JP2017132900A - ポリマー及びそれを用いたペロブスカイト型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
で表される繰り返し単位(1)、及び
一般式(2):
で表される繰り返し単位(2)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマー。
で表される繰り返し単位(1A)である、項1に記載のポリマー。
で表される繰り返し単位(2A)である、項1又は2に記載のポリマー。
で表される少なくとも1種を組合せた基である、項1〜4のいずれかに記載のポリマー。
本発明のポリマーは、一般式(1):
で表される繰り返し単位(1)、及び
一般式(2):
で表される繰り返し単位(2)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する ポリマーである。このような繰り返し単位を有するポリマーを使用することで、π共役を二次元方向(繰り返し単位(1))又は三次元(繰り返し単位(2))に拡張し、これにより固体状態でのπ−スタッキングを構築しやすくすることができる。また、一般式(4):
で表される骨格が準平面骨格であるため、上記繰り返し単位(1)及び(2)はいずれも準平面骨格の繰り返し単位である。このため、隣接する準平面構造を有する繰り返し単位の当該骨格同士が分子間相互作用を有することで、繰り返し単位(1)及び/又は繰り返し単位(2)を所望の方向に配列及び配向させることが可能となり、π−スタッキングを二次元的又は三次元的に拡張することが可能である。このため、分子間での正孔輸送に関する軌道の重なり積分(電子カップリング)が大きくなり、正孔移動特性の低下を低減することができる。また、分子内でπ共役を拡張させることで正孔輸送時の分子の最配列エネルギーも小さくすることができる。このようなポリマーを用いた光電変換素子(特に、ペロブスカイト型太陽電池)は、光電変換効率を向上させることができる。
で表される繰り返し単位(2-1)と、一般式(2-2):
で表される繰り返し単位(2-2)とを包含する。
で表される基が挙げられる。
で表される基の他、
で表される基等がより好ましい。
等が挙げられる。
等が挙げられる。
等を採用した場合には、特にペロブスカイト型太陽電池のヒステリシスを低減することができる。
で表される繰り返し単位(1A)、又は一般式(2A):
で表される繰り返し単位(2A)が好ましく、一般式(1A1):
で表される繰り返し単位(1A1)、又は一般式(2A1):
で表される繰り返し単位(2A1)がより好ましい。
本発明のポリマーの合成方法は特に制限されない。例えば、所望のジハロゲン体と所望のビススタニル体とを、パラジウム触媒の存在下で反応させること(右田・小杉・スティルカップリング)により得ることができるし、所望のジハロゲン体と所望のビスボレート体とを、パラジウム触媒の存在下で反応させること(鈴木・宮浦カップリング)により得ることもできる。また、L(π共役基)として三重結合を導入する場合は、所望のジハロゲン体とビスアルキニル体とを、パラジウム触媒、銅触媒及び塩基の存在下で反応させること(薗頭カップリング)により得ることもできる。
ジハロゲン体
基質として使用するジハロゲン体としては、上記繰り返し単位(1)又は(2)の構造を有するジハロゲン体を使用することができ、例えば、一般式(6):
で表される化合物(6)を使用することができる。
基質として使用するビススタニル体としては、上記繰り返し単位(1)又は(2)の構造を有するビススタニル体を使用することができ、例えば、一般式(7):
で表される化合物(7)を使用することができる。
基質として使用するビスボレート体としては、上記繰り返し単位(1)又は(2)の構造を有するビスボレート体を使用することができ、例えば、一般式(8):
で表される化合物(8)を使用することができる。
で表される基が挙げられる。
基質として使用するビスアルキニル体としては、上記繰り返し単位(1)又は(2)の構造を有するビスアルキニル体を使用することができ、例えば、一般式(10):
で表される化合物(10)を使用することができる。
本発明のポリマーは、上記ジハロゲン体と上記ビススタニル体とを、パラジウム触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
本発明のポリマーは、上記ジハロゲン体と上記ビスボレート体とを、パラジウム触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
本発明のポリマーは、上記ジハロゲン体と上記ビスアルキニル体とを、パラジウム触媒、銅触媒及び塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
本発明のp型バッファ層は、上記した本発明のポリマーを含有する。
で表される化合物の他、LiTFSI、Ag(TFSI)2、AgTFS(TFSはリフルオロメタンスルホニル基を示す。以下同様である。)、NOSbF6、SbCl5、SbF5等も挙げられる。
本発明の光電変換素子(特にペロブスカイト型太陽電池)は、本発明のポリマーを含有するp型バッファ層を備える。より詳細には、本発明の光電変換素子(特にペロブスカイト型太陽電池)は、透明電極、n型バッファ層、光吸収層(ペロブスカイト層)、本発明のp型バッファ層(正孔輸送層)、及び金属電極をこの順に備えることが好ましい。また、n型バッファ層とペロブスカイト層との間には、電子輸送層を備えることが好ましい。
透明電極は、光電変換に寄与する光を透過可能な透光性を有する必要があることから、透明な材料を使用する。また、透明電極は、後述の光吸収層の支持体であるとともに、光吸収層より電流を取り出す機能を有する部材であることから、導電性基板が好ましい。
本発明の光電変換素子(特にペロブスカイト型太陽電池)においては、前記透明電極の上に、n型バッファ層が形成されることが好ましい。このn型バッファ層は、平滑構造を有し、p型バッファ層中の本発明のポリマーが上記透明電極と接して短絡することをより防ぐ目的で形成されるものである。
本発明の光電変換素子(特にペロブスカイト型太陽電池)においては、前記n型バッファ層の上に、電子輸送層が形成されることが好ましい。
本発明の光電変換素子(特にペロブスカイト型太陽電池)においては、前記電子輸送層の上に、光吸収層(ペロブスカイト層)が形成されることが好ましい。
