JP2017124990A - ネーブルオレンジワームの誘引組成物及び誘引剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】気温の低い時間帯でも比較的安定して誘引組成物を放出でき、性フェロモン交信撹乱剤設置圃場でも安定して誘引、捕獲できるネーブルオレンジワーム誘引組成物及び誘引剤を提供する。【解決手段】プロピオン酸フェニルと、フェニル酢酸エチルとを含有し、ネーブルオレンジワームの性フェロモン物質を含まない、0〜20℃において液体状であるネーブルオレンジワームの誘引組成物を提供する。また、本発明の別な態様によれば、前記ネーブルオレンジワームの誘引組成物と、前記誘引組成物中の少なくとも前記プロピオン酸フェニルを透過可能な高分子膜を備えたネーブルオレンジワームの誘引剤を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、ネーブルオレンジワームの誘引組成物及び誘引剤に関する。
害虫発生予察、害虫密度の把握、確認において、誘引剤は極めて有効である。しかし、発生予察剤として交尾阻害を目的とした合成性フェロモンによる交信撹乱剤を設置した場合、その誘引阻害効果により、性フェロモントラップが機能しなくなるため、害虫の発生状況をモニタリングできなくなる。そのため、交信撹乱剤を使用した圃場でも、害虫の誘引ができる誘引剤の開発が求められていた。
アーモンドの重要害虫であるネーブルオレンジワーム(学名:Amyelois transitella。以下、「NOW」ともいう。)を各種昆虫捕獲トラップに誘引することにより、害虫発生密度や発生時期を予測し、適期防除を行うことができる。ネーブルオレンジワームの性フェロモンは、Lealらにより、100質量部のZ11,Z13−ヘキサデカジエナール、14質量部のパルミチン酸エチル、4.8質量部のZ11,Z13−ヘキサデカジエン酸エチル、4.9質量部のZ11,Z13−ヘキサデカジエニルアセテート、14.9質量部のZ3,Z6,Z9,Z12、Z15−トリコサペンタエン、17.1質量部のZ3,Z6,Z9,Z12,Z15−ペンタコサペンタエンであることが見出されている(非特許文献1)。
アーモンド、ピスタチオ等の植物由来の香気成分等にネーブルオレンジワームが誘引されることを利用して、この香気成分を、異種個体であるネーブルオレンジワームを誘引するカイロモンとして利用する場合が知られている(非特許文献2)。そして、このカイロモンとして、プロピオン酸フェニルを筆頭として、フェニル酢酸エチル、イソブタン酸フェニル、酢酸フェニル、フェニルアセトン等が、誘引効果が認められる化合物として報告され、これらの化合物の懸濁液を紙に染み込ませた誘引剤が使用されている。特に、非特許文献2のカイロモンの誘引では、性フェロモンとは異なり雌成虫を捕獲できるため、使用方法によっては大量誘殺にも応用が可能である。
また、非特許文献3では、プロピオン酸フェニルを入れたバイアル瓶の誘引剤を用いて、ネーブルオレンジワームに対するプロピオン酸フェニルの誘引性について雌雄別に考察している。
また、非特許文献3では、プロピオン酸フェニルを入れたバイアル瓶の誘引剤を用いて、ネーブルオレンジワームに対するプロピオン酸フェニルの誘引性について雌雄別に考察している。
Natturwissenschaften, 92:139―146(2005)
California Agriculture November, 1967 p10-11
Entomol. Exp. Appl. 133: 283―291; 2009
しかしながら、実用的なカイロモン誘引剤は未だ見出されていない。特に、これまで最も誘引力が高いとされている非特許文献2のプロピオン酸フェニルは、20℃以下では物理化学的性状として固体状である。ネーブルオレンジワーム成虫の飛翔は、北米では3月上旬から始まり、秋まで持続するが、その飛翔時間帯は夜中の2時から早朝6時の最も気温の低い時間帯である。アーモンドやピスタチオ圃場で1日の最低気温が20℃以上となるのは、早くても6月下旬である。従って、3月から6月中旬まではプロピオン酸フェニル単独で処方された誘引剤は、その物性が気温条件により固体状/液体状と変化してしまうため、特に虫の飛翔時間帯である最低気温の時期にその放出量が安定せず、誘引力が安定しない欠点があった。また、非特許文献2の誘引剤は、紙に染み込ませたトラップであるため、雨対策等が必要となり実用的でないばかりか、懸濁液であるため、溶液の場合と比べて誘引物質の放出が不安定である。
