JP2017131058A - モータ、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】腐食を抑制可能な小型かつ軽量のモータを提供する。【解決手段】ケース20は、アルミニウムを含む金属により形成され、ケース筒部21、ケース筒部21の一方の端部を塞ぐケース底部22、ケース底部22の中央に形成されたケース穴部23を有している。フレーム30は、アルミニウムを含む金属により形成され、ケース筒部21のケース底部22とは反対側の端部を塞ぐフレーム底部31、フレーム底部31の中央に形成されたフレーム穴部32、フレーム穴部32からケース底部22に向かって延びるフレーム筒部33を有している。固定子40は、内壁がフレーム筒部33により支持された環状の鉄心41を有している。制御部70は、フレーム30のケース20とは反対側に設けられ、巻線42に供給する電力を制御し回転子60の回転を制御可能である。モータ10は、少なくとも一部が車両の車輪の上端部よりも下側に位置するよう設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、モータ、および、これを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
近年、車両のラック軸に直接トルクを与えるタイプの電動パワーステアリング装置が主流になりつつある。例えば、特許文献1の装置では、電動パワーステアリング装置のモータは、車輪の上端部よりも下側に搭載されると考えられる。この場合、車両の走行中、モータに泥水や塩水(雪国の融雪塩水や海岸線の砂等に付着した塩水)等が被水することが頻繁に起こる。これにより、モータの外郭であるケースが腐食するおそれがある。
また、車両を水洗する際、各種の洗剤を使用するのが一般的である。各国には強い酸性または強いアルカリ性の成分を含んだ洗剤が販売され利用されている。洗車時、これらの成分がモータに付着し、ケースが腐食するおそれがある。
特開2014−61754号公報
これらのことから、モータのケースには、鉄部材よりも腐食に強いアルミ部材、例えばアルミダイカスト品を採用することが考えられる。しかしながら、アルミ部材は、応力下で腐食因子を含む水等が付着すると、腐食が促進される。特に内転式のモータの場合、ケースの内壁に固定子を固定する構成のため、ケースに大きな応力が生じ、ケースの腐食が促進されるおそれがある。
腐食による強度低下等を抑制するために、ケースの肉厚を厚くしたり、高価な表面処理を施し膜厚の管理をする等の対策を講じると、モータの大型化や重量増、管理工数増といった不経済な設計を招くおそれがある。
また、ケースの腐食対策として、ケースを合成樹脂材料で形成することも考えられる。しかしながら、ケースを合成樹脂材料で形成した場合、強度と搭載制約の観点から、コンパクトな設計が困難になるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、腐食を抑制可能な小型かつ軽量のモータ、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車両のエンジンルーム内に設けられ、電動パワーステアリング装置の駆動対象を駆動する電動パワーステアリング装置用のモータであって、ケースとフレームと固定子とシャフトと回転子と出力部と制御部とを備えている。
ケースは、アルミニウムを含む金属により形成され、筒状のケース筒部、ケース筒部の一方の端部を塞ぐケース底部、および、ケース底部の中央に形成されたケース穴部を有している。
フレームは、アルミニウムを含む金属により形成され、ケース筒部のケース底部とは反対側の端部を塞ぐフレーム底部、フレーム底部の中央に形成されたフレーム穴部、および、フレーム穴部からケース底部に向かって筒状に延びるよう形成されたフレーム筒部を有している。
固定子は、内壁がフレーム筒部の外壁に対向した状態でフレーム筒部により支持された環状の鉄心、および、鉄心に巻回された巻線を有している。
シャフトは、ケース穴部およびフレーム穴部に挿通され、ケース穴部およびフレーム穴部により回転可能に支持されている。
回転子は、外壁がケース筒部の内壁との間に隙間を形成するようケース筒部と鉄心との間に設けられる回転子筒部、回転子筒部のケース底部側の端部を塞ぐよう回転子筒部と一体に形成された回転子底部、回転子底部の中央に形成されシャフトに嵌合している回転子穴部、および、鉄心に対向するよう回転子筒部の内壁に設けられた回転子磁石を有し、シャフトとともに回転可能に設けられている。
出力部は、シャフトに設けられ、回転子の回転を駆動対象に出力する。
制御部は、フレームのケースとは反対側に設けられ、巻線に供給する電力を制御し回転子の回転を制御可能である。このように、本発明のモータは、機電一体型のモータである。
本発明では、モータは、少なくとも一部が車両の車輪のシルエットの上端部よりも下側に位置するよう設けられる。そのため、車両の走行中、モータに泥水や塩水等が被水することが頻繁に起こり得る。これにより、モータの外郭であるケースが腐食するおそれがある。
そこで、本発明では、ケースおよびフレームは、アルミニウムを含む金属により形成されている。そのため、ケースおよびフレームを鉄部材等で形成する場合に比べ、腐食に強くすることができる。
また、本発明のモータは外転式であり、固定子の鉄心はフレームのフレーム筒部により支持されており、ケースのケース筒部の内壁と回転子の回転子筒部の外壁との間には隙間が形成されている。すなわち、ケースは、固定子を支持しておらず、単に固定子および回転子等を収容しつつ保護する機能を担うのみである。そのため、ケースに生じる応力を小さくすることができる。これにより、ケースに腐食因子を含む水等が付着しても、ケースの腐食の促進を抑制することができる。したがって、本発明のモータは、車両の下部に設けられ、車両の走行中に頻繁に被水するおそれのある電動パワーステアリング装置のモータとして用いるのに好適である。
また、本発明では、ケースおよびフレームが、アルミニウムを含む金属により形成されているため、モータの外郭としてのケースに関し所定の強度を確保しつつ、モータの小型化および軽量化を図ることができる。
