JP2017129019A - パティキュレートフィルタの手動再生方法 - Google Patents

パティキュレートフィルタの手動再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンのハンチングを未然に回避して油圧ポンプ等の補機の運転状態の安定化を図り、該補機を利用した作業に支障をきたす虞れを確実に解消する。
【解決手段】アイドリング停車状態で排気ブレーキ14(排気絞り手段)を閉じることによりエンジン負荷を意図的に増やし、この負荷増加により排気温度を上昇しながら酸化触媒5への燃料添加を実施してパティキュレートフィルタ6の手動再生を行う場合に、手動再生中の燃料噴射量を監視して該燃料噴射量が上限閾値を超えた時に排気ブレーキ14を開けて排気流路の絞り込みを解除し且つその解除後に下限閾値を割った時には排気ブレーキ14を改めて閉め直すことを基本制御とする一方、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開いてから所定時間だけ燃料噴射量に基づく排気ブレーキ14の開閉判定を行わないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パティキュレートフィルタの手動再生方法に関するものである。
ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質)は、炭素質から成る煤と、高沸点炭化水素成分から成るSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とし、更に微量のサルフェート(ミスト状硫酸成分)を含んだ組成を成すものであるが、この種のパティキュレートの低減対策として、排気ガスが流通する排気管の途中にパティキュレートフィルタを装備することが従来行われている。
この種のパティキュレートフィルタは、コージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造を成し、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガスのみが下流側へ排出される一方、排気ガス中のパティキュレートが多孔質薄壁の内側表面に捕集されるようになっている。
そして、排気ガス中のパティキュレートは、前記多孔質薄壁の内側表面に捕集されて堆積するので、目詰まりにより排気抵抗が増加しないうちにパティキュレートを適宜に燃焼除去してパティキュレートフィルタの再生を図る必要があるが、通常のディーゼルエンジンの運転状態においては、パティキュレートが自己燃焼するほどの高い排気温度が得られる機会が少ない為、PtやPd等を活性種とする酸化触媒をパティキュレートフィルタに一体的に担持させるようにしている。
即ち、このような酸化触媒を担持させたパティキュレートフィルタを採用すれば、捕集されたパティキュレートの酸化反応が促進されて着火温度が低下し、従来より低い排気温度でもパティキュレートを燃焼除去することが可能となるのである。
ただし、斯かるパティキュレートフィルタを採用した場合であっても、排気温度の低い運転領域では、パティキュレートの処理量よりも捕集量が上まわってしまうので、このような低い排気温度での運転状態が続くと、パティキュレートフィルタの再生が良好に進まずに該パティキュレートフィルタが過捕集状態に陥る虞れがある。
そこで、パティキュレートフィルタの入側にフロースルー型の酸化触媒を付帯装備させ、パティキュレートの堆積量が増加してきた段階でパティキュレートフィルタより上流側に燃料を添加してパティキュレートフィルタの強制再生を行わせるようにしたものがある。
つまり、このようにすれば、燃料添加で生じた高濃度の炭化水素が酸化触媒を通過する間に酸化反応し、その反応熱で昇温した排気ガスの流入により直後のパティキュレートフィルタの床温度が上げられてパティキュレートが燃やし尽くされ、パティキュレートフィルタの再生化が図られることになる。
尚、この種の燃料添加を実行するための具体的手段としては、圧縮上死点付近で行われる燃料のメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射を追加することで排気ガス中に燃料を添加すれば良い。
斯かるパティキュレートフィルタの強制再生は、車両の走行中に自動的に行う方式が一般的であるが、運転者がアイドリング停車中に自らの意思で再生スイッチを押すことにより任意に行う方式(以下では手動再生と称する)も提案されており、このように停車状態で手動再生を行う場合には、少なくもパティキュレートフィルタの前段の酸化触媒の活性下限温度以上に排気温度を上昇させる必要がある。
即ち、パティキュレートフィルタの前段に装備される酸化触媒には活性温度領域があり、該酸化触媒の温度を燃料添加の開始前に活性温度領域まで上げる必要があるため、手動再生の開始と共に排気管途中の排気ブレーキを閉じて排気絞りを行い、これによりエンジン負荷を意図的に増やして排気温度を上昇させ、前記酸化触媒が活性温度領域まで昇温するのを待ってポスト噴射による燃料添加を行わせるようにしている。
