JP2017133672A - 車両用電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エア抜き作業がしやすい新規な構成の車両用電動ブレーキ装置を得る。
【解決手段】車両用電動ブレーキ装置は、モータと、回転部材と直動部材とを有し、モータによる回転部材の回転を直動部材の直動に変換する運動変換機構と、シリンダおよび液圧室が設けられたハウジングと、シリンダ内に第一の方向および第一の方向とは反対の第二の方向に移動可能に収容され、液圧室の圧力の作用によりシリンダ内を第一の方向に移動してブレーキパッドを押圧可能であるとともに、第一の方向に移動する直動部材に押されてブレーキパッドを押圧可能であり、第二の方向に移動する直動部材に押されて第二の方向に移動して液圧室の圧力を上昇させる、ピストンと、を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用電動ブレーキ装置に関する。
従来、車両の走行時には液圧によって制動力を生じ、車両の駐車時にはモータの駆動力によって制動力を生じる車両用電動ブレーキ装置が知られている。また、液圧によって制動力を生じる構成では、ブレーキ液のエア抜き作業が行われる(例えば、特許文献1)。
特開2007−186140号公報
この種の車両用電動ブレーキ装置では、エア抜き作業がしやすい新規な構成が得られれば、有意義である。
本発明の車両用電動ブレーキ装置は、モータと、回転部材と直動部材とを有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、シリンダおよび液圧室が設けられたハウジングと、前記シリンダ内に第一の方向および前記第一の方向とは反対の第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドを押圧可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを押圧可能であり、前記第二の方向に移動する前記直動部材に押されて前記第二の方向に移動して前記液圧室の圧力を上昇させる、ピストンと、を備えた。よって、例えば、車両用電動ブレーキ装置の含むブレーキシステムのエア抜き作業において、ピストンが第二の方向に移動する直動部材に押されて第二の方向に移動して液圧室の圧力を上昇させることにより、液圧室の圧力を上昇させるための作業員によるブレーキペダルの踏み込み作業が必要ない。したがって、例えば、エア抜き作業に必要な作業員の人数を減らすことができるので、エア抜き作業がしやすい。
また、前記車両用電動ブレーキ装置では、一例として、前記ピストンには、前記直動部材を前記第一の方向および前記第二の方向に移動可能に収容する収容室と、第一の凸部または第一の凹部と、が設けられ、前記直動部材には、前記第二の方向に前記ピストンを押す第二の押部と、第二の凹部または第二の凸部と、が設けられ、前記第一の凸部または前記第一の凹部において前記回転部材の回転軸の周方向を臨む第一の面と、前記第二の凹部または前記第二の凸部において前記周方向を臨む第二の面と、の接触により、前記直動部材が前記回転軸回りに回転するのを制限する回転制限機構、を備え、前記第二の押部が、前記第二の凹部または前記第二の凸部に設けられた。よって、第二の押部が、第二の凹部または第二の凸部に設けられているので、第二の押部が第二の凹部または第二の凸部以外に設けられている場合に比べて、車両用電動ブレーキ装置の構成を簡素化しやすい。
また、前記車両用電動ブレーキ装置では、前記直動部材は、前記第一の方向に前記ピストンを押す第一の押部と、前記第二の方向に前記ピストンを押す第二の押部と、を有し、前記ピストンは、前記第一の方向に前記第一の押部から押される第一の受部と、前記第二の方向に前記第二の押部から押される第二の受部と、を有し、前記第一の押部と前記第一の受部との間の前記第一の方向における第一の距離と、前記第二の押部と前記第二の受部との間の前記第一の方向における第二の距離と、の第一の合計値が、前記液圧室の圧力の低下に伴う前記ピストンの前記第二の方向への移動距離と前記ブレーキパッドを構成する摩擦材の初期厚さとの第二の合計値よりも大きい。よって、摩擦材が摩耗した状態であっても、ピストンは、液圧室の圧力の作用によりシリンダ内を第一の方向に移動してブレーキパッドを押し、第一の方向に移動する直動部材に押されてブレーキパッドを押し、第二の方向に移動する直動部材に押されて第二の方向に移動して液圧室の圧力を上昇させる、ことができる。
