JP2017127845A - 亜臨界水処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機系廃棄物や汚泥を、大型の圧力容器で少ないエネルギー消費量で分解する亜臨界水処理方法を提供する。【解決手段】圧力容器内に高温、高圧の水蒸気を供給して、圧力容器内の有機系廃棄物や汚泥からなる処理対象物を攪拌しつつ加温、加圧し、圧力容器内の温度が150℃以上で、圧力容器内の、中心位置における頂点を含む少なくとも3個所のうち1個所の温度の急上昇を検出し、この検出の後、圧力容器内の温度を、急上昇開始時の温度以上に5〜10分間維持するように、水蒸気の供給量を調整し、その後、水蒸気の供給を停止し、且つ、水蒸気を排出する亜臨界水処理方法。【選択図】図6

Description

本発明は、有機系廃棄物、汚泥等を高温、高圧の飽和水蒸気を用いて分解する亜臨界水処理方法及び装置に関する。
従来の亜臨界水処理装置としては、例えば特許文献1に開示されるように、耐圧容器(圧力容器)内において有機系廃棄物を攪拌しながら、高温、高圧の飽和水蒸気を用いて加水分解するとともに熱分解する処理装置がある。
このような亜臨界水処理装置を利用して、上記のような有機系廃棄物や汚泥を処理する場合、全部を分解するまでには長時間、高温、高圧状態を維持しなければならず、水蒸気のための熱エネルギー及び攪拌のための回転エネルギーの消費量が非常に大きくなってしまうという問題点がある。
また、耐圧容器内で長時間、高温、高圧状態を維持した結果、例えば植物の場合、低分子量に分解され、肥料として有用な状態から更に分解されて、炭化状態となって単なるゴミとなってしまうという無駄があった。即ち、エネルギーを大量に消費して過剰な分解をしていた。
更に、高温、高圧に耐えるために耐圧容器の強度を大きくする必要があり、結果として耐圧容器の容量が制限され、時間当たりの処理量を大きくできないという問題点がある。
特許第4751977号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、過剰に高温、高圧とする必要がなく、有用物を残すことができ、且つ、大型化して有機系廃棄物や汚泥の時間当たりの処理量を増大させ、また、処理のためのエネルギー消費量を大幅に低減することができる亜臨界水処理方法及び亜臨界水処理装置を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、有機系廃棄物や汚泥からなる処理対象物を、亜臨界水処理する過程において、処理対象物のうち最も低い分解温度の処理物の一部が分解を始めると、その分解熱エネルギーが同処理物の他の部分及び隣接する他の種類の処理物の分解を順次誘発し、追加の水蒸気の供給をしなくても全部の処理対象物の分解に到達できることを見出した。
本発明者は、更に、処理物の一部の分解が始まるタイミングを、3個所以上に配置した温度センサーの一つが検出し、他の温度センサーが検出しなくても、最初の分解開始のタイミングで、高温、高圧の飽和水蒸気の供給制御により、分解開始時の温度を短時間維持すれば、その温度が他の処理物の分解温度より低くても、全ての処理対象物を順次分解できることを見出した。
本発明者の実験によれば、分解開始の温度は、概ね、稲わら、下水汚泥等は150℃、肉・魚は180℃、プラスチック(シリコン樹脂を除く)は220℃前後であり、圧力は18〜20気圧であった。従って、分解開始温度が低い稲わら等を加えておくと、これが150℃で分解を始めて、150℃を短時間維持するだけで順次肉・魚を経てプラスチックの分解を誘発できた。すなわち、稲わら等を処理促進剤として添加するとよいことが解った。またプラスチックは発熱量が大きいので、これを加えると、全体を早く分解温度にできることが解った。
即ち、本発明は以下のような実施例により上記課題を解決するものである。
(1)圧力容器内に、高温、高圧の水蒸気を供給して、該圧力容器内の処理対象物を攪拌しつつ加温、加圧する過程と、前記圧力容器内の温度が150℃以上の範囲で、前記圧力容器内の、中心位置における頂点を含む少なくとも3個所のうち1個所の温度の急上昇を検出する過程と、前記の検出の後、前記圧力容器内の温度を、前記急上昇開始時の温度以上に5〜10分間維持するように、前記水蒸気の供給量を調整する過程と、その後、水蒸気の供給を停止し、前記圧力容器内の水蒸気を排出する過程と、を有することを特徴とする亜臨界水処理方法。
