JP2017137596A - 中空糸炭素膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする中空糸炭素膜の製造方法において、紡糸および乾燥工程により得られる中空糸状物の加熱処理が、管状炉内を連続して通過させることにより行われる際に生じる、延伸負荷による中空糸膜の破断を効果的に抑制せしめることを可能とする中空糸炭素膜の製造方法を提供する。
【解決手段】紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする中空糸炭素膜の製造方法において、芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出すことにより、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって紡糸された中空糸状物を、管状炉内を通過させて加熱処理すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、中空糸炭素膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、量産性にすぐれた中空糸炭素膜の製造方法に関する。
各種有機膜や無機膜は、気体などの分離膜として検討されてきており、ポリスルホン、酢酸セルロースなどからなる有機膜は成形性が良く安価ではあるものの、耐溶剤性あるいは耐熱性が低く、一方、セラミック、アルミナなど従来一般的に用いられてきた無機膜は耐溶剤性および耐熱性は良好である反面成形が難しく、高価である。そこで昨今、成形性、耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性にすぐれるとともにガス分離可能なサイズの孔を有し、かつ安価である炭素膜が注目されている。
炭素膜については、ポリイミドからなる中空糸状炭素膜(特許文献1参照)、ポリフェニレンオキシド誘導体からなる中空糸状炭素膜(特許文献2参照)の作製方法が開示されている。これらは、中空糸炭素膜の基本的な製造法ともいえるものであるが、これら中空糸炭素膜を用いた分離膜モジュールの製造、中空糸炭素膜および分離膜モジュールの量産、さらには製造能力向上のために、量産化設備を使用した条件での製造可能な技術開発が必要とされている。
かかる中空糸炭素膜は、下記の如き紡糸工程、乾燥工程、不融化処理工程および炭化処理工程を基本工程とする(特許文献2参照)。
(1) 紡糸工程:ポリフェニレンオキシドポリマー等の有機溶媒溶液(紡糸原液)を2重管
構造の中空糸紡糸ノズルを用いて、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によ
って、無機塩水溶液、水などの芯液と同時に押し出す(特許文献2図2
参照)
(2) 乾燥工程:紡糸工程で得られたポリフェニレンオキシドポリマーの中空糸炭素膜形
成用高分子前駆体(中空糸状物)を乾燥する
(3) 不融化処理工程:乾燥した中空糸状物を、約200〜400℃の加熱処理条件下で、不
融化処理を実施する(但し、この工程は任意)
(4) 炭化処理工程:不融化処理を行った中空糸状物を10-4気圧以下の減圧下、もしくは
ヘリウム、アルゴンガス、窒素ガスなどで置換した不活性ガス雰囲
気下で約600〜900℃で加熱する
ここで、不融化処理あるいは炭化処理等の炭素膜への加熱は、紡糸および乾燥後に適当な長さにカットしたものを焼成管に収容して焼成するバッチ式製法を用いて行われている。かかるバッチ式製法は、焼成時における中空糸膜自体への負荷が少ないため、焼成時の糸切れ(破断)は発生しにくいものの、中空糸膜1本毎の焼成管への収容および取出し作業が必要となるため、量産を行うにあたっては生産性に課題がある。
一方、補強材などとして幅広い分野で用いられている炭素繊維は、管状炉内に繊維を通過させながら加熱するといった、連続的に加熱処理を行うことにより製造されている(特許文献3参照)。かかる加熱方法は、繊維をカットする必要がなく、生産性、性能安定性の観点から、バッチ式に比べて効率的に繊維の加熱処理を行うことができるものの、これを中空糸膜に適用した場合には、加熱時の引張強度が十分ではなく、連続炉で焼成処理する際の延伸による負荷で、中空糸膜が破断するといった場合があった。
特開平4−11933号公報 特開2009−34614号公報 特開平3−19921号公報 特公昭37−4405号公報 特開昭64−85225号公報 特開平11−158736号公報 特開2013−713号公報
本発明の目的は、紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする中空糸炭素膜の製造方法において、紡糸および乾燥工程により得られる中空糸状物の加熱処理が、管状炉内を連続して通過させることにより行われる際に生じる、延伸負荷による中空糸膜の破断を効果的に抑制せしめることを可能とする中空糸炭素膜の製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする中空糸炭素膜の製造方法において、芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出すことにより、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって紡糸された中空糸状物を、管状炉内を通過させて加熱処理することによって達成される。
