JP2017137085A - 保護キャップ付き複数剤吐出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の容器を有する容器本体と、内容物を吐出するためのノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、容器本体、ノズル及びレバー部を組み立てて包装した際に、レバー部の誤操作を防止する。【解決手段】複数の容器を有する容器本体10と、ノズル20と、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部32と、を備えた複数剤吐出容器1において、レバー部32の操作を制限する保護キャップ100を設けることによって、レバー部32の誤操作を防止できる。【選択図】図1

Description

本発明は、保護キャップを備えた複数剤吐出容器に関する。更に詳しくは、輸送時や、店舗での陳列作業時等における誤射を防止するための保護キャップを備え、ノズルと容器を組み立てた状態で包装することが可能な複数剤吐出容器に関する。
第1剤と第2剤からなる酸化染毛剤等の容器として、2剤吐出容器が知られている。例えば、特許文献1、2には、レバー部を押圧することによってエアゾール容器本体内の内容物をノズルから噴射するという複数剤吐出容器が開示されている。この2剤吐出容器は、内容物を充填した2本のエアゾール容器本体と、内容物を吐出するためのノズルと、ノズルを上方から押下可能なレバー部とを備えており、これらの部品を組み立てて使用するものであり、これらの部品を組み立てると、レバー部を押下するだけで簡単に内容物が吐出される。
酸化染毛剤等の商品の輸送や店舗での陳列等において、省スペース化を考慮すると、2剤吐出容器の全ての部品を組み立てた状態で包装することが望ましい。しかし、複数剤吐出容器を組み立てた状態で包装すると、包装作業、商品の輸送、店舗での陳列作業等の過程において、レバー部の誤操作により容器内の内容物が吐出してしまうという恐れがある。そのため、従来の複数剤吐出容器では、エアゾール容器本体とノズルを分離して包装していた。
特開平11−059746号公報 特開2011−116380号公報
本発明の課題は、複数の容器を有する容器本体と、内容物を吐出するためのノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、容器本体、ノズル及びレバー部を組み立てて包装した際に、レバー部の誤操作を防止することである。
発明者は、前記課題に対して鋭意検討した結果、複数の容器を有する容器本体と、内容物を吐出するためのノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、レバー部の操作を制限する保護キャップを設けることによって、レバー部の誤操作を防止できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の複数剤吐出容器である。
上記課題を解決するための本発明の複数剤吐出容器は、内容物が充填された複数の容器を有する容器本体と、前記複数の容器に装着して前記内容物を吐出するノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、前記レバー部の操作を制限する保護キャップを備えたこと特徴とする複数剤吐出容器である。
この複数剤吐出容器によれば、外部からの押圧によるレバー部の誤操作を防ぐことができるため、複数剤吐出容器の部品を全て一体化して包装することが可能となる。そのため、商品の省スペース化が実現され、輸送コストや、店舗での陳列等において優れた効果を奏する。
その他、この複数剤吐出容器によれば、輸送や陳列等において、各部品を一体化した状態で取扱うことができるため、複数剤吐出容器の各部品をまとめるための個箱等の個包装容器を使用せずに商品化することが可能となる。
また、この複数剤吐出容器によれば、使用者が使用する際に、各部品を組み立てる必要がなく、すぐに使用が開始できるという効果も認められる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、保護キャップが、容器本体の底部に装着可能に形成され、複数剤吐出容器の転倒防止機能を備えたことを特徴とする。
この特徴によれば、輸送時などの外部からの押圧による誤射を防ぐ効果のみならず、複数剤吐出容器の転倒を防ぐことができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、転倒防止機能が、複数剤吐出容器の自立を補助する足部又は接着面であるという特徴を有する。
転倒防止機能として、足部を備えた構成を適用する場合には、簡素な構造物によって複数剤吐出容器の自立を補助することができる。
