JP2017127196A - バルコニーの緑化構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルコニーの利用可能領域を圧迫せず、日常のメンテナンスが簡単で、屋内外両側から緑化面を鑑賞することができ、強度、安全性および防水性にも優れたバルコニーの緑化構造を提供する。【解決手段】バルコニーの周部に沿って複数本の手摺支柱11が立設され、その屋外側および屋内側に壁材(壁パネル31、32)が取り付けられて手摺壁1が設けられたバルコニーにおいて、鋼材からなる手摺支柱11がバルコニー周部の構造材(梁材21)に剛接合され、手摺支柱11から手摺壁1の屋外側の壁面よりも外方へ持出しアーム52が延び出して、その先端に添え柱51が接合され、添え柱51の上部が手摺壁1の上方まで立ち上げられて、その上部にブラケット61、65が接合され、そのブラケット61、65に植栽受梁71が架け渡されて、その上に植栽容器が載置される。【選択図】 図2

Description

本発明は、戸建て住宅や集合住宅におけるバルコニーの手摺部分に植栽を施すのに適したバルコニーの緑化構造に関する。
住宅等のバルコニーを緑化するための技術的手段として、以下のようなものが公知である。
(1)バルコニーを囲む手摺壁(腰壁)の内周に沿って、バルコニーの床面にプランターボックスを敷き並べる。手摺壁が柵状あるいは格子状の手摺子によって構成されている場合は、プランターボックスに登はん型の植物を植えて、その蔓を手摺子に絡ませることにより、手摺壁を面的に緑化する(例えば特許文献1、2)。
(2)手摺壁の天端にハンガー部材を引っ掛けるようにして固定し、ハンガー部材の張出部分にプランターボックスを載せ、あるいは吊下げて、植物を植える(例えば特許文献3、4)。
(3)手摺壁の屋内側の壁面に、ブラケット状または棚状の受具を取り付け、その受具にプランターボックスを載せて植物を植える(例えば特許文献5)。
(4)厚みが薄くて高さのあるカセット状の植栽容器を、柵状または格子状の手摺子に取り付けるなどして手摺壁の壁厚内に納め、その植栽容器の屋内側に設けた植栽用開口部に植物を植える(例えば特許文献6、7、8)。
(5)手摺壁の天端、あるいは手摺壁の上部を凹形に切り欠いた底端に、略平坦なプランターボックスの載置台を設けて、その上にプランターボックスを載せる(例えば特許文献9、10)。
(6)手摺壁の支柱を複数本、上方に延ばして、庇や上階バルコニーとの間に立設し、支柱の間にプランターボックス格納部を設けて、プランターボックスを載置する(例えば特許文献11)。
特開2002−138571号公報 特開2001−90176号公報 特開平7−289404号公報 特開平11−244111号公報 特開2001−200578号公報 特開平6−315321号公報 特開2004−159582号公報 特開2005−27611号公報 特開2003−166285号公報 特開2007−312667号公報 特開平10−204984号公報
前記従来の技術的手段のうち(1)の手段は、手摺壁の屋内側にプランターボックスを設置するので、その分だけ利用可能なバルコニー床面が実質的に狭くなる。手摺壁に沿って敷き並べたプランターボックスは、小児がいる場合、それを踏み台にして手摺壁によじ登る危険性を高める。
また、柵状または格子状の手摺子に登はん型の植物を絡ませる場合は、選択できる植物が蔓性の種類に限定される。そして、蔓が一定程度、繁茂するまでは寒々しい印象になり、蔓が繁茂してからは隙間なく均一に分布させために頻繁な手入れと養生を要する。
