JP2017128421A - 自動原稿搬送装置、およびそれを備えた画像読取システムと画像形成装置 - Google Patents

自動原稿搬送装置、およびそれを備えた画像読取システムと画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】重送原稿をユーザーに容易に確認させると共に、経路から容易に除去させることを簡単な構成で実現する自動原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】ADFでは搬送部が、スキャナーのコンタクトガラスに面した経路に沿って原稿を給紙トレイから排紙トレイ117へ搬送する。重送検出部が重送センサーで原稿の重送を検出した場合、位置検出部が通紙センサー11Sで検出した重送原稿DC1、DC2の位置に基づいて制御部が搬送部に重送原稿を停止位置まで搬送させる。その停止位置では重送原稿の先頭の1枚DC1が排紙口116から排紙トレイへはみ出すと共に、その1枚の後端が排紙口よりも上流に留まる。
【選択図】図8

Description

本発明は原稿の搬送技術に関し、特に重送の検出技術に関する。
近年、ネットワーク技術の著しい普及に伴い、ペーパーレス化が多くの企業、公共機関においてそれぞれのネットワークシステムを利用して進められている。「ペーパーレス化」とは、文書、数表、絵画、写真等、従来、紙に印刷された画像として利用、保管されてきた情報を電子データ化し、ネットワークシステムによる利用、保管を可能にすることをいう。ペーパーレス化には、書類をコンピューターで電子ファイルとして作成することに加え、手書きまたは印刷物の画像を画像読取装置で電子データ化する(すなわち「読み取る」)ことが含まれる。「画像読取装置」(「イメージスキャナー」とも呼ばれる。)とは、原稿に表示された情報を光学的に読み取って電気信号に変換する装置の総称である。
ペーパーレス化の進展に伴い、画像読取装置への自動原稿搬送装置(以下、「ADF」という。)の搭載が一般化しつつある。「ADF」は、画像読取装置が画像を読み取ることのできる場所へ原稿を自動的に搬送する装置である。ペーパーレス化を目的とする画像読取作業では一般にデータ化対象の情報を表示する原稿量が多いので、ADFを利用して画像読取装置に原稿を高速に処理させることが作業の効率化に不可欠である。
ADFに複数枚の原稿を1枚ずつ連続して搬送させる場合、原稿の重送が生じる危険性が避けられない。原稿の「重送」とは、複数枚の原稿から1枚を分離し損なうことにより2枚以上の原稿を互いに重なり合った状態のまま、あたかも1枚の原稿として搬送することをいう。この状態の原稿(以下、「重送原稿」という。)からは画像読取装置が正しい画像を読み取ることはできないので、ADFは原稿の重送を検出した場合、ユーザーにエラーを通知してその解消を促す。
このエラーを通知する際、従来のADFは重送原稿を次の2種類の方法のいずれかで処理する。(1)ジャムを検出した場合と全く同様に原稿の搬送を中止し、重送原稿を後続の原稿共々、搬送経路上に残留させる。その後、それらの原稿がすべて除去されるまでADFは待機する。この方法は、重送原稿をユーザーに確認させやすい点では有利である反面、搬送経路から原稿を除去する手間をユーザーにかけさせる点で不利である。(2)重送原稿を先行の原稿と同様に排紙トレイへ排出する。その後、原稿の搬送の再開がユーザーに指示されるまでADFは待機する。この方法は、搬送経路から原稿をユーザーに除去させる必要がない点では有利である反面、重送原稿を排紙トレイ上の他の原稿に紛れ込ませてしまう点で不利である。
これら2種類の方法の利点を両立させる工夫の1つとしては、重送原稿を通常の排紙トレイとは別のトレイへ退避させる技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。この技術には、搬送経路から原稿をユーザーに除去させる必要もなければ、重送原稿が他の原稿に紛れ込む危険性もない。
特開2007−228184号公報
「ADFでは原稿の重送の危険性が不可避である」という前提の下でADFの操作性を更に向上させるには、重送原稿を搬送経路から自動的に除去すると共に、重送原稿をユーザーに容易に確認させることが必要である。これらの両方を満たす技術としては特許文献1に開示されたものが知られてはいる。しかし、この技術では重送原稿の退避先とそこまでの搬送経路とが通常の構成とは別に必要である。これはADFの構造の簡単化を阻み、部品点数の削減を妨げるので、ADFの製造容易性の向上と製造コストの削減とが困難である。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、重送原稿をユーザーに容易に確認させると共に、搬送経路から容易に除去させることを簡単な構成で実現する自動原稿搬送装置を提供することにある。
本発明の1つの観点における自動原稿搬送装置は、画像読取装置が画像を読み取ることのできる場所である読み取り位置へ原稿を搬送する装置であり、その読み取り位置を経由する搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送手段と、搬送手段が搬送経路の終端から排出した原稿を収容する排紙トレイと、搬送手段が搬送経路に沿って搬送している原稿の位置を検出する位置検出手段と、搬送手段による原稿の重送を検出する重送検出手段と、位置検出手段が検出する原稿の位置に基づいて搬送手段を制御し、重送検出手段による重送の検出に応じて搬送手段に重送原稿を停止位置まで搬送させる制御手段とを備える。その停止位置では重送原稿のうち、先頭の1枚が搬送経路の終端から排紙トレイへはみ出すと共に、その1枚の後端が搬送経路の終端に、またはその終端よりも上流に留まるように、制御手段は搬送手段に重送原稿を停止させる。
停止位置では重送原稿の先頭の1枚のうち、搬送経路の終端から排紙トレイへはみ出た部分をユーザーが引っ張ることによりその1枚の全体を搬送経路の終端から引き出すことが可能であるように、その1枚の後端の位置を制御手段が設定してもよい。
位置検出手段は、搬送経路上の第1点を通過する原稿を検出する通紙センサーを含んでもよい。重送検出手段は、搬送経路上、その第1点よりも下流に位置する第2点を2枚以上の原稿が重なって通過することを検出する重送センサーを含み、それら2枚以上の原稿を重送原稿として識別してもよい。この場合、制御手段は、通紙センサーが重送原稿の先頭の1枚の先端を検出した第1時点から、その1枚に後続の原稿が重なって第2点を通過することを重送センサーが検出した第2時点までの間に搬送手段がその1枚を搬送した第1距離を求め、その第1距離と、搬送経路のうち第1点から第2点までの部分の長さとの間の差を、その1枚のうち後続の原稿とは重なっていない部分の長さに設定し、第2時点から、2枚以上の原稿の重なった部分が第2点を通過し終えたことを重送センサーが検出した第3時点までの間に搬送手段がその1枚を搬送した第2距離を求め、その第2距離と、その1枚の重なっていない部分の長さとの和をその1枚の全長に設定してもよい。制御手段はまた、位置検出手段が検出した原稿の位置から、重送検出手段が原稿の重送を検出した時点に重送原稿の先頭の1枚の先端が搬送経路上のどの場所に位置するのかを推測し、推測された場所が搬送経路上の所定領域に達していない場合、搬送手段に重送原稿を停止位置へ搬送させることを中止してもよい。
上記の自動原稿搬送装置は、開閉可能であり、開いた状態では搬送経路の一部を、ユーザーが触れられるように露出させる搬送カバーを更に備えてもよい。この場合、制御手段は次の条件が満たされるように上記の所定領域を設定してもよい。仮に搬送中の原稿が搬送経路上に停止した場合、その原稿の先端がその所定領域に達していれば、ユーザーは搬送カバーを開いてもその原稿を損傷させることなく除去することが困難である。
位置検出手段は、搬送手段が搬送経路の終端から排紙トレイへ排出する原稿を検出する排紙センサーを含んでいてもよい。制御手段は、停止位置では重送原稿の先頭の1枚が排紙センサーに検出され続けるようにその1枚の後端の位置を設定し、搬送手段に重送原稿を停止位置まで搬送させた後、排紙センサーが原稿を検出しなくなったことに応じて搬送手段に原稿の搬送を再開させてもよい。
位置検出手段は、搬送手段が原稿を搬送する間、その原稿の速度の設定値からその原稿の位置を検出するタイミングを予測し、予測されたタイミングとその原稿の位置を実際に検出したタイミングとの間の誤差を計測してもよい。制御手段は、搬送手段に原稿を搬送させる際、搬送手段にその原稿の速度の設定値を指示して、位置検出手段の計測する誤差が許容上限を超えたことを原稿のジャムとして検出し、搬送手段に重送原稿を停止位置まで搬送させる際、その重送原稿の速度をその設定値よりも低減させ、かつその許容上限を引き下げてもよい。この場合、制御手段は更に、重送検出手段が原稿の重送を検出した時点で原稿のジャムを検出している場合には、搬送手段に重送原稿を停止位置へ搬送させることを中止してもよい。
本発明の1つの観点における画像読取システムは、読み取り位置に存在する原稿から画像を読み取る画像読取装置と、その読み取り位置へ原稿を搬送する上記の自動原稿搬送装置とを備える。本発明の1つの観点における画像形成装置は、この画像読取システムと、その画像読取システムが読み取った画像をシートに印刷する画像形成手段とを備える。
本発明による自動原稿搬送装置は上記のとおり、原稿の重送の検出に応じて重送原稿を停止位置まで搬送する。その停止位置では重送原稿のうち、先頭の1枚が搬送経路の終端から排紙トレイへはみ出すと共に、その1枚の後端が搬送経路の終端に、またはその終端よりも上流に留まる。これによりこの自動原稿搬送装置は、重送原稿をユーザーに容易に確認させると共に、搬送経路から容易に除去させることを簡単な構成で実現することができる。
