JP2017132944A - 濃縮研磨用組成物の製造方法および安定化方法 - Google Patents

濃縮研磨用組成物の製造方法および安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきの少ない、安定性が確保された濃縮研磨用組成物の製造方法を提供することを課題とする。また、その安定化方法を提供することを課題とする。
【解決手段】分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程と;前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程と;前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程と;を有する、濃縮研磨用組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、濃縮研磨用組成物の製造方法および安定化方法に関する。
従来、LSI(Large Scale Integration)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、chemical mechanical polishing;単にCMPとも記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特にシャロートレンチ分離(STI)、層間絶縁膜(ILD膜)の平坦化、タングステンプラグ形成、銅と低誘電率膜とからなる多層配線の形成などの工程でCMPは用いられている。
一般に、CMPにおいては、研磨速度の安定性や、研磨対象物の研磨後の平坦性等が要求されている。そのような要求の下、特に、エッジ近傍の平坦性(ロールオフなど)を改善すべく、ヘテロ原子を含有する水溶性高分子を含有するスラリー組成物が知られている(特許文献1)。
ここで、同文献には、「事前にスラリー組成物を調整しておき、調整後のスラリー組成物を研磨基板に供給しながら研磨パッドで研磨する方法の他、希釈液およびスラリー原液を研磨パッド上に供給し、研磨パッド近傍で基板研磨用のスラリー組成物を調整するいわゆるin−situ調合・調整を行う研磨方法にも適用することができる」ことが開示されている(段落「0070」)。
上記スラリー原液は、上記方法の他、使用時(POU)に水で希釈して希釈液を調製するようにすれば、容量の小さい容器で保存・運搬することが可能となり、取り扱いが容易になる効果があると考えられる。
特開2014−216464号公報
しかしながら、このような希釈液を用いた研磨では、希釈後、研磨を行うまでの経過時間が長くなると、研磨速度にバラツキが出ることが、本発明者によって見出された。
そこで、本発明は、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきの少ない、安定性が確保された濃縮研磨用組成物の製造方法を提供することを課題とする。また、その安定化方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を積み重ねた。その結果、分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程と;前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程と;前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程と;を有する、濃縮研磨用組成物の製造方法によって、上記課題が解決されることを見出した。
本発明によれば、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきの少ない、安定性が確保された濃縮研磨用組成物の製造方法を提供することができる。また、その安定化方法を提供することができる。
以下、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
<濃縮研磨用組成物の製造方法>
本発明の第1である、濃縮研磨用組成物の製造方法は、分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程と;前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程と;前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程と;を有する。
かかる構成によれば、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきの少ない、安定性が確保された濃縮研磨用組成物の製造方法を提供することができる。なお、かかる技術的効果を得ることができるメカニズムは必ずしも明らかではないが次のように推測される。すなわち、コロイダルシリカ濃縮分散液に、水溶性高分子を添加する前に、予め第4級アンモニウム化合物を添加しておくことで、当該4級アンモニウム化合物の作用により、コロイダルシリカと、水溶性高分子との安定化を高めるものと考えられる。
なお、本明細書中、「コロイダルシリカ濃縮分散液」との用語は、第4級アンモニウム化合物や、水溶性高分子を添加する前の分散液を意味する。また、「濃縮研磨用組成物」との用語は、分散媒でさらに希釈する前の組成物を意味する。「研磨用組成物」との用語は、分散媒でさらに希釈した後の組成物を意味する。本発明においては、「研磨用組成物」を用いて、研磨対象物の研磨を行う。以下、各工程について説明を行う。
1.分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程
本発明の第1の濃縮研磨用組成物の製造方法は、分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程を有する。
