JP2017125998A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次転写外ローラに給電ローラから外部給電する場合に、スリップに起因するトナー飛散と二次転写外ローラの表面劣化とを簡易な構成で抑制する。
【解決手段】二次転写外ローラ25に当接させた給電ローラ26に溝27が形成される。二次転写外ローラ25は回転方向に対し第一角度をなすように表面が研磨された研磨面25cを有する。溝27は、給電ローラ26の回転方向に対し研磨面25cの第一角度を基準として第一角度との差分が±45度以上の第二角度をなしている。溝27は二次転写外ローラ25の毛羽に噛み合い、二次転写外ローラ25と給電ローラ26との間の摩擦力は小さくなり難い。それ故、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とはスリップすることなく回転し得る。これにより、スリップに起因するトナー飛散の抑制と二次転写外ローラの表面劣化の抑制を実現できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機など、電子写真技術を用いた画像形成装置に関する。
従来から、感光ドラムに形成したトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、一次転写により中間転写ベルトに担持されたトナー像を記録材に二次転写する、中間転写方式の画像形成装置が知られている。この画像形成装置では、中間転写ベルトを挟んで二次転写外ローラと当接し二次転写部(ニップ部)を形成する二次転写内ローラに転写電圧が印加されることによって、二次転写が行われる。
上記の二次転写外ローラは導電性の軸部の周面に弾性層が設けられ、弾性層にはイオン導電剤などの導電剤が分散されて導電性が付与されている。ただし、その場合には、転写電圧の印加時間の経過に従って、イオン導電剤内のイオンがローラ表面側又は軸部側の一方に偏るように分極し、電気抵抗が上昇しやすい。電気抵抗が上昇した場合、上昇前と同じ電圧値の転写電圧を印加しても、上昇前と同じ転写電流を二次転写部に流すことが難しくなる。そこで、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐために、二次転写外ローラの表面に当接させた給電ローラから二次転写外ローラに電流を印加して、中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写させる装置が提案されている(特許文献1)。
特開2005−316200号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の画像形成装置は、二次転写外ローラの表面にトナーが付着してそのまま堆積することがあり、その場合、互いに回転する二次転写外ローラと給電ローラとの間に生じる摩擦力は小さくなり得る。給電ローラは二次転写外ローラの回転に従動して回転するので、二次転写外ローラとの摩擦力が小さくなると二次転写外ローラとの間でスリップが生じやすくなる。そして、スリップが生じた際には、スリップ前後で発生する速度差によって、二次転写外ローラに付着しているトナーが飛散されたり、二次転写外ローラの表面が摩耗されたりしやすい。トナー飛散が生じた場合には、記録材などに汚れが目立つようになる。また、二次転写外ローラの表面が摩耗されてしまうと、記録材の搬送力が下がったり二次転写ニップ部での放電挙動が変わったりし得る。その結果、二次転写が適切に行われずに画像不良が生じてしまう。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、二次転写外ローラに当接させた給電ローラに電流を印加(供給)させる外部給電の場合に、スリップに起因するトナー飛散の抑制と二次転写外ローラの表面劣化の抑制とを実現可能な画像形成装置の提供を目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、移動する像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成ユニットと、導電性を有する軸部と、前記軸部の外周に形成された導電剤を含む外周部とを有し、前記像担持体に形成されたトナー像を記録材へ転写する転写部を形成する転写ローラと、前記転写ローラの外側に当接部で当接し、前記転写ローラに電流を供給する回転可能な給電回転体と、を備え、前記給電回転体の表面には所定の方向に延びる溝が形成され、前記転写ローラの外周面には研磨面が形成され、前記当接部において前記溝の形成方向が前記研磨面の研磨方向に対してなす角度の絶対値が、前記給電回転体の回転方向に直交する方向における任意の位置で45度以上である、ことを特徴とする。
本発明によれば、転写ローラに当接させた給電回転体に電流を供給させる外部給電の場合に、スリップに起因するトナー飛散の抑制及び転写ローラの表面劣化の抑制を簡易な構成で実現することができる。