一方、非特許文献3の誘引剤は、風で揺れると、バイアル瓶中のプロピオン酸フェニルがこぼれる可能性があるだけでなく、6月下旬までの最低気温が20℃以下の場合には、ネーブルオレンジワームの飛翔時間帯にプロピオン酸フェニルが固化して、放出量が大きく低下する懸念がある。
従って、気温の低い時間帯でも比較的安定して誘引組成物を放出でき、性フェロモン交信撹乱剤設置圃場でも安定して誘引、捕獲できるネーブルオレンジワーム誘引組成物及び誘引剤が求められていた。
一方、非特許文献3の誘引剤は、風で揺れると、バイアル瓶中のプロピオン酸フェニルがこぼれる可能性があるだけでなく、6月下旬までの最低気温が20℃以下の場合には、ネーブルオレンジワームの飛翔時間帯にプロピオン酸フェニルが固化して、放出量が大きく低下する懸念がある。
従って、気温の低い時間帯でも比較的安定して誘引組成物を放出でき、性フェロモン交信撹乱剤設置圃場でも安定して誘引、捕獲できるネーブルオレンジワーム誘引組成物及び誘引剤が求められていた。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、最も誘引力が高いプロピオン酸フェニルに、比較的低温でも固化しないフェニル酢酸エチルを混合することにより、春の低温でも夏場でも常に液体状を保つことを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の一つの態様によれば、プロピオン酸フェニルと、フェニル酢酸エチルとを含有し、ネーブルオレンジワームの性フェロモン物質を含まない、0〜20℃において液体状であるネーブルオレンジワームの誘引組成物を提供する。また、本発明の別な態様によれば、前記ネーブルオレンジワームの誘引組成物と、前記ネーブルオレンジワームの誘引組成物中の少なくとも前記プロピオン酸フェニルを透過可能な高分子膜を備えたネーブルオレンジワームの誘引剤を提供する。
本発明の一つの態様によれば、プロピオン酸フェニルと、フェニル酢酸エチルとを含有し、ネーブルオレンジワームの性フェロモン物質を含まない、0〜20℃において液体状であるネーブルオレンジワームの誘引組成物を提供する。また、本発明の別な態様によれば、前記ネーブルオレンジワームの誘引組成物と、前記ネーブルオレンジワームの誘引組成物中の少なくとも前記プロピオン酸フェニルを透過可能な高分子膜を備えたネーブルオレンジワームの誘引剤を提供する。
本発明によれば、性フェロモン交信撹乱剤が施用される圃場でも、交信撹乱剤による誘引阻害効果を受けることなく、ネーブルオレンジワームの誘殺、発生予察が可能になり、ネーブルオレンジワーム被害予想等の情報を得やすくなる。また、補助的に使用する殺虫剤等の効果的な使用時期が決定でき、アーモンド等の栽培管理に貢献する。
ネーブルオレンジワームの誘引組成物の主成分であるプロピオン酸フェニルは、20℃以下において固体状である。一般に誘引剤に封入された誘引物質は、その性状によって放出速度が大きく異なる。例えば、誘引物質が固体状の場合、誘引物質の高分子樹脂への膨潤、透過速度が遅くなり、液体状の場合と比較すると放出速度が大きく低下する。本発明は、実際に誘引剤が施用される温度である0〜20℃、より好ましくは0〜15℃において、当該温度では本来固体状となるプロピオン酸フェニルを主成分とするネーブルオレンジワームの誘引組成物を液体状に維持でき、かつプロピオン酸フェニルの放出性に悪影響を与えない成分として、フェニル酢酸エチルを含有させることを見出し完成したものである。
フェニル酢酸エチルは、プロピオン酸フェニルとの混合により、0〜20℃においても安定して液体(溶液)状を保ち、プロピオン酸フェニルの誘引活性及び放出性を阻害しない。更に、フェニル酢酸エチルは、入手が容易であり、揮発性がプロピオン酸フェニルとほぼ同じか、若干小さいながら、それ自身がネーブルオレンジワーム誘引活性を有しているため、実質誘引物質の濃度は低下しない上、混合による誘引阻害効果もない点でも好ましい。なお、イソブタン酸フェニル、酢酸フェニル及びフェニルアセトンもネーブルオレンジワーム誘引活性を有することが知られているが、フェニル酢酸エチルと比べると半分以下の誘引活性である。