斯かる手動再生を実施するに際し、例えば、車両が油圧ウインチを備えたクレーン車等の作業用特装車(作業用特別装備車)である場合には、走行以外の目的でエンジン動力が油圧ポンプ等の補機の動力として使用されることになるため、このような補機の使用が手動再生中に行われると、既に排気ブレーキを閉じられて負荷が増加されているところに更に補機の駆動に必要な負荷が加算され、結果的に燃料噴射量が過大となって黒煙悪化やエンストを招き易くなる。
このため、エンジンの制御装置にてアクセル開度と回転数から算出された各気筒への燃料噴射量の指示値に基づき手動再生中の燃料噴射量を監視し、該燃料噴射量が上限閾値を超えた時に排気ブレーキを開けてエンジン負荷を軽減することが考えられたが、この排気ブレーキの開放後に作業が終わって補機の使用が終了した場合には、今度はエンジン負荷が足りなくなって排気ガスの温度が上がり難くなってしまうので、燃料噴射量が下限閾値を下まわった時には排気ブレーキを改めて閉め直す制御が必要となる。
尚、この種のパティキュレートフィルタの手動再生方法に関連する先行技術文献情報としては、本発明と同じ出願人による下記の特許文献1等がある。
特開2012−241611号公報
しかしながら、排気ブレーキを閉じて行われる手動再生中に油圧ポンプ等の補機が併用された場合におけるエンジン負荷は非常に高く、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキが開放されると、図3にグラフで示すように、急激に排気ブレーキによる負荷増加分が喪失することにより制御装置での計算上は一時的にマイナスの値まで燃料噴射量の指示値が急降下し、燃料噴射量の下限閾値を瞬間的に下方へ突き抜けてしまうので、開いたばかりの排気ブレーキが直ぐに閉じてしまう結果となり、該排気ブレーキが閉じることで再び負荷が増加して燃料噴射量が急上昇し、直ぐに上限閾値を超えて排気ブレーキが再び開放されるという作動が繰り返され、これによりエンジンがハンチング(アイドリングでエンジン回転が上がったり下がったりを繰り返す症状)を起こし、油圧ポンプ等の補機の運転状態にも変動を招いてクレーンを利用した荷役作業等に支障をきたす虞れがあった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、エンジンのハンチングを未然に回避して油圧ポンプ等の補機の運転状態の安定化を図り、該補機を利用した作業に支障をきたす虞れを確実に解消することを目的としている。
本発明は、エンジン駆動の補機を備えたエンジンにおける排気管に排気絞り手段と酸化触媒とパティキュレートフィルタとを順次配列し、アイドリング停車状態で排気絞り手段を閉じることによりエンジン負荷を意図的に増やし、この負荷増加により排気温度を上昇しながら酸化触媒への燃料添加を行い、その添加燃料が酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により直後のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを燃焼させて該パティキュレートフィルタの再生を図る方法であって、手動再生中の燃料噴射量を監視して該燃料噴射量が上限閾値を超えた時に排気絞り手段を開けて排気流路の絞り込みを解除し且つその解除後に下限閾値を割った時には排気絞り手段を改めて閉め直すことを基本制御とする一方、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開いてから所定時間だけ燃料噴射量に基づく排気絞り手段の開閉判定を行わないことを特徴とするものである。
このようにすれば、排気絞り手段を閉じて行われる手動再生中に油圧ポンプ等の補機が併用された場合にエンジン負荷が大きく上昇し、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開放されることになるが、この時に急激に排気絞り手段による負荷増加分が喪失することにより燃料噴射量が急降下して下限閾値を瞬間的に割るような事態が生じても、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開いてからの所定時間は燃料噴射量に基づく排気絞り手段の開閉判定が行われないため、開いたばかりの排気絞り手段が直ぐに閉じてしまうような不合理な作動が未然に回避される。
一方、燃料噴射量の急降下は瞬間的なもので、補機の駆動に見合う燃料噴射量に復帰してくるが、この段階では排気絞り手段が開放状態に維持されていて補機の駆動に必要なエンジン負荷だけに軽減されているため、補機がそのまま駆動され続けても燃料噴射量が再び上限閾値を超えてしまうことはなく、従来の如き排気絞り手段の開閉作動が繰り返される事態が起こらなくなる。