本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。 図1の示す線分II−IIに沿った自動原稿搬送装置(ADF)とスキャナーとの断面図である。 図1の示す画像形成装置の内部構造を模式的に示す正面図である。 図1の示す画像形成装置の電子制御系統の構成を示すブロック図である。 図2の示すADF内の原稿の搬送経路を示す模式図である。 (a)は、図3の示す搬送経路を重送原稿が移動する際における分離センサーの出力信号、クロック信号、および重送センサーの出力信号のタイミングチャートであり、(b)は、(a)の示すクロック信号の波形を示す拡大図である。(c)、(d)、(e)はそれぞれ、図2の示す重送センサーの隙間に原稿がない状態、原稿が1枚だけ通過する状態、原稿が2枚重なって通過する状態を示す模式図である。 (a)は、図3の示す分離センサーが原稿の先端を検出した時点でのその原稿の状態を示す模式図であり、(b)は、図3の示す搬送経路において原稿の重送が検出された時点で重送原稿の先頭の1枚の先端が除去不可領域には達していない状態を示す模式図であり、(c)は、その領域に達している状態を示す模式図である。 (a)は、図1の示す排紙トレイへ排出された原稿と停止位置に搬送された重送原稿との外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)の示す線分b−bに沿った断面図である。 (a)は、図3の示す搬送経路において原稿の重送が検出された時点での重送原稿の状態を示す模式図であり、(b)は、重送原稿の重なり合う部分の通過完了を重送センサーが検出した時点での重送原稿の状態を示す模式図である。 (a)は、排紙口からはみ出して停止した重送原稿の状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の状態における操作パネルの表示を示す模式図である。(c)は、ユーザーによって排紙口から除去される重送原稿の状態を模式的に示す断面図であり、(d)は、(c)の状態における操作パネルの表示の消去を示す模式図である。 図1の示すADFによる重送監視処理のフローチャートのうち原稿の重送を検出する部分である。 図1の示すADFによる重送監視処理のフローチャートのうち重送原稿の搬送の適否を判断する部分である。 図1の示すADFによる重送監視処理のフローチャートのうち停止位置へ重送原稿を搬送する部分である。 図1の示すADFによる重送監視処理のフローチャートのうち、停止位置からの重送原稿の除去に応じて搬送の中断状態から復帰する部分である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の外観]
図1は本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。この画像形成装置は複合機(multi-function peripheral:MFP)100であり、スキャナー、カラーコピー機、およびカラーレーザープリンターの機能を併せ持つ。図1を参照するに、MFP100の筐体の上面には自動原稿搬送装置(auto document feeder:ADF)110が開閉可能に装着されている。ADF110の直下に位置する筐体の上部にはスキャナー120が内蔵され、この筐体の下部にはプリンター130が内蔵されている。プリンター130の底部には給紙カセット133が引き出し可能に取り付けられている。
MFP100は胴内排紙型である。すなわち、スキャナー120とプリンター130との隙間DSPには排紙トレイ150が設置され、その奥の排紙口131から排紙されたシートを収容する。この隙間DSPの横に位置する筐体の前面部分には操作パネル160が取り付けられている。操作パネル160の前面にはタッチパネルが埋め込まれ、その周囲に各種の機械的な押しボタンが配置されている。
[ADFの構造]
図2は、図1の示す線分II−IIに沿ったADF110の断面図である。図2を参照するにADF110は、給紙トレイ111、原稿サイズセンサー11M、11N、給紙口112、搬送ローラー群11A、11B、…、11G、通紙センサー群11P、11Q、…、11S、重送センサー11X、11Y、押さえ部材113、114、裏面スキャナー115、排紙口116、排紙トレイ117、および搬送カバー118を含む。
給紙トレイ111はADF110の上面に載置され、この上に、読み取り対象の画像が表示された原稿の束ST1が収容される。給紙トレイ111はADF110の上面に対して上下に揺動可能であり、この揺動により水平方向に対する傾斜角が可変である。この傾斜角が増大するとき、給紙トレイ111に収容された原稿の束ST1の先端部が給紙口112に接近する。給紙トレイ111の上面には原稿サイズセンサー11M、11Nが埋め込まれている。各センサー11M、11Nは反射型光センサーであり、その上部に向かって光を照射してその上部からの反射光を検出する。この反射光の強度から各センサー11M、11Nの上方を覆う原稿の有無が判断される。給紙トレイ111の端部から各センサー11M、11Nまでの距離は既知であるので、給紙トレイ111に収容された原稿がいずれのセンサー11M、11Nを覆うかに応じてその原稿のサイズが、A3、B4等の標準値のいずれであるかが識別される。
給紙口112はADF110の筐体の開口部であり、ADF110の内部に設けられた原稿の搬送経路の始端に相当する。初段の搬送ローラー、すなわちピックアップローラー11Aは給紙口112の上部に設置され、給紙トレイ111に収容された原稿の束ST1の最も上の1枚DC1に接触して回転し、その1枚DC1を束ST1から分離して給紙口112へ取り込む。次段の搬送ローラー、すなわち給紙ローラー11Bと分離ローラー11Cとはたとえば同方向に回転するローラーの対であり、給紙口112の中で互いの外周面を近接させてニップを形成している。給紙ローラー11Bはピックアップローラー11Aから送り出された原稿DC1の上面に接触して、その原稿DC1を下流へ進める向きに回転する。分離ローラー11Cはその原稿DC1の下面に接触して、その原稿DC1を上流へ戻す向きに回転する。給紙ローラー11Bよりも分離ローラー11Cはトルクが弱いので、その原稿DC1自体は前進する。もし、ピックアップローラー11Aがその原稿DC1を束ST1から分離し損ねてその原稿DC1に次の原稿を重ねて送り出した場合、次の原稿は分離ローラー11Cには直に接触する。この原稿と前の原稿DC1との重なりが十分に小さければ、この原稿の前進は分離ローラー11Cによって阻まれる。
3段目の搬送ローラー、すなわちデスキューローラー11Dは一般に停止しており、給紙ローラー11Bから送り出された原稿DC1の先端に接触してその先端の前進を阻む。この間、その原稿DC1の後半部が給紙ローラー11Bから送り出され続けるので、その原稿DC1の先端部にはたわみ(ループ)RPが生じる。このループRPを成す先端部の長さが所定値(たとえば3mm)に達するタイミングで給紙ローラー11Bは回転を停止する。その後、この原稿DC1と先行の原稿DC2との間隔(紙間)が所定値まで開くタイミングでデスキューローラー11Cが回転を始め、その原稿DC1を前進させる。このとき、ループRPが平面に復帰する際の応力によりその原稿DC1のスキュー(搬送方向に対する原稿の長さ方向の傾き)が是正される。
4段目の搬送ローラー11Eは、デスキューローラー11Dから送り出された原稿DC2に接触して回転し、その原稿DC2を搬送経路の露出部11Oへ進める。この露出部11Oでは、ADF110の底面に設けられた開口部を通して搬送経路が露出すると共に、第1押さえ部材113が、搬送経路を間に挟んでスキャナー120の上面に対向するように設置されている。第1押さえ部材113は露出部11Oを通過中の原稿DC2の部分に適度な力を加えて、その部分とスキャナー120の上面との間の距離を適切に保つ。
5段目の搬送ローラー11Fは、露出部11Oを通過し終えた原稿DC2の部分に接触して回転し、その原稿DC2を第2押さえ部材114と裏面スキャナー115との隙間へ進める。この隙間を隔てて第2押さえ部材114は裏面スキャナー115に対向し、その隙間を通過中の原稿DC2の部分に適度な力を加えて、その部分と裏面スキャナー115との間の距離を適切に保つ。この部分の表面に裏面スキャナー115は光を照射し、その表面で反射された光量を検出して電気信号に変換し、スキャナー120へ送信する。この光量は原稿の表面の光反射率に応じて変化するので、変換後の電気信号はその原稿の表面に表示された画像を表す。
6段目の搬送ローラー11Gは、第2押さえ部材114と裏面スキャナー115との隙間を通過した原稿DC2に接触して回転し、その原稿DC2を排紙口116へ進める。排紙口116はADF110の筐体の開口部であり、搬送経路の終端に相当する。排紙口116には最終段の搬送ローラー、すなわち排紙ローラー11Hが設置され、前段の搬送ローラー11Gから渡された原稿DC3に接触して回転し、その原稿DC3を排紙口116から排出する。排紙トレイ117は給紙トレイ111の下方に設置され、排紙口116から排出された原稿の束ST2を収容する。
各通紙センサー11P、11Q、…、11Sは反射型光センサーであり、発光部と受光部とを含む。発光部は赤外線等、所定波長の光を監視領域に対して出射させ、受光部はその領域から入射する同じ波長の光を検出する。その領域を原稿が通過する間、その原稿は発光部からの出射光を受光部へ向けて反射するので、その領域に原稿が存在する場合は存在しない場合よりも受光部の検出光量が増大する。したがって、各通紙センサー11P、…は出力信号のレベルを、受光部の検出光量が原稿からの反射に起因する値まで増大した場合には「オン」に設定し、その値を下回っている場合には「オフ」に設定する。こうして各通紙センサー11P、…の出力信号のオンオフに基づいて、その監視領域を通過中の原稿の有無が識別される。初段の通紙センサー、すなわち分離センサー11Pは給紙ローラー11Bと分離ローラー11Cとの間のニップの出口付近を監視領域とし、そのニップから送出される原稿DC1を検出する。次段の通紙センサー、すなわちデスキューセンサー11Qはデスキューローラー11Dの上流側に隣接する搬送経路部分を監視領域とし、デスキューローラー11Dまで到達した原稿DC1を検出する。3段目の通紙センサー、すなわち読取前センサー11Rは4段目の搬送ローラー11Eと搬送経路の露出部11Oとの間の搬送経路部分を監視領域とし、露出部11Oを通過する原稿DC2を検出する。最終段の通紙センサー、すなわち排紙センサー11Sは排紙口116またはそれよりも上流に位置する搬送経路部分を監視領域とし、排紙トレイ117へ排出される原稿DC3を検出する。
