JP7110921B2 - 車両用ディファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ディファレンシャル装置に関し、特にピニオンシャフトをデフケースに固定するための固定構造に関するものである。
回転軸線まわりに回転可能に設けられ、外周壁に一対の貫通穴を有するデフケースと、一対の貫通穴に挿通される円柱状のピニオンシャフトと、デフケース内に収容され、ピニオンシャフトにより回転軸線に直交する中心軸線まわりに回転可能に支持される一対のピニオンギヤとを備える車両用ディファレンシャル装置が知られている。たとえば特許文献1に記載の車両用ディファレンシャル装置がそれである。
特許文献1に記載の車両ディファレンシャル装置では、ピニオンシャフトは、スナップリングによってデフケースに固定されている。これにより、特許文献1に記載の車両ディファレンシャル装置は、たとえばデフケースおよびピニオンシャフトにそれぞれ形成されたピン穴に固定ピンを圧入するとともに固定ピンの抜け止めとしてデフケースをかしめてピニオンシャフトとデフケースとを固定する場合と比べて、デフケースの小型化に際してデフケースの材質強度を上げたときに発生するかしめ性の悪化などの不具合を抑制することができる。
特開2017-137974号公報
ところで、上記特許文献1に記載の車両用ディファレンシャル装置では、ピニオンシャフトとピニオンギヤとの間の摺動部に潤滑油による潤滑が為される。しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用ディファレンシャル装置では、車両前進時にはデフケースが回転しているため、摺動部に供給される潤滑油はデフケースの回転による遠心力によって飛散してしまい、摺動部の潤滑に必要な潤滑油が十分に供給されない可能性があった。これにより、摺動部の潤滑不足が生じて、ピニオンシャフトおよびピニオンギヤの耐焼き付き性が低下する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ピニオンシャフトとピニオンギヤとの間の摺動部の潤滑に必要な潤滑油を十分に供給することができる車両用ディファレンシャル装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、回転軸線まわりに回転可能に設けられ、外周壁に一対の貫通穴を有するデフケースと、前記一対の貫通穴に挿通される円柱状のピニオンシャフトと、前記デフケース内に収容され、前記ピニオンシャフトにより前記回転軸線に直交する中心軸線まわりに回転可能に支持される一対のピニオンギヤと、を備える車両用ディファレンシャル装置であって、前記ピニオンシャフトは、前記ピニオンシャフトと前記デフケースとを固定するための一対のスナップリングがそれぞれ嵌め入れられる環状溝を有し、前記環状溝は、前記ピニオンシャフトが前記デフケースに固定された状態において、前記デフケースの外周壁から突出する前記ピニオンシャフトの両端部にそれぞれ形成され、前記スナップリングと前記デフケースとの間には、車両前進時に前記デフケースの回転方向に開口する開口部を有し、前記開口部から前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間の摺動部に潤滑油を導くための潤滑油路が、形成されていることにある。
本発明の車両用ディファレンシャル装置によれば、前記デフケースの外周壁から突出する前記ピニオンシャフトの両端部にそれぞれ形成された前記環状溝に前記スナップリングが嵌め入れられて、前記ピニオンシャフトと前記デフケースとが前記スナップリングで固定されている。さらに、車両用ディファレンシャル装置には、前記スナップリングと前記デフケースとの間には、車両前進時における前記デフケースの回転方向に開口する開口部を有し、且つ前記開口部から前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間の摺動部に潤滑油を導くための潤滑油路が、形成されている。これにより、たとえば車両前進時における前記デフケースの回転によって、前記デフケースを収容するトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油に前記開口部が浸漬させられる。そのため、車両用ディファレンシャル装置は、前記開口部から潤滑油が流入して前記潤滑油路内に保持されてその前記潤滑油路を介して前記摺動部に導かれるとともに、前記スナップリングによって前記デフケースの回転による遠心力によって潤滑油が前記摺動部から前記貫通穴を介して前記デフケースの外部に流出されることを抑制することができる。したがって、前記摺動部に潤滑油を十分に供給することができるので、前記ピニオンシャフトおよび前記ピニオンギヤの耐焼き付き性が低下することを抑制することができる。