本発明において、p型バッファ層は、上記説明したように、本発明のポリマーを含有する層である。このp型バッファ層は、上記光吸収層(ペロブスカイト層)の上に形成されることが好ましい。つまり、上記光吸収層(ペロブスカイト層)の上に、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等(好ましくはスピンコート)の方法によって形成されることが好ましい。
本発明の光電変換素子においては、前記p型バッファ層の上に、金属電極を備えることが好ましい。
二口フラスコ中にマグネシウム(0.613 g, 25.5 mmol)を投入し、ヨウ素の結晶(0.062 g, 0.48 mmol)を加えた。1-ブロモ-2-エチルヘキサン(3.29 g, 17.0 mmol)の脱水THF溶液(10 mL)を滴下し、24 時間還流した。生成した Grignard 試薬をアルゴン下でキャニュラーを用いて、200 mLの二口フラスコに移した。そこに、7-ブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(3.00 g, 8.52 mmol)及びジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(0.347 g, 0.426 mmol)の脱水THF溶液(30 mL)を滴下し、混合液を 45℃で48時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.50)で精製し、目的物である7-(2-エチルヘキシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン( AG-1) を無色のオイルとして得た(43%, 1.55 g, 4.02 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.15-6.98 (m, 8H), 6.65 (s, 2H), 2.35 (m, 2H) 1.50 (m, 1H), 1.20-1.35 (m, 8H), 0.85 (t, 3J(H, H) = 7.5 Hz, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C26H27NO2, 385.2042; found, 385.25。
二口フラスコ中にマグネシウム(0.511 g, 21.3 mmol)を投入し、ヨウ素の結晶(0.080 g, 0.62 mmol)を加えた。1-ブロモ-2-デシルテトラデカン(7.11 g, 17.0 mmol)の脱水THF溶液(12 mL)を滴下し、24時間還流した。生成したGrignard試薬をアルゴン下でキャニュラーを用いて、200 mLの二口フラスコに移した。そこに、7-ブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(3.01 g, 8.55 mmol)及びジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(0.347 g, 0.426 mmol)の脱水THF溶液(30 mL)を滴下し、混合液を 45℃で48時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.60)で精製し、目的物である7-(2-デシルテトラデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-2)を無色のオイルとして得た(58%, 3.01 g, 4.94 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.14-6.99 (m, 8H), 6.65 (s, 2H), 2.36 (m, 2H), 1.51-1.41 (m, 1H), 1.15-1.32 (m, 40H), 0.85 (t, 3J(H, H) = 7.5 Hz, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C42H59NO2, 609.4546; found, 609.49。
合成例1で得たAG-1(1.50 g, 3.89 mmol)をジクロロメタン(50 mL)中に溶解させた。その溶液にN-ブロモスクシンイミド(NBS; 1.46 g, 8.18 mmol)を投入し、暗所、室温で18時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.51)で精製し、目的物である3,11-ジブロモ-7-(2-エチルヘキシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-3)を無色のオイルとして得た(95%, 2.01 g, 3.70 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.16-6.95 (m, 6H), 6.311 (s, 2H), 2.34 (t, 2H) 1.51-1.41 (m, 1H), 1.31-1.15 (m, 8H), 0.83 (t, 3J(H, H) = 7.5 Hz, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C26H25Br2NO2, 543.0232; found, 543.10。
合成例2で得たAG-2(6.11 g, 10.0 mmol)をジクロロメタン(50 mL)中に溶解させた。その溶液にN-ブロモスクシンイミド(NBS; 3.92 g, 22.0 mmol)を投入し、暗所、室温で18時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.55)で精製し、目的物である 3,11-ジブロモ-7-(2-デシルテトラデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-4)を無色のオイルとして得た(89%, 6.82 g, 8.88 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.15-7.03 (m, 6H), 6.30 (s, 2H), 2.35 (m, 2H) 1.50 (m, 1H), 1.32-1.15 (m, 40H), 0.85 (t, 3J(H, H) = 7.5 Hz, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C42H57Br2NO2, 765.2756; found, 767.29。
