JP2017130623A - 充填用ペースト材料、それを用いたビアホール導体の製造方法および多層基板の製造方法 - Google Patents

充填用ペースト材料、それを用いたビアホール導体の製造方法および多層基板の製造方法 Download PDF

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孝太郎 三島
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大介 釣賀
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Abstract

【課題】ビアホール導体の形成に用いた場合に、容易かつ十分に導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することが可能な充填用ペースト材料およびそれを用いた信頼性の高い多層基板の製造方法を提供する。【解決手段】金属フィラ−と、活性剤と、溶剤とを含む充填用ペースト材料において、金属フィラーとして、第1金属成分であるSnまたはSn合金を含むとともに、第2金属成分である第1金属成分より融点の高いCuまたはCu合金を含み、かつ、第1金属成分と第2金属成分とが、所定の温度に加熱されることにより金属間化合物を形成するものを用い、活性剤として、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれ、全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部の割合で含まれているものを用いる。また、活性剤として、分子量が200以上250以下のものを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、セラミック多層基板などが備えるビアホール内に配設されるビアホール導体の形成などに用いられる充填用ペースト材料、それを用いたビアホール導体の製造方法および多層基板の製造方法に関する。
近年、半導体デバイスなどの電子部品を複数配設したモジュールなどの用途に、配線導体を3次元的に配置した多層基板が広く用いられている。
そして、多層基板においては、内部の複数の層に配設された内部導体どうしの層間接続や、基板表面に形成された表面導体と内部導体との間の層間接続などのために、ビアホールを形成するとともにビアホール内に導体(ビアホール導体)を配設することが一般的に行われている。
そのようなビアホール導体を形成するのに用いられる導電性ペーストのひとつに、特許文献1に記載されているような組成物(ペースト材料)がある。
この特許文献1に記載されている組成物は、金属粉末と、金属粉末の融解温度よりも低い融解温度を有するはんだ粉末と、ポリマーと、ジカルボン酸と、モノカルボン酸とを含む組成物である。
そして、絶縁材料層の表面に導体配線層を形成した基板を多層化することにより得られる多層基板において、導体配線層間をビアホール内に形成したビアホール導体によって電気的に接合する場合に、この特許文献1の組成物、すなわち、はんだ粉末と、ジカルボン酸などの活性剤が含まれるソルダーペースト材料を使用することにより、低温で導電性に優れたビアホール導体(金属間化合物層)を形成することが可能になる。
特表2015−511888号公報
しかしながら、特許文献1の組成物には固形状のジカルボン酸が使用されており、組成物中には、ジカルボン酸由来の粗大粒が多量に含まれる。そのため、組成物をビアホールに充填する際に、粗大粒がビアホールを塞ぎ、組成物を十分に
充填することができなくなる。その結果、オープン不良が発生しやすくなり、十分な導電性が確保することができなくなるという問題点がある。また、ビアホールに組成物を十分に充填できない場合、導電信頼性を確保することができなくなる可能性がある。具体的には、ビアホール導体や多層基板の製造直後には良好な導電性が確保されていても、その後の物理的、熱的、電気的ストレスなどにより、経時的に、導電性の低下や、オープン不良、ショート不良が発生する可能性がある。このように導電信頼性を確保できない場合、製造中の抜き取り検査や製造後の出荷検査で不良品を検出できず、問題となる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ビアホール導体の形成に用いた場合に、十分に導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することが可能な充填用ペースト材料およびそれを用いた信頼性の高いビアホール導体および多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の充填用ペースト材料は、
