JP2017128088A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂組成物の押出工程でベントアップを防止できる熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂と添加剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶融混練する際に、溶融時に発生するガスをベント口から系外へ排出可能な押出機を用いる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記押出機が、ベント口に設置するベント金物の溶融樹脂を接触せしめる面および溶融時に発生するガスを接触せしめる面に対し、算術平均粗さ(Ra)が0.40μm以上かつ3.00μm以下であり、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が2.0以上かつ3.1以下であるように凹凸処理されたベント金物を具備することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ベント金物を具備した押出機による熱可塑性樹脂組成物の混練及び押出しにおいて、樹脂中に含まれる揮発成分をベントアップ無しに除去でき、かつ高生産性を有した熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
一般に、押出機によって熱可塑性樹脂と添加剤などを溶融混練し、造粒された熱可塑性樹脂組成物は、成形加工機により自動車部品、機械部品、電子部品に加工される。
熱可塑性樹脂組成物を成形加工する際に、樹脂中の揮発成分が、成形加工機の金型を汚染することがある。成形加工時の金型汚染を防止するため、一般には熱可塑性樹脂組成物の溶融押出工程の中で揮発分を脱揮除去する。
しかしながら、熱可塑性樹脂組成物の溶融押出工程と同時に、熱可塑性樹脂に含まれる揮発分を脱揮除去する方法には次の様な問題がある。ベント開口部では、スクリューに巻き付いていた溶融樹脂がはがれて、該ベント開口部に樹脂が付着、堆積することでベント口を閉塞させる問題(以下、ベントアップ)があった。ベントアップすると揮発分が脱揮除去できなくなるため、定期的に生産を中断し、該ベント口に付着した熱可塑性樹脂組成物を除去せねばならず、その間生産ができなくなるので生産効率が低下していた。
従来、ベントアップ防止に関する技術として、特許文献1においては、ベント金物付押出機において、押出機が二軸同方向回転押出機であり、ベント金物のベント開口部が、押出機の後端側から見て、スクリューの回転側に位置するベント金物において、ベント金物内にベント開口部が開口した上部空間を形成するえぐり部における、えぐり高さとえぐり部における押え角度を適正化することにより、ベントアップ防止に効果があることが開示されている。
また、特許文献2においては、ベント金物を複数のベント金物単体で構成し、樹脂種類の変更に応じてベント開口部の大きさを変更自在とし、ベントアップ防止に最適なベント金物装置が開示されている。
一方、特許文献3においては、溶融樹脂が接触するベント金物表面に、鏡面仕上げや均一粗面化処理を施すことにより、ベント口に付着する溶融樹脂量を制御する製造方法も開示されている。
特開平11−226942号公報 特開2014−162013号公報 特開平11−277605号公報
しかしながら、特許文献1においては、ベントアップに対して、ベント金物形状の微妙な調整が必要な場合、複数種のベント金物を製作し、最適なベント金物を検討する必要があり、多額の費用が発生する。一方、特許文献2に開示される小片化されたベント金物から形成されたベント金物は、ベント金物の形状をベントアップの態様に合わせて調整できるが、小片化されたベント金物から形成されたベント金物において、小片化された金物同士の間に、意図せず溶融樹脂が入りこみ、長時間高熱に晒されると熱劣化して劣化樹脂となる。この劣化樹脂が正常な溶融樹脂と流出し、成形された成形品になると、劣化樹脂が成形品表面に浮き上がると外観異常を引き起こし、劣化樹脂が成形品内部に含まれる場合は、劣化樹脂を起点とした成形品の割れが発生するなど、重大な問題を引き起こすこととなる。一方、特許文献3で開示されているベント金物表面への鏡面仕上げや均一粗面化処理は、既存のベント金物にも応用できるが、ベントアップを防止するための適切な表面状態の検討まではなされていない。
そこで本発明の課題は、熱可塑性樹脂組成物の押出工程でベントアップを防止できる熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法は次の構成を有する。