プロピオン酸フェニルとフェニル酢酸エチルとの混合質量比は、0〜20℃において安定して液体状を保つためのできるだけ少ない量のフェニル酢酸エチルを混合する観点から、好ましくは90:10〜60:40、より好ましくは85:15〜70:30である。高い誘引活性を有するプロピオン酸フェニルの量をできるだけ多くし、フェニル酢酸エチルをできるだけ少ない量とするためである。
ネーブルオレンジワームの誘引剤には、必須ではないが必要に応じてブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、ビタミンE等の酸化防止剤や、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を加えても良い。プロピオン酸フェニル及びフェニル酢酸エチルの合計量に対して、例えば、酸化防止剤は0.1〜5質量%であり、紫外線吸収剤は0.1〜5質量%である。
ネーブルオレンジワームの誘引剤は、ネーブルオレンジワームの誘引組成物と、ネーブルオレンジワームの誘引組成物中の少なくともプロピオン酸フェニルが透過可能な高分子膜を備えたものである。例えば、プロピオン酸フェニルを透過可能な高分子膜を少なくとも一部に備える容器と、その内部に封入されたプロピオン酸フェニルを少なくとも含み、プロピオン酸フェニルが高分子膜を透過して外部(例えば圃場)に放出される誘引剤である。
一般に誘引剤としては、ゴムキャップに含浸させるようなタイプの誘引剤が用いられる。しかし、このようなタイプの誘引剤は完全に1次放出となり、誘引剤ライフを伸ばすのは困難である。従って、液体状の誘引組成物が高分子膜を透過して膜の表面から放出される方式が望ましい。
一般に誘引剤としては、ゴムキャップに含浸させるようなタイプの誘引剤が用いられる。しかし、このようなタイプの誘引剤は完全に1次放出となり、誘引剤ライフを伸ばすのは困難である。従って、液体状の誘引組成物が高分子膜を透過して膜の表面から放出される方式が望ましい。
高分子膜を形成する高分子材料は、従来と同様なものを用いることができ、例えば、ネーブルオレンジワームの誘引組成物中の少なくともプロピオン酸フェニルが高分子材料中を透過して表面から誘引組成物を放出させることができる高分子材料が好ましく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル及びその共重合体等が挙げられ、ネーブルオレンジワームの誘引組成物中の少なくともプロピオン酸フェニルの樹脂への膨潤性、樹脂表面からの蒸発性、放出混合比の観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。また、高分子膜を形成する高分子材料には、必要に応じて可塑剤、安定剤、各種加工助剤を加えてもよい。
ネーブルオレンジワームの誘引剤の形状は、膜透過タイプの製剤であれば特に制限されず、高分子膜が、誘引組成物を内部に封入できる袋状、チューブ、カプセル又はアンプルが例示される。特に、カイロモン誘引剤の場合、カイロモンの放出量は、一般に1日50mg以上であり、かつ製剤ライフが1か月以上であることが求められるため、放出表面積を任意に調整でき、かつ常に一定の放出面積である点で、高分子膜が、誘引組成物を内部に封入できる袋状が好ましい。
袋状の誘引剤は、例えば2枚の高分子膜の周囲を貼り合わせて内部に誘引組成物を封入した誘引組成物が挙げられ、2枚の高分子膜の貼り合わせは、例えば、2枚の高分子膜をラミネート加工することにより行われる。
また、ネーブルオレンジワームの誘引組成物の封入方法は、例えば、高分子膜を備えた容器に誘引組成物を封入するかことにより行われる。
また、ネーブルオレンジワームの誘引組成物の封入方法は、例えば、高分子膜を備えた容器に誘引組成物を封入するかことにより行われる。
ネーブルオレンジワーム誘引組成物の担持量は、目標とする製剤ライフにより異なるが、1か月以上の製剤ライフの場合、好ましくは3000〜8000mg、より好ましくは4000〜6000mgである。
特に、袋状の容器は、放出均一性の観点から、表面積は好ましくは2000〜6000mm2、より好ましくは3000〜5000mm2であり、膜厚は好ましくは0.02〜0.10mm、より好ましくは0.04〜0.08mmである。なお、表面積と樹脂膜厚によってネーブルオレンジワームの誘引組成物の放出量が制御できる。
また、誘引組成物中の少なくともプロピオン酸フェニルの放出量は、多くの放出量が必要とされることから、好ましくは50〜300mg/日、より好ましくは100〜200mg/日である。