また、転倒防止機能として、接着面を備えた構成を適用する場合には、壁面や傾斜面等においても複数剤吐出容器の自立を補助することができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、保護キャップに、ノズルの吐出部から内容物が垂れ落ちることを防止する垂れ落ち防止部を備えたことを特徴とする。
この特徴によれば、保護キャップをレバー部の誤操作防止のために使用する場合において、ノズル吐出部からの内容物の垂れ落ちを抑え、床面等の汚染を防止することができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、保護キャップに、ノズルの吐出部から垂れ落ちる内容物を受ける受け部を備えたことを特徴とする。
この特徴によれば、保護キャップを転倒防止のために使用する場合において、ノズル吐出部から垂れ落ちた内容物を受け部に受けることにより、床面等の汚染を防止することができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、内容物が発泡性組成物又は後発泡性組成物であるという特徴を有する。
発泡性組成物は、使用後に放置すると、ノズル内部に残った泡が破泡して液体となるため、ノズルの吐出部から垂れ落ちやすい。また、後発泡性組成物は、ノズルの内部に残った内容物が徐々に発泡して膨らむため、ノズルの吐出部から垂れ落ちやすい。そのため、この特徴によれば、前記垂れ落ち防止部又は前記受け部の作用効果をより発揮することができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、保護キャップが、ノズル洗浄器を収納する収納部若しくはノズル洗浄器を係止する係止部を有する、又は、ノズル洗浄器と一体的に構成されていることを特徴とする。
この特徴によれば、複数剤吐出容器の備品としてノズル洗浄器を付属する場合において、ノズル洗浄器が保護キャップに収納若しくは係止、又は、一体的に構成されているため、各部品がまとめられた簡素な商品となり、省スペース化を実現することができる。また、ノズル洗浄器を保護キャップとまとめて保管することにより、ノズル洗浄器の紛失を防止することができる。
更に、本発明の複数剤吐出容器の一実施態様としては、保護キャップが、塗布具を収納する収納部若しくは塗布具を係止する係止部を有する、又は、塗布具と一体的に構成されていることを特徴とする。
この特徴によれば、複数剤吐出容器の備品として塗布具を付属する場合において、塗布具が保護キャップに収納若しくは係止、又は、一体的に構成されているため、各部品がまとめられた簡素な商品となり、省スペース化を実現することができる。また、塗布具を保護キャップとまとめて保管することにより、塗布具の紛失を防止することができる。
本発明によれば、複数の容器を有する容器本体と、内容物を吐出するためのノズル及びレバー部を備えた複数剤吐出容器において、容器本体と、ノズル及びレバー部を組み立てて包装した際に、レバー部の誤操作を防止することができる。
その他、本発明の複数剤吐出容器によれば、輸送や陳列等において、各部品を一体化した状態で取扱うことができるため、複数剤吐出容器の各部品をまとめるための個箱等の個包装容器を使用せずに商品化することが可能となる。
また、本発明の複数剤吐出容器によれば、使用者が使用する際に、各部品を組み立てる必要がなく、すぐに使用が開始できるという効果も認められる。
本発明の第一実施例の2剤吐出容器1を示す概略説明図である。 本発明の第一実施例の2剤吐出容器1の容器本体10を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施例の2剤吐出容器1のノズル20及びカバー30を示す分解斜視図である。 本発明の2剤吐出容器のカバー及びレバー部の他の態様を示す概略説明図である。 本発明の第一実施例の2剤吐出容器1において、保護キャップ100を容器本体10の底部に装着する態様を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの足部の具体的構成の例を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの接着面の具体的構成の例を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの垂れ落ち防止部の具体的構成の一例を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの受け部の具体的構成の一例を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの収納部の具体的構成の一例を示す概略説明図である。 本発明の保護キャップの係止部の具体的構成の例を示す概略説明図である。
