JP2017126757A - 永久磁石、モータ、発電機、及び車 - Google Patents

永久磁石、モータ、発電機、及び車 Download PDF

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Abstract

【課題】高Fe濃度の組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石で大きな保磁力を再現性よく発現させることを可能にした永久磁石を提供する。【解決手段】実施形態の永久磁石は、組成式:RpFeqMrCusCo100-p-q-r-s(Rは希土類元素、MはZr、Ti及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、8.0≦p≦13.5、25≦q≦40、0.88≦r≦7.2、3.5≦s≦13.5(原子%)で表される組成と、Th2Zn17型結晶相を有するセル相とセル壁相とTh2Zn17型結晶相のc面に沿って存在するプレートレット相により構成される金属組織とを具備する。永久磁石の保磁力が650kA/m以上であると共に、最大磁気エネルギー積((BH)max)が195kJ/m3以上である。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、永久磁石、モータ、発電機、及び車に関する。
高性能な永久磁石としては、Sm−Co系磁石やNd−Fe−B系磁石等の希土類磁石が知られている。ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle:HEV)や電気自動車(Electric Vehicle:EV)のモータに永久磁石を使用する場合、永久磁石には耐熱性が求められる。HEVやEV用モータには、Nd−Fe−B系磁石のNdの一部をDyで置換して耐熱性を高めた永久磁石が用いられている。Dyは希少元素の一つであるため、Dyを使用しない永久磁石が求められている。
Sm−Co系磁石はキュリー温度が高いため、Dyを使用しない系で優れた耐熱性を示すことが知られており、高温で良好な動作特性の実現が期待されている。ただし、Sm−Co系磁石は室温でNd−Fe−B系磁石に比べて磁化が低く、最大磁気エネルギー積((BH)max)も十分な値を実現することができない。Sm−Co系磁石の磁化を高めるためには、Coの一部をFeで置換すると共に、Fe濃度を高めることが有効である。しかしながら、Fe濃度が高い組成域では、Sm−(Co,Fe)系磁石の保磁力が減少する傾向にある。そこで、Fe濃度が高い組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石において、大きな保磁力を再現性よく発現させることを可能にする技術が求められている。
特開平06−212327号公報
本発明が解決しようとする課題は、Fe濃度が高い組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石で大きな保磁力を再現性よく発現させることを可能にした永久磁石とそれを用いたモータ及び発電機を提供することにある。
実施形態の永久磁石は、
組成式:RpFeqrCusCo100-p-q-r-s
(式中、Rは希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、MはZr、Ti及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素であって、M元素は少なくともZrを含み、p、q、r及びsはそれぞれ原子%で、8.0≦p≦13.5、25≦q≦40、0.88≦r≦7.2、3.5≦s≦13.5を満足する数である)
で表され、セル相とセル壁相とプレートレット相により構成される金属組織を具備する。セル相はTh2Zn17型結晶相を有する。セル壁相はセル相を取り囲むように存在する。プレートレット相は、Th2Zn17型結晶相のc面に沿って存在する。実施形態の永久磁石において、保磁力が650kA/m以上であると共に、最大磁気エネルギー積((BH)max)が195kJ/m以上である。
実施例の永久磁石の金属組織を拡大して示すTEM像である。 比較例の永久磁石の金属組織を拡大して示すTEM像である。 実施形態の永久磁石モータを示す図である。 実施形態の可変磁束モータを示す図である。 実施形態の発電機を示す図である。 Sm−(Co,Fe)系永久磁石のプレートレット相の平均厚さと保磁力との関係を示す図である。 Sm−(Co,Fe)系永久磁石のプレートレット相の平均厚さと残留磁化との関係を示す図である。 Sm−(Co,Fe)系永久磁石のプレートレット相の平均厚さと最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。
以下、実施形態の永久磁石について説明する。この実施形態の永久磁石は、
組成式:RpFeqrCusCo100-p-q-r-s …(1)