[分散媒]
コロイダルシリカ濃縮分散液には、分散媒が用いられる。分散媒としては有機溶媒、水が考えられるが、その中でも水を含むことが好ましい。
ただし、研磨対象物の汚染や他の成分の作用を阻害させないため、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[コロイダルシリカ]
コロイダルシリカ濃縮分散液は、コロイダルシリカを含む。コロイダルシリカは、研磨用組成物中で砥粒として作用する。コロイダルシリカは、研磨対象物の研磨傷の発生を抑制する観点から好ましい。
使用しうるコロイダルシリカの種類は特に限定されないが、例えば、表面修飾したコロイダルシリカの使用も可能である。コロイダルシリカの表面修飾(担持コロイダルシリカ)は、例えば、アルミニウム、チタンまたはジルコニウムなどの金属、あるいはそれらの酸化物をコロイダルシリカと混合してシリカ粒子の表面にドープさせることにより行うことができる。あるいは、シリカ粒子の表面に有機酸の官能基を化学的に結合させること、すなわち有機酸の固定化により行うこともできる。
コロイダルシリカ濃縮分散液中のコロイダルシリカの平均一次粒子径の下限は、10nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることがさらに好ましい。また、コロイダルシリカの平均一次粒子径の上限は、70nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。
このような範囲であれば、研磨用組成物として調製し、当該研磨用組成物を用いて研磨した場合、研磨対象物の表面にスクラッチなどのディフェクトを抑えることができる。なお、コロイダルシリカの平均一次粒子径は、例えば、BET法で測定されるコロイダルシリカの比表面積に基づいて算出される。本発明の実施例でもそのように算出される。
コロイダルシリカ濃縮分散液中のコロイダルシリカの平均二次粒子径の下限は、25nm以上であることが好ましく、35nm以上であることがより好ましく、45nm以上であることがさらに好ましい。また、コロイダルシリカの平均二次粒子径の上限は、220nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物として調製し、当該研磨用組成物を用いて研磨した場合、研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。
なお、コロイダルシリカの平均二次粒子径/コロイダルシリカの平均一次粒子径の比は、好ましくは1を超えて4以下であり、より好ましくは1を超えて3以下である。
なお、ここでいう二次粒子とは、砥粒が会合して形成する粒子をいい、この二次粒子の平均二次粒子径は、例えばレーザー回折散乱法に代表される動的光散乱法により測定することができる。本発明の実施例でもそのように算出される。
コロイダルシリカ濃縮分散液中のコロイダルシリカの、レーザー回折散乱法により求められる粒度分布において、微粒子側から積算粒子質量が全粒子質量の90%に達するときの粒子の直径D90と、全粒子質量の10%に達するときの粒子の直径D10との比(本明細書中、単に「D90/D10」とも称する)の下限は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがよりさらに好ましい。また、D90/D10の上限は特に制限はないが、5.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.5以下であることがよりさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物として調製し、当該研磨用組成物を用いて研磨した場合、研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。
さらに、砥粒は、表面修飾されていてもよい。なかでも、特に好ましいのは、有機酸を固定化したコロイダルシリカである。研磨用組成物中に含まれるコロイダルシリカの表面への有機酸の固定化は、例えばコロイダルシリカの表面に有機酸の官能基が化学的に結合することにより行われている。コロイダルシリカと有機酸を単に共存させただけではコロイダルシリカへの有機酸の固定化は果たされない。有機酸の一種であるスルホン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Sulfonic acid−functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246−247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたコロイダルシリカを得ることができる。あるいは、カルボン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2−Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel”, Chemistry Letters, 3, 228−229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2−ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたコロイダルシリカを得ることができる。
コロイダルシリカ濃縮分散液中のコロイダルシリカの含有量の下限は、0.002質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であるとより好ましく、0.2質量%以上であることがよりさらに好ましいく、2質量%以上が最も好ましい。また、コロイダルシリカ濃縮分散液中のコロイダルシリカの含有量の上限は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
