JP2017130803A - 画像読取装置および読取方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】読取処理の効率を向上させる。【解決手段】所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る画像読取装置であって、前記位置基準マークを読み取るための第1読取解像度が前記白基準マークを読み取るための第2読取解像度よりも高い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の複数回の移動により読み取り、前記第1読取解像度が前記第2読取解像度以下である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の一回の移動により読み取る。【選択図】図3
Description
本発明は、画像読取装置および読取方法に関する。
所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて読取対象を読み取る画像読取装置が知られている。
また、一次元ラインセンサーによって、白基準部材の白基準画像を読み取り、各光電変換素子の出力に基づいて白基準データとして記憶し、原稿を読み取る際に、各光電変換素子の出力を補正用白基準データに基づいて補正するシェーディング補正機能を備えた画像読取装置が知られている(特許文献1参照)。
また、原稿画像をラインイメージセンサーに導く光学系の読取位置を移動する走行手段を有し、読取位置の移動経路上に設けた基準白画像をラインイメージセンサーで読み取ってシェーディング補正を行う画像読取装置において、基準白板には、基準白画像に連続して基準白画像と異なる濃度の濃度画像を設け、前記読取位置を基準白板をまたいで移動した際にラインイメージセンサーから出力される信号レベルに基づいて、基準白画像と濃度画像との境界を判別し、境界の座標値を読取位置の原点に設定する構成が知られている(特許文献2参照)。
画像読取装置では、白基準の読み取りに必要とされる読取解像度や、前記原点の特定時に必要とされる読取解像度は、多くの場合異なる。このように必要とされる読取解像度が様々である状況を考慮しつつ、読取処理をできるだけ効率的に行うことが求められていた。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、読取処理の効率化に寄与する画像読取装置および読取方法を提供する。
本発明の態様の1つは、所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る画像読取装置であって、前記位置基準マークを読み取るための第1読取解像度が前記白基準マークを読み取るための第2読取解像度よりも高い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の複数回の移動により読み取り、前記第1読取解像度が前記第2読取解像度以下である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の一回の移動により読み取る。
当該構成によれば、第1読取解像度と第2読取解像度との関係性に応じて移動部の移動の態様を変えることにより、白基準マークおよび位置基準マークの読取処理の効率を上げることができる。
本発明の態様の1つは、前記位置基準マークの少なくとも一部が前記白基準マークと重なった状態で配置されているとしてもよい。
当該構成によれば、前記重なりが無い場合と比べて移動部の移動距離が減り、読取処理がより効率化される。
当該構成によれば、前記重なりが無い場合と比べて移動部の移動距離が減り、読取処理がより効率化される。
本発明の態様の1つは、前記第1読取解像度が前記第2読取解像度よりも高い場合は、前記移動部の移動により前記白基準マークを読み取った後、当該移動とは逆方向へ前記移動部を移動させて前記位置基準マークの読み取り開始のための位置へ前記移動部を戻し、その後、前記移動部の移動により前記位置基準マークを読み取るとしてもよい。
当該構成によれば、白基準マーク、位置基準マークそれぞれを、必要な読取解像度にて適切に読み取ることができる。
当該構成によれば、白基準マーク、位置基準マークそれぞれを、必要な読取解像度にて適切に読み取ることができる。
本発明の態様の1つは、前記第2読取解像度は、原稿を読み取るために設定された読取解像度であるとしてもよい。
当該構成によれば、原稿の読取結果の補正に最適な白基準マークの読取結果が得られる。
当該構成によれば、原稿の読取結果の補正に最適な白基準マークの読取結果が得られる。
本発明の態様の1つは、前記白基準マークと前記位置基準マークとの読み取りを、電源投入後と、スリープ状態から通常状態へ復帰後とのそれぞれに実行するとしてもよい。
