JP2017133557A - 車両のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増大を来すことなくシールリングの摩耗を十分に抑制して良好なシール性を確保する。【解決手段】軸回り方向において相対回転自在に設けられ内部で流体が流動される第1の部材4と第2の部材3の間のシールを行う車両のシール構造において、第1の部材に軸方向に離隔して第1の環状溝6と第2の環状溝7が形成され、第1の環状溝に合口を有する第1のシールリング8が配置され、第2の環状溝に合口を有する第2のシールリング10が配置され、流体の流動方向が第1のシールリング側から第2のシールリング側にされ、第1のシールリングのシール性が第2のシールリングのシール性より低くされた。【選択図】図2

Description

本発明は、相対回転自在に設けられ内部で流体が流動される第1の部材と第2の部材の間のシールを行う車両のシール構造についての技術分野に関する。
特開平9−96363号公報 特開2001−141065号公報
車両には、例えば、動力伝達機構等の各機構において、相対回転自在にされた第1の部材と第2の部材の内部で潤滑オイル等の流体が流動される構造が設けられている。
このような構造としては、例えば、ハウジング(トランスミッションケース)に略円筒状の軸部材が回転自在に支持され、軸部材の内部とハウジングの内部空間との間で流体が流動される構造がある。
流体が流動される構造においては、流体の不必要な漏れ出しを防止して流体が必要な流路を流動されるようにするためのシール構造が設けられている。シール構造は、例えば、軸部材に形成された環状溝にシールリングが配置され、シールリングによって軸部材とハウジングの内周面との間の隙間が封止されて流体の適正な流動状態が確保される構成にされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
このようなシール構造においては、シールリングが流体の圧力によって環状溝を形成する壁面に押し付けられるため、シールリングに摩耗が生じるおそれがある。このような摩耗が生じてしまうと、シールリングによるシール性が低下して流体の適正な流動状態が損なわれてしまう。
そこで、特許文献1に記載されたシール構造にあっては、シールリングにおける環状溝を形成する壁面に押し付けられる部分に溝(連通溝)が形成され、溝によってシールリングと壁面の間に潤滑膜を形成させてシールリングの摩耗を抑制するように構成されている。
しかしながら、シールリングに溝を形成した場合においても、シールリングの摩耗が進んでいくと、摩耗により溝の深さが小さくなっていくため潤滑膜が形成され難くなり、シールリングの摩耗を十分に抑制することができなくなる可能性がある。
そこで、特許文献2に記載されたシール構造にあっては、シールリングの溝に連続する部分に斜面を形成し、摩耗が進んだ状態においても斜面によって溝への流体の流路を確保してシールリングの摩耗を低減するように構成されている。
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載されたシール構造において、溝の幅や深さを大きくすることにより潤滑膜が形成され易い状態になるが、溝の幅や深さを大きくすると溝からの流体の流動量(リーク量)が増加してしまい、シールリングによる良好なシール性が妨げられてしまう。
従って、溝の幅や深さを一定の範囲内で形成する必要があるが、溝の幅や深さが小さくなるとシールリングの摩耗が生じ易くなると言う不都合を生じてしまう。
また、シールリングに溝や斜面を形成するための2次加工が必要になる場合もあり、2次加工による製造コストの増大を来すおそれもある。
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、製造コストの増大を来すことなくシールリングの摩耗を十分に抑制して良好なシール性を確保することを目的とする。
第1に、本発明に係る車両のシール構造は、軸回り方向において相対回転自在に設けられ内部で流体が流動される第1の部材と第2の部材の間のシールを行う車両のシール構造であって、前記第1の部材に軸方向に離隔して第1の環状溝と第2の環状溝が形成され、前記第1の環状溝に合口を有する第1のシールリングが配置され、前記第2の環状溝に合口を有する第2のシールリングが配置され、前記流体の流動方向が前記第1のシールリング側から前記第2のシールリング側にされ、前記第1のシールリングのシール性が前記第2のシールリングのシール性より低くされたものである。
