JP2017134038A - 粒子検出センサ、ダストセンサ、煙感知器、空調装置、及び、粒子検出方法 - Google Patents

粒子検出センサ、ダストセンサ、煙感知器、空調装置、及び、粒子検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。【解決手段】粒子検出センサ1は、検知領域DAに光を投光する投光素子111と、検知領域DAを通過する粒子2による投光素子111からの光の散乱光を受光して、当該粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子121とを備える。また、粒子検出センサ1は、電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を用いて粒子2を検出する信号処理部20とを備える。この信号処理部20は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1の場合、電気信号を第一増幅率G1で増幅し、当該流体の流れが第一速度v1と異なる第二速度v2の場合、電気信号を第一増幅率G1と異なる第二増幅率G2で増幅する。【選択図】図9

Description

本発明は、流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサ、ダストセンサ、煙感知器、空調装置、及び、粒子検出方法に関する。
光散乱式の粒子検出センサは、投光素子と受光素子とを備える光電式センサであり、測定対象の流体を取り込んで投光素子の光を当該流体に照射し、その散乱光によって流体に含まれる粒子の有無を検出する。このような粒子検出センサは、例えば、大気中に浮遊するホコリ、花粉、煙等の粒子を検出することができる。
この種の粒子検出センサを含む装置として、当該装置に取り込まれた流体を、粗大粒子を通過させる主流路と微小粒子を通過させる分岐支流路とに分離する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−114176号公報
このような構成では、非常に大きなダイナミックレンジを有する処理回路を設けることにより、粗大粒子及び微小粒子のいずれも検出することができ得る。ただし、粗大粒子による散乱光の強度は微小粒子による散乱光の強度に比べて非常に大きい。例えば、粒径が50μmの粗大粒子は、粒径が0.3μmの微小粒子に比べて、散乱光の強度がおよそ5万倍となる。したがって、粗大粒子及び微小粒子のいずれも検出するためには、これらの散乱光の強度比と同程度のダイナミックレンジを有する処理回路を設けることが必要となる。しかしながら、このような処理回路の実現は、アナログ素子の特性等の観点から極めて困難である。
そこで、本発明は、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる粒子検出センサ等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る粒子検出センサは、流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサであって、検知領域に光を投光する投光素子と、前記検知領域を通過する前記粒子による前記投光素子からの光の散乱光を受光して、当該粒子に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子と、前記電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を用いて前記粒子を検出する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、前記検知領域における前記流体の流れが第一速度の場合、前記電気信号を第一増幅率で増幅し、当該流体の流れが前記第一速度と異なる第二速度の場合、前記電気信号を前記第一増幅率と異なる第二増幅率で増幅する。
また、本発明の一態様に係るダストセンサ及び煙感知器の各々は、上記の粒子検出センサを備える。
また、本発明の一態様に係る空調装置は、上記の粒子検出センサと、上記の流速発生部とを備える。
また、本発明の一態様に係る粒子検出方法は、検知領域に光を投光する投光素子と、前記検知領域を通過する粒子による前記投光素子からの光の散乱光を受光して当該粒子に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子とを有する粒子検出センサを用いて、流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出方法であって、前記検知領域における前記流体の流れが第一速度の場合、前記電気信号を第一増幅率で増幅し、当該流体の流れが前記第一速度と異なる第二速度の場合、前記電気信号を前記第一増幅率と異なる第二増幅率で増幅するステップと、増幅後の電気信号を用いて前記粒子を検出するステップとを含む。
本発明に係る粒子検出センサ等によれば、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
実施の形態に係る粒子検出センサの構成の一例を示すブロック図である。 散乱光強度を時系列で示すグラフである。 粒子の粒径に対するパルス状の波形のピーク強度を示すグラフである。 受光素子ゲイン及び増幅回路ゲインの周波数特性の概要を示すグラフである。 流速倍率に対する受光素子ゲインを示すグラフである。 流速倍率に対する増幅回路ゲインを示すグラフである。 流速倍率に対する粒子検出センサ全体の変換効率を示すグラフである。 粒子検出センサの動作を示すタイミングチャートである。 PM2.5モードにおける粒子検出センサの動作を示すフローチャートである。 花粉モードにおける粒子検出センサの動作を示すフローチャートである。 粒径に対する増幅後の電気信号の波高値を示すグラフである。 PM2.5モードにおける増幅後の電気信号を示す波形図である。 花粉モードにおける増幅後の電気信号を示す波形図である。 粒径区分ごとの対応する粒径及び粒子数を示す表である。 実施の形態の変形例1に係る粒子検出センサの構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態の変形例2に係る粒子検出センサの構成の一例を示すブロック図である。 粒子検出センサを備える空気清浄機の外観図である。 粒子検出センサを備える煙感知器の外観図である。 粒子検出センサを備える換気扇の外観図である。 粒子検出センサを備えるエアコンの外観図である。 受光素子ゲイン及び増幅回路ゲインの周波数特性の概要の他の例を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態に係る粒子検出センサ等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
(実施の形態)
[1.構成]
まず、本発明の実施の形態に係る粒子検出センサの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る粒子検出センサ1の構成の一例を示すブロック図である。
粒子検出センサ1は、当該粒子検出センサ1の周辺に漂う空気(以下、周辺空気と称する)に含まれる粒子を検出する。周辺空気には、例えば、粒径が5μm以下の微小粒子、及び、粒径が20μm以上の粗大粒子が含まれる。粒子検出センサ1は、PM2.5等に相当する微小粒子を検出対象とするPM2.5モードと、花粉等に相当する粗大粒子を検出対象とする花粉モードとを切り替えて動作する。
同図に示すように、粒子検出センサ1は、センサ部10と信号処理部20とを備え、センサ部10の検知領域DAに位置する粒子2からの散乱光に基づいて、粒子検出センサ1に取り込んだ周辺空気に含まれる粒子を検出する。また、粒子検出センサ1は、さらに、粒子検出センサ1が備える各構成に対して電源を供給する電源部30を備える。この電源部30は、例えば、粒子検出センサ1の外部から供給された電圧を所望の電圧に変換するレギュレータ等により構成される。