当該構成によれば、電源投入後や、スリープ状態からの復帰後といったそれぞれのタイミングで、適切な白基準マークおよび位置基準マークの読取結果が得られる。
当該構成によれば、電源投入後や、スリープ状態からの復帰後といったそれぞれのタイミングで、適切な白基準マークおよび位置基準マークの読取結果が得られる。
本発明の態様の1つは、所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る画像読取装置であって、前記位置基準マークを読み取るために予め設定されている前記移動部の移動速度が前記白基準マークを読み取るための前記移動速度よりも遅い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを異なる前記移動速度により読み取り、前記位置基準マークを読み取るために予め設定されている前記移動速度が前記白基準マークを読み取るための前記移動速度以上である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを同じ前記移動速度により読み取る。移動部の移動速度の速い/遅いは、読取解像度の低い/高い、を意味する。このような構成によれば、位置基準マークを読み取るために予め設定されている移動速度(読取解像度)と、白基準マークを読み取るための移動速度(読取解像度)との関係性に応じて移動部の移動の態様を変えることにより、白基準マークおよび位置基準マークの読取処理の効率を上げることができる。
本発明の技術的思想は、画像読取装置という物以外によっても実現される。例えば、これまで説明した画像読取装置が実行する処理を、読取方法の発明として捉えることができる。また、このような方法をコンピューターに実行させるプログラムの発明や、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も一つの発明として成り立つ。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。
図1は、本実施形態にかかる画像読取装置10の主要部を簡易的に例示している。画像読取装置10を、フラットベッドスキャナーと呼んでもよい。画像読取装置10は、光源により照射した読取対象を光学的に読み取る読取機能を少なくとも備えた装置である。従って、画像読取装置10は、読取機能以外にも、例えば、印刷・コピー機能やファクシミリ通信機能等といった複数の機能を兼ね備えた製品(いわゆる複合機)であってもよい。
図1は、本実施形態にかかる画像読取装置10の主要部を簡易的に例示している。画像読取装置10を、フラットベッドスキャナーと呼んでもよい。画像読取装置10は、光源により照射した読取対象を光学的に読み取る読取機能を少なくとも備えた装置である。従って、画像読取装置10は、読取機能以外にも、例えば、印刷・コピー機能やファクシミリ通信機能等といった複数の機能を兼ね備えた製品(いわゆる複合機)であってもよい。
画像読取装置10は、原稿台11、読み取りを実行する読取部12、原稿台11に対して手動で開閉可能な原稿カバー13、画像読取装置10の各部の挙動を制御するための制御部14、ユーザーによる操作を受け付ける操作受付部15、等を含んでいる。制御部14は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他の記憶媒体等により構成される。制御部14では、CPUが、ROM等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することにより画像読取装置10の各部の挙動を制御し、読取機能等を実現する。
原稿台11は、ガラス等の透明な板状の部材であり、ユーザーにより原稿が載置される。原稿カバー13には、自動給紙装置(ADF:Automatic Document Feeder)16が搭載されていてもよい。つまり、原稿カバー13が有する原稿トレイ17へもユーザーにより原稿が載置され得る。ADF16は、原稿トレイ17に載置された複数枚の原稿を一枚ずつ連続して、搬送経路Rに沿って搬送する。図1では、搬送経路Rを2点鎖線の矢印にて例示している。搬送経路Rの下流側には、排紙台18が設けられており、ADF16により搬送経路Rに沿って搬送された原稿は、排紙台18上へ排出される。