上記のような、分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液は、従来公知の方法で合成することによって準備してもよいし、市販品があるならそれを購入してもよい。
2.前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程
本発明の第1の濃縮研磨用組成物の製造方法は、前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程を有する。
前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加する方法については特に制限はないが、攪拌を行いながら添加を行うことが好ましい。
この分散液AのpHは、分散安定性の観点で、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは9.5以上である。また、シリカ自身が溶解せず安定に存在するためpHは、好ましくは13以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは11以下である。必要に応じ、当該範囲となるようにpHの調整を行ってもよい。
[第4級アンモニウム化合物]
第4級アンモニウム化合物は、Nで示され、かかる式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基;または置換もしくは非置換の下記式:
ただし、Gは、炭素数1〜4のアルキレン基であり、nは、1〜15である、
で示される基;であり、Aは、任意のアニオンである。
炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1〜20のアルキル基の具体例についての特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基などを挙げることができる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例についての特に制限はないが、フェニル基またはナフチル基などを挙げることができる。
「置換または非置換」における「置換基」としては、フッ素原子、塩素原子または臭素などのハロゲン原子;炭素数6〜20のアリール基;アシル基(「−COX」の構造を有し、Xは、上記アルキル基または上記アリール基である);炭素数6〜20のアリールアミド基などが好適である。なお、炭素数6〜20のアリール基や、炭素数6〜20のアリールアミド基は、上記炭素数1〜20のアルキル基;フッ素原子、塩素原子または臭素などのハロゲン原子などでさらに置換されていてもよい。なお、本明細書中、「置換」とは、炭素原子に結合している水素原子が、上記のような基に置換されるもののみならず、酸素原子に結合している水素原子が、上記のような基に置換されるものも含むものとする。
本発明の第1における好ましい実施形態において、上記のNの構造としては、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基であるテトラアルキルアンモニウムや、R、R、RおよびRにおいて少なくとも一つのベンゼン環を有する第4級アンモニウムカチオン(構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウムカチオン)が好適である。
(テトラアルキルアンモニウムカチオン)
上記好ましい実施形態によれば、Nは、テトラアルキルアンモニウムカチオンである。テトラアルキルアンモニウムカチオンは、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基であると好ましい。R、R、RおよびRのアルキル基の炭素数としては、それぞれ独立して、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。炭素数がこのような範囲であると、スラリーの分散性が向上し研磨表面の仕上げが一般的に良くなるとの技術的効果を奏する。
テトラアルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、テトラブチルアンモニウム(TBAH)、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラノニルアンモニウム、テトラウンデシルアンモニウム、テトラドデシルアンモニウム、テトラトリデシルアンモニウム、テトラペンタデシルアンモニウム、テトラヘキサデシルアンモニウム、テトラヘプタデシルアンモニウム、テトラオクタデシルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウムなどが好適である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏する観点で、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムが好適であり、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムがより好適である。
(構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウムカチオン)
上記好ましい実施形態によれば、Nは、構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウムカチオンである。
かような第4級アンモニウムカチオンは、その構造中にベンゼン環を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、第4級アンモニウムカチオンが下記化学式1で表されるものがあげられる。