本実施形態の画像形成装置の構成を示す概略図。 第1実施形態の二次転写ユニットの構成を示す概略図。 二次転写外ローラ及び給電ローラを示す模式図。 二次転写外ローラ及び給電ローラを示す断面図。 二次転写外ローラの研磨方向について説明する模式図。 給電ローラの溝について説明する模式図であり、(a)は複数の角度の異なる溝を形成した場合、(b)は線対称に溝を形成した場合。 第2実施形態の二次転写ユニットの構成を示す概略図。 第3実施形態の二次転写ユニットの構成を示す概略図。 第4実施形態の二次転写ユニットの構成を示す概略図。 第5実施形態の二次転写ユニットの構成を示す概略図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態の画像形成装置について、図1を用いて説明する。図1は、画像形成装置の構成を示す概略図である。図1に示す画像形成装置100は、中間転写ベルト12に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部UY、UM、UC、UKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
[画像形成装置]
画像形成部UYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて、像担持体としての中間転写ベルト12に転写される。画像形成部UMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト12に転写される。画像形成部UC、UKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト12に転写される。中間転写ベルト12に転写された四色のトナー像は、二次転写ユニット20(より詳しくは二次転写ニップ部T2)へ搬送されて記録材P(用紙、OHPシートなどのシート材など)へ一括二次転写される。
画像形成部UY、UM、UC、UKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部UY、UM、UC、UKの区別を表す符号末尾のY、M、C、Kを省略した符号を構成部材に付して、画像形成部Uの構成及び動作を説明する。
画像形成部Uは、感光ドラム1を囲んで、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーニング装置6を配置している。感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダの周面に感光層が形成されており、所定のプロセススピードで図中矢印R1方向に回転する。
帯電ローラ2は帯電電圧が印加されて感光ドラム1に接触することで、感光ドラム1を一様な負極性の暗部電位に帯電させる。露光装置3は、各色の分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームをレーザー発光素子から発生し、これを回転ミラーで走査して帯電させた感光ドラム1の表面に画像の静電像を書き込む。現像装置4は、トナーを感光ドラム1に供給して、静電像をトナー像に現像する。
トナー像形成ユニットとしての一次転写ローラ5は、中間転写ベルト12を挟んで感光ドラム1に対向配置され、感光ドラム1と中間転写ベルト12との間にトナー像の一次転写ニップ部T1を形成する。一次転写ニップ部T1では、例えば高圧電源(不図示)により一次転写ローラ5に一次転写電圧が印加されることで、トナー像が感光ドラム1から中間転写ベルト12へ一次転写される。即ち、一次転写ローラ5に対しトナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加されると、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト12に静電吸引されて転写が行われる。
ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1にクリーニングブレードを摺擦させて、一次転写後に感光ドラム1上に僅かに残る一次転写残トナーを回収する。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ22、テンションローラ23及び二次転写内ローラ24等のローラに掛け渡して支持され、駆動ローラ22に駆動されて図中矢印R2方向に回転する。また、例えば不図示のばねのような弾性部材によって中間転写ベルト12を裏面から表面へと押す力がテンションローラ23に加えられ、中間転写ベルト12は3〜12kgf程度の張力で張架される。本実施形態では、駆動ローラ22がモータ等(不図示)により回転駆動されると、中間転写ベルト12が感光ドラム1に当接した状態で回転される。中間転写ベルト12は、駆動ローラ22によって例えば200mm/sの一定の周速度で回転駆動される。