本発明は、内容物が充填された複数の容器を有する容器本体と、前記複数の容器に装着して前記内容物を吐出するノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、前記レバー部の操作を制限する保護キャップを備えたこと特徴とする複数剤吐出容器である。
以下に、本発明の複数剤吐出容器の各構成について、図面を用いて詳細に説明する。
[複数剤吐出容器の構成]
図1は、本発明の第一実施例の2剤吐出容器1を示す概略説明図である。
図1に示すように、本発明の実施例の2剤吐出容器1は、複数の剤がそれぞれ別個に充填された複数の容器からなる容器本体10と、複数の容器に装着され、複数の容器の内容物を吐出するノズル20と、容器本体10の上部に係合し、ノズル20を押下するレバー部32を備えたカバー30と、カバー30のレバー部32を覆い、レバー部32の操作を制限する保護キャップ100により構成される。
(容器本体)
図2aは、本発明の第一実施例の2剤吐出容器1の容器本体10を示す分解斜視図である。
図2aに示すように、容器本体10は、第1剤を充填する第1エアゾール容器(以下、第1容器と記す)11と、第2剤を充填する第2エアゾール容器(以下、第2容器と記す)12と、を備えている。更に、第1容器11及び第2容器12は、容器の上部を塞ぐためのマウンテインカップ14a及び14bと、該容器内の内容物を放出させるための円筒状の管であるステム15a及び15bと、とを備えている。
また、マウンテインカップ14a及び14bは連結部13により係止され、第1容器及び第2容器のステム15a、15bの先端が略同じ高さになるように固定されている。
なお、容器本体は、2以上の容器により構成すればよく、使用の態様に応じて3以上の容器としてもよい。また、1つの容器の内部に仕切り壁を設けて、複数の室を形成した構成としてもよい。
容器から内容物を放出する手段は、ノズルに外部からの押圧が与えられることにより内容物が放出される手段であればどのような手段でもよく、例えば、噴射剤を利用して内容物を放出するエアゾール容器や、ポンプを利用して内容物を放出するノンエアゾール容器等が挙げられる。複数の剤の放出量を調整できるという観点から、エアゾール容器を使用することが好ましい。
エアゾール容器から内容物を放出する手段としては、噴射剤と内容物を混合して噴射剤と共に内容物を放出する手段や、容器本体の内部に内容物を封入した内袋を設け、容器本体と内袋との間の空間に充填した噴射剤により内容物を放出する手段等が挙げられる。
クリーム状、ジェル状、ペースト状等の剤型とする場合には、後者の放出手段を利用することが好ましい。
エアゾール容器に使用する容器本体の材質としては、特に制限されず、内容物の耐性に応じて選択すればよい。例えば、アルミニウム、ブリキ、ステンレス等の金属材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂材料等が挙げられる。
さらに、エアゾール容器の内面をコート剤で被覆することが好ましい。コート剤としては、例えば、エポキシフェノール樹脂、エポキシユリア樹脂、エポキシアミノ樹脂、エポキシアミン樹脂、アミドイミド系樹脂等が挙げられる。また、コート剤を、多層被覆してもよい。
なお、内容物の残量を目視できるという観点では、PET等の透明な材質を使用することが好ましい。また、汎用性に優れるという観点では、アルミニウムを使用することが好ましい。耐薬品性の観点では、ステンレス製、PET等によりラミネート加工したアルミニウム、ブリキを使用することが好ましい。
また、内容物を封入するための内袋としては、変形可能な材質であればよく、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)、ポリアクリルニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ビニール、ナイロン等の単層の合成樹脂製、およびこれらの積層体等が挙げられる。その他、内面をエポキシフェノール樹脂、エポキシユリア樹脂、エポキシアミノ樹脂あるいはエポキシアミン樹脂でコートしたアルミニウム製を用いてもよい。PE/EVOH/PE等の積層体、HDPEおよび内面コートアルミニウムを用いると、噴射剤の透過および内容物の変質を防ぐ点から好ましい。またその厚さは0.1〜1.0mmが内容物の保持性および収縮性の点から好ましい。
内容物は、特に制限されないが、発泡性組成物又は後発泡性組成物であることが好ましい。発泡性組成物とは、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)等の発泡剤を含む組成物であり、内容物をエアゾール容器から吐出した際に、発泡して吐出するものである。発泡性組成物は、内容物の吐出後に放置すると、ノズルに残存した泡状の内容物が破泡して液化するため、ノズルの吐出部から垂れ落ちることがある。
