JP2017133091A - 耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材およびその製造方法 - Google Patents

耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は耐酸化性、耐摩耗性と耐塩害性の両方に優れる耐熱焼結材とその製造方法の提供を課題とする。【解決手段】本発明は、FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相が分散された組織を有し、前記母相が質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相が質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相の体積分率が10〜60%であり、全体の組成が質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、有効多孔率が2.2%以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材及びその製造方法に関する。
内燃機関において排ガスのエネルギーを利用してタービンを高速回転させ、その回転力を利用して遠心式圧縮機を駆動し、圧縮した空気をエンジン内に送り込み、内燃機関としての熱効率を高める方式のターボチャージャーが知られている。
内燃機関に付設されるターボチャージャーにおいては、排ガスの一部を分流してタービンへの流入量を調節するノズル機構やバルブ機構が設けられている。
このターボチャージャーに組み込まれる軸受けやブッシュなどの機構部品は、エンジンから排出される高温かつ腐食性の排ガスに常に晒される上に、可動部品であり、摺動特性の面においても優れていることが望まれる。
この種の高温かつ腐食性の排ガスに晒される摺動部品においては、従来、高Cr鋳鋼の溶製材あるいは焼結材からなる耐熱部品が使用されている。
従来知られているターボチャージャー用部品の一例として、質量比でCr:23.8〜44.3%、Mo:1.0〜3.0%、Si:1.0〜3.0%、P:0.1〜1.0%、C:1.0〜3.0%、残部Feおよび不可避不純物からなる全体組成を有し、密度比が95%以上で基地中に炭化物が分散した焼結材が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−226955号公報
特許文献1に記載されている焼結材を含め、この種従来の耐熱部品に望まれる特性として、耐酸化性、耐摩耗性(自己摩耗性)、耐塩害性などがあり、これらの要望を満たし得る高Cr鋳鋼の溶製材あるいは焼結材の開発が進められている。
例えば、フェライト系の高Cr鋳鋼の溶製材として、Fe-34Cr-2Mo-2Si-1.2Cなる組成の合金が知られ、フェライト系の高Cr鋳鋼の焼結材として、Fe-34Cr-2Mo-2Si-2Cなる組成の焼結合金が知られている。
従来、ターボ部品の中でも外部に露出する可能性のあるブッシュは耐酸化性、耐摩耗性に加え耐塩害性が要求される。
これに対し全体組成としてCrを34%含む高Cr鋳鋼であっても、母相Cr量は28%程度であり、この高Cr鋳鋼では、耐塩害性は優れているものの、耐酸化性が不足し、耐摩耗性の面で大幅な向上が望まれている。また、高Cr鋳鋼の焼結材である特許文献1に記載の焼結材は母相Cr量が18%程度となるため、耐摩耗性に優れているものの耐酸化性について改善する必要があり、耐塩害性については大幅な向上が望まれている。
このように従来技術では耐酸化性を有しつつ耐摩耗性と耐塩害性の両方の特性を満足できる材料が提供されていなかった。
従来の材料は、全体組成として34%程度のCrを含有させたとして、炭化物析出型の硬質相を利用するため、炭化物生成のためにCrが消費されて母相のCr量が減少する。従って、耐摩耗性を向上しようとして硬質相の析出量を増加すると母相のCr量が大きく低下し、耐塩害性について満足できなくなる問題がある。
このため従来の材料は、耐摩耗性と耐塩害性の両立が困難であり、耐摩耗性と耐塩害性のどちらか一方を犠牲として使用されていた。
以上の背景において、本発明者が焼結材における耐摩耗性と耐塩害性について鋭意研究したところ、母相のCr量を低下させることのないFe−Cr−B系の硬質相を利用する技術を開発し、耐酸化性を有した上で耐摩耗性と耐塩害性の両方に優れた耐熱焼結材を提供できることを知見し、本発明に到達した。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、耐酸化性を有した上で耐摩耗性と耐塩害性の両方に優れた耐熱焼結材の提供及びその製造方法の提供を目的とする。
(1)本発明の耐熱焼結材は前記課題を解決するために、FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相が分散された組織を有し、前記母相が質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相が質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相の体積分率が10〜60%であり、全体の組成が質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、有効多孔率が2.2%以下であることを特徴とする。
FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相を分散させた組織であると、焼結時にFeとBの共晶反応により液相を生成し易く、高い焼結密度を得ることができる。このため、有効多孔率の小さい緻密な焼結材を得ることができる。このため、腐食性の液体や気体に晒されたとして内部まで腐食が進行するおそれが少なく、耐酸化性に優れた焼結材とすることができる。
また、FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相を分散させた組織であると、焼結時に母相中のCr量が低下しないので母相中のCrを高い含有量のまま保持できる。このため、優れた耐酸化性を維持した上で優れた耐塩害性と耐摩耗性を両立できる耐熱焼結材を提供できる。
(2)本発明において、前記FeとCrとMoを含む母相がFe−Cr−Mo母相であり、前記FeとCrとBを含む硬質相がCr−Fe−B硼化物相であることが好ましい。
(3)本発明において、前記Cr−Fe−B硼化物相が(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bのいずれか1種または2種以上であることが好ましい。
(4)本発明の耐熱焼結材の製造方法は、FeCrMo合金粉末または該FeCrMo合金粉末およびFeCr合金粉末と、FeB粉末と、CrB粉末とCrB粉末とCrB粉末の1種もしくは2種以上とを、質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成となるように、かつ、全体量に対しFeB粉末のB量を0.02〜0.50%となるように混合して混合粉末を得る工程と、この混合粉末を加圧して圧粉体を作製する工程と、前記圧粉体を1200〜1300℃に加熱してFeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相が分散された組織を有する焼結体を形成する工程を備えることを特徴とする。
必要に応じてFeCr合金粉末を添加したFeCrMo合金粉末と、FeB粉末と、CrB粉末、CrB粉末、CrB粉末の1種または2種以上を所定の割合とした混合粉末を加圧し、圧粉体を形成し、焼結することでFeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相を分散させた組織の焼結材を得ることができる。FeBは焼結時に液相を生成し易く、焼結助剤となり、高い焼結密度を得ることができる。このため、有効多孔率の小さい緻密な焼結材を得ることができる。また、焼結時に母相中のCr量が低下しないので母相中のCrを高い含有量のまま保持できる。このため、優れた耐酸化性を維持した上で優れた耐塩害性と耐摩耗性を両立できる耐熱焼結材を提供できる。
(5)本発明の製造方法において、前記焼結体を形成する工程により、質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する母相を生成し、質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する硬質相を生成することができる。
(6)本発明の製造方法において、前記焼結体を形成する工程により、前記硬質相の体積分率を10〜60%とすることができる。
(7)本発明の製造方法において、前記焼結体を形成する工程により、有効多孔率2.2%以下の焼結体を得ることができる。
本発明は、FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相を分散させた組織を有し、母相にCr、Moを特定量、硬質相にCrとBを特定量含み、硬質相を必要十分な体積分率で析出させ、組織全体で好適なCr量、Mo量、B量を確保し、有効多孔率も低く緻密な組織としたので、耐酸化性に優れた上で耐塩害性と耐摩耗性の両方に優れた特徴を有する。
このため本願の耐熱焼結材は、ターボチャージャーに組み込まれる軸受けやブッシュなどの機構部品、エンジンから排出される高温かつ腐食性の排ガスに常に晒される上に、可動部品であり、摺動特性の面においても優れている機構部品として有効に適用できる。
本発明に係る焼結摺動材により形成された軸受け部材の一例を示す斜視図。 同軸受け部材の金属組織の一例を示す模式図。 実施例において製造された試料の金属組織の一例を示す組織写真。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る耐熱焼結材からなる円筒状の軸受け部材1を示し、この軸受け部材1は一例としてターボチャージャー用のノズル機構やバルブ機構に組み込まれる軸受けに用いられる。図2は軸受け部材1を構成する耐熱焼結材の拡大組織写真の模式図である。
