JP2017133991A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光走査装置において反射ミラーの高速回転により生じるジャイロモーメントによって反射ミラーの回転軸や動力源の回転軸が加振されることを起因とする騒音や光走査のずれの発生を防止した光走査装置構成の構成を提供すること。
【解決手段】 電動機10と、電動機10によって鉛直軸12周りに回転する回転部70と、回転部70と共に鉛直軸12周りに回転可能かつ水平軸80周りに回転可能で、走査光を測定対象物に照射して走査対象物からの反射光を受光部40に反射させる反射ミラー30と、電動機10の回転駆動を反射ミラー30が保持されている水平軸80に伝達させる駆動伝達部60とを具備し、回転部70は、反射ミラー30の鉛直軸12周りと水平軸80周りの回転により生じるジャイロモーメントNに対するカウンターモーメントMを発生させる質量分布に形成されている光走査装置100である。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光線等を用いて走査対象物の三次元形状を計測するための光走査装置に関する。
レーザ光線等を用いて走査対象物の三次元形状を計測するための装置として、いわゆる三次元スキャナと称される光走査装置が提案されている。このような光走査装置については、例えば特許文献1に開示されているような技術が存在している。
特許第5620603号
特許文献1の技術の要旨は、動力源となる軸回転を水平方向と鉛直方向とに一定の回転比率で配分して反射ミラーを回転させ、この反射ミラーに走査する光線を照射し、反射ミラーで反射した光線が水平および垂直の周方向に等角度間隔に走査するというものである。
このように水平方向と垂直方向にそれぞれ回転する回転体を有する光走査装置において、測定周期を短縮させるために回転体の回転速度を高めると、いわゆるジャイロモーメントによる影響が無視できなくなってくる。
ここで、ジャイロモーメントの概要について図6と図7に基づいて説明する。ジャイロモーメントNとは、水平軸に回転可能に保持されている反射ミラーを鉛直軸線周りに矢印Rvの方向に回転させながら水平軸線周りに矢印Rh方向に回転させた際に発生するものである。図6では簡便化のため反射ミラーのみを用いてジャイロモーメントNを図示しているが、実際に反射ミラーにはこれを支える水平回転軸や水平回転軸へ動力を伝達するためのギヤ等が一体に構成されており、反射ミラーが回転する際にはこれら水平回転軸やギヤ等も一体になって回転するため、ジャイロモーメントNには反射ミラー以外に水平回転軸やギヤ等の存在も加味される。このようなジャイロモーメントNのモーメント量が大きくなると、反射ミラーを回転可能に保持している水平軸や駆動源としての電動機の出力軸である鉛直軸が加振され、この加振により騒音や走査方向のずれ等が生じて設計通りの走査光の照射を行うことができなくなるおそれがある。
そこで本発明は、光走査装置において反射ミラーの高速回転により生じるジャイロモーメントによって反射ミラーの回転軸や動力源の回転軸が加振されることを起因とする騒音や光走査のずれの発生を防止した光走査装置構成の提案を目的としている。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を行った結果、以下の構成に想到した。
すなわち、電動機と、該電動機の回転駆動力によって鉛直軸周りに回転する回転部と、該回転部に取り付けられ、前記回転部と共に前記鉛直軸周りに回転可能かつ水平軸線周りに回転可能であって、走査光を測定対象物へ向けて照射すると共に当該走査対象物からの反射光を受光部に反射させる反射ミラーと、前記電動機の回転駆動を前記反射ミラーが保持された水平軸に伝達させる駆動伝達部と、を具備し、前記回転部は、前記反射ミラーの前記鉛直軸周りおよび前記水平軸周りの回転により生じるジャイロモーメントに対するカウンターモーメントを発生させる質量分布に形成されていることを特徴とする光走査装置である。
これにより、反射ミラーを鉛直軸周りおよび水平軸周りにそれぞれ高速回転させることにより生じるジャイロモーメントを相殺または低減させるためのカウンターモーメントを発生させることができ、ジャイロモーメントによる装置全体への加振による振動や、これに伴う光走査の位置ずれを防止または大幅に軽減させることができる。
また、前記カウンターモーメントは、前記ジャイロモーメントの回転方向とは逆回転方向であってモーメント量の絶対値が等しいことが好ましい。
これにより、光走査装置における反射ミラーの高速回転によるジャイロモーメントの影響を無くすことができ、より信頼性の高い光走査装置を提供することができる。
また、前記駆動伝達部は互いに噛合する歯車であることが好ましい。