図1は、実施形態の車両用電動ブレーキ装置を示す模式的かつ例示的な斜視図である。 図2は、実施形態の車両用電動ブレーキ装置の走行モードのキャリパを示す模式的かつ例示的な断面図であって、ディスクロータの回転軸の軸方向に沿ったキャリパの断面を示す図である。 図3は、図2のIII-III線に沿った断面の一部を示す模式的かつ例示的な図である。 図4は、実施形態の車両用電動ブレーキ装置の駐車モードのキャリパを示す模式的かつ例示的な断面図であって、図2に対応した図である。 図5は、実施形態の車両用電動ブレーキ装置のエア抜きモードのキャリパを示す模式的かつ例示的な断面図であって、図2に対応した図である。 図6は、実施形態の車両用電動ブレーキ装置の走行モードのキャリパを示す模式的かつ例示的な断面図であって、ブレーキパッドが摩耗した状態を示す、図2に対応した図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
図1,2に示されるように、本実施形態の車両用電動ブレーキ装置1は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組み付けられて車輪(図示省略)と一体に回転するディスクロータ2と、ディスクロータ2の周縁部を跨いで配置されるキャリパ3と、を備えている。なお、以下では、ディスクロータ2の回転中心軸の軸方向をロータ軸方向、ディスクロータ2の径方向をロータ径方向、ディスクロータ2の周方向をロータ周方向とも称する。ロータ周方向は、ロータ軸方向およびロータ径方向と交差する。
また、車両用電動ブレーキ装置1は、走行モード、駐車モード、およびエア抜きモードを含む複数のモードを有している。モードは、不図示の操作部によって切り替えられる。走行モードでは、車両用電動ブレーキ装置1は、キャリパ3の一対のブレーキパッド13A,13B(図2)をブレーキ液の液圧によってディスクロータ2に押し付けることにより制動力を生じる。駐車モードでは、車両用電動ブレーキ装置1は、一対のブレーキパッド13A,13Bをモータ21の駆動力によってディスクロータ2に押し付けることにより制動力を生じる。エア抜きモードについては後述する。
図1,2に示されるように、キャリパ3は、車体に設けられた支持部材に固定されるマウンティング11と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持されたハウジング12と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持された一対のブレーキパッド13A,13Bと、ロータ軸方向に移動可能にハウジング12に支持されたピストン15と、ハウジング12に支持された移動機構16と、を備えている。
図1に示されるように、ハウジング12は、一対のスライドピン14によってマウンティング11に対してロータ軸方向に移動可能に取り付けられている。ハウジング12は、車体側からディスクロータ2をロータ軸方向に跨いで延出している。図1,2に示されるように、ハウジング12は、シリンダ12aと一対の爪12bとを有している。ハウジング12は、ボディとも称されうる。
シリンダ12aは、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側(図2の右側)に配置されている。シリンダ12aは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。シリンダ12aは、筒面12cと端面12dとを有している。筒面12cは、中心軸Axを中心とした円筒状に構成されている。中心軸Axは、ロータ軸方向に沿って延びている。端面12dは、筒面12cのロータ軸方向の一方側の端部に接続されて、当該端部の開口を閉塞している。筒面12cは、内周面とも称されうる。
爪12bは、ディスクロータ2のロータ軸方向の他方側(図2の左側)に配置されている。一対の爪12bは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。