本発明の一実施例である車両用ディファレンシャル装置の回転軸線を含む断面図である。 図1の車両用ディファレンシャル装置に設けられるデフケースの要部を示す図であり、図1のII-II視正面図である。 図1の車両用ディファレンシャル装置の要部を拡大して示す拡大図である。 図1のスナップリングを拡大して示す図であり、スナップリングの側面図を示す。 図1のスナップリングを拡大して示す図であり、スナップリングの正面図を示す。 本発明の他の実施例における車両用ディファレンシャル装置の回転軸線を含む断面図である。 図6の車両用ディファレンシャル装置に設けられるデフケースの要部を示す図であり、図6のVII-VII視正面図である。 図6の車両用ディファレンシャル装置の要部を拡大して示す側面図である。 図6のスナップリングを拡大して示す図であり、スナップリングの正面図を示す。
本発明は、エンジン駆動車両に適用されているが、走行用の駆動力源としてエンジンの他に走行用回転機すなわち駆動用電動機を有するハイブリッド車両等や駆動力源として電動モータのみを備えている電気自動車などに適用され得る。
本発明のディファレンシャル装置は、例えばディファレンシャル装置に対して動力を伝達する変速機と共に共通のケース内に収容されている車両用トランスアクスルのディファレンシャル装置に好適に適用されるが、車両用或いは車両用以外のその他のディファレンシャル装置に適用することも可能である。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本実施例が適用された車両10の車両用ディファレンシャル装置12の断面図で、車両用ディファレンシャル装置12の回転軸線Cを含む断面を示した図である。図2は、車両用ディファレンシャル装置12に設けられるデフケース14の要部を示す図であり、図1のII-II視断面図である。図1および図2の矢印Rは、たとえば車両10が前進走行している時のデフケース14の回転方向Rを示している。なお、図1および図2においては、図面下方は車両下方であり、図面上方は車両上方である。
この車両用ディファレンシャル装置12は、例えば図示しない変速機と共に共通の図示しないトランスアクスルケース内に収容されている車両用トランスアクスルのディファレンシャル装置であり、回転軸線Cまわりに回転駆動されるデフケース14を備えている。車両用ディファレンシャル装置12は、それぞれ回転軸線Cまわりに回転可能で且つ対向する姿勢でデフケース14に配設された一対のサイドギヤ16L、16Rを備えている。デフケース14が回転軸線Cまわりに回転駆動されることにより、複数個、本実施例では2個のピニオンギヤ18を介して一対のサイドギヤ16L、16Rに対して差動回転可能に回転が伝達される。この車両用ディファレンシャル装置12は、回転軸線Cが車両10の幅方向と略平行で且つ略水平になる姿勢で図示しないトランスアクスルケース内に配設され、その図示しないトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油に一部が浸漬されることにより、デフケース14等の回転に伴って潤滑油が掻き揚げられて各部が潤滑される。図2の二点鎖線は、たとえば車両10が水平状態である場合の図示しないトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油の油面Mを示している。図2に示すように、たとえば車両10が水平状態である場合に、デフケース14の一部は、図示しないトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油に浸漬されている。