これにより、鉛直軸線周りの回転速度と水平軸線周りの回転速度の比を所定の比に維持することができる。また駆動伝達部を歯車によって噛合させた状態でさせることで、駆動伝達部におけるスリップを防止しジャイロモーメントの大きさを一定に維持できる。これによりカウンターモーメントを随時調整する必要がなく、光走査装置の構成を簡易にすることができる。
さらには、前記回転部には前記回転部の質量分布を調整するための調整錘が取り付けられていることが好ましい。
これにより、カウンターモーメントを調整錘で簡便に調整できるため、各種用途の仕様に応じて回転部の設計を変更する必要がなくなり、回転部の構造を単純化することができる。
また、前記調整錘は、前記鉛直軸周りの鉛直軸回転速度と前記水平軸周りの水平軸回転速度との回転速度比に応じて前記回転部への取り付け位置が変更可能であることがより好ましい。
これにより、電動機の出力軸であって反射ミラーを鉛直軸線周りに回転させる鉛直軸回転速度と反射ミラーを保持する水平軸回転速度との回転速度比に変更が生じた場合、カウンターモーメントの大きさを調整することができる。
本発明にかかる光走査装置によれば、電動機の出力軸である鉛直軸と共回りする回転部の質量分布を調整することにより、ジャイロモーメントを相殺または軽減させるカウンターモーメントを発生させ、ジャイロモーメントによる振動発生や走査位置のずれを防止または大幅に軽減させることができる。
第1実施形態における光走査装置を示す斜視図である。 図1の対向位置からの光走査装置を示す斜視図である。 ジャイロモーメントとカウンターモーメントを説明するための光走査装置の説明断面図である。 第2実施形態における光走査装置を示す斜視図である。 第3実施形態における光走査装置を示す斜視図である。 ジャイロモーメントの発生機構を説明するための斜視図である。 鉛直軸と水平軸に直交する軸の軸線に沿って反射ミラーを臨んだ際における正面図である。
以下、発明にかかる光走査装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本実施形態における光走査装置100は、鉛直方向に延びると共に中空構造に形成された鉛直軸としての中空回転軸12を有する電動機10を駆動源としている。また、光走査装置100は、走査光を照射する光源20と、光源20から照射された走査光を反射させると共に走査光の走査対象物からの反射光を受光部40に反射させる反射ミラー30に加えて、受光部40が受光した反射光から測定対象までの距離を算出する反射光データ処理部50とを有している。なお、図面において、説明の明瞭化のために固定歯車62を透明な部材としているが、実際には透明である必要は無い。
中空回転軸12は電動機10の固定子であるハウジング14を高さ方向に貫通した状態になっている。また、ハウジング14の外表面のうち、ハウジング14の上面には中空回転軸12を外側から囲む配置で平面視形状が円環状をなす駆動伝達部60の一部としての固定歯車62が配設されている。そして中空回転軸12には、中空回転軸12を回転軸として中空回転軸12と共回りする枠体に形成された回転部70が取り付けられている。本実施形態における回転部70は、中空回転軸12に固定された基部72と、基部72の両端部分から上方に起立する2本の柱部74と、柱部74の上端部分どうしを連結する梁部76とを有している。
回転部70の一方の柱部74には、反射ミラー30を中空回転軸12と直交方向となる水平軸を回転軸として回転させるための回転軸80が取り付けられている。回転軸80は一方の柱部74を貫通し、一方の柱部74の外側位置において駆動伝達部60の一部としての回転歯車64を回転可能に保持している。このように回転軸80に保持された回転歯車64は、回転部70の回転に伴って、同じく駆動伝達部60を構成する固定歯車62に噛合しながら固定歯車62の上を転動することにより反射ミラー30を回転させるための回転軸80に電動機10の回転駆動力を伝達している。回転歯車64の取り付け端部と反対側の回転軸80の端部は、軸線に対して所定角度に切断されたいわゆるスラッシュカット部に形成されていて、このスラッシュカット部に金属を蒸着させる(金属薄膜を形成する)ことにより反射ミラー30が形成されたいわゆるロッドミラーが採用されている。
すなわち、電動機10の中空回転軸12が回転すると、中空回転軸12の軸線周りに回転部70が共回りする。回転部70が中空回転軸12の軸線周りに回転すると回転歯車64が固定歯車62に噛合した状態で転動することになる。回転歯車64が固定歯車62上を転動すると回転歯車64に連結された回転軸80が中空回転軸12と直交する水平軸線周りに回転し、反射ミラー30を回転軸80の軸線周りに回転させることになる。このように反射ミラー30は、鉛直軸である中空回転軸12の軸線周りに回転すると共に、水平軸である回転軸80の軸線周りにも回転することになり、光源20から照射された走査光を反射ミラー30から順次反射させることで光走査装置100の周辺に照射(走査)することができるのである。