金属フィラ−と、活性剤と、溶剤とを含む充填用ペースト材料であって、
前記金属フィラーは、第1金属成分としてSnまたはSn合金を含むとともに、第2金属成分として前記第1金属成分より融点の高いCuまたはCu合金を含み、かつ、前記第1金属成分と前記第2金属成分とは、所定の温度に加熱されることにより金属間化合物を形成するものであり、
前記活性剤は、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうち少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれるものであって、前記第1金属成分と前記第2金属成分を合計した全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部以下の割合で含まれていること
を特徴としている。
本発明の充填用ペースト材料においては、前記活性剤は、分子量が200以上250以下で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれるものであることが好ましい。
上記要件を備えることにより、高い活性を有する活性剤を含む、充填用ペースト材料を得ることが可能になり、この充填用ペースト材料を用いてビアホール導体を形成するようにした場合、さらに導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することができるようになる。
また、本発明のビアホール導体の製造方法は、
絶縁材料層に設けられたビアホールに本発明の充填用ペースト材料を充填する工程と、
前記ビアホールに充填された前記充填用ペースト材料を加熱する工程と、
を具備することを特徴としている。
本発明の多層基板の製造方法は、
絶縁材料層に設けられたビアホールに本発明の充填用ペースト材料を充填する工程と、
前記充填用ペースト材料が前記ビアホールに充填された前記絶縁材料層を複数枚、所定の態様で積層する工程と、
前記絶縁材料層が複数枚積層された積層体を加熱圧着する工程と
を備えていることを特徴としている。
本発明の充填用ペースト材料は、金属フィラ−として、第1金属成分であるSnまたはSn合金を含むとともに、第1金属成分より融点が高く、第1金属成分と金属間化合物を形成する第2金属成分としてCuまたはCu合金を含み、かつ、活性剤として、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸を、全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部以下の割合で含んでいるので、低温で加熱することで、導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することができる。
なお、本発明において上述のような効果が得られるのは、活性剤として用いられている活性力の高いジカルボン酸により金属フィラーの表面の酸化被膜が除去され、金属フィラーどうしの金属間化合物形成反応が低温でも進行しやすくなり、緻密な金属間化合物層を形成することが可能になることによる。
また、活性剤であるジカルボン酸は、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するために充填時、すなわち常温において液状であることから、充填用ペースト材料中に活性剤由来の粗大粒が混入せず、充填用ペースト材料のビアホールへの充填が阻害されることがなく、この点でも十分な充填性を有し、導電性や導電信頼性の高いビアホール導体を形成することが可能になる。
また、本発明のビアホール導体の製造方法のように、基材に設けられたビアホールに本発明にかかる充填用ペースト材料を充填する工程と、充填された充填用ペースト材料を加熱する工程を経てビアホール導体を製造することにより、導電性や導電信頼性に優れたビアホールを形成することが可能になる。
すなわち、本発明の充填用ペースト材料において用いられている活性剤は、液状で小さいビアホールにも容易かつ十分に充填することができるため、ビアホールに充填して、加熱などの工程を経てビアホール導体を形成する場合に用いることにより、ビアホールの径が小さい場合にも、充填用ペースト材料をビアホールに十分に充填することが可能になり、導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体を得ることが可能になる。