(2)、(3)の手段も(1)と同様に、手摺壁の屋内側にプランターボックスがせり出した状態になるので、その分だけバルコニーが窮屈になる。また、手摺壁の天端にハンガー部材を引っ掛けるようにして固定する(2)の手段では、手摺壁の天端の笠木部材等によって形成される水平ラインのスッキリとした意匠性が部分的に損なわれて美観が損なわれる。さらに、笠木部材自体に傷や汚れがつきやすくなり、場合によっては笠木部分の防水性に好ましくない影響が及ぶ。
(4)の手段では、奥行きの小さい植栽容器の立面に、植物をやや寝かせた姿勢で植え付けることになるので、植物の自然な成長が阻害されて、枯れや生育不良が生じやすい。また、美観維持のためにはカセット状の植栽容器を頻繁に取り替える必要が生じるので、日常のメンテナンスに手間がかかる。
(5)の手段では、プランターボックスを安定して載置するため、手摺壁自体に一定程度の厚みが必要になる。したがって、手摺壁の厚みが大きい鉄筋コンクリート構造の建物には採用しやすいが、鉄骨造や木造の建物には構造的に適用しにくい。
そして、(1)〜(5)の技術的手段はいずれも、プランターボックスを設置できる高さの上限が、ほぼ手摺壁の高さまでに限定されてしまう。したがって、手摺壁が見通し不能の壁材によって形成されていると、建物の屋外側からは緑化面を鑑賞することができない。(2)のハンガー部材や(3)の受具を上方に延ばして、プランターボックスを手摺壁よりも高い位置に設置することも想定されるが、水分を含んだ土が入るプランターボックスは相当の重量になるので、簡易なハンガー部材や受具では、プランターボックスの重量を十分に支えきれない。
(6)の手段では、支柱の上端を手摺壁の上方の構造物に結合することによって強度や安定性が増すので、手摺壁の上方にもプランターボックスを配置したり、あるいは格子状のパネルを設置して蔓性の植物を高い位置まで絡ませることが可能になる。しかしながら、この構造では、上方に延びる支柱が、手摺壁の天端の笠木部材を貫通することになる。そのため、特に手摺壁が鉄骨造や木造の場合は、笠木部材の施工が面倒になり、支柱が笠木部材を貫通する箇所は防水上の弱点になりやすい。また、当然ながら、手摺壁の直上に庇や上階バルコニー等の構造物がせり出していない場合は、この構造を採用することができない。
本発明は、前述のような事情に鑑みてなされたもので、バルコニーの実質的な利用可能領域を圧迫せず、日常のメンテナンスが簡単で、建物の内外両側から緑化面を鑑賞することができ、そして強度、安全性および防水性にも優れたバルコニーの緑化構造を提供するものである。
前述の目的を達成するために、本発明は、バルコニーの周部の少なくとも一辺に沿って複数本の手摺支柱が適宜間隔で立設され、前記手摺支柱の屋外側および屋内側に壁材が取り付けられ、前記手摺支柱および前記壁材の天端に笠木部材が取り付けられて、適宜の高さおよび厚さを有する手摺壁が設けられたバルコニーにおいて、前記手摺壁の上方に植栽容器が設置されるバルコニー手摺の緑化構造であって、前記手摺支柱は、鋼材からなり、その柱脚部がバルコニーの周部に配置された構造材に剛接合され、前記手摺支柱から持出しアームが延び出して、その先端が前記手摺壁の屋外側の壁面よりも外方まで突出し、前記持出しアームに添え柱が接合されて、該添え柱の上部が前記笠木部材よりも上方まで立ち上がり、前記添え柱の上部に、ブラケットが、屋内側に向けてせり出すように接合され、前記持出しアーム、前記添え柱、および前記ブラケットは、鋼材により形成されて前記手摺支柱と一体化され、隣接する添え柱の前記ブラケット間に植栽受梁が架け渡され、前記植栽受梁に前記植栽容器が載置された、との構成を採用する。
このように、手摺壁の屋外側の壁面に沿って取り付けた添え柱を手摺壁よりも上方まで立ち上げ、その上部にブラケットを介して植栽受梁を架け渡すことにより、手摺壁の上方にプランターボックス等の植栽容器を、安定した状態で安全に支持することが可能になる。手摺支柱によって支持される持出しアーム、添え柱およびブラケットは、鋼材により形成されて手摺支柱と一体化され、十分な強度を発揮するので、手摺壁の直上に庇や上階バルコニー等の構造物がせり出していない場合でも実施可能である。