(A)は本発明の第1実施形態によるモータを電動パワーステアリング装置に適用した状態を示す図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図。 本発明の第1実施形態によるモータを示す断面図。 (A)は本発明の第1実施形態によるモータの鉄心を示す斜視図、(B)は巻線の一部を示す斜視図。 本発明の第1実施形態によるモータの回路構成を示す図。 本発明の第2実施形態によるモータを電動パワーステアリング装置に適用した状態を示す図。 本発明の第2実施形態によるモータを示す断面図。
以下、本発明の複数の実施形態によるモータ、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるモータを図2に示す。モータ10は、電力を供給されることにより駆動し、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に採用される。
図1は、電動パワーステアリング装置101を備えたステアリングシステム100の全体構成を示すものである。電動パワーステアリング装置101には、ハンドル102に接続されたステアリングシャフト103にトルクセンサ104が設けられている。トルクセンサ104は、車両1の運転者からハンドル102を経由してステアリングシャフト103に入力される操舵トルクを検出する。
ステアリングシャフト103の先端にはピニオンギア105が設けられており、ピニオンギア105はラック軸106に噛み合っている。ラック軸106の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪107が回転可能に連結されている。
これにより、運転者がハンドル102を回転させると、ハンドル102に接続されたステアリングシャフト103が回転し、ステアリングシャフト103の回転運動は、ピニオンギア105によってラック軸106の直線運動に変換され、ラック軸106の直線運動変位に応じた角度について一対の車輪107が操舵される。
電動パワーステアリング装置101は、車両1の操舵に関するアシストトルクを発生するモータ10、および、当該モータ10の回転をラック軸106に伝えるラックギア108等を備えている。本実施形態では、モータ10は、ラックギア108のハウジング110に取り付けられている。
モータ10は、例えば車両1のエンジンルーム2内に設けられる。モータ10は、例えば3相駆動型のブラシレスモータであり、バッテリ3から電力を供給されることにより駆動する。モータ10は、ラックギア108を正逆回転させる。ここで、ラックギア108は、特許請求の範囲における「駆動対象」に対応している。電動パワーステアリング装置101は、上述のトルクセンサ104、および、車速を検出する車速センサを含む。
この構成により、電動パワーステアリング装置101は、トルクセンサ104および車速センサ等からの信号に基づき、ハンドル102の操舵を補助するためのアシストトルクをモータ10から発生し、ラックギア108を経由してラック軸106に伝達する。このように、本実施形態では、電動パワーステアリング装置101は、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図2に示すように、モータ10は、ケース20、軸受25、フレーム30、軸受35、シール部材300、固定子40、ねじ34、シャフト50、回転子60、プーリ51、磁石52、制御部70等を備えている。
ケース20は、例えばアルミ合金等、アルミニウムを含む金属により形成されている。本実施形態では、ケース20は、例えばアルミダイカスト品である。ケース20は、筒状のケース筒部21、ケース筒部21の一方の端部を塞ぐようケース筒部21と一体に形成されたケース底部22、および、ケース底部22の中央に形成されたケース穴部23を有している。本実施形態では、ケース底部22は、板状に形成されている。ケース穴部23は、ケース底部22を板厚方向に貫いている。ケース底部22は、ケース筒部21の外壁よりも径方向外側へ突出する固定部24を有している。
第1軸受部としての軸受25は、ケース穴部23に設けられている。軸受25は、例えばボールベアリングである。
フレーム30は、例えばアルミ合金等、アルミニウムを含む金属により形成されている。本実施形態では、フレーム30は、例えばアルミダイカスト品である。フレーム30は、ケース筒部21のケース底部22とは反対側の端部を塞ぐフレーム底部31、フレーム底部31の中央に形成されたフレーム穴部32、および、フレーム穴部32からケース底部22に向かって筒状に延びるよう形成されたフレーム筒部33を有している。本実施形態では、フレーム底部31は、板状に形成されている。フレーム穴部32は、フレーム底部31を板厚方向に貫いている。
フレーム底部31は、挿通穴部311を有している。挿通穴部311は、フレーム底部31を板厚方向に貫くよう、フレーム底部31に複数形成されている。また、フレーム底部31は、フレーム筒部33とは反対側の面からフレーム筒部33とは反対側へ突出するよう形成された突出部312を有している。本実施形態では、突出部312は、フレーム底部31に2つ形成されている。
フレーム筒部33は、大径部331、小径部332および段差面333を有している。大径部331は、フレーム筒部33のフレーム穴部32側の端部に形成されている。小径部332は、大径部331に対しケース底部22側に形成されており、外径が大径部331の外径より小さく設定されている。段差面333は、ケース底部22側を向くよう、大径部331と小径部332との間に環状に形成されている。
第2軸受部としての軸受35は、フレーム穴部32に設けられている。軸受35は、例えばボールベアリングである。
シール部材300は、例えばゴム等の弾性体により環状に形成されたOリングである。シール部材300は、ケース筒部21とフレーム底部31との間に設けられている。具体的には、シール部材300は、フレーム底部31の外縁端に形成された環状の溝に収容され、内側がフレーム底部31に当接し、外側がケース筒部21のケース底部22とは反対側の端部の内壁に当接している。シール部材300は、ケース筒部21とフレーム底部31とにより径方向に圧縮されている。これにより、シール部材300は、ケース筒部21とフレーム底部31との間を液密に保持可能である。