重送センサー11X、11Yは超音波センサーであり、送波器11Xと受波器11Yとを含む。送波器11Xと受波器11Yとは、給紙ローラー11Bと分離ローラー11Cとの下流側に隣接する搬送経路部分を間に挟んで互いに対向するように配置されている。送波器11Xは一定周波数(たとえば数百kHz)の超音波を受波器11Yに向けて出射させ、受波器11Yは搬送経路を透過した超音波を検出する。両器11X、11Yの間を原稿が通過する際、その原稿が送波器11Xからの超音波を部分的に吸収し、または反射する等により散逸させる。その結果、送波器11Xが出射させる超音波に対して受波器11Yが検出する超音波は減衰する。この減衰量から、両器11X、11Yの間を通過する原稿が2枚以上重なっているか否かが識別される。
搬送カバー118は、ADF110の筐体の上部に開閉可能に取り付けられた蓋状部材である。図2が示すように搬送カバー118は、原稿の搬送経路のうち給紙口112から4段目の搬送ローラー11Eの上流側に隣接する部分までの範囲を覆う。図2は示していないが、搬送カバー118の基端部(給紙口112とは反対側の端部)には水平方向(図2では紙面の法線方向)の回転軸が設けられている。この軸のまわりに揺動することで搬送カバー118は開閉する。搬送カバー118が開くと、すなわち図2に一点鎖線で示される姿勢にまで揺動すると、その底面が覆っていた搬送経路の範囲が露出するので、その範囲をユーザーに触れさせることが可能である。図2は示していないが、搬送カバー118が閉じた姿勢で接触するADF110の筐体部分には開閉センサーが設置されている。このセンサーは操作スイッチ(押しボタン等の機械的なスイッチ)または(誘導型、静電容量型、もしくは超音波/光電型の)近接スイッチであり、搬送カバー118の開閉に応じてオンオフする。
[スキャナーの構造]
図2は、図1が示す直線II−IIに沿ったスキャナー120の断面図を含む。図2を参照するに、スキャナー120はフラットベッド型であり、コンタクトガラス121、プラテンガラス122、スライダー123、光学素子124、125、ラインセンサー126、および画像処理回路127を含む。
コンタクトガラス121はスキャナー120の上面に開けられたスリットを塞ぎ、ADF110の底面に露出した原稿の搬送経路に面している。プラテンガラス122は、そのスリットとは別に設けられたスキャナー120の上面の開口部を塞いでいる。図2は示していないが、ADF110はスキャナー120に開閉可能に取り付けられ、開いた状態ではこのプラテンガラス122が露出するので、その上に原稿が載置可能である。スライダー123はスキャナー120の内部に、コンタクトガラス121の直下からプラテンガラス122の反対側の端までの間を往復運動可能に設置されている。スライダー123は線光源128とミラー129とを含む。線光源128はスライダー123の上面から、コンタクトガラス121を通してADF110の露出部11Oを通過する原稿の表面に光を照射し、プラテンガラス122を通してその上に載置された原稿の表面に光を照射する。ミラー129は、各原稿の表面で反射されてスライダー123の上面に入射した光を光学素子124、125へ向けて反射する。この反射光を光学素子124、125はラインセンサー126の受光面に集束させる。この受光面に集束した光量をラインセンサー126は検出して電気信号に変換する。この光量は原稿の表面の光反射率に応じて変化するので、その表面に表示された画像を表す。ADF110の露出部11Oを通過する原稿からラインセンサー126が読み取る画像は、同じ原稿から裏面スキャナー115が読み取る画像とは、それを表示するその原稿の面が反対である。画像処理回路127はラインセンサー126と裏面スキャナー115とから電気信号を受け取ってその信号を画像データに変換し、プリンター130または外部の電子機器へ送信する。
[プリンターの構造]
図3はプリンター130の構造を模式的に示す正面図である。図3にはプリンター130の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。図3を参照するに、プリンター130は電子写真式のカラープリンターすなわちカラーレーザープリンターであり、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。これらの要素10、…、40は協働して画像形成手段として機能し、MFP100の筐体内でシートを搬送しながら、画像データに基づいてそのシートに画像を形成する。
給送部10は搬送ローラー群12、13、14を利用して給紙カセット11からシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。シートSHTの材質はたとえば紙または樹脂であり、紙種はたとえば、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、B4等の標準値である。
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。具体的には、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kのそれぞれがまず、露光部26からのレーザー光を利用して感光体ドラム25Y、25M、25C、25Kの表面を画像データに基づいたパターンで露光し、その表面に静電潜像を作成する。各作像ユニット21Y、…は次にその静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のいずれかのトナーで現像する。得られた4色のトナー像は1次転写ローラー22Y、22M、22C、22Kと感光体ドラム25Y、…との間の電界によって感光体ドラム25Y、…の表面から順番に中間転写ベルト23の表面上の同じ位置へ転写される。こうしてその位置に1つのカラートナー像が構成される。このカラートナー像は更に中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間の電界により、両者23、24の間のニップへ通紙されたシートSH2の表面へ転写される。その後、シートSH2に分離電圧が印加されることによってそのシートSH2が2次転写ローラー24から剥がされ、定着部30へ送り出される。
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH2の上にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着ローラー31と加圧ローラー32との間のニップへそのシートSH2が通紙されるとき、定着ローラー31はそのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH2の表面上に定着する。その後、定着部30はこのシートSH2を上部からガイド板41に沿って排紙口42へ送り出す。
排紙部40は、定着部30から送り出されたシートSH3を排紙ローラー43によって排紙口42から排出し、排紙トレイ150に収容する。
[画像形成装置の電子制御系統]
図4は、MFP100の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図4を参照するにこの電子制御系統では、ADF110、スキャナー120、およびプリンター130の要素10、20、30、40に加えて操作部50と主制御部60とが、バス90を通して互いに通信可能に接続されている。
−操作部−
操作部50はユーザーの操作または外部の電子機器との通信を通してジョブの要求と印刷対象の画像データとを受け付けてそれらを主制御部60へ伝える。図4を参照するに操作部50は操作パネル160と外部インタフェース(I/F)52とを含む。操作パネル160は、図1が示すように、押しボタン、タッチパネル、およびディスプレイを含む。操作パネル160は、操作画面および各種パラメーターの入力画面等のGUI画面をディスプレイに表示する。操作パネル160はまた、ユーザーが操作した押しボタンまたはタッチパネルの位置を識別し、その識別に関する情報を操作情報として主制御部60へ伝える。外部I/F52は、USBポートまたはメモリカードスロット等の映像入出力端子を含み、それらを通して、USBメモリー、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等、外付けの不揮発性大容量記憶装置から直に印刷対象の画像データを読み込み、またはそれらの記憶装置へスキャナー120で取り込んだ画像データを書き出す。外部I/F52はまた外部ネットワーク(図4は示していない。)に有線または無線で接続され、その接続先から印刷対象の画像データを取得し、またはその接続先へスキャナー120で取り込んだ画像データを送出する。
−主制御部−
主制御部60は、MFP100の内部に設置された1枚の印刷回路基板に実装された集積回路である。図4を参照するに主制御部60は、CPU61、RAM62、およびROM63を含む。CPU61は1つのマイクロプロセッサ(MPU)で構成され、各種ファームウェアを実行して、バス90に接続された他の要素10、20、…を制御する。RAM62は、DRAM、SRAM等の揮発性半導体メモリー装置であり、CPU61がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50が取得した印刷対象の画像データを一時的に保存する。ROM63は書き込み不可の不揮発性記憶装置と書き換え可能な不揮発性記憶装置との組み合わせで構成されている。前者はファームウェアを格納し、後者は、EEPROM、フラッシュメモリー、SSD等の半導体メモリー装置、またはHDDを含み、CPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
CPU61が各種ファームウェアを実行することにより、主制御部60は操作部50からの操作情報に基づき、MFP100内の他の要素10、20、…に対する制御主体としての多様な機能を実現する。具体的には、主制御部60は操作部50に操作画面等のGUI画面を表示させてユーザーの入力操作を受け付けさせる。この入力操作を表す操作情報の受信に応じて主制御部60は、稼動モード、待機モード、スリープモード等、MFP100の動作モードを決定し、その動作モードに応じた処理を各要素10、…に指示する。たとえば、操作部50がユーザーから印刷ジョブを受け付けたとき、主制御部60はまず操作部50に印刷対象の画像データをRAM62へ転送させる。主制御部60は次にそのジョブの示す印刷条件に従い、給送部10には給送すべきシートの種類とその給送のタイミングとを指定し、作像部20には形成すべきトナー像を表す画像データを提供し、定着部30には維持すべき定着ローラー31の表面温度を指定する。