耐熱焼結材は、一例として、図2に示すようにFeとCrとMoを含む不定形の母相2中にFeとCrとBを含む不定形の硬質相3が分散された組織を有する。また、図2に示す組織内において黒丸で示す空孔(気孔)4が複数点在されている。
母相2は一例として、質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する。
硬質相3は一例として、質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する。全組織に対する硬質相3の体積分率は10〜60%の範囲であることが好ましい。
また、全体の組成が質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、組織全体における有効多孔率が2.2%以下の耐熱焼結材であることが好ましい。
前記FeとCrとMoを含む母相2は一例としてFe−Cr−Moからなり、前記FeとCrとBを含む硬質相3は一例としてCr−Fe−Bからなる硼化物相である。Cr−Fe−Bからなる硼化物相は一例として(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bのいずれか1種または2種以上からなる。
前記耐熱焼結材の製造方法は後に詳述するが、一例として、Fe-Cr-Mo合金粉末にCr含有率の高いFe―Cr合金粉末と、Cr−B粉末とCrB粉末を前述の組成範囲となるように秤量し、均一混合して得られた混合粉末をプレス成形し、得られたプレス成形体を1200〜1300℃で0.5〜2時間程度焼結することにより得られる。
FeベースにCrとMoを含有させたFe−Cr−Moからなる母相2により耐酸化性と耐塩害性を確保し、FeとCrとBを含む硬質相3の存在により優れた耐摩耗性を得る。硬質相3は一例としてCr−Fe−Bからなる硼化物相であり、その一例として(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bのいずれか1種または2種以上からなる硬質相である。
なお、本実施形態においては上述の耐熱焼結材を用いてリング状の軸受け部材1を構成したが、本実施形態の耐熱焼結材はターボチャージャーのノズル機構やバルブ機構に設けられる軸部材やロッド部材、軸受け部材、プレート等に広く適用できるのは勿論である。
以下、本実施形態の耐熱焼結材における各組成比の限定理由について説明する。
「全体Cr量:34〜48質量%、母相中Cr量:28〜41質量%、硬質相中Cr量:28〜75質量%」、「硬質相体積分率」
全体Cr量はFeをベースとする母相とFe−Cr−Bの硬質相の両方に含まれ、耐熱焼結材全体として、34質量%以上48質量%以下の範囲で含まれていることが望ましい。Crは耐酸化性の観点から最低限母相中に12質量%以上含まれていることが必要であり、耐酸化性に加えて耐塩害性も満たすためには母相中に28質量%以上含まれていることが必要である。母相中のCr量が41質量%を超える場合有効多孔率が増加し、耐酸化性が悪化する。このため、母相中のCr量は28〜41質量%の範囲とすることが好ましい。硬質相中のCr量は28〜75質量%の範囲である。硬質相の量は全体組織の10〜60体積%であるため、全体のCr量は34〜48質量%となる。
全体Cr量が34質量%を下回るようであると耐塩害性が低下し、48質量%を上回るようであると有効多孔率が大きくなり、耐酸化性が低下する。
硬質相の体積分率は10〜60%の範囲が好ましい。硬質相体積分率が10%未満では摩耗量が増加し、耐摩耗性が悪化する。硬質相体積分率が60%を超えると有効多孔率が大きくなり、耐酸化性が悪化する。
「全体Mo量:0.1〜3.1質量%」または「母相Mo量:0.4〜3.4質量%」
Mo添加は耐塩害性向上に寄与する。Moを0.5質量%以上含むことで耐塩害性の向上に寄与し、その向上効果は3質量%を超える量を含有していても有効であるが効果は飽和する。Moは高価な元素なので、Mo含有量は少ない方がコストの面では望ましく、そのためMo含有量の上限を3質量%とすることが好ましい。さらに、全体Mo量は、硬質相の体積割合から、最少が0.1質量%、最大が3.1質量%となる。このため、全体Mo量は0.1〜3.1質量%の範囲が好ましい。
「全体B量:1.18〜6.3質量%、硬質相中B量:8.0〜26質量%」
Bは焼結時にFeとともに存在することで液相を生成し、焼結性を向上させ、高密度化する上で重要な含有元素である。Feとともに必要量のBを含有することで焼結性が向上し、有効多孔率を低くできる。全体B含有量が1.18質量%未満では高密度化が困難であり、有効多孔率を2.2%以下にすることが困難となり、耐酸化性が悪化する。全体Bが6.3質量%を超える含有量では試料の変形が大きくなり、形状制御性が著しく悪化する。硬質相中のB量は8.0〜26質量%の範囲が望ましい。
硬質相中B量の上限は26質量%であるが、CrとFeとBから構成される硼化物相中のB量が26質量%以下でなければ、目的の(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bが生成されない。
「有効多孔率2.2%以下」