走査光を照射するための光源20としては、例えばレーザ光線照射装置を用いることができる。このような光源20は光走査装置100とは別体にして配設してもよい。光走査装置100の内部または外部に配設された光源20が照射した走査光としてのレーザ光線は、光走査装置100に配設された下部反射ミラー22および上部反射ミラー24とにより適宜反射された後、回転軸80の軸線上から反射ミラー30に照射され、反射ミラー30から走査対象物にむけて照射されることになる。ここでは、下部反射ミラー22で反射させた走査光を中空回転軸12の内部空間を通過させて上部反射ミラー24に反射させた後に、回転軸80の中心軸線上から反射ミラー30に走査光を照射している。
このようにして走査対象物に照射された走査光は反射光となって反射ミラー30に戻ることになる。反射ミラーは反射光を反射させると、反射光は上部反射ミラー24と下部反射ミラー22にそれぞれ反射された後に受光部40に受光されることになる。受光部40が受光した反射光は、反射光データ処理部50により走査対象物までの距離データに変換される。また図示しないロータリーエンコーダ等により中空回転軸12および回転軸80の回転角度を検出して反射ミラー30の反射面が正対している方向を導くことができる。反射光データ処理部50はこれら距離データと反射ミラー30の反射面の正対する方向とに基づいて走査対象物の三次元座標値を得ることができる。このような処理を行う反射光データ処理部50は、専用のデータ処理装置であっても、パーソナルコンピュータにインストールされた処理プログラムによって実現されても、良い。
このように反射ミラー30が鉛直軸である中空回転軸12周りに回転すると共に、中空回転軸12に直交する水平軸である回転軸80周りに回転することにより、回転部70にはいわゆるジャイロモーメントNが作用することになる。反射ミラー30および回転軸80の回転速度が高速(10,000rpm以上)になると、ジャイロモーメントNにより回転部70に振動が発生する等の悪影響が無視できなくなる。本実施形態における光走査装置100はこのようなジャイロモーメントNによる不具合の発生を防止するためのカウンターモーメントMを発生させることを最大の特徴としている。ここで、ジャイロモーメントNの大きさ(モーメント量)は数1に基づいて予め算出することができる。
数1に基づいて算出したジャイロモーメントNに対して、本実施形態における光走査装置100は、回転部70の柱部74や梁部76における質量分布を調整することで、図3に示すようなカウンターモーメントMを発生させている。このように、回転部70の質量分布の調整によってカウンターモーメントMを発生させることによりジャイロモーメントNを相殺または低減させ、反射ミラー30を直交する2方向に高速回転させても、ジャイロモーメントNによる回転部70への悪影響を防止または大幅に軽減させることができる。このときのカウンターモーメントMの大きさ(モーメント量)は、数2に基づいて算出することができる。
また、数2における回転速度比hを算出する際に用いた数1の中空回転軸12の回転速度(鉛直軸回転速度)Ωおよび回転軸80の回転速度(水平軸回転速度)μとの関係式Ω=hμから、数1は数3のように変形することができる。
ジャイロモーメントNを相殺させると共に、光走査装置100として使用するうえでの必要な機械的強度を有する(遠心力に対する変形量を所定量以下にする等)ように回転部70の形状および質量分布を設定すれば良い。ジャイロモーメントNを相殺させる際におけるカウンターモーメントMの関係式は数2および数3より数4のようになる。
本実施形態においては、梁部76の一方の端部の所要範囲を梁部76の長さ方向における他の部分よりも単位長さ当たりの質量が大きくなるように形成すると共に、この部分の対角線位置における柱部74の寸法を他の柱部74の長さ方向における他の部分よりも単位長さ当たりの質量が大きくなるように形成した。このように回転部70の一部を構成する梁部76や柱部74の所定箇所における単位長さ当たりの質量を他の箇所に対して増加させる(回転部70の質量分布を調整する)ことにより、従来技術における回転部70の所定箇所に付加質量(数2および数4におけるmである)を取り付けた状態と同等な状態にすることができる。この付加質量が鉛直軸である中空回転軸12および水平軸である回転軸80と共に回転することにより、回転部70に作用するジャイロモーメントNを相殺するカウンターモーメントMを発生させることができるのである。