特に、袋状の容器は、放出均一性の観点から、表面積は好ましくは2000〜6000mm2、より好ましくは3000〜5000mm2であり、膜厚は好ましくは0.02〜0.10mm、より好ましくは0.04〜0.08mmである。なお、表面積と樹脂膜厚によってネーブルオレンジワームの誘引組成物の放出量が制御できる。
また、誘引組成物中の少なくともプロピオン酸フェニルの放出量は、多くの放出量が必要とされることから、好ましくは50〜300mg/日、より好ましくは100〜200mg/日である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<誘引剤の製造と放出量>
誘引成分として、プロピオン酸フェニルとフェニル酢酸エチルとの80:20(質量比)混合物を使用した。この誘引成分の総質量に対して、酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンを0.1質量%添加し、これらを50mm×70mm×膜厚0.08mmの高密度ポリエチレン製袋に5000mg封入して、「誘引剤A」を製造した。
製造された誘引剤を用いて野外気温6〜13℃、日蔭を想定した条件における誘引組成物は、液体状であり、プロピオン酸フェニルとフェニル酢酸エチルの混合物の放出量(9日間の平均値)は、69.2mg/日/個であった。参考までに、フェニル酢酸エチルを混合しない以外は上記と同様に製造した「誘引剤B」の場合の野外気温6〜13℃、日蔭を想定した条件における誘引組成物は、固体状であり、その放出量(9日間の平均値)は、20.4mg/日/個であった。
<誘引剤の製造と放出量>
誘引成分として、プロピオン酸フェニルとフェニル酢酸エチルとの80:20(質量比)混合物を使用した。この誘引成分の総質量に対して、酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンを0.1質量%添加し、これらを50mm×70mm×膜厚0.08mmの高密度ポリエチレン製袋に5000mg封入して、「誘引剤A」を製造した。
製造された誘引剤を用いて野外気温6〜13℃、日蔭を想定した条件における誘引組成物は、液体状であり、プロピオン酸フェニルとフェニル酢酸エチルの混合物の放出量(9日間の平均値)は、69.2mg/日/個であった。参考までに、フェニル酢酸エチルを混合しない以外は上記と同様に製造した「誘引剤B」の場合の野外気温6〜13℃、日蔭を想定した条件における誘引組成物は、固体状であり、その放出量(9日間の平均値)は、20.4mg/日/個であった。
実施例1
米国のカリフォルニア州アーモンド圃場(50ヘクタール)において、2015年5月21日〜7月6日の間、50m間隔で誘引剤Aを5本設置し、誘引試験を行った。トラップは、市販のウイングトラップを使用した。その結果、1日つき1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム雄の平均誘引数は、4.5±1.06頭であった。
米国のカリフォルニア州アーモンド圃場(50ヘクタール)において、2015年5月21日〜7月6日の間、50m間隔で誘引剤Aを5本設置し、誘引試験を行った。トラップは、市販のウイングトラップを使用した。その結果、1日つき1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム雄の平均誘引数は、4.5±1.06頭であった。
比較例1
非特許文献3の誘引剤と同様に、直径15mm、高さ45mmの円筒形透明バイアル瓶にプロピオン酸フェニル3mLを入れ、幅9mm、長さ100mmの綿芯をバイアル瓶に挿入して、上部をアルミホイルで被ったものを誘引剤として用いた以外は、実施例1と同様に誘引試験を行った。その結果、1日つき1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム雄の平均誘引数は、2.9±0.52頭であった。
非特許文献3の誘引剤と同様に、直径15mm、高さ45mmの円筒形透明バイアル瓶にプロピオン酸フェニル3mLを入れ、幅9mm、長さ100mmの綿芯をバイアル瓶に挿入して、上部をアルミホイルで被ったものを誘引剤として用いた以外は、実施例1と同様に誘引試験を行った。その結果、1日つき1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム雄の平均誘引数は、2.9±0.52頭であった。