これにより、流体の流動路における第1のシールリングより上流側の流体圧と、第1のシールリングと第2のシールリングの間の流体圧との圧力差が小さくなり、第1のシールリングの第1の部材に対する押付力が低下する。
第2に、上記した本発明に係る車両のシール構造においては、前記第1のシールリングの前記合口の間隙が前記第2のシールリングの前記合口の間隙より大きくされることが望ましい。
これにより、合口の形態によって第1のシールリングと第2のシールリングのシール性が異なる。
第3に、上記した本発明に係る車両のシール構造においては、前記第1の部材と前記第2の部材の間の隙間が前記第1のシールリングと前記第2のシールリングによって三つの空間に仕切られ、前記三つの空間は前記流体の流動方向において順に第1の空間と第2の空間と第3の空間として形成され、前記第2の空間における流体圧が前記第1の空間における流体圧より低くされ、前記第3の空間における流体圧が前記第2の空間における流体圧より低くされ、前記第1の空間における流体圧と前記第2の空間における流体圧との差が前記第2の空間における流体圧と前記第3の空間における流体圧との差より小さくされることが望ましい。
これにより、第1のシールリングの第1の環状溝を形成する壁に対する押付力が第2のシールリングを形成する壁に対する押付力より小さくされる。
第4に、上記した本発明に係る車両のシール構造においては、前記第1のシールリングとしてストレートカットタイプが用いられ、前記第2のシールリングとしてステップカットタイプが用いられることが望ましい。
これにより、第1のシールリング及び第2のシールリングにそれぞれ簡素な構成のシールリングが用いられる。
本発明によれば、流体の流動路における第1のシールリングより上流側の流体圧と、第1のシールリングと第2のシールリングの間の流体圧との圧力差が小さくなり、第1のシールリングの第1の部材に対する押付力が低下するため、製造コストの増大を来すことなくシールリングの摩耗を十分に抑制して良好なシール性を確保することができる。
図2乃至図8と共に本発明車両のシール構造の実施の形態を示すものであり、本図は、車両における動力伝達機構等の概略構成を示す図である。 シール構造を示す断面図である。 第1のシールリングの斜視図である。 第1のシールリングの合口を示す図である。 第2のシールリングの斜視図である。 第2のシールリングの合口を示す図である。 ダブルステップカットタイプのシールリングの一部を示す図である。 バイアスカットタイプのシールリングの一部を示す図である。
以下に、本発明車両のシール構造を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
<動力伝達機構等の概略構成>
先ず、シール構造を有する車両に設けられた動力伝達機構等の概略構成を説明する(図1参照)。
車両100は、例えば、4輪駆動(4WD)タイプであり、前端側にエンジン(内燃機関)101を有し、エンジン101には図示しないトルクコンバーターや摩擦クラッチ等によってトランスミッション(自動変速機)102が接続されている。尚、車両100がEV(Electric Vehicle:電気自動車)やHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド電気自動車)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:プラグインハイブリッド電気自動車)等である場合には、エンジン101に代えて、又は、エンジン101とともにモーターが設けられている。また、車両100は2輪駆動(2WD)タイプであってもよい。
トランスミッション102には内部に図示しない遊星歯車機構や電子制御カップリング103が設けられている。尚、トランスミッション102の内部機構として無段変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)が用いられていてもよい。
トランスミッション102にはフロントデファレンシャル104が接続されている。フロントデファレンシャル104には左右の前輪駆動軸105、105が連結され、前輪駆動軸105、105にはそれぞれ前輪106、106が連結されている。従って、エンジン101の駆動力はフロントデファレンシャル104及び前輪駆動軸105、105を介して前輪106、106に伝達される。
車両100のコーナーリング時にはフロントデファレンシャル104によって前輪106、106の左右の回転数の差が吸収され、エンジン101から前輪106、106に同じトルクが伝達される。