以下、粒子検出センサ1の各構成について、具体的に説明する。
[1−1.センサ部]
センサ部10は、粒子検出センサ1の測定対象である周辺空気を取り込んで、取り込んだ周辺空気に光を照射し、その散乱光の光強度を示す電気信号(ここでは電流信号)を出力する、光電式センサ(光散乱式の粒子検出センサ)である。つまり、センサ部10は、取り込んだ周辺空気に含まれる粒子2に応じた時系列の電気信号を出力する。
具体的には、本実施の形態では、センサ部10は、投光系11と受光系12と筐体13とヒーター15とを備え、筐体13の流入口18から流出口19までの粒子流路に設けられた検知領域DAを通過する(検知領域DAに位置する)粒子2からの散乱光に応じた電気信号を出力する。投光系11、受光系12及び検知領域DAは、外光が照射されないように、筐体13に収容されている。
検知領域DAは、測定対象の気体に含まれる粒子2(エアロゾル)を検知するためのエアロゾル検知領域(エアロゾル測定部)であり、投光系11の光軸Pと受光系12の光軸Qとが交差する交点を含む、例えばφ2mm程度の領域である。つまり、検知領域DAは、投光系11の光が投光される空間領域と投光系11の光が粒子2に当たって発生した散乱光を受光系12に導くための空間領域とが重なる空間領域である。
投光系11は、検知領域DAに光を投光する光学素子からなり、本実施の形態では、投光素子111と、投光素子111の前方(光投光側)に配置された投光レンズ112とを有する。
投光素子111は、検知領域DAに光を投光する、例えばLED(Light Emitting Diode)や半導体レーザ等の固体発光素子である。投光素子111は、例えば、赤外光、青色光、緑色光、赤色光または紫外光等の所定の波長の光を投光し、2波長以上の混合波を投光してもよい。本実施の形態では、粒子2による光の散乱強度に鑑みて、投光素子111として、例えば、400nm〜1000nmの波長の光を投光する砲弾型のLEDが用いられる。
なお、投光素子111から投光された光の波長が短いほど、粒径の小さな粒子2を検出しやすくなる。また、投光素子111の投光制御方式は特に限定されるものではなく、投光素子111から投光される光は、DC駆動による連続光またはパルス光等とすることができる。また、投光素子111から投光される光の光強度は、時間的に変化していてもよい。
投光レンズ112は、投光素子111の前方かつ投光系11の光軸P上に配置され、投光素子111から投光された光を検知領域DAに向けて進行させるように構成されている。例えば、投光レンズ112は、投光素子111から投光された光を検知領域DAに集光する集光レンズであり、PC(polycarbonate)等の透明樹脂またはガラスによって形成される。つまり、投光素子111から投光された光は、投光レンズ112を介して検知領域DAに到達する。この際、検知領域DAに粒子2が位置していると、当該粒子2によって投光素子111からの光が散乱される。
図2は、散乱光の強度(散乱光強度)を時系列で示すグラフである。
同図に示す波形に含まれるパルス状の波形は、検知領域DAを通過する粒子2による散乱光に対応する。つまり、パルス状の波形のピーク強度は、検知領域DAを通過する粒子2に対応する。
図3は、粒子2の粒径に対するパルス状の波形のピーク強度を示すグラフである。なお、同図では、散乱光の強度として、検知領域DAを粒子2が通過していない場合の散乱光の強度を基準値0とした場合の強度が示されている。
散乱光は、検知領域DAを通過する粒子2の粒径が大きいほど多く発生する。このため、同図に示すように、粒子2の粒径が大きいほど、パルス状の波形のピーク強度も大きくなる。例えば、粒径が30μmの粗大粒子は、粒径が2μmの微小粒子に比べて、パルス状の波形のピーク強度がおよそ400倍となる。
ここで、パルス状の波形とは、検知領域DAを通過する周辺空気の流速及び粒径等に対応した正弦波、または、それに類似の波形である。このパルス状の波形の周波数は、(i)検知領域DAの大きさ(光学焦点エリア径)、及び、(ii)検知領域DAを通過する粒子2の速度(すなわち流速)の2つの因子によって決定される。このため、パルス状の波形の周波数は、検知領域DAを通過する流体(ここでは周辺空気)の流速に対応し、流速が大きいほど高くなる。つまり、散乱光の周波数は、流速が大きいほど高くなる。
受光系12は、検知領域DAからの光を受光する光学素子からなり、本実施の形態では、受光素子121と、受光素子121の前方(光入射側)に配置された受光レンズ122とを有する。検知領域DAに粒子2が位置する場合、当該粒子2によって散乱された光(散乱光)は、受光系12によって受光される。
受光素子121は、検知領域DAを通過する粒子2による投光素子111からの光の散乱光を受光して、当該粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する。本実施の形態では、受光素子121は、受光した散乱光を、周波数依存性を有する変換効率で変換することにより、当該電気信号を生成する。なお、受光素子121の変換効率については、後述する。
受光素子121は、受光した散乱光を電気信号に変換する光電変換素子であり、本実施の形態では、投光素子111が投光する光に感度を有するフォトダイオード及びフォトトランジスタの少なくとも一方を含む。つまり、受光素子121は、受光した光強度に応じた電気信号(ここでは電流信号)を出力する。なお、受光素子121は、例えば、フォトICダイオードまたは光電子増倍管などを含んでもかまわない。
受光レンズ122は、検知領域DAと受光素子121との間に配置され、検知領域DAに位置する粒子2による散乱光を受光素子121に集光するように構成されている。例えば、受光レンズ122は、検知領域DAに位置する粒子2によって散乱された光を受光素子121に集束させる集光レンズであり、投光レンズ112と同様の材質により形成される。
筐体13は、遮光性を有し、粒子2を含む周辺空気が流れる筒状の空間領域である粒子流路が設けられた部材である。例えば、筐体13は、迷光を減衰させやすいように、少なくとも内面が黒色面である。具体的には、筐体13の内面は、光の減衰率が高く、かつ、光を鏡面反射する。なお、筐体13の内面における反射は、鏡面反射でなくてもよく、光の一部が散乱反射されてもよい。
ここで、迷光とは、粒子2によって散乱された光以外の光であり、具体的には、投光素子111が投光した光のうち検知領域DAにおいて粒子2に散乱されることなく、筐体13内を進行する光等である。また、迷光には、粒子流路によって筐体13の内部に進入した外光も含まれる。
筐体13は、例えば、ABS樹脂などの樹脂材料を用いた射出成形により形成される。このとき、例えば、黒色の顔料または染料を添加した樹脂材料を用いて筐体13を形成することで、筐体13の内面を黒色面にして迷光の減衰を図ることができる。あるいは、射出成形後に筐体13の内面に黒色塗料を塗布することで、筐体13の内面を黒色面にして迷光の減衰を図ることができる。また、筐体13の内面にシボ加工などの表面処理を行うことにより、迷光の減衰を図ることができる。
筐体13には、上述したように流入口18及び流出口19が設けられている。このため、周辺空気は、流入口18から筐体13の内部に進入し、粒子流路を通って検知領域DAに導かれ、流出口19から筐体13の外部に流出する。
なお、本実施の形態において、粒子流路の流路方向(粒子流路を気体が流れる方向)は、図1の紙面上下方向としているが、図1の紙面垂直方向としてもよい。つまり、本実施の形態では、粒子流路の流路軸は、投光系11及び受光系12の各光軸が通る平面上に存在するように設定しているが、当該平面と直交するように設定されていてもよい。