(式中、Rは希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、MはZr、Ti及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素であり、p、q、r及びsはそれぞれ原子%で、8.0≦p≦13.5、25≦q≦40、0.88≦r≦7.2、3.5≦s≦13.5を満足する数である)
で表される組成と、セル相とセル壁相とプレートレット相により構成される金属組織とを具備する。セル相はTh2Zn17型結晶相を有する。セル壁相はセル相を取り囲むように存在する。プレートレット相は、Th2Zn17型結晶相のc面に沿って形成される。
R元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)を含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素が使用される。R元素はいずれも永久磁石に大きな磁気異方性をもたらし、高い保磁力を付与するものである。R元素としては、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、及びプラセオジム(Pr)から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、特にSmを使用することが望ましい。R元素の50原子%以上をSmとすることによって、永久磁石の性能、とりわけ保磁力を再現性よく高めることができる。さらに、R元素の70原子%以上がSmであることが望ましい。
R元素の含有量pは8.0原子%以上13.5原子%以下の範囲とする。R元素の含有量pが8原子%未満であると、多量のα−Fe相が析出して十分な保磁力を得ることができない。一方、R元素の含有量が13.5原子%を超えると、飽和磁化の低下が著しくなる。R元素の含有量pは10.2〜13.0原子%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは10.5〜12.5原子%の範囲である。
鉄(Fe)は、主として永久磁石の磁化を担う元素である。Feを多量に含有させることによって、永久磁石の飽和磁化を高めることができる。ただし、Feをあまり過剰に含有させると、α−Fe相の析出や、後述する所望の2相分離組織が得られにくくなるため、保磁力が低下するおそれがある。このため、Feの含有量qは25原子%以上40原子%以下の範囲とする。Feの含有量qは28〜38原子%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは30〜36原子%の範囲である。
M元素としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及びハフニウム(Hf)から選ばれる少なくとも1種の元素が用いられる。M元素を配合することによって、高いFe濃度を有する組成域で大きな保磁力を発現させることができる。M元素の含有量rは0.88原子%以上7.2原子%以下の範囲とする。M元素の含有量rを0.88原子%以上とすることによって、高Fe濃度の組成を有する永久磁石に大きな保磁力を発現させることができる。一方、M元素の含有量rが7.2原子%を超えると、磁化の低下が著しくなる。M元素の含有量rは1.3〜4.3原子%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.6原子%の範囲である。
M元素はTi、Zr、Hfのいずれであってもよいが、少なくともZrを含むことが好ましい。特に、M元素の50原子%以上をZrとすることによって、永久磁石の保磁力を高める効果をさらに向上させることができる。一方、M元素の中でHfはとりわけ高価であるため、Hfを使用する場合においても、その使用量は少なくすることが好ましい。Hfの含有量はM元素の20原子%未満とすることが好ましい。
銅(Cu)は、永久磁石に高い保磁力を発現させるための元素である。Cuの配合量sは3.5原子%以上13.5原子%以下の範囲とする。Cuの配合量sが3.5原子%未満であると、高い保磁力を得ることが困難になる。一方、Cuの配合量sが13.5原子%を超えると、磁化の低下が著しくなる。Cuの配合量sは3.9〜9原子%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは4.2〜7.2原子%の範囲である。
コバルト(Co)は、永久磁石の磁化を担うと共に、高い保磁力を発現させるために必要な元素である。さらに、Coを多く含有させるとキュリー温度が高くなり、永久磁石の熱安定性が向上する。Coの含有量が少なすぎると、これらの効果を十分に得ることができない。ただし、Coの含有量が過剰になると、相対的にFeの含有割合が下がって磁化が低下する。従って、Coの含有量はR元素、M元素及びCuの含有量を考慮した上で、Feの含有量が上記した範囲を満足するように設定される。