後発泡性組成物とは、イソペンタン等の後発泡剤を含む組成物であり、内容物がエアゾール容器からクリーム状やジェル状の組成物として吐出された後、せん断力を加えたり、大気圧下に置かれたりすると、後発泡剤が気化して徐々に泡状となる組成物である。後発泡性組成物は、吐出後に徐々に膨張するため、ノズルに残存した内容物がノズルの吐出部から溢れて垂れ落ちることがある。
そのため、内容物として発泡性組成物又は後発泡性組成物を使用する場合には、内容物の垂れ落ちを防止する垂れ落ち防止部や、垂れ落ちた内容物を受ける受け部を備えた保護キャップにおいて、それらの構成の作用効果がより発揮される。
なお、後発泡剤はエアゾール容器等の高圧環境下から毛髪化粧料の使用環境下(通常、常温、大気圧下)に吐出されると後発泡性組成物を発泡させるような成分であり、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル等が挙げられる。後発泡剤の配合量は、通常、後発泡性組成物に対して0.5〜20質量%である。
また、容器から放出された内容物の剤型としては、特に制限されず、例えば、液状、乳液状、泡状、クリーム状、ジェル状、ペースト状等が挙げられる。後発泡性組成物とする場合には、クリーム状、ジェル状、ペースト状であることが好ましい。
更に、後発泡性組成物の15℃における粘度は、好適な発泡状態を得るという観点から、5000〜50000mPa・sであることが好ましく、10000〜40000mPa・sであることが更に好ましく、15000〜30000mPa・sであることが特に好ましい。
本発明における粘度測定にはVISCOMETER TV-10粘度計(東機産業株式会社製)を使用する。粘度500mPa・s未満の場合は、15℃、1分間、回転速度:12rpm、1号ローター使用の条件下で測定し、粘度500mPa・s以上2500mPa・s未満の場合は、15℃、1分間、回転速度:12rpm、2号ローター使用の条件下で測定し、粘度2500mPa・s以上10000mPa・s未満の場合は、15℃、1分間、回転速度:12rpm、3号ローター使用の条件下で測定し、粘度10000mPa・s以上50000mPa・s未満の場合は、15℃、1分間、回転速度:12rpm、4号ローター使用の条件下で測定し、粘度50000mPa・s〜100000mPa・sの場合は、15℃、1分間、回転速度:6rpm、4号ローター使用の条件下で測定する。
なお、15℃における粘度の測定は、エアゾール容器を15℃環境下に置き、内容物を15℃とした後、各剤をエアゾール容器から吐出してすぐに粘度を測定する。
内容物としては、酸化染毛剤の第1剤及び第2剤が、本発明の複数剤吐出容器に好適に使用することができる。
例えば、本実施例で用いられている第1剤は、p−トルイレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−メチルアミノフェノール、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル、セチル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルアルコール、ワセリン、ステアリン酸、プロピレングリコール、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、エデト酸二ナトリウム、アスコルビン酸、28%アンモニア水およびモノエタノールアミン、精製水を成分としており、これらを調製したものである。また、第1容器11で用いられている噴射剤の成分は、窒素ガスである。
また、本実施例で用いられている第2剤は、過酸化水素水、フェナセチン、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム、セタノール、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン、香料、精製水を成分としており、これらを調製したものである。また、第2容器12で用いられている噴射剤の成分は、窒素ガスである。
噴射剤としては、例えば、窒素ガス、液化石油ガス、圧縮ガス等が使用されるが、内容物に悪影響を及ぼさない点から窒素ガスが好ましい。
(ノズル)
本発明のノズルは、レバー部を介して与えられた外部からの押圧により、容器本体の内容物を放出させる作用を有する構成である。実施例の2剤吐出容器1では、エアゾール容器によるノズルの構成を詳細に示すが、これに限定されず、内容物の放出手段に応じて適宜形状を設計すればよい。
