JP2017136954A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤのスノー性能および騒音性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部33が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝331と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口することなくショルダー陸部33内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口する複数の第一ラグ溝332と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口することなくショルダー陸部33内で終端する第二ラグ溝333とを備える。また、周方向細溝331に対する第一ラグ溝332の開口部と第二ラグ溝333の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。【選択図】図3
Description
この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤのスノー性能および騒音性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
スノー性能が要求されるオールシーズン用タイヤにおいても、操縦安定性能を向上させるために、幅広な主溝と非貫通なラグ溝とを備えるリブ基調のトレッドパターンが採用されている。かかる従来の空気入りタイヤとして、特許文献1、2に記載される技術が知られている。
一方で、上記したトレッドパターンでは、タイヤ転動時にて幅広な主溝と路面とに区画された空間で発生する気柱管共鳴音に起因して、タイヤの車外騒音が悪化するという課題がある。また、陸部エッジ部の長さの総量が貫通したラグ溝に比べて低くなるため、スノー性能が低下するという課題もある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤのスノー性能および騒音性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備える空気入りタイヤであって、タイヤ幅方向の最も外側にある前記周方向主溝を最外周方向主溝として定義し、前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部をショルダー陸部として定義し、前記ショルダー陸部が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝と、タイヤ幅方向に延在して前記周方向細溝に開口し、一方の端部にて前記最外周方向主溝に開口することなく前記ショルダー陸部内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端に開口する複数の第一ラグ溝と、タイヤ幅方向に延在して前記周方向細溝に開口し、一方の端部にて前記最外周方向主溝に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端に開口することなく前記ショルダー陸部内で終端する第二ラグ溝とを備え、且つ、前記周方向細溝に対する前記第一ラグ溝の開口部と前記第二ラグ溝の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置されることを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、第一ラグ溝と第二ラグ溝とがタイヤ周方向に相互にオフセットして配置されることにより、最外周方向主溝からタイヤ接地端に至る通気経路がクランク形状を有する。これにより、タイヤ転動時にて最外周方向主溝で発生した気柱管共鳴音が分散されるので、タイヤの騒音性能(特に、車外騒音の低減性能)が向上する利点がある。また、ショルダー陸部が第一ラグ溝および第二ラグ溝の双方を備えるので、ラグ溝の溝長さが増加して、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、複数のビードワイヤを束ねて成る環状部材であり、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、リムフランジに対する左右のビード部の接触面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのトレッドパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端である。
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのトレッドパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端である。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された複数の陸部31〜33とをトレッド面に備える。
主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に、4.0[mm]以上の溝幅および6.5[mm]以上の溝深さを有する。また、後述するラグ溝とは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、一般に1.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有する。また、後述するサイプとは、トレッド踏面に形成された切り込みであり、一般に1.0[mm]未満のサイプ幅および2.0[mm]以上のサイプ深さを有することにより、タイヤ接地時に閉塞する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を基準として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を基準として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
サイプ幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、陸部の踏面におけるサイプの開口幅の最大値として測定される。
タイヤ接地面は、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面として定義される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域が2本の周方向主溝21、22をそれぞれ有している。また、これらの周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLを中心として、左右対称に配置されている。また、これらの周方向主溝21、22により、5列の陸部31〜33が区画されている。また、1つの陸部31が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