トランスミッション102の後端部にはプロペラシャフト107が連結されている。エンジン101からトランスミッション102に伝達される駆動力はトランスミッション102からプロペラシャフト107に伝達されてプロペラシャフト107が回転される。
プロペラシャフト107は前後に延びる状態で配置され、プロペラシャフト107の後端部にはリアデファレンシャル108が接続されている。リアデファレンシャル108には左右の後輪駆動軸109、109が連結され、後輪駆動軸109、109にはそれぞれ後輪110、110が連結されている。従って、プロペラシャフト107に伝達されたエンジン101の駆動力はリアデファレンシャル108及び後輪駆動軸109、109を介して後輪110、110に伝達される。
車両100のコーナーリング時にはリアデファレンシャル108によって後輪110、110の左右の回転数の差が吸収され、エンジン101から後輪110、110に同じトルクが伝達される。
<シール構造の構成>
次に、シール構造の構成について説明する(図2乃至図6参照)。
シール構造は、軸回り方向において相対回転自在に設けられ内部で流体が流動される第1の部材と第2の部材の間のシールを行う構造であり、動力伝達機構等の各機構において設けられている。
尚、以下には、例として、トランスミッション102において設けられたシール構造について説明する。
トランスミッション102はハウジング1の内外に所要の各部が配置されて構成されている。ハウジング1は前後に離隔して位置された固定部2と支持部3を有している(図2参照)。固定部2と支持部3は金属材料によって形成されている。
固定部2には前後に貫通された第1の流動孔2aが形成されている。固定部2には支持部3側に開口された固定孔2bが形成され、固定孔2bは第1の流動孔2aより一回り径が大きくされている。固定孔2bと第1の流動孔2aは同軸に形成されている。
支持部3は相対回転自在に設けられた第1の部材と第2の部材のうち第2の部材として機能し、固定部2に対して回転可能にされている。支持部3には前後に貫通された第2の流動孔3aが形成され、第2の流動孔3aは固定孔2bより僅かに径が大きくされている。第2の流動孔3aと第1の流動孔2aは同軸に形成されている。
ハウジング1には固定部2と可動部3の間に流出孔1a、1a、・・・が形成されている。流出孔1a、1a、・・・は第1の流動孔2aと第2の流動孔3aに対して、例えば、直交する流路として形成されている。
固定部2には軸部材4が固定されている。軸部材4は相対回転自在に設けられた第1の部材と第2の部材のうち第1の部材として機能する。
軸部材4は金属材料によって前後に延びる略円筒状に形成され、内部空間が流動空間4aとして形成されている。軸部材4は外径が固定部2の固定孔2bの径と略同じにされ、前側の部分が固定孔2bに、例えば、圧入によって固定部2に固定されている。軸部材4は固定部2に固定された状態において、後側の部分が支持部3の第2の流動孔3aに挿入されている。
軸部材4は外径が第2の流動孔3aの径より僅かに小さくされている。従って、軸部材4の外周面と支持部3の内周面との間には一定の隙間5が形成されている。隙間5は支持部3を軸部材4に対して軸回り方向へ円滑に回転させるためのクリアランスである。
軸部材4における後側の部分には第1の環状溝6と第2の環状溝7が前後に離隔して形成されている。軸部材4は後側の部分が支持部3の第2の流動孔3aに挿入された状態において、第1の環状溝6と第2の環状溝7が第2の流動孔3aに位置されている。
第1の環状溝6と第2の環状溝7は外方に開口された円環状の溝であり、第1の環状溝6が第2の環状溝7の後側に位置されている。第1の環状溝6は底面壁6aと前面壁6bと後面壁6cによって形成され、第2の環状溝7は底面壁7aと前面壁7bと後面壁7cによって形成されている。
第1の環状溝6には第1のシールリング8が配置されている。第1のシールリング8は、例えば、樹脂材料によって略円環状に形成されている(図3及び図4参照)。第1のシールリング8は合口9を有し、合口9の先端面9a、9aが、例えば、周方向において対向するストレートカットタイプにされている。
第1のシールリング8は外径が支持部3の第2の流動孔3aの径と略同じにされ、内径が軸部材4の第2の環状溝6を形成する底面壁6aの径より僅かに大きくされ、前後方向における幅が第1の環状溝6の溝幅より僅かに小さくされている(図2参照)。第1のシールリング8は外周面が接触面8aとして形成され前面が摺動面8bとして形成されている。