Coの一部は、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)から選ばれる少なくとも1種のA元素で置換してもよい。これらの置換元素Aは磁気特性、例えば保磁力の向上に寄与する。ただし、A元素によるCoの過剰な置換は磁化の低下を招くおそれがあるため、A元素による置換量はCoの20原子%以下とすることが好ましい。
この実施形態の永久磁石(Sm−(Co,Fe)系磁石)は、溶体化処理により形成したTbCu7型結晶相(1−7相/高温相)を前駆体とし、これに時効処理を施して形成した相分離組織、すなわちTh2Zn17型結晶相(2−17相)を有するセル相とCaCu5型結晶相(1−5相)等を有するセル壁相とプレートレット相とを備える金属組織を具備している。実施形態のSm−(Co,Fe)系磁石は、焼結体磁石であることが好ましい。セル壁相はセル相を取り囲むように存在し、プレートレット相は2−17相のc面に沿って存在する。セル壁相はセル相の1.2倍以上のCu濃度を有することが好ましく、そのようなセル壁相の代表例として1−5相が挙げられるが、これに限られるものではない。プレートレット相は、例えばTh2Ni17型結晶相を有しており、M元素の濃度がセル相のそれより1.2倍以上の組成領域である。プレートレット相は、例えば2原子%以上のM元素濃度を有している。
この実施形態の永久磁石は、プレートレット相が2.5〜20nmの範囲の平均厚さを有することを特徴としており、これによりFe濃度が高い組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石で大きな保磁力を発現させることを可能にしたものである。すなわち、高Fe濃度の組成域において、プレートレット相の平均厚さを2.5nm以上とすることによって、セル相とセル壁相への相分離が良好に進行するため、Sm−(Co,Fe)系磁石の磁化及び保磁力を高めることができる。プレートレット相の平均厚さは3nm以上であることが好ましく、さらには5nm以上であることがより好ましい。ただし、プレートレット相の厚さが厚すぎると保磁力が逆に低下するため、プレートレット相の平均厚さは20nm以下とする。プレートレット相の平均厚さは15nm以下であることが好ましく、さらには10nm以下であることがより好ましい。
Sm−(Co,Fe)系磁石におけるFe濃度とプレートレット相の厚さとの関係について詳述する。一般的に、Sm−(Co,Fe)系磁石では時効処理時に生成するサブミクロンオーダの複雑な相分離組織が高磁力源であることが知られている。そのため、微細金属組織を制御することが必須である。前駆体である1−7相に時効処理を施すことにより引き起こされる相分離は、2段階の過程を経る。例えば、800℃程度の高温保持時に初めの相分離が起きて、プレートレット相が形成される。プレートレット相は高濃度のM元素を含有する。その後の徐冷工程において、スピノーダル分解による二段階目の相分離が起き、Fe及びCu元素の相互拡散によって、高Fe濃度の2−17相(セル相)とそれを取り囲むような形で存在する高Cu濃度の1−5相(セル壁相)が形成される。
2−17相(セル相)は高磁化を発現する結晶構造であり、かつ高Fe濃度を有することから、実施形態の永久磁石の高い飽和磁化を担うものである。一方、セル壁相は磁壁ピニングサイトとして働くことによって、磁壁移動を妨げて保磁力を発現させるものである。磁壁ピニングの物理的機構については、未だ明らかにされていない点も残されているが、セル壁相中に高濃度のCuを均一に分布させることが、高保磁力の発現に有効であることが実験的に確認されている。さらに、セル壁相に対してセル相が十分な体積分率となるように組織制御することで、飽和磁化が増大する。以上のことから、Sm−(Co,Fe)系磁石の高磁力化には、スピノーダル分解時に生じるFeとCuの相互拡散の活性化させ、高い濃度差と長い濃度揺らぎ波長を得ることが重要である。
FeとCuの相互拡散において、プレートレット相は拡散経路として働くと考えられている。そのため、従来はZr、Ti、Hf等のM元素の濃度を増大することによって、プレートレット相の厚膜化が図られてきた。しかしながら、これは従来のFe組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石には効果的であるものの、高Fe濃度の組成を有するSm−(Co,Fe)系磁石では、その限りではないことが明らかとなった。すなわち、Fe濃度の増大によりM元素の固溶限が低下するため、M元素を豊富に含む合金異相が生成しやすくなる。その結果、Fe濃度が高い組成域では、従来の組成に比べて添加可能なM元素の量が低下する。従って、Sm−(Co,Fe)系磁石中のプレートレット相の体積比率が減少し、FeとCuの相互拡散が不十分になることが考えられる。