さらに、本発明は、前述の構成における前記ブラケットおよび前記植栽受梁に関して、それらの屋内側の端縁が前記手摺壁の屋内側の壁面よりも屋内側にせり出さない大きさに形成されて、上下方向に適宜の間隔を設けて複数段、設置されるとともに、最下段のブラケットおよび植栽受梁は前記笠木部材と接触しない高さに設置されて、前記笠木部材が、その天面に防水上の不連続箇所を設けない状態で手摺壁の延設方向に連続するように設置された、との構成を採用する。この構成により、バルコニーが窮屈になることを避けながら、手摺壁の直上にボリューム感のある緑化面を形成することができる。また、笠木部材の施工性と、手摺壁の天端周りの防水性も好適に保持することができる。
さらに本発明は、前記手摺支柱および前記持出しアームが同厚の平鋼により形成されて、該平鋼の厚さを見付けとする姿勢で設置されるとともに、前記壁材が前記手摺支柱の配置間隔に対応する幅に形成された壁パネルであり、該壁パネルが隣接する手摺支柱間に建て込まれて、前記手摺支柱の位置に前記平鋼の厚さに相当する幅の縦目地が形成され、前記持出しアームが前記壁パネルの前記縦目地を通じて屋外側に延び出す、との構成を採用する。
この構成によれば、手摺壁の屋外側に取り付けられる壁パネルの施工性や壁面の防水性に影響を及ぼすことなく、壁パネルの縦目地を利用した目立たない納まりによって、手摺壁の屋外側に十分な強度を有する構造体を設けることができる。
さらに、前記添え柱の屋外側に添え柱カバーが取り付けられ、前記添え柱カバーの上部に、棒状またはルーバー状に形成された複数本の横桟材が、隣接する添え柱間に架け渡されたものとしてもよい。これにより、構造体の外観をさらに好ましくすることができるとともに、安全性も一層、向上する。
前述のように構成される本発明のバルコニーの緑化構造によれば、バルコニーの上方に庇や上階のバルコニー等がない場合でも、手摺壁の上方に、プランターボックス等の植栽容器を、安定した状態で安全に支持することができる。その支持構造体を利用することにより、バルコニーの利用可能領域を狭めることなく、手摺壁の上方に、ボリューム感のある緑化面を、建物の内外両側から鑑賞し得る状態で形成することが可能になる。
バルコニー全体の縦断面略図である。 手摺壁および植栽を支持する構造体の縦断面図である。 手摺壁および植栽を支持する構造体の屋外側正面図である。 手摺壁および植栽を支持する構造体の屋内側正面図である。 手摺壁および植栽を支持する構造体を屋内側から見た要部斜視図である。 手摺壁および植栽を支持する構造体を屋外側から見た要部斜視図である。 植栽を支持する構造体のA−A断面図である。 植栽を支持する構造体のB−B断面図である。 植栽を支持する構造体のC−C断面図である。 植栽を支持する構造体のD−D断面図である。 添え柱に対する添え柱カバーの取付構造を示す要部斜視図である。 植栽容器の斜視図である。 植栽容器が植栽受梁に載置された状態の要部縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明が適用されるのは、周部の少なくとも一辺に適宜の高さおよび厚さを有する手摺壁が設けられたバルコニーである。「適宜の高さ」とは、小児が容易に乗り越えられない程度の高さであり、実用的な目安としては、バルコニー床面からおおむね65cm以上である。その手摺壁は、基本的前提として、バルコニーの周部に沿って適宜間隔で立設された複数本の手摺支柱と、その手摺支柱の屋外側および屋内側にそれぞれ取り付けられた壁材と、それら手摺支柱および壁材の天端に取り付けられた笠木部材と、を具備する。そして、本発明のバルコニーの緑化構造は、かかる手摺壁の上方に、プランターボックス、植木鉢その他の植栽容器を設置するための構造体として構成される。
