JP2017134252A - 電子写真機器用トナー供給ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることが可能な電子写真機器用トナー供給ロールを提供する。【解決手段】電子写真機器用トナー供給ロール1は、軸体2と、ウレタン発泡層3とを有している。ウレタン発泡層3は、軸体2の外周に形成されており、多数のセルを備えている。ウレタン発泡層3は、表面平均セル径が180〜280μm、内部平均セル径が280〜650μm、セル骨格部の表面面積比率が30〜60%、軸方向両端部の平均セル径差が50μm以下とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真機器用トナー供給ロールに関する。
複写機、プリンター、印刷機等の電子写真機器に用いられる電子写真機器用トナー供給ロールは、通常、軸体と、軸体の外周に形成され、多数のセルを備えるウレタン発泡層とを有している(特許文献1参照)。
特許第5396250号公報
電子写真機器用トナー供給ロールは、基本性能として、トナーを安定して現像ロールに供給するトナー供給性を有している必要がある。トナー供給性が悪いと、トナー不足により十分な濃度を有する画像が得られなくなるからである。電子写真機器用トナー供給ロールは、トナー供給性以外にも、現像ロールの表面に余ったトナーを確実に掻き取るトナー掻き取り性を有していることも必要となる。トナー掻き取り性が悪いと、濃度ムラの画像不具合が生じやすくなるからである。さらに、本発明者らのこれまでの知見によれば、電子写真機器用トナー供給ロールとの摩擦によってトナーに荷電を付与すると、濃度ムラの画像不具合をより少なくできることが判明している。
しかしながら、従来の電子写真機器用トナー供給ロールが有するウレタン発泡層のセル構造では、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることが困難である。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることが可能な電子写真機器用トナー供給ロールを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、軸体と、該軸体の外周に形成され、多数のセルを備えるウレタン発泡層とを有する電子写真機器用トナー供給ロールであって、
上記ウレタン発泡層は、
表面平均セル径が180〜280μm、
内部平均セル径が280〜650μm、
セル骨格部の表面面積比率が30〜60%、
軸方向両端部の平均セル径差が50μm以下である、電子写真機器用トナー供給ロールにある。
上記電子写真機器用トナー供給ロールは、ウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差が特定の範囲とされている。そのため、上記電子写真機器用トナー供給ロールは、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることができる。
実施例の電子写真機器用トナー供給ロールを模式的に示した説明図である。 試料1の電子写真機器用トナー供給ロールにおけるウレタン発泡層表面のレーザー顕微鏡写真である。 試料2Cの電子写真機器用トナー供給ロールにおけるウレタン発泡層表面のレーザー顕微鏡写真である。
上記電子写真機器用トナー供給ロール(以下、単に「トナー供給ロール」という場合がある。)について説明する。
電子写真機器としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、オンデマンド印刷機等の画像形成装置を例示することができる。
軸体としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属(合金含む)からなる中実体(芯金)や中空体、導電性プラスチックからなる中実体や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体に金属めっきが施されたものなどを例示することができる。
ウレタン発泡層において、表面平均セル径は、180〜280μmの範囲内とされる。表面平均セル径が180μm未満になると、トナーに対して小さなセルが増加し、トナー供給性が低下する。その結果、十分な濃度を有する画像が得られなくなる。表面平均セル径は、トナー供給性の向上などの観点から、好ましくは185μm以上、より好ましくは190μm以上、さらに好ましくは200μm以上とすることができる。一方、表面平均セル径が280μmを超えると、トナーに対して大きなセルが増加し、セル骨格部にトナーに当たる頻度が減少し、トナー掻き取り性が低下する。その結果、濃度ムラの画像不具合が生じやすくなる。表面平均セル径は、トナー掻き取り性の向上などの観点から、好ましくは270μm以下、より好ましくは260μm以下、さらに好ましくは250μm以下とすることができる。
