JP2017125249A - 無方向性電磁鋼板、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、例えば、特許文献4には、B、Nb、Ti量を規定してバリ高さを制御する方法が開示されている。
質量%で
2.5%≦Si≦5.0%、
0.1%≦Al≦2.0%、
0.1%≦Mn≦2.0%、
P≦0.02%、
0.001%≦C≦0.005%、
0.001%≦N≦0.005%、
S≦0.005%、
Cu≦0.1%、
Ni≦0.1%、
並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有し、
鋼板表面から1/10板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(s)が3.5以上であり、
鋼板表面から1/2板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(c)が4.0以上であり、
かつ前記集積度の平均値I(s)と前記集積度の平均値I(c)との差が下記式(1)を満足する無方向性電磁鋼板。
式(1): 0.0<|I(c)−I(s)|≦1.0
質量%で
2.5%≦Si≦5.0%、
0.1%≦Al≦2.0%、
0.1%≦Mn≦2.0%、
P≦0.02%、
0.001%≦C≦0.005%、
0.001%≦N≦0.005%、
S≦0.005%、
Cu≦0.1%、
Ni≦0.1%、
を満たし、残部としてFeおよび不純物元素を含有するスラブを、熱間圧延する熱間圧延工程と、
複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機により、熱間圧延後の鋼板を200℃以上500℃以下で温間圧延した後、100℃以下で冷間圧延して、最終板厚とする最終冷間圧延工程であって、下記式(2)で表される最終冷間圧延の圧下率を85%以上95%以下、下記式(3)で表される温間圧延の圧下率を30%以上、下記(4)で表される冷間圧延の圧下率を40%以上とする最終冷間圧延工程と、
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
式(2): 最終冷間圧延の圧下率(%)=(t0−tf)/t0×100
(式(2)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm))
式(3): 温間圧延の圧下率(%)=(t0−tc)/t0×100
(式(3)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm))
式(4): 冷間圧延の圧下(%)=(tc−tf)/tc×100
(式(4)中、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm))
前記タンデム圧延機の最初の圧延スタンド入側において、前記熱間圧延後の鋼板を200℃以上500℃以下に予備加熱した後、前記熱間圧延後の鋼板を温間圧延する請求項2に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明の無方向性電磁鋼板は、質量%で、2.5%≦Si≦5.0%、0.1%≦Al≦2.0%、0.1%≦Mn≦2.0%、P≦0.02%、0.001%≦C≦0.005%、0.001%≦N≦0.005%、S≦0.005%、Cu≦0.1%、Ni≦0.1%、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する。ただし、本発明の無方向性電磁鋼板は、P、S、Cu、Niの各元素を含まない鋼板も含む。また、本発明の無方向性電磁鋼板は、Si、Al、Mn、P、C、N、S、Cu、およびNiを上記範囲で含有し、かつ残部がFeおよび不純物元素からなる鋼板であることがよい。
Siは、鋼板の固有抵抗を増加させ、渦電流損を低減する作用を呈する。また、Siは、ヒステリシス損を低減する作用も有する。このため、Siを積極添加することが望ましく、Si含有量は2.5%以上が必要である。一方、Si含有量が5.0%を超えると、温間圧延での圧延性、および打抜き加工性が低下する。従って、Si含有量は2.5%以上、5.0%以下とする。Si含有量は、好ましくは3.0%以上4.5%以下である。