本発明に係る中空糸炭素膜の製造方法によれば、芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出して紡糸を行うことで、炭化処理工程等の加熱処理を、紡糸後の中空糸状物の破断を抑制しながら連続して行うことが可能となり、ひいては生産性にすぐれるといった効果を奏する。
また、紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出すことにより紡糸を行った場合には、得られる炭素膜への補強効果も期待することができる。
中空糸炭素膜は、紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする製造方法において、芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出すことにより、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって紡糸された中空糸状物を、管状炉内を通過させて焼成処理することにより行われる。
芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す工程は、具体的には、
(1) 外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液を供給して凝固浴中に押し出すと同時に、紡糸ノズルの内管から芯液とともに、紡糸ノズル内管の直径に対して、25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す
または
(2) 外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液とともに、中空糸紡糸ノズルの外管と内管の各半径の差幅に対して25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を供給し、これらを紡糸ノズル外管から凝固浴中に押し出し、同時に紡糸ノズルの内管から芯液を押し出す
ことによって行われる。
中空糸炭素膜の製造材料としては、公知の炭素形成材料(ポリマー)のいずれも用いることができるが、好ましくはポリフェニレンオキサイド系ポリマー、例えばポリフェニレンオキサイドあるいはその芳香族環の1〜4個の水素原子がハロゲン原子、スルホン基、カルボキシル基、低級アルキル基、トリ低級アルキルシリル基、ジアリールホスフィノ基で直接または-CH2-基を介して置換された誘導体であるもの等が用いられ、例えばスルホン化率が約20〜40%、好ましくは約25〜35%のスルホン化ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド)も用いられるが、好ましくはポリフェニレンオキサイドが用いられる。ここで、低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基を指している。
ポリフェニレンオキサイドとしては、市販品、例えばSABIC社製品PPO646、三菱エンジニアリングプラスチックス製品PX100F、PX100L等をそのまま用いることができ、これは製膜原液中約15〜40重量%、好ましくは約20〜35重量%の割合で用いられる。ポリフェニレンオキサイドの濃度がこれより高い場合には、製膜原液が分離してしまい紡糸できなくなり、一方これより低い場合には加熱時に脆くなり、良好な炭素膜を得ることができない場合がある。
製膜原液には、好ましくはさらに硫黄が添加される。硫黄は、ポリフェニレンオキサイドとの合計重量中約0.1〜5.0重量%、好ましくは約0.2〜3.0重量%の割合となるように添加される。硫黄の割合がこれより多い場合には、製膜原液が分離してしまい紡糸できなくなる。かかる製膜原液中には、硫黄とともに架橋効果のあるアルキル系パーオキサイド、アシル系パーオキサイド等の有機過酸化物、フェノール樹脂架橋剤、キノンジオキシム架橋剤等を用いることもできる。
炭素膜用製膜原液の調製は、ポリフェニレンオキサイド(および硫黄等)を、これらが溶解可能な溶媒に溶解させることにより行われる。かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられ、好ましくはN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンまたはこれらの混合物などが用いられる。
調製された紡糸原液は、外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に供給され、凝固浴中に押し出されると同時に、紡糸ノズルの内管からは芯液が押し出されることにより、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって、中空糸状物が成形される。
この際、炭素繊維または炭化ケイ素繊維が、芯液または紡糸原液とともに押し出される。具体的には、
(1) 外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液を供給して凝固浴中に押し出すと同時に、紡糸ノズルの内管から芯液とともに、紡糸ノズル内管の直径に対して、25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す
または