主制御部60はまた、MFP100の各要素10、20、…の動作状態を監視し、いずれかに不具合を検出したときには動作モードを適切に変更してその不具合の解消を図る。たとえば、シートの搬送タイミングの遅れを検知したときには、プリンター130に処理を中断させると共に、操作パネル160に「ジャムが生じた」旨のメッセージを表示させてユーザーにその解消を促す。給紙カセット11における紙切れ、または作像ユニット21Y、…におけるトナー不足を検知したときには、プリンター130に処理を中断させると共に、操作パネル160に「紙が切れた/トナーが不足している」旨のメッセージを表示させてユーザーにそれらの補充を促す。さらに、ADF110から原稿の重送を通知されたときには、スキャナー120に処理を中断させると共に、ADF110に重送原稿を処理させ、その結果に応じたメッセージを操作パネル160に表示させる。
[ADFの電子制御系統]
図4を更に参照するに、ADF110の電子制御系統は、裏面スキャナー115に加えて、搬送部201、位置検出部202、重送検出部203、および制御部204を含む。これらの機能部201、…、204は、ADF110に内蔵の印刷回路基板上に実装された、MPU/CPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な集積回路(FPGA)等の集積回路が専用のファームウェアを実行することによって実現される。
−搬送部−
搬送部201は、各搬送ローラー11A、…、11Hに駆動力を与えるモーターを制御することにより、これらのローラー11A、…に原稿を搬送経路に沿って所定の速度と所定のタイミングとで搬送させる。
図5は、ADF110内における原稿の搬送経路を示す模式図である。図5を参照するに、この搬送経路は破線CPで示されている。搬送経路CPに沿って搬送ローラー群11A、…、11Hがほぼ等間隔に配置されている。搬送経路CPの周辺には搬送ローラー群11A、…の駆動用モーター群M1、M2、M3、M4が設置されている。搬送カバー118の中には給送モーターM1が給紙口111の近傍に設置され、ピックアップローラー11Aと給紙ローラー11Bとを回転させる。ADF110の筐体内には分離モーターM2が給紙口111の近傍に設置され、分離ローラー11Cを回転させる。搬送経路CPが囲む空間の中にはメインモーターM3が設置され、3段目から6段目までの搬送ローラー11D、…、11Gを回転させる。排紙口116の近傍には排紙モーターM4が配置され、排紙ローラー11Hを回転させる。各モーターM1、…はたとえば直流ブラシレス(BLDC)モーターであり、搬送部201から印加される電圧に応じた回転力を生成し、ギア、ベルト等の動力伝達系統を通して駆動対象のローラーに与える。各モーターM1、…はまた、光学式または磁気式のエンコーダーを搭載しており、それを利用して実際の回転数に応じた周波数の信号を搬送部201へフィードバックする。
図4は示していないが、搬送部201は制御回路と駆動回路とを含む。制御回路は、各モーターM1、…からフィードバックされる実際の回転数に基づいて、そのモーターに対する印加電圧の値を駆動回路に指示する。駆動回路はインバーターであり、パワートランジスタ(FET)等のスイッチング素子を利用してモーターに対して電圧を印加する。
−位置検出部−
位置検出部202は各通紙センサー11P、…、11Sを次のように利用して、搬送ローラー群11A、…が搬送する原稿の位置を検出する。図5は各通紙センサー11P、…を三角形で表す。ピックアップローラー11Aと給紙ローラー11Bとが搬送経路に取り込んだ原稿を分離センサー11Pが検出する度に、位置検出部202はその時点からの経過時間をタイマーで計測する。この経過時間と原稿の搬送速度とに基づき、位置検出部202は各原稿の移動距離を定期的に、たとえば数十〜数百ミリ秒ごとに計算し、その距離からその原稿の位置を割り出す。位置検出部202は更にこの位置に基づき、デスキューセンサー11Qがその原稿を検出する時刻を予測する。この予測時刻と、デスキューセンサー11Qの出力が示す実際の検出時刻との間の誤差から位置検出部202はその原稿の位置を修正する。以降も同様に位置検出部202は、前段の通紙センサーが原稿を検出した時点からの経過時間とその原稿の搬送速度とに基づいて次段の通紙センサーがその原稿を検出する時刻を予測し、この予測の誤差からその原稿の位置を修正する。
−重送検出部−
重送検出部203は重送センサー11X、11Yを通して給紙ローラー11Bと分離ローラー11Bとによる原稿の重送を検出する。図5では、重送センサー11X、11Yと通紙センサー11P、11Qとの間における監視領域の位置関係がわかりやすいように、重送センサーの送波器11Xと受波器11Yとを示す矩形対が搬送経路CPに対して垂直に配置されている。実際には図2の示すとおり、両器11X、11Yの隙間における超音波の伝搬方向が原稿の搬送方向と斜めに交差するように、両器11X、11Yは配置される。この場合、送波器11Xを出射した超音波は原稿の表面で反射されても送波器11Xには戻らない。したがって、反射波との干渉に起因する出射波の強度変化、および反射波が送波器11Xで再び反射されることにより生じる残響波が受波器11Yに雑音として検出される危険性が回避される。
図6の(a)は、図5の示す搬送経路CPを重送原稿が移動する際における分離センサー11Pの出力信号FDS、クロック信号CLK、および重送センサーの受波器11Yの出力信号MFSのタイミングチャートであり、(b)は、(a)の示すクロック信号CLKの波形の拡大図である。重送検出部203は分離センサー11Pの出力信号FDSのオンに応じて重送センサーの送波器11Xに対するクロック信号CLKの印加を開始すると共に、重送センサーの受波器11Yからの返信の監視を開始する。クロック信号CLKは一定幅PW(たとえば数十μ秒)の矩形波であり、送波器11Xに内蔵の圧電素子を同じ周波数で発振させる。この発振により圧電素子の周囲には超音波が発生し、送波器11Xから受波器11Yへ伝搬する。この超音波に受波器11Yに内蔵の圧電素子が共振して電圧交流信号を生成する。この信号を受波器11Yは出力信号MFSとして重送検出部203へ返す。この出力信号MFSのレベルは受波器11Yに伝搬した超音波の強度を表し、以下に示す送波器11Xと受波器11Yとの隙間を通過する原稿の状態に応じて主に3段階に変化する。
図6の(c)は、その隙間に原稿がない状態を示す模式図である。この状態では、送波器11Xを出射した超音波USXはほとんど減衰することなく受波器11Yに入射する。したがって、受波器11Yの出力信号MFSのレベルは最高値MX(たとえば5V)に達する。
図6の(d)は、重送センサー11X、11Yの隙間に原稿が1枚だけ通過する状態を示す模式図である。この状態では、送波器11Xを出射した超音波USXはその原稿DC0を透過する。このとき、透過波の一部がその原稿DC0に吸収され、または反射、回折により拡散されて散逸する。その結果、受波器11Yへの入射波USYが送波器11Xからの出射波USXに対して減衰するので、受波器11Yの出力信号MFSのレベルは最高値MXよりも低い値LV1(たとえば4.5V)へ降下する。
図6の(e)は、重送センサー11X、11Yの隙間に原稿が2枚重なって通過する状態を示す模式図である。この状態では、送波器11Xからの出射波USXはそれらの原稿DC1、DC2の両方を単に透過するだけでなく、一部が両原稿DC1、DC2間で反射を繰り返す。その結果、透過波の散逸量が単一の原稿DC0による値よりも大幅に増大するので、受波器11Yへの入射波USYは送波器11Xからの出射波USXに対して大幅に減衰する。したがって、受波器11Yの出力信号MFSのレベルは許容下限値MN付近の値LV2(たとえば1V)まで一気に降下する。このレベルは、重送センサー11X、11Yの隙間に原稿が3枚以上重なって通過する状態では許容下限値MNに更に近づく。
このように受波器11Yの出力信号MFSのレベルは主に3段階MX、LV1、LV2以下に変化し、かつ、最高値MXと次値LV1との間の差に比べて次値LV1と最低値LV2との間の差が著しく大きい。したがって、重送検出部203はそのレベルに対する閾値LTHを次値LV1と最低値LV2との中間に設定し、そのレベルが閾値LTH以上に維持されている間は「原稿の重送が発生していない」と判断し、そのレベルが閾値LTHを下回ったことを「原稿の重送」として検出する。その後、そのレベルが閾値LTH以上に回復すれば、重送検出部203は「重送原稿の重なり合う部分が重送センサー11X、11Yの隙間を通過し終えた」と判断する。
−制御部−
制御部204は、位置検出部202が検出する原稿の位置に基づいて搬送部201を制御する。具体的には、制御部204は搬送部201に原稿を搬送させる際、まず搬送部201にその原稿の搬送速度の設定値を指示する。制御部204は次に、その原稿の先端がデスキューセンサー11Qに検出される時点から、その原稿の先端部のうちループRPを成す部分の長さが所定値に達する時点までの時間を計算する。デスキューセンサー11Qの出力信号が実際にオンに遷移した時点からその時間が経過したタイミングで、制御部204は搬送部201に給紙ローラー11Bの回転を停止させる。制御部204は続いて、その原稿の先端がデスキューセンサー11Qに検出される時点から、その原稿と先行の原稿との紙間が所定値まで開く時点までの時間を計算する。デスキューセンサー11Qの出力信号が実際にオンに遷移した時点からその時間が経過したタイミングで、制御部204は搬送部201にデスキューローラー11Cの回転を開始させる。制御部204は更に排紙センサー11Sの出力信号のオンに応じて搬送部201に排紙ローラー11Hの回転を開始させる。