例えば、レバー部を介して与えられた外部からの押圧を変換機構により引力に変換して、引く操作により内容物が放出されるようなノズルを使用してもよい。
図2bは、本発明の第一実施例の2剤吐出容器1のノズル20及びカバー30を示す分解斜視図である。図2bに示すように、ノズル20は、略箱状に形成された基部21と、この基部21の下面に設けられ、容器本体10のステム15a及び15bと水密に係合することができる一対の導入部23a及び23bと、基部21の前方側面に突設され、第1容器11及び第2容器12から排出された内容物を外部に吐出するための吐出部24とを備える。また、基部21の下面には、基部21の内部とステム15a及び15bの内部とを連通する貫通口22a及び22bが形成されている。基部21の上面は、ステム15a及び15bの押下方向に対して垂直な平面状に形成されている。
このノズル20の基部21及び吐出部24の内部には、ステム15a及び15bの中央に位置するように仕切板25が設けられており、2つの流路が形成されている。そのため、このノズル20は、第1容器11及び第2容器12それぞれから排出される内容物を導入部23a、23bから吐出部24の先端まで隔離して送り出すことができる。
なお、本発明のノズルは、導入部及び吐出部を有する構成であれば、特に制限されない。例えば、仕切り板を設けずにノズルの内部で複数の剤が接触してもよいし、更には、内部に撹拌部材を設けて複数の剤を内部で撹拌してもよい。
また、導入部及び吐出部の数は特に制限されないが、導入部については、複数の剤の種類に応じて複数設けることが望ましく、一方、吐出部については一つのみであることが好ましい。
(カバー)
図1bに示すカバー30は、ノズル20と容器本体10を組み付けるものであり、ノズル20の導入部23a及び23bと、容器本体10のステム15a及び15bを容易に係合させることができる。
カバー30は、前述の導入部挿通口34a及び34bが形成された上板31と、カバー30の前方に設けられたヒンジ36を介して形成された平板状のレバー部32と、ノズル20をカバー30に組み付けた際に、ノズル20の吐出部24を露出させるための吐出部挿通口35と、を備えている。また、レバー部32には、その裏面にほぼ円錐形の突起33が二つ形成されている。突起33により、レバー部32が押下された際に、レバー部32に掛かる押圧をノズル20に効率よく伝えることができる。
カバー30とノズル20を着脱するには、レバー部32をカバー30の前方に倒すことにより、ノズル20を簡易的に着脱することができる。
なお、本発明において、カバーは必須の構成ではなく、ノズルを直接本体容器と係合するような構成としてもよい。また、カバー30とノズル20を着脱できないように固定してもよい。
(レバー部)
本発明のレバー部は、外部からの押圧をノズルに与える作用を有する部材あるいは作用部であり、第一実施例のように、部材としてレバー部32を設けてもよいし、その他、外部からの押圧をノズルに直接与える作用部として、ノズル20の基部21の上面をレバー部としてもよい。
外部からの押圧は、どのような方向から与えられてもよく、実施例のように垂直方向に与えられる押圧の他、横方向や斜め方向から与えられる押圧でもよい。
図1cには、カバーとレバー部の他の態様として、カバー下部30a及びレバー部32aを有するカバー上部30bを備えたカバーを図示した。
カバー下部30aは、ノズル20aを収容できる筒体からなり、筒体の内側には、第1容器および第2容器の配列方向に沿ってノズル係止帯体31aが設けられ、ノズル20aの押下方向への移動を制限する。また、ノズル20aの押下方向に沿ってノズル摺動片31bが設けられており、ノズル20aは、配列方向への移動が制限され、押下方向への上下摺動が可能となる。なお、ノズル摺動片31bと、ノズル摺動片31bに係止するノズル20aの背面突部(図示しない)の間には間隙が形成されており、配列方向へのノズル20aの移動はわずかに許容される。
カバー上部30bは、筒体の後方側が一部欠損した略C字状の部材により構成され、前方側の内側面には、配列方向に沿って長尺のヒンジ36aが設置され、該ヒンジ36aには、レバー部32aが押下方向に揺動可能に取り付けられている。また、レバー部32aには、レバー部32aを操作するためのレバー突起32bが設けられ、レバー突起32bは、カバー上部30bの後方側の欠損領域から突出している。
カバー下部30a及びカバー上部30bは、内部にノズル20aを収容した状態で、カバー下部30aの内面に形成された固定孔38a、38bと、カバー上部30bの外面に形成された固定片37a、37bを係合することにより固定される。
カバー下部30a及びカバー上部30bの前方には、それぞれ吐出部挿通切り欠き部35b及び35aを備えており、カバー下部30aとカバー上部30bが固定されると、ノズル20aの吐出部24aを挿通するための吐出部挿通口を形成する。