(1)熱可塑性樹脂と添加剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶融混練する際に、溶融時に発生するガスをベント口から系外へ排出可能な押出機を用いる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記押出機が、ベント口に設置するベント金物の溶融樹脂を接触せしめる面および溶融時に発生するガスを接触せしめる面に対し、算術平均粗さ(Ra)が0.40μm以上かつ3.00μm以下であり、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が2.0以上かつ3.1以下であるように凹凸処理されたベント金物を具備することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(2)前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂である、(1)の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(3)前記ベント金物の表面が、凹凸平均間隔(Rsm)が60μm以上かつ300μm以下となるよう凹凸処理されている、(1)または(2)の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、熱可塑性樹脂組成物溶融混練工程において、樹脂中の揮発分をベントアップなしに除去できる。
本発明の一実施態様に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法に用いられる押出機の概略断面図である。
以下、本発明を望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。熱可塑性樹脂組成物の溶融混練において、溶融時のガスをベント口から系外へ排出可能な押出機を用いる。ここで押出機とは、1軸以上の軸を有するベント式押出であり、2軸以上の多軸押出機の場合、軸のかみ合い、非かみ合い、また、軸の回転方向は同方向、異方向の何れでも構わないが、2軸機であって、軸はかみ合い、かつ同方向回転であることが好ましい。また、ここでベント口とは、樹脂の揮発分除去などの目的で、大気開放、若しくは真空吸引するために押出装置のシリンダーに開けられた孔であり、1ヶ所以上のベント口を有する押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物の製造を実施する。
また、ベント口に取り付けるベント金物であって、熱可塑性樹脂組成物の溶融混練時に、溶融した樹脂を接触せしめる面、及び溶融時に発生するガスを接触せしめる面に対し、表面処理により該表面に任意の凹凸形状を形成させる。表面処理の方法としては、噴射材の粒度、硬度及び噴射条件の調整が容易なショットピーニング処理により、該表面に凹凸を形成させることが好ましい。表面処理を施した該表面の状態は算術平均粗さ(Ra)が0.40μm以上、3.00μm以下、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が2.0以上、3.1以下、及び凹凸平均間隔(Rsm)が60μm以上、300μm以下となる様に凹凸処理していることでベントアップを防止することができる。上記のベント金物は、真空吸引をするベント口に設置することが好ましいが、大気開放ベントに設置してもよい。
上記のような熱可塑性樹脂組成物の溶融混練製造方法に関しては、押出機のバレル温度は、供給する熱可塑性樹脂の融点温度以上、380℃以下、またはガラス転移温度以上、380℃以下に設定して行うことが好ましい。バレル温度が低すぎると原料中の脱揮効率が低下する恐れがあり、逆に高すぎると樹脂の熱分解などの悪影響が発生する恐れがある。
押出機に供給される熱可塑性樹脂の具体例として、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト等)、ポリオキシメチレン(ポリアセタール等)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、液晶ポリエステル等を挙げることができる。中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂において、特に効果が高い。
押出機に供給する添加剤は有機物、無機物いずれでも良いが、無機充填剤を供給する場合に特に効果が高くなる。無機充填剤の種類は特に限定されないが、珪酸鉱物、珪酸塩鉱物や種々の鉱物類を粉砕などの加工により微粉化した板状、針状、粒状、および繊維上のものが好ましく用いられる。具体例としては、ベントナイト、ドロマイト、モンモリロナイト、バーライト、微粉珪酸、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ドーソナイト、シラスバルーン、クレー、セリサイト、長石粉、タルク、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、ゼオライト(合成ゼオライトも含む)、滑石、マイカ、合成マイカおよびワラステナイト(合成ワラステナイトも含む)、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ハイドロタルサイトおよびシリカなので粉体フィラーやガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウム、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維などの無機強化繊維等が挙げられる。
さらに、押出機には、無機充填剤以外にも、付加的成分を供給することができる。例えば、エラストマー、難燃剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、離型剤、帯電防止剤、核剤、着色剤等を添加することができる。
(実施例、比較例)