なお、下記化学式1中のxは1以上15以下の整数であり、y、z、およびwはそれぞれ独立して、0以上4以下の整数である。ただし、x、y、z、およびwは小さいほど好ましい。
ここで、上記(1)中、xは1以上10以下の整数であることが好ましく、xは1以上5以下の整数であることがより好ましい。また、y、z、およびwは、それぞれ独立して0以上4以下の整数であるが、好ましくは0以上3以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数である。
上記化学式1で表されるものとして、例えば以下のような第4級アンモニウムカチオンが好適である。
中でも、本発明の効果をより効率的に奏させるため、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンで示される、上記化学式(2)で示される第4級アンモニウムカチオンが好適である。
また、第4級アンモニウムカチオンとしては、上記化学式1で表されるもの以外の第4級アンモニウムカチオンを使用してもよく、例えば以下のような第4級アンモニウムカチオンも好適である。
上記式中、「R=−C17・・・−C1837」との意味は、R=炭素数8〜18の直鎖状のアルキル基を意味する。
これらの第4級アンモニウムカチオンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A
任意のアニオンAとしては、フッ化物イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;水酸化物イオン;安息香酸イオンなどの有機酸イオンなどが好適である。中でも、水酸化物イオンであることが好ましい。なお、任意のアニオンAは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上より、本発明の第1の製造方法の好ましい実施形態においては、前記第4級アンモニウム化合物が、テトラアルキルアンモニウム水酸化物、および、構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウム水酸化物の少なくとも一方である。また、本発明の所期の効果を効率よく奏させる観点から、前記第4級アンモニウム化合物が、構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウム水酸化物であることが特に好ましい。
なお、任意のアニオンAとして水酸化物イオンが好ましい理由は、以下のとおりである。すなわち、水酸化物イオンであると、研磨後、研磨対象物表面のアニオン残留物を低減することができる。また、上記のように、分散液AのpHは、好ましくは8〜13に調整するが、水酸化物イオンであると、他にpH調整剤のようなものを添加しなくても通常この範囲に収まるからである。よって、アニオンAとして水酸化物イオン以外を採用する場合、必要に応じ適宜、水酸化カリウムなどのpH調整剤を併用してもよい。無論、アニオンAとして水酸化物イオンを採用してもpH調整剤を使用してもよい。
なお、本発明の第1の製造方法の実施形態によれば、第4級アンモニウム化合物のみならず、例えばアンモニア等の公知の塩基成分をさらに添加してもよい。
上記のようにして、分散液Aを作製する。
3.前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程
本発明の第1の濃縮研磨用組成物の製造方法は、前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程を有する。
前記分散液Aに、水溶性高分子を添加する方法については特に制限はないが、攪拌を行いながら添加を行うことが好ましい。
なお、本発明の第1の製造方法の好ましい実施形態においては、前記分散液Aの作製後、当該分散媒Aに水溶性高分子を添加するまでに一定時間を設けることが好ましい。よって、本発明の第1の製造方法の好ましい実施形態においては、前記分散液Aの作製後、分散液Aを、好ましくは4分以上、より好ましくは5分以上おいてから、水溶性高分子を分散液Aに添加する。時間の上限は、特に制限はないが生産性の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下である。
[水溶性高分子]
水溶性高分子の種類は特に限定されるものではないが、水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体およびポリ(4−スチレンスルホン酸)からなる群から選択される少なくとも1種であると好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、水溶性高分子は、その構造中に窒素を有する含窒素水溶性高分子が好ましい。含窒素水溶性高分子の単量体が有する窒素原子の数は、1個でもよいし複数でもよい。なお、含窒素水溶性高分子は、その主鎖に窒素原子を有していてもよいし、側鎖に窒素原子を有していてもよい。
よって、水溶性高分子としてはポリビニルピロリドンまたはポリビニルカプロラクタムが好ましい。
水溶性高分子の数平均分子量は、好ましくは5000以上であり、より好ましくは10000以上であり、さらに好ましくは30000以上である。これにより、スラリーの分散性向上との技術的効果がある。また、水溶性高分子の数平均分子量は、好ましくは50万以下、より好ましくは30万以下、さらに好ましくは10万以下である。これにより、凝集を抑制し、安定性が向上する技術的効果を有する。
上記のようにして、分散液Bを作製する。
[濃縮研磨用組成物]
本発明の第1の製造方法においては、分散液Bをそのまま濃縮研磨用組成物としてもよいし、さらに別の工程を設けて、濃縮研磨用組成物としてもよい。
ここで、濃縮研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量の下限は、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であるとより好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。下限がこのようであると、輸送コスト低減との技術的効果を有する。