高Fe濃度の焼結体からなるSm−(Co,Fe)系磁石(焼結磁石)において、プレートレット相の体積比率を高める、すなわち厚膜化するためには、M元素をより効果的に結晶中に取り込むことが重要となる。そのためには、高Fe濃度の磁性体粉末(合金粉末)の焼結工程における雰囲気や冷却速度等を制御することが有効である。一般的に、Sm−Co系磁石の焼結は、Arガス等の不活性ガス雰囲気中や真空雰囲気中で行なわれる。不活性ガス雰囲気中で焼結した場合、高揮発性のSm等の揮発を抑制することができ、組成変化が小さいという利点がある。しかし、不活性ガス雰囲気中では異相が生じすく、また不活性ガスがポア中に残存することでポアが消滅しにくく、焼結体を高密度化することが難しい。一方、真空雰囲気中で焼結した場合には、異相の生成が抑えられることが明らかとなった。ただし、真空雰囲気中ではSm等の揮発量が多くなり、焼結体の組成を永久磁石として適切な合金組成に制御することが難しい。
このような点に対して、真空雰囲気中で前処理工程(仮焼結工程)を実施した後、Arガス等の不活性ガス雰囲気中で最終的な焼結工程(本焼結工程)を行うことが有効である。このような真空雰囲気中での仮焼結工程と不活性ガス雰囲気中での本焼結工程とを有する焼結工程を適用することによって、高Fe濃度の組成域で異相の生成やSm等の揮発を抑制しつつ、例えば密度が8.2g/cm3以上の高密度の焼結体を得ることができる。さらに、真空雰囲気中での仮焼結後に急冷し、不活性ガス雰囲気中で本焼結工程及び溶体化処理工程を経た後に、時効処理工程を実施することによって、最終的なスピノーダル分解前の焼結体中のプレートレット相を厚膜化することができる。
真空雰囲気中での仮焼結後に急冷することによって、仮焼結体中に多量の空孔が導入される。このような仮焼結体を不活性ガス雰囲気中で本焼結して空孔を消滅することで、Sm等のR元素の濃度分布が生じる。高密度化した焼結体に時効処理を施すことで、結晶の自由エネルギーが不安定であるために相分離が起きやすく、さらにプレートレット相がエネルギー的に安定になるために生成しやすくなる。具体的には、高Fe濃度の組成域において、2.5〜20nmの範囲の平均厚さを有するプレートレット相を得ることできる。そして、時効処理工程における冷却時に、そのような厚膜状態のプレートレット相を拡散経路としてFeとCuの相互拡散が生じるため、セル相とセル壁相への相分離を効果的に進行させることができる。
プレートレット相は、最終的に2−17相のc面に沿って存在する。図1は後述する実施例1の焼結磁石の金属組織を拡大して示す透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)像、図2は比較例1の焼結磁石の金属組織を拡大して示すTEM像である。図1に及び図2においては、セル相、セル壁相及びプレートレット相を矢印で示している。図1のプレートレット相は図2に比べて明瞭であり、かつ厚さも厚いことが分かる。
上述したように、実施形態の永久磁石は平均厚さが2.5〜20nmの範囲のプレートレット相を有しており、そのようなプレートレット相に基づいてセル相とセル壁相への相分離を効果的に進行させることを可能にしたものである。そして、高Fe濃度のセル相で磁化を向上させつつ、セル相とセル壁相への相分離を促進することで高保磁力を付与したSm−(Co,Fe)系永久磁石(焼結磁石)を実現することができる。すなわち、この実施形態によれば、高保磁力と高磁化とを両立させたSm−(Co,Fe)系永久磁石を提供することが可能となる。実施形態の永久磁石の保磁力は650kA/m以上であることが好ましく、さらに好ましくは800kA/m以上である。永久磁石の残留磁化は1.15T以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.17T以上である。
この実施形態の永久磁石において、相分離組織を有する金属組織の観察は、例えばTEMを用いて行うことができる。TEM観察は200k倍の倍率で行うことが好ましい。磁場配向させた焼結体からなる永久磁石に対して、セル相である2−17相のc軸を含む断面のTEM観察を行う。プレートレット相は、セル相より1.2倍以上のM元素濃度を有する領域である。各相における元素の組成分析には、エネルギー分散型X線分光法(TEM−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:TEM−EDX)等の半定量的測定が適用できる。
TEM−EDXを用いる場合、TEM像に2−17相のc軸に対して平行、すなわちプレートレット相に対して垂直に直線を引き、その直線とプレートレット相との交点を20点以上選択する。直線は複数用いる。また、TEM像により識別可能な全てのプレートレット相において、それぞれ少なくとも1つの交点を持つようにする。各交点において、20点ずつ元素分析を行い、元素毎に最大値と最小値を除いた測定値の平均値を求め、この平均値を各元素の濃度とする。そして、セル相より1.2倍以上のM元素濃度を有する領域の幅を求め、それらの平均値をプレートレット相の平均厚さとする。プレートレット相の厚さは、2−17相のc軸方向の厚さと定義する。