固定子40は、内壁がフレーム筒部33の外壁に対向した状態でフレーム筒部33により支持された環状の鉄心41、および、鉄心41に巻回された巻線42を有している。
鉄心41は、例えば鉄の薄板を積層することにより環状に形成されている。図3(A)に示すように、鉄心41は、外壁から径方向内側へ凹むよう形成された溝部411を有している。溝部411は、鉄心41の周方向に等間隔で複数形成されている。これにより、溝部411の間に、鉄心41の径方向外側へ延びる突極412が形成されている。
鉄心41の内径は、フレーム筒部33の小径部332の外径よりやや小さく設定されている。鉄心41は、例えば焼嵌めによりフレーム筒部33に設けられている。これにより、フレーム筒部33の小径部332の外壁には、鉄心41の内壁から径方向内側の力が作用している。そのため、鉄心41は、フレーム筒部33と同軸を高精度に保ちつつ、フレーム筒部33に対し相対回転不能に設けられている。
鉄心41は、フレーム底部31側の端面の内縁部がフレーム筒部33の段差面333に当接した状態で設けられている。
固定部材としてのねじ34は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ねじ34は、フレーム筒部33の小径部332のケース底部22側の端面にねじ込まれるようにして設けられている。ねじ34は、頭部のフレーム底部31側の面の一部が鉄心41のケース底部22側の端面の内縁部に当接している。ねじ34は、鉄心41が段差面333に押し付けられた状態で鉄心41をフレーム筒部33に固定している。これにより、鉄心41がフレーム筒部33に対し位置ずれしたり脱落したりするのを抑制することができる。
巻線42は、例えば銅等からなる線材により形成され、外壁が絶縁被膜で覆われている。本実施形態では、予め亀甲状に形成した巻線42を複数束ねて銅線群とし(図3(B)参照)、この銅線群を鉄心41の径方向外側から溝部411に挿入するようにして、全節巻により鉄心41に設ける。本実施形態では、巻線42は全節巻仕様のため、巻線係数を1.0と高く設定でき、小型化に有利である。
本実施形態では、溝部411の開口端が鉄心41の径方向外側を向くよう形成されているため、巻線42を全節巻でも連続線で鉄心41に比較的容易に巻回すことができる。つまり、本実施形態では、巻線42は、連続線方式で鉄心41に設けられている。
図4に示すように、巻線42は、巻線431〜433、巻線441〜443を含む。
巻線431、441は、モータ10のU相に対応している。巻線432、442は、モータ10のV相に対応している。巻線433、443は、モータ10のW相に対応している。
巻線431〜433は、それぞれの一端が接続され、3相巻線組43を構成している。巻線441〜443は、それぞれの一端が接続され、3相巻線組44を構成している。このように、本実施形態では、巻線42は、電気的に絶縁され磁気的に結合した2組の3相巻線組(43、44)を構成している。
図2に示すように、固定子40は、延伸部420をさらに有している。延伸部420は、例えば銅等の金属により棒状に形成され、外壁が絶縁被膜で覆われている。延伸部420は、一端が巻線42に電気的に接続し、他端側がフレーム底部31の挿通穴部311を通り、フレーム底部31に対しケース20とは反対側へ延びるよう形成されている。ここで、延伸部420は、挿通穴部311に接触しない状態で設けられている。本実施形態では、延伸部420は、巻線431〜433、巻線441〜443のそれぞれに対応するよう6つ設けられている。
シャフト50は、例えば金属により棒状に形成されている。シャフト50は、ケース穴部23およびフレーム穴部32に挿通され、軸受25および軸受35を介してケース穴部23およびフレーム穴部32により回転可能に支持されている。シャフト50は、一端がケース底部22に対しケース筒部21とは反対側に飛び出した状態で設けられている。
回転子60は、回転体600および磁石65を有している。
回転体600は、例えば鉄等の金属により形成されている。回転体600は、回転子筒部61、回転子底部62、回転子穴部63および内側筒部64を有している。
回転子筒部61は、外壁がケース筒部21の内壁との間に円筒状の隙間CL1を形成するようケース筒部21と鉄心41との間に設けられている。回転子底部62は、回転子筒部61のケース底部22側の端部を塞ぐよう回転子筒部61と一体に形成されている。回転子穴部63は、回転子底部62の中央に形成されシャフト50に嵌合している。内側筒部64は、回転子穴部63からフレーム底部31に向かって筒状に延びるようにして形成され、シャフト50に嵌合している。
回転体600は、例えば鉄等からなる板状の部材をプレス加工することにより2重筒状に形成されている。なお、回転子底部62は、中央にフレーム30側へ凹む凹部621を有している。ここで、軸受25の一部は、凹部621の内側に位置している。これにより、モータ10の軸方向の大型化を抑制することができる。また、内側筒部64のフレーム底部31側の端部は、フレーム筒部33の内側に位置している。これにより、モータ10の軸方向の大型化を抑制しつつ、回転体600とシャフト50との嵌合代を確保することができる。
磁石65は、鉄心41に対向するよう回転子筒部61の内壁に設けられている。磁石65は、例えば希土類元素を用いて作られる永久磁石である。磁石65は、回転子筒部61の内壁に複数設けられている。磁石65は、回転子筒部61の周方向に等間隔で設けられている。ここで、磁石65は、特許請求の範囲における「回転子磁石」に対応している。本実施形態では、磁石65は、回転子筒部61の内壁に例えば接着剤により取り付けられている。なお、磁石65は、例えば円筒のスリーブ状部材を磁石65の鉄心41側の面に嵌着し回転子筒部61に固定することとしてもよい。
磁石65と鉄心41の外壁との間には、円筒状の隙間CL2が形成されている。
回転子60は、回転子穴部63および内側筒部64の内壁がシャフト50の外壁に嵌合するようにしてシャフト50に設けられている。なお、シャフト50の回転子穴部63および内側筒部64が嵌合する部位の外壁には、軸方向に延びる複数の溝が形成されている。これにより、回転子60は、シャフト50に対し相対回転不能であり、シャフト50とともに回転可能である。