読取部12は、原稿台11よりも下方に配設されている。読取部12は、原稿等の読取対象を照射する光源、読取対象からの反射光を導くミラーやレンズ等の光学系、導かれた反射光を受光して光電変換することにより読取対象を読み取るイメージセンサー19、等を含んでいる。読取部12は、原稿台11の面と平行に所定方向D1に沿って移動可能な移動部20を有する。移動部20をキャリッジ等と呼んでもよい。移動部20は、読取部12の構成の少なくとも一部を搭載している。具体的には、読取部12の構成のうち、光源および光学系の一部が移動部20に搭載されている。一方、読取部12の構成のうち、その他の光学系やイメージセンサー19等は、画像読取装置10内の所定位置に固定されている。ただし、イメージセンサー19を含む読取部12の全体が移動部20に搭載されて移動部20により移動する構成であってもよい。
イメージセンサー19は、複数の撮像素子を原稿台11の面と平行かつ方向D1と直交する方向D2に一次元配列させたラインセンサーである。方向D2(図2等参照)は、イメージセンサー19の長手方向であるとともに、移動部20の長手方向でもある。図示は省略しているが、画像読取装置10は、移動部20を方向D1に沿って移動させるためのモーターやギア等の動力機構を有する。読取部12や当該動力機構の駆動(方向D1に沿った移動部20の移動)も、制御部14によって制御される。制御部14は、原稿台11に載置された原稿を読取対象とする場合は、移動体20を移動させて原稿を読み取らせる。一方、ADF16により搬送される原稿を読取対象とする場合は、移動体20を方向D1における所定位置に静止させて原稿を読み取らせる。
制御部14は、読取対象の読み取り結果としての電気信号を読取部12(イメージセンサー19)から入力する。制御部14は、入力した当該電気信号へ必要な画像処理を施して所定のフォーマットによる画像データを生成する。制御部14は、生成した画像データを、外部機器30へ送信することが可能である。外部機器30は、画像読取装置10と有線あるいは無線にて通信可能な状態で画像読取装置10へ原稿の読み取り等を指示可能な機器であり、例えば、PC(パーソナルコンピューター)や、スマートフォン、タブレット型端末等が該当する。むろん、画像読取装置10が印刷機能を備えていれば、制御部14は、生成した画像データを当該印刷機能に提供し、当該画像データに基づく印刷をさせることができる。
図2は、移動部20側から原稿台11側を見たときの構成を例示している。図2では、方向D1の両端のうち一方を一方側S1と表記し、他方を他方側S2と表記している。ホームポジションHPは、読取部12が稼働しないときに移動部20が待機する位置であり、図2の例では、原稿台11の縁(他方側S2の縁)近傍がホームポジションHPとされている。また、ホームポジションHPの近傍には、白の基準を示す白基準マーク21と、位置の基準を示す位置基準マーク22とが配置されている。
白基準マーク21および位置基準マーク22はいずれも、原稿台11を挟んで移動部20とは逆側に配置されている。図2の例では、白基準マーク21は、ホームポジションHPよりもやや一方側S1に在り、位置基準マーク22は、ホームポジションHPと白基準マーク21との間に在る。ただし、位置基準マーク22の少なくとも一部(一部あるいは全部)は、移動部20側から見たとき方向D1において白基準マーク21の一部と重なった状態で配置されている。
白基準マーク21は、シェーディング補正のための白基準を提供する板状部材であり、方向D2において移動部20およびイメージセンサー19と同程度の長さを有する。制御部14は、移動部20を移動させて読取部12が白基準マーク21を読み取った読取結果(白基準画像データ)に基づいて、読取部12が原稿を読み取った読取結果(原稿画像データ)を補正する。かかる補正により、イメージセンサー19の撮像素子毎の感度の違い等を要因とする原稿画像データの画素毎のばらつきが是正される。
位置基準マーク22は、白基準マーク21とは反対に暗い色(黒)の部材である。制御部14は、移動部20を移動させて読取部12が位置基準マーク22(例えば、位置基準マーク22の方向D1に交差する向きのエッジ)を読み取った時の移動部20の方向D1における位置を、方向D1における座標の原点に設定する。制御部14は、原点の設定後は、当該原点を基準に移動部20の移動距離を制御することができる。
このように画像読取装置10は、移動部20を移動させて白基準マーク21と位置基準マーク22とを読み取る。
このように画像読取装置10は、移動部20を移動させて白基準マーク21と位置基準マーク22とを読み取る。
白基準マーク21、位置基準マーク22のそれぞれと読取解像度との関係について説明する。ここで、読取部12による読取解像度には、移動部20の移動方向つまり方向D1における読取解像度と、イメージセンサー19の長手方向つまり方向D2における読取解像度とが有る。方向D2における読取解像度は、イメージセンサー19を構成する撮像素子の1インチあたりの数に応じて決まっている。一方、方向D1における読取解像度は、移動部20の移動速度に応じて変化する。以下に本実施形態で言及する読取解像度は、特に断らない限り方向D1における読取解像度を指す。