TEMやTEM−EDXによる測定は、焼結体の内部に対して行う。焼結体内部の測定とは、以下に示す通りである。磁化容易軸面における最長の辺の中央部において、辺に垂直(曲線の場合は中央部の接線と垂直)に切断した断面の表面部と内部とで組成を測定する。測定箇所は、上記断面において各辺の1/2の位置を始点として、辺に対し垂直に内側に向けて端部まで引いた基準線1と、各角部の中央を始点として角部の内角の角度の1/2の位置で内側に向けて端部まで引いた基準線2とを設け、これら基準線1、2の始点から基準線の長さの1%の位置を表面部、40%の位置を内部と定義する。角部が面取り等で曲率を有する場合、隣り合う辺を延長した交点を辺の端部(角部の中央)とする。この場合、測定箇所は交点からではなく、基準線と接した部分からの位置とする。
測定箇所を以上のようにすることによって、例えば断面が四角形の場合、基準線は基準線1及び基準線2でそれぞれ4本の合計8本となり、測定箇所は表面部及び内部でそれぞれ8箇所となる。この実施形態においては、表面部及び内部でそれぞれ8箇所全てが上記した組成範囲内であることが好ましいが、少なくとも表面部及び内部でそれぞれ4箇所以上が上記した組成範囲内となればよい。この場合、1本の基準線での表面部及び内部の関係を規定するものではない。このように規定される焼結体内部の観察面を研磨して平滑にした後に観察を行う。例えば、TEM−EDXの観察箇所は、セル相内及びセル壁相内の任意の20点とし、これら各点での測定値から最大値と最小値を除いた測定値の平均値を求め、この平均値を各元素の濃度とする。TEMの測定もこれに準ずる。
この実施形態の永久磁石は、例えば以下のようにして作製される。まず、所定量の元素を含む合金粉末を作製する。合金粉末は、アーク溶解法や高周波溶解法による溶湯を鋳造して得られた合金インゴットを粉砕して調製される。合金粉末はストリップキャスト法でフレーク状の合金薄帯を作製した後に粉砕して調製してもよい。ストリップキャスト法では、合金溶湯を周速0.1〜20m/秒で回転する冷却ロールに傾注し、連続的に厚さ1mm以下の薄帯を得ることが好ましい。冷却ロールの周速が0.1m/秒未満であると薄帯中に組成のばらつきが生じやすく、周速が20m/秒を超えると結晶粒が単磁区サイズ以下に微細化し、良好な磁気特性が得られない。
合金粉末の他の調製方法としては、メカニカルアロイング法、メカニカルグラインディング法、ガスアトマイズ法、還元拡散法等が挙げられ、これらの方法で調製した合金粉末を用いてもよい。このようにして得られた合金粉末又は粉砕前の合金に対し、必要に応じて熱処理を施して均質化してもよい。フレークやインゴットの粉砕はジェットミルやボールミル等を用いて実施される。粉砕は合金粉末の酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気中や有機溶媒中で行うことが好ましい。
次に、電磁石等の中に設置した金型内に合金粉末を充填し、磁場を印加しながら加圧成型することによって、結晶軸を配向させた圧縮成形体を作製する。この圧縮成形体を適切な条件下で焼結することによって、高密度を有する焼結体を得ることができる。圧縮成形体の焼結工程は、前述したように真空雰囲気中での仮焼結工程と不活性ガス雰囲気中での本焼結工程とを有することが好ましい。本焼結温度は1215℃以下であることが好ましい。Fe濃度が高いと融点の低下が予測されるため、本焼結温度が高すぎるとSm等の揮発が生じやすくなる。本焼結温度は1205℃以下がより好ましく、さらに好ましくは1195℃以下である。ただし、焼結体を高密度化するために、本焼結温度は1170℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは1180℃以上である。
不活性ガス雰囲気中での本焼結工程において、上記した本焼結温度による焼結時間は0.5〜15時間とすることが好ましい。これによって、緻密な焼結体が得られる。焼結時間が0.5時間未満の場合、焼結体の密度に不均一性が生じる。また、焼結時間が15時間を超えると、合金粉末中のSm等が揮発することによって、良好な磁気特性を得ることができないおそれがある。より好ましい焼結時間は1〜10時間であり、さらに好ましくは1〜4時間である。本焼結工程はArガス等の不活性ガス雰囲気中で実施する。
Fe濃度が高い合金粉末の圧縮成形体を高密度な焼結体とするためには、本焼結工程の前に真空雰囲気中で仮焼結工程を実施することが好ましい。さらに、本焼結温度に近い温度まで真空雰囲気を維持することが好ましい。具体的には、真空雰囲気中での仮焼結温度は、本焼結温度より50℃低い温度以上で本焼結温度以下の温度範囲とすることが好ましい。仮焼結温度が本焼結温度より50℃を超えて低い温度になると、焼結体を十分に高密度化できないおそれがあると共に、異相の生成を十分に抑制することができず、磁化が低下するおそれがある。仮焼結温度は本焼結温度より40℃低い温度以上とすることがより好ましい。ただし、真空雰囲気中での仮焼結温度が本焼結温度を超えると、Sm等が揮発して磁気特性が低下するため、仮焼結温度は本焼結温度以下に設定することが好ましい。