本発明の充填用ペースト材料は、例えば直径が80μm以上200μm以下のビアホールに十分に充填することが可能であり、本発明の充填用ペースト材料を用いることにより、導電性や導電信頼性に優れた微細なビアホール導体を効率よく製造することができる。
なお、本発明の充填用ペースト材料を用いてビアホール導体を製造する場合において、ビアホールは有底であると無底であるとを問わない。
また、本発明の本発明の多層基板の製造方法は、本発明の充填用ペースト材料を、絶縁材料層に形成されたビアホールに充填する工程と、充填用ペースト材料がビアホールに充填された絶縁材料層を複数枚、所定の態様で積層する工程と、絶縁材料層が複数枚積層された積層体を加熱圧着する工程とを備えているので、充填用ペースト材料をビアホールに十分に充填することができるとともに、充填用ペースト材料に含まれる金属フィラーどうしの金属間化合物形成反応が低温でも効率よく進行することから、ビアホールとの密着性に優れ、かつ、十分な充填性を有するビアホール導体(金属間化合物層)を形成することが可能になる。その結果、特性の良好なビアホール導体を備え、層間接続の信頼性の高い多層基板を得ることが可能になる。
なお、本発明の多層基板の製造方法においては、絶縁材料層のビアホールに充填された充填用ペースト材料を乾燥させる工程を備えていてもよく、また、絶縁材料層が複数枚積層する際に、圧着する工程を備えていてもよい。
本発明の実施例にかかる多層基板(試料)の作製に用いた、導体配線層およびビアホールを備えた樹脂シート(絶縁材料層)の構成を示す正面断面図である。 本発明の実施例にかかるビアホール充填用ペースト材料を用いて、樹脂シート(絶縁材料層)のビアホール内に、ビアホール導体を形成した状態を示す正面断面図である。 ビアホール導体が形成された図2の樹脂シート(絶縁材料層)を接合した状態を示す正面断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
本発明の充填用ペースト材料は、金属フィラ−と、活性剤と、溶剤とを含む材料である。
金属フィラーは、第1金属成分として低融点金属であるSnまたはSn合金を含むとともに、第2金属成分として第1金属成分より融点の高い高融点金属であるCuまたはCu合金を含む。
また、金属フィラーを構成する第1金属成分と第2金属成分とは、所定の温度に加熱されることにより金属間化合物を形成するものである。
第1金属成分(低融点金属)がSn合金である場合、Sn合金としては、Cu、Ni、Ag、Au、Sb、Zn、Pb、Bi、In、Ge、Al、Co、Mn、Fe、Cr、Mg、Pd、Si、Sr、Te、Pからなる群より選ばれる少なくとも1種と、Snとを含む合金を用いることが好ましい。
その場合、第1金属成分であるSn合金には、Snが40質量%以上含まれていることが望ましい。
また、第2金属成分(高融点金属)がCu合金である場合、CuAl合金、CuCr合金、CuNi合金、CuMn合金からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが望ましい。
その場合、第2金属成分であるCu合金に占めるAl、Cr、Ni、Mnの割合が5〜30質量%の範囲にあること、すなわち、Cu合金に占めるCuの割合が70〜95質量%の範囲にあることが望ましい。
また、第1金属成分と第2金属成分の合計量に占める第2金属成分の割合は、30体積%以上であることが好ましい。
また、第1金属成分と第2金属成分とが反応することにより形成される金属間化合物は、第1金属成分より高い融点(例えば310℃以上など)を有する。したがって、本発明の充填用ペースト材料により形成したビアホール導体を有する電子部品を、低温系はんだなどの低融点金属で実装基板などに接合する際に、適切に加熱温度を設定することができる。なお、第1金属成分と第2金属成分とが反応することにより形成される金属間化合物は、Cu,Ni,Mn,Al,Crなどの金属元素と、Snなどの金属元素とから形成され、例えば、Cu6Sn5、Cu3Sn、(Cu,Ni)6Sn5、(Cu,Ni)3Sn、(Cu,Mn)6Sn5、(Cu,Mn)3Snなどである。
活性剤は、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれ、第1金属成分と第2金属成分を合計した全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部以下の割合で含まれていることが望ましい。