しかし、これに限らず、3本あるいは5本以上の周方向主溝が配置されても良いし、周方向主溝がタイヤ赤道面CLを中心として左右非対称に配置されても良い(図示省略)。また、1つの周方向主溝がタイヤ赤道面CL上に配置されることにより、陸部がタイヤ赤道面CLから外れた位置に配置されても良い(図示省略)。
また、タイヤ赤道面CLを境界とする1つの領域において、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝22、22を最外周方向主溝として定義する。また、図2において、タイヤ赤道面CLから最外周方向主溝22までの距離D1とタイヤ接地幅TWとが、0.20≦D1/TW≦0.35の関係を有することが好ましく、0.27≦D1/TW≦0.33の関係を有することがより好ましい。これにより、最外周方向主溝22の位置が適正化されて、タイヤの操縦安定性能および騒音性能が両立する。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部33をショルダー陸部として定義する。ショルダー陸部33は、タイヤ接地端T上に配置される。また、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部32を中間陸部として定義する。中間陸部32は、最外周方向主溝22を挟んでショルダー陸部33に隣接する。また、中間陸部32よりもタイヤ赤道面CL側にある陸部31をセンター陸部として定義する。センター陸部31は、タイヤ赤道面CL上に配置されても良いし(図2)、タイヤ赤道面CLから外れた位置に配置されても良い(図示省略)。
なお、図2の構成では、単一のセンター陸部31のみが存在するが、5本以上の周方向主溝を備える構成では、複数のセンター陸部が定義される(図示省略)。また、3本の周方向主溝を備える構成では、センター陸部が中間陸部を兼ねる(図示省略)。
[ショルダー陸部の騒音抑制構造]
スノー性能が要求されるオールシーズン用タイヤにおいても、操縦安定性能を向上させるために、幅広な主溝と非貫通のラグ溝とを備えるリブ基調のトレッドパターンが採用される傾向にある。かかるトレッドパターンでは、タイヤ転動時にて幅広な主溝と路面とに区画された空間で発生する気柱管共鳴音に起因して、タイヤの車外騒音が悪化するという課題がある。また、陸部エッジ部の長さの総量が貫通したラグ溝に比べて低くなるため、スノー性能が低下するという課題もある。
スノー性能が要求されるオールシーズン用タイヤにおいても、操縦安定性能を向上させるために、幅広な主溝と非貫通のラグ溝とを備えるリブ基調のトレッドパターンが採用される傾向にある。かかるトレッドパターンでは、タイヤ転動時にて幅広な主溝と路面とに区画された空間で発生する気柱管共鳴音に起因して、タイヤの車外騒音が悪化するという課題がある。また、陸部エッジ部の長さの総量が貫通したラグ溝に比べて低くなるため、スノー性能が低下するという課題もある。
そこで、この空気入りタイヤ1は、タイヤのスノー性能および騒音性能を向上するために、以下の構成を採用している。
図3〜図5は、図2に記載したトレッドパターンの要部を示す説明図である。これらの図において、図3は、中間陸部32およびショルダー陸部33の全体の拡大図を示し、図4は、最外周方向主溝22の近傍の拡大図を示し、図5は、最外周方向主溝22の溝深さ方向にかかるショルダー陸部33の断面図を模式的に示している。
図2および図3に示すように、ショルダー陸部33は、周方向細溝331と、複数の第一ラグ溝332および複数の第二ラグ溝333とを備える。
周方向細溝331は、タイヤ周方向に延在する細溝であり、最外周方向主溝22とタイヤ接地端Tとの間の領域に配置される。したがって、周方向細溝331は、主溝ではなく、また、最外周方向主溝22よりもタイヤ幅方向外側に配置されて、ショルダー陸部33をタイヤ幅方向に2分割する。図2の構成では、周方向細溝331が、ストレート形状を有し、タイヤ全周に渡って連続的に延在している。しかし、これに限らず、周方向細溝331が、屈曲形状あるいは波状形状を有しても良い(図示省略)。
また、図3において、ショルダー陸部33の接地幅W1と、周方向細溝331および最外周方向主溝22に区画されたショルダー陸部33の部分の接地幅W2とが、0.08≦W2/W1≦0.50の関係を有することが好ましく、0.20≦W2/W1≦0.40の関係を有することが好ましい。また、接地幅W2が、トレッド幅TWの2.5[%]以上の範囲にある。
接地端W1、W2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、図4において、周方向細溝331の溝幅Wg1が、2.0[mm]≦Wg1≦4.0[mm]の範囲にある。これにより、周方向細溝331の溝幅Wg1が適正化されて、周方向細溝331の溝としての機能が確保され、また、周方向細溝331に起因する気柱管共鳴音の悪化が抑制される。また、図5において、周方向細溝331の溝深さH1と、最外周方向主溝22の溝深さH0とが、0.20≦H1/H0≦0.70の関係を有することが好ましく、0.30≦H1/H0≦0.50の関係を有することがより好ましい。したがって、周方向細溝331は、最外周方向主溝22と比較して幅狭かつ浅い。これにより、周方向細溝331と最外周方向主溝22との区画されたショルダー陸部33の部分の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
第一ラグ溝332は、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口することなくショルダー陸部33内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口する。例えば、図2の構成では、図3に示すように、第一ラグ溝332が、緩やかにタイヤ周方向に湾曲しつつタイヤ幅方向に延在して、周方向細溝331を貫通している。また、第一ラグ溝332のタイヤ幅方向内側の端部が、最外周方向主溝22に開口することなく、周方向細溝331と最外周方向主溝22との間の領域で終端している。また、第一ラグ溝332のタイヤ幅方向内側の端部が、周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画されたブロックの幅W2(図3参照)の中央部(幅W2の測定点から幅W2の30[%]以上70[%]以下の領域)に位置する。また、第一ラグ溝332のタイヤ幅方向外側の端部が、タイヤ接地端Tを超えてトレッド端まで延在している。