仮焼結工程における真空雰囲気(真空度)は9×10-2Pa以下とすることが好ましい。仮焼結工程の真空度が9×10-2Paを超えると、Sm等のR元素の酸化物が過剰に形成され、磁気特性が低下するおそれがある。仮焼結工程の真空度は5×10-2Pa以下とすることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-2Pa以下である。また、仮焼結温度における保持時間は60分以内とすることが好ましい。そして、真空雰囲気中で仮焼結した後、800℃以上の温度から室温まで急冷する。このような急冷工程を実施した後に、本焼結工程、溶体化処理工程、時効処理工程を行うことによって、プレートレット相を厚膜化することができる。仮焼結後の冷却速度は5℃/秒以上とすることが好ましい。冷却速度は10℃/以上がより好ましく、15℃/秒以上がさらに好ましい。高温から低温まで仮焼結体を急冷することで、仮焼結体中に多量の空孔が含まれるため、結晶の自由エネルギーが不安定となり、続いて行う時効処理時に相分離が生じやすくなる。
次に、得られた焼結体に溶体化処理及び時効処理を施して結晶組織を制御する。溶体化処理は相分離組織の前駆体である1−7相を得るために、1100〜1200℃の範囲の温度で0.5〜40時間熱処理することが好ましい。1100℃未満の温度及び1200℃を超える温度では、溶体化処理後の試料中の1−7相の割合が小さくなり、良好な磁気特性が得られない。溶体化処理温度は1110〜1190℃の範囲がより好ましく、さらに好ましくは1120℃〜1180℃の範囲である。溶体化処理時間が0.5時間未満の場合、構成相が不均一になりやすい。40時間を超えて溶体化処理を行うと、焼結体中のSm等のR元素の揮発量が増大する。溶体化処理時間は1〜12時間の範囲がより好ましく、さらに好ましくは1〜8時間の範囲である。溶体化処理は酸化防止のために、真空雰囲気中やArガス等の不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
次いで、溶体化処理後の焼結体に時効処理を施す。時効処理は結晶組織を制御して磁石の保磁力を高める処理である。時効処理は、700〜900℃の温度で0.5〜80時間保持した後、0.2〜2℃/分の冷却速度で400〜650℃の温度まで徐冷し、引き続いて室温まで冷却することが好ましい。時効処理は、二段階の熱処理により実施してもよい。すなわち、上記した熱処理を一段目とし、400〜650℃の温度まで徐冷した後に、引き続いて二段目の熱処理を行う。二段目の熱処理温度で一定時間保持した後、炉冷により室温まで冷却する。時効処理は酸化防止のために、真空雰囲気中やArガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
時効処理温度が700℃未満又は900℃を超える場合には、均質なセル相とセル壁相との混合組織を得ることができず、永久磁石の磁気特性が低下するおそれがある。時効処理温度は750〜880℃であることがより好ましく、さらに好ましくは780〜850℃である。時効処理時間が0.5時間未満の場合には、1−7相からセル壁相の析出が十分に完了しないおそれがある。一方、保持時間が80時間を超える場合には、セル壁相が厚くなることでセル相の体積分率が低下する。また、結晶粒が粗大化することで、良好な磁気特性が得られないおそれがある。時効処理時間は4〜60時間であることがより好ましく、さらに好ましくは8〜40時間である。
時効処理後の冷却速度が0.2℃/分未満の場合には、セル壁相が厚くなることでセル相の体積分率が低下する。また、結晶粒が粗大化することで、良好な磁気特性が得られないおそれがある。時効処理後の冷却速度が2℃/分を超えると、均質なセル相とセル壁相との混合組織を得ることができず、永久磁石の磁気特性が低下するおそれがある。時効処理後の冷却速度は0.4〜1.5℃/分の範囲とすることより好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.3℃/分の範囲である。時効処理は二段階の熱処理に限らず、より多段階の熱処理としてもよく、さらに多段の冷却を実施することも有効である。また、時効処理の前処理として、時効処理よりも低い温度でかつ短時間の予備的な時効処理(予備時効処理)を施すことも有効である。
この実施形態の永久磁石は、各種モータや発電機に使用することができる。さらに、可変磁束モータや可変磁束発電機の固定磁石や可変磁石として使用することができる。この実施形態の永久磁石を用いることによって、各種のモータや発電機が構成される。この実施形態の永久磁石を可変磁束モータに適用する場合、可変磁束モータの構成やドライブシステムには、特開2008−29148号公報や特開2008−43172号公報に開示されている技術を適用することができる。