転写部としての二次転写ニップ部T2は、対向ローラとしての二次転写内ローラ24に内周面から張架された中間転写ベルト12に二次転写外ローラ25を当接して形成される、記録材Pへのトナー像転写ニップ部である。二次転写ニップ部T2では、二次転写ユニット20による二次転写電圧の印加に伴い、トナー像が中間転写ベルト12から二次転写ニップ部T2に挟持搬送される記録材Pへ二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト12に付着したまま残る二次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11が中間転写ベルト12を摺擦することにより除去される。
二次転写ユニット20により四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置30へ搬送される。定着装置30は、定着ローラ31、32が当接して定着ニップ部T3を形成し、定着ニップ部T3で記録材Pを搬送しつつ当該記録材Pにトナー像を定着する。定着装置30では、内部からランプヒータ等(不図示)で加熱される定着ローラ31に、付勢機構(不図示)によって定着ローラ32を圧接させて定着ニップ部T3を形成している。記録材Pが定着ニップ部T3で挟持搬送されることにより加熱/加圧されて、トナー像が記録材Pに定着される。定着装置30によりトナー像の定着された記録材Pは、機体外へ排出される。
[一次転写ローラ]
上記の一次転写ローラ5は、材質がSUMあるいはSUS等の金属を用いてローラ状に形成された金属ローラである。あるいは、後述する二次転写外ローラ25と同様に、導電剤を含む弾性層を外周部に有したローラであってもよい。一次転写ローラ5はスラスト方向(回転軸線方向)にストレート形状に形成され、その直径(ローラ径)は例えば6〜10mm程度である。
[中間転写ベルト]
上記の中間転写ベルト12は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂若しくはそのアロイ、又は各種ゴム材料にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用いて無端状に形成されている。中間転写ベルト12は、表面抵抗率が1.0×10〜5.0×1013(Ω/□)の導電性を有するように、また厚みが例えば0.04〜0.5mm程度になるように形成されている。
<第1実施形態>
第1実施形態の二次転写ユニット20について、図2乃至図4を用いて説明する。図2に示すように、二次転写ユニット20は、中間転写ベルト12を挟んで対向配置された二次転写内ローラ24と二次転写外ローラ25と、さらに給電ローラ26とを有する。二次転写内ローラ24は、駆動ローラ22によって回転駆動される中間転写ベルト12の回転に従って従動回転する。二次転写外ローラ25は、図示を省略したモータ等により例えば200mm/sの周速度で回転駆動される。二次転写ユニット20では、これら二次転写内ローラ24と二次転写外ローラ25とにより中間転写ベルト12が挟持されることによって、二次転写ニップ部T2が形成されている。給電ローラ26は二次転写外ローラ25の外側に回転可能に当接して設けられ、二次転写外ローラ25の回転に従って従動回転する(図4の矢印R3、矢印R4参照)。
[二次転写内ローラ]
二次転写内ローラ24は、例えばアルミニウム円筒の軸部(不図示)と、この軸部の周面に配置されたEPDMゴム等からなる弾性層とを有する。弾性層は、カーボンフィラー等の導電剤を含有させて導電性が付与された上で、硬度が例えば70°(アスカーC)に設定される。
[二次転写外ローラ]
転写ローラとしての二次転写外ローラ25(二次転写ローラ)は、導電剤を含む弾性層を外周部に有する。具体的には、例えばステンレス円筒の導電性の軸部(導電部)25aの周面に、NBRゴムやEPDMゴム等からなるスポンジ状の弾性層25bが配置されている。弾性層25bは、金属錯体やイオン導電剤等の導電剤を含有させて導電性が付与された上で、硬度が例えば30°(アスカーC)に二次転写内ローラ24の弾性層よりも低く設定されている。これら二次転写内ローラ24と二次転写外ローラ25は、それぞれの直径(ローラ径)が例えば20mm、24mmに形成される。
二次転写外ローラ25は、図3に示すように、表面に二次転写外ローラ25の回転方向に直交する幅方向にわたって同じ研磨方向に研磨された研磨面25cを有する。研磨面25cは二次転写外ローラ25の回転方向に対し所定角度(第一角度α)をなすように、弾性層25bの外周面が砥石のような研磨部材で研磨されることによって形成される。例えばプランジ研磨が行われた場合には、二次転写外ローラ25の表面に、研磨方向が二次転写外ローラ25の回転方向に対して0度の角度(第一角度)をなす、つまり研磨方向が二次転写外ローラ25の回転方向と略同一の研磨面25cが形成される。あるいは、例えばトラバース研磨が行われた場合には、二次転写外ローラ25の表面に、研磨方向が二次転写外ローラ25の回転方向に対して所定角度(第一角度)をなす研磨面25cが形成される。この場合、研磨部材を二次転写外ローラ25の回転軸線方向(長手方向)に送る送り速度と、研磨時の二次転写外ローラ25の回転速度とによって、回転方向に対する第一角度つまりは研磨方向が決まる。