図2に示されるように、ピストン15は、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側に配置され、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。ピストン15は、シリンダ12a内に第一の方向X1および第一の方向X1とは反対の第二の方向X2に移動可能に収容されている。第一の方向X1および第二の方向X2は、中心軸Axに沿っている。ピストン15は、液圧によってディスクロータ2に向けて(第一の方向X1に)移動して、ディスクロータ2との間に介在したブレーキパッド13Aをディスクロータ2に向けて押圧する。この押圧反力によってハウジング12が第二の方向X2に移動して、ハウジング12の爪12bが、ディスクロータ2と爪12bとの間に介在したブレーキパッド13Bをディスクロータ2に向けて押圧する。すなわち、一対のブレーキパッド13A,13Bは、それぞれ押圧部材であるピストン15および爪12bによってディスクロータ2に押し付けられる。
また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、不図示の隙間が空けられている。また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、円環状のシール部材20が介在している。シール部材20は、ゴム等によって構成され、弾性変形可能である。シール部材20は、シリンダ12aの筒面12cに設けられた凹部12fに入れられている。シール部材20は、ピストン15の中心軸Ax回りの回転を摩擦力によって制限する。
また、ピストン15の第一の方向X1の端面には、第二の方向X2に凹んだ凹部15jが設けられている。凹部15jには、ブレーキパッド13Aの裏板19に設けられた凸部19aが挿入されている。凸部19aは、裏板19の第二の方向X2の端面からピストン15に向けて突出している。凹部15jと凸部19aとの係合により、ピストン15の中心軸Ax回りの回転が制限される。すなわち、本実施形態では、ピストン15の中心軸Ax回りの回転の制限が、シール部材20の摩擦力の他に、凹部15jと凸部19aとの係合によっても行われる。なお、凹部15jと凸部19aとは、必須ではなく設けられていなくてもよい。
ピストン15には、収容室15aが設けられている。収容室15aは、ピストン15の第二の方向X2(端面12d側)の端面から、第一の方向X1に向かう凹状に構成されている。収容室15aの第二の方向X2の端部は、開放されている。すなわち、ピストン15は、第一の方向X1の端部が閉塞され第二の方向X2の端部が開放された円筒状に構成されている。また、図3に示されるように、ピストン15の内周面15fには、複数の凹部15d(第一の凹部)が設けられている。複数の凹部15dは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。各凹部15dは、第一の方向X1に沿って延びている。各凹部15dには、中心軸Axの周方向で互いに間隔を空けて配置された一対の面15eが設けられている。面15eは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。また、ピストン15の内周面15fにおける第一の方向X1の端部には、受部15bが設けられている。受部15bは、中心軸Axを中心とした環状の面状に構成されるとともに、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。また、ピストン15の第二の方向X2の端部には、凸部15gが設けられている。凸部15gは、ピストン15の内周面15fにおいて中心軸Axに向かう凸状に設けられている。凸部15gは、中心軸Axを中心とした円環状に構成されている。凸部15gには、受部15cが設けられている。受部15cは、第一の方向X1を向くとともに、中心軸Axを中心とした円環状の面として構成されている。面15eは、第一の面の一例であり、受部15bは、第一の受部の一例であり、受部15cは、第二の受部の一例である。
シリンダ12aの内部におけるピストン15の収容室15aとシリンダ12aの端面12dとの間は、液圧室17を構成している。液圧室17は、収容室15aを含む。液圧室17は、ハウジング12に設けられたブレーキ液通路(不図示)と通じており、液圧室17には、ブレーキ液通路を介して油等のブレーキ液の流出入がなされる。
図2に示されるように、ブレーキパッド13Aは、ディスクロータ2とピストン15の間に配置され、ブレーキパッド13Bは、ディスクロータ2と爪12bとの間に配置されている。各ブレーキパッド13A,13Bは、ディスクロータ2に面した摩擦材18と、摩擦材18のディスクロータ2とは反対側に配置された裏板19とを有している。摩擦材18と裏板19とは、ロータ軸方向に互いに重ねられてかつ互いに固定されている。摩擦材18は、ディスクロータ2に接触して摩擦力を発生する。