合成例3で得たAG-3(0.350 g, 0.644 mmol)を脱水THF(20 mL)中に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.58 M, 1.22 mL, 1.93 mmol)を滴下し、60分撹拌した。塩化トリメチルスズ(0.384 g, 1.93 mmol)のTHF溶液(2 mL)をゆっくり加え、さらに30分撹拌した。溶液を室温まで昇温し、14時間撹拌した。ジクロロメタンを用いて、溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製し、目的物である7-(2-エチルヘキシル)-3,11-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-5)を無色のオイルとして得た(53%, 0.245 g, 0.345 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 7.31-7.30 (m, 2H), 7.03-7.00 (m, 4H), 6.48-6.46 (d, 2H), 2.58(d, 2H), 1.60-1.50 (m, 1H), 1.50-1.20 (m, 8H), 0.90-0.85 (m, 6H), 0.28 (s, 18H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+calcd. for C32H43NO2Sn2, 711.1332; found, 711.15。
合成例4で得たAG-4(1.00 g, 1.30 mmol)を脱水THF(25 mL)中に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.58 M, 1.73 mL, 2.74 mmol)を滴下し、60分撹拌した。塩化トリメチルスズ(0.649 g, 3.26 mmol)のTHF溶液(2 mL)をゆっくり加え、さらに30分撹拌した。溶液を室温まで昇温し、14時間撹拌した。ジクロロメタンを用いて、溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製し、目的物である7-(2-デシルテトラデシル)-3,11-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-6)を無色のオイルとして得た(29%, 0.350 g, 0.374 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.30-7.29 (m, 2H), 7.02-6.95 (m, 4H), 6.46-6.45 (d, 2H), 2.59 (d, 2H), 1.60-1.50 (m, 1H), 1.49-1.21 (m, 40H), 0.91-0.85 (m, 6H), 0.28 (s, 18H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+calcd. for C48H75NO2Sn2, 935.3836; found, 935.40。
ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(12.0 g, 43.9 mmol)をジクロロメタン(200 mL)中に溶解させた。その溶液にN-ブロモスクシンイミド(NBS; 16.4 g, 92.3 mmol)を約2 gずつ投入し、暗所、室温で25時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : CH2Cl2 = 3 : 1、Rf = 0.45)で精製し、目的物である3,11-ジブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-7)を白色の固体として得た(78%, 14.8 g, 34.3 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.2-6.99 (m, 6H), 6.70 (t, 1H), 6.48-6.46 (d, 2H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C18H9Br2NO2, 430.8980; found, 430.96。
合成例7で得たAG-7(0.810 g, 1.88 mmol)を脱水THF(30 mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.58 M, 3.56 mL, 5.64 mmol)を滴下し、60分撹拌した。塩化トリメチルスズ(1.12 g, 5.64 mmol)のTHF溶液(2 mL)をゆっくり加え、さらに30分撹拌した。溶液を室温まで昇温し、14時間撹拌した。ジクロロメタンを用いて、溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製し、目的物である3,11-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-8)を無色のオイルとして得た(65%, 0.736 g, 1.23 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.31-7.29 (m, 2H), 7.03-7.00 (m, 4H), 6.72 (t, 1H), 6.49-6.46 (d, 2H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+calcd. for C24H27NO2Sn2, 599.0080; found, 599.06。