(2)圧力容器内に高温、高圧の水蒸気を注入して、該圧力容器内の処理対象物を、分解する亜臨界水処理装置であって、前記圧力容器内に高温、高圧の水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、前記圧力容器内で、前記処理対象物を攪拌する複数の攪拌翼、及び、この攪拌翼を駆動する回転シャフトを含む攪拌装置と、前記水蒸気供給装置を制御して、前記圧力容器への水蒸気供給量を制御する水蒸気制御装置と、前記圧力容器に設けられた、前記処理対象物の投入口、処理済の前記処理対象物を取出すための取出口、前記高温、高圧の水蒸気を注入するための水蒸気注入口、及び、前記圧力容器内の水蒸気を排出するための水蒸気排出装置と、を有してなり、前記水蒸気制御装置は、圧力容器内の、中心位置における頂点を含む少なくとも3個所の温度を各々測定する温度センサーと、圧力容器内の1以上の個所の圧力を測定する圧力センサーと、これらのセンサー出力信号が入力される制御装置本体と、この制御装置本体からの指令信号に基づいて、前記水蒸気供給装置による水蒸気供給量を調節する蒸気開閉弁を駆動する開閉弁駆動装置と、を有し、前記制御装置本体は、前記圧力容器内の温度が150℃を越えた範囲で、少なくとも3個所のうち1個所での、前記温度センサーによる検出温度が急上昇したとき、前記開閉弁駆動装置に対して、前記圧力容器内における前記急上昇開始時の温度を5〜10分間維持するように、前記蒸気開閉弁を制御する指令信号を出力し、且つ、前記5〜10分間の経過後に、前記蒸気開閉弁を閉じる指令信号を出力するとともに前記圧力容器内の水蒸気を排出する指令信号を出力するように構成されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
本発明によれば、亜臨界水による処理対象物の一部の分解開始を検知し、その分解開始の温度を短時間維持する範囲で高温、高圧蒸気の供給量を最小とすることにより、従来比で約50%のエネルギー消費量で、亜臨界水処理により処理対象物を分解できる。
これにより、最高温度、最高圧力を低くでき、亜臨界水処理装置を大型化できる。また、処理対象物を過剰に分解することなく有用物とすることも可能となった。
本発明の実施例に係る亜臨界水処理装置を示すブロック図 同亜臨界水処理装置の詳細を示す正面図 同側面図 同平面図 亜臨界水処理装置の制御系統を示す回路図 同実施例に係る亜臨界水処理装置による、処理対象物の分解過程を示すフローチャート
以下本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1に示されるように、実施例1に係る亜臨界水処理装置20は、圧力容器22内に高温、高圧の水蒸気を注入して、該圧力容器22内の、放射能汚染された土壌及び汚泥の少なくとも一方を含む処理対象物を分解するものである。
図1〜図3、図5に示されるように、亜臨界水処理装置20は、圧力容器22と、水蒸気供給装置24と、攪拌装置26と、水蒸気制御装置30と、回転シャフト制御装置50とを備えて構成されている。
圧力容器22は、処理対象物を投入するための投入口22Aと、亜臨界水処理を終えた処理対象物を排出するための取出口22Bと、圧力容器22内に高温、高圧の水蒸気を注入するための水蒸気注入口22C(2ヶ所)とを備えている。
投入口22Aは、圧力容器22の上部に筒状に突出して形成され、上端のクラッチドア23Aによって開閉されるようになっている。
図1の符号37は水蒸気排出装置(蒸気排出弁)であり、この水蒸気排出装置37は、圧力容器22の上端から上方に立設された筒状に形成されていて、筒状体の側面及び上端に設けられた蒸気排出口37A、37Bを有し、ここから水蒸気を外部に排出するようにされている。
取出口22Bは、圧力容器22の、図1において右端に下向きに傾斜して取付けられ、ハンドル22Fにより開口されて、亜臨界水処理の終わった処理対象物を外部に排出できるようにされている。このとき、攪拌装置26の回転シャフト26Aは、内部の処理対象物を取出口22B方向に押出すように回転される。
水蒸気供給装置24は、ボイラー24Aによって生産された高温、高圧の水蒸気を、圧力調整弁24B及び蒸気開閉弁36(説明後述)を介して、水蒸気注入口22Cから圧力容器22内に供給するようにされている。
攪拌装置26は、圧力容器22内の、ほぼ中心を水平に貫通して配置された回転シャフト26A、及び、この回転シャフト26Aの、長手方向複数箇所に半径方向に延在して取付けられた複数の攪拌翼26Bとを備えて構成されている。回転シャフト26Aは、図1において左端下側に設けられたモーター27から減速機28を介して駆動され、圧力容器22内の処理対象物を攪拌するようにされている。