ヒーター15は、検知領域DAにおける流体(ここでは周辺空気)の流れを発生させる流速発生部である。本実施の形態では、ヒーター15は、当該ヒーター15周囲の気体を加熱することにより、粒子流路の気体を流して気流を発生させる。具体的には、ヒーター15によって周囲の気体が加熱されると、加熱された気体は、膨張して密度が小さくなることにより重力と逆方向の上方向に移動する。つまり、ヒーター15によって、上方向の気流(上昇気流)が発生する。この気流が粒子流路の気体を流すことにより、粒子流路に気流が生じる。その結果、粒子検出センサ1の周辺空気が流入口18から筐体13内部に引き込まれるため、ヒーター15を設けない場合に比べて、センサ部10内に多くの粒子2を取り込むことができる。
ヒーター15は、通電する電流量を切り替えることにより、検知領域DAにおける流体の流れを第一速度v1と第二速度v2とで切り替える。第二速度v2は、第一速度v1と異なる速度であり、本実施の形態では、第一速度v1(例えば0.069m/s)より大きく、具体的には、第一速度v1のおよそ30倍の速度(例えば2.12m/s)である。
具体的には、ヒーター15は、後述する流速制御部224によって制御され、流速制御部224から入力される電流量を示す制御信号にしたがって通電する。これにより、ヒーター15は、PM2.5モードにおいて第一速度v1で検知領域DAにおける流体に気流を発生させ、花粉モードにおいて第二速度v2で当該気流を発生させる。
ヒーター15は、上昇気流を発生させることから、本実施の形態では、図1に示すように検知領域DAの下方に設けられている。
このように構成されたセンサ部10は、ヒーター15の加熱によって、筐体13内の粒子流路に第一速度v1または第二速度v2の上昇気流を生じさせる。これに伴い、周辺空気中の粒子は、粒子流路の流入口18から筐体13の内部に進入し、粒子の検知領域DAを第一速度v1または第二速度v2で通過して、粒子流路の流出口19から筐体13の外部に流出される。この際、検知領域DAを通過する粒子2が投光系11から投光された光を散乱することにより、受光素子121が当該粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号(ここでは電流信号)を出力する。
つまり、受光素子121は、粒子2の粒径が大きいほどピークが大きく、流速が大きいほど周波数が高くなるパルス状の波形を含む電気信号を出力する。
[1−2.信号処理部]
信号処理部20は、受光素子121から出力された電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を用いて粒子を検出する。具体的には、信号処理部20は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1の場合(PM2.5モードの場合)、電気信号を第一増幅率G1で増幅する。一方、信号処理部20は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1と異なる第二速度v2の場合(花粉モードの場合)、電気信号を第一増幅率G1と異なる第二増幅率G2で増幅する。
具体的には、信号処理部20は、第二速度v2が第一速度v1より大きい場合、第一増幅率G1より小さい第二増幅率G2で電気信号を増幅する。ここで、本実施の形態では、上述したように、第二速度v2は第一速度v1より大きい。このため、信号処理部20は、花粉モードの場合に、第一増幅率G1より小さい第二増幅率G2で電気信号を増幅する。
信号処理部20は、受光素子121から出力された電気信号に対して増幅処理等のアナログ信号処理を施し、さらに、アナログ信号処理後の信号に対してデジタル信号処理を施すことにより、流体中の粒子についての種々の分析を行う。この種々の分析とは、例えば、流体中の粒子の質量濃度または粒径の取得、あるいは、当該粒子の同定等である。
図1に示すように、信号処理部20は、アナログ信号処理を施すアナログ信号処理部21と、デジタル信号処理を施す汎用MPU22とを備える。
アナログ信号処理部21は、アナログ回路により構成され、本実施の形態では、受光素子121から出力された電流信号に対して各種のアナログ信号処理を施すことにより、当該電流信号に基づく電圧信号を出力する。ここで、各種のアナログ信号処理とは、例えば、電流(I)を電圧(V)に変換するI/V変換、入力された信号の所望の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタ処理、及び、入力された信号を増幅して出力する増幅処理である。アナログ信号処理部21は、I/V変換を行うIV変換回路211と、増幅処理を行う増幅回路212とを含む。
なお、アナログ信号処理部21は、ここに例示した各処理に限らず、さらに他の信号処理(例えば、ハイパスフィルタ処理、ローパスフィルタ処理、及び、減衰処理等)を行う構成であってもよい。
IV変換回路211は、受光素子121から出力された電流信号をI/V変換することにより、当該電流信号に応じた電圧信号を生成する。このように電流信号を電圧信号に変換することにより、以降の信号処理の容易化が図られるとともに、IV変換回路211の後段に接続された増幅回路212の設計の容易化が図られる。
増幅回路212は、周波数依存性を有する増幅率で電気信号(ここでは電圧信号)を増幅する。例えば、増幅回路212は、IV変換回路211から出力された電圧信号に含まれる周波数成分のうち所定の帯域の周波数成分を通過させるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタを通過した周波数成分からなる信号を増幅する増幅素子とを有する。なお、増幅回路212の増幅率については、後述する。
このように構成されたアナログ信号処理部21は、受光素子121からの出力を示し、かつ、検知領域DAに位置する粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号を出力する。
汎用MPU22は、デジタル回路により構成され、アナログ信号処理部21から出力された電気信号を用いて、検知領域DAにおける流体に含まれる粒子を検出する。この汎用MPU22は、例えば、集積回路であるシステムLSIにより実現され、以下で説明する機能ブロック毎に個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、汎用MPU22は、システムLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、汎用MPU22は、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
汎用MPU22は、図1に示すように、機能ブロックとして、AD変換部221と演算部222と流速制御部224とを有する。
AD変換部221は、増幅回路212で増幅された電圧信号をサンプリング(標本化)及び量子化する。言い換えると、当該AD変換部221は、アナログ信号処理部21から出力されたアナログの電圧信号をAD(Analog to Digital)変換することにより、当該電圧信号に対応する時系列のデジタルデータを生成する。つまり、AD変換部221は、受光素子121から出力された電流信号に基づく時系列のデジタルデータを生成する。
本実施の形態では、AD変換部221は、汎用MPU22に予め組み込まれたAD変換モジュールであり、当該汎用MPU22のアナログ入力端子に入力された電圧信号をデジタルデータに変換する。例えば、AD変換部221は、汎用MPU22のアナログ入力端子に入力された0.0〜5.0Vの範囲の電圧信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングする。その後、AD変換部221は、サンプリングされた電圧信号の電圧を10ビットのデジタル値に変換することにより、上記の時系列のデジタルデータを生成する。