二次転写外ローラ25は研磨時に回転されながら研磨されるので、研磨面25cには、図3及び図4に示すように、うろこ状に毛羽が立ちやすい。これらの毛羽がより毛羽立つ方向に二次転写外ローラ25が回転されると、二次転写外ローラ25からのトナー飛散が生じやすくなる。それを防ぐために、二次転写ユニット20の動作時に二次転写外ローラ25は研磨時と同じ回転方向(図4の矢印R3方向及び図3参照)に回転されるようになっている。なお、本明細書において、研磨方向とは研磨時に回転する二次転写外ローラ25の表面が研磨部材に対して相対的に移動した方向を言う。
[給電ローラ]
給電回転体としての給電ローラ26は、材質がSUMあるいはSUS等の金属を用いてローラ状に形成された金属ローラである。給電ローラ26は回転軸線方向にストレート形状に、また直径(ローラ径)が例えば10mm程度に形成される。
給電ローラ26は、図3に示すように、表面に給電ローラ26の回転方向に直交する幅方向にわたって同じ方向に延びる溝27を有する。溝27は、給電ローラ26の回転方向に対し所定角度(第二角度β)をなすように形成されている。溝27は、例えば給電ローラ26の表面が研磨部材で研磨されることによって形成される研磨溝である。例えばトラバース研磨が行われた場合、給電ローラ26は回転されながら研磨されるので、給電ローラ26の表面には、図3に示すように、溝形成方向に延びる溝27が螺旋状に形成される。なお、本明細書において、溝形成方向とは研磨時に給電ローラ26の表面に形成される溝27が延びる方向であり、研磨部材が回転する給電ローラ26の表面に対して相対的に移動した方向を言う。
溝27が延びる方向(溝形成方向)は、研磨部材を給電ローラ26の回転軸線方向(長手方向)に送る送り速度と、研磨時の給電ローラ26の回転速度とによって決まる。具体的には、研磨部材の送り速度を17.3mm/s、給電ローラ26の回転速度を10mm/sとして研磨を行った場合、給電ローラ26の回転方向に対し平均60度の角度(第二角度)をなす溝27が形成される。本実施形態において、溝27の溝形成方向(より詳しくは第二角度)は二次転写外ローラ25の研磨面25cの研磨方向(より詳しくは第一角度)との相対関係によって決められる。この点については後述する。溝27は、溝27の溝形成方向に直交する方向に測定した給電ローラ26の表面粗さRzjis(十点平均粗さ)が0.1μm以上100μm未満好ましくは10μm未満となるように形成されている。また、溝27の深さは、表面粗さRzjisが上記範囲となるように形成されればよいが、二次転写外ローラ25の研磨面25cの毛羽との兼ね合いなどからすれば、例えば1.0μm程度に形成されるのが好ましい。
なお、給電ローラ26は二次転写外ローラ25と異なり、研磨時の回転方向と同方向に回転させてもよいし逆方向に回転させてもよい。つまり、二次転写ユニット20の動作時に給電ローラ26を回転させる方向は研磨時の回転方向に限定されない。これは給電ローラ26が金属ローラであり、金属を研磨した際に生じるバリ等は上述のような弾性層を研磨した場合に生じる毛羽に比べて生じ難く、その影響が非常に小さいからである。
[二次転写電源と外部電源]
図2に戻り、二次転写ユニット20は二次転写電源40と外部電源50とを有する。本実施形態では、二次転写内ローラ24に接続される二次転写電源40として例えば印加電圧が−6000(V)までの定電圧源を、給電ローラ26に接続される外部電源50として印加電圧が+5000(V)までの定電流源を用いた。また、二次転写ユニット20は、二次転写外ローラ25の軸部25aと接地電位との間に電気的に接続されて、二次転写外ローラ25(詳しくは軸部25a)から接地電位に電流を流す導電路60を有する。導電路60は、導電性を有する導電部材からなる。
第一電源としての二次転写電源40は二次転写内ローラ24に接続されて、二次転写内ローラ24にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加可能である。二次転写電圧が印加された場合、中間転写ベルト12上のトナー像が記録材P(図1参照)に静電吸引される向きの二次転写電界を形成する二次転写電流が二次転写ニップ部T2に流れ、中間転写ベルト12から記録材Pへトナー像が転写される。ただし、この際に、二次転写外ローラ25の二次転写ニップ部T2側では、二次転写外ローラ25の半径方向において、弾性層25b内のプラスのイオンが外周側に、マイナスのイオンが内周側(軸部25a側)に偏り分極してしまいやすい。