このように所定箇所に付加質量を配設したと同様の質量分布を有する回転部70の構成を採用することで、回転部70に作用するジャイロモーメントNを相殺するカウンターモーメントMを発生させることができる。このようにしてジャイロモーメントNを相殺することで、回転部70の振動等の発生を防止し当初の設計通りの性能で光走査を行うことが可能になるのである。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、回転部70の質量分布を調整することによりジャイロモーメントNを相殺するカウンターモーメントMを発生させるための光走査装置100の実施形態について説明した。これに対し本実施形態においては、回転部70の所定位置に、回転部70の質量分布を調整するための調整錘90を取り付けた光走査装置100の実施形態について説明する。
図4に示すように、本実施形態における光走査装置100は、回転部70を構成する基部72、柱部74、梁部76の寸法は各々の部分(基部72、柱部74、梁部76)において等しい寸法に形成されている(従来技術における回転部70を用いている)点で、第1実施形態と構成を異にしている。しかしながら梁部76においては、梁部76の一方の端部と、この梁部76の一方の端部と対角線位置における柱部74とに調整錘90がそれぞれ取り付けられている。このような調整錘90を回転部70の所定箇所に取り付けることで、回転部70の質量分布を任意の質量分布にすることができる。この調整錘90の質量が図3と数2および数4におけるmに相当する。
このような調整錘90が所定箇所に取り付けられた回転部70を回転させることにより、ジャイロモーメントNを相殺するカウンターモーメントMを発生させることができる。回転部70に取り付けする調整錘90の質量は、第1実施形態で示した数4に基づいて予め算出することができる。調整錘90は回転部70の隅角部内側部分に取り付けることが好ましい。また調整錘90をセットするための凹部(図示せず)を配設しておけばさらに好都合である。このような位置に調整錘90を取り付けすることで、回転部70の遠心力により、調整錘90が回転部70からの離脱を防止することができる点において好都合である。
ところで、電動機10が1台である光走査装置100において走査解像度を変更したい場合には、電動機10の中空回転軸12の回転速度と、固定歯車62と回転歯車64とのギヤ比(鉛直軸回転速度と水平軸回転速度との回転速度比h)を変更すればよい。具体的には、電動機10への供給電力の増減処理(電動機10の出力調整処理)と、デフォルトで用いられていた回転歯車64の歯数とは異なる歯数の回転歯車64を用いればよい。交換した後の回転歯車64と固定歯車62のギヤ比は予め算出することができるので、鉛直軸回転速度と水平軸回転速度との回転速度比hに応じて調整錘90の質量を変更することなく、回転部70に対する調整錘90の取り付け位置を変更することで、適切なカウンターモーメントMを発生させることができる。
このように回転部70に対して調整錘90の取り付け位置を変更可能にする際には、基部72、柱部74、梁部76のうちに少なくとも1つの部材における外表面に調整錘90取り付け用の凹部(図示せず)を配設し、それぞれの凹部に固定歯車62と回転歯車のギヤ比(鉛直軸回転速度と水平軸回転速度との回転速度比h)を表示しておけばさらに好適である。なお、調整錘90は一定形状の部品である構成を例として説明をしたが、同様の作用であれば別の構成でも良い。例えば、接着剤を付着して質量を増加させたり、逆にドリルなどで切削加工を行なって質量を減少させたりすることによっても調整が可能である。
(第3実施形態)
本実施形態における光走査装置100は、図5に示すように、回転軸80の先端部分に回転軸80と一体に形成した反射ミラー30に代えて回転軸80とは別体の平面ミラー30Aを取り付けている。また、駆動伝達部60の一部構成としての固定歯車62に代えてリング体62Aをハウジング14の上面に取り付け、同じく駆動伝達部60の一部として回転歯車64に代えて回転転動円板64Aを採用している。このようなリング体62Aと回転転動円板64Aを採用することにより、リング体62Aの上面を回転転動円板64Aが転動する際における騒音の発生を防止することができる点において好都合である。本実施形態においては回転転動円板64A側の転動面に滑り止め部材Sを取り付けている。
この滑り止め部材Sにより回転転動円板64Aがリング体62Aとの当接面であるリング体62Aの上面を転動する際におけるスリップを防止することができる。このような滑り止め部材Sとしては公知のゴムシートを用いることができる。また、すべり止め部材Sは、図5に示すように回転転動円板64A側のリング体62Aと回転転動円板64Aとの転動面(当接面)に配設した形態だけではなく、リング体62A側の転動面に取り付けることも可能であるし、リング体62Aおよび回転転動円板64Aのそれぞれの転動面に取り付けるようにしてもよい。