出力部としてのプーリ51は、例えば金属により略円筒状に形成され、シャフト50の一端に設けられている。プーリ51は、シャフト50とともに回転可能である。プーリ51の外壁には、軸方向に延びる複数の溝(図示せず)が形成されている。ラックギア108の入力部としてのプーリ111、および、プーリ51には、ベルト112が巻き掛けられている。これにより、回転子60が回転するとシャフト50およびプーリ51が回転し、プーリ51からラックギア108に対し回転子60の回転が出力される。
磁石52は、シャフト50のプーリ51とは反対側の端部に設けられている。磁石52は、シャフト50の端部に取り付けられたホルダ53を介してシャフト50に設けられている。これにより、磁石52は、回転子60が回転すると、シャフト50ともに回転する。
制御部70は、フレーム30のケース20とは反対側に設けられ、巻線42に供給する電力を制御し回転子60の回転を制御可能である。
制御部70は、パワーモジュール71、72、カスタムIC75、回転角センサ76、制御IC77、基板700等を有している。
図4に示すように、制御部70には、バッテリ3から電力が供給される。
パワーモジュール71は、スイッチング素子711〜716、電源リレー、シャント抵抗等を樹脂等の封止体により覆うことで一体に形成した半導体モジュールである。 本実施形態では、スイッチング素子711〜716は、電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。スイッチング素子711〜716は、ゲート電圧により、ソース−ドレイン間がオンオフ制御される。 上アーム側のスイッチング素子711〜713は、ドレインがバッテリ3側に接続され、ソースが対応する下アーム側のスイッチング素子714〜716のドレインに接続されている。下アーム側のスイッチング素子714〜716のソースは、グランド側に接続されている。上アーム側のスイッチング素子711〜713と対応する下アーム側のスイッチング素子714〜716との接続点は、延伸部420を経由して巻線431〜433に電気的に接続されている。すなわち、延伸部420は、巻線42と制御部70とを電気的に接続している。
パワーモジュール72は、パワーモジュール71と同様、スイッチング素子721〜726、電源リレー、シャント抵抗等を樹脂等の封止体により覆うことで一体に形成した半導体モジュールである。
上アーム側のスイッチング素子721〜723は、ドレインがバッテリ3側に接続され、ソースが対応する下アーム側のスイッチング素子724〜726のドレインに接続されている。下アーム側のスイッチング素子724〜726のソースは、グランド側に接続されている。上アーム側のスイッチング素子721〜723と対応する下アーム側のスイッチング素子724〜726との接続点は、延伸部420を経由して巻線441〜443に電気的に接続されている。
このように、パワーモジュール71、72は、3相巻線組43、44のそれぞれに対応するよう設けられている。
カスタムIC75は、レギュレータ、回転角センサ信号増幅部等を含む半導体集積回路である。 レギュレータは、バッテリ3からの電力を安定化する安定化回路である。レギュレータは、各部へ供給される電力の安定化を行う。 回転角センサ信号増幅部には、回転角センサ76(図2参照)からの信号が入力される。回転角センサ76は、例えばホールIC等の磁束検出素子であり、後述する基板700においてシャフト50に設けられた磁石52の近傍、より具体的には磁石52に対向するようシャフト50の軸線Ax1上に設けられ(図2参照)、磁石52が発生する磁束、すなわち、周囲の磁束(磁界)の変化を検出し、当該検出値を回転子60の回転角度に関する信号として回転角センサ信号増幅部に伝送する。回転角センサ信号増幅部は、回転角センサ76から伝送された回転子60の回転角度に関する信号を増幅して、後述の制御IC77のマイコンへ出力する。ここで、磁石52は、特許請求の範囲における「検出用磁石」に対応している。また、回転角センサ76は、特許請求の範囲における「磁束検出部」に対応している。
制御IC77は、マイコン、プリドライバ等を含む半導体集積回路である。 マイコンは、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM等を有する小型のコンピュータである。マイコンは、ROMに格納された各種プログラムに従い、CPUによって種々の処理を実行する。 制御IC77は、回転角センサ76からの信号に基づき回転子60の回転角度を検出可能である。
マイコンには、回転角センサ信号増幅部から回転子60の回転角度に関する信号、トルクセンサ104から操舵トルク信号、および、CANから車速情報等が入力される。マイコンは、これらの信号が入力されると、回転子60の回転角度に基づきプリドライバを介してパワーモジュール71、72を制御する。より具体的には、マイコンは、プリドライバによりスイッチング素子711〜716、721〜726のゲート電圧を変化させ、スイッチング素子711〜716、721〜726のオンオフを切り替えることで、パワーモジュール71、72を制御する。
マイコンは、回転角センサ76、トルクセンサ104、CANからの車速情報等に基づき、車速に応じてハンドル102の操舵をアシストするように、プリドライバを介してPWM制御により作出されたパルス信号を生成する。このパルス信号は、パワーモジュール71、72により構成される2系統のインバータ回路に出力され、パワーモジュール71、72のスイッチング素子711〜716、721〜726のオンオフの切り替え動作を制御する。これにより、巻線42の各相には、位相の異なる正弦波電流が流れ、回転磁界が生じる。この回転磁界を受けて回転子60およびシャフト50が一体となって回転する。そして、シャフト50の回転により、プーリ51からラックギア108に駆動力が出力され、運転者のハンドル102による操舵がアシストされる。
このように、本実施形態では、制御部70は、2系統のパワーモジュール(71、72)を有し、巻線42への通電を制御する。各系統は、それぞれ、U相、V相、W相を含む。パワーモジュール71、72は、バッテリ3からの直流電流を交流電流に変換し巻線42に供給する。ここで、パワーモジュール71、72は、特許請求の範囲における「3相インバータ」に対応している。また、パワーモジュール71、72(スイッチング素子711〜716、721〜726)は、作動(スイッチング)時、発熱する。