そこで、本実施形態では給電ローラ26を二次転写外ローラ25に当接させて対向配置し、第二電源としての外部電源50により給電ローラ26から二次転写外ローラ25に電流を印加(供給)させている(外部給電)。外部電源50により二次転写電源40と反対極性の電圧が印加されることに応じて、給電ローラ26は二次転写電源40により印加された二次転写電流と同じ大きさの定電流を印加可能である。具体的には、二次転写外ローラ25の半径方向において、外周側にプラスのイオンが偏り、内周側(軸部25a側)にマイナスのイオンが偏った状態をキャンセルする電流が、給電ローラ26から二次転写外ローラ25に流れるようにした。そうした場合、弾性層25b内のプラスのイオンを内周側に、マイナスのイオンを外周側に移動する向きの電界が給電ローラ26と二次転写外ローラ25との間(詳しくは当接部)にかかる。そのため、二次転写外ローラ25の二次転写ニップ部T2側で外周側に偏ったプラスのイオンが内周側に、内周側に偏ったマイナスのイオンが外周側に移動する。このようにして、二次転写外ローラ25の弾性層25b内においてイオン導電剤中のイオンは、二次転写外ローラ25の半回転毎に二次転写外ローラ25の外周側と内周側に交互に移動して一方に偏ることがないので、分極が生じ難くなる。
上述のように、二次転写外ローラ25に当接させた給電ローラ26に電流を印加させることにより、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐことができる。ただし、既に述べたように、この場合には二次転写外ローラ25と給電ローラ26との間にスリップが生じやすい。そして、スリップが生じた場合には、二次転写外ローラ25からのトナー飛散が生じやすく、また二次転写外ローラ25の表面劣化が進みやすくなり得る。そこで、本実施形態では、スリップをできる限り生じさせないようにして、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とを当接できるようにした。以下、説明する。
図3に示す実施形態では、二次転写外ローラ25として、回転方向に対し第一角度として0度をなすように表面(詳しくは弾性層25bの外周面)が研磨された研磨面25cを有するものを用いている。他方、給電ローラ26として、回転方向に対し第二角度として60度をなすように形成された溝27を有するものを用いている。この場合、二次転写外ローラ25の研磨面25cの研磨方向と、給電ローラ26の溝27の溝形成方向との相対角度は60度である。言い換えれば、給電ローラ26と二次転写外ローラ25とが当接する当接部において、溝27の溝形成方向が研磨面25cの研磨方向に対してなす角度の絶対値が、給電ローラ26の回転方向に直交する方向における任意の位置で45度以上である。
研磨方向と溝形成方向との相対角度が45度以下である場合には、二次転写外ローラ25と給電ローラ26との間に生じる摩擦力が低くなり、これらの間にスリップが生じやすい状態になることが、発明者らが行った実験によって確認されている。これは、給電ローラ26が二次転写外ローラ25に摺擦した際に、相対角度90度では毛羽と溝27とが噛み合いやすくなり比較的に摩擦力が大きくなるのに対し、相対角度0度では毛羽と溝27とが噛み合い難くなり比較的に摩擦力が小さくなるからである。
例えば、第一角度が0度つまりは回転方向に沿って研磨されている場合に、第二角度が0度に近いほど、特には回転方向に沿って延びる溝27が形成されたような場合には、二次転写外ローラ25と給電ローラ26との間の摩擦力が小さくなりやすい。摩擦力が小さくなれば、スリップは生じやすくなる。スリップが生じた場合、スリップ前後で発生する相対的な速度差によって、二次転写外ローラ25に付着しているトナーを飛散させてしまう弊害が生じ得る。また、その際に、溝27が毛羽を削ってしまいやすいため、比較的に短い耐久使用で、二次転写ニップ部T2における放電挙動が変わったり、記録材Pの搬送力が弱くなったりする弊害が生じ得る。そこで、図3に示すように、例えば第一角度が0度である場合に第二角度を60度つまりは相対角度を±45度以上として、給電ローラ26に溝27を形成する(研磨する)と、上記したような弊害が低減されることが確認されている。
図5に、第一角度が11度である場合に第二角度を60度として溝27を給電ローラ26に形成した場合を示す。図5に示す二次転写外ローラ25は、トラバース研磨により表面が研磨されたものである。具体的には、研磨部材の送り速度を10mm/s、二次転写外ローラ25の回転速度を50mm/sとしてトラバース研磨を行えば、第一角度が11度となる研磨面25cを形成できる。第一角度が11度である場合に、第二角度を60度つまりは相対角度49度(±45度以上)にして給電ローラ26に溝27を形成すると、上記したような弊害が低減されることが確認された。
上述した実施形態では、給電ローラ26の溝27が回転方向に直交する方向(回転軸線方向)にわたって同じ溝形成方向に揃って形成されている場合を例に説明したが、これに限らない。場合によっては、給電ローラ26の溝27が一定方向に揃って形成されないこともある。図6は給電ローラの溝について説明する模式図であり、(a)は複数の角度の異なる溝を形成した場合、(b)は線対称に溝を形成した場合を示す。