また、図2および図3に示すように、複数の第一ラグ溝332が、所定のピッチP(図4参照)でタイヤ周方向に配列されている。これにより、周方向細溝331と複数の第一ラグ溝332とに区画されて成る複数のブロック334が、ショルダー陸部33の接地領域に形成されている。
また、図4において、第一ラグ溝332の溝幅Wg2が、2.0[mm]≦Wg2≦8.0[mm]の範囲にあることが好ましく、2.5[mm]≦Wg2≦7.5[mm]の範囲にあることが好ましく、3.5[mm]≦Wg2≦7.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、第一ラグ溝332の溝幅Wg2が適正化されて、第一ラグ溝332の排水性およびショルダー陸部33の剛性が確保される。なお、溝幅Wg2は、タイヤ接地面内で測定される。また、図3に示すように、第一ラグ溝332の溝幅Wg2が、周方向細溝331の溝幅Wg1よりも広い。
また、図5において、第一ラグ溝332の溝深さH2と最外周方向主溝22の溝深さH0とが、0.35≦H2/H0≦1.00の関係を有することが好ましく、0.60≦H2/H0≦0.70の関係を有することがより好ましい。また、第一ラグ溝332の溝深さH2と、周方向細溝331の溝深さH1とが、1.00≦H2/H1≦5.00の関係を有することが好ましく、1.50≦H2/H1≦2.50の関係を有することがより好ましい。図5の構成では、第一ラグ溝332の溝深さH2が、周方向細溝331の溝深さH1よりも深い。これにより、周方向細溝331と最外周方向主溝22との区画されたショルダー陸部33の部分の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
なお、第一ラグ溝332が部分的な底上部(図示省略)を有しても良い。これにより、ショルダー陸部33の剛性が高められる。
第二ラグ溝333は、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口することなくショルダー陸部33内で終端する。例えば、図2の構成では、図3に示すように、第二ラグ溝333が、ストレート形状を有し、タイヤ幅方向に延在して、最外周方向主溝22と周方向細溝331とを接続している。また、第二ラグ溝333のタイヤ幅方向外側の端部が、周方向細溝331で終端している。
また、図2および図3に示すように、複数の第二ラグ溝333が、第一ラグ溝332のピッチP(図4参照)と同一のピッチ(図中の寸法記号省略)でタイヤ周方向に配列されている。これにより、最外周方向主溝22と周方向細溝331とに区画されたショルダー陸部33の部分が複数の第二ラグ溝333によりタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック335がショルダー陸部33の接地領域に形成されている。
また、図4において、第二ラグ溝333の溝幅Wg3が、2.0[mm]≦Wg3≦4.0[mm]の範囲にある。これにより、第二ラグ溝333の溝幅Wg3が適正化されて、第二ラグ溝333の排水性およびショルダー陸部33の剛性が確保される。特に、第二ラグ溝333の溝幅Wg3が2.0[mm]≦Wg3の範囲にあることにより、タイヤ接地時にて、第二ラグ溝333が閉塞せずに開口する。したがって、第二ラグ溝33は、後述するようなタイヤ接地時に閉塞するサイプ336、337に対して相異する。
また、図4に示すように、第一ラグ溝332の溝幅Wg2と第二ラグ溝333の溝幅Wg3とが、Wg3<Wg2の関係を有する。したがって、第二ラグ溝333の溝幅Wg3が、第一ラグ溝332の溝幅Wg2よりも狭い。また、比Wg3/Wg2が、0.25≦Wg3/Wg2≦0.95の関係を有することが好ましく、0.40≦Wg3/Wg2≦0.70の関係を有することがより好ましい。これにより、周方向細溝331と最外周方向主溝22との間にある幅狭なブロック335の剛性が適正に確保される。
また、周方向細溝331に対する第一ラグ溝332の開口部と第二ラグ溝333の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。すなわち、タイヤ接地端T側の領域にある第一ラグ溝332の開口部と最外周方向主溝22側にある第二ラグ溝333の開口部とが、周方向細溝331上で相互に対向しないようにタイヤ周方向に位置をずらして配置される。
また、第一ラグ溝332のピッチ数N1と第二ラグ溝333のピッチ数N2とが、N2/N1≦1.0の関係を有することが好ましい。すなわち、タイヤ接地面における、周方向細溝331と最外周方向主溝22とを接続する第二ラグ溝333の本数が、周方向細溝331とタイヤ接地端Tとを接続する第一ラグ溝332の本数以下であることを要する。これにより、隣り合う第二ラグ溝333、333と周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画されたブロック335の周方向長さが適正に確保される。また、N2/N1の下限は、特に限定がないが、タイヤ接地面にて、少なくとも2本の第二ラグ溝333が存在するように、第二ラグ溝333のピッチ数N2が設定される。これにより、第二ラグ溝333による気柱管共鳴音の分散作用が適正に確保される。例えば、図3の構成では、第一ラグ溝332と第二ラグ溝333とが、1:1の関係で、タイヤ周方向に交互に配置されている(N1=N2)。これにより、周方向細溝331に区画された左右の領域のブロック334、335が、タイヤ周方向に千鳥状に配列されている。
なお、所定のラグ溝のピッチ数は、タイヤ全周における当該ラグ溝の総数として定義される。
また、図4において、第一ラグ溝332のピッチ長Pと、第一ラグ溝332から第二ラグ溝333までのタイヤ周方向の距離L1とが、0.35≦L1/P≦0.65の関係を有することが好ましく、0.45≦L1/P≦0.55の関係を有することがより好ましい。したがって、第二ラグ溝333が、隣り合う第一ラグ溝332、332の略中間に配置されて、第一ラグ溝332と第二ラグ溝333とのタイヤ周方向の距離L1が確保される。
ピッチ長Pおよび距離L1は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、距離L1は、周方向細溝331上における第一ラグ溝332の溝中心線と第二ラグ溝333の溝中心線との距離として測定される。
また、図5において、第二ラグ溝333の溝深さH3と最外周方向主溝22の溝深さH0とが、0.20≦H3/H0≦0.70の関係を有することが好ましく、0.30≦H3/H0≦0.50の関係を有することがより好ましい。また、第二ラグ溝333の溝深さH3と、第一ラグ溝332の溝深さH2とが、1.00≦H2/H3≦5.00の関係を有することが好ましく、1.50≦H2/H3≦2.50の関係を有することがより好ましい。これにより、第一ラグ溝332の溝深さH2に対して、周方向細溝331の溝深さH1と第二ラグ溝333の溝深さH3とが、第一ラグ溝332の溝深さH2に対して同等からより浅い関係となり、周方向細溝331と最外周方向主溝22との区画されたショルダー陸部33の部分の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