有効多孔率とは外界と通じることができる試料内部の空孔(気孔)のことを意味する。この体積%が2.2%以下であると、耐酸化性の向上を図ることができる。そのため、有効多孔率は2.2%以下であることが望ましい。
「耐熱焼結材の製造方法」
本実施形態の耐熱焼結材からなる軸受け部材を製造するには、一例として、Fe−30%Cr−2.0%Mo合金粉末に対しCr含有量の高い、例えば、Fe−65Cr合金粉末を添加し、これらに更に、FeB粉末、CrB粉末、CrB粉末を混合機などで均一混合し、目的の組成比の混合粉末を得る。
ここで用いるFeCrMo合金粉末は、一例として34〜46%のCrと1.0〜2.0%のMoを含む合金粉末を用いることができる。
また、FeB粉末は、一例として50〜70%のCrを含む粉末を用いることができる。
なお、高濃度のCrを含有するFeCrMo合金粉末を用いる場合、この粉末の硬度が高くなり、他の粉末と混合して加圧成形する場合に加圧成形が難しくなるおそれがある。このため、高濃度のCrを含有する硬いFeCrMo合金粉末に加えてFeCr合金粉末を所定量混合し、硬い粉末の添加量を抑制して加圧成形し易い混合粉末とすることが望ましい。
次いで、前記混合粉末をプレス装置の型に投入し、プレス成形して目的の形状、例えば、筒状の圧粉体を得る。
成形する場合、プレス装置による成形の他に熱間静水圧加圧(HIP)、冷間静水圧加圧(CIP)など、種々の方法を採用しても良い。
この圧粉体に対し、例えば、真空雰囲気あるいは窒素雰囲気中において1200〜1300℃の範囲内の所定の温度で0.5〜2時間程度焼結することでFeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相を分散させた耐熱焼結材からなる例えば図1に示す筒状の軸受け部材1を得ることができる。
この軸受け部材1を構成する耐熱焼結材は、例えば図2に示すようにFeCrMoの母相2中に硬質相3を分散させた金属組織を有する。図2は後述する実施例で製造された耐熱焼結材試料の一例について組織の一部を光学顕微鏡により拡大視した写真の模式図である。図2に示すように耐熱焼結材1の金属組織中には焼結時に生成した気孔4が多少(2.2%以下程度)残留していても良い。
FeCrMo合金粉末とFeB粉末とCrB粉末とCrB粉末を混合し、圧密してから焼結した場合、FeとBは液相となって他の粉末粒子の粒界に濡れ拡がり、気孔を埋める作用を奏する。このため、前記FeB粉末とCrB粉末とCrB粉末の粒界を液相となったFeBで埋めることができる結果、焼結後の有効多孔率を低減できる。従って高密度の焼結材とすることができる。
FeB粉末を構成するFeとBは、FeB二元系状態図からも明らかなようにFe−4質量%Bの組成で1174℃に共晶点を有するので、1200〜1300℃の焼結温度で共晶化により液相を呈し、この液相が焼結助剤として作用し、焼結密度を向上させる。このため気孔生成が少なく焼結後の密度の高い焼結体、即ち、有効多孔率の低い緻密な焼結体を得ることができる。有効多孔率が低いことで焼結体の内部に外部から腐食性の液体や気体が侵入し難くなり、耐酸化性向上に寄与する。
また、CrB粉末とCrB粉末は焼結後に硬質相となって耐摩耗性の向上に寄与する。上述の温度で焼結する場合、CrBやCrBの周囲に存在するFeやCrが相互拡散するので、これらは(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bもしくは(Cr,Fe)Bで示される硼化物となり、これらの硼化物相が母相間に分散する組織となる。即ち、Fe−Cr−Mo母相間にCrとFeとBを有する硼化物の硬質相が分散された組織となる。これら硬質相の分散により好適な耐摩耗性を得ることができる。
これら硼化物の生成時、母相からCrを大幅に奪うことはなく、母相中にCrを高濃度で保持することができるので、出発材料のFe−30%Cr−2.0%Mo合金粉末とFe−65Cr合金粉末中に含まれているCrを母相内に残しておくことができ、高Cr濃度の母相とすることができる。このため、耐酸化性に優れた母相を確保できる。
以上説明の製造方法により得られた耐熱焼結材において、母相、硬質相いずれもCrを28質量%以上含むので、良好な耐酸化性と耐塩害性を示し、硬質相は母相より硬い硬質相からなるので、良好な耐酸化性と耐塩害性に加えて良好な耐摩耗性を含む。
従って上述の軸受け部材1はターボチャージャー等の軸受け部に適用して高温の排ガスに晒されながら軸による摺動を受けた場合であっても、耐酸化性に優れ、耐塩害性に優れ、耐摩耗性に優れる。
なお、本実施形態の耐熱焼結材はターボチャージャーの軸の構成材として利用できるほか、耐酸化性、耐塩害性、耐摩耗性について高温の腐食ガスに晒される環境に設けられる各種機構部品の構成材として利用することができるのは勿論である。
なお、特開昭62−42990号公報にCとSiとMnとCrとTi及びNiを特定量含有し残部Feの組成を有するステンレス鋼粉末に、CrB、TiB、MoBなどの金属硼化物粉末を添加し、成形後、焼結する複合材料の製造方法が開示されている。この複合材料の場合、ステンレス鋼粉末からなる相と硼化物相の界面において固相反応を主体とする焼結がなされるに過ぎないため、焼結密度が向上せず、気孔率が高くなる。また、ステンレス鋼粉末からなる相のCr含有量は17〜25%程度であり、ターボチャージャー用部品としての使用はできない問題がある。