移動機構16は、モータ21と、減速機構22と、運動変換機構23と、を備えている。モータ21、減速機構22、および運動変換機構23は、ハウジング12に取り付けられて、ハウジング12に支持されている。モータ21、減速機構22、および運動変換機構23は、ハウジング12と一体にロータ軸方向に移動する。モータ21は、通電されることにより、駆動力(回転力)を発生する。モータ21の駆動力は、減速機構22によって減速されて、運動変換機構23に伝達される。モータ21は、不図示の制御部によって制御される。
運動変換機構23は、回転部材24と直動部材25とを有している。運動変換機構23は、モータ21による回転部材24の回転を直動部材25の直動に変換する。
回転部材24は、一部がシリンダ12aに配置された状態で中心軸Axに沿って延びている。また、回転部材24は、ハウジング12の端面12dを貫通した貫通孔12gに挿入された状態で、中心軸Ax回りに回転可能な状態にてハウジング12に支持されている。回転部材24は、雄ねじ部24aと、フランジ部24bと、を有している。雄ねじ部24aは、シリンダ12a内に配置されている。また、雄ねじ部24aの少なくとも一部は、ピストン15の収容室15a内に配置されている。フランジ部24bは、シリンダ12aの端面12dに重ねられている。回転部材24のハウジング12から突出した部分には、ハウジング12からの抜け止めのために止め輪27(クリップ)が嵌着されている。この止め輪27とフランジ部24bとがハウジング12と当接することによって、回転部材24の第一の方向X1および第二の方向X2の移動が制限される。回転部材24は、ハウジング12外で減速機構22に連結されており、減速機構22を介して伝達されるモータ21の駆動力によって中心軸Ax回りに回転する。フランジ部24bおよび止め輪27は、移動制限部とも称されうる。
直動部材25は、第一の方向X1および第二の方向X2に移動可能にピストン15の収容室15aに収容されている。直動部材25は、中心軸Axを中心とした略円筒状(環状)に構成されている。直動部材25の内周面には、雌ねじ部25aが設けられている。雌ねじ部25aは、回転部材24の雄ねじ部24aと結合されている。また、図3に示されるように、直動部材25の外周面25fには、中心軸Axの径方向に突出した複数の凸部25bが設けられている。複数の凸部25bは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。凸部25bは、第一の方向X1に沿って延びている。凸部25bにおける中心軸Axの周方向の両側の部分には、一対の面25cが設けられている。面25cは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。凸部25bは、ピストン15の凹部15dに挿入されている。凸部25bの面25cは、凹部15dの面15eと、中心軸Axの周方向で面している。これらの面25cと面15eとが接触することにより、直動部材25が回転部材24の回転軸である中心軸Ax回りに回転するのが制限される。面25cと面15eとは、回転制限機構26を構成している。凸部25bは、第二の凸部の一例であり、面25cは、第二の面の一例である。直動部材25は、ナット部材とも称されうる。
回転制限機構26によって直動部材25の回転が制限された状態で回転部材24が回転すると、雄ねじ部24aと雌ねじ部25aによって、モータ21による回転部材24の回転が直動部材25の直動に変換される。モータ21(回転部材24)が一方向(正方向)に回転することにより、直動部材25が第一の方向X1に移動され、モータ21(回転部材24)が一方向の反対方向(逆方向)に回転することにより、直動部材25が第二の方向X2に移動される。
また、図2に示されるように、直動部材25には、押部25dと押部25eとが設けられている。押部25dは、直動部材25の部分の第一の方向X1の端部に設けられている。押部25dは、中心軸Axを中心とした環状の面状であって、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。押部25eは、ピストン15の受部15bに面しており、第一の方向X1に受部15b(ピストン15)を押す。また、押部25eは、直動部材25の外周部に設けられ、第二の方向X2を向いた円環状の面状に構成されている。押部25eは、ピストン15の受部15cに面しており、受部15c(ピストン15)を第二の方向X2に押す。