デフケース14は、鋳造等により容器状に形成されるとともに、外周にはフランジ20が一体に設けられている。フランジ20には、デフリングギヤ24を固設するためのボルト22が挿通させられる複数個、本実施例では10個のボルト挿通孔26が設けられている。デフリングギヤ24は円筒歯車で、入力歯車として機能する。デフケース14は、ボルト22によってフランジ20に固設されるデフリングギヤ24を介して図示しない変速機から駆動力が伝達され、回転軸線Cまわりに回転駆動される。また、一対のサイドギヤ16L、16Rには、それぞれスプラインを介して図示しない左右の車軸が連結され、デフケース14の回転に伴ってサイドギヤ16L、16Rと一体的に回転駆動される。
デフケース14には、デフケース14の外周壁14aを貫通する一対の貫通穴30が形成されている。一対の貫通穴30は、回転軸線Cに直交する軸線たとえば中心軸線Csに沿ってそれぞれ形成されている。車両用ディファレンシャル装置12には、一対の貫通穴30に挿通され、回転軸線Cに直交する姿勢で円柱状のピニオンシャフト32が配設されている。ピニオンシャフト32は、一対の貫通穴30に両端部がそれぞれ支持されるように配設され、中心軸線Cs方向にデフケース14を貫通している。中心軸線Csは、ピニオンシャフト32の回転中心軸線である。
デフケース14内には、一対のサイドギヤ16L、16Rがピニオンシャフト32を挟んで対向する状態で回転軸線Cまわりに回動自在に配設されている。また、デフケース14内には、一対のサイドギヤ16L、16Rの外周歯16La、16Raに噛み合う外周歯18aとピニオンシャフト32が挿通させられる挿通穴18bと有する一対のピニオンギヤ18が配設されている。一対のピニオンギヤ18は、ピニオンシャフト32が挿通穴18bに挿通させられることによってそのピニオンシャフト32により回転可能に支持された状態でデフケース14と共に回転するようにデフケース14内に配設されている。一対のピニオンギヤ18は、中心軸線Csまわりに回転可能に支持されている。挿通穴18bの内周面およびピニオンシャフト32の外周面のうち挿通穴18bと摺動する外周面は、ピニオンシャフト32とピニオンギヤ18とが相互に摺動する摺動部18bとなる。
ピニオンシャフト32には、外周面に一対の環状溝32aが形成されている。環状溝32aには、ピニオンシャフト32とデフケース14とを固定するための止め輪部材たとえば後述する一対のスナップリング34がそれぞれ嵌め入れられる。環状溝32aは、図1に示すように、ピニオンシャフト32が回転軸線Cに直交する姿勢でデフケース14に固定された状態において、貫通穴30からデフケース14の外側に向かって突出するピニオンシャフト32の両端部すなわちデフケース14の外周壁14aから突出するピニオンシャフト32の両端部にそれぞれ形成されている。
図3は、図1の一点鎖線で囲まれるE部を拡大して示す拡大図であって、ピニオンシャフト32の環状溝32aに嵌め入れられるスナップリング34の周辺を拡大して示す側面図である。図4は、図3においてデフケース14の外周壁14aの外側から中心軸線Cs方向に見た場合のスナップリング34の上面図である。図5は、図4のスナップリング34の上面図に対するスナップリング34の正面図を示す。
スナップリング34は、環状溝32aに嵌め入れられる板状の嵌合部34aと、嵌合部34aに対して所定の間隔を隔てて嵌合部34aに略平行な板状の当接部34bと、嵌合部34aと当接部34bとを連結する連結部34cと、を含んで構成されている。スナップリング34は、図3および図4に示すように、中心軸線Cs方向に所定の厚みを有する凸状に形成されている。スナップリング34は、たとえばバネ鋼などの鋼板からプレス加工などによって嵌合部34a、当接部34bおよびそれ等を連結する連結部34cが一体に成形されている。
嵌合部34aは、一定の厚みを有し、且つ外周の一部に開口を有する、たとえばバネ鋼製の環状の平板な鋼板である。嵌合部34aは、図5の正面図に示すように、略U字状に形成されており、略矩形状に形成された嵌合部34aの長手方向の一端部は、たとえばピニオンシャフト32の環状溝32aにスナップリング34が嵌め入れられた状態において、たとえば中心軸線Csを円中心に略半円状に形成されている。嵌合部34aには、嵌合部34aの厚さ方向すなわちスナップリング34の厚さ方向である中心軸線Cs方向にピニオンシャフト32を貫通させるための貫通穴40が形成されている。嵌合部34aには、貫通穴40が外周側に連通するように開口する嵌合開口部42が形成されている。嵌合部34aは、嵌合開口部42と貫通穴40とが繋がるように形成されており、嵌合部34aが周方向に不連続になっている。