図6(a)に示すように、給電ローラ26は第二角度が異なる複数の溝27a、27b、27cを有する場合がある。ただし、溝27a〜27cは、給電ローラ26の回転方向に直交する方向(回転軸線方向)の任意の位置で、研磨面25cの第一角度との相対角度が45度以上となる第二角度でそれぞれが形成されている。
図6(b)に示すように、給電ローラ26は回転軸線方向の中央部を境に第二角度が異なる2つの溝27a、27bを有する場合がある。本実施形態では、給電ローラ26の回転軸線方向の中央部の表面上を通る直線Oを軸とする線対称に溝27aと溝27bとを形成している。この場合、溝27aは第一角度との差分が例えば+60度の第二角度で、溝27bは第一角度との差分が−60度の第二角度で、それぞれ形成されている。このように、第二角度については第一角度を基準として第一角度との差分が±45度以上となればよく、+の方向(ここでは時計回り)と−の方向(ここでは反時計回り)とで差はない。つまり、上述したような弊害を生じさせるのは相対角度が問題となるので、第一角度との差分が+であろうと−であろうとその絶対値が意味をもつ。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100は、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐために、二次転写外ローラ25に当接させた給電ローラ26に電流を印加させる構成である場合に、給電ローラ26に溝27が形成されている。そして、この溝27は、給電ローラ26の回転方向に対し研磨面25cの第一角度を基準として前記第一角度との差分が±45度以上の第二角度をなすように形成されている。この場合、給電ローラ26の溝27が二次転写外ローラ25の毛羽に噛み合いやすくなり、二次転写外ローラ25と給電ローラ26との間に生じる摩擦力が低減されずに、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とは互いに回転し得る。従って、本実施形態によれば、スリップに起因する二次転写外ローラ25からのトナー飛散の抑制及び二次転写外ローラ25の表面劣化の抑制を簡易な構成で実現することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の二次転写ユニットについて、図7を用いて説明する。第2実施形態の二次転写ユニット20Aは第1実施形態の二次転写ユニット20に比較して(図2参照)、導電路60に電気部材としてのツェナーダイオード61を介在させた点が異なり、その他の構成は同一である。同一の構成については第1実施形態と同じ符号を付し説明を省略する。
図7に示す構成の場合、ツェナーダイオード61の降伏電圧が二次転写電源40及び外部電源50の印加電圧に比べて十分に小さい値(例えば50V)であり、給電ローラ26により印加される電流の多くがツェナーダイオード61を介して接地電位に流れる。即ち、ツェナーダイオード61は、軸部25aの電位と接地電位との電位差が所定値以上である場合に軸部25aに流れる電流を接地電位に流す。従って、降伏電圧の異なるツェナーダイオード61を用いて、給電ローラ26により印加される電流が接地電位に流れるように、二次転写外ローラ25の軸部25aの電位を調整することが可能である。これによれば、二次転写内ローラ24から二次転写外ローラ25へ流れる電流量と、給電ローラ26から二次転写外ローラ25へ流れる電流量とをほぼ同じに調整でき、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐことができる。この場合でも、上述したように、二次転写外ローラ25の研磨方向と給電ローラ26の溝形成方向との相対角度が45度以上になるように、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とを形成することによって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
第3実施形態の二次転写ユニットについて、図8を用いて説明する。第3実施形態の二次転写ユニット20Bは第1実施形態の二次転写ユニット20に比較して(図2参照)、導電路60に電気部材としてのバリスタ62を介在させた点が異なり、その他の構成は同一である。同一の構成については第1実施形態と同じ符号を付し説明を省略する。
図8に示すように、バリスタ62を用いた場合も第2実施形態に示したツェナーダイオード61と同様である。即ち、バリスタ62のバリスタ電圧が二次転写電源40及び外部電源50の印加電圧に比べて十分に小さい値(例えば50V)であれば、給電ローラ26により印加される電流の多くが接地電位に流れる。これによれば、二次転写内ローラ24から二次転写外ローラ25へ流れる電流量と、給電ローラ26から二次転写外ローラ25へ流れる電流量とをほぼ同じに調整でき、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐことができる。この場合でも、上述したように、二次転写外ローラ25の研磨方向と給電ローラ26の溝形成方向との相対角度が45度以上になるように、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とを形成することによって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