なお、分子量が200以上で分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸は常温で液状である。また、ここでいう常温とは20℃以上25℃以下の範囲を指す。
なお、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸としては、通常、分子量が400以下のものが好ましく用いられるが、常温で液状であれば、必ずしも分子量に上限はない。
また、本発明の充填用ペースト材料においては、通常、樹脂が配合される。そして、配合される樹脂としては、熱分解開始温度が280℃以上で、加熱による架橋反応を起こさないものを用いることが好ましい。
具体的には、樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂またはその変性樹脂などから選ばれるものを用いることが望ましい。
また、本発明の充填用ペースト材料に用いられる溶剤の種類に特別の制約はないが、通常は、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、芳香族系、炭化水素系からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
多層基板のビアホール導体の形成に用いる場合、樹脂量が多くなり過ぎると、ビアホール充填用ペースト材料をビアホールに充填した状態でリフロー処理する際に、樹脂の膨張によりビアホール導体内部が破壊され、充填性が損なわれて導電性が低下するので、予備試験などを行って、適切な配合量を定めることが好ましい。
本発明にかかる充填用ペースト材料を用いてビアホール導体を形成する場合において、充填用ペースト材料が充填されることになるビアホールの大きさに特別の制約はないが、本発明の充填用ペースト材料は、活性剤が液状で、充填性に優れているので、直径が80μm以上、200μm以下である、径の小さいビアホールに充填してビアホール導体を形成する場合に特に有意義である。
また、ビアホールは、有底であるか、無底であるかを問わない、すなわち、貫通していなくてもよく、貫通していてもよい。
また、ビアホールが形成されている基板(基材)は、ガラスエポキシ基板や焼成後のセラミック基板などの「固い板」に限られず、熱可塑樹脂などの変形性を有するシート、例えば、樹脂シートなどや、焼成前のセラミック基板(グリーンシート)などであってもよい。
[実施形態1]
<充填用ペースト材料の作製>
金属フィラーを構成する第1金属成分、第2金属成分、樹脂、溶剤、および活性剤を混合することで表1に示す実施例および比較例にかかる充填用ペースト材料を作製した(表1)。
表1の実施例1〜5の試料(充填用ペースト材料)は本発明の要件を備えた試料であり、比較例1〜5の試料(充填用ペースト材料)は、本発明の要件を備えていない比較用の試料である。
実施例1〜5の試料と、比較例1〜5の試料において、第1金属成分としてはSn粉末を用い、第2金属成分としてはCu粉末を用いた。
なお、Sn粉末およびCu粉末としては、いずれも平均粒径5μmのものを用いた。
また、第1金属成分であるSnと、第2金属成分であるCuの配合比:Sn/Cuは、体積比率で70/30となるように調整した。
樹脂としては、常温固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、添加量は、樹脂と金属フィラーの合計量である固形分中における割合が4体積%となるように配合した。なお、樹脂は溶剤に予め溶解させた状態で使用した。
活性剤としては、本発明の要件を備えた試料である実施例1では2−メチルアゼライン酸、実施例2では2−ブチルオクタン二酸、実施例3では8−エチルオクタデカン二酸、実施例4では11−ビニル−8−オクタデセン二酸、実施例5では8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸をそれぞれ用いた。
本発明の要件を備えていない試料である比較例1では活性剤を用いず、比較例2では、活性剤として、グルタル酸、比較例3ではアジピン酸、比較例4ではドデカ二酸、比較例5ではオレイン酸をそれぞれ用いた。
活性剤の添加量は、実施例1〜5および比較例2〜5では、全金属成分、すなわち第1金属成分と第2金属成分の合計した全金属成分100体積部に対して、6.00体積部となるようにした。なお、比較例1では添加剤を添加していない。