また、濃縮研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量の上限は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。上限がこのようであると、濃縮研磨用組成物の安定性向上との技術的効果を有する。
よって、本発明の第1の好ましい実施形態によれば、前記濃縮研磨用組成物が、コロイダルシリカ0.1〜40質量%含む。
また、濃縮研磨用組成物中の第4級アンモニウム化合物の含有量の下限は0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、濃縮研磨用組成物の分散性向上との技術的効果を有する。
また、濃縮研磨用組成物中の第4級アンモニウム化合物の含有量の上限は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、濃縮研磨用組成物の安定性向上との技術的効果を有する。
濃縮研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量の下限は、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、濃縮研磨用組成物による平坦化性向上との技術的効果を有する。
また、濃縮研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量の上限は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、研磨時の研磨速度向上との技術的効果を有する。
上記のように、濃縮研磨用組成物は、前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製し、前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製することを有して作製される。ここで、前記コロイダルシリカ濃縮分散液に対する第4級アンモニウム化合物の添加量や、前記分散液Aに対する水溶性高分子の添加量は、以下のように調整されると好ましい。すなわち、例えば、上記のように、濃縮研磨用組成物におけるコロイダルシリカ濃度を0.1〜40質量%に調整する場合、第4級アンモニウム化合物および水溶性高分子の添加量を、前記濃縮研磨用組成物中の上記の好ましい含有量の範囲に収まるように設定すればよい。そのことによって、濃縮研磨用組成物中で、コロイダルシリカ、第4級アンモニウム化合物および水溶性高分子が、好ましい含有量となり、次工程以降で、濃縮研磨用組成物を希釈して用いても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきを低減し、安定性を向上させることができる。
なお、濃縮研磨用組成物におけるコロイダルシリカに関するその他の説明(例えば、平均一次粒子径、平均二次粒子径、D90/D10等の説明)は、コロイダルシリカ濃縮分散液におけるコロイダルシリカの説明が基本的に妥当する。
また、濃縮研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量とコロイダルシリカの含有量との比([コロイダルシリカの含有量]/[水溶性高分子の含有量])は、90以下とすることができ、好ましくは70以下、より好ましくは50以下である。これにより、研磨時の研磨速度向上との技術的効果を有する。また、10以上とすることができ、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。これにより、研磨後の平滑さ向上との技術的効果を有する。
また、研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量と第4級アンモニウム化合物の含有量との比([第4級アンモニウム化合物の含有量]/[水溶性高分子の含有量])は、10以下とすることができ、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。これにより、安定性向上の技術的効果を有する。また、0.5以上とすることができ、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上である。これにより、研磨対象物の研磨速度向上の技術的効果を有する。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の第2である、研磨用組成物の製造方法は、本発明の第1の濃縮研磨用組成物の製造方法によって、濃縮研磨用組成物を得、前記濃縮研磨用組成物に対し、さらに分散媒を添加することを有する。
このように、使用時(POU)に水などの分散媒で希釈して研磨用組成物(希釈液)を調製するようにすれば、容量の小さい容器で保存・運搬することが可能となり、取り扱いが容易になる効果がある。
前記濃縮研磨用組成物に、さらに分散媒を添加する方法については特に制限はないが、攪拌を行いながら添加を行うことが好ましい。
前記濃縮研磨用組成物に対して添加する分散媒の量は特に制限はないが、希釈率が好ましくは2〜15倍、より好ましくは3〜10倍程度になるように設定すればよい。よって、本発明の第2の製造方法の好ましい実施形態によれば、前記研磨用組成物が、コロイダルシリカ0.02〜8質量%含む。
研磨用組成物のpHにも特に制限はないが、後述する研磨対象物の観点から、塩基性領域であることが好ましい。ここで、塩基性領域とは、pH7超を意味し、好ましくはpH8〜13である。なお、本発明におけるpHの値は、実施例に記載の条件で測定した値を言うものとする。