そして、作業の終了等に伴い補機の駆動が停止されると、該補機の負荷分が喪失して燃料噴射量が下限閾値を割ることになるが、この段階では所定時間が経過して排気絞り手段の開閉判定が基本制御に則り実行され、排気絞り手段が閉じられて排気温度が底上げされることになる。
また、本発明においては、走行中にエンジンブレーキを増加するために搭載された排気ブレーキを、手動再生時における排気絞り手段として転用してエンジン負荷を意図的に増やすようにしても良い。
上記した本発明のパティキュレートフィルタの手動再生方法によれば、排気絞り手段を閉じて行われる手動再生中に補機が併用されてエンジン負荷が大きく上昇し、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開放され、該排気絞り手段による負荷増加分が喪失することにより燃料噴射量が急降下して下限閾値を瞬間的に割るような事態が生じても、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開いてからの所定時間だけ燃料噴射量に基づく排気絞り手段の開閉判定を行わないことで、開いたばかりの排気絞り手段が直ぐに閉じてしまうような不合理な作動を未然に回避し、該排気絞り手段の開閉作動が繰り返されてしまうような事態を防ぐことができるので、エンジンのハンチングを未然に回避して油圧ポンプ等の補機の運転状態の安定化を図り、該補機を利用した作業に支障をきたす虞れを確実に解消することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。 本形態例における手動再生のタイムスケジュールを示すグラフである。 従来における手動再生のタイムスケジュールを示すグラフである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、油圧ウインチを備えたクレーン車を対象車両とした場合を例示しており、該クレーン車のディーゼルエンジン1(エンジン)から排気マニホールド2を介して排出された排気ガス3が流通している排気管4の途中に、前段に酸化触媒5を備えた触媒再生型のパティキュレートフィルタ6がフィルタケース7により抱持されて介装されている。
前記フィルタケース7には、酸化触媒5とパティキュレートフィルタ6との間で排気ガス3の温度を検出する温度センサ8が装備されており、該温度センサ8の温度信号8aがエンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)を成す制御装置9に対し入力されるようになっている。
この制御装置9は、燃料の噴射に関する制御も担うようになっており、より具体的には、アクセル開度をディーゼルエンジン1の負荷として検出するアクセルセンサ11(負荷センサ)からのアクセル開度信号11aと、ディーゼルエンジン1の回転数を検出する回転センサ12からの回転数信号12aとに基づき、ディーゼルエンジン1の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射装置10に向け燃料噴射信号10aが出力されるようになっている。
尚、この燃料噴射装置10は、各気筒毎に装備される複数のインジェクタにより構成されており、これら各インジェクタの電磁弁が前記燃料噴射信号10aにより適宜に開弁制御されて燃料の噴射タイミング(開弁時期)及び噴射量(開弁時間)が適切に制御されるようになっている。
他方、前記制御装置9では、アクセル開度信号11a及び回転数信号12aに基づき通常走行用の燃料噴射信号10aが決定されるようになっている一方、パティキュレートフィルタ6の手動再生を行うべき時に、前記温度センサ8の温度信号8aに基づきパティキュレートフィルタ6の入口での排気温度が燃料添加開始温度(前段の酸化触媒の温度が活性温度領域に到達していると看做し得る温度)に達するのを待って燃料噴射制御が切り替わり、圧縮上死点(クランク角0゜)付近で行われる燃料のメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射を行う噴射パターンの燃料噴射信号10aが決定されるようになっている。
つまり、本形態例においては、燃料噴射装置10がパティキュレートフィルタ6の手動再生のための燃料添加手段としての機能を果たすようになっており、前述のようにメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射が行われると、このポスト噴射により排気ガス3中に未燃の燃料(主としてHC:炭化水素)が添加されることになり、この未燃の燃料がパティキュレートフィルタ6の前段の酸化触媒5上で酸化反応し、その反応熱により触媒床温度が上昇してパティキュレートフィルタ6内のパティキュレートが燃焼除去されることになる。