読取部12が位置基準マーク22を読み取るための読取解像度(第1読取解像度)は、予め定められた特定読取解像度あるいは当該特定読取解像度以上であることが求められる。特定読取解像度は、一例として、1200dpi(ドット/インチ)程度の比較的高い解像度である。上述したように位置基準マーク22は、方向D1における原点を設定するためのマークであるため、高い精度でその位置(例えば前記エッジ)が検出される必要がある。このような位置基準マーク22の検出に必要な精度を得るための読取解像度として、第1読取解像度は特定読取解像度に予め設定されている。
一方、読取部12が白基準マーク21を読み取るための読取解像度(第2読取解像度)は一定ではない。上述したように白基準マーク21は、原稿画像データのシェーディング補正に用いる白基準画像データを得るために読み取られる。そのため、第2読取解像度は、原稿を読み取るための読取解像度(原稿読取解像度)と同じであることが基本的に求めれらる。画像読取装置10に原稿をスキャンさせようとするユーザーは、操作受付部15や外部機器30を操作することにより、原稿読取解像度を任意に指示可能である。操作受付部15や外部機器30が提供するユーザーインターフェイス(UI)の仕様にもよるが、ユーザーは、例えば、原稿読取解像度の値を直接入力したり、予め用意された複数の原稿読取解像度読や読取モードの中から任意の選択を行うことで、原稿読取解像度を直接あるいは間接的に指示することができる。制御部14は、このような指示に従って、原稿読取解像度の設定を行う(原稿読取解像度の設定を最新の当該指示に従って変更する)。原稿読取解像度は、例えば、150〜4800dpi程度の範囲内で設定される。
図3は、画像読取装置10がプログラムに従って実行する読取処理(読取方法)をフローチャートにより示している。当該読取処理は、画像読取装置10の電源投入後のタイミングや、画像読取装置10がスリープ状態から通常状態へ復帰した後のタイミングで開始される。つまり、制御部14は、画像読取装置10が有する不図示の電源ボタンが操作されて電源オフ状態から電源オン状態への切り替わりを認識したタイミングで、当該読取処理を開始する。また、制御部14は、画像読取装置10がスリープ状態であるときに、外部からの所定の操作や入力(例えば、操作受付部15に対する原稿スキャン開始の指示操作や、外部機器30からの原稿スキャン開始命令の入力)を認識したタイミングで、通常状態へ復帰して当該読取処理を開始する。
スリープ状態とは、画像読取装置10の少なくとも一部の機能を停止や制限して消費電力を低減させた状態である。一方、通常状態とは、画像読取装置10がこのような機能の停止や制限をしていない状態である。制御部14は、例えば、外部からの操作や入力が無い状態(無入力状態)が所定期間以上継続したときに、画像読取装置10を通常状態からスリープ状態へ移行させる。スリープ状態を、省電力状態、節電状態、待機状態、等と呼んでもよい。
ステップS100では、制御部14は、白基準マーク21の読み取りを開始するための読取開始位置SP1へ、移動部20を移動させる。図2の例では、読取開始位置SP1を白基準マーク21および位置基準マーク22よりも一方側S1の所定位置としている。ステップS100の開始時点では、移動部20はホームポジションHPに在る。従って、ステップS100により、移動部20はホームポジションHPから読取開始位置SP1へ移動する。
ステップS110では、制御部14は、位置基準マーク22を読み取るための第1読取解像度(特定読取解像度)が白基準マーク21を読み取るための第2読取解像度よりも高いか否かにより処理を分岐する。ステップS110の判定に用いる第2読取解像度は、現在の原稿読取解像度の設定値である。制御部14は、第1読取解像度>第2読取解像度である場合はステップS120へ進み、第1読取解像度≦第2読取解像度である場合はステップS150へ進む。
ステップS120〜S140では、制御部14は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを移動部20の複数回の移動により読み取るように読取部12を制御する。一方、ステップS150では、制御部14は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを移動部20の一回の移動により読み取るように読取部12を制御する。本実施形態では、停止した状態から移動を開始して停止するまでの移動部20の動きを“一回の移動”と呼ぶ。
図4は、ステップS120〜S140における移動部20の移動の様子を示している。図4の矢印A1,A2,A3は、それぞれ一回の移動を表している。