次に実施例及び比較例によって、本発明を具体的に説明する。
(1)押出機
二軸同方向回転押出機には株式会社日本製鋼所製二軸押出機TEX44αIIをベースとし、主として熱可塑性樹脂を供給する第一供給口1、強化材を供給する第二供給口2、大気開放ベント3及び真空ベント4を有し、当該押出機のスクリュー5は第一搬送ゾーン6、第一混練ゾーン7、第二搬送ゾーン8、第二混練ゾーン9、第三搬送ゾーン10が設けたスクリュー構成とし、第一混練ゾーン7の下流側に大気開放ベント3を1つ、第二混練ゾーン9の下流側に真空ベント4を1つ設けたものとした。それぞれの配置関係を図1に示す。また、真空ベント口の真空度はゲージ圧で−80kPaとした。
また、同押出機のシリンダー設定温度を300℃、吐出量150kg/hr、スクリュー回転数320rpmとした。
(2)熱可塑性樹脂組成物
実施例、比較例に用いた原料は以下の通りである。
(粉体原料)
ポリフェニレンスルフィド樹脂(60重量部)は次の製法で得たものを使用した。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.10モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。その後200℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン10.45kg(71.07モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温した。270℃で100分反応した後、オートクレーブの底栓弁を開放し、窒素で加圧しながら内容物を攪拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去した。得られた固形物およびイオン交換水76リットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した76リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。得られたケークおよびイオン交換水90リットルを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、pHが7になるよう酢酸を添加した。オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。 内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水76リットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを酸素気流下、200℃で熱処理し、乾燥ポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。得られたポリフェニレンスルフィド樹脂は、溶融粘度が80Pa・s、灰分が0.16重量%であった。
(強化材)
日本電気硝子株式会社製ガラスファイバー「ECS 03 T−747GH」(40重量部)
(3)ベント金物
押出機真空ベント口に設置するベント金物であって、熱可塑性樹脂組成物の溶融混練時に、溶融した樹脂を接触せしめる面、及び溶融時に発生するガスを接触せしめる面に対して、株式会社オキソによるショットピーニング処理により、該表面に凹凸形状を形成させた。
(4)表面粗さ
算術平均粗さ(Ra)、粗さ曲線のクルトシス(Rku)及び凹凸平均間隔(Rsm)は、株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡VK−X100により測定した。なお、測定条件は下記の通りである。
・測定長:700μm
・カットオフ:λc;800μm、λs;2.5μm
なお、測定範囲はX方向(測定方向)700μm、Y方向500μmとした。算術平均粗さ(Ra)、粗さ曲線のクルトシス(Rku)、及び凹凸平均間隔(Rsm)はY方向0〜500μmの範囲において、等間隔に7点を割り当て、それぞれからX方向(測定方向)の表面粗さを測定し、得られた7点のデータの平均値として算出した。
(5)ベントアップ防止の効果
ベント金物を真空ベントに設置し、押出開始からベントアップが発生するまでの連続押出量によりベントアップの防止効果を評価した。なお、ベントアップの有無の確認は目視により行った。
[実施例1]
ベント金物の表面に凹凸を形成させたベント金物及び上記押出装置を用い、上記樹脂組成物を20トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。
ベント金物の材質、凹凸形成後の表面粗さは下記の通りである。なお、表面処理前のベント金物は切削加工後、バフ研磨したものを用いている。
ベント材質 : SUS420J2(マルテンサイト系ステンレス鋼)
表面処理 : 有り
Ra : 0.43μm(最大値0.50μm、最小値0.35μm)
Rku : 2.9 (最大値4.0、最小値2.2)
Rsm : 97μm (最大値126μm、最小値66μm)
上記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の20トン押出においてベントアップは発生しなかった。
[実施例2]