ここで、回転シャフト26Aは、通常運転時は、一定間隔で時計方向又は反時計方向に回転方向が切替えられて、攪拌翼26Bが処理対象物を取出口22B側からモーター27方向へ、また、その反対方向に送るようにされている。
図5に示されるように、水蒸気制御装置30は、圧力容器22の外側の3箇所(図2参照)に取付けられた温度センサー32A、32B、32Cと、同様に、圧力容器22の上部外側に取付けられた圧力センサー34A、34Bと、水蒸気注入口22Cへの水蒸気の供給量を調整する蒸気開閉弁36と、圧力容器22内の蒸気を排出するための蒸気排出弁37と、制御装置本体40と、を備えて構成されている。
温度センサー32Aは、圧力容器22内での頂点となり、且つ、水平方向に長い圧力容器22の長手方向中央位置に、また温度センサー32B、32Cは、圧力容器22の内側の、回転シャフト26Aにおける軸方向両端の攪拌翼26Bの上方位置の温度を検出するようにされている。又、圧力センサー34Aはクラッチドア23Aに、圧力センサー34Bは水蒸気排出装置37の筒状体側面に取付けられ、それぞれ圧力容器22の内側の圧力を検出するようにされている。
温度センサーの取付位置は、具体的には、温度の急上昇を検出する箇所を、圧力容器22の長さに対応して少なくとも圧力容器22内の、上記の中心部での頂点、及び、両側に50cm〜150cm離間した位置での頂点の3個所とする。
圧力容器が他の形状、例えば縦円筒形状、球形等の場合は、その中央位置での頂点と、この頂点から、圧力容器の大きさに応じて50cm〜150cm離間した位置とする。
これら温度センサー32A、32B、32Cと圧力センサー34A、34Bの検出出力信号は、制御装置本体40に出力するようにされている。
制御装置本体40は、CPUからなり、温度センサー32A、32B、32C、圧力センサー34A、34Bからの検出温度信号及び検出圧力信号に基づいて、開閉弁駆動装置38を介して、蒸気開閉弁36を駆動し、圧力容器22内への蒸気供給量を調整すると共に、蒸気排出弁駆動装置39を介して蒸気排出弁37を駆動し、圧力容器22内の蒸気を排出できるようにされている。
回転シャフト制御装置50は、回転シャフト26Aに取付けられて、その回転速度を検出する回転速度センサー52Aと、回転トルクを検出する回転トルクセンサー52Bとからのセンサー出力信号に基づいて、モーター27の回転速度を制御するようにされている。
具体的には、回転シャフト制御装置50は、回転速度センサー52Aから出力信号に基づく回転シャフト26Aの回転速度と、回転トルクセンサー52Bからの出力信号に基づく回転シャフト26Aの回転トルクとの積が一定値となるように、モーター27の回転速度を制御するように構成されている。
次に、本実施例1にかかる亜臨界水処理装置20によって、水産廃棄物を分解する過程について、図6を参照して詳細に説明する。
なお、圧力容器22は、飽和蒸気により加熱、加圧され、飽和蒸気の圧力は温度と一定の関係があるので圧力の数値は示すことを省略する。
まず、亜臨界水処理装置20における水蒸気制御装置30の、制御装置本体40及び回転シャフト制御装置50を次のように設定しておく。
制御装置本体40は、上昇しつつある圧力容器22内の温度及び圧力を測定して、温度センサー32A、32B、32Cのいずれかのセンサー出力信号による温度が150℃以上で、温度及び圧力の急上昇の検出が可能なように設定され、また、前記の温度の急上昇を検知した後、圧力容器22内の温度を、前記検出した急上昇の開始時の温度以上に、5〜10分間維持するように、水蒸気の圧力容器22内への供給量を調整し、且つ、その時間経過後に水蒸気の供給を停止するように設定されている。
ここで、温度センサーは、3個所に設けられているが、これは4箇所以上であってもよい。この場合、攪拌装置26による攪拌により処理対象物が接触して熱を伝達する圧力容器22の底部に設けるとよい。
回転シャフト制御装置50は、処理対象物を攪拌する攪拌装置26における、回転シャフト26Aの回転トルクと回転速度との積が一定となるように、モーター27の回転速度を制御するように設定しておく。具体的には、回転速度センサー52Aにより検出される回転速度と、回転トルクセンサー52Bにより検出される回転トルクの積が一定値となるようにしておく。
次に、図6のステップ101に示されるように、投入口22Aを開いて水産廃棄物である処理対象物を圧力容器22内に投入する。