なお、表面平均セル径は、以下のようにして測定される値である。すなわち、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、「形状測定レーザマイクロスコープ VK−8700」、これが入手できない場合にはその相当品)を用い、ウレタン発泡層の軸方向中央、軸方向の一方端面より上記中央側へ20mm入った位置、および、軸方向の他方端面より上記中央側へ20mm入った位置の3箇所においてそれぞれ周方向に等間隔で4箇所、合計で3箇所×4箇所=12箇所の測定点について、ウレタン発泡層表面を観察する。観察領域は、約1mm×1.4mmの領域とする。1つの観察領域あたり20個のセルを選択し、各セルのセル骨格部に内接する最大の内接円の直径をそれぞれ測定する。12箇所の観察領域について測定された各内接円の直径の平均値が、表面平均セル径とされる。
ウレタン発泡層において、内部平均セル径は、280〜650μmの範囲内とされる。内部平均セル径が280μm未満になると、ウレタン発泡層内部のセル内にトナーが詰まりやすくなり、トナー供給性が低下する。その結果、十分な濃度を有する画像が得られなくなる。内部平均セル径は、トナー供給性の向上などの観点から、好ましくは290μm以上、より好ましくは300μm以上、さらに好ましくは320μm以上とすることができる。一方、内部平均セル径が650μmを超えると、トナー供給ロールの回転時におけるトナー保持性が低下し、ウレタン発泡層からトナーがこぼれ落ちやすくなってトナー供給性が低下する。その結果、十分な濃度を有する画像が得られなくなる。内部平均セル径は、トナー供給性の向上などの観点から、好ましくは600μm以下、より好ましくは550μm以下、さらに好ましくは500μm以下とすることができる。
内部平均セル径は、以下のようにして測定される値である。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、ウレタン発泡層を軸方向中央で切断した際の断面における、周方向に等間隔で4箇所の表面位置からそれぞれ2mmの深さ部位について、ウレタン発泡層断面を観察する。観察領域は、約1mm×1.4mmの領域とする。1つの観察領域あたり10個のセルを選択し、各セルのセル骨格部に内接する最大の内接円の直径をそれぞれ測定する。4箇所の観察領域について測定された各内接円の直径の平均値が、内部平均セル径とされる。
ウレタン発泡層において、セル骨格部の表面面積比率は、30〜60%の範囲内とされる。セル骨格部の表面面積比率が30%未満になると、ウレタン発泡層表面においてトナーと接触するセル骨格部の接触面積が低下し、摩擦帯電によるトナー荷電性が低下する。また、トナー掻き取り性も低下する。その結果、濃度ムラの画像不具合が生じやすくなる。セル骨格部の表面面積比率は、トナー荷電性の向上、トナー掻き取り性の向上などの観点から、好ましくは31%以上、より好ましくは33%以上、さらに好ましくは35%以上とすることができる。一方、セル骨格部の表面面積比率が60%を超えると、ウレタン発泡層表面に表れるセルの比率が減少し、トナー供給性が低下する。その結果、十分な濃度を有する画像が得られなくなる。セル骨格部の表面面積比率は、トナー供給性の向上などの観点から、好ましくは58%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下とすることができる。
なお、セル骨格部の表面面積比率は、以下のようにして測定される値である。すなわち、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、「形状測定レーザマイクロスコープ VK−8700」、これが入手できない場合にはその相当品)を用い、ウレタン発泡層の軸方向中央、軸方向の一方端面より上記中央側へ20mm入った位置、および、軸方向の他方端面より上記中央側へ20mm入った位置の3箇所においてそれぞれ周方向に等間隔で4箇所、合計で3箇所×4箇所=12箇所の測定点について、ウレタン発泡層表面を観察する。観察領域は、約0.5mm×0.7mmの領域とする。そして、各観察領域に占めるセル骨格部の面積率をレーザー顕微鏡の画像解析ソフトにてそれぞれ計測する。12箇所の観察領域について測定された各セル骨格部の面積率の平均値が、セル骨格部の表面面積比率とされる。