次に、実施形態のモータと発電機について、図面を参照して説明する。図3は実施形態による永久磁石モータを示している。図3に示す永久磁石モータ1において、ステータ(固定子)2内にはロータ(回転子)3が配置されている。ロータ3の鉄心4中には、実施形態の永久磁石5が配置されている。実施形態の永久磁石の特性等に基づいて、永久磁石モータ1の高効率化、小型化、低コスト化等を図ることができる。
図4は実施形態による可変磁束モータを示している。図4に示す可変磁束モータ11において、ステータ(固定子)12内にはロータ(回転子)13が配置されている。ロータ13の鉄心14中には、実施形態の永久磁石が固定磁石15及び可変磁石16として配置されている。可変磁石16の磁束密度(磁束量)は可変することが可能とされている。可変磁石16はその磁化方向がQ軸方向と直交するため、Q軸電流の影響を受けず、D軸電流により磁化することができる。ロータ13には磁化巻線(図示せず)が設けられている。この磁化巻線に電気回路から電流を流すことによって、その磁界が直接に可変磁石16に作用する構造となっている。
実施形態の永久磁石によれば、固定磁石15に好適な保磁力を得ることができる。実施形態の永久磁石を可変磁石16に適用する場合には、前述した製造方法の各種条件(時効処理条件等)を変更することによって、例えば保磁力を100〜500kA/mの範囲に制御すればよい。なお、図4に示す可変磁束モータ11においては、固定磁石15及び可変磁石16のいずれにも実施形態の永久磁石を用いることができるが、いずれか一方の磁石に実施形態の永久磁石を用いてもよい。可変磁束モータ11は、大きなトルクを小さい装置サイズで出力可能であるため、モータの高出力・小型化が求められるハイブリッド車や電気自動車等のモータに好適である。
図5は実施形態による発電機を示している。図5に示す発電機21は、実施形態の永久磁石を用いたステータ(固定子)22を備えている。ステータ(固定子)22の内側に配置されたロータ(回転子)23は、発電機21の一端に設けられたタービン24とシャフト25を介して接続されている。タービン24は、例えば外部から供給される流体により回転する。なお、流体により回転するタービン24に代えて、自動車の回生エネルギー等の動的な回転を伝達することによって、シャフト25を回転させることも可能である。ステータ22とロータ23には、各種公知の構成を採用することができる。
シャフト25はロータ23に対してタービン24とは反対側に配置された整流子(図示せず)と接触しており、ロータ23の回転により発生した起電力が発電機21の出力として相分離母線及び主変圧器(図示せず)を介して、系統電圧に昇圧されて送電される。発電機21は、通常の発電機及び可変磁束発電機のいずれであってもよい。なお、ロータ23にはタービン24からの静電気や発電に伴う軸電流による帯電が発生する。このため、発電機21はロータ23の帯電を放電させるためのブラシ26を備えている。
次に、実施例及びその評価結果について述べる。
(実施例1〜6)
各原料を所定の比率で秤量して混合した後、Arガス雰囲気中でアーク溶解して合金インゴットを作製した。合金インゴットを粗粉砕した後、エタノール中に浸してボールミルで微粉砕することによって、永久磁石の原料粉末としての合金粉末(磁性体粉末)を調製した。合金粉末を磁界中でプレス成型して圧縮成形体を作製した。次に、合金粉末の圧縮成形体を焼成炉のチャンバ内に配置し、チャンバ内の真空度が9.0×10-3Pa以下の真空状態となるまで排気した。この状態でチャンバ内の温度を1160℃まで昇温し、その温度で5分間保持して仮焼結した後、チャンバ内にArガスを導入して急冷した。この際、Arガスの導入量を増やすと共に、輻射熱を低減することによって、焼結体の急冷速度を高めた。冷却速度はおよそ10℃/秒であった。続いて、Ar雰囲気としたチャンバ内の温度を1195℃まで昇温し、その温度で3時間保持して本焼結を行った。
本焼結工程に引き続いて、焼結体を1140〜1150℃で4時間保持して溶体化処理を行った。次いで、溶体化処理後の焼結体を750℃で2時間保持した後に室温まで徐冷し、さらに852℃で10時間保持した。このような条件下で時効処理を行った焼結体を400℃まで徐冷し、さらに室温まで炉冷することによって、目的とする焼結磁石を得た。焼結磁石の組成は表1に示す通りである。磁石の組成分析はICP法により実施した。分析結果を表1に示す。また、前述した方法にしたがって、プレートレット相の平均厚さを測定した。さらに、焼結磁石の磁気特性をBHトレーサで評価し、保磁力Hcjと残留磁化Mrと(BH)maxと角型とを測定した。これらの結果を表2に示す。
なお、ICP法による組成分析は、以下の手順により行った。まず、乳鉢で粉砕した試料を一定量はかり取り、石英製ビーカに入れる。混酸(硝酸と塩酸を含む)を入れ、ホットプレート上で140℃程度に加熱し、試料を完全に溶解させる。放冷した後、PFA製メスフラスコに移して定容し、試料溶液とする。このような試料溶液に対して、ICP発光分光分析装置を用いて検量線法により含有成分の定量を行う。ICP発光分光分析装置は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製のSPS4000(商品名)を用いた。
