32を左右同じ高さに並べ、一方をやや右方向、他方をやや左方向に流出させて、流出口22と流出口32の堺の前方で緩く交差させるようにしてもかまわない。上述のように気化用ファン56と燃焼用ファン23が作り出す排気口からの空気の流れの角度が異なるので、燃焼用ファンによって送り出される燃焼ガスが、例えば共用廊下やベランダ等で滞留せずに拡散しやすくなる。
しかしながら、切替弁49の開放量がドレンタンク水位に応じた開放量となるように、切替弁49が切り替えられても良い。
すなわち、制御器60は、ドレンタンク水位が高くなるに応じて第2の水路に流れる水量が多くなるように切替弁49における第2の水路側の開放量を少しずつ大きくし、潜熱熱交換器26をバイパスする水量を増やすことでドレン発生量を減少させる。また制御器60は、ドレンタンク水位がタンク許容水位になると切替弁49における第2の水路側の開放量を最も大きくし、潜熱熱交換器26にてドレンが発生されなくなるようにする。このようにして制御器60が切替弁49を切り替える場合、タンク水位センサ39としては、水面の高さを超音波や光を当てて測定する光電式の水位センサが用いられることが好ましい。光電式の水位センサが用いられれば水面の高さが無段階に検出されるので、当該検出値に基づいて、切替弁49の開放量がドレンタンク水位に応じた開放量となるように、切替弁49を制御器60が切り替えることがより簡易となるからである。
例えば、流出口22からドレン気化用排気口15までの流路と、流出口32からドレン気化用排気口15までの流路とを仕切る仕切り板が設けられることで実現可能である(排気と気体ドレンが略平行に排出されるのではなく、排気と気体ドレンとがドレン気化用排気口15を出た後で緩く交差していると好ましい)。別例として、ドレン気化用排気口15と燃焼用排気口とが共用される上記実施形態に代えて、当該ドレン気化用排気口15と燃焼用排気口とが分離されることで実現可能である。すなわち、例えば図8に示すように、ケース本体11のうち燃焼ケース20の所定部位に流出口22を設けるとともにケース本体11の外部に燃焼用排気口16を設け、当該流出口22と燃焼用排気口16とが連通するように煙突CYで繋ぐことで実現可能である。この結果、構造的には図10Cではなく、図10Bの状態となり(燃焼用給気口13の圧力は関係なくなるので)、燃焼用給気口13周囲の受圧片RPの有無に関係なく、微風時においてドレン気化用給気口14・ドレン気化用排気口15付近の圧力が、一方が正圧、他方が負圧のように極端な差圧が発生しないようにバランスする。
また、ドレンタンク36内に複数の仕切を設け、ドレントレー51のほうに中和剤(炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等)がもれでないようにドレンタンク36内に中和剤を充填しても良い。この結果、中和剤が無くなるまでは確実に周囲腐食を防止でき、中和剤が無くなっても周囲腐食を防止できるので、中和剤の管理が不要となる。
またさらに、ドレンタンク36内に複数の部屋を設け、第一の部屋にまずのドレン配管33からのドレンを導入し、第一の部屋がドレンで満水となったならば第二の部屋にドレンをいれるようにしても良い。第二の部屋には上述のように仕切を設け、ドレントレー51のほうに中和剤(酸化マグネシウム等)がもれでないように第二の部屋内に中和剤を充填し、第一の部屋には未処理(酸性の強い)ドレンを貯め、両方の部屋からドレントレー51のほうにドレンを流せるように、両方の部屋にドレン補給弁38をそれぞれもうけるようにしても良い。例えば自動注湯時等、気化が進む場合には第一の部屋から未処理のドレンを送り込んで気化用布53等を強酸性で殺菌し、深夜等、給湯器が設置されている周囲に人等の往来が少ない時間帯では、第二の部屋から処理済みのドレンを送り込んで気化させるようにしても良い。この結果、定期的に強酸性ドレンで気化系を殺菌でき、かつ、中和剤の搭載量も少なくすることができる。
Claims (6)
- 収容ケースと、
前記収容ケースに設けられる燃焼用給気口およびドレン気化用給気口と、
前記収容ケース内部に設けられる燃焼ケースおよびドレン気化ケースと、
を備え、
前記収容ケース内部では、前記燃焼用給気口から前記燃焼ケースの流出口までに流れる燃焼用空気の燃焼用流路と、前記ドレン気化用給気口から前記ドレン気化ケースの流出口までに流れるドレン気化用空気のドレン用流路とが互いに交わることなく隔離される
ことを特徴とする給湯装置。 - 前記収容ケースに設けられる排気口
をさらに備え、
前記燃焼ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記燃焼用空気の流路と、前記ドレン気化ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記ドレン気化用空気の流路とは共用される
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記ドレン気化ケースの内部には、
前記燃焼用空気の流路上に設けられる熱交換器で生じるドレンが貯められるドレントレーと、
前記ドレン気化用空気の流路上に設けられ、前記ドレントレーに貯められるドレンに下端部が浸された状態で保持される気化用布と、
前記ドレン気化用給気口から前記気化用布に送り込まれる前記ドレン気化用空気および前記ドレン気化用空気によって前記気化用布で気化した気体ドレンを前記前記ドレン気化ケースの流出口へ導くように仕切る気体流路部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 前記燃焼ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記燃焼用空気の流路は、前記ドレン気化ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記ドレン気化用空気の流路との合流部分の直前で狭められる
ことを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。 - 前記燃焼ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記燃焼用空気の流路と、前記ドレン気化ケースの流出口から前記排気口までに流れる前記ドレン気化用空気の流路とは交差している
ことを特徴とする請求項4に記載の給湯装置。 - 前記ドレン気化ケースの内部に設けられる気化用ファンと、前記収容ケースの内部のうち前記ドレン気化ケース外側に設けられる燃焼用ファンと
をさらに備え、
前記燃焼用給気口と前記ドレン気化用給気口とは個別に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
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2016
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