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
原料粉末として、Fe-30Cr-2.0Mo合金粉末と、Fe-65Cr合金粉末と、FeB粉末とCrB粉末とCrB粉末を用意し、これらの原料合金粉末を以下の表に示す最終成分組成となるように配合し、V型混合機で30分間混合した後、成形圧力6〜8t/cmにてプレス成形して筒状の圧粉体を作製した。成形圧力は490〜980MPaに相当する。
次に、この圧粉体を真空雰囲気中において、1200〜1300℃の温度で0.5〜2.0時間焼結し、筒状の耐熱焼結材を得た。
いずれの耐熱焼結材も以下の各試験毎に好適な形状に成形し各試験に供した。
「密度、有効多孔率」
いずれもアルキメデス法にて測定した。
「耐酸化性試験」
耐酸化性試験においては、外径:20mm×内径:10mm×高さ:5mmの寸法を有し、以下の表1〜表5に示される組成成分のリング状耐熱焼結材(軸受け部材)を得、試験を行った。
「硬質相体積分率」
得られた試料について線分法により硬質相体積率を測定した。後に説明するような図3に示す組織写真を試料毎に撮影し、写真上に任意の直線を定間隔で20本描き、これらの直線が硬質相部分を通過する長さの和を求める。組織写真の端から端まで引いた1つの直線の長さ(L1)で先に求めた硬質相部分を通過する直線の長さの和(L2)を割り算し、%表示した値を硬質相体積分率とした。すなわち、(L2/L1)×100(%表示)となる。
この操作を20本分の直線に合わせて行い、平均を算出すれば、硬質相の面積分率を求めることができ、面積分率を立体で均一として体積分率とすることができる。
「耐摩耗性試験」
ロールオンブロック試験を行うために、ブロックの上に円柱のシャフトを載せ90゜往復回転させる試験を行った。測定温度600℃、30分間行い、往復回数を2000回として摩耗量を評価した。
摩耗量測定は、3Dマイクロスコープにより摩耗面の写真を撮影し、摩耗深さを測定した。摩耗試験片の形状は50×10×5mm厚の焼結材からなる直方体形状のブロックである。相手材のシャフトは、SUS316からなる直径8mm、長さ150mmのステンレスロッドであり、前記ブロックに、加重80Nで、このステンレスロッドを押し付けつつ、モーターの回転軸として、往復回転させて試験した。
「耐塩害性試験」
耐塩害性については、塩水噴霧試験(JISZ2371に準ずる)により把握した。5%NaCl水溶液の塩水噴霧(35℃、24時間)により外観上の錆の発生面積率を評価し、錆び発生による腐食面積率が1%以下の試料を合格とした。試験片は外径20mm、内径10mm、高さ5mmのリング状試験片である。
○印は錆びによる腐食面積率が1%以下、×印は錆びによる腐食面積率が1%を超えることを確認できたものに相当する。
以上の試験結果を以下の表1〜表4に示す。
表1(Cr量)に示す硬質相の添加量(重量%)毎の耐熱焼結材試料について、全体トータルの組成と用いた母相のCr量の関係を示し、No.1〜36の各試料について、耐酸化性試験結果と、有効多孔率の測定結果及びその判定結果と、耐塩害性について外観検査の結果と、耐摩耗性の判定結果及びその判定結果を示す。
表1に示す結果から、全体Cr量(トータル組成のCr量)を23.4%、母相のCr量を11.0%、硬質相のCr量を6.0%としたNo.1の試料は有効多孔率が高く、耐塩害性にも劣った。また、全体Cr量(トータル組成のCr量)を33.2%、母相のCr量を26.0%、硬質相のCr量を6.0%としたNo.2の試料は有効多孔率を低くできたが、耐塩害性は劣る結果となった。
また、全体Cr量(トータル組成のCr量)を49.8%、母相のCr量を43.0%としたNo.10の試料は有効多孔率が高くなった。全体Cr量(トータル組成のCr量)を52.2%、母相のCr量を45.0%としたNo.11の試料は有効多孔率が更に高くなった。これらの試料の結果から全体Cr量34〜48質量%であることが望ましく、母相Cr量28〜41質量%であることが望ましいことがわかる。
表1(B量)に示す結果においてNo.12〜20の試料は全体B量を徐々に増加し硬質相体積率を増加した試料であるが、全体B量が少ないNo.12、13の試料は硬質相体積率が低く、摩耗量が大きい。全体B量が多すぎるNo.20の試料は硬質相体積率が大きくなりすぎ、耐酸化性が低下した。また、No.20の試料は焼結後の変形が大きく、形状維持が困難であった。このため、全体B量を1.18%〜6.3%の範囲とすることが好ましい。
表2(Mo量)に示す結果においてNo.21の試料は全体Mo量を0%とした試料であるが、耐塩害性が低下した。No.22〜26の試料はMo量を徐々に増加した試料であるが、母相のMo量を多くしたNo.26の試料の特性は良好であるがコストの面では高価な焼結材となる。