ウレタン発泡層において、軸方向両端部の平均セル径差は50μm以下とされる。平均セル径差が50μmを超えると、ウレタン発泡層の軸方向でトナー供給性にバラツキが生じる。その結果、濃度ムラの画像不具合が生じやすくなる。軸方向両端部の平均セル径差は、軸方向のトナー供給性のバラツキを低減するなどの観点から、好ましくは48μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下とすることができる。
なお、軸方向両端部の平均セル径差は、以下のようにして測定される値である。すなわち、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、「形状測定レーザマイクロスコープ VK−8700」、これが入手できない場合にはその相当品)を用い、ウレタン発泡層における軸方向の一方端面より軸方向中央側へ20mm入った位置において周方向に等間隔で4箇所の測定点についてウレタン発泡層表面を観察する。観察領域は、約1mm×1.4mmの領域とする。1つの観察領域あたり20個のセルを選択し、各セルのセル骨格部に内接する最大の内接円の直径をそれぞれ測定する。上記の4箇所の観察領域について測定された各内接円の直径の平均値を、軸方向の一方端部側における平均セル径Rとする。同様にして、軸方向の他方端部側における平均セル径Lを求める。軸方向の一方端部側における平均セル径Rと軸方向の他方端部側における平均セル径Lとの差の絶対値が、軸方向両端部の平均セル径差とされる。
上記トナー供給ロールは、イソシアネート基と反応する反応性官能基を有するカチオンとアニオンとの塩より構成されるイオン導電剤が、上記反応性官能基を介してウレタン発泡層に化学結合している構成とすることができる。
上記構成は、例えば、上記イオン導電剤を含有するウレタン組成物を発泡硬化させることにより得ることができる。この発泡硬化時に、上記イオン導電剤の界面活性作用等により、ウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差が、上述した特定の範囲となりやすい。それ故、上記構成によれば、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることが可能なトナー供給ロールを得やすくなる。ウレタン組成物がシリコーン系整泡剤等の整泡剤を含有する場合には、上記イオン導電剤との相互作用により、ウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差が、より上述した特定の範囲となりやすい。なお、整泡剤は、ウレタン発泡層に含まれることになる。また、上記構成では、イオン導電剤のカチオン側が反応性官能基を介してウレタン発泡層に化学結合しているため、ウレタン発泡層からイオン導電剤が滲み出し難くなり、滲み出したイオン導電剤がトナーにまとわりつくのを抑制しやすくなる。それ故、上記構成によれば、トナー荷電性を向上させやすくなる。さらに、ウレタン発泡層に化学結合したイオン導電剤によりウレタン発泡層に導電性が付与され、ウレタン発泡層の低電気抵抗化も図りやすくなる。したがって、上記構成によれば、現像ロールに対して物理的にトナーを供給するとともに現像ロール上に残留しているトナーを物理的に掻き取るだけでなく、ウレタン発泡層に電圧を印加し、電気的にトナーの供給、トナーの掻き取りを行うことも可能になる利点もある。
イオン導電剤におけるカチオンの反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基およびアミノ基の少なくとも1つを用いることができる。この場合には、ウレタン発泡層の形成に用いられるウレタン組成物中のイソシアネートのイソシアネート基との反応を確実なものとすることができるので、上述した効果を確実なものとすることができる。
イオン導電剤におけるアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)アニオン、および、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオンの少なくとも1つを用いることができる。この場合には、トナー荷電性の向上、ウレタン発泡層の低電気抵抗化に有利である。
イオン導電剤としては、より具体的には、ヒドロキシル基を有する有するカチオンとFSIアニオンとの塩、ヒドロキシル基を有する有するカチオンとTFSIアニオンとの塩、アミノ基を有する有するカチオンとFSIアニオンとの塩、アミノ基を有する有するカチオンとTFSIアニオンとの塩、ヒドロキシル基およびアミノ基を有するカチオンとFSIアニオンとの塩、ヒドロキシル基およびアミノ基を有するカチオンとTFSIアニオンとの塩などを例示することができる。なお、上記トナー供給ロールでは、1種または2種以上のイオン導電剤がウレタン発泡層に化学結合していてもよい。