上記の構成では、周方向細溝331に区画されたショルダー陸部33の左右の領域にて、最外周方向主溝22に開口することなくタイヤ接地端Tに開口する複数の第一ラグ溝332と、タイヤ接地端Tに開口することなく最外周方向主溝22に開口する第二ラグ溝333とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される(図3参照)。したがって、最外周方向主溝22からタイヤ接地端Tに至る通気経路が、クランク形状を有する。これにより、タイヤ転動時にて最外周方向主溝22で発生した気柱管共鳴音が分散されるので、タイヤの騒音性能(特に、車外騒音の低減性能)が向上する。
また、図2の構成では、中間陸部32が、最外周方向主溝22に開口する複数のラグ溝321、322を備える。具体的には、図3に示すように、中間陸部32が、複数組の貫通ラグ溝321および円弧溝322を備える。貫通ラグ溝321は、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜しつつ中間陸部32をタイヤ幅方向に貫通して、中間陸部32の左右の周方向主溝21、22にそれぞれ開口する。円弧溝322は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れてタイヤ周方向に対する傾斜角を増加させる円弧形状を有し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口すると共に他方の端部にて貫通ラグ溝321に交差して中間陸部32内で終端する。また、複数組の貫通ラグ溝321および円弧溝322が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。
また、図4に示すように、最外周方向主溝22に対するショルダー陸部33の第二ラグ溝333の開口部と中間陸部32のラグ溝321、322の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。すなわち、ショルダー陸部33の第二ラグ溝333の開口部と中間陸部32のラグ溝321、322の開口部とが、最外周方向主溝22上で相互に対向しないようにタイヤ周方向に位置をずらして配置される。具体的には、最外周方向主溝22に対するショルダー陸部33の第二ラグ溝333の開口部と中間陸部32のラグ溝321、322の開口部とのタイヤ周方向の距離L2が、ショルダー陸部33の第二ラグ溝333の溝幅Wg3に対して、1.50≦L2/Wg3の関係を有することが好ましい。これにより、ショルダー陸部33の第二ラグ溝333と中間陸部32のラグ溝321、322とがタイヤ周方向に分散して配置されて、ラグ溝が近接することに起因するパターンノイズが低減される。
距離L2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、距離L2は、最外周方向主溝22上におけるショルダー陸部33の第二ラグ溝333の溝中心線と中間陸部32のラグ溝321、322の溝中心線との最短距離として測定される。
なお、図2の構成では、センター陸部31および左右の中間陸部32が、陸部をタイヤ幅方向に貫通する複数の貫通ラグ溝と、これらの貫通ラグ溝に区画されたブロック列とを備えている。しかし、これに限らず、一部の陸部が、例えば、タグ溝を有さない、あるいは非貫通のラグ溝を備えることにより、タイヤ周方向に連続した踏面を有するリブであっても良い(図示省略)。
[周方向主溝の面取部]
図6は、図2に記載したトレッドパターンの面取部を示す斜視図である。同図は、ショルダー陸部33の最外周方向主溝22側のエッジ部の拡大斜視図を示している。また、同図における仮想線は、面取部4がない場合におけるショルダー陸部33のエッジ部の稜線を示している。
図6は、図2に記載したトレッドパターンの面取部を示す斜視図である。同図は、ショルダー陸部33の最外周方向主溝22側のエッジ部の拡大斜視図を示している。また、同図における仮想線は、面取部4がない場合におけるショルダー陸部33のエッジ部の稜線を示している。
図2に示すように、各陸部31〜33は、複数の面取部4(図4〜図6参照)を周方向主溝21、22側のエッジ部にそれぞれ備える。これらの面取部4により、陸部31〜33のエッジ成分および溝容積が増加して、タイヤのスノー性能が向上する。
例えば、図4の構成では、図6に示すように、角錐形状を有する複数の面取部4が最外周方向主溝22の溝開口部に沿ってタイヤ周方向に連続して配置されている。これにより、ショルダー陸部33の踏面がタイヤ全周に渡ってジグザグ形状のエッジ部を有している。具体的には、ショルダー陸部33の踏面が、相互に異なる傾斜角をもつ長尺部と短尺部とをタイヤ周方向に交互に接続して成るジグザグ形状のエッジ部を有している。また、図4に示すように、面取部4の周方向長さ(図中の寸法記号省略)が、隣り合う第二ラグ溝333に区画されたブロック335の周長よりも短く、1つのブロック335が複数の面取部4を備えている。また、図5において、面取部4の幅W4が、ブロック335の幅W2に対して0.10≦W2/W4≦0.40の関係を有することが好ましい。また、面取部4の深さH4が、第二ラグ溝333の溝深さH3に対して0.30≦H4/H3≦0.80の関係を有することが好ましい。これにより、面取部4の大きさが適正化されて、面取部4によるスノー性能の向上作用およびショルダー陸部33の剛性が確保される。
なお、図4の構成では、上記のように、ショルダー陸部33の踏面がジグザグ形状のエッジ部を有するが、これに限らず、例えば、ショルダー陸部33が球面状の面取部4を有することにより、ショルダー陸部33の踏面が波状形状のエッジ部を有しても良い(図示省略)。
また、図4の構成では、最外周方向主溝22がストレート形状を有し、その開口部が面取部4によりジグザグ状に形成されている。しかし、これに限らず、周方向主溝21、22が、ストレート形状を有しても良いし、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ形状あるいは波状形状を有しても良い(図示省略)。
[サイプ]
図3に示すように、ショルダー陸部33が、複数の第一サイプ336および複数の第二サイプ337を備える。これらのサイプ336、337により、タイヤの氷上性能およびスノー性能が向上する。
図3に示すように、ショルダー陸部33が、複数の第一サイプ336および複数の第二サイプ337を備える。これらのサイプ336、337により、タイヤの氷上性能およびスノー性能が向上する。