図1〜図13は、かかる構造体の一実施形態を示している。
本発明が適用されるバルコニーにおいては、手摺支柱11が、バルコニーの周部に配置された梁材21の上に立設される。梁材21は、例えばH形鋼等の鋼材からなる構造材として設置され、植栽を含めたバルコニーの荷重を支持し得る十分な強度を備えている。
手摺支柱11それ自体も、鋼材等により形成されて、実用上、剛体とみなし得る強度を有する。例示の手摺支柱11は、図2、図5、図6等に示すように、その主部が一定幅の細長い平鋼からなり、その平鋼の厚みを見付け(手摺壁1の延設方向に平行な見え掛り)とする姿勢で、梁材21の屋外側の辺縁に沿って適宜間隔で配置される。
手摺支柱11の下端は、略矩形の基板23の上面に側面略L字形の補強板24が溶着された鋼製の柱脚部材25と、複数組のボルト・ナット26とを介して、梁材21の上フランジに接合される。この接合箇所は剛節とみなすことができる。
手摺支柱11の中間部2か所には、鋼板からなる正面視矩形の屋外壁係止片12が、手摺支柱11の両側面から手摺壁1の延設方向に張り出すように溶着されている。屋外壁係止片12の両突出端は、屋内側に向けて短く屈曲されている。
また、手摺支柱11の下端寄りには、鋼製の屋内壁支持具13が取り付けられている。屋内壁支持具13は、屋内側の壁材(後述する屋内側の壁パネル32)の下端面を受け止めて支持する正面視略L字形の屋内壁受部14を有しており、その垂下片15がボルト・ナット16を介して、手摺支柱11の左右両側面に綴着されている。このボルト・ナット16を緩めると、屋内壁支持具13は屋内側に傾倒する。屋内壁受部14の上面には、起立片17が溶着されている。
また、手摺支柱11の上端には、適宜長さの平鋼からなる手摺壁天端固定板18が、その長辺を手摺壁1の延設方向に向けて、水平に溶着されている。
壁材には、例えばセメント系材料やセラミック系材料等を押出成形するなどして所定の形状に加工した壁パネル31、32が用いられる。例示の壁パネル31、32は、オモテ面に天然石材や煉瓦等の質感を模した適宜の起伏模様が形成され、厚み方向における中間部分には上下方向に連通する複数個の中空孔が形成されたものである。壁パネル31、32の幅寸法は、手摺支柱11の配置間隔に対応しており、この壁パネル31、32が、手摺壁1の屋内外両面に、互いのウラ面同士を対向させて取り付けられる。
屋外側の壁パネル31は、そのウラ面の四隅近傍に取り付けた取付金具33によって、手摺支柱11の屋外壁係止片12に係着される。取付金具33は、鋼板をプレス加工するなどして形成され、その片側端がフック状に屈曲されている。この取付金具33は、壁パネル31のウラ面を貫通するボルト34を用いて、壁パネル31の中空孔内に挿入されたバネ板片付きのナット金具35と結合されている。
この屋外側の壁パネル31が、その下端面を柱脚部材25の基板23の屋外側張出部分の上に載せ、そのウラ面を手摺支柱11の屋外壁係止片12に当接させるようにして、隣接する手摺支柱11間に建て込まれる。そして、取付金具33が屋外壁係止片12の突出端に係止され、その状態でボルト34が締結されることにより、壁パネル31が手摺支柱11の屋外側に固定される。
屋内側の壁パネル32は、そのウラ面の下部両隅近傍に取り付けた取付金具36によって、手摺支柱11の屋内壁支持具13に係着されるとともに、ウラ面の上部両隅近傍に取り付けた取付金具37によって、手摺支柱11の手摺壁天端固定板18に固定される。下部の取付金具36は、鋼板を折曲して形成され、その下端が下向きに開閉するクリップ状に屈曲されている。また、上部の取付金具37は、鋼板をL字形に折曲して形成され、その水平部分を上にして壁パネル32に取り付けられている。上下いずれの取付金具36、37も、壁パネル32のウラ面を貫通するボルト34を用いて、壁パネル32の中空孔内に挿入されたバネ板片付きのナット金具35と結合されている。