(比較例1)
表1に示す組成を有する焼結磁石を、圧縮成形体の真空雰囲気中での仮焼結後の冷却速度をおよそ3℃/秒と遅くする以外は、実施例1と同様にして作製した。得られた焼結磁石のプレートレット相の平均厚さ、保磁力Hcj、残留磁化Mr、(BH)max、角型を、実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表2に併せて示す。
Figure 2017126757
Figure 2017126757
表2から明らかなように、実施例1〜6の焼結磁石はいずれもプレートレット相の厚さが厚く、高磁化及び高保磁力を有していることが分かる。図6にプレートレット相の厚さ(平均厚さ)と保磁力との関係を、図7にプレートレット相の厚さ(平均厚さ)と残留磁化との関係を、図8にプレートレット相の厚さ(平均厚さ)と(BH)maxとの関係を示す。これらの図から明らかなように、プレートレット相の厚さが5nm以下の領域では、保磁力、残留磁化及び(BH)maxはプレートレット相の厚さに対して単調に増加する。プレートレット相の厚さが2.5nm未満であると、保磁力及び残留磁化が共に小さく、十分な磁気特性が得られないことが分かる。
プレートレット相の厚さが5〜10nmの領域において、残留磁化及び(BH)maxはほぼ一定の値をとるが、保磁力はプレートレット相の厚さに大きく依存する。すなわち、プレートレット相の厚さが20nmを超えると、永久磁石として使用可能な保磁力が得られない。これらのことから、プレートレット相の平均厚さは2.5〜20nmの範囲が好ましいことが分かる。また、プレートレット相の体積分率の増大に伴って飽和磁化の低下も懸念されるため、プレートレット相の平均厚さは3〜15nmの範囲がより好ましい。さらに、プレートレット相の平均厚さは、高磁化及び高保磁力のSm−(Co,Fe)系磁石をより安定して得ることが可能な5〜10nmの範囲が望ましい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…永久磁石モータ、2…ステータ、3…ロータ、4…鉄心、5…永久磁石、11…可変磁束モータ、12…ステータ、13…ロータ、14…鉄心、15…固定磁石、16…可変磁石、21…可変磁束発電機、22…ステータ、23…ロータ、24…タービン、25…シャフト、26…ブラシ。

Claims (9)

  1. 組成式:RpFeqrCusCo100-p-q-r-s
    (式中、Rは希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、MはZr、Ti及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素であって、M元素は少なくともZrを含み、p、q、r及びsはそれぞれ原子%で、8.0≦p≦13.5、25≦q≦40、0.88≦r≦7.2、3.5≦s≦13.5を満足する数である)
    で表され、
    Th2Zn17型結晶相を有するセル相と、前記セル相を取り囲むように存在するセル壁相と、前記Th2Zn17型結晶相のc面に沿って存在するプレートレット相により構成される金属組織を具備する永久磁石であって、
    保磁力が650kA/m以上であると共に、最大磁気エネルギー積((BH)max)が195kJ/m以上である、永久磁石。
  2. 前記プレートレット相の平均厚さが2.5nm以上20nm以下の範囲である、請求項1に記載の永久磁石。
  3. 前記プレートレット相の前記M元素の濃度は、前記セル相の前記M元素の濃度の1.2倍以上である、請求項1又は請求項2に記載の永久磁石。
  4. 前記組成式における前記R元素の50原子%以上がSmである、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石。
  5. 前記組成式における前記M元素の50原子%以上がZrである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石。
  6. 前記組成式におけるCoの20原子%以下が、Ni、V、Cr、Mn、Al、Ga、Nb、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種の元素Aで置換されている、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石を具備するモータ。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石を具備する発電機。
  9. 請求項7に記載のモータ又は請求項8に記載の発電機を具備する車。
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