第一サイプ336は、隣り合う第一ラグ溝332、332と周方向細溝331とタイヤ接地端Tとに区画されたブロック334に配置される。また、第一サイプ336は、タイヤ幅方向に延在して、タイヤ幅方向内側の端部にて周方向細溝331に接続して終端し、タイヤ接地端T側の端部にてタイヤ接地端Tに到達することなくブロック334の内部で終端する。例えば、図3の構成では、1つのブロック334が、一対の第一サイプ336、336を有する。また、これらの第一サイプ336、336が、隣り合う第一ラグ溝332、332に対して等間隔かつ略平行に配置されている。したがって、第一サイプ336が、第一ラグ溝332に接続していない。
また、図4に示すように、第一サイプ336と第二ラグ溝333とが、周方向細溝331に対してタイヤ周方向の相互に異なる位置で開口する。すなわち、タイヤ接地端T側から周方向細溝331に接続する第一サイプ336と、最外周方向主溝22側から周方向細溝331に接続する第二ラグ溝333とが、周方向細溝331上にてタイヤ周方向にオフセットして配置される。このため、周方向細溝331に対する第一サイプ336の開口部と第二ラグ溝333の開口部とが対向しないように、第一サイプ336および第二ラグ溝333の位置関係が設定されている。
また、上記のように、サイプ336は、タイヤ接地時に閉塞する。また、隣り合う第一ラグ溝332、332の間には、他のラグ溝が配置されていない。このため、図4の構成では、ブロック334の周方向長さ(図中の符号省略)が第一ラグ溝332の配置間隔に一致し、また、ブロック334の周方向細溝331側のエッジ部が、タイヤ接地時にて、隣り合う第一ラグ溝332、332の間で連続した踏面を有する。
第二サイプ337は、隣り合う一対の第二ラグ溝333、333と周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画されたブロック335に配置される。また、第二サイプ337は、タイヤ幅方向に延在して、第一ラグ溝332のタイヤ幅方向内側の端部と最外周方向主溝22とを接続する。例えば、図4の構成では、第一ラグ溝332が、周方向細溝331をタイヤ幅方向に貫通して、周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画されたブロック335の内部で終端している。そして、第二サイプ337が、第一ラグ溝332の終端部から最外周方向主溝22まで延在して、ブロック335をタイヤ周方向に二分割している。
また、図3の構成では、第一サイプ336が三次元サイプであり、第二サイプ337が二次元サイプである。
二次元サイプは、サイプ長さ方向を法線方向とする任意の断面視(サイプ幅方向かつサイプ深さ方向を含む断面視)にてストレート形状のサイプ壁面を有する。二次元サイプは、上記の断面視にてストレート形状を有すれば足り、サイプ長さ方向へは、ストレート形状、ジグザグ形状、波状形状、円弧形状などを有して延在し得る。
三次元サイプは、サイプ長さ方向を法線方向とする断面視およびサイプ深さ方向を法線方向とする断面視の双方にて、サイプ幅方向に振幅をもつ屈曲形状のサイプ壁面を有する。三次元サイプは、二次元サイプと比較して、対向するサイプ壁面の噛合力が強いため、陸部の剛性を補強する作用を有する。三次元サイプは、サイプ壁面にて上記の構造を有すれば足り、トレッド踏面では、例えば、ストレート形状、ジグザグ形状、波状形状、円弧形状などを有し得る。かかる三次元サイプには、例えば、以下のものが挙げられる。
図7および図8は、三次元サイプの一例を示す説明図である。これらの図は、ピラミッド型のサイプ壁面を有する三次元サイプの透過斜視図を示している。これらの三次元サイプでは、対向する一対のサイプ壁面が、複数の角錐あるいは角柱をサイプ長さ方向に連続して配列して成る壁面形状を有している。
図7の構成では、サイプ壁面が、三角錐と逆三角錐とをサイプ長さ方向に連結した構造を有する。言い換えると、サイプ壁面が、トレッド面側のジグザグ形状と底部側のジグザグ形状とを互いにタイヤ幅方向にピッチをずらせ、該トレッド面側と底部側とのジグザグ形状の相互間で互いに対向し合う凹凸を有する。また、サイプ壁面が、これらの凹凸において、タイヤ回転方向に見たときの凹凸で、トレッド面側の凸屈曲点と底部側の凹屈曲点との間、トレッド面側の凹屈曲点と底部側の凸屈曲点との間、トレッド面側の凸屈曲点と底部側の凸屈曲点とで互いに隣接し合う凸屈曲点同士の間をそれぞれ稜線で結ぶと共に、これら稜線間をタイヤ幅方向に順次平面で連結することにより形成される。また、一方のサイプ壁面が、凸状の三角錐と逆三角錐とを交互にタイヤ幅方向に並べた凹凸面を有し、他方のサイプ壁面が、凹状の三角錐と逆三角錐とを交互にタイヤ幅方向に並べた凹凸面を有する。そして、サイプ壁面が、少なくともサイプの両端最外側に配置した凹凸面をブロックの外側に向けている。なお、このような三次元サイプとして、例えば、特許第3894743号公報に記載される技術が知られている。
図8の構成では、サイプ壁面が、ブロック形状を有する複数の角柱をサイプ深さ方向に対して傾斜させつつサイプ深さ方向およびサイプ長さ方向に連結した構造を有する。言い換えると、サイプ壁面が、トレッド面においてジグザグ形状を有する。また、サイプ壁面が、ブロックの内部ではタイヤ径方向の2箇所以上でタイヤ周方向に屈曲してタイヤ幅方向に連なる屈曲部を有し、また、該屈曲部においてタイヤ径方向に振幅を持ったジグザグ形状を有する。また、サイプ壁面が、タイヤ周方向の振幅を一定にする一方で、トレッド面の法線方向に対するタイヤ周方向への傾斜角度をトレッド面側の部位よりもサイプ底側の部位で小さくし、屈曲部のタイヤ径方向の振幅をトレッド面側の部位よりもサイプ底側の部位で大きくする。なお、このような三次元サイプとして、例えば、特許第4316452号公報に記載される技術が知られている。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、複数の周方向主溝21、22と、周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とを備える(図2参照)。また、ショルダー陸部33が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝331と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝332に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口することなくショルダー陸部33内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口する複数の第一ラグ溝332と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口することなくショルダー陸部33内で終端する第二ラグ溝333とを備える(図3および図4参照)。