嵌合部34aの略半円状の一端部の径方向の幅寸法Laは、ピニオンシャフト32の直径Daよりも大きく形成されている。また、貫通穴40の直径Dbは、ピニオンシャフト32の直径Daよりも小さく形成されているとともに、嵌合部34aの幅寸法Laよりも小さく形成されている。貫通穴40の直径Dbは、嵌合部34aに形成された嵌合開口部42の幅寸法Lbのよりも大きく形成されている。環状溝32aの溝底径は、貫通穴40の直径Db以下であって嵌合開口部42の幅寸法Lbよりも大きく形成されている。スナップリング34は、嵌合開口部42が形成されていることによって、ピニオンシャフト32の周方向に拡径および縮径可能になっている。すなわち、スナップリング34は、貫通穴40にピニオンシャフト32が貫通させられるとピニオンシャフト32の周方向に拡径させられて、環状溝32aに嵌合部34aが嵌め入れられるとピニオンシャフト32の周方向に縮径させられるので、ピニオンシャフト32を弾性的に挟持する。これにより、ピニオンシャフト32とスナップリング34とが固定され、ピニオンシャフト32がデフケース14から抜けないようにピニオンシャフト32とデフケース14とが中心軸線Cs方向に固定される。
連結部34cは、嵌合部34aの略U字状の外周縁から当接部34bに向かって直線状に延伸し、スナップリング34がピニオンシャフト32に嵌め入れられた状態における中心軸線Cs方向に所定の厚さ寸法を有する、略U字状の平板の鋼板である。連結部34cは、厚さ方向の一方側が嵌合部34aに連結され、厚さ方向の他方側が当接部34bに連結されている。断面が略U字状に形成された連結部34cには、嵌合部34aにおける開口42が形成された他端部方向と同じ方向に開口する開口部44が形成されている。連結部34cの開口部44の幅寸法Lcは、嵌合部34aの嵌合開口部42の幅寸法Laやピニオンシャフト32の直径Daよりも大きく形成されている。開口部44は、図2に示すように、ピニオンシャフト32とデフケース14とが固定された状態において、スナップリング32とデフケース14との間に形成され、且つ車両前進時におけるデフケース14の回転方向Rに開口するように形成されている。
当接部34bは、嵌合部34aに対して所定の間隔すなわち連結部34cの厚さ方向における所定の厚さ寸法を隔てて略平行な平板である。当接部34bには、連結部34cに沿う略U字状の内周縁が形成され、且つ一部が開口する略円形状の外周縁が形成されている。当接部34bは、ピニオンシャフト32とデフケース14とが固定された状態において、デフケース14に当接させられる。
スナップリング34内には、ピニオンシャフト32とデフケース14とが固定された状態において、潤滑油を貯留し、スナップリング34に形成された開口部44からピニオンシャフト32とピニオンギヤ18との摺動部18bに潤滑油を導くための潤滑油路50が形成されている。潤滑油路50は、ピニオンシャフト32とデフケース14とが固定された状態において、嵌合部34a、連結部34cおよびデフケース14によって囲まれてスナップリング34内に形成される所定容積の空間であって、上記空間にピニオンシャフト32が貫通させられることによって形成される油路である。ピニオンシャフト32とデフケース14とが固定された状態において、車両10が前進走行した場合には、デフケース14がR方向に回転してたとえば図示しないトランスミッションケース内に貯留する潤滑油にスナップリング34が浸漬させられ、且つ潤滑油中を通過させられる。スナップリング34内には、デフケース14に回転に伴って潤滑油中を通過する際の圧力によって開口部44から潤滑油が流入し、開口部44から流入した潤滑油は潤滑油路50を介してたとえばピニオンシャフト32を伝い摺動部18bに導かれる。
ピニオンシャフト32とデフケース14とがスナップリング34で固定されているため、たとえば摺動部18bに導かれた潤滑油は、デフケース14の回転による遠心力によって貫通穴30を介して中心軸線Cs方向に向かってデフケース14の外部に排出されることがスナップリング34によって抑制される。