反応性官能基としてヒドロキシル基およびアミノ基の少なくとも1つを有するカチオンとしては、より具体的には、例えば、以下の式(1)、式(2)に示すものなどを例示することができる。
上記トナー供給ロールにおいて、ウレタン発泡層の形成に用いられるウレタン組成物に含まれるイオン導電剤の含有量は、ウレタン組成物に含まれるポリオール100質量部に対し0.01〜10質量部の範囲内とすることができる。
この場合には、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることが可能なトナー供給ロールを得やすくなる。
上記イオン導電剤の含有量は、上記作用効果を確実なものとする等の観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上とすることができる。また、上記イオン導電剤の含有量は、上記作用効果を確実なものとする等の観点から、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下とすることができる。
上記トナー供給ロールは、アセトンによるウレタン発泡層からの抽出物の抽出量が、4質量%以下であるとよい。この場合には、ウレタン発泡層から滲み出した抽出成分がトナーにまとわりつくのを抑制しやすくなる。それ故、この場合には、トナー荷電性を向上させやすくなる。
上記抽出量は、トナー荷電性の向上等の観点から、好ましくは3.8質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下とすることができる。なお、上記抽出量は、次のようにして測定される。上記トナー供給ロールからウレタン発泡層を剥ぎ取る。剥ぎ取ったウレタン発泡層をアセトンに1時間浸漬し、浸漬前後の乾燥質量を測定する。そして、100×{(浸漬前のウレタン発泡層の乾燥質量)−(浸漬後のウレタン発泡層の乾燥質量)}/(浸漬前のウレタン発泡層の乾燥質量)の式より抽出量(%)を算出する。
上記トナー供給ロールにおいて、ウレタン発泡層は、例えば、以下の(A)〜(F)成分を含むウレタン組成物の発泡硬化体より構成することができる。
(A)ポリオール、(B)イソシアネート、(C)上記イオン導電剤、(D)整泡剤、(E)水(発泡剤)、(F)アミン触媒
ウレタン組成物は、他にも、架橋剤などを含むことができる。また、(D)整泡剤としては、例えば、シリコーン系整泡剤などを例示することができる。なお、(C)成分以外の成分については、例えば、特許第5396250号公報等に記載される、公知のウレタン発泡層材料を用いることが可能である。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の電子写真機器用トナー供給ロールについて、図面を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の電子写真機器用トナー供給ロールについて、図1を用いて説明する。図1に示されるように、本例の電子写真機器用トナー供給ロール1は、軸体2と、ウレタン発泡層3とを有している。ウレタン発泡層3は、軸体2の外周に形成されており、多数のセル(不図示)を備えている。
ウレタン発泡層3は、表面平均セル径が180〜280μm、内部平均セル径が280〜650μm、セル骨格部の表面面積比率が30〜60%、軸方向両端部の平均セル径差が50μm以下とされている。
本例では、イソシアネート基と反応する反応性官能基を有するカチオンとアニオンとの塩より構成されるイオン導電剤が、反応性官能基を介してウレタン発泡層3に化学結合している。イオン導電剤は、具体的には、反応性官能基としてヒドロキシル基およびアミノ基の少なくとも1つを有するカチオンと、FSIアニオンまたはTFSIアニオンとの塩である。
以下、電子写真機器用トナー供給ロール試料を複数作製し、評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例)
ウレタン発泡層の形成に用いられるウレタン組成物の材料として、以下のものを準備した。
−ポリオール−
・ポリエーテルポリオール(ポリプロピレングリコール)(第一工業製薬社製、「ハイフレックスG3000」)
−イソシアネート−
・トルエンジイソシアネート(TDI)(三井化学ポリウレタン社製、「コスモネートT80」)