また、実施例および比較例のいずれに試料の場合も、溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いた。
<ビアホール導体の形成およびビアホール導体の導電性の評価>
充填用ペースト材料の特性を評価するため、上述の実施例1〜5および比較例1〜5の充填用ペースト材料を用いて、下記の方法によりビアホール導体を形成し、その導電性を評価した。
まず、熱可塑性樹脂からなり、図1に示すように、一方側主面3aに所定のパターンを有するCu箔からなる導体配線層1を備え、かつ、所定の位置にビアホール2が形成された樹脂シート(絶縁材料層)3を用意した。
樹脂シート3としては、厚みが50μmのものを用いた。また、ビアホール2の直径は100μmとし、樹脂シート3へのビアホール2の配設個数は10000個とした。
そして、樹脂シート3のビアホール2に、図2に示すように、充填用ペースト材料4を充填し、150℃、30minの条件で熱処理し、溶剤を除去した。
それから、ビアホール2内の、溶剤が除去された後の充填物4aどうしを接合するため、図3に示すように、一対の樹脂シート(絶縁材料層)3,3を、他方側主面3b,3bどうしが互いに対向するように積層し、所定の温度に加熱しながら圧力を加えて、一対の樹脂シート3,3を加熱圧着した。なお、加熱は、最高温度を220℃とし、最高温度で一定時間(約30min)維持するように実施した。そして、このとき、樹脂シート3を積層した積層体5の両主面側から約4MPaの圧力を加えた。
これにより、充填物4a中の第1金属成分と第2金属成分とが金属間化合物を形成して、ビアホール2内に、導体配線層1,1を層間接続するためのビアホール導体14が形成されるとともに、樹脂シート3,3どうしが接合した多層基板10、すなわち、実施例1〜5および比較例1〜5にかかる試料を得た。
この多層基板10について、リフロー処理を行うとともに、リフロー処理前後のそれぞれにおいてビアホール導体14を介して接続した導体配線層1,1間の抵抗値を測定し、これをビアホール導体の導電性として評価した。
なお、リフロー処理は、MSLレベル(Moisture Sensitivity Level)1(85℃/85%RH,168h)の前処理を行い、ピーク温度が260℃となる条件で計5回行った。
また、抵抗値は、10000個のビアホールに形成されたビアホール導体により接続された各導体配線層間の抵抗値の平均値(10000個の抵抗値の平均値)を採用した。
ビアホール導体の導電性は、測定した抵抗値を用いて、以下の評価基準にしたがって評価した。
抵抗値が21.0mΩ未満のものは、導電性が特に良好(VG:Very Good)と判定した。ただし、そのうち抵抗値が10.0mΩ以下のものは、ショート不良(NG:No Good)と判定した。
抵抗値が21.0mΩ以上31.0mΩ未満のものは、導電性が良好(G:Good)と判定した。
抵抗値が31.0mΩ以上のものは、導電性が不良、すなわちオープン不良(NG:No Good)と判定した。
なお、リフロー前の段階で導電性評価がNGとなったものは、リフロー後の抵抗値は測定せず(表には「−」と記入)、評価を終了した。
表1に各ペースト材料で形成したビアホール導体の抵抗値および導電性の評価結果を示す。
Figure 2017130623
表1に示すように、比較例1,5では、リフロー前のビアホール導体の抵抗値がいずれも31.0mΩ未満と良好な導電性を示すが、リフロー後はショート不良を起こすことが確認された。
比較例1において、リフロー後はショート不良を起こしたのは、活性剤を使用していないため、金属粉末表面の酸化被膜が除去されず、金属粉末どうしの金属間化合物形成反応が進行しにくくなって、ビアホール導体内に未反応金属成分が残留し、リフロー処理時にこの未反応金属成分が溶融してビアホールから外に漏れ出したことによるものと考えられる。
また、比較例5において、リフロー後はショート不良を起こしたのは、活性剤として使用した液状モノカルボン酸であるオレイン酸が、ジカルボン酸に比べて活性度が低く、酸化被膜を除去する効果が小さいため、金属粉末どうしの金属間化合物形成反応が進行しにくくなり、ビアホール導体内に未反応金属成分が残留して、リフロー処理時に未反応金属成分が溶融してビアホールから外に漏れ出したことによるものと考えられる。
また、比較例2〜4では、リフロー前の段階でオープン不良が生じていることが確認された。