Alは、脱酸材として有効であり、更に窒化物を粗大にして無害化することもできる。また、Alは、Siと同様に鋼の固有抵抗を増加させ鉄損を低減させる。これらの作用を得るためには、Al含有量は0.1%以上が必要である。しかし、Al含有量が2.0%を超えると酸洗の能率低下だけでなく、ヒステリシス損を増加させる。従って、Al含有量は0.1%以上、2.0%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.1%以上、1.5%以下である。
Mnは、鋼の固有抵抗を高め、硫化物を粗大化して無害化する作用を呈する。この作用を得るためには、Mn含有量は0.1%以上が必要である。一方、Mn含有量が2.0%を超えると、磁束密度の低下及びコストの上昇を招く。従って、Mn含有量は0.1%以上2.0%以下とする。Mn含有量は、好ましくは0.2%以上1.5%以下である。
P含有量が0.02%超では、冷間圧延時に破断を生じる可能性がある。したがって、P含有量は、0.02%以下とする。P含有量の下限値は、特に制限はないが、脱Pのコスト及び生産性の観点から、0.01%とすることが好ましい。
Cは、鋼中に固溶Cとして存在して温間圧延時の動的ひずみ時効による集合組織改善効果を発現することにより、磁束密度を向上させる。その効果を得るために、C含有量は0.001%以上とする。一方、C含有量は0.005%を超えると微細な炭化物が析出して磁気特性が劣化する。従って、C含有量は0.001%以上、0.005%以下とする。C含有量は、好ましくは0.001%以上0.004%以下である。
NもC同様、鋼中に固溶Nとして存在して温間圧延時の動的ひずみ時効による集合組織改善効果を発現することにより、磁束密度を向上させる。その効果を得るために、N含有量は0.001%以上とする。一方、N含有量は0.005%を超えると微細なAlNが析出して磁気特性が劣化する。従って、N含有量は0.001%以上、0.005%以下とする。N含有量は、好ましくは0.001%以上0.004%以下である。
S含有量が0.005%を超えるとMnS等の硫化物量が多くなり、鉄損が増加する。従って、S含有量は0.005%以下とする。S含有量の下限値は、特に制限はないが、脱Sのコスト及び生産性の観点から、0.001%以上とすることが好ましい。
Cuは、飽和磁束密度を下げるため、磁束密度B50が低下する。また、CuSとして析出するため、鉄損が劣化する。さらにNiとともに含有すると鋼板表面に内部酸化層が形成されやすいため高周波鉄損が劣化する。従って、Cu含有量は0.1%以下とする。Cu含有量の下限値は、特に制限はないが、鉄スクラップから混入される観点から、0.01%以上とすることが好ましい。
Niは、磁束密度B50を高め、鋼板強度を増加させる作用があるが、コスト増加を招く。また、Cuと複合含有すると鋼板表面に内部酸化層が形成されやすいため高周波鉄損が劣化する。従って、Ni含有量は0.1%以下とする。Ni含有量の下限値は、特に制限はないが、磁束密度B50及び鋼板強度の観点から、0.01%とすることが好ましい。
鋼板の残部は、Feおよび不純物元素である。ここで、不純物元素とは、原材料に含まれる成分、または、製造の過程で混入する成分であって、意図的に鋼板に含有させたものではない成分を指す。
本発明の無方向性電磁鋼板は、次の元素を含有していてもよい。
Cr:0.01%以上、0.2%以下
Sn:0.02%以下
本発明の無方向性電磁鋼板の集合組織は、下記(A)〜(C)に示す特徴を有する。
(A)鋼板表面から1/10板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(s)が3.5以上である。
(B)鋼板表面から1/2板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(c)が4.0以上である。
(C)集積度の平均値I(s)と前記集積度の平均値I(c)との差が下記式(1)を満足する。
式(1) : 0.0<|I(c)−I(s)|≦1.0
このため、鋼板の表層及び中心層における{100}面近傍の集積度が多くして、ヒステリシス損を確実に低くし、高磁磁束密度における高周波鉄損を低減するためには、鋼板表面から1/10板厚の部分における集積度の平均値I(s)を3.5以上、かつ、鋼板表面から1/2板厚の部分における集積度の平均値I(c)を4.0以上とする。