また、周方向細溝331に対する第一ラグ溝332の開口部と第二ラグ溝333の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、複数の周方向主溝21、22と、周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とを備える(図2参照)。また、ショルダー陸部33が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝331と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝332に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口することなくショルダー陸部33内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口する複数の第一ラグ溝332と、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331に開口し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端Tに開口することなくショルダー陸部33内で終端する第二ラグ溝333とを備える(図3および図4参照)。また、周方向細溝331に対する第一ラグ溝332の開口部と第二ラグ溝333の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。
かかる構成では、周方向細溝331に区画されたショルダー陸部33の左右の領域にて、最外周方向主溝22に開口することなくタイヤ接地端Tに開口する複数の第一ラグ溝332と、タイヤ接地端Tに開口することなく最外周方向主溝22に開口する第二ラグ溝333とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される(図3参照)。したがって、最外周方向主溝22からタイヤ接地端Tに至る通気経路が、クランク形状を有する。これにより、タイヤ転動時にて最外周方向主溝22で発生した気柱管共鳴音が分散されるので、タイヤの騒音性能(特に、車外騒音の低減性能)が向上する利点がある。例えば、ショルダー陸部が最外周方向主溝とタイヤ接地端とを直通させる貫通ラグ溝を備える構成(図示省略)では、最外周方向主溝で発生した気柱管共鳴音が貫通ラグ溝を介してタイヤ外部に直接漏れて車外騒音が増加するため、好ましくない。
また、ショルダー陸部33が第一ラグ溝332および第二ラグ溝333の双方を備えるので(図3参照)、例えば、ショルダー陸部が非貫通のラグ溝のみを備える構成(図示省略)と比較して、ラグ溝の溝長さが増加する。これにより、ショルダー陸部33のエッジ成分が増加して、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
また、第一ラグ溝332および第二ラグ溝333が周方向細溝331を介して連通するので(図3参照)、例えば、ショルダー陸部が非貫通のラグ溝のみを備える構成(図示省略)と比較して、最外周方向主溝22からタイヤ接地端Tへの排水経路が確保される。これにより、タイヤのウェット性能が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第一ラグ溝332の溝幅Wg2と第二ラグ溝333の溝幅Wg3とが、Wg3<Wg2の関係を有する(図4参照)。かかる構成では、第二ラグ溝333が第一ラグ溝332よりも幅狭なので、周方向細溝331と最外周方向主溝との間にある幅狭なブロック335の剛性が適正に確保される。これにより、タイヤの操縦安定性能が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第二ラグ溝333の溝幅Wg3(図4参照)が、2.0[mm]≦Wg3≦4.0[mm]の範囲にある。これにより、第二ラグ溝333の溝幅Wg3が適正化される利点がある。すなわち、2.0[mm]≦Wg3であることにより、第二ラグ溝333による気柱管共鳴音の分散作用が適正に確保される。また、Wg3≦4.0[mm]であることにより、周方向細溝331と最外周方向主溝との間にある幅狭なブロック335の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、第一ラグ溝332の溝幅Wg2(図4参照)が、2.0[mm]≦Wg2≦8.0[mm]の範囲にある。これにより、第一ラグ溝332の溝幅Wg2が適正化される利点がある。すなわち、2.0[mm]≦Wg2であることにより、第一ラグ溝332の排水作用が適正に確保される。また、Wg2≦8.0[mm]であることにより、ショルダー陸部33の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、第一ラグ溝332が、タイヤ幅方向に延在して周方向細溝331を貫通し、一方の端部にて最外周方向主溝22に開口することなく周方向細溝331と最外周方向主溝22との間の領域で終端する(図3参照)。かかる構成では、周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画された領域に、第一ラグ溝332の終端部による切欠部が形成される。これにより、ショルダー陸部33のエッジ成分が増加して、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第二ラグ溝333が、他方の端部にて周方向細溝331で終端する(図3参照)。かかる構成では、第二ラグ溝が周方向細溝を貫通して周方向細溝のタイヤ幅方向外側まで延在する構成(図示省略)と比較して、周方向細溝331とタイヤ接地端Tとの間の領域におけるショルダー陸部33の接地面積が確保される。これにより、タイヤの操縦安定性能が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ赤道面CLから最外周方向主溝22までの距離D1とタイヤ接地幅TWとが、0.20≦D1/TW≦0.35の関係を有する(図2参照)。これにより、トレッド面における最外周方向主溝22の位置が適正化されて、タイヤのウェット性能および操縦安定性能が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部33の接地幅W1と、周方向細溝331および最外周方向主溝22に区画されたショルダー陸部33の部分(ブロック335)の接地幅W2とが、0.08≦W2/W1≦0.50の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー陸部33の部分の接地幅W2が適正化される利点がある。すなわち、0.08≦W2/W1であることにより、ショルダー陸部33の部分の剛性が確保される。また、W2/W1≦0.50であることにより、第一ラグ溝332の溝長さが相対的に確保されて、ショルダー陸部33の排水性が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向細溝331の溝幅Wg1が、2.0[mm]≦Wg1≦4.0[mm]の範囲にある。これにより、周方向細溝331の溝幅Wg1が適正化される利点がある。すなわち、2.0[mm]≦Wg1であることにより、周方向細溝331の溝としての機能が適正に確保される。また、Wg1≦4.0[mm]であることにより、周方向細溝331で発生する気柱管共鳴音の影響を低減できる。