上記構成では、走行モードの場合、ピストン15が非制動位置(初期位置、図2)に配置された状態から、不図示のブレーキペダルの押し込み操作がされると、液圧室17の圧力が上昇され、ピストン15は、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押す。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、ブレーキペダルの押し込み操作が解除されると、液圧室17の圧力が低下され、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X2に移動して非制動位置に戻る(図2)。これにより、ピストン15はブレーキパッド13Aを押さなくなる。この走行モードでは、ピストン15の受部15bおよび受部15cと、直動部材25の押部25dおよび押部25eと、は互いに離間している。よって、走行モードにおいて、直動部材25がピストン15の動きを妨げることがない。
また、例えば、上記の走行モードから駐車モードに変更された場合、モータ21が一方向に回転することにより、回転部材24が一方向に回転して、直動部材25が第一の方向X1に移動する。この移動の過程で直動部材25の押部25dがピストン15の受部15bと接触し、ピストン15は、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押す(図4)。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、このとき、押部25dが受部15bを押すことによりピストン15の中心軸Axの径方向の位置調整がなされる。そして、ブレーキパッド13A、ピストン15、および直動部材25の第一の方向X1への移動がディスクロータ2によって制限されると、モータ21の負荷(消費電力)が増える。モータ21の消費電力が規定量になった場合、モータ21の回転が停止する。また、駐車モードから走行モードに変更された場合、モータ21が他方向に所定量だけ回転することにより、回転部材24が他方向に所定量だけ回転して、直動部材25が第二の方向X2に移動して非制動位置(初期位置、図2)に戻る。このとき、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X1に移動して非制動位置に戻る(図2)。
また、例えば、ブレーキ液のエア抜き(ブレーキ液交換)が行われる際には、上記の駐車モードからエア抜きモードに変更される。ブレーキ液のエア抜き(ブレーキ液交換)の際には、一例として、ハウジング12の前述のブレーキ液通路に設けられた不図示のブリーダ部のプラグが緩められた状態で、エアが混合したブレーキ液が排出された後、新しいブレーキ液が充填される。エア抜きモードでは、モータ21が他方向に回転することにより、回転部材24が他方向に回転して、直動部材25が第二の方向X2に移動する。この移動の過程で直動部材25の押部25eがピストン15の受部15cと接触し、ピストン15は、第二の方向X2に移動する直動部材25に押されて第二の方向X2に移動して液圧室17の圧力を上昇させる(図5)。このとき、一例として、ピストン15および直動部材25は、ピストン15の凸部15gおよび直動部材25の第二の方向の端部が回転部材24のフランジ部24bと当接する位置(最後退位置)まで移動する。また、エア抜きモードから駐車モードに変更された場合、モータ21が一方向に回転することにより、回転部材24が一方向に回転して、直動部材25が第一の方向X1に移動する。この移動の過程で直動部材25の押部25dがピストン15の受部15bと接触し、ピストン15は、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押す(図4)。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。このエア抜きモードでは、液圧室17の圧力を上昇させるにあたって、液圧室17の効率の良いエア抜きのため、不図示のマスタシリンダと車両用電動ブレーキ装置1とを繋ぐブレーキ液圧路の途中に設けられる不図示の弁機構を用いて、マスタシリンダ側への液圧室17の圧力漏れを抑制するようにしている。前述の弁機構としては、例えば、ABSやESC等の液圧制御装置や、ホースプライヤなどの遮断手段などを例示することができる。