後述のトリアリールアミン骨格のジブロモ体(1.00当量)、後述のビススタニル体(1.00当量)、Pd2(dba)3・CHCl3(1 mol% of Pd)及び後述のホスフィン配位子(3 mol%)を10 mLのシュレンク管に投入し、後述の有機溶媒(トルエン又はクロロベンゼン)を溶媒として添加した。この混合液を窒素バブリングにより30分間脱気した後、110℃で24時間撹拌した。溶液を室温まで冷却した後、13 M塩酸(1 mL)を加えたメタノール(100 mL)に注ぎ、2時間撹拌した。沈殿をろ過し、得られた固体をソックスレーに投入した。メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ24時間洗浄した。残った固体をクロロベンゼンにより回収し、メタノールで再沈殿を行い、ろ過し、減圧下で乾燥した。
トリアリールアミン骨格のジブロモ体:合成例4で得たAG-4(50 mg, 0.0652 mmol)
ビススタニル体:合成例6で得たAG-6(67 mg, 0.0717 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(1.345 mg, 0.0013 mmol)
ホスフィン配位子:P(o-furyl)3(1.67 mg, 0.0072 mmol)
有機溶媒:クロロベンゼン(2 mL)。
GPC Mw = 3.19 kg/mol, Mn = 3.99 kg/mol, PDI = 1.25. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.16-6.97 (br, 4H), 6.36-6.25 (br, 4H), 2.35 (br, 2H), 1.65-1.05 (br, 41H, -CH, -CH2), 0.91-0.75 (br, 6H, -CH3)。
トリアリールアミン骨格のジブロモ体:合成例3で得たAG-3(100 mg, 0.184 mmol)
ビススタニル体:合成例8で得たAG-8(110 mg, 0.184 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(1.9 mg, 0.00184 mmol)
ホスフィン配位子:P(o-tol)3(2.24 mg, 0.00736 mmol)
有機溶媒:トルエン(2 mL)。
GPC Mw = 4.9 kg/mol, Mn = 3.4 kg/mol, PDI = 1.44. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.17-6.96 (br, 4H), 6.34-6.21 (br, 5H), 2.35 (br, 2H), 1.66-1.05 (br, 17H, -CH, -CH2), 0.91-0.75 (br, 6H, -CH3)。
トリアリールアミン骨格のジブロモ体:合成例4で得たAG-4(150 mg, 0.195 mmol)
ビススタニル体:合成例8で得たAG-8(117 mg, 0.195 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(2 mg, 0.00193 mmol)
ホスフィン配位子:P(o-tol)3(2.4 mg, 0.00788 mmol)
有機溶媒:トルエン(2 mL)。
GPC Mw = 4.5 kg/mol, Mn = 3.0 kg/mol, PDI = 1.50. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.15-6.91 (br, 4H), 6.31-6.20 (br, 5H), 2.40-2.31 (br, 2H), 1.66-1.05 (br, 49H, -CH, -CH2), 0.99-0.85 (br, 6H, -CH3)。
トリアリールアミン骨格のジブロモ体:合成例3で得たAG-3(100 mg, 0.184 mmol)
ビススタニル体:5,5'-ビス(トリメチルスタニル)-2,2'-ビチオフェン(90 mg, 0.184 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(1.9 mg, 0.00184 mmol)
ホスフィン配位子:P(o-tol)3(2.24 mg, 0.00736 mmol)
有機溶媒:トルエン(2 mL)。
GPC Mw = 4.3 kg/mol, Mn = 3.4 kg/mol, PDI = 1.26. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.21-7.01 (br, 4H), 6.61-6.45 (br, 4H), 6.35-6.25 (br, 4H), 2.40-2.30 (br, 2H), 1.55-1.05 (br, 9H, -CH, -CH2), 0.96-0.75 (br, 6H, -CH3)。
トリアリールアミン骨格のジブロモ体:合成例4で得たAG-4(150 mg, 0.195 mmol)
ビススタニル体:5,5'-ビス(トリメチルスタニル)-2,2'-ビチオフェン(96 mg, 0.195 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(2 mg, 0.00195 mmol)
ホスフィン配位子:P(o-tol)3(2.4 mg, 0.0078 mmol)
有機溶媒:トルエン(2 mL)。
GPC Mw = 10.2 kg/mol, Mn = 7.6 kg/mol, PDI = 1.34. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.22-7.09 (br, 4H), 6.62-6.46 (br, 4H), 6.36-6.24 (br, 4H), 2.39-2.31 (br, 2H), 1.56-1.04 (br, 41H, -CH, -CH2), 0.96-0.75 (br, 6H, -CH3)。