また、この空気入りタイヤ1では、第一ラグ溝332のピッチ数N1と第二ラグ溝333のピッチ数N2とが、N2≦N1の関係を有する(図2参照)。これにより、隣り合う第二ラグ溝333、333と周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画されたブロック335の周方向長さが適正に確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、第一ラグ溝332のピッチ長Pと、第一ラグ溝332から第二ラグ溝333までのタイヤ周方向の距離L1とが、0.35≦L1/P≦0.65の関係を有する(図4参照)。かかる構成では、第一ラグ溝332と第二ラグ溝333との距離L1が適正に確保されるので、第一ラグ溝332と第二ラグ溝333とがタイヤ周方向にオフセットすることによる気柱管共鳴音の分散作用が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、中間陸部32が、最外周方向主溝22に開口する複数のラグ溝321、322を備える(図2参照)。また、最外周方向主溝22に対するショルダー陸部33の第二ラグ溝333の開口部と中間陸部32のラグ溝321、322の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。かかる構成では、ショルダー陸部33の第二ラグ溝333と中間陸部32のラグ溝321、322とがタイヤ周方向に分散して配置されるので、ラグ溝が近接することに起因するパターンノイズが低減される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部33が、タイヤ周方向に連続する複数の面取部4を前記最外周方向主溝22側のエッジ部に備える(図4〜図6参照)。これにより、ショルダー陸部33のエッジ成分が増加して、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部33が、隣り合う一対の第一ラグ溝332と周方向細溝331とタイヤ接地端Tとに区画された領域に配置されると共に、一方の端部にて周方向細溝331に接続して終端するサイプ336を備える(図3参照)。また、サイプ336と第二ラグ溝333とが、周方向細溝331に対してタイヤ周方向の相互に異なる位置で開口する。かかる構成では、例えば、サイプが第一ラグ溝の延長線上にある構成と比較して、回転するタイヤの接地前端線がサイプとラグ溝とに同時に接地することを避けられ、路面とタイヤとで発生する打音を分散する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部33が、隣り合う一対の第二ラグ溝333と周方向細溝331と最外周方向主溝22とに区画された領域に配置されると共に、第一ラグ溝332の一方の端部と最外周方向主溝22とを接続するサイプ337を備える(図3参照)。かかる構成では、第一ラグ溝332が最外周方向主溝22に開口した場合に得られるエッジ成分を、サイプ337により確保できるので、スノー性能の低下を抑制できる利点がある。
図9は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)操縦安定性能、(2)騒音性能および(3)スノー性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ265/70R17 113Tの試験タイヤがリムサイズ17×7.5JJのリムに組み付けられ、この試験タイヤに210[kPa]の空気圧およびJATMA規定の最大負荷が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である排気量5.7[L]の大型SUV(Sport Utility Vehicle)の総輪に装着される。
(1)操縦安定性能に関する評価では、試験車両が平坦な周回路を有するドライ路面のテストコースを60[km/h]〜100[km/h]で走行する。そして、テストドライバーがレーチェンジ時およびコーナリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について官能評価を行う。この評価は、後述する比較例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(2)騒音性能に関する評価では、試験車両がISO(International Organization for Standardization)試験路を速度100[km/h]で走行して、その通過騒音(車外騒音)の音圧レベルが測定されて、評価が行われる。この評価は、後述する比較例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど音圧レベルが低くて、好ましい。
(3)スノー性能に関する評価では、試験車両が雪路である所定のハンドリングコースを速度40[km/h]で走行して、テストドライバーが操縦安定性に関する官能評価を行う。この評価は、後述する比較例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
実施例1〜6の試験タイヤは、図1および図2に記載した構造を備え、特に、ショルダー陸部33が周方向細溝331と第一ラグ溝332および第二ラグ溝333とを備える。また、第一ラグ溝332と第二ラグ溝333とがタイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。
従来例1の試験タイヤは、図1および図2の構成において、ショルダー陸部33が周方向細溝331および第二ラグ溝333を備えておらず、また、第一ラグ溝332に相当するラグ溝がショルダー陸部33を貫通して最外周方向主溝22に開口する。また、従来例2の試験タイヤは、図1および図2の構成において、ショルダー陸部33が周方向細溝331および第二ラグ溝333を備えていない。
試験結果が示すように、実施例1〜6の試験タイヤでは、タイヤの操縦安定性能、騒音性能およびスノー性能が向上することが分かる。
1:空気入りタイヤ、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143:ベルトカバー、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム、21、22:周方向主溝、31:センター陸部、32:中間陸部、321:貫通ラグ溝、322:円弧溝、33:ショルダー陸部、331:周方向細溝、332:第一ラグ溝、333:第二ラグ溝、334、335:ブロック、336:第一サイプ、337:第二サイプ、4:面取部