具体的には、ステップS120(白基準読取工程)では、制御部14は、移動部20に読取開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させ、読取部12に第2読取解像度(現在の原稿読取解像度の設定値)での読み取りを実行させる。これにより、読取部12は、白基準マーク21を第2読取解像度で読み取り、読み取り結果(白基準画像データ)を制御部14へ出力する。移動部20が白基準マーク21上を通過し、読取終了位置EPへ到達したとき、ステップS120を終える。矢印A1は、ステップS120における移動部20の移動範囲および移動方向を例示している。例えば、読取終了位置EPは、白基準マーク21および位置基準マーク22よりも他方側S2に在り、かつホームポジションHP(図2参照)よりも一方側S1に在る所定位置とされている。制御部14は、ステップS120での移動部20の移動により、白基準マーク21の読み取り結果に続いて位置基準マーク22の色(黒)を第2読取解像度で読み取った結果も得ることになるが、制御部14は、このような位置基準マーク22の読み取り結果は白基準画像データには含めない。
具体的には、ステップS120(白基準読取工程)では、制御部14は、移動部20に読取開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させ、読取部12に第2読取解像度(現在の原稿読取解像度の設定値)での読み取りを実行させる。これにより、読取部12は、白基準マーク21を第2読取解像度で読み取り、読み取り結果(白基準画像データ)を制御部14へ出力する。移動部20が白基準マーク21上を通過し、読取終了位置EPへ到達したとき、ステップS120を終える。矢印A1は、ステップS120における移動部20の移動範囲および移動方向を例示している。例えば、読取終了位置EPは、白基準マーク21および位置基準マーク22よりも他方側S2に在り、かつホームポジションHP(図2参照)よりも一方側S1に在る所定位置とされている。制御部14は、ステップS120での移動部20の移動により、白基準マーク21の読み取り結果に続いて位置基準マーク22の色(黒)を第2読取解像度で読み取った結果も得ることになるが、制御部14は、このような位置基準マーク22の読み取り結果は白基準画像データには含めない。
ステップS130(戻り工程)では、制御部14は、ステップS120の終了時点で停止している移動部20を一方側S1に向かって移動させる。移動部20が位置基準マーク22の読み取りを開始するための読取開始位置SP2へ到達したとき、ステップS130を終える。図4の矢印A2は、ステップS130における移動部20の移動範囲および移動方向を例示している。図4の例では、読取開始位置SP2は、位置基準マーク22よりも一方側S1に在り、かつ読取開始位置SP1よりも他方側S2に在る所定位置とされている。
ステップS140(位置基準読取工程)では、制御部14は、読取開始位置SP2で停止した移動部20を他方側S2に向かって移動させ、読取部12に第1読取解像度(特定読取解像度)での読み取りを実行させる。これにより、読取部12は、位置基準マーク22を第1読取解像度で読み取り、読み取り結果を制御部14へ出力する。移動部20が位置基準マーク22上を通過し、読取終了位置EPへ到達したとき、ステップS140を終える(当該フローチャート終了)。図4の矢印A3は、ステップS140における移動部20の移動範囲および移動方向を例示している。
このようにステップS120〜S140によれば、移動部20の移動により白基準マーク21を読み取った後、当該移動とは逆方向へ移動部20を移動させて位置基準マーク22の読み取り開始のための位置へ移動部20を戻し、その後、移動部20の移動により位置基準マーク22を読み取る。
ステップS140により当該フローチャート終了を終えた後、制御部14は、ステップS140において第1読取解像度で読み取られた位置基準マーク22の読み取り結果に基づいて、前記原点を設定する。また、制御部14は、ステップS120において第2読取解像度で読み取られた白基準マーク21の読み取り結果(白基準画像データ)に基づいて、その後の読み取りにより得る原稿画像データのシェーディング補正を実行することができる。
図5は、ステップS150における移動部20の移動の様子を示している。図5の矢印A4は、一回の移動を表している。具体的には、ステップS150(白基準および位置基準読取工程)では、制御部14は、移動部20に読取開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させ、読取部12に第2読取解像度(現在の原稿読取解像度の設定値)での読み取りを実行させる。これにより、読取部12は、白基準マーク21および位置基準マーク22を第2読取解像度で続けて読み取り、読み取り結果を制御部14へ出力する。移動部20が読取終了位置EPへ到達したとき、ステップS150を終える(当該フローチャート終了)。矢印A4は、ステップS150における移動部20の移動範囲および移動方向を例示している。矢印A4が示す移動範囲および移動方向は、図3の矢印A1が示す移動範囲および移動方向と基本的に同じである。