制御部204はその他に、スキャナー120と裏面スキャナー115とのそれぞれに搬送中の原稿から画像を読み取るべきタイミングを通知する。図5は両スキャナー120、115の読み取り位置、すなわち搬送経路の露出部11O、および第2押さえ部材114と裏面スキャナー115との隙間を矢印AR1、AR2で示す。具体的には、制御部204はまず、給紙トレイ111の原稿サイズセンサー11M、11Nの出力に基づいて原稿のサイズを標準値の中から選択する。制御部204は次にこのサイズに基づき、その原稿の先端が読取前センサー11Rに検出される時点から、その原稿がスキャナー120の読み取り位置AR1を通過し始める時点と通過し終える時点、および裏面スキャナー115の読み取り位置AR2を通過し始める時点と通過し終える時点のそれぞれまでの時間を計算する。これらの時間に基づいて制御部204は読取前センサー11Rの出力信号のオンに応じて、スキャナー120にはその読み取り位置AR1を通過する原稿から画像を読み取るべきタイミングを通知し、裏面スキャナー115にはその読み取り位置AR2を通過する原稿から画像を読み取るべきタイミングを通知する。
制御部204は搬送部201に原稿を搬送させる間、その原稿の位置を検出するタイミングの予測値と実際の値との間の誤差を位置検出部202が計測する度にその計測値を位置検出部202から取得する。その計測値が許容上限を超えたこと、またはその誤差を位置検出部202が計測不能であることを制御部204は原稿のジャムとして検出し、搬送部201に搬送中の原稿を搬送経路上に停止させて、その旨を主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に「紙詰まりが生じた」旨のメッセージを表示させてユーザーにその解消を促す。
<原稿の重送の検出時>
制御部204は、重送検出部203による重送の検出に応じて搬送部201に重送原稿を所定の位置まで搬送させる。この位置を以下、「停止位置」と呼ぶ。具体的には、制御部204はまず搬送部201に原稿の搬送を中断させる。これにより重送原稿は、互いに重なり合う部分の先端が重送センサー11X、11Yの隙間に挟まった状態で停止する。この重送原稿のうち先頭の1枚の先端が搬送経路CP上のどの場所に位置するのかを制御部204は推測し、推測された場所が搬送経路CP上の除去不可領域に達しているか否かを確認する。「除去不可領域」は、搬送経路CPのうち搬送カバー118が開いても露出しない領域であり、図2において搬送カバー118が覆う搬送経路CPの範囲よりも下流に位置する。図5にはこの領域の上流側の境界が矢羽根形RMPで示されている。この境界RMPよりも下流にまで重送原稿の先頭DC1の先端TPEが達しているか否かを、制御部204は次のように確認する。
たとえば、図6の(a)が示す時刻T0にピックアップローラー11Aと給紙ローラー11Bとが先頭の原稿DC1を搬送経路CPに取り込む。その後、第1時刻T1にこの原稿DC1の先端TPEが分離センサー11Pの監視領域に到達する。
図7の(a)は、第1時刻T1におけるその先頭DC1の状態を示す模式図である。その先頭DC1の先端TPEが分離センサー11Pからの出射光を反射し始めるので、そのセンサー11Pの出力信号FDSがオンに遷移する。これに応じて位置検出部202は計時を開始し、重送検出部203は重送センサーの送波器11Xに対するクロック信号CLKの印加と受波器11Yの出力信号MFSの監視とを開始する。第1時刻T1からしばらくの間は重送センサー11X、11Yの隙間に原稿が存在しないので、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが最高値MXに維持される。
図6の(a)が示す第2時刻T2には原稿DC1の先端TPEが重送センサー11X、11Yの隙間に到達し、送波器11Xからの超音波を減衰させ始める。この原稿DC1の厚みはまだ1枚分であるので、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが最高値MXから次値LV1までしか降下しない。
図6の(a)が示す第3時刻T3には、原稿DC1に次の原稿DC2が重なる部分の先端が重送センサー11X、11Yの隙間に到達し、原稿の厚みが2枚分以上に増大する。したがって、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが次値LV1から降下して閾値LTHを下回るので、重送検出部203は原稿の重送を検出する。この検出に応じて制御部204は、搬送部201に原稿の搬送を中断させると共に、位置検出部202の計時値に基づいて第1時刻T1から第3時刻T3までの経過時間を割り出す。制御部204は次に、この時間からデスキューローラー11Dによる停止時間を除き、その時間と原稿の搬送速度との積(正確には積分値)を、第1時刻T1から第3時刻T3までの間に重送原稿DC1、DC2が搬送された距離CVDとして推測する。制御部204は続いて、この距離CVDが閾値、すなわち分離センサー11Pの監視領域から除去不可領域の境界RMPまでの搬送経路部分の長さEXLを超えているか否かを確認する。
図7の(b)は、重送検出部203が原稿の重送を検出した時点でその先頭DC1の先端TPEが除去不可領域には達していない状態を示す模式図である。図7の(b)が示すように、制御部204の推測した距離CVDが閾値EXLよりも小さい場合、重送原稿の先頭DC1の先端TPEが除去不可領域の境界RMPよりも上流に位置する。この場合、搬送カバー118が開くと重送原稿DC1、DC2の全体が露出するので、それらをユーザーは容易に除去することができる。したがって、制御部204は搬送部201に対する重送原稿の搬送指示を中止して重送原稿DC1、DC2を搬送経路CP上に残留させる。この残留を制御部204は主制御部60に通知し、主制御部60は操作パネル160に表示する。その後、重送原稿DC1、DC2を搬送経路CP上から除去し終えたユーザーに処理の再開を指示されるまで、制御部204は待機する。
図7の(c)は、重送検出部203が原稿の重送を検出した時点でその先頭DC1の先端TPEが除去不可領域に達している状態を示す模式図である。図7の(c)が示すように、制御部204の推測した距離CVDが閾値EXLを超えている場合、重送原稿の先頭DC1の先端TPEが除去不可領域の境界RMPよりも下流に位置する。この場合、搬送カバー118が開いても重送原稿のうち先頭DC1の先端部が露出しないので、そこをユーザーが直に触れることができない。この原稿DC1をユーザーに引き抜かせるのは、その原稿DC1を破損させる危険性が高いので好ましくない。したがって、制御部204は搬送部201に、原稿の搬送を中断させた時点から所定の待ち時間(たとえば数十秒)が経過した後に原稿の搬送を再開させ、重送原稿DC1、DC2を停止位置へ移動させる。
<停止位置での重送原稿の状態>
図8の(a)は、排紙トレイ117へ排出された原稿の束ST2と停止位置に搬送された重送原稿DC1、DC2との外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)の示す線分b−bに沿った断面図である。図8の(a)を参照するに、停止位置では重送原稿DC1、DC2のうち先頭の1枚DC1の先端部FEPが排紙口116から排紙トレイ117へはみ出すと共に、その後端REEが排紙口116よりも上流に留まる。したがって、ADF110の外側からは重送原稿DC1、DC2のうち、排紙口116からはみ出た部分のみが見える。図8の(b)を参照するに、停止位置では重送原稿の先頭DC1の後端REEが排紙センサー11Sの監視領域よりも所定の余裕長MRG、たとえば10mmだけ上流に留まる。したがって重送原稿DC1、DC2が停止位置に到達した時点以降、先頭DC1の後端部が排紙センサー11Sからの出射光を反射し続けるので、排紙センサー11Sの出力信号はオンを維持する。
先頭DC1の後端REEと排紙センサー11Sの監視領域との間の距離、すなわち余裕長MRGは次の条件を満たすように設定される。[1]排紙口116からはみ出した先頭DC1の先端部FEPがユーザーに引っ張らせることの容易な長さである。[2]排紙ローラー11Hによる原稿の位置決め誤差を見越しても、先頭DC1の後端REEが排紙センサー11Sよりも上流に留まる。これらの条件が満たされることにより、重送原稿DC1、DC2はいずれも、その全体が排紙トレイ117に落下することなく、排紙口116に挟まった状態で停止する。こうして、重送原稿DC1、DC2をユーザーに一目で特定させることができる。すなわち、スキャナー120に画像の読み込み処理を再開させるには排紙口116からはみ出した原稿DC1、DC2を給紙トレイ111に戻せばよいことを、ユーザーに容易に理解させることができる。
制御部204は次のように搬送部201に重送原稿DC1、DC2を停止位置へ搬送させる。制御部204はまず搬送部201に重送原稿DC1、DC2の搬送を再開させる。このとき、重送原稿DC1、DC2は単一の原稿よりも重く、かつ嵩張るので搬送経路CPを移動しづらい。したがって、制御部204は重送原稿DC1、DC2の搬送速度を設定値よりも低い値に変更する。また、重送原稿DC1、DC2にはジャムが生じやすいので制御部204は、位置検出部202が原稿の位置を検出するタイミングの予測値と実際の値との間の誤差に対する許容上限を引き下げる。これによりジャムに対する検出感度が上がるので、重送原稿DC1、DC2のジャムに伴う損傷が未然に防がれる。重送原稿DC1、DC2の搬送処理と並行して制御部204は、各検出部202、203を利用して重送原稿の先頭DC1の全長DCLを実測し(詳細は後述する。)、その先頭DC1のうち先端TPEから長さ=全長DCL−余裕長MRGまでの部分が排紙センサー11Sの監視領域を通過するのに必要な時間を予測する。その先頭DC1の先端TPEの検出により排紙センサー11Sの出力信号がオンに遷移したことに応じて、制御部204はその遷移した時点からの経過時間を計測し、その計測値が予測値に達するタイミングで搬送部201に排紙ローラー11Hを停止させる。
<原稿の全長の実測>
原稿のサイズは、給紙トレイ111の上でその原稿がいずれの原稿サイズセンサー11M、11Nを覆うかに応じて標準値の中から選択される。しかし、このサイズの精度は、重送原稿を停止位置へ搬送する制御においては不十分である。実際、原稿サイズセンサー11M、11Nはユーザーの手等、原稿以外の異物で覆われる場合がある。また、原稿のサイズがいずれの標準値とも異なる場合もある。これらの場合におけるサイズの誤差による悪影響を避ける目的で、重送原稿の搬送制御では原稿の全長を以下のように実測する。