Claims (15)
- 複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備える空気入りタイヤであって、
タイヤ幅方向の最も外側にある前記周方向主溝を最外周方向主溝として定義し、前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部をショルダー陸部として定義し、
前記ショルダー陸部が、
タイヤ周方向に延在する周方向細溝と、
タイヤ幅方向に延在して前記周方向細溝に開口し、一方の端部にて前記最外周方向主溝に開口することなく前記ショルダー陸部内で終端すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端に開口する複数の第一ラグ溝と、
タイヤ幅方向に延在して前記周方向細溝に開口し、一方の端部にて前記最外周方向主溝に開口すると共に、他方の端部にてタイヤ接地端に開口することなく前記ショルダー陸部内で終端する第二ラグ溝とを備え、且つ、
前記周方向細溝に対する前記第一ラグ溝の開口部と前記第二ラグ溝の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置されることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第一ラグ溝の溝幅Wg2と第二ラグ溝の溝幅Wg3とが、Wg3<Wg2の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第二ラグ溝の溝幅Wg3が、2.0[mm]≦Wg3≦4.0[mm]の範囲にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一ラグ溝の溝幅Wg2が、2.0[mm]≦Wg2≦8.0[mm]の範囲にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一ラグ溝が、タイヤ幅方向に延在して前記周方向細溝を貫通し、前記一方の端部にて前記最外周方向主溝に開口することなく前記周方向細溝と前記最外周方向主溝との間の領域で終端する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第二ラグ溝が、前記他方の端部にて前記周方向細溝で終端する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ赤道面から前記最外周方向主溝までの距離D1とタイヤ接地幅TWとが、0.20≦D1/TW≦0.35の関係を有する請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ショルダー陸部の接地幅W1と、前記周方向細溝および前記最外周方向主溝に区画された前記ショルダー陸部の部分の接地幅W2とが、0.08≦W2/W1≦0.50の関係を有する請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向細溝の溝幅Wg1が、2.0[mm]≦Wg1≦4.0[mm]の範囲にある請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一ラグ溝のピッチ数N1と前記第二ラグ溝のピッチ数N2とが、N2/N1≦1.0の関係を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一ラグ溝のピッチ長Pと、前記第一ラグ溝から前記第二ラグ溝までのタイヤ周方向の距離L1とが、0.35≦L1/P≦0.65の関係を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向内側の前記陸部を中間陸部として定義し、
前記中間陸部が、前記最外周方向主溝に開口する複数のラグ溝を備え、且つ、
前記最外周方向主溝に対する前記ショルダー陸部の前記第二ラグ溝の開口部と前記中間陸部の前記ラグ溝の開口部とが、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。 - 前記ショルダー陸部が、タイヤ周方向に連続する複数の面取部を前記最外周方向主溝側のエッジ部に備える請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ショルダー陸部が、隣り合う一対の前記第一ラグ溝と前記周方向細溝とタイヤ接地端とに区画された領域に配置されると共に、一方の端部にて前記周方向細溝に接続して終端するサイプを備え、且つ、
前記サイプと前記第二ラグ溝とが、前記周方向細溝に対してタイヤ周方向の相互に異なる位置で開口する請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。 - 前記ショルダー陸部が、隣り合う一対の前記第二ラグ溝と前記周方向細溝と前記最外周方向主溝とに区画された領域に配置されると共に、前記第一ラグ溝の前記一方の端部と前記最外周方向主溝とを接続するサイプを備える請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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JP2016019169A JP2017136954A (ja) | 2016-02-03 | 2016-02-03 | 空気入りタイヤ |
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JP2016019169A JP2017136954A (ja) | 2016-02-03 | 2016-02-03 | 空気入りタイヤ |
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Cited By (1)
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2016
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CN113348096A (zh) * | 2019-01-23 | 2021-09-03 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
CN113348096B (zh) * | 2019-01-23 | 2023-09-05 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
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