本実施形態では、パワーモジュール71、72と突出部312との間には、熱伝導部材36が設けられている。熱伝導部材36は、例えば絶縁放熱シートおよび放熱グリスから構成されている。絶縁放熱シートは、例えばシリコーン等を含む熱抵抗の小さな絶縁シートである。放熱グリスは、例えばシリコーンを基材とする熱抵抗の小さなゲル状のグリスである。この構成により、パワーモジュール71、72の作動時の熱は、熱伝導部材36を経由してフレーム30およびケース20に伝達し、放熱される。
パワーモジュール71、72と巻線42とが延伸部420を介して電気的に接続されることにより、パワーモジュール71、72および延伸部420を経由して巻線42に電力が供給される。
制御部70のフレーム30とは反対側には、カバー701が設けられている。カバー701は、例えば樹脂により皿状に形成されている。カバー701は、内側で制御部70を覆うよう、フレーム30の制御部70側に設けられている。カバー701は、開口端が、フレーム底部31の外縁部に当接するよう設けられている。カバー701により、制御部70を外部からの衝撃、埃や水等の液体から保護することができる。
図2に示すように、本実施形態では、ケース筒部21の肉厚をT1、回転子筒部61の肉厚をT2とすると、ケース筒部21および回転子筒部61は、T1<T2の関係を満たすよう形成されている。
回転体600は、ヨークとしての機能を備えるため磁気抵抗を小さくする必要があり、所定の肉厚を確保する必要がある。本実施形態では、T2は、例えば3mm程度に設定されている。これに対し、ケース20のケース筒部21は、固定子40および回転子60を収容しつつ保護する機能を担うのみでよいため、T1は、ダイカストで形成可能なよう、例えば2mm程度に設定されている。
また、ケース筒部21と回転子筒部61との間の隙間CL1の大きさd1は、ケース筒部21のダイカストによる表面精度と回転体600のプレス加工による表面精度とを鑑み、0.5mm以上、1mm以下程度に設定するのが望ましい。
モータ10は、ラックギア108のハウジング110に取り付けられる。ここで、モータ10は、ケース底部22の固定部24の穴部にボルト26を通しハウジング110にねじ込むことにより、他部材としてのハウジング110に固定される。
本実施形態では、図1に示すように、モータ10は、ケース20の軸線Ax2がラック軸106と概ね平行となるよう、ラックギア108のハウジング110に取り付けられる。また、モータ10は、車両1の車輪107の鉛直方向の上端部よりも下側に設けられる。そのため、車両1の走行中、モータ10に泥水や塩水(雪国の融雪塩水や海岸線の砂等に付着した塩水)等が被水することが頻繁に起こり得る。
以上説明したように、(1)本実施形態のモータ10は、車両1のエンジンルーム2内に設けられ、電動パワーステアリング装置101のラックギア108を駆動する電動パワーステアリング装置用のモータであって、ケース20とフレーム30と固定子40とシャフト50と回転子60とプーリ51と制御部70とを備えている。
ケース20は、アルミニウムを含む金属により形成され、筒状のケース筒部21、ケース筒部21の一方の端部を塞ぐケース底部22、および、ケース底部22の中央に形成されたケース穴部23を有している。
フレーム30は、アルミニウムを含む金属により形成され、ケース筒部21のケース底部22とは反対側の端部を塞ぐフレーム底部31、フレーム底部31の中央に形成されたフレーム穴部32、および、フレーム穴部32からケース底部22に向かって筒状に延びるよう形成されたフレーム筒部33を有している。
固定子40は、内壁がフレーム筒部33の外壁に対向した状態でフレーム筒部33により支持された環状の鉄心41、および、鉄心41に巻回された巻線42を有している。
シャフト50は、ケース穴部23およびフレーム穴部32に挿通され、ケース穴部23およびフレーム穴部32により回転可能に支持されている。
回転子60は、外壁がケース筒部21の内壁との間に隙間CL1を形成するようケース筒部21と鉄心41との間に設けられる回転子筒部61、回転子筒部61のケース底部22側の端部を塞ぐよう回転子筒部61と一体に形成された回転子底部62、回転子底部62の中央に形成されシャフト50に嵌合している回転子穴部63、および、鉄心41に対向するよう回転子筒部61の内壁に設けられた磁石65を有し、シャフト50とともに回転可能に設けられている。
出力部としてのプーリ51は、シャフト50に設けられ、回転子60の回転を、駆動対象としてのラックギア108に出力する。
制御部70は、フレーム30のケース20とは反対側に設けられ、巻線42に供給する電力を制御し回転子60の回転を制御可能である。このように、本実施形態のモータ10は、機電一体型のモータである。
本実施形態では、モータ10は、少なくとも一部が車両1の車輪107のシルエットの上端部よりも下側に位置するよう設けられる。そのため、車両1の走行中、モータ10に泥水や塩水等が被水することが頻繁に起こり得る。これにより、モータ10の外郭であるケース20が腐食するおそれがある。
そこで、本実施形態では、ケース20およびフレーム30は、アルミニウムを含む金属により形成されている。そのため、ケース20およびフレーム30を鉄部材等で形成する場合に比べ、腐食に強くすることができる。
また、本実施形態のモータ10は外転式であり、固定子40の鉄心41はフレーム30のフレーム筒部33により支持されており、ケース20のケース筒部21の内壁と回転子60の回転子筒部61の外壁との間には隙間CL1が形成されている。すなわち、ケース20は、固定子40を支持しておらず、単に固定子40および回転子60等を収容しつつ保護する機能を担うのみである。そのため、ケース20に生じる応力を小さくすることができる。これにより、ケース20に腐食因子を含む水等が付着しても、ケース20の腐食の促進を抑制することができる。したがって、本実施形態のモータ10は、車両1の下部に設けられ、車両1の走行中に頻繁に被水するおそれのある電動パワーステアリング装置101のモータとして用いるのに好適である。