なお、研磨用組成物におけるコロイダルシリカに関するその他の説明は、コロイダルシリカ濃縮分散液におけるコロイダルシリカの説明(例えば、平均一次粒子径、平均二次粒子径、D90/D10等の説明)が基本的に妥当する。
[他の成分]
本発明の研磨用組成物は、必要に応じて、(重合防止剤、ラジカル補足剤、酸化防止剤などの)有機物の安定剤、pH調整剤、酸化剤、還元剤、界面活性剤、防カビ剤等の他の成分をさらに含んでもよい。
<研磨方法>
本発明の第3である、研磨方法は、本発明の第2の製造方法によって、研磨用組成物を得、前記研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨することを有する。
かかる構成を有することによって、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきを有意に抑制して、研磨対象物を研磨することができるという技術的効果を有する。
[研磨対象物]
研磨対象物としては、ケイ素−ケイ素結合を有する研磨対象物であることが好ましい。
ケイ素−ケイ素結合を有する研磨対象物としては、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金などが挙げられる。
具体的な研磨の方法については特に制限されないが、一形態として以下のようなものがある。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件にも特に制限はなく、例えば、研磨定盤の回転速度は、10〜500rpmが好ましく、ヘッド(キャリア)の回転速度は、10〜500rpmが好ましく、研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.1〜10psiが好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。また研磨時間も特には制限されない。
<濃縮研磨用組成物の安定化方法>
本発明によれば、濃縮研磨用組成物の安定化方法も提供される。すなわち、本発明の第4である、濃縮研磨用組成物の安定化方法は、分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液に対して、第4級アンモニウム化合物と、水溶性高分子とをこの順で添加することを有する。
このような構成を有することによって、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきを少なくでき濃縮研磨用組成物を安定化することができる。
濃縮研磨用組成物の安定化方法における具体的な説明は、上記の説明が同様に妥当するのでここではその説明を割愛する。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件下で行われた。
<実施例1>
[濃縮研磨用組成物]
分散媒として純水と;コロイダルシリカ(平均一次粒子径:35nm、平均二次粒子径:67nm、D90/D10:1.6)19.5質量%と;を含む、市販のコロイダルシリカ濃縮分散液を準備した。
このコロイダルシリカ濃縮分散液に対し、攪拌を行いながら、第4級アンモニウム化合物としてテトラエチルアンモニウム水酸化物(TEAH)を添加することによって、分散液Aを作製した。この際のpHは、10.7であった。
その後、前記分散液Aに対して攪拌を5分間継続した後、攪拌を行いながらさらに、水溶性高分子としてポリビニルピロリドン(数平均分子量(Mn):40000)を添加することによって分散液Bを作製した。
このようにして、コロイダルシリカを10質量%含み、テトラエチルアンモニウム水酸化物を0.35質量%含み、ポリビニルピロリドンを0.25質量%含む、濃縮研磨用組成物を製造した。
[研磨用組成物]
上記の濃縮研磨用組成物に、さらに分散媒として純水を添加して5倍に希釈し、コロイダルシリカを2質量%含む、研磨用組成物を作製した。
上記の研磨用組成物の作製後、約5分経過した時点で一部取り出し、それを研磨用組成物(0d)とし、当該研磨用組成物(0d)を使って、研磨対象物(ポリシリコン)を以下の研磨条件で研磨し、研磨速度を測定した。
同様に、約24時間、約48時間および72時間経過した時点で一部取り出し、それぞれを、研磨用組成物(1d)、研磨用組成物(2d)および研磨用組成物(3d)とし、それらを使って、研磨速度を測定した。
なお、研磨用組成物(液温:25℃)のpHは、pHメータ(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA)により確認し、結果を表1に示した。
また、上記水溶性高分子の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算の値を採用している。
(研磨条件)
研磨機:300mm研磨機(株式会社荏原製作所製:型番F−REX300E)
研磨パッド:ポリウレタン製パッド(ダウ・エレクトロニック・マテリアルズ社製:型番IC1010)
圧力:1.5psi
コンディショナー(ドレッサー):Diamond dresser(3M Corp社製:型番A188)
プラテン(定盤)回転数:60rpm
ヘッド(キャリア)回転数:65rpm
研磨用組成物の流量:300ml/min
研磨時間:60sec
(研磨速度の算出方法)
研磨速度(研磨レート)は、以下の式により計算した。
膜厚は、光干渉式膜厚測定装置(ケーエルエー・テンコール株式会社製 型番:ASET F5X)によって求めて、その差を研磨時間で除することにより算出した。
<実施例2>
第4級アンモニウム化合物として、テトラエチルアンモニウム水酸化物の代わりに、テトラメチルアンモニウム水酸化物を使用した以外は、実施例1と同様にして研磨速度を計算した。この際のpHは、10.7であった。
<実施例3>