合成例4で得たAG-4(2.003 g, 2.61 mmol)を脱水THF(50 mL)中に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.44 M, 2.35 mL, 5.74 mmol)を滴下し、60分撹拌した。イソプロピルピナコールボレート(0.88 g, 4.73 mmol)を加え、溶液を室温まで昇温し、終夜で撹拌した。溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、酢酸エチル(100 mL)で3回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥した後、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、シリカゲルショートカラムクロマトグラフィーを行った後、ゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製し、目的物である7-(2-デシルテトラデシル)-3,11-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(AG-9)を無色のペースト状固体として得た(40 %, 890 mg, 1.03 mmol)。
1H NMR (500 MHz, C6D6): δ 7.72 (s, 2H), 7.53 (d, 4H), 6.30 (s, 2H), 2.19 (d, 2H), 1.52-1.41 (m, 1H), 1.32-1.20 (m, 40H), 0.90-0.85 (t, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C18H9Br2NO2, 861.6250; found, 861.68。
合成例4で得たAG-4(1.00当量)、後述のビスピナコールボレート体(1.00当量)及びK3PO4(4当量)を10 mLのシュレンク管に投入し、脱気したトルエン/1,4-ジオキサン/水(2:1:1)、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336; 数滴)、Pd2(dba)3・CHCl3(1 mol% of Pd)及びP(o-tol)3(3 mol%)を添加した。この混合液を窒素バブリングにより30分間脱気した後、110℃で48時間撹拌した。溶液を室温まで冷却した後、メタノールに注いだ。生成した沈殿をろ過し、1 M塩酸、飽和重曹水、水及びアセトンで洗浄した。固体をクロロホルムに溶解して回収し、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ポリマーを黄色固体として得た。得られたポリマーをソックスレーに投入し、メタノール及びアセトンでそれぞれ24時間洗浄した。残った固体を熱ヘキサンで回収した後、クロロホルムに溶解した。メタノールで再沈殿を行い、ろ過し、減圧下で乾燥した。
合成例4で得たAG-4(723 mg, 0.942 mmol)
ビスピナコールボレート体:合成例9で得たAG-9(812 mg, 0.942 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(9.75 mg, 0.00942 mmol)
P(o-tol)3(17.2 mg, 0.0565 mmol)
K3PO4(1.60 g, 7.53 mmol)
トルエン(6 mL)、1,4-ジオキサン(3 mL)、水(3mL)。
GPC Mw = 7.0 kg/mol, Mn = 4.6 kg/mol, PDI = 1.52. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.15-7.01 (br, 4H), 6.39-6.25 (br, 4H), 2.37-2.25 (br, 2H), 1.61-1.05 (br, 41H, -CH, -CH2), 0.94-0.75 (br, 6H, -CH3)。
合成例4で得たAG-4(200 mg, 0.260 mmol)
ビスピナコールボレート体:1,4-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン(86 mg, 0.260 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(2.7 mg, 0.00261 mmol)
P(o-tol)3(4.6 mg, 0.0158 mmol)
K3PO4(221 mg, 1.04 mmol)
トルエン(2 mL)、1,4-ジオキサン(1 mL)、水(1 mL)。
GPC Mw = 16.9 kg/mol, Mn = 8.3 kg/mol, PDI = 2.03. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.16-7.00 (br, 4H), 6.42-6.25 (br, 8H), 2.37-2.25 (br, 2H), 1.50-1.05 (br, 41H, -CH, -CH2), 0.94-0.75 (br, 6H, -CH3)。
合成例4で得たAG-4(200 mg, 0.260 mmol)
ビスピナコールボレート体:1,3-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン(86 mg, 0.260 mmol)
Pd2(dba)3・CHCl3(2.7 mg, 0.00261 mmol)
P(o-tol)3(4.8 mg, 0.0158 mmol)
K3PO4(221 mg, 1.04 mmol)
トルエン(2 mL)、1,4-ジオキサン(1 mL)、水(1 mL)。
GPC Mw = 10.3 kg/mol, Mn = 6.3 kg/mol, PDI = 1.63. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.19-7.00 (br, 4H), 6.45-6.21 (br, 8H), 2.30-2.0 (br, 2H), 1.60-1.05 (br, 41H, -CH, -CH2), 0.95-0.76 (br, 6H, -CH3)。