演算部222は、AD変換部221で生成されたデジタルデータを用いて、検知領域DAにおける流体に含まれる粒子を検出する。本実施の形態では、演算部222は、流速制御部224から入力される粒子検出センサ1のモードを示す信号に応じて処理を切り替える。なお、粒子検出センサ1のモードを示す信号は流速制御部224から入力されなくてもよく、例えば、流速制御部224とは別のモード切替部(不図示)等から入力されてもかまわない。
流速制御部224は、ヒーター15を制御することにより、検知領域DAにおける流体の流れを第一速度v1と第二速度v2とで切り替えさせる。本実施の形態では、流速制御部224は、ヒーター15に対して通電させる電流量を示す制御信号を出力する。具体的には、流速制御部224は、PM2.5モードにおいて、所定の第一電流量を示す制御信号を出力することにより、ヒーター15に第一速度v1で流体の流れを発生させる。また、流速制御部224は、花粉モードにおいて、当該第一電流量より大きい所定の第二電流量を示す制御信号を出力することにより、ヒーター15に第二速度v2で流体の流れを発生させる。
このように構成された信号処理部20は、PM2.5モードの場合には第一増幅率G1で電気信号を増幅することにより微小粒子を検出することが可能となり、花粉モードの場合には第二増幅率G2で電気信号を増幅することにより粗大粒子を検出することが可能となる。つまり、検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲が切り替えられる。
[1−3.受光素子ゲイン、受光素子ゲイン、回路ゲイン]
本実施の形態に係る粒子検出センサ1では、PM2.5モードと花粉モードとで信号処理部20の増幅率を切り替えるために、増幅回路212が周波数依存性を有する増幅率で電気信号を増幅する。また、本実施の形態では、受光素子121も、周波数依存性を有する変換効率で、受光した散乱光を電気信号に変換する。
そこで、以下、受光素子121の変換効率及び増幅回路212の増幅率について説明する。また、以下において、第一速度v1を基準に流速倍率という表現を用いている。例えば、流速倍率1とは第一速度v1と等倍の流速を意味し、流速倍率30とは第一速度v1の30倍の流速(すなわち第二速度v2)を意味する。
図4は、受光素子121の変換効率(受光素子ゲイン)、及び、増幅回路212の増幅率(増幅回路ゲイン)の周波数特性の概要を示すグラフである。なお、同図では、受光素子ゲインの周波数特性と増幅回路ゲインの周波数特性とを同一として示しているが、これらは互いに異なっていてもかまわない。このことは、以降の周波数特性を示すグラフにおいても同様である。
同図に示すように、受光素子121及び増幅回路212の各々は、周波数が高くなるほどゲインが小さくなるような周波数特性を有する。
具体的には、受光素子121は、流速倍率1の場合の散乱光の周波数に比べて、受光した散乱光の周波数が高いほど小さい変換効率で電気信号に変換する。言い換えると、受光素子121で受光された散乱光は、パルス状の波形の周波数が高いほど、小さい変換効率で電気信号に変換される。
また、増幅回路212は、流速倍率1の場合の電気信号の周波数に比べて、周波数が高いほど小さい増幅率で電気信号を増幅する。言い換えると、受光素子121から出力された電気信号は、当該電気信号に含まれるパルス状の波形の周波数が高いほど、小さい増幅率で増幅される。
したがって、流速倍率に対する受光素子121の変換効率及び増幅回路212の増幅率は、図5A及び図5Bのように示される。図5Aは、流速倍率に対する受光素子121の変換効率(受光素子ゲイン)を示すグラフである。図5Bは、流速倍率に対する増幅回路212の増幅率(増幅回路ゲイン)を示すグラフである。
図5Aに示すように、受光素子121は、流速倍率1の場合(PM2.5モードの場合)、受光した散乱光を第一変換効率H1で電気信号に変換する。一方、受光素子121は、流速倍率30の場合(花粉モードの場合)、受光した散乱光を第一変換効率H1より小さい第二変換効率H2で電気信号に変換する。
また、図5Bに示すように、増幅回路212は、流速倍率1の場合(PM2.5モードの場合)、入力された電気信号を第一増幅率G1で増幅する。一方、増幅回路212は、流速倍率30の場合(花粉モードの場合)、入力された電気信号を第一増幅率G1より小さい第二増幅率G2で増幅する。
このように、本実施の形態では、流速倍率を大きくすることにより、変換効率を切り替えるための制御を行うことなく、受光素子121の変換効率が小さくなる。また、流速倍率を大きくすることにより、増幅率を切り替えるための制御を行うことなく、増幅回路212の増幅率が小さくなる。
したがって、粒子検出センサ1全体の変換効率(すなわち、受光素子121の変換効率Hと増幅回路212の増幅率Gとを合成した回路ゲイン)は、図6のように示される。
図6は、流速倍率に対する粒子検出センサ1全体の変換効率を示すグラフである。すなわち、同図には、流速倍率に対する、散乱光から増幅後の電気信号への変換効率が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、流速倍率1の場合(PM2.5モードの場合)、粒子2で散乱された散乱光をH1×G1のゲインで電気信号に変換する。一方、粒子検出センサ1は、流速倍率30の場合(花粉モードの場合)、粒子2で散乱された散乱光をH2×G2(例えば、H1×G1の1/450倍)のゲインで電気信号に変換する。つまり、本実施の形態では、流速倍率が切り替えられることにより、回路ゲインが切り替えられる。具体的には、流速倍率が大きくなることにより、回路ゲインが極めて小さくなる。
[2.動作]
次に、粒子検出センサ1の動作(粒子検出方法)について説明する。
図7は、粒子検出センサ1の動作を示すタイミングチャートである。
同図に示すように、粒子検出センサ1では、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1となるPM2.5モードと第二速度v2となる花粉モードとが、所定の期間毎に切り替えられる。
なお、粒子検出センサ1におけるPM2.5モードと花粉モードとの切り替えタイミングはこれに限定されず、例えば、ユーザ操作によって切り替えられてもかまわないし、所定の条件を満たした場合に切り替えられてもかまわない。例えば、所定の条件とは、花粉モードにおいて粒子が一定期間(例えば30秒間)検出されない場合等である。また、PM2.5モードの期間と花粉モードの期間とは同一でなくてもよく、例えば、PM2.5モードの期間が55分間、花粉モードの期間が5分間であってもかまわない。
図8A及び図8Bは、粒子検出センサ1の動作を示すフローチャートである。具体的には、図8Aは、PM2.5モードにおける粒子検出センサ1の動作を示すフローチャートである。図8Bは、花粉モードにおける粒子検出センサ1の動作を示すフローチャートである。
図8Aに示すように、PM2.5モードでは、ヒーター15が検知領域DAにおける流体の流れを第一速度v1にすることにより、粒子検出センサ1の周辺空気が筐体13内の粒子流路に引き込まれて検知領域DAに第一速度v1で粒子が導入される(S11)。つまり、粒子2が第一速度v1で検知領域DAを通過する。
次に、信号処理部20が、当該電気信号を第一増幅率G1で増幅する(S12)。具体的には、受光素子121が第一変換効率H1で散乱光を電気信号に変換し、変換された電気信号を増幅回路212が第一増幅率G1で増幅する。
そして、信号処理部20が、増幅後の電気信号を用いて粒子を検出する(S13)。なお、この検出処理(S13)の詳細については、後述する。
一方、図8Bに示すように、花粉モードでは、ヒーター15が検知領域DAにおける流体の流れを第二速度v2にすることにより、粒子検出センサ1の周辺空気が筐体13内の粒子流路に引き込まれて検知領域DAに第二速度v2で粒子が導入される(S21)。つまり、粒子2が第二速度v2で検知領域DAを通過する。