(2) 外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液とともに、中空糸紡糸ノズルの外管と内管の各半径の差幅に対して25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を供給し、これらを紡糸ノズル外管から凝固浴中に押し出し、同時に紡糸ノズルの内管から芯液を押し出す
ことによって行われる。
炭素繊維または炭化ケイ素繊維としては、繊維径が約3〜20μm、好ましくは約5〜10μmのフィラメントからなる繊維束が用いられ、繊維束の直径がこれより小さいと、目的とする焼成処理時の中空糸状物への補強効果が乏しくなり、一方これより大きい場合には、紡糸原液量が少なくなりすぎてしまい、炭素膜のガス分離性が不安定となってしまったり、芯液の通水部分に対する通水量が少なくなりすぎてしまい、紡糸安定性が乏しくなるようになる。
前記方法(1)で、炭素繊維または炭化ケイ素繊維の直径がノズル内径の直径に対し25〜60%と規定されるのは、内径よりも小さくかつ紡糸後の中空糸状物に必要な強度を確保するためである。また、前記方法(2)で、炭素繊維または炭化ケイ素繊維の直径がノズル外管と内径の各半径の差幅に対し25〜60%と規定されるのは、紡糸後の中空糸状物に必要な強度を確保することに加えて、中空糸炭素膜中に繊維を埋没させて、必要な強度を確保するためである。
ここで、炭素繊維としては、ポリアクリロニトリルあるいはピッチ系繊維を前駆体としたものなどが用いられ(特許文献4)、実際には市販品である東レ製品トレカ、三菱レーヨン製品パイロフィル、東邦テナックス製品テナックス、三菱樹脂製品ダイアリード、クレハ製品クレカ、大阪ガスケミカル製品ドナカーボをそのまま用いることができる。また、炭化ケイ素繊維としては、ケイ素および炭素を主成分とする、特許文献5〜6に記載されているものなど公知のものが制限なく用いられる。
なお、中空糸膜の膜厚は、紡糸工程において、二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管の径と巻き取り速度の比などを適宜調節する調整することができる。
紡糸により得られた中空糸状物は、ボビンへの巻き取りが行われる。ボビンとしては、外周約0.5〜2.0m、好ましくは約0.7〜1.2m程度のものが用いられ、中空糸状物の巻取速度は約10〜80m/分程度で行われる。また、巻き取られる中空糸状物の長さは、約100〜8000m、好ましくは約2000〜4000mとされ、中空糸状物を巻き取ったボビンは、水槽などに水中保管することもできる。保管期間は、一般には0.5〜14日、好ましくは1〜7日とされる。
ここで、ボビンに巻き取られた状態の中空糸状物は、好ましくは特許文献7に示されているように、水中に保管されている状態を保ったまま、その一端部を開放し、また他端部を接着剤等を利用して空気圧をかけるためのチューブなどに接続固定した後、中空糸炭素膜形成用高分子前駆体の中空部にゲージ圧が約20〜300kPaG、好ましくは約100〜200kPaGの空気送り込むことにより、水抜きを行うことができる。
ボビンに巻き取られた状態の中空糸状物は、乾燥機を用いて室温〜約80℃、好ましくは約25〜35℃の条件下で乾燥処理が行われた後、そのまま炭化処理を行うこともできるが、好ましくは炭化処理の前に不融化処理が行われる。
不融化処理は、材料の種類、大きさなどによって異なるが、一般には全長約1.0〜3.0m程度の管状炉内を、約0.01〜3.0m/分程度の速度で、約200〜400℃程度、好ましくは約250〜350℃程度といった炭化温度よりも低い温度で加熱処理を施すことにより行われる。かかる不融化処理により、中空糸炭素膜としての性能が特に改善されることとなる。
不融化処理後、炭化処理が行われる。炭化処理は不融化処理と同様に材料の種類、大きさなどによって異なるものの、不融化処理された中空糸状膜を、10-4気圧以下の減圧下またはヘリウム、アルゴンガス、窒素ガスなどで置換した不活性ガス雰囲気下にある全長約1.0〜3.0m程度の管状炉内を、約0.01〜3.0m/分程度の速度で、約600〜900℃程度、好ましくは約650〜850℃程度といった加熱処理を施すことにより行われる。
得られた中空糸炭素膜は、前記方法(1)の場合、モジュール化のためにカットした後、中空部分に存在している炭素繊維または炭化ケイ素繊維について、エアーブロー等を用いての除去が行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
ポリフェニレンオキサイド樹脂(SABIC社製品PPO646)28重量部、硫黄(関東化学製品)0.6重量部、ジメチルアセトアミド71.4重量部からなる紡糸原液を150℃に加熱し、二重管状ノズルの外管である紡糸ノズルから吐出させ、凝固浴中に押し出すと同時に、内径500μmの紡糸ノズルの内管より、直径約3〜10μmのフィラメントからなる、直径約200μmの炭素繊維束(二重管状ノズルの内管の直径に対して40%)とともに芯液であるエチレングリコールを押し出すことにより、水凝固浴中に紡糸速度15m/分で乾湿式紡糸を行い、ポリフェニレンオキサイド中空糸状物をボビンに巻き取った。
次いで、中空糸管内に露天1℃以下の空気を通過させて、中空糸状物の乾燥処理が行われた。乾燥後の中空糸状物を300℃の空気雰囲気下で1分加熱した後、300℃で引張試験を行ったところ、破断荷重は2.0Nであった。引張試験は、中空糸炭素膜を引張試験器(島津製作所製小型卓上試験器EZTest)にセットし、強度評価部分を恒温槽で300℃で1分間に加熱後、標線間距離50mm、引張速度毎分60mmの条件下で引張試験を行い、試験時の破断荷重を測定することにより行われた。