アルゴンを封入した二口フラスコ中にマグネシウム(1.70 g, 70.0 mmol)を投入し、脱水THF(4.0 mL)を加えた。1-ブロモ-2-オクチルドデカン(24.4 g, 67.5 mmol)の脱水THF溶液(80 mL)を滴下し、75℃で4時間撹拌した。500 mLの二口フラスコに7-ブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(6.07 g, 17.2 mmol)及びジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(PdCl2dppf・CH2Cl2; 0.282 g, 0.345 mmol)を投入し、アルゴン置換した後、脱水THF(100 mL)を添加した。生成したGrignard試薬をシリンジで加え、75℃で15時間撹拌した。混合液を水(100 mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(100 mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥、ろ過した後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.28)で精製し、目的物である7-(2-オクチルドデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-1)を無色のオイルとして得た(84%, 8.05 g, 14.5 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.34 (d, 3J(H,H) = 8.0 Hz, 2H), 6.98-6.92 (m, 2H), 6.89 (d, 4J(H,H) = 3.5 Hz, 4H), 6.32 (s, 2H), 2.36 (d, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 2H), 1.35-1.10 (m, 33H), 0.91-0.80 (m, 6H)。
合成例10で得たmaru-1(8.05 g, 14.5 mmol)をジクロロメタン(320 mL)中に溶解させた。その溶液にN-ブロモスクシンイミド(NBS; 5.68 g, 31.9 mmol) を投入し、暗所、室温で21時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.70)で精製し、目的物である3,11-ジブロモ-7-(2-オクチルドデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-2)を黄色のオイルとして得た(96%, 9.88 g, 13.9 mmol)。
1H NMR (500 MHz, C6D6): δ 6.94 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.70 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.47 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 6.34 (s, 2H), 2.28 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.37-1.24 (m, 33H), 0.93-0.86 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, C6D6: δ 147.7, 144.8, 139.0, 128.3, 126.5, 120.9, 117.7, 115.5, 114.9, 112.3, 40.3, 39.8, 33.5, 32.3, 31.9, 30.5, 30.15, 30.12, 30.08, 29.82, 29.79, 27.0, 23.1, 23.0, 14.4; HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C38H49Br2NO2, 711.2110; found, 711.2440。
合成例11で得たmaru-2(5.72 g, 8.04 mmol)をジイソプロピルアミン(iPr2NH; 130 mL)に溶解させ、アルゴンバブリングにより1時間脱気した。CuI(308 mg, 1.62 mmol)、PdCl2(PPh3)2(1.13 g, 1.61 mmol)及びトリイソプロピルシリルアセチレン(3.52 g, 19.3 mmol)を投入し、110℃で17時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.40)で精製し、目的物である3,11-ビス((トリイソプロピルシリル)エチニル)-7-(2-オクチルドデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-3)を黄色のオイルとして得た(92%, 6.75 g, 7.38 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ7.22 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 7.07 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.99 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.34 (s, 2H), 2.36 (d, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 2H), 1.28-1.20 (m, 33H), 1.13 (s, 42H), 0.87 (t, 3J(H,H) = 6.5 Hz, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M-H]+ calcd. for C60H91NO2Si2, 912.6510; found, 912.6940。