第4級アンモニウム化合物として、テトラエチルアンモニウム水酸化物の代わりに、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物を使用した以外は、実施例1と同様にして研磨速度を計算した。この際のpHは、10.8であった。
<比較例1>
テトラエチルアンモニウム水酸化物の代わりに、アンモニアを使用した以外は、実施例1と同様にして研磨速度を計算した。
<比較例2>
[濃縮研磨用組成物]
実施例1と同様に、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備した。
このコロイダルシリカ濃縮分散液に対し、攪拌を行いながら、水溶性高分子としてポリビニルピロリドン(数平均分子量(Mn):40000)を添加することによって、分散液Cを作製した。
その後、前記分散液Cに対して攪拌を5分間継続した後、攪拌を行いながらさらに、第4級アンモニウム化合物としてテトラエチルアンモニウム水酸化物を添加することによって分散液Dを作製した。
このようにして、コロイダルシリカを10質量%含み、テトラエチルアンモニウム水酸化物を0.35質量%含み、ポリビニルピロリドンを0.25質量%含む、濃縮研磨用組成物を製造した。
[研磨用組成物]
上記の濃縮研磨用組成物に、さらに分散媒として純水を添加して5倍に希釈し、研磨用組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして研磨速度を計算した。
<実施例4>
実施例1において、テトラエチルアンモニウム水酸化物を少量添加した後、さらにアンモニアを添加することによって分散液A(pHは、10.8)を作製した以外は、実施例1と同様にして、コロイダルシリカを10質量%含み、テトラエチルアンモニウム水酸化物を0.09質量%含み、アンモニアを0.33質量%含み、ポリビニルピロリドンを0.25質量%含む、濃縮研磨用組成物を作製した。
研磨用組成物の作製後、研磨速度を測定した。ただし、本実施例では、研磨用組成物(3d)の研磨速度の測定はしていない。
<実施例5>
実施例5と、実施例4との相違点は、TEAH濃度である。実施例5の濃度は、実施例4の2倍である。このようにして、研磨速度を測定した。ただし、本実施例では、研磨用組成物(3d)は作製していない。
以下表1に、研磨用組成物(0d)を用いた研磨レートを100%としたときの、研磨用組成物(1d)、研磨用組成物(2d)および、実施例によっては研磨用組成物(3d)を用いた研磨レートの比率を示す。
<考察>
実施例の濃縮研磨用組成物を希釈して作製した研磨用組成物は、2日、3日と経過して研磨対象物を研磨しても、その研磨速度は、初期の研磨速度からあまり変化していない。よって、本発明によれば、希釈して用いたとしても、研磨を行うまでの経過時間による研磨速度のバラつきの少ない、安定性が確保された濃縮研磨用組成物の製造方法を提供できていることが示唆される。これに対し、比較例の濃縮研磨用組成物を希釈して作製した研磨用組成物は、2日、3日と経過して研磨対象物を研磨すると、初期の研磨速度に比して、研磨速度は増加する傾向が窺がえ、すなわち、安定性が確保されていないことが示唆される。
特に、実施例1および比較例2においては、両者とも、コロイダルシリカを10質量%含み、テトラエチルアンモニウム水酸化物を0.35質量%含み、ポリビニルピロリドンを0.25質量%含む、濃縮研磨用組成物が調製されており、組成は同じである。それであるにもかかわらず、添加順序を変えることによって、研磨速度に大きな差異があることは当業者にも予想がつかない驚くべき結果と言える。

Claims (10)

  1. 分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液を準備する工程と;
    前記コロイダルシリカ濃縮分散液に、第4級アンモニウム化合物を添加することによって、分散液Aを作製する工程と;
    前記分散液Aに、水溶性高分子を添加することによって、分散液Bを作製する工程と;
    を有する、濃縮研磨用組成物の製造方法。
  2. 前記濃縮研磨用組成物が、コロイダルシリカを0.1〜40質量%含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第4級アンモニウム化合物が、テトラアルキルアンモニウム水酸化物、および、構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウム水酸化物の少なくとも一方である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記第4級アンモニウム化合物が、構造中にベンゼン環を有する第4級アンモニウム水酸化物である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体およびポリ(4−スチレンスルホン酸)からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって、濃縮研磨用組成物を得、
    前記濃縮研磨用組成物に対し、さらに分散媒を添加することを有する、研磨用組成物の製造方法。
  7. 前記研磨用組成物が、コロイダルシリカを0.02〜8質量%含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の製造方法によって、研磨用組成物を得、
    前記研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する、研磨方法。
  9. 前記研磨対象物が、ケイ素−ケイ素結合を有する研磨対象物である、請求項8に記載の研磨方法。
  10. 分散媒と、コロイダルシリカとを含む、コロイダルシリカ濃縮分散液に対して、第4級アンモニウム化合物と、水溶性高分子とをこの順で添加することを有する、濃縮研磨用組成物の安定化方法。
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