図9の(a)は、原稿の重送が検出された時点、すなわち図6の(a)の示す第3時刻T3における重送原稿DC1、DC2の状態を示す模式図である。この時刻T3では制御部204は上記のとおり、第1時刻T1から第3時刻T3までの時間(デスキューローラー11Dによる停止時間を除く。)における原稿の搬送速度の積分値を、その時間における重送原稿DC1、DC2の搬送距離CVDとして推測する。制御部204は更にこの距離CVDと、分離センサー11Pの監視領域から重送センサー11X、11Yの隙間までの搬送経路部分の長さDS1との間の差SPLを、重送原稿の先頭DC1のうち次の原稿DC2とは重なっていない部分の長さ(以下、「分離部分長」という。)に算定する。
図9の(b)は、重送原稿DC1、DC2の重なり合う部分OVLの通過完了を重送センサーの受波器11Yが検出した時点、すなわち図6の(a)が示す第4時刻T4における重送原稿DC1、DC2の状態を示す模式図である。この状態では、重送原稿DC1、DC2の重なり合う部分OVLの後端OVRが重送センサー11X、11Yの隙間を抜け出るので、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTHを超えて上昇する。この上昇を重送検出部203は検出する。
この検出に応じて制御部204は位置検出部202の計時値に基づいて第3時刻T3から第4時刻T4までの経過時間を割り出す。制御部204は次に、この時間から重送の検出に応じて搬送が中断された時間を除き、その時間と原稿の搬送速度との積(正確には積分値)を、第3時刻T3から第4時刻T4までの間に重送原稿DC1、DC2が搬送された距離OVLとして推測する。制御部204は続いてこの距離OVLを、重送原稿の先頭DC1のうち次の原稿DC2と重なっている部分の長さ(以下、「重送部分長」という。)に設定する。
制御部204は最後に、分離部分長SPLと重送部分長OVLとの和を、原稿サイズセンサー11M、11Nを利用して選択した標準値MSLと比較し、いずれか短い方を原稿の全長DCLに設定する:DCL=Min(SPL+OVL、MSL)。これにより、原稿サイズセンサー11M、11Nを利用して選択した標準値MSLよりも原稿の実際の全長が短い場合には、その標準値MSLよりも正確な実測値SPL+OVLが全長DCLに設定される。その結果、重送原稿DC1、DC2が停止位置へ移動する際に誤って前進しすぎて、先頭DC1の全体が排紙トレイ117へ落下する危険性が回避される。
<重送の検出に伴う搬送の中断状態からの復帰>
図10の(a)は、排紙口116からはみ出して停止した重送原稿DC1、DC2の状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の状態における操作パネル160の表示を示す模式図である。制御部204は上記のとおり、重送原稿の先頭DC1の先端TPEから長さ=全長DCL−余裕長MRGまでの部分が排紙センサー11Sの監視領域に到達するタイミングを予測し、その予測したタイミングで搬送部201に排紙ローラー11Hを停止させる。これにより、重送原稿DC1、DC2は停止位置に、図10の(a)が示すように一部が排紙口116からはみ出した状態で停止する。この停止を制御部204は主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に、重送原稿DC1、DC2が排紙口116に残っている旨の表示を開始させる。たとえば図10の(b)が示すように、「重送です。排紙口に残っている原稿を給紙トレイに戻してください」等のメッセージMSGが操作パネル160に表示される。
制御部204はその後、排紙センサー11Sの出力信号に基づき、重送原稿DC1、DC2が停止位置から除去されたか否かを識別する。図10の(a)が示すように、停止位置では重送原稿の先頭DC1の後端REEよりも余裕長MRGだけ前の部分DTPが排紙センサー11Sの監視領域に静止して排紙センサー11Sからの出射光を反射し続ける。したがって、排紙センサー11Sの出力信号がオンを維持するので、制御部204は「重送原稿が停止位置に残っている」と判断し、主制御部60に重送原稿の残留に関する操作パネル160の表示を維持させる。
図10の(c)は、ユーザーによって排紙口116から除去される重送原稿DC1、DC2の状態を模式的に示す断面図であり、(d)は、(c)の状態における操作パネル160の表示の消去を示す模式図である。図10の(c)を参照するに、図10の(b)の表示に応じてユーザーが重送原稿DC1、DC2のうち、排紙口116からはみ出た部分を引っ張る。これにより、重送原稿DC1、DC2の全体が排紙センサー11Sの監視領域を離脱するので、排紙センサー11Sの出力信号がオンからオフへ遷移する。この遷移を制御部204は「重送原稿が停止位置から除去された」と判断して主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に、重送原稿の残留に関する表示を消去させる。すなわち、ユーザーが重送原稿DC1、DC2を排紙口116から引き抜くだけで、図10の(d)が示すように、「重送です。…」等のメッセージMSGが画面から自動的に消去される。
制御部204は更に、搬送経路上に残留する他の原稿の有無を確認して、その有無を主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に、搬送経路上に原稿が残っていない場合には「原稿の搬送の再開が可能である」旨のメッセージを表示させ、残っている場合には「ジャムが生じた」旨のメッセージを表示させる。
[重送監視処理の流れ]
図11〜図14はADF110が原稿の重送を監視する処理のフローチャートである。この処理は、給紙ローラー11Bと分離ローラー11Cとの間のニップから送出される原稿の検出により分離センサー11Pの出力信号FDSがオンに遷移する度に開始される。
−重送の検出−
図11は、ADF110による重送監視処理のフローチャートのうち原稿の重送を検出する部分である。
ステップS101では、分離センサー11Pの出力信号FDSがオンに遷移した時刻T1を位置検出部202が記録し、この時刻T1からの計時を開始する。その後、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、重送検出部203が重送センサーの送波器11Xに対するクロック信号CLKの印加を開始すると共に、重送センサーの受波器11Yの出力信号MFSの監視を開始する。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTHを下回るか否かを重送検出部203が確認する。そのレベルが閾値LTH以上であれば処理はステップS104へ進み、閾値LTHを下回れば処理はステップS107へ進む。
ステップS104では、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTH以上であるので、原稿の重送が生じていない。したがって、分離センサー11Pの出力信号FDSがオンからオフに遷移したか否かを位置検出部202は確認する。オフに遷移していればその時刻T5を位置検出部202が記録して処理はステップS105へ進み、オンのままであれば処理はステップS103を繰り返す。
ステップS105では、分離センサー11Pの出力信号FDSがオフに遷移しているので、その時刻T5からの経過時間が閾値以上に達したか否かを位置検出部202は確認する。この閾値は、1枚の原稿の後端が分離センサー11Pの監視領域を通過し終えた時点から、その後端が重送センサー11X、11Yの隙間を通過し終える時点までの時間を表す。時刻T5からの経過時間が閾値以上であれば処理はステップS106へ進み、閾値未満であれば処理はステップS103を繰り返す。
ステップS106では、分離センサー11Pの出力信号FDSがオンからオフに遷移した時刻T5からの経過時間が閾値以上であるので、その時刻T1に分離センサー11Pが検出した原稿の後端が重送センサー11X、11Yの隙間を通過し終えている。したがって、重送検出部203は送波器11Xに対するクロック信号CLKの印加を停止する。その後、処理は終了する。
ステップS107では、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTHを下回るので、重送検出部203は原稿の重送を検出する。この検出に応じて制御部204は搬送部201に原稿の搬送を中断させる。その後、処理はステップS111へ進む。
−重送原稿の搬送の適否判断−
図12は、ADF110による重送監視処理のフローチャートのうち重送原稿の搬送の適否を判断する部分である。
ステップS111では、搬送中の原稿にジャムが生じているか否か、すなわち位置検出部202による原稿の検出時刻の予測の誤差が許容上限を超え、または計測不能であるか否かを制御部204が確認する。ジャムが生じていなければ処理はステップS112へ進み、生じていれば処理はステップS115へ進む。
ステップS112では、ステップS103により原稿の重送を検出した時刻T3を重送検出部203が記録する。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、制御部204はまず、デスキューローラー11Dによる停止時間を除き、第1時刻T1から第3時刻T3までの時間における原稿の搬送速度の積分値をその時間における重送原稿DC1、DC2の搬送距離CVDとして推測する。制御部204は次に、この推測値CVDが閾値EXLを超えているか否かを確認する。超えていれば処理はステップS114へ進み、超えていなければ処理はステップS115へ進む。
ステップS114では、重送原稿DC1、DC2の搬送距離の推測値CVDが閾値EXLを超えているので、重送原稿の先頭DC1の先端TPEが除去不可領域の境界RMPよりも下流まで達している。したがって制御部204は、この時点で搬送カバー118が閉じたままであるか否かを開閉センサーの出力から確認する。開いていれば処理はステップS115へ進み、閉じたままであれば処理はステップS116へ進む。