第1のシールリング8は第2の流動孔3aに挿入された軸部材4の第1の環状溝6に配置された状態において、接触面8aが支持部3の内周面に密着された状態で接する。
第2の環状溝7には第2のシールリング10が配置されている。第2のシールリング10は、例えば、樹脂材料によって略円環状に形成されている(図5及び図6参照)。第2のシールリング10は合口11を有し、合口11の先端部11a、11aが、例えば、階段状に形成されたステップカットタイプにされている。第2のシールリング10は合口11における間隙11bが第1のシールリング8の合口9における間隙9bより小さくされている(図4及び図6参照)。
第2のシールリング10は外径が支持部3の第2の流動孔3aの径と略同じにされ、内径が軸部材4の第2の環状溝7を形成する底面壁7aの径より僅かに大きくされ、前後方向における幅が第2の環状溝7の溝幅より僅かに小さくされている。第2のシールリング10は外周面が接触面10aとして形成され前面が摺動面10bとして形成されている。
第2のシールリング10は第2の流動孔3aに挿入された軸部材4の第2の環状溝7に配置された状態において、接触面10aが支持部3の内周面に密着された状態で接する(図2参照)。
上記したように、第1のシールリング8としてはストレートカットタイプが用いられ、第2のシールリング10としてはステップカットタイプが用いられており、一般に、ストレートカットタイプのシールリングの合口における流体の流動量(リーク量)はステップカットタイプのシールリングの合口における流体の流動量(リーク量)より大きくされている。従って、第1のシールリング8のシール性は第2のシールリング10のシール性より低くされている。
第1の環状溝6と第2の環状溝7にそれぞれ第1のシールリング8と第2のシールリング10が配置され軸部材4が第2の流動孔3aに挿入された状態においては、軸部材4の外周面と支持部3の内周面との間の隙間5が第1のシールリング8と第2のシールリング10によって仕切られる。隙間5は第1のシールリング8と第2のシールリング10によって仕切られることにより、後側から順に第1の空間5aと第2の空間5bと第3の空間5cとして形成され、第1の空間5aは第1のシールリング8の後側の空間とされ、第2の空間5bは第1のシールリング8と第2のシールリング10の間の空間とされ、第3の空間5cは第2のシールリング10の前側の空間とされ流出孔1a、1a、・・・に連通される。第3の空間5cと流出孔1a、1a、・・・は大気開放されている。
<流体の流動状態>
次に、流体状態について説明する(図2参照)。
車輌100の走行時等には固定部2と軸部材4に対して支持部3と第1のシールリング8と第2のシールリング10が一体になって軸回り方向へ回転される。このとき図示しないオイルポンプから流体(潤滑オイル)がトランスミッション102の内部に供給され、供給された流体が固定部2の第1の流動孔2aから軸部材4の流動空間4aを経て支持部3の第2の流動孔3aへ向けて流動される(図2の矢印参照)。
第2の流動孔3aに流動された流体は第2の流動孔3aを後方へ向けて流動される他、一部が隙間5に流入される。流体は隙間5の第1の空間5aに流入され、第1のシールリング8は流体圧を受けて摺動面8bが軸部材4の第1の環状溝6を形成する前面壁6bに押し付けられた状態で支持部3と一体になって回転される。
このとき第1の空間5aに流入された流体が第1の空間5aから第1のシールリング8の合口9を介して第2の空間5bに流入されるため、第2のシールリング10は流体圧を受けて摺動面10bが軸部材4の第2の環状溝7を形成する前面壁7bに押し付けられた状態で支持部3と一体になって回転される。
支持部3と第1のシールリング8と第2のシールリング10が一体になって固定部2に対して回転されるときには、上記したように第1のシールリング8の摺動面8bが前面壁6bに摺動されると共に第2のシールリング10の摺動面10bが前面壁7bに摺動されるため、第1のシールリング8と第2のシールリング10による支持部3と軸部材4の間の良好なシール性が確保される。
第1の空間5aから第2の空間5bに流入された流体は、第2の空間5bから第2のシールリング10の合口11を介して第3の空間5bを経て流出孔1a、1a、・・・に流入される。