また、本実施形態では、ケース20およびフレーム30が、アルミニウムを含む金属により形成されているため、モータ10の外郭としてのケース20に関し所定の強度を確保しつつ、モータ10の小型化および軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態のモータ10では、ケース20の肉厚を厚くしたり、高価な表面処理を施し膜厚の管理をする等の対策の必要がないため、モータ10の大型化や重量増、管理工数増といった不経済な設計を招くおそれがない。
また、(2)本実施形態のモータ10は、シール部材300をさらに備えている。シール部材300は、ケース筒部21とフレーム底部31との間に設けられ、ケース筒部21とフレーム底部31との間を液密に保持可能である。そのため、モータ10が被水等しても、ケース20およびフレーム30の内側に水が浸入するのを抑制することができる。これにより、ケース20およびフレーム30の内側の鉄心41や回転体600が錆びるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ケース20に生じる応力が小さいため、シール部材300に生じる歪みを抑制することができる。これにより、シール部材300によるシール性を理想的な状態で維持でき、防水寿命を長くすることができる。
また、(3)本実施形態では、ケース20およびフレーム30のうち少なくとも一方は、アルミダイカスト品である。そのため、ケース20およびフレーム30のうち少なくとも一方の耐腐食性を向上しつつ強度および寸法精度を高くすることができる。また、耐腐食性が高く所定の強度をもつ高い寸法精度のケース20およびフレーム30を短時間に大量に生産することができる。
また、(4)本実施形態では、固定子40は、巻線42と制御部70とを電気的に接続する延伸部420を有している。フレーム底部31は、延伸部420が挿通される挿通穴部311を有している。延伸部420は、回転体600の開口部(回転子筒部61の回転子底部62とは反対側の端部)側において、挿通穴部311を通り制御部70まで延びている。そのため、延伸部420は、回転体600(回転子60)の回転を妨げることがない。このような構成は、外転式のモータ10において、制御部70を回転体600(回転子60)の開口部側に配置することにより、実現できる。この構成では、回転体600の回転を妨げ得るもの(例えば延伸部420)を回転体600の開口部側に配置できるため、モータ10を容易に小型化することができる。
また、(5)本実施形態のモータ10は、検出用磁石としての磁石52をさらに備えている。
磁石52は、シャフト50のプーリ51とは反対側の端部に設けられ、シャフト50とともに回転する。制御部70は、磁束検出部としての回転角センサ76を有している。回転角センサ76は、シャフト50のプーリ51とは反対側において磁石52に対向配置され磁石52が発生する磁束の方向を検出可能である。これにより、制御部70は、回転角センサ76からの信号に基づき回転子60の回転角度を検出可能である。
また、(6)本実施形態では、制御部70のパワーモジュール71、72は、作動時の発熱がフレーム30に伝導可能な程度にフレーム底部31の突出部312の近傍に設けられている。なお、パワーモジュール71、72と突出部312との間には、熱伝導部材36が設けられている。これにより、パワーモジュール71、72の作動時の熱を、熱伝導部材36を経由してフレーム30およびケース20に伝達させ、放熱することができる。
また、(7)本実施形態では、巻線42は、電気的に絶縁され磁気的に結合した2組の3相巻線組(43、44)を構成している。制御部70は、3相インバータとしてのパワーモジュール71、72を有している。パワーモジュール71、72は、2組の3相巻線組(43、44)それぞれに対応するよう設けられ、3相巻線組(43、44)に供給する電力を変換可能である。この構成により、巻線42への電力供給部を冗長化できるとともに、モータ10作動時の低騒音化および低振動化を実現できる。
また、(8)本実施形態では、ケース筒部21の肉厚T1は、回転子筒部61の肉厚T2より小さい。つまり、ヨークとしての機能を備える回転子筒部61の肉厚(T2)は確保しつつ、固定子40および回転子60を収容および保護する機能のみを備えるケース筒部21の肉厚(T1)は小さくしている。これにより、回転子60の磁気特性を向上しつつ、モータ10の軽量化および低コスト化を図ることができる。
また、(9)本実施形態では、フレーム筒部33の小径部332の外壁には、鉄心41の内壁から径方向内側の力が作用している。そのため、鉄心41を、フレーム筒部33に対し相対回転不能に設けることができる。なお、本実施形態では、鉄心41の内側にフレーム筒部33の小径部332が位置するよう鉄心41とフレーム筒部33とを焼嵌めにより固定する。そのため、鉄心41を例えば圧入等によりフレーム筒部33に固定する場合と比べ、鉄心41の内壁またはフレーム筒部33の外壁の損傷を抑制しつつ、鉄心41とフレーム筒部33との同軸を高精度に保つことができる。
また、(10)本実施形態では、フレーム筒部33は、鉄心41のフレーム底部31側の端面の内縁部に対向する段差面333を有している。また、本実施形態のモータ10は、固定部材としてのねじ34をさらに備えている。ねじ34は、フレーム筒部33のケース底部22側の端部に設けられ、鉄心41が段差面333に押し付けられた状態で鉄心41をフレーム筒部33に固定可能である。これにより、鉄心41がフレーム筒部33に対し位置ずれしたり脱落したりするのを抑制することができる。
また、(11)本実施形態のモータ10は、第1軸受部としての軸受25と第2軸受部としての軸受35とをさらに備えている。軸受25は、ケース穴部23に設けられ、シャフト50を回転可能に支持する。軸受35は、フレーム穴部32に設けられ、軸受25とともにシャフト50を回転可能に支持する。これにより、シャフト50および回転子60の回転を円滑にすることができる。
また、(12)本実施形態では、ケース底部22は、ケース20をラックギア108のハウジング110に固定するための固定部24を有している。これにより、他部材としてのハウジング110に対するケース20の相対位置を安定にすることができる。
また、(13)本実施形態では、巻線42は、全節巻により設けられている。