第4実施形態の二次転写ユニットについて、図9を用いて説明する。第4実施形態の二次転写ユニット20Cは第1実施形態の二次転写ユニット20に比較して(図2参照)、導電路60に第三電源としての低圧電源63を配設した点が異なり、その他の構成は同一である。同一の構成については第1実施形態と同じ符号を付し説明を省略する。
図9に示すように、導電路60に低圧電源63を配設した場合も第2実施形態に示したツェナーダイオード61を配設した場合と同様である。低圧電源63は、二次転写電源40及び外部電源50により印加される各電圧に比べて絶対値の小さい電圧を印加する。低圧電源63により印加する電圧が二次転写電源40及び外部電源50の印加電圧に比べて十分に小さい値(例えば20V)であれば、給電ローラ26により印加される電流の多くが接地電位に流れる。即ち、低圧電源63が印加する電圧を変更することで、給電ローラ26により印加される電流が接地電位に流れるように二次転写外ローラ25の軸部25aの電位を調整することが可能である。これによれば、二次転写内ローラ24から二次転写外ローラ25へ流れる電流量と、給電ローラ26から二次転写外ローラ25へ流れる電流量とをほぼ同じに調整でき、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐことができる。この場合でも、上述したように、二次転写外ローラ25の研磨方向と給電ローラ26の溝形成方向との相対角度が45度以上になるように、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とを形成することによって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第5実施形態>
第5実施形態の二次転写ユニットについて、図10を用いて説明する。第5実施形態の二次転写ユニット20Dは第1実施形態の二次転写ユニット20に比較して(図2参照)、二次転写外ローラ25が接地電位に接続されておらず電気的にフローティングとされている点が異なる。また、二次転写内ローラ24には二次転写電源40が接続されておらず、代わりに導電路60が接続されている点が異なる。さらに、外部電源として定電流源でなく定電圧源(二次転写電源70)が用いられる点が異なる。その他の構成は同一である。同一の構成については第1実施形態と同じ符号を付し説明を省略する。なお、本実施形態では、印加電圧が+6000(V)までの二次転写電源70を用いた。
図10に示した構成の場合、二次転写電源70による電圧の印加に伴い給電ローラ26から二次転写外ローラ25に電流が流れる。給電ローラ26から印加される電流は、二次転写外ローラ25の軸部25aへと流れ、また軸部25aから二次転写内ローラ24へと流れる。この場合、軸部25aから二次転写内ローラ24へと流れる電流により、中間転写ベルト12上のトナー像が記録材P(図1参照)に静電吸引される向きの電界が二次転写ニップ部T2に形成される。この際に、二次転写外ローラ25の二次転写ニップ部T2側では、二次転写外ローラ25の半径方向において、弾性層25b内のプラスのイオンが外周側に、マイナスのイオンが内周側(軸部25a側)に偏りやすい。しかし、給電ローラ26と二次転写外ローラ25とが当接する側では、弾性層25b内のプラスのイオンを内周側に、マイナスのイオンを外周側に移動する向きの電界が給電ローラ26と二次転写外ローラ25との間(詳しくは当接部)にかかる。そのため、例え二次転写ニップ部T2側で分極が生じても、二次転写ニップ部T2側で外周側に偏ったプラスのイオンが内周側に、内周側に偏ったマイナスのイオンが外周側に移動する。このようにして、弾性層25b内においてイオン導電剤中のイオンは、二次転写外ローラ25の半回転毎に二次転写外ローラ25の外周側と内周側に交互に移動して一方に偏ることがないので、分極に起因する電気抵抗の上昇を防ぐことができる。また、上述したように、二次転写外ローラ25の研磨方向と給電ローラ26の溝形成方向との相対角度が45度以上になるように、二次転写外ローラ25と給電ローラ26とを形成することによって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<他の実施形態>
なお、一次転写ローラ5を二次転写外ローラ25と同様に、導電剤を含む弾性層を外周部に有したローラとして形成した場合に、この一次転写ローラ5に給電ローラ26を当接させて電流を印加させるように構成してもよい。この場合、感光ドラムが像担持体に相当し、中間転写ベルトが別の像担持体に相当する。