隙間5を流動される流体は、上記したように、第1の空間5aから第2の空間5bを経て第3の空間5cに流入されるが、第1のシールリング8と第2のシールリング10においては第1のシールリング8のシール性が第2のシールリング10のシール性より低くされている。従って、同じシール性を有する第1のシールリングと第2のシールリングを用いる場合に比し、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差が小さくなり、流体圧による第1のシールリング8の前面壁6bに対する押付力が低減される。
上記したように、隙間5は第3の空間5cが大気開放されており、第3の空間5cにおける流体圧は第2の空間5bにおける流体圧より低くされ、第2の空間5bにおける流体圧は第1の空間5aにおける流体圧より低くされている。また、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差は、第2の空間5bにおける流体圧と第3の空間5cにおける流体圧との差より小さくされている。
<まとめ>
以上に記載した通り、車両100のシール構造にあっては、第1の環状溝6に合口9を有する第1のシールリング8が配置され、第2の環状溝7に合口11を有する第2のシールリング10が配置され、流体の流動方向が第1のシールリング8側から第2のシールリング10側にされている状態において、第1のシールリング8のシール性が第2のシールリング10のシール性より低くされている。
従って、同じシール性を有する第1のシールリングと第2のシールリングを用いる場合に比し、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差が小さくなり、流体圧による第1のシールリング8の前面壁6bに対する押付力が低減され、製造コストの増大を来すことなく第1のシールリング8の摩耗を十分に抑制して良好なシール性を確保することができる。
また、第1のシールリング8における合口9の間隙9bが第2のシールリング10における合口11の間隙11bより大きくされて第1のシールリング8のシール性が第2のシールリング10のシール性より低くされることにより、合口9、11の形態によって第1のシールリング8と第2のシールリング10のシール性が異なるため、簡素な構造によってそれぞれ第1のシールリング8と第2のシールリング10における必要なシール性を確保することができる。
さらに、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差が、第2の空間5bにおける流体圧と第3の空間5cにおける流体圧との差より小さくされている。
従って、第1のシールリング8の前面壁6bに対する押付力が第2のシールリング10の前面壁7bに対する押付力より小さくされるため、第1のシールリング8の摩耗を一層低減することができる。
尚、上記には、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差が、第2の空間5bにおける流体圧と第3の空間5cにおける流体圧との差より小さくされた例を示したが、逆に、第2の空間5bにおける流体圧と第3の空間5cにおける流体圧との差が、第1の空間5aにおける流体圧と第2の空間5bにおける流体圧との差より小さくなる構成にすることも可能である。この場合には、第2のシールリング10の前面壁7bに対する押付力が第1のシールリング8の前面壁6bに対する押付力より小さくされるため、第2のシールリング10の摩耗を低減することができる。
さらに、第1のシールリング8としてストレートカットタイプが用いられ、第2のシールリング10としてステップカットタイプが用いられることにより、第1のシールリング8及び第2のシールリング10にそれぞれ簡素な構成のシールリングが用いられ、製造コストの高騰を来すことなく第1のシールリング8の摩耗を低減することができる。
尚、上記には、第1のシールリング8としてストレートカットタイプが用いられ第2のシールリング10としてステップカットタイプが用いられた例を示したが、シールリングにはストレートカットタイプ及びステップカットタイプ以外にも各種のタイプが存在する(図7乃至図8参照)。
例えば、シールリングには、図7に示すように、ダブルステップカットタイプ(特殊ステップカットタイプ)や、図8に示すように、スカーフカットタイプ(バイアスカットタイプ)等も存在する。従って、第1のシールリング8と第2のシールリング10として、ストレートカットタイプ、ステップカットタイプ、ダブルステップカットタイプ及びスカーフカットタイプ等の各種のタイプの中からそれぞれ任意のタイプを用い、第1のシールリング8のシール性を第2のシールリング10のシール性より低くするように構成することが可能である。