ステップS115では、(i)搬送中の原稿にジャムが生じ、(ii)重送原稿の先頭DC1の先端TPEが除去不可領域の境界RMPよりも上流に位置し、または(iii)搬送カバー118が開いている。したがって、搬送部201による重送原稿DC1、DC2の更なる搬送は、場合(i)には不可能であり、場合(ii)には不要であり、場合(iii)には搬送経路の露出部分に誤って触れたユーザーの手を傷つける危険性がある。それ故、制御部204は搬送部201による重送原稿の搬送を中止して搬送不良、すなわちジャムまたは重送を主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60はスキャナー120を停止させて操作パネル160に「ジャム/重送が生じた」旨のメッセージを表示させる。その後、処理は終了する。
ステップS116では、搬送カバー118が閉じたままであるので、制御部204は、搬送部201に原稿の搬送を中断させた時点から待ち時間が経過したか否かを確認する。経過していれば処理はステップS117へ進み、経過していなければ処理はステップS114を繰り返す。
ステップS117では、搬送カバー118が開けられることなく、搬送部201が原稿の搬送を中断した時点から待ち時間が経過している。重送の検出時にはジャムが生じていないので、重送原稿DC1、DC2は停止位置まで搬送可能である。また、重送原稿の先頭DC1の先端TPEが除去不可領域の境界RMPよりも下流にまで達しているので、その位置から重送原稿DC1、DC2をユーザーに除去させることにはそれらの原稿を破損させる危険性がある。したがって、制御部204は搬送部201に重送原稿DC1、DC2の搬送を再開させる。その後、処理はステップS121へ進む。
−停止位置への重送原稿の搬送−
図13は、ADF110による重送監視処理のフローチャートのうち停止位置へ重送原稿を搬送する部分である。
ステップS121では、制御部204は重送原稿の先頭DC1の分離部分長SPL、すなわちステップS113で推測した第1時刻T1から第3時刻T3までの時間における重送原稿DC1、DC2の搬送距離CVDと、分離センサー11Pの監視領域から重送センサー11X、11Yの隙間までの搬送経路部分の長さDS1との間の差を算定する:SPL=CVD−DS1。その後、処理はステップS122へ進む。
ステップS122では、重送原稿DC1、DC2の重なり合う部分OVLの通過完了を重送センサーの受波器11Yの出力信号MFSが示すか否か、すなわちそのレベルが閾値LTH以上であるか否かを重送検出部203は確認する。閾値LTH未満であれば処理はステップS123へ進み、以上であれば処理はステップS124へ進む。
ステップS123では、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTH未満であるので、重送原稿DC1、DC2の重なり合う部分OVLが重送センサー11X、11Yの隙間を通過中である。制御部204は、第1時刻T1から現在の時刻までの経過時間(デスキューローラー11Dによる停止時間を除く。)における重送原稿DC1、DC2の搬送距離CVDを計算し、原稿サイズセンサー11M、11Nを利用して選択した標準値MSL以上であるか否かを確認する。以上であれば処理はステップS126へ進み、未満であれば処理はステップS122から繰り返される。
ステップS124では、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが閾値LTH以上であるので、重送原稿DC1、DC2の重なり合う部分OVLが重送センサー11X、11Yの隙間を通過し終えている。したがって制御部204は、重送の検出に応じた搬送の中断時間を除き、第3時刻T3から第4時刻T4までの時間における原稿の搬送速度の積分値を重送原稿の先頭DC1の重送部分長OVLに設定する。その後、処理はステップS125へ進む。
ステップS125では、制御部204は、分離部分長SPLと重送部分長OVLとの和と、原稿サイズセンサー11M、11Nを利用して選択した標準値MSLとのいずれか短い方を原稿の全長DCLに設定する:DCL=Min(SPL+OVL、MSL)。その後、処理はステップS127へ進む。
ステップS126では、第1時刻T1以後における重送原稿DC1、DC2の搬送距離CVDが標準値MSL以上であるので、重送原稿の先頭DC1が重送センサー11X、11Yの隙間をすでに通過し終えている可能性がある。したがって、制御部204はその標準値MSLを原稿の全長DCLに設定する:DCL=MSL。その後、処理はステップS127へ進む。
ステップS127では、重送原稿の先頭DC1のうち先端TPEから長さ=全長DCL−余裕長MRGまでの部分が排紙センサー11Sの監視領域を通過するのに必要な時間ΔTを制御部204が予測する。その後、処理はステップS128へ進む。
ステップS128では、その先頭DC1の先端TPEの検出により排紙センサー11Sの出力信号がオンに遷移したか否かを位置検出部202が確認する。遷移すれば処理はステップS129へ進み、遷移するまで処理はステップS128を繰り返す。
ステップS129では、排紙センサー11Sの出力信号がオンに遷移したので、それに応じて制御部204はその遷移した時点からの経過時間を計測し、その計測値が予測値ΔT以上であるか否かを確認する。以上であれば処理はステップS12Aへ進み、以上に達するまで処理はステップS129を繰り返す。
ステップS12Aでは、排紙センサー11Sの出力信号がオンに遷移した時点からの経過時間が予測値ΔT以上に達しているので、制御部204は搬送部201に排紙ローラー11Hを停止させる。これにより、重送原稿DC1、DC2は停止位置に、排紙口116からはみ出した状態で停止する。この停止を制御部204は主制御部60に通知し、この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に、重送原稿DC1、DC2が排紙口116に残っている旨の表示を開始させる。その後、処理はステップS131へ進む。
−重送の検出に伴う搬送の中断状態からの復帰−
図14は、ADF110による重送監視処理のフローチャートのうち、停止位置からの重送原稿DC1、DC2の除去に応じて搬送の中断状態から復帰する部分である。
ステップS131では、排紙センサー11Sの出力信号がオンからオフへ遷移したか否かを制御部204は確認する。遷移すれば処理はステップS132へ進み、遷移するまで処理はステップS131を繰り返す。
ステップS132では、排紙センサー11Sの出力信号がオンからオフへ遷移したので重送原稿DC1、DC2の全体が排紙センサー11Sの監視領域を離脱している可能性が高い。この遷移を制御部204は主制御部60に通知し、この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に重送原稿の残留に関する表示を消去させる。制御部204は更に、搬送経路上に残留する他の原稿の有無を確認する。具体的には、制御部204はまず搬送部201にメインモーターM3と排紙モーターM4とを所定時間(たとえば数秒間)駆動させ、ピックアップローラー11A、給紙ローラー11B、および分離ローラー11Cを除き、他の搬送ローラー11C、11D、…、11Hを回転させる。この間、通紙センサー11P、…、11Sの出力信号がすべてオフを維持するか否かを制御部204は確認する。いずれの出力信号もオフを維持すれば処理はステップS133へ進み、いずれかの出力信号がオンに遷移すれば処理はステップS134へ進む。
ステップS133では、通紙センサー11P、…、11Sの出力信号がすべてオフを維持するので、搬送経路上には原稿が残っていない。この旨を制御部204は主制御部60に通知し、この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に「原稿の搬送の再開が可能である」旨のメッセージを表示させる。その後、処理は終了する。
ステップS134では、通紙センサー11P、…、11Sの出力信号のいずれかがオンに遷移したのでその監視領域に原稿が残っている。したがって、制御部204は復帰処理を中止してジャムを主制御部60に通知する。この通知に応じて主制御部60は操作パネル160に「ジャムが生じた」旨のメッセージを表示させる。その後、処理は終了する。
[実施形態の利点]
本発明の実施形態によるADF110では上記のとおり、重送検出部203が重送センサー11X、11Yを通して原稿の重送を検出した場合、それに応じて制御部204が搬送部201に重送原稿DC1、DC2を停止位置まで搬送させる。この停止位置では重送原稿の先頭DC1が排紙口116から排紙トレイ117へはみ出すと共に、その先頭DC1の後端REEが排紙口116よりも、特に排紙センサー11Sの監視領域よりも上流に留まる。したがって、重送原稿DC1、DC2の全体が排紙トレイ117に落下することなく排紙口116に挟まっているので、これらをユーザーに一目で特定させることができる。すなわち、スキャナー120に画像の読み込み処理を再開させるには排紙口116からはみ出した原稿DC1、DC2を給紙トレイ111に戻せばよいことを、ユーザーに容易に理解させることができる。さらに、排紙センサー11Sの出力信号がオンからオフへ遷移したことから、ユーザーが重送原稿DC1、DC2を停止位置から除去したことを制御部204は検出可能である。したがって制御部204は主制御部60に、重送原稿の残留に関する表示を消去させることも、搬送経路上に残留する他の原稿の有無を確認して原稿の搬送の再開の可不可を表示させることも、自動的に実行することができる。このようにADF110は、重送原稿をユーザーに容易に確認させると共に、搬送経路から容易に除去させることを簡単な構成で実現することができる。
[変形例]
(A)図1の示す画像形成装置100は、カラーレーザープリンターを備えたMFPである。本発明の実施形態1による画像形成装置はその他に、モノクロレーザープリンター、インクジェットプリンター、ファクシミリ、またはコピー機のいずれを備えてもよい。