次に、信号処理部20が、当該電気信号を第二増幅率G2で増幅する(S22)。具体的には、受光素子121が、第二変換効率H2で散乱光を電気信号に変換し、変換された電気信号を増幅回路212が第二増幅率G2で増幅する。
そして、信号処理部20が、増幅後の電気信号を用いて粒子を検出する(S23)。なお、この検出処理(S23)の詳細については、後述する。
このように動作する本実施の形態に係る粒子検出センサ1では、花粉モードの場合に、増幅処理後(図8BのS21の後)の電気信号が飽和しにくくなる。このことの理解を容易にするために、本実施の形態の比較例に係る粒子検出センサについて説明する。
比較例に係る粒子検出センサは、本実施の形態に係る粒子検出センサ1とほぼ同様であるが、検知領域DAの流速が切り替えられずに、常に第一速度v1となっている。
図9は、粒径に対する増幅後の電気信号の波高値を示すグラフである。
同図に示すように、比較例では、粒径の増大によって散乱光が増大すると(ここでは2μm以上の場合)、増幅後の電気信号が飽和領域に到達してしまう。つまり、比較例では、花粉等の粗大粒子が導入された場合、増幅後の電気信号に含まれるパルス状の波形のピークが制限されてしまう。この要因は、例えば、アナログ信号処理部を構成するアナログ素子の飽和等である。よって、この場合、当該パルス状の波形のピーク値が粒径に依存しなくなるため、粗大粒子を検出することが困難となる。
これに対して、本実施の形態では、検知領域DAの流体の流速倍率が大きい場合(花粉モードの場合)に、回路ゲインが極めて小さくなる。このため、同図に示すように、流体の流速倍率が大きい場合、粗大粒子によって大きな強度の散乱光が生じても、増幅後の電気信号が飽和領域に到達しにくくなる。つまり、本実施の形態では、粗大粒子が導入された場合であっても、増幅後の電気信号に含まれるパルス状の波形のピークが制限されにくくなる。よって、当該パルス状の波形のピーク値が粒径に依存するため、粗大粒子を検出することができる。
また、例えば、検知領域DAの流体の流速が常に第二速度v2の場合、微小粒子に対応するパルス状の波形のピークが非常に小さくなってしまい、微小粒子を検出できないという別の課題が生じ得る。
これに対して、本実施の形態では、流体の流速倍率が小さい場合(PM2.5モードの場合)に、回路ゲインが低下しない。このため、微小粒子に対応するパルス状の波形のピークの低下を抑制し、微小粒子を検出することができる。
このように、本実施の形態では、流体の流速倍率が切り替わることにより検出対象の粒径範囲を切り替えることができる。これにより、粗大粒子及び微小粒子のいずれも検出することができ、検出可能な粒径範囲の広ダイナミックレンジ化が図られる。
次に、検出処理(図8AのS13、図8BのS23)の詳細について説明する。
図10Aは、PM2.5モードにおける増幅後の電気信号を示す波形図である。図10Bは、花粉モードにおける増幅後の電気信号を示す波形図である。
信号処理部20は、これらの図に示すような増幅後の電気信号に含まれる複数のパルス状の波形それぞれの波高値を用いて、波高閾値により区分けされた複数の波高値区分の各々に属する粒子数を計測する。本実施の形態では、信号処理部20は、所定期間毎(例えば6秒毎)に当該期間の粒子数を計測する。なお、信号処理部20が粒子数を計測する期間はこれに限らない。
例えば、信号処理部20では、AD変換部221によって電気信号がAD変換されることにより生成された時系列のデジタルデータを用いて、演算部222が波高値を抽出する。そして、演算部222は、抽出した波高値の各々について、複数の波高値区分のうちのいずれの波高値区分に属するかを判定することにより、波高値区分各々に属する波高値の個数(すなわち粒子数)を計数する。
波高閾値は、波高値区分の境界を規定し、本実施の形態では、2つの波高閾値Vth1、Vth2によって2つの波高値区分BS1、BS2が区分けされている。なお、複数の閾値の個数及び間隔は特に限定されないが、例えば、粒子検出センサ1の測定対象の粒径分布に応じて適宜設定されてもかまわない。
例えば、信号処理部20は、図10Aに示す電気信号について、波高値区分BS1に属する粒子数を4個計測し、波高値区分BS2に属する粒子数を1個計測する。また、例えば、信号処理部20は、図10Bに示す電気信号について、波高値区分BS1に属する粒子数を3個計測し、波高値区分BS2に属する粒子数を2個計測する。
つづいて、信号処理部20は、計測した複数の波高値区分BS1、BS2の各々に属する粒子数を用いて、複数の粒径閾値により区分けされた複数の粒径区分の各々に属する粒子数を取得する。
図11は、粒径区分ごとの対応する粒径及び粒子数を示す表である。
同図に示すように、本実施の形態では、4つの粒径区分BP1〜BP4の各々に属する粒子数が取得される。これら4つの粒径区分BP1〜BP4は、次のように規定される。
上述した波高閾値Vth1、Vth2は、PM2.5モードの場合と花粉モードの場合とで互いに異なる粒径に対応する。これは、図9から分かるように、PM2.5モードの場合と花粉モードの場合とで、同一の波高値が互いに異なる粒径に対応することによる。本実施の形態では、波高閾値Vth1は、PM2.5モードでは粒径1μmに対応し、花粉モードでは粒径20μmに対応する。また、波高閾値Vth2は、PM2.5モードでは粒径2μmに対応し、花粉モードでは粒径30μmに対応する。
言い換えると、複数の粒径閾値は、第一速度v1及び波高閾値に対応付けられた第一粒径閾値と、第二速度v2及び波高閾値に対応付けられた第二粒径閾値とを含む。すなわち、本実施の形態では、第一粒径閾値は、PM2.5モードの場合の波高閾値Vth1、Vth2に順に対応付けられた粒径閾値1μm、2μmである。また、本実施の形態では、第二粒径閾値は、花粉モードの場合の波高閾値Vth1、Vth2に順に対応付けられた粒径閾値20μm、30μmである。
したがって、本実施の形態では、4つの粒径閾値1μm、2μm、20μm、30μmにより区分けされた4つの粒径区分BP1〜BP4が規定される。
例えば、信号処理部20では、流速制御部224からのモードを示す信号を用いて、演算部222が粒径区分毎の粒子数を算出する。具体的には、演算部222は、流速制御部224からの信号がPM2.5モードを示す場合、波高値区分BS1について計測された粒子数を粒径区分BP1に属する粒子数として取得し、波高値区分BS2について計測された粒子数を粒径区分BP2に属する粒子数として取得する。一方、演算部222は、流速制御部224からの信号が花粉モードを示す場合、波高値区分BS1について計測された粒子数を粒径区分BP3に属する粒子数として取得し、波高値区分BS2について計測された粒子数を粒径区分BP4に属する粒子数として取得する。
このような処理により、信号処理部20は、PM2.5等に相当する微小粒子及び花粉等に相当する粗大粒子のいずれについても、粒子を検出することができる。
なお、信号処理部20は、例えばPM2.5モードにおいて、粒子数を計測する所定期間毎に流体中の粒子の質量濃度を算出してもかまわない。質量濃度を算出する手法については、特に限定されないが、例えば、任意の粒径区分に属する粒子数と、当該粒径区分に属する粒子の基準質量とから算出することができる。
[3.まとめ]
以上説明したように、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、流体中(本実施の形態では空気中)に含まれる粒子を検出する粒子検出センサである。粒子検出センサ1は、検知領域DAに光を投光する投光素子111と、検知領域DAを通過する粒子2による投光素子111からの光の散乱光を受光して、当該粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子121とを備える。また、粒子検出センサ1は、電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を用いて粒子2を検出する信号処理部20とを備える。この信号処理部20は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1の場合、電気信号を第一増幅率G1で増幅し、当該流体の流れが第一速度v1と異なる第二速度v2の場合、電気信号を第一増幅率G1と異なる第二増幅率G2で増幅する。