この屋内側の壁パネル32が、その下端面を屋内壁支持具13の屋内壁受部14の上に載せ、取付金具36のクリップ状部分で屋内壁支持具13の起立片17を挟持するようにして、隣接する手摺支柱11間に建て込まれる。そして、上部の取付金具37の水平部分を、手摺支柱11の上端に溶着された手摺壁天端固定板18にボルト38で綴着することにより、壁パネル32が手摺支柱11の屋内側に固定される。
このようにして屋内外両面に壁パネル31、32を建て込んだ手摺壁1においては、手摺支柱11の位置に壁パネル31、32の縦目地が形成される。縦目地の幅は、手摺支柱11を構成する平鋼の厚さと略同寸になる。
笠木部材41は、例えば長尺の金属薄板を折曲し、防錆・耐候処理を施すなどして形成された一様断面の部材である。笠木部材41の天面は、孔や切れ目のない平滑面で、屋内側に向けて緩く下降傾斜する水勾配が形成されている。この笠木部材41は、屋内外両面の壁パネル31、32の天端を覆うようにして、手摺支柱11の上端に溶着された手摺壁天端固定板18に適宜の下地金具42を介して取り付けられ、手摺壁1の延設方向に沿って連続するように設置される。
本発明の要部は、このような手摺壁1が設けられたバルコニーにおいて、手摺壁1の屋外側に添え柱51が取り付けられ、その添え柱51が手摺壁1よりも上方に立ち上げられて、その立ち上がり部分に取り付けられた植栽受梁によって手摺壁1の直上に植栽容器が支持される構造にある。
添え柱51は、手摺支柱11の上端近傍と中間部分の2か所から屋外側に延び出した持出しアーム52を介して、屋外側の壁パネル31の屋外側に、壁パネル31のオモテ面から若干離れて保持される。持出しアーム52は、手摺支柱11と同じ厚さの平鋼からなる板片で、手摺支柱11と同一平面をなすように、手摺支柱11の屋外側見付け面に溶着されている。持出しアーム52の先端は、屋外側の壁パネル31のオモテ面よりも数cm程度、屋外側に突出している。この持出しアーム52は、ちょうど屋外側の壁パネル31の縦目地の位置から屋外側に延び出すことになるので、壁パネル31、32の納まりに対しては何ら影響を及ぼさない。縦目地には、防水のためのシーリング材(図示せず)が、持出しアーム52の延出部分を挟むようにして充填される。また、持出しアーム52の上縁および下縁には、屋外側に向けて緩く下降傾斜する水勾配が形成されている。
添え柱51は、同幅の平鋼を2枚一組にして構成される。同一形状の2枚の平鋼が、持出しアーム52の先端を両側から挟むようにして、複数本のボルト・ナット53により持出しアーム52に綴着されている。このような構造の添え柱51を採用することにより、構造的な強度を保持しつつ、その外観を細身で軽快な印象にすることができるので、手摺壁1の屋外側の外観に及ぼす視覚的な影響が最小限に抑えられる。添え柱51の下端は下側の持出しアーム52の下縁付近に配置され、上端は手摺壁1の2倍前後の高さまで立ち上げられている。
添え柱51の立ち上がり部分には、植栽受梁を取り付けるためのブラケット61、65が、上下2段に取り付けられている。上段のブラケット61は、添え柱51の上端から屋内側に向けて水平にせり出す底受板62と、底受板62の上面に、略一定の高さで上面視T字状に起立する背板63および仕切り板64を有している。それらは鋼板より形成されて互いに溶着されるとともに、底受板62の下面が添え柱51の上端に溶着されている。