比較例2〜4においては、活性剤として分子鎖内に側鎖と二重結合のいずれもを有さない顆粒状ジカルボン酸であるグルタル酸、アジピン酸、ドデカ二酸が使用されており、充填用ペースト材料中に活性剤由来の粗大粒が多量に含まれるため、充填用ペースト材料を十分にビアホールに充填することが困難になり、ビア充填不良が多発する結果、リフロー前の段階でオープン不良が発生したものと考えられる。
一方、実施例1〜5では、リフロー前後でビアホール導体の抵抗値がいずれも31.0mΩ未満となり優れた導電性、導電信頼性を示すことが確認された。
また、実施例1〜5のうちでも、実施例1,2は、リフロー前後でビアホール導体の抵抗値がいずれも21.0mΩ未満となり、特に優れた導電性を示すことが確認された。
なお、実施例1〜5の充填用ペースト材料を用いることにより、導電性の良好なビアホール導体が得られるのは、活性剤として活性度が高いジカルボン酸2−メチルアゼライン酸、2−ブチルオクタン二酸、8−エチルオクタデカン二酸、11−ビニル−8−オクタデセン二酸、8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸が使用されているため、金属粉末表面の酸化被膜が十分に除去されて、金属粉末どうしの金属間化合物形成反応が進行しやすくなり、緻密な金属間化合物層が形成されることによるものであると考えられる。ここで、金属間化合物層が緻密である場合、良好な導電性だけでなく、ビアホール導体自体の強度が向上することで、導体配線間の接合強度も向上し、良好な導電信頼性も得ることができる。
また、実施例1〜5では、活性剤が液状であることから、充填用ペースト材料中に活性剤由来の粗大粒が混入せず、ビアホールへの充填が阻害されることがないことからも、導電性、導電信頼性に優れたビアホール導体が形成されやすくなったものと考えられる。
さらに、実施例1,2で使用した2−メチルアゼライン酸、2−ブチルオクタン二酸は、分子量が200以上、250以下の液状ジカルボン酸であり、このような分子量の範囲では、液状ジカルボン酸の活性力がより高く、さらに緻密な金属間化合物層を形成することが可能になる。その結果、特に導電性、導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することが可能になる。
[実施形態2]
この実施形態2では、活性剤として、上述の実施形態1における実施例1の充填用ペースト材料に用いた液状ジカルボン酸である2−メチルアゼライン酸を使用し、その添加量を、表2の実施例6では、全金属成分100体積部に対して、0.60体積部、実施例7では3.00体積部、実施例8では6.00体積部、実施例9では11.0体積部、実施例10では16.0体積部とし、比較例6では0.06体積部、比較例7では24.0体積部とし、その他の条件は上記実施形態1の各試料の場合と同様として充填用ペースト材料を作製するとともに、この充填用ペースト材料を用いて、多層基板を作製した。
そして、上記実施形態1の場合と同様の方法で、ビアホール導体の導電性評価を行った。
表2に、各充填用ペースト材料を用いて形成したビアホール導体の抵抗値および導電性の判定結果を示す。
Figure 2017130623
表2に示すように、活性剤の添加量を0.06体積部とした比較例6ではリフロー前のビアホール導体の抵抗値が31.0mΩ未満と良好な導電性を示したが、リフロー後にはショート不良を起こすことが確認された。
これは、比較例6では、活性剤の添加量が0.06体積部と少ないため、金属粉末表面の酸化被膜を除去しきれず、金属粉末どうしの金属間化合物形成反応が進行しにくくなって、ビアホール導体内に未反応金属成分が残留し、リフロー処理時に未反応金属成分が溶融してビアホールから外に漏れ出したことによるものと考えられる。
また、活性剤の添加量を24.0体積部とした比較例7ではリフロー前のビアの抵抗値が31.0mΩ未満と良好な導電性を示したが、リフロー後にはオープン不良を起こすことが確認された。
これは、比較例7では、活性剤の添加量が24.0体積部と多いため、リフロー処理時に活性剤がガス化する量が多くなり、ビアホール導体内部が破壊されてオープン不良が発生したものと考えられる。
これに対し、実施例6〜10では、リフロー前後でビアホール導体の抵抗値がいずれも21.0mΩ未満で、特に優れた導電性、導電信頼性を示すことが確認された。
実施例6〜10の場合、活性剤として液状のジカルボン酸である2−メチルアゼライン酸が、全金属成分100体積部に対して、0.60体積部以上16.0体積部以下の範囲で使用されていることから、活性剤量不足によるショート不良や、活性剤量過剰によるオープン不良を引き起こすことがなく、導電性、導電信頼性に優れたビアホール導体を形成することができたものと考えられる。