このように検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲を切り替えることができる。つまり、流体の流れが第一速度v1の場合に検出可能な第一粒径範囲(図9では、0.3μm〜2.5μm)と第二速度v2の場合に検出可能な第二粒径範囲(図9では、2.5μm〜50μm)とを併せた広い粒径範囲にわたって、粒子を検出することができる。したがって、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
また、本実施の形態によれば、信号処理部20は、第二速度v2が第一速度v1より大きい場合に、第一増幅率G1よりも小さい第二増幅率G2で電気信号を増幅する。
このように第二速度v2が第一速度v1より大きい場合、検知領域DAを通過する粒子2の個数が増大する。このため、微小粒子に比べて浮遊数が少ない粗大粒子が検知領域DAを通過しやすくなる。そこで、この場合、第一増幅率G1よりも小さい第二増幅率G2で電気信号を増幅することにより、増幅後の電気信号の飽和を抑制して粗大粒子を検出することができる。したがって、粗大粒子を容易に検出することができる。
また、本実施の形態によれば、パルス状の波形の周波数は、流体の流れが速くなるほど高くなる。また、信号処理部20は、周波数依存性を有する増幅率で電気信号を増幅する増幅回路212を有する。
これにより、流体の流れが切り替わることにより、増幅回路212の特性によって信号処理部20の増幅率が切り替えられる。つまり、流体の流れに応じて信号処理部20の増幅率を切り替える制御を行うことなく、信号処理部20の増幅率が自動的に切り替わる。したがって、粒子検出センサ1の動作を簡素化しつつ、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
具体的には、本実施の形態によれば、増幅回路212は、周波数が高いほど小さい増幅率で電気信号を増幅する。
ここで、流体の流れが速くなるほど、より粒径の大きな粒子が検知領域DAを通過しやすくなる。そこで、周波数が高いほど(すなわち流体の流れが速くなるほど)、小さい増幅率で電気信号を増幅することにより、増幅後の電気信号の飽和を抑制することができる。このため、より大きな粗大粒子を検出することができる。
また、本実施の形態によれば、散乱光の周波数は、流体の流れが速くなるほど高くなる。また、受光素子121は、受光した散乱光を、周波数依存性を有する変換効率で変換することにより、電気信号を生成する。
このように受光素子121の変換効率が周波数依存性を有することにより、流体の流れに応じて受光素子121の変換効率が自動的に切り替わる。したがって、流体の流れが切り替えられた場合、受光素子121の変換効率が略一定の場合に比べて、散乱光から増幅後の電気信号への変換効率を大きく切り替えることができる。つまり、検出対象となる粒径範囲を大きく切り替えることができる。したがって、検出可能な粒径範囲をさらに広ダイナミックレンジ化することができる。
具体的には、本実施の形態によれば、受光素子121は、周波数が高いほど小さい変換効率で変換する。
ここで、流体の流れが速くなるほど、より粒径の大きな粒子が検知領域DAを通過しやすくなる。そこで、周波数が高いほど(すなわち流体の流れが速くなるほど)、小さい変換効率で散乱光を電気信号に変換することにより、信号処理部20による増幅後の電気信号の飽和を抑制することができる。このため、より大きな粗大粒子を検出することができる。
また、本実施の形態によれば、信号処理部20は、増幅後の電気信号に含まれる複数のパルス状の波形それぞれの波高値を用いて、波高閾値Vth1、Vth2により区分けされた複数の波高値区分BS1、BS2の各々に属する粒子数を計測する。さらに、信号処理部20は、計測した複数の波高値区分BS1、BS2の各々に属する粒子数を用いて、第一速度v1及び波高閾値Vth1、Vth2に対応付けられた第一粒径閾値と第二速度v2及び波高閾値Vth1、Vth2に対応付けられた第二粒径閾値とを含む複数の粒径閾値により区分けされた複数の粒径区分BP1〜BP4の各々に属する粒子数を取得する。
また、本実施の形態によれば、粒子検出センサ1は、さらに、検知領域DAにおける流体の流れを発生させる流速発生部を備える。
これにより、検知領域DAにおける流体の流れの調整が容易になる。
具体的には、本実施の形態によれば、流速発生部は、検知領域DAの下方に設けられたヒーター15である。
このように、流速発生部がヒーター15であることにより、流速発生部の構成の簡素化が図られる。また、ヒーター15は上昇気流を発生するため、検知領域DAの下方に設けられることにより、検知領域DAにおける流体の流れを効果的に切り替えることができる。
ここで、本実施の形態によれば、ヒーター15は、通電する電流量を切り替えることにより、流体の流れを第一速度v1と第二速度v2とで切り替える。
このように電流量を切り替えることで流体の流れを切り替えるため、簡素な構成で流体の流れを切り替えることができる。
また、本実施の形態に係る粒子検出方法は、粒子検出センサ1を用いて、流体中に含まれる粒子2を検出する粒子検出方法である。ここで、粒子検出センサ1は、検知領域DAに光を投光する投光素子111と、検知領域DAを通過する粒子による投光素子111からの光の散乱光を受光して当該粒子2に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子121とを有する。粒子検出方法は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1の場合、電気信号を第一増幅率G1で増幅し、当該流体の流れが第一速度v1と異なる第二速度v2の場合、電気信号を第一増幅率G1と異なる第二増幅率G2で増幅するステップ(図8AのS12及び図8BのS22)と、増幅後の電気信号を用いて粒子を検出するステップ(図8AのS13及び図8BのS23)とを含む。
このように、粒子検出方法は、検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲を切り替えることができる。つまり、流体の流れが第一速度v1の場合に検出可能な第一粒径範囲と第二速度v2の場合に検出可能な第二粒径範囲とを併せた広い粒径範囲にわたって、粒子を検出することができる。したがって、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
(変形例1)
上記実施の形態では、信号処理部20は、周波数依存性を有する増幅率で電気信号を増幅する増幅回路212を有することにより、PM2.5モードの場合と花粉モードの場合とで増幅率を異ならせるとした。しかし、信号処理部がPM2.5モードの場合と花粉モードの場合とで増幅率を異ならせる構成はこれに限らず、例えば、互いに異なる増幅率の複数の増幅回路を並列に設けた構成であってもかまわない。そこで、以下、実施の形態の変形例1として、このように構成された粒子検出センサについて説明する。
図12は、実施の形態の変形例1に係る粒子検出センサ1Aの構成の一例を示すブロック図である。
同図に示すように、本変形例において、信号処理部20Aは、電気信号を第一増幅率G1で増幅する第一増幅回路212Aと、電気信号を第二増幅率G2で増幅する第二増幅回路212Bとを含む。