下段のブラケット65は、添え柱51の中間部分から屋内側に向けてせり出す仕切り板66と、仕切り板66の下縁に沿って屋内側および屋外側の2か所から左右に水平に張り出す底受板67、68と、屋外側の底受板68の屋外側縁部から添え柱51の屋内側見付け面に沿って仕切り板66と同じ高さまで起立する背板69と、を有している。それら各部は鋼板より形成されて互いに溶着されており、仕切り板66の端部が添え柱51を構成する2枚の平鋼の間に挟み込まれた状態で、添え柱51に溶着されている。
これら持出しアーム52、添え柱51、およびブラケット61、65は、鋼材の溶着およびボルト・ナット53の綴着によって強固に接合され、実用上、手摺支柱11と一体の剛体とみなし得る強度を有する。
植栽受梁71は、一定の幅で上向きに開口する溝形の部材であり、鋼板を折曲するか、あるいは既製規格の軽量溝形鋼を適宜の長さに切寸するなどして形成される。植栽受梁71の幅はブラケット61、65のせり出し長さと同程度か、それよりもわずかに大きい寸法となされ、ブラケット61、65および植栽受梁71の屋内側の端縁が手摺壁1の屋内側の壁面よりも屋内側にせり出さないように設定されている。植栽受梁71の長さは添え柱51の配置間隔に対応しており、その両端部が上段のブラケット61の底受板62または下段のブラケット65の底受板67、68の上に載置されて、隣接する添え柱51間に架け渡される。そして、植栽受梁71の屋外側の側面部72が上段のブラケット61の背板63または下段のブラケット65の背板69にボルト・ナット74で綴着されるとともに、底面部73がブラケット61、65の底受板62、67にボルト・ナット75で綴着される。こうして、隣接する添え柱51同士が植栽受梁71を介して手摺壁1の延設方向に連結されることにより、手摺支柱11と一体化された枠状の構造体が形成されて、この構造体が高い荷重支持力を発揮する。
添え柱51には、その屋外側に、鋼材よりも錆びにくい金属材料(例えばアルミ合金、ステンレス鋼、伸銅、チタン等)からなる添え柱カバー81が取り付けられている。図10および図11に示すように、添え柱カバー81は横断面略L字形をなすカバー半体82を対にして構成される。各カバー半体82は、添え柱51を構成する平鋼の厚さよりも幅の広い見付け面部83と、見付け面部83よりもさらに幅の広い見込み面部84と、見付け面部83の辺縁から屋内側に短く張り出すリップ部85と、を有している。この添え柱カバー81が、添え柱51の屋外側見付け面および両外側面を隠すようにして添え柱51に被せられ、スペーサー86と固定ねじ87を介して添え柱51に固定される。この添え柱カバー81は、鋼材からなる添え柱51の武骨な外観を隠して、軽快で繊細な印象を創出する。
添え柱カバー81の見込み面部84には、丸棒状に形成された複数本の横桟材88が、隣接する添え柱51間に架け渡すようにして、互いに平行に取り付けられている。横桟材88の上下間隔は、小児の頭部が通らないように、おおむね11cm以下に設定されている。
植栽受梁71の上には、プランターボックス、植木鉢その他の植栽容器91が載置される。図12に示した植栽容器91は、平面視長矩形のプランターボックスで、この中に例えば人工の土壌剤92等を入れて植物が植え付けられる。植栽容器91は、錆びにくい軽量の金属材料(例えばアルミ合金やステンレス鋼)や、農芸用途に多用される合成樹脂材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等)、あるいは木質系材料等によって形成される。植栽容器91の幅は植栽受梁71の両側面部72間に納まる寸法に形成され、長さは添え柱51の配置間隔に対応して、植栽受梁71の長さにほぼ揃えられている。短辺側の側板93の下縁は底板94よりも下方に延び出しており、図13に示すように、植栽受梁71の底面部73に載置されたとき、底板94が底面部73から若干浮き上がる。また、底板94の中央付近に略円筒型の水抜き部95が設けられており、この水抜き部95が植栽受梁71の底面部73に形成された丸孔76に嵌まり込むようになっている。