合成例12で得たmaru-3(6.75 g, 7.38 mmol)を脱水THF(110 mL)に溶解させ、−78℃ に冷却した。TBAFのTHF溶液(1 M, 15.5 mmol, 15.5 mL)を添加し、室温まで昇温した後、16時間撹拌した。混合液を、ジクロロメタンを展開溶媒に用いて、シリカゲルショートカラムクロマトグラフィーを行った後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf = 0.10)で精製し、目的物である3,11-ジエチニル-7-(2-オクチルドデシル)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-4)を茶色のオイルとして得た(97%, 4.32 g, 7.18 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 7.25 (d, 3J(H,H) = 9.0 Hz, 2H), 7.10 (dd, 3J(H,H) =9.0 Hz, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 7.00 (d, 4J(H,H) = 2.0 Hz, 2H), 6.35 (s, 2H), 3.12 (s, 2H), 2.37 (d, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2H), 1.32-1.15 (m, 33H), 0.90-0.85 (m, 6H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M]+ calcd. for C42H51NO2, 601.3920; found, 601.4208。
トルエン(150 mL)及びジイソプロピルアミン((i-Pr)2NH; 15 mL)を混合し、アルゴンバブリングにより脱気した。合成例13で得たmaru-4(0.903 g, 1.50 mmol)を混合溶媒に溶解し、合成例11で得たmaru-2(1.07 g, 1.50 mmol)に添加した。混合液にCuI(5.3 mg, 0.06 mmol)及びPd(PPh3)4(34.7 mg, 0.03 mmol)を加え、60℃で28時間撹拌した。クロロベンゼンを用いて、溶液をセライトろ過した。ろ液を純水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過した後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をクロロベンゼンに溶解し、メタノール(700 mL)に注ぎ入れた。沈殿をろ過し、得られた固体をソックスレーに投入した。メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ24時間洗浄した後、ジクロロメタンで抽出した。抽出物をそれぞれメタノールで再沈殿を行い、ろ過し、減圧下で乾燥した。得られた固体をトルエンで溶解し、ゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製した。
GPC Mw = 25.0 kg/mol, Mn = 15.0kg/mol, PDI = 1.63, 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ7.20-6.63 (br, 4H), 6.44-5.95 (br, 4H), 2.43-2.23 (br, 2H), 1.63-1.44 (br, 1H), 1.37-1.05 (br, 34H), 0.93-0.77 (br, 6H)。
7-ブロモベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(352 mg, 1.00 mmol)を DMF(40 mL)及びメタノール(16 mL)に溶解した。混合液にナトリウムメトキシド(270 mg, 5.0 mmol)を加え、120 ℃で30分撹拌した。臭化銅(I)(14.3 mg, 0.10 mmol)を添加し、さらに 48 時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加え、ジクロロメタン(50 mL)で3回抽出した。有機層を Na2SO4で乾燥し、ろ過した後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : CH2Cl2 = 5 : 1、Rf = 0.16)で精製し、目的物である7-(メトキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-5)を白色の固体として得た(36%, 109 mg, 0.36 mmol)。
1H NMR (500 MHz, C6D6): δ 7.06-7.04 (m, 2H), 6.84-6.82 (m, 2H), 6.63-6.61 (m, 4H), 6.15 (s, 2H); HRMS (APCI-positive) (m/z): [M+H]+ calcd. for C19H14NO3, 304.0974; found, 304.2650。
合成例14で得たmaru-5(15.0 mg, 0.05 mmol)をジクロロメタン(4 mL)中に溶解させた。その溶液にN-ブロモスクシンイミド(19.4 mg, 0.11 mmol)を投入し、暗所、室温で3時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 5 : 1、Rf = 0.64)で精製し、目的物である3,11-ジブロモ-7-(メトキシ)ベンゾ[5,6][1,4]オキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン(maru-6)を(66%, 15.1 mg, 0.03 mmol)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.19 (s, 2H), 7.11-7.10 (d, 2H), 7.04-7.05 (d, 2H), 6.19 (s, 2H), 3.82 (s, 3H); MS (DI) (m/z): [M]+calcd. for C19H11Br2NO3, 461; found, 461。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.11 (d, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 2H), 7.09 (dd, 3J(H,H) = 8.5 Hz, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 7.04 (d, 4J(H,H) = 1.5 Hz, 2H), 6.68 (s, 2H)。