第一増幅回路212A及び第二増幅回路212Bは、実施の形態における増幅回路212に比べて、増幅率の周波数依存性が小さく、広帯域にわたって略一定の増幅率を有する。例えば、第一増幅回路212Aの増幅率は、流速倍率が1の場合の周波数及び流速倍率が30の場合の周波数のいずれにおいても第一増幅率G1である。一方、第二増幅回路212Bの増幅率は、流速倍率が1の場合の周波数及び流速倍率が30の場合の周波数のいずれにおいても第二増幅率G2である。
第一増幅回路212A及び第二増幅回路212Bは、粒子検出センサ1Aのモードにおいて、いずれか一方が選択的に電気信号を増幅する。具体的には、粒子検出センサ1AがPM2.5モードの場合、第一増幅回路212Aが電気信号を増幅し、粒子検出センサ1Aが花粉モードの場合、第二増幅回路212Bが電気信号を増幅する。
このように構成された粒子検出センサ1Aであっても、上記実施の形態と同様に、検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲を切り替えることができる。したがって、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
また、本変形例では、信号処理部20Aが、電気信号を第一増幅率G1で増幅する第一増幅回路212Aと、電気信号を第二増幅率G2で増幅する第二増幅回路212Bとを含む。
これにより、第一速度v1と第二速度v2との差分が小さい場合であっても、第一増幅率G1と第二増幅率G2との差分を大きく確保することができるため、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
(変形例2)
上記実施の形態では、粒子検出センサ1は、検知領域DAにおける流体の流れを発生させる流速発生部として、ヒーター15を備えるとした。しかし、粒子検出センサはヒーター15等の流速発生部を備えなくてもよく、外部に設けられたファン(小型扇風機)等の流速発生部によって検知領域DAに流体の流れ(気流)が発生する構成であってもかまわない。そこで、以下、実施の形態の変形例2として、このように構成された粒子検出センサについて説明する。
図13は、実施の形態の変形例2に係る粒子検出センサ1Bの構成の一例を示すブロック図である。
同図に示すように、本変形例に係る粒子検出センサ1Bでは、実施の形態に係る粒子検出センサ1に比べて、ヒーター15を備えずに、外部のファン15Bによって検知領域DAに気流が発生する。
ファン15Bは、例えば、粒子検出センサ1Bが搭載される空調装置(例えば、空気清浄機またはエアコン等)に設けられる。ファン15Bにより発生された気流は、空調装置が空調を行うための気流である主流と、粒子検出センサ1Bに導入される支流とに分岐される。このように粒子検出センサ1Bに導入された気流によって、検知領域DAに気体の流れが発生する。
ファン15Bは、例えば、流速制御部224からの粒子検出センサ1のモードを示す信号に応じて、発生する気流の速度を切り替える。具体的には、流速制御部224からPM2.5モードを示す信号が出力された場合、検知領域DAにおける気流の流れが第一速度v1となるように気流を発生する。一方、流速制御部224から花粉モードを示す信号が出力された場合、検知領域DAにおける気流の流れが第二速度v2となるように気流を発生する。
このように構成された粒子検出センサ1Bであっても、上記実施の形態と同様に、検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲を切り替えることができる。したがって、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
(変形例3)
上記実施の形態及び変形例1、2で説明した粒子検出センサは、種々の装置に適用することができる。そこで、以下、実施の形態の変形例3として、粒子検出センサの適用例について説明する。
図14は、粒子検出センサを備える空気清浄機の外観図である。図15は、粒子検出センサを備える煙感知器の外観図である。図16は、粒子検出センサを備える換気扇の外観図である。図17は、粒子検出センサを備えるエアコンの外観図である。
これらの装置によれば、検出可能な粒径範囲が広ダイナミックレンジ化された粒子検出センサを備えることにより、例えば、微小粒子と粗大粒子とでより多く検出された粒子に応じて動作を切り替えることができる。
(その他の変形例)
以上、本発明について実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記説明では、信号処理部は、検知領域DAにおける流体の流れが第一速度v1の場合に電気信号を第一増幅率G1で増幅し、当該流体の流れが第二速度v2の場合に電気信号を第二増幅率G2で増幅するとした。しかし、信号処理部は、3以上の流体の流れ(流速)に応じて、3以上の互いに異なる増幅率を切り替えて電気信号を増幅してもかまわない。これにより、検出可能な粒径範囲をさらに広ダイナミックレンジ化することができる。
また、上記説明では、第二速度v2は第一速度v1より大きいとした。しかし、受光素子121及び増幅回路が、例えば図18に示す周波数特性を有していれば、第二速度v2は、第一速度v1と異なっていればよく、第一速度v1より小さくてもかまわない。つまり、検知領域DAにおける流体の流れは、PM2.5モードの場合よりも花粉モードの場合に遅くてもかまわない。
図18は、受光素子121の変換効率(受光素子ゲイン)、及び、増幅回路の増幅率(増幅回路ゲイン)の周波数特性の他の例の概要を示すグラフである。同図に示すように、受光素子121及び増幅回路の各々は、流速倍率1に対応する周波数において最もゲインが高くなるような周波数特性を有する。
このような構成の場合、上記実施の形態に比べて、粗大粒子の検出に多少時間を要するものの、検知領域DAにおける流体の流れに応じて増幅率が切り替わることにより、検出対象となる粒径範囲を切り替えることができる。したがって、上記実施の形態と同様に、検出可能な粒径範囲を広ダイナミックレンジ化することができる。
なお、受光素子121及び増幅回路の各々は、図18に示す例に限らず、例えば、周波数が低くなるほどゲインが小さくなるような周波数特性を有してもかまわない。
また、上記説明では、受光素子121は、受光した散乱光を、周波数依存性を有する変換効率で電気信号に変換するとした。しかし、受光素子121の変換効率は、第一速度v1の場合に対応する周波数から第二速度v2の場合に対応する周波数までの広帯域にわたって略一定であってもかまわない。
また、上記説明では、信号処理部は、複数の粒径区分の各々に属する粒子数を取得するとした。しかし、信号処理部は、粒子数を取得しなくてもよく、例えば、複数の粒径区分の各々に属する粒子の有無を検出してもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例1、2では、粒子検出センサはヒーター15を備えるとした。しかし、粒子検出センサは、ヒーター15に代わり、ファン等の流速発生部を備えてもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例1、2では、ヒーター15は検知領域DAの下方に設けられるとした。しかし、ヒーター15を設ける位置は、これに限らず、ヒーター15によって検知領域DAに気流が発生可能な位置であればよい。例えば、ヒーター15は、粒子流路内、または、粒子流路の任意に位置の上方または下方に設けられていてもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例1、2では、ヒーター15は、通電する電流量を切り替えることにより、検知領域DAにおける流体の流れを第一速度v1と第二速度v2とで切り替えるとした。しかし、第一速度v1と第二速度v2とを切り替える手法はこれに限らず、例えば、ヒーター15のオン及びオフを切り替えることにより、第一速度v1と第二速度v2とを切り替えてもかまわない。