本実施形態においては、数2における回転速度比hは、リング体62Aの転動面に円周長と回転転動円板64Aの外周長との比により算出することができる。数1,数3,数4については、第1実施形態および第2実施形態と同様にして適用することができる。図5は、数1〜数4に基づいてジャイロモーメントNとカウンターモーメントMとの計算を行い、回転部70の梁部76の一方の端部位置に調整錘90を配設した光走査装置100の構成を示している。
また、図5に示す光走査装置100の変形例として、数1〜数4に基づいてジャイロモーメントNとカウンターモーメントMとの計算を行い、回転部70を構成する基部72、柱部74、梁部76のうちの少なくとも一つの部材における単位長さ当たり質量を同部材における他の位置における単位長さ当たり質量とは異なる形状として、回転部70の質量分布と回転部70の回転速度により生じるカウンターモーメントMがジャイロモーメントNを相殺または低減させる構成にすることも可能である。
以上に、実施形態に基づいて本発明にかかる光走査装置100の説明を行ったが、本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、以上の実施形態においては、回転部70に作用するジャイロモーメントNを相殺するカウンターモーメントMを発生させる形態例について説明したが、この形態例に限定されるものではない。カウンターモーメントMの大きさ(モーメント量)の絶対値は、ジャイロモーメントNの大きさ(モーメント量)の絶対値と等しくなくてもよい。この場合、回転部70には小さなジャイロモーメントNが作用することにはなるものの、回転部70に振動が発生しない程度の大きさにすることができれば、光走査装置100を当初の設計通りの性能で使用することは十分可能である。
また、数2においては、説明を簡単にするため,m,L,rを同じ値で表現しているが、m1,L1,r1,m2,L2,r2を独立して設定してもよい。
また、以上の実施形態においては、中空回転軸12と回転軸80とのなす角度θが全て90°である形態について説明しているが、中空回転軸12と回転軸80とのなす角度θは90°に限定されるものではなく、他の角度であってもよい。
そして以上の実施形態における光走査装置100は、いずれも中空回転軸12を鉛直軸とし、回転軸80を水平軸とした形態を採用しているが、採用しているが、これに限らず、以上の光走査装置の構成を水平方向へ横倒しにした形態、すなわち中空回転軸12を水平軸とし、回転軸80を鉛直軸とした光走査装置100の形態を採用することもできる。
また、以上に示した実施形態および各種変形例を適宜組み合わせた構成を採用することも可能である。
10 電動機
12 中空回転軸(鉛直軸)
14 ハウジング(固定子)
20 光源
22 下部反射ミラー
24 上部反射ミラー
30 反射ミラー
30A 平面ミラー
40 受光部
50 反射光データ処理部
60 駆動伝達部
62 固定歯車
62A リング体
64 回転歯車
64A 回転転動円板
70 回転部
72 基部
74 柱部
76 梁部
80 回転軸(水平軸)
90 調整錘
100 光走査装置
S 滑り止め部材

Claims (5)

  1. 電動機と、
    該電動機の回転駆動力によって鉛直軸周りに回転する回転部と、
    該回転部に取り付けられ、前記回転部と共に前記鉛直軸周りに回転可能かつ水平軸周りに回転可能であって、走査光を走査対象物へ向けて照射すると共に当該走査対象物からの反射光を受光する反射ミラーと、
    前記電動機の回転駆動を前記反射ミラーが保持された水平軸に伝達させる駆動伝達部と、を具備し、
    前記回転部は、前記反射ミラーの前記鉛直軸周りおよび前記水平軸周りの回転により生じるジャイロモーメントに対するカウンターモーメントを発生させる質量分布に形成されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記カウンターモーメントは、前記ジャイロモーメントの回転方向とは逆回転方向であってモーメント量の絶対値が等しいことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 前記駆動伝達部は互いに噛合する歯車であることを特徴とする請求項1または2記載の光走査装置。
  4. 前記回転部には前記回転部の質量分布を調整するための調整錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の光走査装置。
  5. 前記調整錘は、前記鉛直軸周りの鉛直軸回転速度と前記水平軸周りの水平軸回転速度との回転速度比に応じて前記回転部への取り付け位置が変更可能であることを特徴とする請求項4記載の光走査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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