上段の植栽容器91には、例えば図示しない自動灌水装置が接続されるなどして水が供給される。植栽容器91内で余剰になった水は、水抜き部95から鎖樋96を伝って下段の植栽容器91へ流下する。さらに下段の植栽容器91内で余剰になった水は、下段の植栽受梁71の底面部73のウラ側に取り付けられた排水レール97を通って適所に集められ、排水ホース98を経由して、バルコニーの排水路(図示せず)へと排出される。こうして、植栽用の水を笠木部材41の上に落とさないようにすることで、笠木部材41の天面を常時、美麗に維持することができる。植栽受梁71の上に載置した植栽容器91は容易に載せ替えることができるので、土壌剤92の入れ替えや植物の植え替え等のメンテナンスも、一般的なプランターボックス等と同様の手法で、特に不自由なく行うことができる。
このように構成されるバルコニーの緑化構造によれば、手摺壁1の上方に、手摺壁1の厚さと同程度の幅の植栽用土壌を保持したボリューム感のある緑化面を形成することができる。植栽容器91を支持する構造体は、鋼材により形成されて手摺支柱11と一体化されているので、手摺壁1の上方に庇や上階バルコニー等を設けて連結せずとも、それ自体で十分な荷重支持強度を発揮する。
手摺壁1の上方に形成される緑化面は、屋内のプライバシーと防犯性の確保に寄与する。その緑化面は、建物の屋内側だけでなく屋外側からも鑑賞することができるので、建物全体の外観や緑視率(路上に立った人の視野に占める草木の緑の割合。街並み等を対象とする景観の指標として用いられる。)の向上にも貢献して、周辺環境に配慮した建物であることを外部にアピールすることができる。また、四季を通じての視覚的効果だけでなく、特に夏季においては、屋外および手摺自体からの輻射熱を遮蔽する作用や、散水の気化熱と植栽の隙間を抜ける風でバルコニーおよび屋内の温度上昇を抑制する作用により、心地よい冷涼感を得ることができる。
植栽容器91と、それを支持する構造体は、手摺壁1の屋内側の壁面よりも屋内側にせり出さないように設置されるので、バルコニーの内側が窮屈になることも避けられる。
また、植栽容器91と、それを支持する構造体は、手摺壁1の笠木部材41と一切、接触しないように設置されるので、少なくとも植栽容器91の設置範囲内では、笠木部材41の天面に、他部材との取り合いによる貫通部や接合部など、防水上、不連続になる箇所(適正に防水処理された笠木部材41自体の継手箇所は除く。)が生じることも避けられる。したがって、笠木部材41の施工性や、手摺壁1の天端周りの防水性も好適に保持される。
さらに、植栽容器91を支持する構造体と手摺支柱11とを結合する持出しアーム52は、壁パネル31の縦目地内に配置されるので、壁パネル31、32の施工性や壁面の防水性にも特に影響は及ばない。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。前述した実施の形態は一例であり、本発明は、前述した実施の形態と実質的に同様の作用効果が得られる範囲において、細部を適宜改変して実施することができる。