また、(14)本実施形態では、巻線42は、連続線であり、連続線方式で鉄心41に設けられている。本実施形態では、モータ10は外転式であり、鉄心41の溝部411の開口端が鉄心41の径方向外側を向くよう形成されているため、巻線42を全節巻でも連続線で鉄心41に比較的容易に巻回すことができる。
また、(15)本実施形態の電動パワーステアリング装置101は、車両1に設けられ、上記モータ10と、プーリ51に接続しモータ10により駆動されるラックギア108と、を備え、駆動対象としてのラックギア108が駆動することで車両1の操舵に関するアシストトルクを出力する。本実施形態のモータ10は、ケース20に腐食因子を含む水等が付着しても、ケース20の腐食を抑制することができる。したがって、本実施形態のモータ10は、車両1の走行中に被水するおそれのある電動パワーステアリング装置101のモータとして用いるのに好適である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるモータおよび電動パワーステアリング装置を図5、6に示す。第2実施形態は、モータの出力部の形状等が第1実施形態と異なる。
図6に示すように、第2実施形態では、モータ10は、第1実施形態で示したプーリ51に代えて、出力部としてのジョイント55を備えている。
ジョイント55は、例えば金属により形成され、シャフト50の一端に設けられている。ジョイント55は、シャフト50の軸方向に突出する4つの突部を有している。ジョイント55は、突部がラックギア108の入力部としてのジョイント113に嵌り込むようラックギア108に接続されている。これにより、回転子60が回転するとシャフト50およびジョイント55が回転し、ジョイント55からラックギア108に対し回転子60の回転が出力される。
図5に示すように、モータ10は、ケース20の軸線Ax2がラック軸106と捩れの関係となるよう、ラックギア108のハウジング110に取り付けられる。また、モータ10は、車両1の車輪107の鉛直方向の上端部よりも下側に設けられる。そのため、第1実施形態と同様、車両1の走行中、モータ10に泥水や塩水等が被水することが頻繁に起こり得る。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様、ケース20に腐食因子を含む水等が付着しても、ケース20の腐食を抑制することができ、その他、第1実施形態と同様の種々の効果を奏することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、制御部70のパワーモジュール71、72をフレーム底部31の突出部312の近傍に設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、パワーモジュール71、72をフレーム底部31に当接した状態で設けてもよい。また、パワーモジュール71、72をフレーム底部31から所定距離以上離して設けてもよい。パワーモジュール71、72は、放熱を考慮する場合、フレーム30から所定距離範囲内に設けることが望ましい。また、本発明の他の実施形態では、パワーモジュール71、72とフレーム底部31との間に熱伝導部材36を設けないこととしてもよい。
また、上述の実施形態では、巻線42が2組の3相巻線組(43、44)を構成し、制御部70が2つの3相インバータ(パワーモジュール71、72)を有する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、巻線42が1組の3相巻線組を構成し、制御部70が1つの3相インバータを有することとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ケース筒部の肉厚は、回転子筒部の肉厚以上であってもよい。なお、ケース20のケース筒部21は、固定子40および回転子60を収容しつつ保護する機能を担うのみでよいため、必要最低限まで肉厚を小さくすることができる。また、ケース筒部21の肉厚(T1)は、上で示した2mmに限らず、どのような肉厚に設定してもよい。また、回転体600の肉厚(T2)は、上で示した3mmに限らず、どのような肉厚に設定してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、固定部材としてのねじ34を備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、巻線42は、全節巻に限らず、例えば分布巻、集中巻、短節巻等により設けられていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、巻線42は、連続線に限らず、セグメントコンダクタと呼ばれる分割導線からなることとしてもよい。この場合、巻線42は、セグメントコンダクタを鉄心41の溝部411に挿入するセグメント方式で鉄心41に設けられる。
また、本発明の他の実施形態では、モータ10の全体が、車両1の車輪107の鉛直方向の上端部よりも下側に設けられる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、モータ10は、一部が、車輪107の鉛直方向の上端部よりも上側に位置するよう設けられてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、モータ10の製造方法の鉄心固定工程において、鉄心11の内側にフレーム筒部33が位置するよう鉄心41とフレーム筒部33とを冷やし嵌めにより固定することとしてもよい。すなわち、冷却し外径を縮小させた状態のフレーム筒部33の小径部332を鉄心41の内側に挿入し、放置または加熱する。これにより、フレーム筒部33の小径部332の外壁に、鉄心41の内壁から径方向内側の力が作用した状態となる。
また、本発明の他の実施形態では、モータ10の製造方法の鉄心固定工程において、圧入により鉄心41をフレーム筒部33に固定してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ケース20およびフレーム30のうち少なくとも一方を、例えば切削加工等、ダイカスト以外の方法で形成してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 車両、2 エンジンルーム、10 モータ、20 ケース、21 ケース筒部、22 ケース底部、23 ケース穴部、30 フレーム、31 フレーム底部、32 フレーム穴部、33 フレーム筒部、40 固定子、41 鉄心、42 巻線、50 シャフト、60 回転子、61 回転子筒部、62 回転子底部、63 回転子穴部、65 磁石(回転子磁石)、51 プーリ(出力部)、55 ジョイント(出力部)、107 電動パワーステアリング装置、108 ラックギア(駆動対象)