更に、キャブ13内のインストルメントパネルには、ディーゼルエンジン1がアイドリング停車状態にある条件下で前記燃料噴射装置10による燃料添加を運転者の手動操作により任意に実行させるための再生スイッチ15が設けられており、該再生スイッチ15が運転者により操作されて再生指令信号15aが制御装置9に入力された際には、温度センサ8からの温度信号8aに基づきパティキュレートフィルタ6の入口での排気温度が燃料添加開始温度に達するのを待って燃料噴射制御が切り替わり、ポスト噴射が開始されるようになっている。
ここで、パティキュレートフィルタ6より上流側の適宜位置には、排気管4の流路を適宜な開度に絞り込む開度調整可能な排気ブレーキ14(排気絞り手段)が装備されており、該排気ブレーキ14は、制御装置9からの開閉指令信号14aにより開度制御されるようになっているが、本形態例においては、再生スイッチ15が運転者により操作されて再生指令信号15aが制御装置9に入力された際に、排気ブレーキ14に対し本来の作動から独立した別の作動を指令し、排気温度を上げるための排気絞り手段として排気ブレーキ14を活用できるようにしてある。
即ち、車両を停車した状態で再生スイッチ15が運転者により操作されてパティキュレートフィルタ6の手動再生が開始されたら、前記排気ブレーキ14が開閉指令信号14aにより閉操作されて排気流路が絞られ、これによりディーゼルエンジン1の各気筒からの排気抵抗が高められることによりエンジン負荷(ポンピングロス)が増加し、ディーゼルエンジン1の回転数を保持するために燃料噴射量が増やされて排気ガス3の温度が上昇されるようにしてある。
ここで、前記制御装置9においては、燃料噴射装置10に向け燃料噴射信号10aとして出力される燃料噴射量の指示値に基づき手動再生中の燃料噴射量が監視されるようになっており、図2にグラフで示す通り、燃料噴射量が上限閾値を超えた時(図2中のポイントAを参照)に排気ブレーキ14を開けて排気流路の絞り込みを解除し且つその解除後に下限閾値を割った時(図2中のポイントBを参照)には排気ブレーキ14を改めて閉め直すことを基本制御としている。
即ち、図1に示す如きクレーン車の場合には、ディーゼルエンジン1により駆動される油圧ポンプ16が補機として備えられているが、該油圧ポンプ16の使用が手動再生中に行われると、既に排気ブレーキ14を閉じられて負荷が増加されているところに更に油圧ポンプ16の駆動に必要な負荷が加算され、結果的に燃料噴射量が過大となって黒煙悪化やエンストを招き易くなってしまうので、上限閾値を設けて燃料噴射量が過大に増加しないようにしている。
また、この排気ブレーキ14の開放後に荷役作業等が終わって油圧ポンプ16の使用が終了した場合には、今度はエンジン負荷が足りなくなって排気温度が上がり難くなってしまうので、燃料噴射量が下限閾値を割り込んだ時には排気ブレーキ14を改めて閉め直すようにしている。
ただし、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開放されると、急激に排気ブレーキ14による負荷増加分が喪失することにより制御装置9での計算上は一時的にマイナスの値まで燃料噴射量の指示値が急降下し、燃料噴射量の下限閾値を瞬間的に下方へ突き抜け、開いたばかりの排気ブレーキ14が直ぐに閉じてしまうような不合理な作動を招いてしまうので、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開いてから所定時間(図2中の網掛けのエリアCを参照)だけ燃料噴射量に基づく排気ブレーキ14の開閉判定を行わないようにしている。
而して、アイドリング停車状態で運転者が再生スイッチ15を押して手動再生を開始すると、排気ブレーキ14が閉じられて排気流路の絞り込みが実施され、これに伴いディーゼルエンジン1の各気筒からの排気抵抗が高まることによりエンジン負荷(ポンピングロス)が増加する結果、回転数を保持するために燃料噴射量が増加し、パティキュレートフィルタ6の入口での排気温度が上昇する。
これによりパティキュレートフィルタ6の入口での排気温度が所定の燃料添加開始温度(前段の酸化触媒5の温度が活性温度領域に到達していると看做し得る温度)となった時点でポスト噴射による燃料添加が開始され、その添加燃料が酸化触媒5上で酸化反応した時の反応熱により直後のパティキュレートフィルタ6内の捕集済みパティキュレートが燃焼されて該パティキュレートフィルタが再生されることになる。
このように排気ブレーキ14を閉じて行われる手動再生中に油圧ポンプ16が併用された場合にエンジン負荷が大きく上昇すると、図2にグラフで示す如く、燃料噴射装置10に向け燃料噴射信号10aとして出力される燃料噴射量の指示値が大きく増加して上限閾値を超え(図2中のポイントA)、これにより排気ブレーキ14が開放されることになるが、この時に急激に排気ブレーキ14による負荷増加分が喪失することにより燃料噴射量が急降下して下限閾値を瞬間的に割るような事態が生じても、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開いてからの所定時間(図2中の網掛けのエリアCの範囲内)は燃料噴射量に基づく排気ブレーキ14の開閉判定が行われないため、開いたばかりの排気ブレーキ14が直ぐに閉じてしまうような不合理な作動が未然に回避される。