また、鋼板の表層及び中心層における{100}面近傍の集積度の差が大きくなると、鋼板に打ち抜き加工等の剪断加工を施したとき、歪みの分布の広がり、バリの発生が生じ易くなる。破断面は{100}面近傍に平行になることが多い特徴があり、{100}面近傍の集積度差が小さい場合には滑らかにせん断される。しかしながら{100}面近傍の集積度差が大きい場合には、{100}面近傍に平行に破断することができないために、せん断面が滑らかにならず、歪みの分布の広がり、バリの発生が大きくなる。
このため、鋼板の表層及び中心層における{100}面近傍の集積度の差を小さくし、磁気特性、及び加工性を向上させるには、0.0<|I(c)−I(s)|≦1.0として、板厚方向の磁束分布(つまり集合組織)を均一化する。なお、磁気特性、及び加工性を向上させる観点からも、0.0<|I(c)−I(s)|≦1.0とすることが好ましい。
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法は、上記本発明の無方向性電磁鋼板の化学組成のスラグを、熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延後の鋼板(以下「熱延板」とも称する)を最終冷間圧延し、最終板厚とする最終冷間圧延工程と、を有する。
熱間圧延工程では、例えば、本発明の無方向性電磁鋼板の化学組成の鋼を連続鋳造法又は鋼塊を分塊圧延する方法等の一般的な方法により得られたスラブ(鋼片)に、熱間圧延を施す。熱間圧延の際のスラブ加熱温度は特に限定されるものではないが、コストおよび熱間圧延性の観点から1000℃〜1300℃とすることが好ましい。より好ましくは1050℃〜1250℃である。
最終冷間圧延工程では、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機により、熱間圧延後の鋼板を200℃以上500℃以下で温間圧延した後、100℃以下で冷間圧延して、最終板厚とする。そして、下記式(2)で表される最終冷間圧延の圧下率(トータル圧下率)を85%以上95%以下、下記式(3)で表される温間圧延の圧下率を30%以上、下記(4)で表される冷間圧延の圧下率を40%以上とする。
(式(2)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm))
式(3): 温間圧延の圧下率(%)=(t0−tc)/t0×100
(式(3)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm))
式(4): 冷間圧延の圧下(%)=(tc−tf)/tc×100
(式(4)中、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm))
なお、圧延荷重の増加、又は脆性の低下は、温間圧延により解決する。
ここで、高Si鋼圧延時の脆性対策の観点から、温間圧延の温度の下限は200℃とし、温間圧延時の圧延機の負荷増大の観点から、温間圧延温度の上限は500℃とする。温間圧延に続く冷間圧延では、製品の板厚精度を向上させる観点から、圧延温度を100℃以下とする。
ここで、温間圧延の圧下率を30%以上とするは、30%未満であると鋼板表層近傍と中心層の{100}面強度が増加せず、磁束密度向上もなく、高磁束密度における高周波数鉄損が有意義に低減しないためである。加えて、鋼板表層近傍と中心層の{100}近傍の集積度の差|I(c)−I(s)|が1.0を超え、高周波駆動時に板厚方向の磁束密度分布が不均一となるためである。そして、鋼板の加工性も低下するためである。これら観点から、温間圧延の圧下率は、30%以上92.5%以下が好ましく、45%以上90%以下がより好ましい。
温間圧延に続く冷間圧延の圧下率を40%以上としたのは、板厚精度を向上と平坦度確保のためである。最終板厚付近まで温間圧延すると、鋼板の集合組織は改善され、磁束密度は向上する。しかしながら、板厚精度が悪い上に、平坦度が不良となり、高磁束密度における高周波数鉄損が有意義に低減しないためである。これら観点から、冷間圧延の圧下率は、40%以上92.5%以下が好ましく、45%以上90%以下がより好ましい。