実施例1で得たP1、実施例3で得たP3、実施例5で得たP5、及び実施例7で得たP7について、トルエン溶液(20 mg/mL)をITOガラス基板(HOMO準位測定用)もしくは石英ガラス基板上(バンドギャップ測定用)にスピンコートして薄膜を作製し、これらに対して、大気下光電子分光法によりHOMOを測定した。また、紫外可視吸収スペクトルにより、バンドギャップを測定した。これらの値から、スピンコートフィルム中のLUMOを算出した。結果を図1に示す。なお、図1には、参考のために、光吸収層のペロブスカイト材料(CH3NH3PbI3)及び公知の正孔輸送材料(PTAA)のHOMO及びLUMOも示す。
実施例5で得たP5を用いて、以下のように太陽電池を作製した。
実施例5で得たP5の代わりに実施例6で得たP6を用い、CH3NH3PbI3層(光吸収層)の厚みが330 nm、正孔輸送層(p型バッファ層)の厚みが430 nmとなるように調整した他は実施例11と同様に、太陽電池を作製した。
実施例5で得たP5の代わりに実施例7で得たP7を用い、CH3NH3PbI3層(光吸収層)の厚みが300 nm、正孔輸送層(p型バッファ層)の厚みが90 nmとなるように調整した他は実施例11と同様に、太陽電池を作製した。
実施例5で得たP5の代わりに実施例8で得たP8を用い、CH3NH3PbI3層(光吸収層)の厚みが246 nm、正孔輸送層(p型バッファ層)の厚みが35 nmとなるように調整した他は実施例11と同様に、太陽電池を作製した。
実施例5で得たP5の代わりに実施例7で得たP7を用い、LiTFSIを用いないこと以外は実施例11と同様にクロロベンゼン溶液を作製し、実施例11と同様の処理を行い、CH3NH3PbI3層(光吸収層)の厚みが180 nm、正孔輸送層(p型バッファ層)の厚みが45 nmとなるように同様に太陽電池を作製した。
実施例5で得たP5の代わりに従来からp型バッファ層に使用されているPTAAを用い、LiTFSIを用いないこと以外は実施例11と同様にクロロベンゼン溶液を作製し、実施例11と同様の処理を行い、CH3NH3PbI3層(光吸収層)の厚みが50 nm、正孔輸送層(p型バッファ層)の厚みが190 nmとなるように同様に太陽電池を作製した。
実施例11〜15及び比較例1の太陽電池の光電変換特性について、JIS C 8913: 1998のシリコン結晶系太陽電池セルの出力測定方法に準拠した方法で測定した。ソーラーシュミレーター(分光計器社製 SMO-250III型)に、AM 1.5G相当のエアマスフィルターを組み合わせ、2次基準Si 太陽電池で100 mW/cm2の光量に調整して測定用光源とし、ペロブスカイト型太陽電池セルの試験サンプルに光照射をしながら、ソースメーター(Keithley Instruments Inc. 製、2400型汎用ソースメーター)を使用してI-Vカーブ特性を測定し、I-Vカーブ特性測定から得られた短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗(Rs)、及び並列抵抗(Rsh)を導出した。そして、短絡電流密度(Jsc)、及び光電変換効率(PCE)を以下の式1及び式2を用いて算出した。
式2:光電変換効率(PCE;%)=Voc(V)×Jsc(mA/cm2)×FF×100/100(mW/cm2)
結果を表1及び図2〜7に示す。図2は実施例11、図3は実施例12、図4は実施例13、図5は実施例14、図6は実施例15、図7は比較例1について、得られた太陽電池の断面SEMとI-Vカーブ特性の結果である。なお、図2〜7では、Forward scan及びReverse scanのいずれも示している。この結果、本発明のポリマーを用いることで、太陽電池として機能させることができた。なお、図6〜7の結果から、従来のPTAAを使用した場合は、LiTFSI塩を使用しない場合はJ-V特性が著しく低下してしまうのと比較し、本発明のポリマーを使用した場合はLiTFSI塩を使用しなくてもJ-V特性を一定程度維持することができることが示されている。つまり、本発明のポリマーは、添加剤を使用せずとも太陽電池として機能することができることが理解できる。
Claims (14)
- 一般式(1):
で表される繰り返し単位(1)、及び
一般式(2):
で表される繰り返し単位(2)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマー。 - 前記繰り返し単位(1)が、一般式(1A):
で表される繰り返し単位(1A)である、請求項1に記載のポリマー。 - 前記繰り返し単位(2)が、一般式(2A):
で表される繰り返し単位(2A)である、請求項1又は2に記載のポリマー。 - 前記Lが、単結合であるか、又は、2価の脂肪族不飽和炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、及び2価の複素環式基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を組合せた基である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー。
- 前記Lが、一般式(3A)〜(3M):
で表される少なくとも1種を組合せた基である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー。 - 前記Lが前記一般式(3C)又は(3E)で表される基である、請求項5に記載のポリマー。
- 前記m1及びm3がいずれも0であり、前記m2が1である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー。
- 前記R2がアルキル基である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー。
- 最低空軌道のエネルギー準位(LUMO)が−3.60〜−2.00 eVである、請求項1〜8のいずれかに記載のポリマー。
- 最高被占有軌道のエネルギー準位(HOMO)が−5.45〜−4.90 eVである、請求項1〜9のいずれかに記載のポリマー。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポリマーからなる正孔輸送材料。
- 請求項11に記載の正孔輸送材料を含有するp型バッファ層。
- 請求項12に記載のp型バッファ層を備える光電変換素子。
- 請求項13に記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池。
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