このように、本実施例の車両用ディファレンシャル装置12によれば、デフケース14の外周壁から突出するピニオンシャフト32の両端部にそれぞれ形成された環状溝32aにスナップリング34が嵌め入れられて、ピニオンシャフト32とデフケース14とがスナップリング34で固定されている。さらに、車両用ディファレンシャル装置12には、スナップリング34とデフケース14との間には、車両前進時におけるデフケース14の回転方向Rに開口する開口部44を有し、開口部44からピニオンシャフト32とピニオンギヤ18との間の摺動部18bに潤滑油を導くための潤滑油路が、形成されている。これにより、たとえば車両前進時におけるデフケース14の回転によって、デフケース14を収容する図示しないトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油に開口部44が浸漬させられる。そのため、車両用ディファレンシャル装置12は、開口部44から潤滑油が流入して潤滑油路50内に保持されてその潤滑油路50を介して摺動部18bに導かれるとともに、スナップリング34によってデフケース14の回転による遠心力によって潤滑油が摺動部18bから貫通穴30を介してデフケース14の外部に流出されることを抑制することができる。したがって、摺動部18bに潤滑油を十分に供給することができるので、ピニオンシャフト32およびピニオンギヤ18の耐焼き付き性が低下することを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施例が適用された車両100の車両用ディファレンシャル装置102の断面図で、車両用ディファレンシャル装置102の回転軸線Cを含む断面を示した図である。図7は、車両用ディファレンシャル装置102に設けられるデフケース104の要部を示す図であり、図6のVII-VII視正面図である。図8は、図6の一点鎖線で囲まれるE部を拡大して示す拡大図であって、ピニオンシャフ32の環状溝32aに嵌め入れられるスナップリング106の周辺を拡大して示す側面図である。図9は、図8においてデフケース104の外側から中心軸線Cs方向に見た場合のスナップリング106の正面図である。
スナップリング106は、図6から図9に示すように、一定の厚みを有し、且つ周方向の一部に嵌合開口部108を有する、たとえばバネ鋼製の環状の平鋼板である。スナッピリング106には、嵌合開口部108と繋がる貫通穴110が形成されている。スナップリング106の直径Drはピニオンシャフト32の直径Daよりも大きく形成され、貫通穴110の直径Dtはピニオンシャフト32の直径Daよりも小さく形成されている。環状溝32aの溝底径は、貫通穴110の直径Dt以下であって嵌合開口部108の幅寸法Ltよりも大きく形成されている。スナップリング106は、周方向の一部に嵌合開口部108を有することにより、弾性的にピニオンシャフト32の周方向へ縮径または拡径可能となっている。スナップリング106は、貫通穴110にピニオンシャフト32が貫通させられるとピニオンシャフト32の周方向に拡径させられて、環状溝32aに嵌め入れられるとピニオンシャフト32の周方向に縮径させられるので、ピニオンシャフト32を弾性的に挟持する。
デフケース104には、ピニオンシャフト32がデフケース104に固定された状態において、スナップリング106との間に空間を形成するため凹部112が形成されている。凹部112は、デフケース104の外周壁104aの外側端面から所定の深さを有する略矩形状に形成されるとともに、貫通穴30に連通するように形成されている。略矩形状に形成された凹部112の長手方向の辺の長さLrは、スナップリング106の直径Drよりも小さくなるように形成されており、対向する長手方向の辺のうちの一方はスナップリング106に覆われるように凹部112はデフケース104に形成されている。凹部112は、ピニオンシャフト32がデフケース104に固定された状態において、スナップリング32とデフケース14との間に、車両前進時におけるデフケース104の回転方向に開口する開口部116を形成している。
車両用ディファレンシャル装置102には、ピニオンシャフト32とデフケース104とが固定された状態において、デフケース104に形成された凹部112とスナップリング106とにより囲まれた所定容積の空間114が形成され、空間114は、潤滑油を貯留し、凹部112の摺動部18bに潤滑油を導くための潤滑油路114である。ピニオンシャフト32とデフケース104とが固定された状態において、車両10が前進走行した場合には、デフケース104がR方向に回転してたとえば図示しないトランスミッションケースに貯留された潤滑油に凹部112が浸漬させられ、且つ潤滑油中を通過させられる。デフケース104の回転に伴って潤滑油中を通過する際の圧力によって凹部110の開口部116から潤滑油路114内に潤滑油が流入し、凹部112の開口部116から流入した潤滑油は潤滑油路114を介してたとえばピニオンシャフト32を伝い摺動部18bに導かれる。