例えば、手摺支柱11と建物躯体との接合構造は、手摺支柱11が梁材21その他の構造材と一体化される範囲において任意であり、その手摺支柱11に取り付けられる壁パネル31、32の材質、断面形状、手摺支柱11への固定構造も、特に限定されるものではない。手摺支柱11から屋外側に延び出す持出しアーム52の位置および本数、持出しアーム52と添え柱51との接合形態、添え柱51とブラケット61、65との接合形態、ブラケット61、65と植栽受梁71との接合形態、ブラケット61、65および植栽受梁71の段数等についても、植栽容器91を支持する構造体としての全体的な強度をバランスよく確保し得る限りにおいて任意である。添え柱カバー81の断面形状、添え柱51と添え柱カバー81との取付形態、隣接する添え柱51の間に架け渡される横桟材88の断面形状や本数、植栽容器91の形状および植栽受梁71上での載置形態等についても、実用的な強度および安全性を確保しつつ、バルコニー周りの外観や利用者の嗜好等に応じて適宜、設計することができる。
1 手摺壁
11 手摺支柱
21 梁材(構造材)
25 柱脚部材
31 屋外側の壁パネル(壁材)
32 屋内側の壁パネル(壁材)
41 笠木部材
51 添え柱
52 持出しアーム
61 上段のブラケット
65 下段のブラケット
71 植栽受梁
81 添え柱カバー
88 横桟材
91 植栽容器

Claims (4)

  1. バルコニーの周部の少なくとも一辺に沿って複数本の手摺支柱が適宜間隔で立設され、
    前記手摺支柱の屋外側および屋内側に壁材が取り付けられ、
    前記手摺支柱および前記壁材の天端に笠木部材が取り付けられて、
    適宜の高さおよび厚さを有する手摺壁が設けられたバルコニーにおいて、
    前記手摺壁の上方に植栽容器が設置されるバルコニー手摺の緑化構造であって、
    前記手摺支柱は、鋼材からなり、その柱脚部がバルコニーの周部に配置された構造材に剛接合され、
    前記手摺支柱から持出しアームが延び出して、その先端が前記手摺壁の屋外側の壁面よりも外方まで突出し、
    前記持出しアームに添え柱が接合されて、該添え柱の上部が前記笠木部材よりも上方まで立ち上がり、
    前記添え柱の上部に、ブラケットが、屋内側に向けてせり出すように接合され、
    前記持出しアーム、前記添え柱、および前記ブラケットは、鋼材により形成されて前記手摺支柱と一体化され、
    隣接する添え柱の前記ブラケット間に植栽受梁が架け渡され、
    前記植栽受梁に前記植栽容器が載置されたことを特徴とするバルコニーの緑化構造。
  2. 請求項1に記載されたバルコニーの緑化構造において、
    前記ブラケットおよび前記植栽受梁は、それらの屋内側の端縁が前記手摺壁の屋内側の壁面よりも屋内側にせり出さない大きさに形成されて、上下方向に適宜の間隔を設けて複数段、設置されるとともに、
    最下段のブラケットおよび植栽受梁は前記笠木部材と接触しない高さに設置されて、
    前記笠木部材が、その天面に防水上の不連続箇所を設けない状態で手摺壁の延設方向に連続するように設置されたことを特徴とするバルコニーの緑化構造。
  3. 請求項1または2に記載されたバルコニーの緑化構造において、
    前記手摺支柱および前記持出しアームが同厚の平鋼により形成されて、該平鋼の厚さを見付けとする姿勢で設置されるとともに、
    前記壁材が前記手摺支柱の配置間隔に対応する幅に形成された壁パネルであり、
    該壁パネルが隣接する手摺支柱間に建て込まれて、前記手摺支柱の位置に前記平鋼の厚さに相当する幅の縦目地が形成され、
    前記持出しアームが前記壁パネルの前記縦目地を通じて屋外側に延び出すことを特徴とするバルコニーの緑化構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたバルコニーの緑化構造において、
    前記添え柱の屋外側に添え柱カバーが取り付けられ、
    前記添え柱カバーの上部に、棒状またはルーバー状に形成された複数本の横桟材が、隣接する添え柱間に架け渡された状態で取り付けられたことを特徴とするバルコニーの緑化構造。
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