次のステップ102においては、水蒸気供給装置24のボイラー24Aで製造された高温、高圧蒸気を、水蒸気注入口22Cから圧力容器22内に注入する。
ステップ103に進み、モーター27により攪拌装置26の回転シャフト26Aを回転させて、圧力容器22内で処理対象物の攪拌を開始する。このとき、処理対象物は、例えば、帆立貝のウロ(中腸線)の場合は、粘性が高く、魚の頭部や内臓の場合は大きな塊であるため、攪拌翼26Bには比較的大きな抵抗がかかる。従って、回転シャフト26Aの回転トルクの抵抗は大きくなり、それに対応して回転速度は遅くなる。
次のステップ104では、圧力容器22内の温度が150℃に到達したことを、温度センサー32A、32B、32Cの少なくとも1つによって検出する。
このとき、圧力容器22内の処理対象物は、水蒸気が入り込むことにより攪拌抵抗がより小さくなるので、すなわち、回転シャフト26Aの回転トルクが小さくなるので、回転速度は自動的に増大する(ステップ105)。従って、処理対象物は、更に頻繁に攪拌翼26Bにより衝撃を受けて多くの水蒸気が混入し、均一に、且つ、効率よく加熱される。
上記のように、処理対象物が150℃以上になると、例えば帆立貝のウロに含まれる有機カドミウムや魚の内臓に含まれる有機水銀は蛋白質から分離し、無毒となる。
蛋白質が亜臨界水処理されると、アミノ酸になるが、この段階で水蒸気の供給を停止又は減少させると分解の進行が止まり、アミノ酸は例えば肥料、家畜の飼料として利用可能となる。
更に、高温、高圧の水蒸気を圧力容器22内に注入していくと、ステップ106において、温度センサー32A、32B、32Cの1つが、圧力容器22内の温度の急上昇を検知する。
ここで、急上昇とは、それまでほぼ時間に比例して温度が穏やかな傾きの直線状に上昇していたのが、前記傾きに対して20%以上の傾きの曲線又は直線に沿って上昇する場合を、急上昇と定義する。
本発明者は、実験の結果、上記のように、圧力容器22内の1個所の温度の急上昇は、圧力容器22内で処理対象物の一部が分解開始すると、高温、高圧の水蒸気による温度の上昇の上に、処理対象物の一部の結合の分解による分解熱が加わるためと考えている。
又、本発明者は、上記分解熱は、処理対処物に含まれる材料の種類によって相違することを見出し、更に、分解開始温度が比較的低い材料の一部でも分解が始まると、その分解熱によって、該材料の他の部分、更には、分解開始温度がより高い異なる種類の材料も順次分解が開始し、追加の高温、高圧の水蒸気による加熱、加圧が不要となることを見出した。
更に、このときの条件として、圧力容器22内の温度を、急上昇の開始時点の温度以上に5〜10分間維持すれば、分解が順次自動的に進行していくことを確実にできることがわかった。
なお、上記一部の分解は、圧力容器22内の長手方向(水平方向)の中央位置から開始され、中央の温度センサー32Aにより感知される確率が高いが、攪拌翼26Bにより、処理対象物が強く攪拌される位置、例えば回転シャフト26Aにおける軸方向端部位置の上方にある温度センサー32B又は32Cで感知されることもある。
即ち、次のステップ107では、水蒸気制御装置30、温度センサー32A、32B、32Cのうちの一つによる、温度の急上昇を検出する信号の入力により、開閉弁駆動装置38を介して、蒸気開閉弁36が、前記急上昇の開始時点の温度以上に、圧力容器22内の温度を5〜10分間維持するように制御する(ステップ108参照)。
次のステップ109では、蒸気供給を停止して、ステップ110に進み、蒸気排出弁駆動装置39により蒸気排出弁37を開いて、蒸気排出口37A、37Bから蒸気を排出して圧力容器22内の温度及び圧力を低減させ、処理対象物の亜臨界水処理を終了する。
次に、ステップ111に進み、圧力容器22の取出口22Bを開いて、処理対象物を取出して、これを放熱する。
なお、上記実施例では、圧力容器22内の温度(及び/又は圧力)変化に基づいて水蒸気の供給を制御しているが、本発明はこれに限定させるものではなく、他のファクターに基づくようにしてもよい。
上記実施例では、処理対象物が水産廃棄物であったが、本発明はこれに限定されることなく、処理対象物は農剤廃棄物、例えば稲わら、野菜くず、枯草、枯葉、木片、枝等、産業廃棄物、例えばビニールシート、廃棄プラスチック、故紙、製紙残渣、食品廃棄物、例えば残飯等であってもよい。ただし、シリコン樹脂は分解されないで塊として残る。