一方、燃料噴射量の急降下は瞬間的なもので、油圧ポンプ16の駆動に見合う燃料噴射量に復帰してくるが、この段階では排気ブレーキ14が開放状態に維持されていて油圧ポンプ16の駆動に必要なエンジン負荷だけに軽減されているため、油圧ポンプ16がそのまま駆動され続けても燃料噴射量が再び上限閾値を超えてしまうことはなく、従来の如き排気ブレーキ14の開閉作動が繰り返される事態が起こらなくなる。
そして、荷役作業等の終了等に伴い油圧ポンプ16の駆動が停止されると、該油圧ポンプ16の負荷分が喪失して燃料噴射量が下限閾値を割る(図2中のポイントB)ことになるが、この段階では所定時間が経過して排気ブレーキ14の開閉判定が基本制御に則り実行され、排気ブレーキ14が閉じられて排気温度が底上げされることになる。
尚、燃料噴射量に基づく排気ブレーキ14の開閉判定を行わない時間は、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開放された時の瞬間的な燃料噴射量の急降下に対応できる程度の比較的短い時間を設定すれば十分であり、必要以上に長く設定しなくても良いものであることを付言しておく。
従って、上記形態例によれば、排気ブレーキ14を閉じて行われる手動再生中に油圧ポンプ16が併用されてエンジン負荷が大きく上昇し、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開放され、該排気ブレーキ14による負荷増加分が喪失することにより燃料噴射量が急降下して下限閾値を瞬間的に割るような事態が生じても、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気ブレーキ14が開いてからの所定時間だけ燃料噴射量に基づく排気ブレーキ14の開閉判定を行わないことで、開いたばかりの排気ブレーキ14が直ぐに閉じてしまうような不合理な作動を未然に回避し、該排気ブレーキ14の開閉作動が繰り返されてしまうような事態を防ぐことができるので、ディーゼルエンジン1のハンチングを未然に回避して油圧ポンプ16の運転状態の安定化を図り、該油圧ポンプ16を利用した荷役作業等に支障をきたす虞れを確実に解消することができる。
尚、本発明のパティキュレートフィルタの手動再生方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、油圧ウインチを備えたクレーン車等の作業用特装車(作業用特別装備車)以外にクローラ式の建設機械等にも適用できること、補機は必ずしも油圧ポンプに限定されないこと、また、燃料添加を行うに際し、排気マニホールドや排気管途中に燃料添加弁を配設して排気ガスに対し燃料を直噴して燃料添加を行うようにしても良いこと、更には、排気絞り手段を排気ブレーキとは別に独立して設けても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
3 排気ガス
4 排気管
5 酸化触媒
6 パティキュレートフィルタ
9 制御装置
14 排気ブレーキ(排気絞り手段)
16 油圧ポンプ(補機)

Claims (2)

  1. エンジン駆動の補機を備えたエンジンにおける排気管に排気絞り手段と酸化触媒とパティキュレートフィルタとを順次配列し、アイドリング停車状態で排気絞り手段を閉じることによりエンジン負荷を意図的に増やし、この負荷増加により排気温度を上昇しながら酸化触媒への燃料添加を行い、その添加燃料が酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により直後のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを燃焼させて該パティキュレートフィルタの再生を図る方法であって、手動再生中の燃料噴射量を監視して該燃料噴射量が上限閾値を超えた時に排気絞り手段を開けて排気流路の絞り込みを解除し且つその解除後に下限閾値を割った時には排気絞り手段を改めて閉め直すことを基本制御とする一方、燃料噴射量が上限閾値を超えて排気絞り手段が開いてから所定時間だけ燃料噴射量に基づく排気絞り手段の開閉判定を行わないことを特徴とするパティキュレートフィルタの手動再生方法。
  2. 走行中にエンジンブレーキを増加するために搭載された排気ブレーキを、手動再生時における排気絞り手段として転用してエンジン負荷を意図的に増やすことを特徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタの手動再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021193045A1 (ja) * 2020-03-26 2021-09-30 いすゞ自動車株式会社 騒音抑制装置

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