また、上記説明では、第二速度v2は、第一速度v1のおよそ30倍であるとしたが、これに限らない。例えば、第二速度v2をより大きくすることにより、検出可能な粒径範囲のさらなる広ダイナミックレンジ化が図られる。ただし、第二速度v2が大きすぎると、第一速度v1の場合でも第二速度v2の場合でも検出できない粒径範囲が生じ得る。したがって、第二速度v2は、こられの事項を考慮した速度であることが好ましい。
また、例えば、粒子検出センサは、AD変換部221を備えず、演算部222が増幅回路による増幅後のアナログ電圧信号を用いて粒子2を検出してもよい。ただし、以下の観点から、粒子検出センサはAD変換部221を備えることが好ましい。
すなわち、粒子検出センサがAD変換部221を備えない場合、アナログ電圧信号のピークを検出する構成としては、例えば、ピークホールド回路、及び、複数の閾値と比較するための複数のコンパレータを用いる構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、ピークホールド回路内のコンデンサの充放電に時間を要することにより、電圧信号のピークを高速に検出することが困難である。さらに、アナログ回路構成として、複数のコンパレータを備えることが必要である。
これに対して、粒子検出センサがAD変換部221を備える場合、上記ピークホールド回路を用いる場合よりも電圧信号のピークを高速に検出することができる。よって、粒子の検出漏れを抑制することができる。さらに、アナログ回路構成として複数のコンパレータを備える必要がないので、アナログ回路構成の簡素化及び低コスト化が図られる。
また、上記説明において、粒子を含む媒体は、気体(空気)としたが、気体以外の媒体(水等の液体)であってもよい。つまり、粒子検出センサは、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する。
また、上記説明において、汎用MPU22内の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、汎用MPU22を構成する構成要素(機能)の一部または全ては、粒子検出センサを備える種々の装置(例えば空気清浄機)に搭載されたマイクロプロセッサ、ROM、RAM等の一部として実現されていてもかまわない。
また、本発明は、このような粒子検出センサとして実現することができるだけでなく、粒子検出センサが行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本発明がプログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1A、1B 粒子検出センサ
2 粒子
15 ヒーター(流速発生部)
15B ファン(流速発生部)
20、20A 信号処理部
111 投光素子
121 受光素子
212 増幅回路
212A 第一増幅回路
212B 第二増幅回路

Claims (15)

  1. 流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサであって、
    検知領域に光を投光する投光素子と、
    前記検知領域を通過する前記粒子による前記投光素子からの光の散乱光を受光して、当該粒子に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子と、
    前記電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を用いて前記粒子を検出する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、
    前記検知領域における前記流体の流れが第一速度の場合、前記電気信号を第一増幅率で増幅し、当該流体の流れが前記第一速度と異なる第二速度の場合、前記電気信号を前記第一増幅率と異なる第二増幅率で増幅する
    粒子検出センサ。
  2. 前記信号処理部は、前記第二速度が前記第一速度より大きい場合に、前記第一増幅率よりも小さい前記第二増幅率で前記電気信号を増幅する
    請求項1に記載の粒子検出センサ。
  3. 前記パルス状の波形の周波数は、前記流体の流れが速くなるほど高くなり、
    前記信号処理部は、周波数依存性を有する増幅率で前記電気信号を増幅する増幅回路を有する
    請求項1または2に記載の粒子検出センサ。
  4. 前記増幅回路は、周波数が高いほど小さい増幅率で前記電気信号を増幅する
    請求項3に記載の粒子検出センサ。
  5. 前記信号処理部は、
    前記電気信号を前記第一増幅率で増幅する第一増幅回路と、
    前記電気信号を前記第二増幅率で増幅する第二増幅回路とを含む
    請求項1または2に記載の粒子検出センサ。
  6. 前記散乱光の周波数は、前記流体の流れが速くなるほど高くなり、
    前記受光素子は、受光した散乱光を、周波数依存性を有する変換効率で変換することにより、前記電気信号を生成する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。
  7. 前記受光素子は、周波数が高いほど小さい変換効率で変換する
    請求項6に記載の粒子検出センサ。
  8. 前記信号処理部は、
    増幅後の前記電気信号に含まれる複数のパルス状の波形それぞれの波高値を用いて、波高閾値により区分けされた複数の波高値区分の各々に属する粒子数を計測し、
    計測した前記複数の波高値区分の各々に属する粒子数を用いて、前記第一速度及び前記波高閾値に対応付けられた第一粒径閾値と前記第二速度及び前記波高閾値に対応付けられた第二粒径閾値とを含む複数の粒径閾値により区分けされた複数の粒径区分の各々に属する粒子数を取得する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。
  9. さらに、前記検知領域における前記流体の流れを発生させる流速発生部を備える
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。
  10. 前記流速発生部は、前記検知領域の下方に設けられたヒーターである
    請求項9に記載の粒子検出センサ。
  11. 前記ヒーターは、通電する電流量を切り替えることにより、前記流体の流れを前記第一速度と前記第二速度とで切り替える
    請求項10に記載の粒子検出センサ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の粒子検出センサを備える
    ダストセンサ。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の粒子検出センサを備える
    煙感知器。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子検出センサと、
    前記検知領域における前記流体の流れを発生させる流速発生部とを備える
    空調装置。
  15. 検知領域に光を投光する投光素子と、前記検知領域を通過する粒子による前記投光素子からの光の散乱光を受光して当該粒子に対応するパルス状の波形を含む電気信号を生成する受光素子とを有する粒子検出センサを用いて、流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出方法であって、
    前記検知領域における前記流体の流れが第一速度の場合、前記電気信号を第一増幅率で増幅し、当該流体の流れが前記第一速度と異なる第二速度の場合、前記電気信号を前記第一増幅率と異なる第二増幅率で増幅するステップと、
    増幅後の電気信号を用いて前記粒子を検出するステップとを含む
    粒子検出方法。
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