エア抜きモードでは、第二の方向X2へのピストン15の移動によって液圧室17の圧力が高くなると、ピストン15ひいては直動部材25にかかる軸方向の反力の増大によって、回転部材24から直動部材25に伝達される中心軸Ax回りの力が増大し易い。これに対して、本実施形態では、ピストン15の中心軸Ax回りの回転の制限が、シール部材20の摩擦力の他に、凹部15jと凸部19aとの係合によってもなされるので、ピストン15の中心軸Ax回りの回転止めをより確実に行うことができる。
また、本実施形態では、押部25d(第一の押部)と受部15b(第一の受部)との間の第一の方向X1における第一の距離D1(図2)と、押部25e(第二の押部)と受部15c(第二の受部)との間の第一の方向X1における第二の距離D2(図2)と、の第一の合計値が、液圧室17の圧力の低下に伴うピストン15の第二の方向X2への移動距離D3と摩擦材18の初期厚さD4との第二の合計値よりも大きい。ここで、図2中の線L1は、ピストン15の制動時(液圧増加時)のピストン15の第一の方向X1の端面の位置を示している。
以上、説明したように、本実施形態では、ピストン15は、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押圧可能であるとともに、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押圧可能であり、第二の方向X2に移動する直動部材25に押されて第二の方向X2に移動して液圧室17の圧力を上昇させる。よって、例えば、車両用電動ブレーキ装置1のエア抜き作業において、ピストン15が第二の方向X2に移動する直動部材25に押されて第二の方向X2に移動して液圧室17の圧力を上昇させることにより、液圧室17の圧力を上昇させるための作業員によるブレーキペダルの踏み込み作業が必要ない。したがって、例えば、エア抜き作業に必要な作業員の人数を減らすことができるので、エア抜き作業(ブレーキ液交換作業)がしやすい。また、このとき、例えば、液圧室17の液圧を制御するマスタシリンダや液圧制御弁ブロックのポンプ等の液圧源を駆動させなくても、ブレーキ液通路および液圧室17を含むブレーキ液圧系統内の液圧を上昇させることができる。また、本実施形態では、直動部材25および回転部材24を動かしながらエア抜きが行われるので、直動部材25と回転部材24との間等にもエア残りが起こりにくく、エア抜きをより確実に行うことができる。
また、本実施形態では、一例として、ピストン15には、直動部材25を第一の方向X1および第二の方向X2に移動可能に収容する収容室15aと、凹部15d(第一の凹部)と、が設けられ、直動部材25には、第二の方向X2にピストン15を押す押部25e(第二の押部)と、凸部25b(第二の凸部)と、が設けられている。また、回転制限機構26は、凹部15dにおいて周方向を臨む面15e(第一の面)と、凸部25b(第二の凸部)において周方向を臨む面25c(第二の面)と、の接触により、直動部材25が回転部材24の中心軸Ax(回転軸)回りに回転するのを制限する。そして、押部25eが、凸部25bのみに設けられている。このように、押部25eが、凸部25bのみに設けられているので、例えば、押部25eが直動部材25の周方向全域にわたって凸部25b以外にも設けられている場合と異なり、凸部25b以外の部分についてはピストン15の受部15cとの当接にかかる形状寸法精度を考慮しなくてもよいため、車両用電動ブレーキ装置1の構成を簡素化しやすい。
また、本実施形態では、直動部材25は、第一の方向X1にピストン15を押す押部25d(第一の押部)と、第二の方向X2にピストン15を押す押部25e(第二の押部)と、を有し、ピストン15は、第一の方向X1に押部25d(第一の押部)から押される受部15b(第一の受部)と、第二の方向X2に押部25d(第二の押部)から押される受部15c(第二の受部)と、を有している。そして、押部25dと受部15bとの間の第一の方向X1における第一の距離D1と、押部25e(第二の押部)と受部15c(第二の受部)との間の第一の方向X1における第二の距離D2と、の第一の合計値が、液圧室17の圧力の低下に伴うピストン15の第二の方向X2への移動距離D3とブレーキパッド13Aを構成する摩擦材18の初期厚さD4との第二の合計値よりも大きい。よって、図6に示されるブレーキパッド13Aの摩擦材18が摩耗した状態であっても、ピストン15は、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押し、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押し、第二の方向X2に移動する直動部材25に押されて第二の方向X2に移動して液圧室17の圧力を上昇させる、ことができる。なお、図6中には、ブレーキパッド13A,13Bが新品の場合(図2)の直動部材25の初期位置が一点鎖線で示されている。