ステップS150により当該フローチャート終了を終えた後、制御部14は、ステップS150において第2読取解像度で読み取られた位置基準マーク22の読み取り結果に基づいて、前記原点を設定する。また、制御部14は、ステップS150において第2読取解像度で読み取られた白基準マーク21の読み取り結果(白基準画像データ)に基づいて、その後の読み取りにより得る原稿画像データのシェーディング補正を実行することができる。ステップS150で白基準マーク21および位置基準マーク22の読み取りに用いた第2読取解像度は、第1読取解像度(特定読取解像度)以上の値である。そのため、ステップS150の結果、位置基準マーク22は十分に高い精度で検出されると言え問題ない。
このように本実施形態によれば、画像読取装置10は、位置基準マーク22を読み取るための第1読取解像度が白基準マーク21を読み取るための第2読取解像度よりも高い場合は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを移動部20の複数回の移動により読み取り(例えば図4参照)、一方、第1読取解像度が第2読取解像度以下である場合は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを移動部20の一回の移動により読み取る(例えば図5参照)。このような第1読取解像度と第2読取解像度との関係性に応じて移動部20の移動の態様を変えるという構成により、白基準マーク21および位置基準マーク22を必要な読取解像度で読み取りつつ、その読取処理の効率を上げることができる。特に、第1読取解像度が第2読取解像度以下である場合は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを移動部20の一回の移動で読み取るため、これら各マーク21,22を必要な精度にて効率的に読み取ることができる。
さらに本実施形態では、位置基準マーク22の少なくとも一部は白基準マーク21と重なった状態で配置されている。従って、当該重なりが無い場合と比べて、各マーク21,22の読み取りの過程で必要な移動部20の移動距離(図4,5の各矢印参照)が短くなり、各マーク21,22の読取処理がより効率化される。
図4では、ステップS120における移動部20の移動範囲(矢印A1)の終点と、ステップS140における移動部20の移動範囲(矢印A3)の終点とをいずれも同じ読取終了位置EPとしているが、これらは異なっていてもよい。例えば、ステップS120では、制御部14は、移動部20に読取開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させた後、読取部12による読み取り結果から位置基準マーク22の色(黒)を検出した時点で(移動部20が位置基準マーク22と重なった時点で)移動部20を停止させ、ステップS120を終えてもよい。かかる構成とすれば、移動部20の移動距離をより短くすることができる。
図3に示した読取処理について、さらに補足説明を行う。
画像読取装置10がスリープ状態から通常状態へ復帰した後のタイミングで開始する場合の前記読取処理は、その後の原稿の読取を前提とした処理であると言える。この場合、操作受付部15に対する前記原稿スキャン開始の指示操作や、外部機器30からの前記原稿スキャン開始命令の入力に伴って、制御部14は、原稿の読み取りに採用すべき原稿読取解像度(ユーザーが指示する原稿読取解像度)を認識し、当該原稿読取解像度を第2読取解像度として前記読取処理を実行する。
画像読取装置10がスリープ状態から通常状態へ復帰した後のタイミングで開始する場合の前記読取処理は、その後の原稿の読取を前提とした処理であると言える。この場合、操作受付部15に対する前記原稿スキャン開始の指示操作や、外部機器30からの前記原稿スキャン開始命令の入力に伴って、制御部14は、原稿の読み取りに採用すべき原稿読取解像度(ユーザーが指示する原稿読取解像度)を認識し、当該原稿読取解像度を第2読取解像度として前記読取処理を実行する。