表2(温度)に示す結果において、1180℃で焼結した場合は有効多孔率が高く、耐塩害性も悪いが、1200℃以上で焼結した場合の特性が良好であった。また、1300℃を超えて1310℃で焼結したNo.31の試料は特性は良好であったが変形が大きく、試料形状維持が困難であった。これらの結果から焼結温度は1200〜1300℃の範囲が望ましい。
表3(有効多孔率)に示す結果において、No.31の試料はMoを含まない試料であるが、有効多孔率が高い上に、耐塩害性に劣り、摩耗量も増加した。No.33の試料は全体Mo量を0.2%とした試料であるが、母相のMo量が0.4%であり少ないが、有効多孔率が低く、摩耗量が若干に多いものの良好な特性を示した。
図3は表2に示すNo.15の試料の表面組織拡大写真である。この組織写真に示すように試料の焼結材は母相中に不定形の硬質相が分散された組織を呈した。また、組織の中に黒丸で示す微細な気孔が複数分散されていた。
この組織写真に示す硬質相は(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bのいずれかで示されるCr−Fe−B硼化物相である。出発材料中のCrB粉末とCrB粉末は焼結温度で溶融するわけではないが、焼結温度において母相間でのCrとFeの固相拡散が進行しており焼結後はこれらの式で示す硼化物相になっている。
1…軸受け部材(耐熱焼結材)、2…母相、3…硬質相、4…空孔(気孔)。

Claims (7)

  1. FeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相が分散された組織を有し、前記母相が質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相が質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記硬質相の体積分率が10〜60%であり、全体の組成が質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有し、有効多孔率が2.2%以下であることを特徴とする耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材。
  2. 前記FeとCrとMoを含む母相がFe−Cr−Mo母相であり、前記FeとCrとBを含む硬質相がCr−Fe−B硼化物相であることを特徴とする請求項1に記載の耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材。
  3. 前記Cr−Fe−B硼化物相が(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)B、(Cr,Fe)Bのいずれか1種または2種以上であることを特徴とする請求項2に記載の耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材。
  4. FeCrMo合金粉末あるいは該FeCrMo合金粉末およびFeCr合金粉末と、FeB粉末と、CrB粉末とCrB粉末とCrB粉末の1種もしくは2種以上とを、質量%でCr:34〜48%、Mo:0.1〜3.1%、B:1.18〜6.3%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成となるように、かつ、全体量に対しFeB粉末のB量を0.02〜0.50%となるように混合して混合粉末を得る工程と、この混合粉末を加圧して圧粉体を作製する工程と、前記圧粉体を1200〜1300℃に加熱してFeとCrとMoを含む母相中にFeとCrとBを含む硬質相が分散された組織を有する焼結体を形成する工程を備えることを特徴とする耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材の製造方法。
  5. 前記焼結体を形成する工程により、質量%でCr:28〜41%、Mo:0.4〜3.4%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する母相を生成し、質量%でCr:28〜75%、B:8.0〜26%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する硬質相を生成することを特徴とする請求項4に記載の耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材の製造方法。
  6. 前記焼結体を形成する工程により、前記硬質相の体積分率を10〜60%とすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材の製造方法。
  7. 前記焼結体を形成する工程により、有効多孔率2.2%以下の焼結体を得ることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の耐酸化性、高温耐摩耗性、耐塩害性に優れる耐熱焼結材の製造方法。
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