なお、上記実施形態では第1金属成分としてSnを用い、第2金属成分としてCuを用いた場合について説明したが、第1金属成分としてSn合金を、第2金属成分としてCu合金を用いた場合にも、上述の実施形態に準じる結果が得られることが確認されている。
これらの結果より、金属フィラ−として、第1金属成分であるSnまたはSn合金と、第1金属成分より融点が高く、第1金属成分と金属間化合物を形成する第2金属成分であるCuまたはCu合金を含み、かつ、活性剤として、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸を、全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部以下の割合で含むように構成された本発明の充填用ペースト材料を用いることにより、低い温度で加熱した場合にも、導電性や導電信頼性に優れたビアホール導体が得られることが確認された。
なお、本発明においては、活性剤として、上記実施例で示したもの以外にも、本発明の要件を備えた、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれる種々の活性剤を用いることが可能である。
なお、実施形態1、2においては、一対の樹脂シート(絶縁材料層)3,3を積層し、これらを加熱圧着することにより、ビアホール導体14および多層基板10を形成したが、ビアホール導体や多層基板の製造方法は、これに限られない。例えば、3つ以上の絶縁材料層を積層して一度に加熱圧着することにより、ビアホール導体や多層基板を形成してもよい。また、圧着は絶縁材料層どうしの圧着に限られず、例えば絶縁材料層に設けられたビアホールに本発明の充填用ペースト材料を充填した後に、当該絶縁材料層(あるいはビアホールのみ)をプレス機や治具などで圧着しながら加熱することにより、ビアホール導体や多層基板を形成してもよい。さらに、圧着せずに加熱のみによってビアホール導体や多層基板を形成してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、充填用ペースト材料を構成する樹脂の種類、多層基板を構成する絶縁材料層の層数などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 導体配線層
2 ビアホール
3 樹脂シート(絶縁材料層)
3a 樹脂シートの一方側主面
3b 樹脂シートの他方側主面
4 充填用ペースト材料
4a 充填物(乾燥後の充填用ペースト材料)
5 積層体
10 多層基板(試料)
14 ビアホール導体

Claims (4)

  1. 金属フィラ−と、活性剤と、溶剤とを含む充填用ペースト材料であって、
    前記金属フィラーは、第1金属成分としてSnまたはSn合金を含むとともに、第2金属成分として前記第1金属成分より融点の高いCuまたはCu合金を含み、かつ、前記第1金属成分と前記第2金属成分とは、所定の温度に加熱されることにより金属間化合物を形成するものであり、
    前記活性剤は、分子量が200以上で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれるものであって、前記第1金属成分と前記第2金属成分を合計した全金属成分100体積部に対して0.60体積部以上16.0体積部以下の割合で含まれていること
    を特徴とする充填用ペースト材料。
  2. 前記活性剤は、分子量が200以上250以下で、分子鎖内に側鎖と二重結合のうちの少なくとも一方を有するジカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項1記載の充填用ペースト材料。
  3. 絶縁材料層に設けられたビアホールに請求項1または2記載の充填用ペースト材料を充填する工程と、
    前記ビアホールに充填された前記充填用ペースト材料を加熱する工程と、
    を具備することを特徴とするビアホール導体の製造方法。
  4. 絶縁材料層に設けられたビアホールに請求項1または2記載の充填用ペースト材料を充填する工程と、
    前記充填用ペースト材料が前記ビアホールに充填された前記絶縁材料層を複数枚、所定の態様で積層する工程と、
    前記絶縁材料層が複数枚積層された積層体を加熱圧着する工程と
    を備えていることを特徴とする多層基板の製造方法。
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