一方、画像読取装置10の電源投入後のタイミングで開始する場合の前記読取処理は、電源投入に応じて画像読取装置10が実行する起動処理の一部であると言える。この場合、制御部14は、第1読取解像度=第2読取解像度=特定読取解像度とし(つまりステップS110からステップS150へ進み)、ステップS150では、移動部20に読取開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させ、読取部12に第2読取解像度(この場合は特定読取解像度)での読み取りを実行させる。これにより、読取部12は、白基準マーク21および位置基準マーク22を特定読取解像度で読み取り、読み取り結果を制御部14へ出力する。このように画像読取装置10の電源投入後のタイミングで前記読取処理を開始した場合、制御部14は、特定読取解像度での読み取りにより得た白基準画像データを、直後の連続した特定読取解像度での読み取りにより得た読み取り結果(位置基準マーク22の読み取り結果)をシェーディング補正するために用いることができる。
読取部12(イメージセンサー19)が単位時間あたりに行う読み取りの回数が一定であるという前提に立てば、移動部20の移動速度(方向D1に沿う移動の速度)は、読取部12による読取解像度を表していると言える。つまり制御部14は、移動部20の移動速度を上げることで読取部12による読取解像度を下げ、当該移動速度を下げることで読取部12による読取解像度を上げることができる。従って本実施形態は、位置基準マーク21を読み取るために予め設定されている移動部20の移動速度が白基準マーク22を読み取るための移動速度よりも遅い場合は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを異なる移動速度により読み取り、位置基準マーク21を読み取るために予め設定されている移動速度が白基準マーク22を読み取るための移動速度以上である場合は、白基準マーク21と位置基準マーク22とを同じ移動速度により読み取る、という特徴を開示していると言える。
位置基準マーク21を読み取るために予め設定されている移動部20の移動速度とは、第1読取解像度(特定読取解像度)に対応する移動部20の移動速度(第1移動速度)である。言い換えると、制御部14は、移動部20を予め定められた第1移動速度で移動させることで、読取部12による特定読取解像度での読み取りを実現させる。一方、白基準マーク22を読み取るための移動速度とは、第2読取解像度(原稿読取解像度)に対応する移動部20の移動速度(第2移動速度)である。制御部14は、例えば、原稿読取解像度が150dpiであれば第2移動速度をかなり速い速度に設定し、原稿読取解像度が4800dpiであれば第2移動速度をかなり遅い速度に設定し、移動部20を当該設定した第2移動速度で移動させることで、読取部12による原稿読取解像度での読み取りを実現させる。
このような移動部20の移動速度の違いに注目して図3に沿った説明をすると、画像読取装置10は、第1移動速度<第2移動速度(つまり、第1読取解像度>第2読取解像度)である場合、ステップS110からステップS120へ進み、ステップS120では移動部20を第2移動速度で移動させることにより白基準マーク21を第2読取解像度で読み取り、ステップS140では移動部20を第1移動速度で移動させることにより位置基準マーク22を第1読取解像度で読み取る。一方、第1移動速度≧第2移動速度(つまり、第1読取解像度≦第2読取解像度)である場合、ステップS110からステップS150へ進み、ステップS150では移動部20を第2移動速度で移動させることにより白基準マーク21および位置基準マーク22を第2読取解像度で読み取る。
当たり前のことであるが、白基準マーク21と位置基準マーク22とを読み取る際の移動部20の移動速度が“同じ”と表現した場合、厳密な同一のみを意味するものではない。制御部14が前記動力機構としてのモーターをフィードバック制御等して当該モーターが生みだす動力により移動部20を移動させる際、移動速度を目標速度に維持しようとしても細かな時間毎に当該速度はばらつくのが普通である。従って、白基準マーク21と位置基準マーク22とを読み取る際の移動部20の移動速度を同じにするとは、これらマーク21,22を読み取るための移動部20の移動中において、一つの目標速度(第2移動速度)で移動するように前記動力機構を制御することを指す。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような各例を採用可能である。
上述したように白基準マーク21と位置基準マーク22とを異なる移動速度により読み取る場合、画像読取装置10は、移動部20の一回の移動の中で移動速度を変化させて白基準マーク21と位置基準マーク22とを読み取るとしてもよい。具体的には、画像読取装置10は、第1移動速度<第2移動速度(つまり、第1読取解像度>第2読取解像度)である場合、移動部20に開始位置SP1から他方側S2に向かって移動を開始させる際、先ず第2移動速度で移動部20を移動させることにより白基準マーク21を第2読取解像度で読み取る。そして、移動部20を所定距離移動させたタイミングで移動部20の移動速度を第2移動速度から第1移動速度へ減速させることにより、その後、位置基準マーク22を第1読取解像度で読み取るとしてもよい。