なお、稲わら、紙類、枯草、枯葉、木片、枝等は、分解開始の温度が、蛋白質に比較して低いので、水産廃棄物を亜臨界水処理する場合は、稲わら等を処理促進剤として、例えば処理対象物の2〜15%重量を加えてもよい。2%未満のときは、発熱量が少な過ぎて分解促進が円滑にできず、15%を超えると処理対象物の処理量が少な過ぎて処理効率が低下してしまう。
農林水産業、食品産業、化学工業等のあらゆる分野の廃棄物処理に利用することができる。
20…亜臨界水処理装置
22…圧力容器
22A…投入口
22B…取出口
22C…水蒸気注入口
23A…クラッチドア
24…水蒸気供給装置
24A…ボイラー
24B…圧力調整弁
26…攪拌装置
26A…回転シャフト
26B…攪拌翼
27…モーター
28…減速機
30…水蒸気制御装置
32A、32B、32C…温度センサー
34A、34B…圧力センサー
36…蒸気開閉弁
37…水蒸気排出装置(蒸気排出弁)
37A、37B…蒸気排出口
38…開閉弁駆動装置
40…制御装置本体
50…回転シャフト制御装置
52A…回転速度センサー
52B…回転トルクセンサー

Claims (15)

  1. 圧力容器内に、高温、高圧の水蒸気を供給して、該圧力容器内の処理対象物を攪拌しつつ加温、加圧する過程と、
    前記圧力容器内の温度が150℃以上の範囲で、前記圧力容器内の、中心位置における頂点を含む少なくとも3個所のうち1個所の温度の急上昇を検出する過程と、
    前記の検出の後、前記圧力容器内の温度を、前記急上昇開始時の温度以上に5〜10分間維持するように、前記水蒸気の供給量を調整する過程と、
    その後、水蒸気の供給を停止し、前記圧力容器内の水蒸気を排出する過程と、を有することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  2. 請求項1において、
    前記温度の急上昇を検出する箇所を、少なくとも前記圧力容器内の、中心部での頂点、及び、その両側に50cm〜150cm離間した位置での頂点の3個所としたことを特徴とする亜臨界水処理方法。
  3. 請求項2において、
    前記圧力容器が水平方向に長い筒状体を含むとき、前記温度の急上昇を検出する箇所を、前記圧力容器内の頂点で、且つ、前記筒状体の長手方向中央位置、及び、長手方向両端位置の3個所を含むようにしたことを特徴とする亜臨界水処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記圧力容器内への高温、高圧の水蒸気の注入により、温度が一定の割合で上昇していく上昇曲線の傾きに対して20%以上大きい傾きの上昇曲線に沿って上昇するときを、前記温度の急上昇のときとすることを特徴とする亜臨界水処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記処理対象物を攪拌する攪拌装置の回転シャフトの回転トルクと回転速度との積が一定となるように、前記回転シャフトの回転速度を制御することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  6. 請求項5において、
    前記圧力容器内の温度が150℃を越えること、及び、前記回転シャフトの回転トルクの変動幅が一定値以下となることの一方の条件が充足されたときから、前記圧力容器内の温度の急上昇開始時の検知を開始することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記処理対象物に、処理促進剤として、前記処理対象物の重量の2%乃至15%重量の、シリコン樹脂を除く合成樹脂、稲わら、樹木の枝、枯草、枯葉、材木のうち少なくとも一つを加えて処理することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記処理対象物における含有物の種類毎に予め、前記圧力容器内における前記急上昇の開始時の温度及び急上昇終了の温度を測定しておき、前記圧力容器内の温度が、前記予め測定された急上昇開始時の温度から急上昇終了時の温度の間に到達したとき、前記水蒸気の供給量の調整を開始することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  9. 請求項8において、
    前記予め測定された温度のうち、前記急上昇開始時の温度が最も低い種類の前記含有物についての前記急上昇開始時の温度が測定されたとき、前記水蒸気の供給量の調整を開始することを特徴とする亜臨界水処理方法。