質量%で、Si:3.1%、Al:0.6%、Mn:0.2%、P:0.01%、C:0.002%、N:0.002%、S:0.001%、Cu:0.05%、Ni:0.05%を含有し、残部がFeおよび不純物元素からなるスラグ(鋼片)に熱間圧延を施し、熱延板(板厚2.0mm)を得る。次に、熱延板(板厚2.0mm)に1000℃で2分均熱する熱延板の焼鈍を施す。その後、5個のスタンドが並列されたタンデム圧延機により、1パス目入り側の鋼板温度(以下「1パス目温間圧延入側温度」とも称する)を表1に示す温度として、2パス目入り側の鋼板温度(以下「2パス目温間圧延入側温度」とも称する)を表1に示す温度として、2パス温間圧延して、板厚1.0mm(温間圧延の圧下率=50%)とし、鋼板を冷却して、冷間圧延開始時の鋼板温度を表1に示す温度として3パス冷間圧延し、最終板厚0.30mm(冷間圧延の圧下率=70%)にする最終冷間圧延(トータル圧下率=85%)を実施する。その後、冷延板に1000℃で15秒均熱する仕上げ焼鈍を施し、750℃で2時間均熱するひずみ取り焼鈍を施す。
なお、1パス目入側温度が200℃以上、400℃未満では,外気やロールとの接触によって鋼板温度が一旦低下するが、温間圧延の圧下率を30%以上にすると、加工量が増加するとともに,発熱量が増加するので、結果として2パス目入側の鋼板温度は上昇し、200℃以上で圧延できる。一方,1パス目入側温度が400℃以上600℃以下では,外気やロールとの接触によって鋼板温度が一旦低下し、加工時の発熱によって鋼板温度が上昇する点は1パス目入側温度が200℃以上、400℃未満の場合と同じであるが、発熱量よりも鋼板温度が低下する方が大きいため、結果として、2パス目入側の鋼板温度は減少する。
歪みの分布については、次のように評価する。鋼板中心層の打抜き端面からの長さ方向に50gfの圧根を打ち,その硬度を測定し、硬度がある値に集束した時の打抜き端面からの距離で評価する。
一方、バリの発生については、次のように評価する。打抜き部分を含めた部分を樹脂に埋め込んで、光学顕微鏡で打抜き端面を撮影し、図3に示すバリ高さを測定する。具体的には、打抜き部分の打ち抜き方向の縁部において、鋼板の表面から突出している突出部の長さを「バリ高さ」として測定する。
一方、ゼンジミア圧延による最終冷間圧延では、温間圧延入側温度を上昇しても、磁束密度B50向上効果はタンデムに比べると低い。また、鉄損W15/200、W15/400低減効果もタンデムに比べると低い。これにより、ゼンジミア圧延による最終冷間圧延では、磁束密度B50、および高磁束密度における高周波数鉄損が改善効果は小さいことがわかる。また、ゼンジミア圧延による最終冷間圧延では、温間圧延入側温度を上昇しても、加工性(歪み分布、バリの発生)も改善され難いことがわかる。
温間圧延による磁気特性および加工性の改善効果が享受できる製造条件について検討するため、以下の実験をおこなう。表2に示す化学組成のスラブ(鋼片)に熱間圧延を施し、熱延板(膜厚2.0mm)を得る。次に、熱延板(板厚2.0mm)に1000℃で2分均熱する熱延板の焼鈍を施す。その後、表3に示す条件とした以外は、実施例1と同様な、タンデム圧延機による温間圧延および冷間圧延を施す、最終冷間圧延を実施する。なお、表3において、熱延板板厚t0は「温間圧延開始時の鋼板板厚t0」を示す。中間板厚tCは「冷間圧延開始時の鋼板板厚」を示す。製品板厚tfは「鋼板の最終板厚」を示す。ただし、温間圧延および冷間圧延の圧下率の各欄で「0.0」と示しているのは、該当する欄の圧延を実施しないことを示す。その後、冷延板に1000℃で15秒均熱する仕上げ焼鈍を施し、750℃で2時間均熱するひずみ取り焼鈍を施す。
得られる無方向性電磁鋼板について、実施例1と同様に、磁束密度B50、鉄損W15/200、鉄損W15/400を求める。また、加工性(歪み分布、バリの発生)を評価する。そして、既述の方法にしたがって、X線回折によって板厚表面から1/10板厚の部分および1/2板厚の部分の{200}面、{110}面、{211}面極点図を測定し、ODFを求める。このODFに基づいて、集積度の平均値I(s)、集積度の平均値I(c)、及びその絶対値差(|I(c)−I(s)|)を調べる。さらに,鋼板の平坦度を測定する。鋼板の平坦度は、長さ1mの鋼板を定盤の上にのせて、鋼板の幅方向単位長さあたりの最高高さ(板厚を除いた高さ)の百分率(%)として求めた。
No.11−2〜11−7は、トータル圧下率が低くI(s)が高められず鉄損は劣位である。