ホームポジションHPと白基準マーク21および位置基準マーク22との位置関係は、図2の例に限られない。図2の例とは逆に、原稿台11の一方側S1の縁近傍をホームポジションHPとし、ホームポジションHPに比較的近い位置であってホームポジションHPよりも他方側S2に、図2に例示したような白基準マーク21および位置基準マーク22が配置されているとしてもよい。このような配置を採用した場合、制御部14は、ステップS100(図3)で移動部20をホームポジションHPから読取開始位置SP1(白基準マーク21よりもやや一方側S1の位置)へ移動させる際、移動部20を他方側S2に向けて移動させることになる。あるいは、ホームポジションHP=読取開始位置SP1として、図3のフローチャートにおいてステップS100を不要としてもよい。
10…画像読取装置、11…原稿台、12…読取部、14…制御部、15…操作受付部、19…イメージセンサー、20…移動部、21…白基準マーク、22…位置基準マーク、30…外部機器
Claims (7)
- 所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る画像読取装置であって、
前記位置基準マークを読み取るための第1読取解像度が前記白基準マークを読み取るための第2読取解像度よりも高い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の複数回の移動により読み取り、
前記第1読取解像度が前記第2読取解像度以下である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の一回の移動により読み取る、ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記位置基準マークの少なくとも一部が前記白基準マークと重なった状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記第1読取解像度が前記第2読取解像度よりも高い場合は、前記移動部の移動により前記白基準マークを読み取った後、当該移動とは逆方向へ前記移動部を移動させて前記位置基準マークの読み取り開始のための位置へ前記移動部を戻し、その後、前記移動部の移動により前記位置基準マークを読み取ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
- 前記第2読取解像度は、原稿を読み取るために設定された読取解像度であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像読取装置。
- 前記白基準マークと前記位置基準マークとの読み取りを、電源投入後と、スリープ状態から通常状態へ復帰後とのそれぞれに実行することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像読取装置。
- 移動部を所定方向に移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る読取方法であって、
前記位置基準マークを読み取るための第1読取解像度が前記白基準マークを読み取るための第2読取解像度よりも高い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の複数回の移動により読み取り、
前記第1読取解像度が前記第2読取解像度以下である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを前記移動部の一回の移動により読み取る、ことを特徴とする読取方法。 - 所定方向に移動する移動部を有し、当該移動部を移動させて白の基準を示す白基準マークと位置の基準を示す位置基準マークとを読み取る画像読取装置であって、
前記位置基準マークを読み取るために予め設定されている前記移動部の移動速度が前記白基準マークを読み取るための前記移動速度よりも遅い場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを異なる前記移動速度により読み取り、
前記位置基準マークを読み取るために予め設定されている前記移動速度が前記白基準マークを読み取るための前記移動速度以上である場合は、前記白基準マークと前記位置基準マークとを同じ前記移動速度により読み取る、ことを特徴とする画像読取装置。
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