  10. 圧力容器内に高温、高圧の水蒸気を注入して、該圧力容器内の処理対象物を、亜臨界状態として分解する亜臨界水処理装置であって、
    前記圧力容器内に高温、高圧の水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、
    前記圧力容器内で、前記処理対象物を攪拌する複数の攪拌翼、及び、この攪拌翼を駆動する回転シャフトを含む攪拌装置と、
    前記水蒸気供給装置を制御して、前記圧力容器への水蒸気供給量を制御する水蒸気制御装置と、
    前記圧力容器に設けられた、前記処理対象物の投入口、処理済の前記処理対象物を取出すための取出口、前記高温、高圧の水蒸気を注入するための水蒸気注入口、及び、前記圧力容器内の水蒸気を排出するための水蒸気排出装置と、
    を有してなり、
    前記水蒸気制御装置は、圧力容器内の、中心位置における頂点を含む少なくとも3個所の温度を各々測定する温度センサーと、圧力容器内の1以上の個所の圧力を測定する圧力センサーと、これらのセンサー出力信号が入力される制御装置本体と、この制御装置本体からの指令信号に基づいて、前記水蒸気供給装置による水蒸気供給量を調節する蒸気開閉弁を駆動する開閉弁駆動装置と、を有し、
    前記制御装置本体は、前記圧力容器内の温度が150℃を越えた範囲で、少なくとも3個所のうち1個所での、前記温度センサーによる検出温度が急上昇したとき、前記開閉弁駆動装置に対して、前記圧力容器内における前記急上昇開始時の温度を5〜10分間維持するように、前記蒸気開閉弁を制御する指令信号を出力し、且つ、前記5〜10分間の経過後に、前記蒸気開閉弁を閉じる指令信号を出力するとともに前記圧力容器内の水蒸気を排出する指令信号を出力するように構成されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
  11. 請求項10において、
    前記温度センサーは、少なくとも前記圧力容器内の、中心部での頂点、及び、その両側に50cm〜150cm離間した位置での頂点の3個所の温度を測定するように配置されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
  12. 請求項11において、
    前記圧力容器は、前記回転シャフトを水平に内包する、水平に長い筒状体を有し、前記温度センサーは、前記圧力容器内の頂点で、且つ、前記筒状体の長手方向中央位置、及び、長手方向両端位置の3個所を含むことを特徴とする亜臨界水処理装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれかにおいて、
    前記制御装置本体は、前記圧力容器内への高温、高圧の水蒸気の注入により、温度が一定の割合で上昇していく上昇曲線の傾きに対して20%以上大きい傾きの上昇曲線に沿って上昇するときを、前記温度の急上昇のときと判断するように構成されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
  14. 請求項10乃至13のいずれかにおいて、
    前記回転シャフトの回転速度センサー及び回転トルクを検出する回転トルクセンサーと、
    この回転速度センサー及び回転トルクセンサーの出力信号が入力される回転シャフト制御装置と、を更に有し、
    この回転シャフト制御装置は、前記回転シャフトの回転速度と回転トルクとの積が一定値となるように、前記回転シャフトを駆動するモータの回転速度を制御するように構成されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
  15. 請求項10乃至14のいずれかにおいて、
    前記制御装置本体は、前記処理対象物における含有物及び処理促進剤の種類毎に予め測定された前記急上昇開始時の温度が記憶されている記憶部を有し、且つ、温度が、前記圧力容器内に投入された前記処理対象物における含有物及び前記処理促進剤の種類に対応する前記記憶された温度のうち最も低い温度に到達したときの前記温度センサーの出力信号に基づき、前記水蒸気の供給量の調節を開始する指令信号を前記水蒸気制御装置に出力するように構成されたことを特徴とする亜臨界水処理装置。
JP2016011006A 2016-01-22 2016-01-22 亜臨界水処理方法及び装置 Active JP6377087B2 (ja)

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