なお、ピストン15には、凹部15d(第一の凹部)に替えて第一の凸部が設けられ、直動部材25には、凸部25b(第二の凸部)に替えて第二の凹部が設けられていてもよい。この場合、回転制限機構26は、第一の凸部において中心軸Axの周方向を臨む面(第一の面)と、第二の凹部において中心軸Axの周方向を臨む面(第二の面)と、の接触により、直動部材25が回転部材24の中心軸Ax回りに回転するのを制限する。
以下に、ブレーキパッド13A,13Bの交換後等に行われるエア抜き作業の手順について説明する。まず、作業者は、マスタシリンダに付設されたリザーバタンクのブレーキ液の残量を確認し、残量が少なければリザーバタンクにブレーキ液を補充する。次に、作業者は、前述の弁機構等によってマスタシリンダと車両用電動ブレーキ装置1間のブレーキ液通路を遮断する。次に、作業者は、前述のブリーダ部にブレーキ液回収用容器をセットする。次に、作業者は、前述のエア抜きモードにてエア抜きを行う。次に、作業者は、ブリーダ部のブレーキ液回収用容器を取り外す。次に、作業者は、ブレーキ液をリザーバタンクに補充して、エア抜き作業を完了する。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1…車両用電動ブレーキ装置、13A,13B…ブレーキパッド、15…ピストン、15a…収容室、15b…受部(第一の受部)、15c…受部(第二の受部)、15d…凹部(第一の凹部)、15e…面(第一の面)、16…移動機構、17…液圧室、18…摩擦材、21…モータ、23…運動変換機構、24…回転部材、25…直動部材、25b…凸部(第二の凸部)、25c…面(第二の面)、25d…押部(第一の押部)、25e…押部(第二の押部)、26…回転制限機構、D1…第一の距離、D2…第二の距離、D3…移動距離、D4…初期厚さ、X1…第一の方向、X2…第二の方向、Ax…中心軸(回転軸)。

Claims (3)

  1. モータと、
    回転部材と直動部材とを有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、
    シリンダおよび液圧室が設けられたハウジングと、
    前記シリンダ内に第一の方向および前記第一の方向とは反対の第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドを押圧可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを押圧可能であり、前記第二の方向に移動する前記直動部材に押されて前記第二の方向に移動して前記液圧室の圧力を上昇させる、ピストンと、
    を備えた、車両用電動ブレーキ装置。
  2. 前記ピストンには、前記直動部材を前記第一の方向および前記第二の方向に移動可能に収容する収容室と、第一の凸部または第一の凹部と、が設けられ、
    前記直動部材には、前記第二の方向に前記ピストンを押す第二の押部と、第二の凹部または第二の凸部と、が設けられ、
    前記第一の凸部または前記第一の凹部において前記回転部材の回転軸の周方向を臨む第一の面と、前記第二の凹部または前記第二の凸部において前記周方向を臨む第二の面と、の接触により、前記直動部材が前記回転軸回りに回転するのを制限する回転制限機構、を備え、
    前記第二の押部が、前記第二の凹部または前記第二の凸部に設けられた、請求項1に記載の車両用電動ブレーキ装置。
  3. 前記直動部材は、前記第一の方向に前記ピストンを押す第一の押部と、前記第二の方向に前記ピストンを押す第二の押部と、を有し、
    前記ピストンは、前記第一の方向に前記第一の押部から押される第一の受部と、前記第二の方向に前記第二の押部から押される第二の受部と、を有し、
    前記第一の押部と前記第一の受部との間の前記第一の方向における第一の距離と、前記第二の押部と前記第二の受部との間の前記第一の方向における第二の距離と、の第一の合計値が、前記液圧室の圧力の低下に伴う前記ピストンの前記第二の方向への移動距離と前記ブレーキパッドを構成する摩擦材の初期厚さとの第二の合計値よりも大きい、請求項1または2に記載の車両用電動ブレーキ装置。
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