また、カバー下部30aの後方には、レバー揺動切り欠き部32cが形成されており、レバー突起32bを押下方向に揺動可能としている。
なお、ノズル20aは、上述したカバー30に使用したノズル20と同様に、基部21の下面に導入部23c、23dを備え、前方に吐出部24aを備えた構成である。
基部21及び吐出部24aの中央に設置された仕切り板25aは、吐出部24aの途中まで設置されており、吐出部24aの先端において、第1剤と第2剤の接触領域が形成されている。接触領域を設けることにより、第1剤と第2剤が一筋となって吐出されるため、所定の位置に吐出しやすく、また、混合しやすいという効果がある。
そして、図1cに示すカバーによれば、レバー突起32bを押下方向に揺動すると、長尺のヒンジ36aに均等に押圧が作用するため、ノズル20aを配列方向に均等に押し下げることができる。
また、レバー部32aの裏面には、略円弧状に形成された2つの突起33aが設けられ、ノズル20aの奥行方向に均等に押圧を作用することができる。なお、突起33aの形状は、半球状、球状、楕円球状等の湾曲部を有する形状でもよい。
図1cに示すカバーのその他の構成としては、カバー下部30aの外側両側面にカバー係止孔39aを有する揺動片39を備えており、カバー係止孔39aと本体容器部10側に設けたカバー係止突部(図示しない)を係合して本体容器部10とカバーを係止する。この構成によれば、揺動片39を操作することにより、本体容器10とカバーを簡単に脱着することができる。
(保護キャップ)
本発明の保護キャップは、レバー部の操作を制限するための構成である。レバー部の操作を制限するための具体的構成は、特に制限されず、例えば、第一実施例のように、高硬度のプラスチックで形成された蓋状部材を、レバー部を覆うように着脱可能に取り付ける構成の他、レバー部を下から支持する支持部を、レバー部の下方に着脱可能に取り付ける構成や、弱い押圧では変形しない難変形性のゴム状部材で構成されたレバー部を備えた構成等が挙げられる。
保護キャップの形状は、レバー部の操作を制限可能であれば特に制限されないが、好ましい形状は、楕円形である。楕円形の場合には、楕円形の長辺Aは40〜80mmが好ましく、50〜70mmが更に好ましい。楕円形の短辺aは10〜50mmが好ましく、20〜40mmが更に好ましい。
また、深さは、カバーからの取り外しやすさから2〜50mmが好ましく、5〜30mmが更に好ましい。
図1に示す第一実施例の保護キャップ100は、カバー30を上方から覆う蓋状の構成であって、カバー30に着脱可能に取り付けられている。
保護キャップ100は、2剤吐出容器1に装着した際に外部からの押圧によって変形しない強度を有するプラスチックにより構成されている。
なお、外部からの押圧によって容易に変形しない強度を有する材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、アルミニウム、ブリキ、ステンレス等の金属材料等が挙げられる。
また、本発明の保護キャップは、上述したレバー部の操作を制限する機能に加えて、容器本体の底部に装着して容器本体の転倒を防止する機能や、ノズルの吐出部から内容物が垂れ落ちることを防止する機能や、ノズルの吐出部から垂れ落ちる内容物を受ける機能や、ノズル洗浄器、塗布具等の他の備品を収納、係止する機能等を付加することが好ましい。
以下に、これらの付加機能について説明する。
<転倒防止機能>
図3には、本発明の第一実施例の2剤吐出容器1において、保護キャップ100を容器本体10の底部に装着する態様を示す。保護キャップ100は、カバー30の上部のみならず、容器本体10の底部にも装着可能に形成されており、また、保護キャップ100の上面は、フラットな平面状に形成されている。これにより、保護キャップ100は、容器本体10の底部に装着する際には、容器本体10の自立を安定化して、容器本体10の転倒を防止することができる。
複数剤吐出容器の転倒を防止する転倒防止機能の構成としては、容器本体の自立を安定化する作用を有すれば特に制限されないが、例えば、第一実施例の保護キャップ100のようにフラットな平面を備えた構成の他、複数剤吐出容器の自立を補助する足部や、接着部を設けた構成が挙げられる。
図4に、転倒防止機能として、本発明の保護キャップに設けた足部の具体的構成の例を示す。
図4の左図に示す保護キャップ101は、その蓋体上面に容器本体10の底部より広い面積を持つ足部110を備えた構成である。
また、図4の右図に示す保護キャップ102は、円筒状の保護キャップであり、円筒状保護キャップの外周面の一部に突設した足部111を備えた構成である。
これにより、保護キャップを本体容器10の底部に装着した際に、複数剤吐出容器の自立をより安定させることが可能となる。