なお、上述した第1乃至第5実施形態では、感光ドラムに形成したトナー像を中間転写ベルトに転写する中間転写方式について説明したが、感光ドラムに形成したトナー像を記録材に直接転写する直接転写方式にも適用可能である。
1Y〜1K…感光ドラム、5…トナー像形成ユニット(一次転写ローラ)、12…像担持体(中間転写ベルト)、20(20A〜20D)…二次転写ユニット、24…対向ローラ(二次転写内ローラ)、25…転写ローラ(二次転写ローラ、二次転写外ローラ)、25a…軸部、25b…弾性層、25c…研磨面、26…給電回転体(給電ローラ)、27…溝、40…第一電源(二次転写電源)、50…第二電源(外部電源)、60…導電路、61…電気部材(ツェナーダイオード)、62…電気部材(バリスタ)、63…第三電源(低圧電源)、70…二次転写電源、100…画像形成装置、P…記録材、T2…転写部(二次転写ニップ部)

Claims (12)

  1. 移動する像担持体と、
    前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成ユニットと、
    導電性を有する軸部と、前記軸部の外周に形成された導電剤を含む外周部とを有し、前記像担持体に形成されたトナー像を記録材へ転写する転写部を形成する転写ローラと、
    前記転写ローラの外側に当接部で当接し、前記転写ローラに電流を供給する回転可能な給電回転体と、を備え、
    前記給電回転体の表面には所定の方向に延びる溝が形成され、前記転写ローラの外周面には研磨面が形成され、前記当接部において前記溝の形成方向が前記研磨面の研磨方向に対してなす角度の絶対値が、前記給電回転体の回転方向に直交する方向における任意の位置で45度以上である、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体は、感光ドラムから一次転写されたトナー像を担持する中間転写ベルトであり、
    前記転写ローラは、前記転写部で前記中間転写ベルトから前記記録材にトナー像を二次転写する二次転写ローラである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記中間転写ベルトの内周面に接触し、前記転写部の位置で前記二次転写ローラに対向して配置された対向ローラと、
    前記対向ローラを電気的に接地電位に接続する導電路と、
    前記給電回転体にトナーの帯電極性と反対極性の電圧を印加して、前記二次転写ローラを介して前記対向ローラに電流を流す電源と、を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記中間転写ベルトの内周面に接触し、前記転写部の位置で前記二次転写ローラに対向して配置された対向ローラと、
    前記対向ローラにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加して、前記転写部に電流を流す第一電源と、
    前記給電回転体に前記第一電源と反対極性の電圧を印加する第二電源と、を備え、
    前記二次転写ローラの前記軸部を電気的に接地電位に接続する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記軸部と接地電位との間に設けられ、電流が流れることで所定の電圧を発生させる電気部材をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記電気部材は、ツェナーダイオード又はバリスタである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記第一電源及び前記第二電源により印加される各電圧に比べて絶対値の小さい電圧を前記軸部に印加する第三電源を、前記軸部と接地電位との間に有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記第二電源は、前記転写部で前記トナー像を二次転写する際に前記第一電源により前記転写部に流す二次転写電流と同じ大きさの電流を、前記給電回転体と前記二次転写ローラとの間に流す、
    ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第二電源は、定電流源である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記給電回転体は、金属ローラである、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記溝の形成方向に直交する方向に測定した前記給電回転体の表面粗さRzjisは、0.1μm以上100μm未満である、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記給電回転体は、前記転写ローラの回転に従って従動回転する、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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