実施例2
製造された誘引剤Aを一定期間(0日〜6週間まで7段階)圃場暴露した後に、7種の暴露期間の異なる各5本の誘引剤Aを、一斉に米国のカリフォルニア州アーモンド試験圃場(50ヘクタール)に実施例1と同様に設置し、2015年10月6日〜10月14日の9日間、実施例1と同様に誘引試験を行った。その結果を表1に示す。表1の暴露期間「0日」は、10月6日に初めて誘引剤Aを試験圃場に設置し10月6日から誘殺数を測定したものであり、「1週目」は1週間前の9月29日から誘引剤Aを他の圃場に設置後、10月6日から試験圃場に移動して誘殺数を測定したものであり、以下同様である。表1の「NOW誘殺数(頭/9日)」は、測定した9日間の1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム(NOW)の平均誘殺数を示す。
製造された誘引剤Aを一定期間(0日〜6週間まで7段階)圃場暴露した後に、7種の暴露期間の異なる各5本の誘引剤Aを、一斉に米国のカリフォルニア州アーモンド試験圃場(50ヘクタール)に実施例1と同様に設置し、2015年10月6日〜10月14日の9日間、実施例1と同様に誘引試験を行った。その結果を表1に示す。表1の暴露期間「0日」は、10月6日に初めて誘引剤Aを試験圃場に設置し10月6日から誘殺数を測定したものであり、「1週目」は1週間前の9月29日から誘引剤Aを他の圃場に設置後、10月6日から試験圃場に移動して誘殺数を測定したものであり、以下同様である。表1の「NOW誘殺数(頭/9日)」は、測定した9日間の1本の誘引剤あたりのネーブルオレンジワーム(NOW)の平均誘殺数を示す。
誘引数について、0日と6週目には有意の差がなく、本発明の誘引剤は、少なくとも6週間、誘引効果が持続することが明らかとなった。
Claims (4)
- プロピオン酸フェニルと、フェニル酢酸エチルとを含有し、ネーブルオレンジワームの性フェロモン物質を含まない、0〜20℃において液体状であるネーブルオレンジワームの誘引組成物。
- 請求項1に記載のネーブルオレンジワームの誘引組成物と、
前記誘引組成物中の少なくとも前記プロピオン酸フェニルを透過可能な高分子膜と
を備えたネーブルオレンジワームの誘引剤。 - 前記高分子膜が、高密度ポリエチレン樹脂の膜である請求項2に記載のネーブルオレンジワームの誘引剤。
- 前記高分子膜が、前記誘引組成物を内部に封入する袋状である請求項2又は請求項3に記載のネーブルオレンジワームの誘引剤。
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JP2016005210A JP2017124990A (ja) | 2016-01-14 | 2016-01-14 | ネーブルオレンジワームの誘引組成物及び誘引剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109511635A (zh) * | 2017-09-20 | 2019-03-26 | 北京中捷四方生物科技股份有限公司 | 一种信息素释放装置系统及害虫防控方法 |
KR20210127485A (ko) * | 2020-04-14 | 2021-10-22 | 서울대학교산학협력단 | 자나방 방제용 조성물, 이의 제조방법, 및 이를 이용한 자나방 방제 방법 |
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2016
- 2016-01-14 JP JP2016005210A patent/JP2017124990A/ja active Pending
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KR20210127485A (ko) * | 2020-04-14 | 2021-10-22 | 서울대학교산학협력단 | 자나방 방제용 조성물, 이의 제조방법, 및 이를 이용한 자나방 방제 방법 |
KR102437066B1 (ko) | 2020-04-14 | 2022-08-29 | 서울대학교산학협력단 | 자나방 방제용 조성물, 이의 제조방법, 및 이를 이용한 자나방 방제 방법 |
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