図5に、転倒防止機能として、本発明の保護キャップに設けた接着面の具体的構成の例を示す。
図5に示す保護キャップ103、104は、保護キャップの上面及び側面に接着面120を備えた構成である。上面に接着面120を設けた場合には、テーブル等の水平面や、傾斜面に付着して複数剤吐出容器の転倒を防止することができる。また、側面に接着面120を設けた場合には、壁面等に付着して複数剤吐出容器の転倒を防止することができる。
接着面120としては、例えば、滑り止めシート、磁石、吸盤、粘着シール、面ファスナー等の接着部材を設けることにより構成される。
図5の左図に示す保護キャップ103は、接着部材として、粘着シール121aを備えた構成である。粘着シール121aは、埃等が付着して粘着力が低下しないように、粘着シールの保護材により保護されており、接着面として作用させる際に、保護材を剥がして使用する。この接着部材によれば、簡単に接着させることができる。
図5の右図に示す保護キャップ104は、接着部材として、磁石122を備えた構成である。磁石122を利用することにより、金属等の磁性物質に対して簡単に接着及び剥離することができる。
<垂れ落ち防止部>
図6には、本発明の保護キャップの垂れ落ち防止部の具体的構成の例を示す。垂れ落ち防止部は、複数剤吐出容器を使用後に、ノズルの内部に残存する内容物がノズルの吐出部24から垂れ落ちることを防止するための構成である。なお、図6の左図に示すように、垂れ落ち防止部は、保護キャップをレバー部32の操作を制限するように装着する際に、その作用を発揮するものである。
垂れ落ち防止部を設けることにより、ノズルの内部に残存する内容物が垂れ落ちて、床等を汚染することを防止することができる。
垂れ落ちを防止する手段としては、どのような手段でもよいが、例えば、ノズルの吐出部24を覆うように構成された垂れ落ち防止部を設け、この内面にノズルの吐出部24から溢れ出た内容物が付着して表面張力で垂れ落ちを抑制する手段や、ノズルの吐出部24の下方に、内容物を溜めるための溜め部を設け、垂れ落ちた内容物を溜めることにより床面等への垂れ落ちを防止する手段等が挙げられる。
図6の左図に示す保護キャップ105は、ノズルの吐出部24を覆うように構成された垂れ落ち防止部130を備えた構成である。図6(A)は、この保護キャップ105の側面図であり、図6(A)に示すように、垂れ落ち防止部130の内面は、ノズルの吐出部24と近接するように設置されており、ノズルの吐出部24から溢れ出た内容物は、垂れ落ち防止部130の内面に付着して、表面張力により垂れ落ちが抑制される。
図6(B)に示す保護キャップ105aは、垂れ落ちを防止する手段として、溜め部132を有する垂れ落ち防止部131を備えた構成である。溜め部132は、ノズルの吐出部24から垂れ落ちた内容物を溜めることが可能な小容量の凹部により構成される。これにより、確実に垂れ落ちを防止することができる。
<受け部>
図7には、本発明の保護キャップの受け部の具体的構成の一例を示す。受け部は、ノズルの内部に残存する内容物がノズルの吐出部24から垂れ落ちた際に、垂れ落ちた内容物を受けるための構成である。なお、図7の左図に示すように、受け部131は、保護キャップ106を容器本体10の底面に装着した際に、その作用を発揮するものである。
図7に示す保護キャップ106は、ノズルの吐出部24から垂れ落ちた内容物を受けるための受け部131を備えた構成であり、受け部131は、垂れ落ちた内容物を受けることが可能な凹部である。また、受け部131は、保護キャップ106を容器本体10の底部に装着した際に、ノズルの吐出部24の垂直下方向に設置されるように形成されている。これにより、ノズルの内部に残存する内容物が垂れ落ちた場合でも、垂れ落ちた内容物は受け部131内に収容され、床等の汚染を防止することができる。
<他の備品の収納及び係止する機能、並びに、他の備品との一体化>
本発明の保護キャップは、ノズル洗浄器や、櫛、ブラシ等の塗布具等の備品を収納、係止する機能を設けることが好ましい。また、これらの備品と一体化して構成することが好ましい。これにより、各部品がまとめられた簡素な商品となり、より省スペース化を実現することができる。また、ノズル洗浄器や塗布具を保護キャップとまとめて保管することにより、これらの備品の紛失を防止することができる。
図8に示す保護キャップ107は、ノズル200を収納するための収納部140を備えた構成である。
また、図9に示す保護キャップ108、109は、保護キャップ107の外側に塗布具300が係止可能な係止部141、142を備えた構成である。係止部は、塗布具300の一部を保護キャップの蓋体外側に係止可能な構成であればよく、例えば、係止部141のように塗布部300の一部を嵌め込む構成や、係止部142のように塗布部300を掛けることができる構成等が挙げられる。