続いて、紡糸および乾燥させた中空糸状物が巻き取られているボビンを巻出し装置にセットし、長さ2mの管状炉の炉内の空気温度を300℃とし、定点の炉内通過時間が2分となる速さ(1.0m/分)で中空糸状物を移動させ、中空糸状物を連続して焼成することによる不融化処理を施した。その後、長さ2m、温度850℃の窒素雰囲気下の管状炉内を、定点の炉内通過時間が2分となる速さ(1.0m/分)で中空糸状物を移動させ、中空糸状物を連続して加熱することによる炭化処理を施し、中空糸炭素膜を得た。得られた中空糸炭素膜はモジュール化のために1m程度にカットした後、中空部分に存在している炭素繊維がエアーブローを用いて除去された。得られた中空糸炭素膜について、300℃で引張試験を行ったところ、破断荷重は4.0Nであった。
実施例2
実施例1において、150℃に加熱した紡糸原液とともに、直径約3〜10μmのフィラメントからなる、直径100μmの炭素繊維束4本を、二重管状ノズルの外管である紡糸ノズルに等間隔に配置して吐出させ、凝固浴中に押し出すと同時に、内径500μmの紡糸ノズルの内管より、芯液であるエチレングリコールを押し出すことにより、水凝固浴中に紡糸速度15m/分で乾湿式紡糸を行った。このとき、二重管状ノズルの外管と内管の各半径の差幅は約200μmであり、各炭素繊維束の直径は100μm(二重管状ノズルの外管と内管の各半径の差幅に対して50%)であった。
紡糸および乾燥後に300℃で引張試験を行ったところ、破断荷重は2.0Nであり、得られた中空糸膜について300℃で引張試験を行ったところ、破断荷重は4.0Nであった。
比較例
実施例1において、炭素繊維を用いることなく、紡糸および乾燥が行われた。得られた中空糸状物300℃の空気雰囲気下で1分加熱した後、300℃で引張試験したところ、破断荷重は0.0002Nであった。中空糸状物について実施例と同様に不融化処理を施したところ、連続加熱工程において膜の破断が発生して連続した不融化処理は困難であり、得られた中空糸炭素膜について、300℃で引張試験を行ったところ、破断荷重は0.0002Nであった。
実施例1〜2で得られた炭素膜を用いてガス透過試験が行われた。
ガス透過試験:炭素膜の片端をエポキシ樹脂で接着して密封し、他端をスエジロ
ック製のメタルガスケットのグランド(6LV-4-VCR-3S-6MTB7)の配
管部に10mm挿入して、炭素膜の挿入箇所約5mmまでの炭素膜とグ
ランドの配管の隙間をエポキシ樹脂にて接着し、ガス分離評価用
のミニモジュールを作製して、これをガス分離装置に取り付け、
炭素膜の外側に圧力200kPagにて4種類の異なるガス(30℃)を流
して、管側に透過するガス流量をマスフロコントローラーで測定
し、得られたガス流量を膜面積、時間および圧力で除してガス透
過速度を算出した
得られた結果は、次の表に示される。


ガス透過速度(モル/m 2 ・秒・Pa) 分離係数
He CO 2 N 2 CH 4 α(He/CH 4 )
実施例1 3.7×10-9 1.9×10-10 4.6×10-12 1.2×10-12 3083
実施例2 2.7×10-9 1.5×10-10 4.2×10-12 1.1×10-12 2455

Claims (6)

  1. 紡糸工程、乾燥工程および炭化処理工程を基本工程とする中空糸炭素膜の製造方法において、芯液または紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出すことにより、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって紡糸された中空糸状物を、管状炉内を通過させて焼成処理することを特徴とする中空糸炭素膜の製造方法。
  2. 紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す紡糸工程が、外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液を供給して凝固浴中に押し出すと同時に、紡糸ノズルの内管から芯液とともに、紡糸ノズル内管の直径に対して、25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す請求項1記載の中空糸炭素膜の製造方法。
  3. 紡糸原液とともに炭素繊維または炭化ケイ素繊維を押し出す紡糸工程が、外管および内管からなる二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管に、紡糸原液とともに、中空糸紡糸ノズルの外管と内管の各半径の差幅に対して25〜60%となる直径を有する炭素繊維または炭化ケイ素繊維を供給し、これらを紡糸ノズル外管から凝固浴中に押し出し、同時に紡糸ノズルの内管から芯液を押し出す請求項1記載の中空糸炭素膜の製造方法。
  4. 焼成処理後に、中空糸炭素膜の中空部分に存在している炭素繊維の除去が行われる請求項2記載の中空糸炭素膜の製造方法。
  5. 紡糸原液として、紡糸原液中15〜40重量%の濃度となる量のポリフェニレンオキサイドおよび該ポリフェニレンオキサイドと硫黄との合計重量中0.1〜5.0重量%の割合となる硫黄を、これらが溶解可能な溶媒に溶解させたものが用いられる請求項1記載の中空糸炭素膜の製造方法。
  6. 請求項1、2、3、4または5のいずれかの請求項に記載の製造方法により製造された中空糸炭素膜。
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