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(住友バイエルウレタン社製、「スミジュール44V20」)
−イオン導電剤−
・イオン導電剤A(上記式(1)に示されるカチオンとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオンとの塩)
・イオン導電剤B(下記式(3)に示されるカチオンとビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)アニオンとの塩)
・イオン導電剤C(上記式(2)に示されるカチオンとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオンとの塩)
−整泡剤−
・シリコーン系整泡剤A(東レダウコーニング社製、「SZ−1360」)
・シリコーン系整泡剤B(東レダウコーニング社製、「SZ−1327」)
−発泡剤−
・水
−アミン触媒−
・ジメチルアミノエチルモルフォリン
・トリエチレンジアミン(TEDA)
−架橋剤−
・ジエタノールアミン
<トナー供給ロール試料の作製>
トナー供給ロールにおけるウレタン発泡層の軸方向の長さに略等しい長さの円筒型と、この円筒型の両端を閉塞するキャップとを有する成形型を準備した。成形型における円筒型内の中心軸上に軸体となる芯金(直径5mm、SUS304製)をセットし、円筒型の両端をキャップで閉塞した。なお、円筒型は、中心軸が鉛直方向に沿うように配置されている。次いで、表1に示す材料(イソシアネートを除く)を同表に示す割合で混合した予備混合物と、同表に示す割合のイソシアネートとを混合したウレタン組成物を、円筒型の成形キャビティの片側から注入した。これを60℃のオーブン内で30分間加熱して発泡硬化させた後、脱型した。これにより、軸体の外周面にウレタン発泡層(軸方向の長さ225mm、厚み4.1mm)を有する試料1〜試料7、試料1C〜試料4Cのトナー供給ロールを作製した。
<ウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差>
上述した測定方法に従い、各トナー供給ロールにおけるウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差を求めた。
<ウレタン発泡層からの抽出物の抽出量>
上述した測定方法に従い、各トナー供給ロールについてアセトンによるウレタン発泡層からの抽出物の抽出量を測定した。
<画像濃度>
各トナー供給ロールを、市販のプリンター(Hewlett−Packard社製、「Color LaserJet CP1215」)の現像装置に組み込み、ベタ画像を印刷した。印刷された画像の濃度が十分であった場合を「A」、印刷された画像に多少のカスレが見られたものの、実用上許容範囲であった場合を「B」、印刷された画像の濃度が不十分で実用に供し難いものであった場合を「C」とした。
<画像濃度ムラ>
各トナー供給ロールを、市販のプリンター(Hewlett−Packard社製、「Color LaserJet CP1215」)の現像装置に組み込み、ベタ画像を印刷した。印刷された画像に濃度ムラがなかった場合を「A」、印刷された画像に多少の濃度ムラが見られたものの、実用上許容範囲であった場合を「B」、印刷された画像の濃度ムラがあり、実用に供し難いものであった場合を「C」とした。
表1に、トナー供給ロール試料の詳細な構成および評価結果をまとめて示す。
表1によれば、以下のことがわかる。すなわち、試料1Cのトナー供給ロールは、ウレタン発泡層における表面平均セル径が180μm未満である。そのため、試料1Cのトナー供給ロールは、十分な濃度を有する画像が得られなかった。これは、トナーに対して小さなセルが増加し、トナー供給性が低下したためである。また、試料1Cのトナー供給ロールは、セル骨格部の表面面積比率が30%未満である。そのため、試料1Cのトナー供給ロールは、濃度ムラの画像不具合が生じた。これは、ウレタン発泡層表面においてトナーと接触するセル骨格部の接触面積が低下し、摩擦帯電によるトナー荷電性が低下したことやトナー掻き取り性が低下したことなどによる。
試料2Cのトナー供給ロールは、表面平均セル径が280μmを超えている。そのため、試料2Cのトナー供給ロールは、濃度ムラの画像不具合が生じた。これは、トナーに対して大きなセルが増加し、セル骨格部にトナーが当たる頻度が減少し、トナー掻き取り性が低下したためである。また、試料2Cのトナー供給ロールは、セル骨格部の表面面積比率が60%を超えている。そのため、試料2Cのトナー供給ロールは、十分な濃度を有する画像が得られなかった。これは、ウレタン発泡層表面に表れるセルの比率が減少し、トナー供給性が低下したためである。