<パッチテスト用の小皿としての機能>
本発明の保護キャップは、パッチテスト用の小皿としての機能を設けることが好ましい。パッチテストは、酸化染毛剤、脱色剤、脱染剤等の皮膚アレルギー試験であり、複数の剤を小皿に少量ずつ吐出し、綿棒等で混合後、少量を皮膚に塗布して、発疹、発赤、かゆみ、水疱、刺激等がないか確認する。
そして、本発明の保護キャップにパッチテスト用の小皿としての機能を設けることにより、パッチテストに使用する小皿を用意する必要がないという効果を奏する。
パッチテスト用の小皿としての機能を付加するには、保護キャップの材質として、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料を用いることが好ましい。
本発明の複数剤吐出容器は、外部からの押圧によってレバー部の誤操作による誤射を防止することが可能な複数剤吐出容器であり、容器本体と、ノズル及びレバー部を一体として包装する際に利用することができる。また、輸送、陳列等において、これらの部品を組み立てた状態で取り扱うことができるため、各複数剤吐出容器を包装するための小箱等の個包装容器を使用せずに商品化する際に利用することができる。
本発明の複数剤吐出容器は、実施例で示した酸化染毛剤の分野に限らず、脱色剤、脱染剤、育毛剤、整髪料、洗浄剤、化粧剤、美容剤、消臭剤、殺虫剤等の複数剤吐出容器を用いる他の分野においても利用可能である。
1…2剤吐出容器、10…容器本体、11…第1容器、12…第2容器、13…連結部、14a,14b…マウンテインカップ、15a,15b…ステム、20,20a…ノズル、21…ノズル基部、22a,22b…貫通口、23a,23b,23c,23d…導入部、24,24a…吐出部、25,25a…仕切板、30…カバー、30a…カバー下部、30b…カバー上部、31…上板、31a…ノズル係止帯体、31b…ノズル摺動片、32,32a…レバー部、32b…レバー突起、32c…レバー揺動切り欠き部、33,33a…突起、34a,34b…導入部挿通口、35…吐出部挿通口、35a,35b…吐出部挿通切り欠き部、36,36a…ヒンジ、37a,37b…固定片、38a,38b…固定孔、39…揺動片、39a…カバー係止孔、100,101,102,103,104,105,105a,106,107,108,109…保護キャップ、110,111…足部、120…接着面、121a…粘着シール、121b…粘着シールの保護材、122…磁石、130,131…垂れ落ち防止部、132…溜め部、133…受け部、140…収納部、141,142…係止部、200…ノズル洗浄器、300…塗布具

Claims (8)

  1. 内容物が充填された複数の容器を有する容器本体と、前記複数の容器に装着して前記内容物を吐出するノズルと、外部からの押圧を前記ノズルに伝達して該ノズルから内容物を吐出させるレバー部と、を備えた複数剤吐出容器において、
    前記レバー部の操作を制限する保護キャップを備えたこと特徴とする複数剤吐出容器。
  2. 前記保護キャップは、前記容器本体の底部に装着可能に形成され、前記複数剤吐出容器の転倒防止機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の複数剤吐出容器。
  3. 前記転倒防止機能は、前記複数剤吐出容器の自立を補助する足部又は接着部であることを特徴とする請求項2に記載の複数剤吐出容器。
  4. 前記保護キャップは、前記ノズルの吐出部から内容物が垂れ落ちることを防止する垂れ落ち防止部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複数剤吐出容器。
  5. 前記保護キャップは、前記ノズルの吐出部から垂れ落ちる内容物を受ける受け部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複数剤吐出容器。
  6. 前記内容物は、発泡性組成物又は後発泡性組成物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の複数剤吐出容器。
  7. 前記保護キャップは、ノズル洗浄器を収納する収納部若しくはノズル洗浄器を係止する係止部を有する、又は、ノズル洗浄器と一体的に構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複数剤吐出容器。
  8. 前記保護キャップは、塗布具を収納する収納部若しくは塗布具を係止する係止部を有する、又は、塗布具と一体的に構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複数剤吐出容器。
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