(B)図2の示すADF110はワンパス型であり、原稿の片面の画像をスキャナー120に読み取らせた後、その原稿を反転させることなく、もう片面の画像を裏面スキャナー115に読み取らせる。ADFはその他に反転経路を内蔵した機種であり、その反転経路で原稿を反転させることによりその原稿の両面の画像をスキャナー120に読み取らせてもよい。
(C)図2の示す通紙センサー11P、…は反射型光センサーである。通紙センサーはその他に、透過型光センサーでもよい。
(D)図2、図5、図6の示す重送センサー11X、11Yは超音波センサーである。重送センサーはその他に、赤外線等を利用する光電型であってもよい。
(E)重送検出部203は、図6の(a)が示すように重送センサーの受波器11Yの出力信号MFSのレベルに対する閾値LTHをそのレベルの次値LV1と最低値LV2との中間に設定し、そのレベルが閾値LTH以上か否かから原稿の重送の有無を識別する。この場合でも制御部204は分離センサー11Pを利用することにより、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが最高値MXと次値LV1とのいずれであるかを重送検出部203に識別させなくても重送原稿の先頭DC1の全長DCLを推測する。その他に、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが最高値MXと次値LV1とのいずれであるかを重送検出部203が十分に高い精度で識別可能である場合、制御部204は次のように分離センサー11Pを利用することなく、先頭DC1の全長を測定してもよい。まず、受波器11Yの出力信号MFSのレベルが最高値MXから次値LV1へ降下したことから、重送センサー11X、11Yの隙間に原稿DC1の先端TPEが到達したことを検出する。その後、そのレベルが最低値LV2まで降下した場合、その原稿DC1に他の原稿DC2が重なっていることを検出し、そのレベルが再び次値LV1まで回復したことから、先頭の原稿DC1が重送センサー11X、11Yの隙間を通過し終えたことを検出する。この場合、出力信号MFSのレベルが次値LV1を下回っていた時間から先頭DC1の全長DCLが測定される。
(F)重送検出部203が原稿の重送を検出した時点で重送原稿よりも先行する原稿が搬送経路上に残っている場合、制御部204はそれらの原稿からの画像の読み取り処理をスキャナー120に続行させてもよい。その時点で重送原稿に後続する原稿が搬送経路上に進入している場合、制御部204はそれらの原稿を搬送経路上に残したまま重送原稿を停止位置に移動させた上で、それらの原稿の残留をジャムとして主制御部60に通知させてもよい。制御部204はその他に、重送原稿が停止位置から除去されたことを契機として搬送部201に後続の原稿を排紙トレイ117へ排出させてもよい。
本発明は原稿の搬送技術に関し、上記のとおり、原稿の重送を検出した場合、重送原稿を、その先頭の1枚が部分的に搬送経路の終端からはみ出す位置で停止させる。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 MFP
116 排紙口
117 排紙トレイ
11H 排紙ローラー
11S 排紙センサー
DC1 重送原稿の先頭の1枚
DC2 重送原稿の次の1枚
DCL 重送原稿の先頭の全長
FEP 重送原稿の先頭の先端部
TPE 重送原稿の先頭の先端
REE 重送原稿の先頭の後端
MRG 余裕長
ST2 排紙トレイに収容された原稿の束

Claims (11)

  1. 画像読取装置が画像を読み取ることのできる場所である読み取り位置へ原稿を搬送する自動原稿搬送装置であり、
    前記読み取り位置を経由する搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段が前記搬送経路の終端から排出した原稿を収容する排紙トレイと、
    前記搬送手段が前記搬送経路に沿って搬送している原稿の位置を検出する位置検出手段と、
    前記搬送手段による原稿の重送を検出する重送検出手段と、
    前記位置検出手段が検出する原稿の位置に基づいて前記搬送手段を制御し、前記重送検出手段による重送の検出に応じて前記搬送手段に重送原稿を停止位置まで搬送させる制御手段と、
    を備え、
    前記停止位置では前記重送原稿のうち、先頭の1枚が前記搬送経路の終端から前記排紙トレイへはみ出すと共に、当該1枚の後端が前記搬送経路の終端に、または当該終端よりも上流に留まるように、前記制御手段は前記搬送手段に前記重送原稿を停止させる
    ことを特徴とする自動原稿搬送装置。
  2. 前記停止位置では前記重送原稿の先頭の1枚のうち、前記搬送経路の終端から前記排紙トレイへはみ出た部分をユーザーが引っ張ることにより当該1枚の全体を前記搬送経路の終端から引き出すことが可能であるように、当該1枚の後端の位置を前記制御手段が設定することを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
  3. 前記位置検出手段は、前記搬送経路上の第1点を通過する原稿を検出する通紙センサーを含み、
    前記重送検出手段は、前記搬送経路上、前記第1点よりも下流に位置する第2点を2枚以上の原稿が重なって通過することを検出する重送センサーを含み、当該2枚以上の原稿を前記重送原稿として識別する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動原稿搬送装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記通紙センサーが前記重送原稿の先頭の1枚の先端を検出した第1時点から、当該1枚に後続の原稿が重なって前記第2点を通過することを前記重送センサーが検出した第2時点までの間に前記搬送手段が当該1枚を搬送した第1距離を求め、
    前記第1距離と、前記搬送経路のうち前記第1点から前記第2点までの部分の長さとの間の差を、当該1枚のうち前記後続の原稿とは重なっていない部分の長さに設定し、
    前記第2時点から、2枚以上の原稿の重なった部分が前記第2点を通過し終えたことを前記重送センサーが検出した第3時点までの間に前記搬送手段が当該1枚を搬送した第2距離を求め、
    前記第2距離と前記重なっていない部分の長さとの和を当該1枚の全長に設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動原稿搬送装置。
  5. 前記制御手段は、前記位置検出手段が検出した原稿の位置から、前記重送検出手段が原稿の重送を検出した時点に前記重送原稿の先頭の1枚の先端が前記搬送経路上のどの場所に位置するのかを推測し、推測された場所が前記搬送経路上の所定領域に達していない場合、前記搬送手段に前記重送原稿を前記停止位置へ搬送させることを中止する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の自動原稿搬送装置。
  6. 開閉可能であり、開いた状態では前記搬送経路の一部を、ユーザーが触れられるように露出させる搬送カバー
    を更に備え、
    仮に搬送中の原稿が前記搬送経路上に停止した場合、当該原稿の先端が前記所定領域に達していれば、ユーザーは前記搬送カバーを開いても当該原稿を損傷させることなく除去することが困難である、という条件が満たされるように前記制御手段は前記所定領域を設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の自動原稿搬送装置。
  7. 前記位置検出手段は、前記搬送手段が前記搬送経路の終端から前記排紙トレイへ排出する原稿を検出する排紙センサーを含み、
    前記制御手段は、
    前記停止位置では前記重送原稿の先頭の1枚が前記排紙センサーに検出され続けるように当該1枚の後端の位置を設定し、
    前記搬送手段に前記重送原稿を前記停止位置まで搬送させた後、前記排紙センサーが原稿を検出しなくなったことに応じて前記搬送手段に原稿の搬送を再開させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の自動原稿搬送装置。
  8. 前記位置検出手段は、前記搬送手段が原稿を搬送する間、当該原稿の速度の設定値から当該原稿の位置を検出するタイミングを予測し、予測されたタイミングと当該原稿の位置を実際に検出したタイミングとの間の誤差を計測し、
    前記制御手段は、
    前記搬送手段に原稿を搬送させる際、前記搬送手段に当該原稿の速度の設定値を指示して、前記位置検出手段の計測する誤差が許容上限を超えたことを原稿のジャムとして検出し、
    前記搬送手段に前記重送原稿を前記停止位置まで搬送させる際、前記重送原稿の速度を前記設定値よりも低減させ、かつ前記許容上限を引き下げる
    ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の自動原稿搬送装置。
  9. 前記制御手段は、前記重送検出手段が原稿の重送を検出した時点で原稿のジャムを検出している場合には、前記搬送手段に前記重送原稿を前記停止位置へ搬送させることを中止することを特徴とする請求項8に記載の自動原稿搬送装置。
  10. 前記読み取り位置に存在する原稿から画像を読み取る画像読取装置と、
    前記読み取り位置へ原稿を搬送する請求項1から請求項9までのいずれかに記載の自動原稿搬送装置と、
    を備えた画像読取システム。
  11. 請求項10に記載の画像読取システムと、
    前記画像読取システムが読み取った画像をシートに印刷する画像形成手段と、
    を備えた画像形成装置。
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JP2018052684A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 株式会社リコー シート材搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP2020043407A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 シート搬送装置及び該シート搬送装置を備えた画像読取装置

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