Claims (15)

  1. 車両(1)のエンジンルーム(2)内に設けられ、電動パワーステアリング装置(101)の駆動対象(108)を駆動する電動パワーステアリング装置用のモータ(10)であって、
    アルミニウムを含む金属により形成され、筒状のケース筒部(21)、前記ケース筒部の一方の端部を塞ぐケース底部(22)、および、前記ケース底部の中央に形成されたケース穴部(23)を有するケース(20)と、
    アルミニウムを含む金属により形成され、前記ケース筒部の前記ケース底部とは反対側の端部を塞ぐフレーム底部(31)、前記フレーム底部の中央に形成されたフレーム穴部(32)、および、前記フレーム穴部から前記ケース底部に向かって筒状に延びるよう形成されたフレーム筒部(33)を有するフレーム(30)と、
    内壁が前記フレーム筒部の外壁に対向した状態で前記フレーム筒部により支持された環状の鉄心(41)、および、前記鉄心に巻回された巻線(42)を有する固定子(40)と、
    前記ケース穴部および前記フレーム穴部に挿通され、前記ケース穴部および前記フレーム穴部により回転可能に支持されているシャフト(50)と、
    外壁が前記ケース筒部の内壁との間に隙間(CL1)を形成するよう前記ケース筒部と前記鉄心との間に設けられる回転子筒部(61)、前記回転子筒部の前記ケース底部側の端部を塞ぐよう前記回転子筒部と一体に形成された回転子底部(62)、前記回転子底部の中央に形成され前記シャフトに嵌合している回転子穴部(63)、および、前記鉄心に対向するよう前記回転子筒部の内壁に設けられた回転子磁石(65)を有し、前記シャフトとともに回転可能に設けられている回転子(60)と、
    前記シャフトに設けられ、前記回転子の回転を前記駆動対象に出力する出力部(51、55)と、
    前記フレームの前記ケースとは反対側に設けられ、前記巻線に供給する電力を制御し前記回転子の回転を制御可能な制御部(70)と、を備え、
    少なくとも一部が前記車両の車輪(107)のシルエットの上端部よりも下側に位置するよう設けられるモータ。
  2. 前記ケース筒部と前記フレーム底部との間に設けられ、前記ケース筒部と前記フレーム底部との間を液密に保持可能なシール部材(300)をさらに備える請求項1に記載のモータ。
  3. 前記ケースおよび前記フレームのうち少なくとも一方は、アルミダイカスト品である請求項1または2に記載のモータ。
  4. 前記固定子は、前記巻線と前記制御部とを電気的に接続する延伸部(420)を有し、
    前記フレーム底部は、前記延伸部が挿通される挿通穴部(311)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ。
  5. 前記シャフトの前記出力部とは反対側の端部に設けられ、前記シャフトとともに回転する検出用磁石(52)をさらに備え、
    前記制御部は、前記シャフトの前記出力部とは反対側において前記検出用磁石に対向配置され前記検出用磁石が発生する磁束の方向を検出可能な磁束検出部(76)を有している請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ。
  6. 前記制御部は、作動時の発熱が前記フレームに伝導可能な程度に前記フレームの近傍に位置した状態か、前記フレームに当接した状態で設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ。
  7. 前記巻線は、電気的に絶縁され磁気的に結合した2組の3相巻線組(43、44)を構成し、
    前記制御部は、2組の前記3相巻線組それぞれに対応するよう2つ設けられ前記3相巻線組に供給する電力を変換可能な3相インバータ(71、72)を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ。
  8. 前記ケース筒部の肉厚(T1)は、前記回転子筒部の肉厚(T2)より小さい請求項1〜7のいずれか一項に記載のモータ。
  9. 前記フレーム筒部の外壁には、前記鉄心の内壁から径方向内側の力が作用している請求項1〜8のいずれか一項に記載のモータ。
  10. 前記フレーム筒部は、前記鉄心の前記フレーム底部側の端面の内縁部に対向する段差面(333)を有し、
    前記フレーム筒部の前記ケース底部側の端部に設けられ、前記鉄心が前記段差面に押し付けられた状態で前記鉄心を前記フレーム筒部に固定可能な固定部材(34)をさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載のモータ。
  11. 前記ケース穴部に設けられ、前記シャフトを回転可能に支持する第1軸受部(25)と、
    前記フレーム穴部に設けられ、前記第1軸受部とともに前記シャフトを回転可能に支持する第2軸受部(35)と、
    をさらに備える請求項1〜10のいずれか一項に記載のモータ。
  12. 前記ケース底部は、前記ケースを他部材(110)に固定するための固定部(24)を有している請求項1〜11のいずれか一項に記載のモータ。
  13. 前記巻線は、全節巻で設けられている請求項1〜12のいずれか一項に記載のモータ。
  14. 前記巻線は、連続線またはセグメントコンダクタからなる請求項13に記載のモータ。
  15. 前記車両に設けられる電動パワーステアリング装置(101)であって、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載のモータ(10)と、
    前記出力部に接続し、前記モータにより駆動される前記駆動対象(108)と、を備え、
    前記駆動対象が駆動することで前記車両の操舵に関するアシストトルクを出力する電動パワーステアリング装置。
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