試料3Cのトナー供給ロールは、内部平均セル径が280μm未満である。そのため、試料3Cのトナー供給ロールは、十分な濃度を有する画像が得られなかった。これは、ウレタン発泡層内部のセル内にトナーが詰まりやすくなり、トナー供給性が低下したためである。
試料4Cのトナー供給ロールは、内部平均セル径が650μmを超えている。そのため、試料4Cのトナー供給ロールは、十分な濃度を有する画像が得られなかった。これは、試料4Cのトナー供給ロールは、トナー供給ロールの回転時におけるトナー保持性が低下し、ウレタン発泡層からトナーがこぼれ落ちやすくなってトナー供給性が低下したためである。また、試料4Cのトナー供給ロールは、ウレタン発泡層における軸方向両端部の平均セル径差が50μmを超えている。そのため、試料4Cのトナー供給ロールは、濃度ムラの画像不具合が生じた。これは、ウレタン発泡層の軸方向でトナー供給性にバラツキが生じたためである。
これらに対し、試料1〜試料7のトナー供給ロールは、十分な濃度を有する画像が得られ、濃度ムラの画像不具合も生じなかった。これは、試料1〜試料7のトナー供給ロールは、ウレタン発泡層の表面平均セル径、内部平均セル径、セル骨格部の表面面積比率、および、軸方向両端部の平均セル径差が特定の範囲とされていたため、トナー供給性を確保しつつ、トナー掻き取り性およびトナー荷電性を向上させることができたためである。
また、試料1〜試料7のトナー供給ロールは、イオン導電剤を含有するウレタン組成物を発泡硬化させることによりウレタン発泡層が形成されているにもかからず、ウレタン発泡層からの抽出物の抽出量が比較的少ない。これは、イオン導電剤のカチオン側が反応性官能基を介してウレタン発泡層に化学結合したため、ウレタン発泡層からイオン導電剤が滲み出し難くなったためである。もっとも、試料6のトナー供給ロールのように、ウレタン組成物に含まれるイオン導電剤の含有量が多くなると、ウレタン発泡層からの抽出物の抽出量が多くなり、トナー荷電性が低下して濃度ムラが生じる傾向が見られた。これは、使用するイソシアネートの量にもよるが、ウレタン発泡層に化学結合しなかった未反応のイオン導電剤が増えたためであると考えられる。したがって、ウレタン組成物に含まれるイオン導電剤の含有量は、ポリオール100質量部に対し、10質量部以下に制限することが望ましいといえる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 電子写真機器用トナー供給ロール
2 軸体
3 ウレタン発泡層

Claims (6)

  1. 軸体と、該軸体の外周に形成され、多数のセルを備えるウレタン発泡層とを有する電子写真機器用トナー供給ロールであって、
    上記ウレタン発泡層は、
    表面平均セル径が180〜280μm、
    内部平均セル径が280〜650μm、
    セル骨格部の表面面積比率が30〜60%、
    軸方向両端部の平均セル径差が50μm以下である、電子写真機器用トナー供給ロール。
  2. イソシアネート基と反応する反応性官能基を有するカチオンとアニオンとの塩より構成されるイオン導電剤が、上記反応性官能基を介して上記ウレタン発泡層に化学結合している、請求項1に記載の電子写真機器用トナー供給ロール。
  3. 上記反応性官能基は、ヒドロキシル基およびアミノ基の少なくとも1つである、請求項2に記載の電子写真機器用トナー供給ロール。
  4. 上記アニオンは、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、および、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンの少なくとも1つである、請求項2または3に記載の電子写真機器用トナー供給ロール。
  5. 上記ウレタン発泡層の形成に用いられるウレタン組成物に含まれる上記イオン導電剤の含有量は、上記ウレタン組成物に含まれるポリオール100質量部に対し0.01〜10質量部である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子写真機器用トナー供給ロール。
  6. アセトンによる上記ウレタン発泡層からの抽出物の抽出量は、4質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真機器用トナー供給ロール。
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