また、第1のシールリング8と第2のシールリング10として同じカットタイプを用い、合口の間隙を異なる大きさにして第1のシールリング8のシール性を第2のシールリング10のシール性より低くするように構成することも可能である。
例えば、第1のシールリング8と第2のシールリング10として、ともにストレートカットタイプを用い、第1のシールリング8における合口の間隙を第2のシールリング10における合口の間隙より大きくして第1のシールリング8のシール性を第2のシールリング10のシール性より低くすることが可能である。
さらに、第1のシールリング8と第2のシールリング10としてともにスカーフカットタイプを用い、合口の傾斜角度を異なる角度にして第1のシールリング8のシール性を第2のシールリング10のシール性より低くすることも可能である。
加えて、第1のシールリング8と第2のシールリング10としてともにステップカットタイプ又は特殊ステップカットタイプを用い、合口の重なり合う部分の長さを異なる長さにして第1のシールリング8のシール性を第2のシールリング10のシール性より低くすることも可能である。
<その他>
上記には、固定部2と軸部材4に対して支持部3と第1のシールリング8と第2のシールリング10が一体になって回転される例を示したが、逆に、支持部3と第1のシールリング8と第2のシールリング10に対して固定部2と軸部材4が一体になって回転される構成にされていてもよい。
また、上記には、固定部2が固定されている例を示したが、固定部2が固定されておらず、固定部2が軸部材4と異なる回転速度で回転される構成であってもよい。
また、上記には、軸部材4が第1の部材として機能しハウジング1の支持部3が第2の部材として機能する例を示したが、逆に、軸部材4が第2の部材として機能し支持部3が第1の部材として機能するように構成することも可能である。この場合には、第1の部材として機能する支持部3に第1の環状溝と第2の環状溝が形成され、第1の環状溝と第2の環状溝にそれぞれ第1のシールリングと第2のシールリングが配置され、軸部材4と第1のシールリング8と第2のシールリング10が一体になって支持部3に対して相対的に回転される。
100…車両、3…支持部(第2の部材)、4…軸部材(第1の部材)、5…隙間、5a…第1の空間、5b…第2の空間、5c…第3の空間、6…第1の環状溝、7…第2の環状溝、8…第1のシールリング、9…合口、9b…間隙、10…第2のシールリング、11…合口、11b…間隙

Claims (4)

  1. 軸回り方向において相対回転自在に設けられ内部で流体が流動される第1の部材と第2の部材の間のシールを行う車両のシール構造であって、
    前記第1の部材に軸方向に離隔して第1の環状溝と第2の環状溝が形成され、
    前記第1の環状溝に合口を有する第1のシールリングが配置され、
    前記第2の環状溝に合口を有する第2のシールリングが配置され、
    前記流体の流動方向が前記第1のシールリング側から前記第2のシールリング側にされ、
    前記第1のシールリングのシール性が前記第2のシールリングのシール性より低くされた
    車両のシール構造。
  2. 前記第1のシールリングの前記合口の間隙が前記第2のシールリングの前記合口の間隙より大きくされた
    請求項1に記載の車両のシール構造。
  3. 前記第1の部材と前記第2の部材の間の隙間が前記第1のシールリングと前記第2のシールリングによって三つの空間に仕切られ、
    前記三つの空間は前記流体の流動方向において順に第1の空間と第2の空間と第3の空間として形成され、
    前記第2の空間における流体圧が前記第1の空間における流体圧より低くされ、
    前記第3の空間における流体圧が前記第2の空間における流体圧より低くされ、
    前記第1の空間における流体圧と前記第2の空間における流体圧との差が前記第2の空間における流体圧と前記第3の空間における流体圧との差より小さくされた
    請求項1又は請求項2に記載の車両のシール構造。
  4. 前記第1のシールリングとしてストレートカットタイプが用いられ、
    前記第2のシールリングとしてステップカットタイプが用いられた
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車両のシール構造。
JP2016012282A 2016-01-26 2016-01-26 車両のシール構造 Active JP6641184B2 (ja)

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