No.12−2、13−2、14−2は、温間圧延の圧下率が低すぎるため、|I(c)−I(s)|の差が1.0を超え、鉄損は劣位である。
No.12−7、13−7、13−8.14−8、14−9は、I(s)、I(c)、I(c)−I(s)の値は良いが、温間圧延の圧下率が高すぎて圧延時にクラウンが発生し、平坦度が悪く、鉄損は劣位である。
No.21−1〜21−7、No.22−1〜22−7、No.23−1〜23−8、No.24−1〜24−9は、I(s)、I(c)、I(c)−I(s)の値が良い場合もあるが、Cu及びNiの含有量が高いスラブを使用しているため、鉄損は劣位である。
これらに対し、No.12−3〜No.12−6、No.13−3〜No.13−6、No.14−3〜7では、I(s)、I(c)の値が高く、I(c)とI(s)の差が1.0以下と低く、かつ鋼板の平坦度が1.0以下であり、鉄損が良好である。
そして、この特性を得るための製造条件は、トータル圧下率(最終板厚とする最終冷間圧延の圧下率)を85%以上95%以下で、200℃以上500℃以下で温間圧延の圧下率30%以上かつ100℃以下で冷間圧延の圧下率40%以上であることがわかる。その結果を図2に示す。
Claims (3)
- 質量%で
2.5%≦Si≦5.0%、
0.1%≦Al≦2.0%、
0.1%≦Mn≦2.0%、
P≦0.02%、
0.001%≦C≦0.005%、
0.001%≦N≦0.005%、
S≦0.005%、
Cu≦0.1%、
Ni≦0.1%、
並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有し、
鋼板表面から1/10板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(s)が3.5以上であり、
鋼板表面から1/2板厚の部分の集合組織の結晶方位分布関数ODFにおけるφ2=45°断面の10°≦φ1≦35°、および0°≦Φ≦10°の集積度の平均値I(c)が4.0以上であり、
かつ前記集積度の平均値I(s)と前記集積度の平均値I(c)との差が下記式(1)を満足する無方向性電磁鋼板。
式(1): 0.0<|I(c)−I(s)|≦1.0 - 質量%で
2.5%≦Si≦5.0%、
0.1%≦Al≦2.0%、
0.1%≦Mn≦2.0%、
P≦0.02%、
0.001%≦C≦0.005%、
0.001%≦N≦0.005%、
S≦0.005%、
Cu≦0.1%、
Ni≦0.1%、
を満たし、残部としてFeおよび不純物元素を含有するスラブを、熱間圧延する熱間圧延工程と、
複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機により、熱間圧延後の鋼板を200℃以上500℃以下で温間圧延した後、100℃以下で冷間圧延して、最終板厚とする最終冷間圧延工程であって、下記式(2)で表される最終冷間圧延の圧下率を85%以上95%以下、下記式(3)で表される温間圧延の圧下率を30%以上、下記(4)で表される冷間圧延の圧下率を40%以上とする最終冷間圧延工程と、
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
式(2): 最終冷間圧延の圧下率(%)=(t0−tf)/t0×100
(式(2)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm))
式(3): 温間圧延の圧下率(%)=(t0−tc)/t0×100
(式(3)中、t0:200℃以上500℃以下の温間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm))
式(4): 冷間圧延の圧下率(%)=(tc−tf)/tc×100
(式(4)中、tc:100℃以下の冷間圧延開始時の鋼板板厚(mm)、tf:鋼板の最終板厚(mm)) - 前記タンデム圧延機の最初の圧延スタンド入側において、前記熱間圧延後の鋼板を200℃以上500℃以下に予備加熱した後、前記熱間圧延後の鋼板を温間圧延する請求項2に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP6780246B2 (ja) | 2020-11-04 |
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