実施例1で使用したベント金物を用いて、実施例1と同じ方法で、上記樹脂組成物を10トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。押出前のベント金物の表面粗さは下記の通りである。
Ra : 0.67μm(最大値1.12μm、最小値0.37μm)
Rku : 2.8 (最大値2.1、最小値4.1)
Rsm : 248μm (最大値464μm、最小値136μm)
上記樹脂組成物の10トン押出において、ベントアップは発生しなかった。
[実施例3]
実施例2で使用したベント金物を用いて、実施例1と同じ方法で、上記樹脂組成物を20トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。押出前のベント金物の表面粗さは下記の通りである。
Ra : 0.70μm(最大値1.05μm、最小値0.36μm)
Rku : 3.0 (最大値5.6、最小値2.2)
Rsm : 259μm (最大値458μm、最小値142μm)
上記樹脂組成物の20トン押出において、ベントアップは発生しなかった。
[実施例4]
実施例3で使用したベント金物を用いて、実施例1と同じ方法で、上記樹脂組成物を30トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。押出前のベント金物の表面粗さは下記の通りである。
Ra : 1.55μm(最大値2.04μm、最小値1.10μm)
Rku : 3.1 (最大値5.0、最小値2.0)
Rsm : 228μm (最大値389μm、最小値152μm)
上記樹脂組成物の30トン押出において、ベントアップは発生しなかった。
[実施例5]
実施例4で使用したベント金物を用いて、実施例1と同じ方法で、上記樹脂組成物を20トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。押出前のベント金物の表面粗さは下記の通りである。
Ra : 2.95μm(最大値4.79μm、最小値1.47μm)
Rku : 2.3 (最大値4.3、最小値1.4)
Rsm : 272μm (最大値452μm、最小値139μm)
上記樹脂組成物の20トン押出において、ベントアップは発生しなかった。
[比較例1]
上記製造方法及び上記樹脂組成物において、表面処理を施していないベント金物を用いて、上記樹脂組成物を10トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。
上記樹脂組成物の押出し前のベント金物の表面粗さは下記の通りである。なお、上記ベント金物としては切削加工後、バフ研磨したものを用いた。
ベント金物表面処理 : 処理なし
Ra : 0.15μm(最大値0.22μm、最小値0.08μm)
Rku : 3.2 (最大値4.9、最小値2.3)
Rsm : 209μm (最大値419μm、最小値99μm)
上記樹脂組成物の押出開始後、1トン押し出した時点でベントアップが発生した。
[比較例2]
上記表面処理を施したベント金物を用いて、上記樹脂組成物を累積で800トン押し出した後の表面粗さを以下に示す。上記ベント金物を用いて、上記樹脂組成物を10トン押し出し、ベントアップの有無を確認した。
Ra : 4.15μm(最大値6.89μm、最小値2.08μm)
Rku : 3.4 (最大値5.5、最小値2.8)
Rsm : 350μm (最大値529μm、最小値250μm)
上記樹脂組成物の押し出し開始後、2.5トン押し出した時点でベントアップが発生した。
実施例1〜5及び比較例1の結果からわかるように、比較例に比べて実施例では、ベントアップ無しに連続生産が可能となることから、表面処理したベント金物を具備した押出装置を用いたポリフェニレン樹脂組成物の製造において、ベントアップ防止効果が優れていることがわかる。
Figure 2017128088
1 第一供給口
2 第二供給口
3 大気開放ベント
4 真空ベント
5 スクリュー
6 第一搬送ゾーン
7 第一混練ゾーン
8 第二搬送ゾーン
9 第二混練ゾーン
10 第三搬送ゾーン

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂と添加剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶融混練する際に、溶融時に発生するガスをベント口から系外へ排出可能な押出機を用いる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記押出機が、ベント口に設置するベント金物の溶融樹脂を接触せしめる面および溶融時に発生するガスを接触せしめる面に対し、算術平均粗さ(Ra)が0.40μm以上かつ3.00μm以下であり、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が2.0以上かつ3.1以下であるように凹凸処理されたベント金物を具備することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記ベント金物の表面が、凹凸平均間隔(Rsm)が60μm以上かつ300μm以下となるよう凹凸処理されている、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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