これにより、デフケース104は、たとえば車両前進時における回転によってデフケース104を収容する図示しないトランスアクスルケース内に貯留された潤滑油に凹部112が浸漬させられた場合に、潤滑油が凹部112から流入して潤滑油路114内に保持されて潤滑油路114を介して摺動部18bに導かれるとともに、スナップリング106によってデフケース104の回転による遠心力によって潤滑油が摺動部18bから貫通穴30を介してデフケース104の外部に流出されることを抑制することができる。そのため、摺動部18bに潤滑油を十分に供給することができるので、ピニオンシャフト32およびピニオンギヤ18の耐焼き付き性が低下することを抑制することができる。
なお、本実施例においては、図6および図7に示すように、デフケース104の外周壁104aに一対の凹部112が形成されているが、必ずしもこれに限らず、たとえば車両用ディファレンシャル装置102は、デフケース104の外周壁104aに1個の凹部112が形成されているものであってもよい
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
たとえば、前述の実施例においては、潤滑油路50は、嵌合部34a、連結部34cおよびデスケース14によって囲まれてスナップリング34内に形成される空間であって、上記空間にピニオンシャフト32は貫通させられることによって形成される油路であるが、必ずしもこれに限らず、潤滑油路50は、嵌合部34a、連結部34c、当接部34bおよびデフケース14によって囲まれてスナップリング34内に形成される空間であってもよい。すなわち、潤滑油路50は、デフケース14とスナップリング34との間の空間に形成されるものであればよい。
また、前述の実施例においては、スナップリング34は嵌合部34a、当接部34bおよび連結部34cが一体の成形されたものであったが、必ずしもこれに限らない。また、スナップリング34は、正面図において、嵌合部34aが略矩形状に形成され、当接部34bの内周が略U字状に形成され且つ外周が略円形状に形成され、連結部34cの断面が略U字状に形成されており、さらに中心軸線Cs方向に所定の厚みを有する凸状に形成されているが、必ずしもこれに限らない。すなわち、スナップリング34は、ピニオンシャフト32がデフケース14に固定された状態において、デフケース14との間に開口部44が形成され、開口部44から摺動部18bに潤滑油を導くための潤滑油路50が形成されていればよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、100:車両
12、102:車両用ディファレンシャル装置
14、104:デフケース
14a:外周壁
18:ピニオンギヤ
30:貫通穴
32:ピニオンシャフト
32a:環状溝
34、106:スナップリング
44:開口部
50、114:潤滑油路
C:回転軸線
Cs:中心軸線

Claims (1)

  1. 回転軸線まわりに回転可能に設けられ、外周壁に一対の貫通穴を有するデフケースと、前記一対の貫通穴に挿通される円柱状のピニオンシャフトと、前記デフケース内に収容され、前記ピニオンシャフトにより前記回転軸線に直交する中心軸線まわりに回転可能に支持される一対のピニオンギヤと、を備える車両用ディファレンシャル装置であって、
    前記ピニオンシャフトは、前記ピニオンシャフトと前記デフケースとを固定するための一対のスナップリングがそれぞれ嵌め入れられる環状溝を有し、
    前記環状溝は、前記ピニオンシャフトが前記デフケースに固定された状態において、前記デフケースの外周壁から突出する前記ピニオンシャフトの両端部にそれぞれ形成され、
    前記スナップリングと前記デフケースとの間には、車両前進時における前記デフケースの回転方向に開口する開口部を有し、前記開口部から前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間の摺動部に潤滑油を導くための潤滑油路が、形成されている
    ことを特徴とする車両用ディファレンシャル装置。
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