JP2017124494A - ノズルヘッド、ヘッドユニット、及び、液体吐出装置 - Google Patents

ノズルヘッド、ヘッドユニット、及び、液体吐出装置 Download PDF

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裕 小橋
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Abstract

【課題】吐出された液滴の合一を抑制可能なノズルヘッドを提供する。【解決手段】第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並んだノズル列L0が形成されたノズル形成部10を有し、液滴を吐出するノズルヘッドであって、ノズル形成部は、液滴が吐出される側の第一の面11、及び、第一の面とは反対側の第二の面を有し、ノズル列において第一ノズルと第二ノズルとが隣接し、第一ノズルの第一の面における開口の重心点と、第一ノズルの第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第一方向とし、第二ノズルの第一の面における開口の重心点と、第二ノズルの第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第二方向とするとき、第一方向と第二方向が異なる。【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を吐出するノズルヘッド、ヘッドユニット、及び、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置(液体噴射装置)として、インクジェットプリンターの一種であるラインプリンター(ラインヘッド式インクジェットプリンター)が知られている。ラインプリンターは、被印刷物の全幅にわたるラインヘッドからインク滴を吐出して被印刷物にドットを形成するので、ノズルヘッドを往復移動させるシリアルプリンターと比べて印刷速度を向上させることが可能である。ラインヘッドでより高精細な印刷物を得るためには、ラインヘッドのノズル密度を高め、より小さな液滴で画像を形成する必要がある。
特許文献1には、直線状に並んだインク吐出用ノズル列を有するサーマルインクジェットプリントヘッドの2組をサーマルインクジェットプリントヘッドの端部にある接続部で直線状に接続したインク噴射記録ヘッドが開示されている。各サーマルインクジェットプリントヘッドのオリフィスプレートは、インク吐出方向が接続部寄りとなるように全てのインク吐出用ノズルが同じ小さな角度だけインク吐出用ノズルの並び方向へ傾斜している。
特開平7−171956号公報
ラインヘッドのノズル密度を高くしていくと、ライン上に並んだノズル列から同時に吐出されたインク滴が被印刷物上で互いに合一して表面張力により大きな一つのインク滴になってしまい、所望の高精細な画像が得られなくなる。また、水系インクではインク滴が大きいほどより被印刷物の奥まで吸収され、色材も被印刷物の奥まで入り込むのでインク滴合一により濃度が低下する。特許文献1に記載のサーマルインクジェットプリントヘッドは、サーマルインクジェットプリントヘッドの接続部での印字ドット密度が他の部分と変わらないようにインク吐出用ノズルを並び方向へ全て同じ角度で傾斜させているだけであり、前述の課題を解決することができない。
尚、上述した問題は、ラインヘッドに限らず、種々のノズルヘッド、ヘッドユニット、及び、液体吐出装置にも同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、吐出された液滴の合一を抑制可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、第一ノズル及び第二ノズルを含む複数のノズルが並んだノズル列が形成されたノズル形成部を有し、液滴を吐出するノズルヘッドであって、
前記ノズル形成部は、液滴が吐出される側の第一の面、及び、該第一の面とは反対側の第二の面を有し、
前記ノズル列において前記第一ノズルと前記第二ノズルとが隣接し、
前記第一ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第一ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第一方向とし、
前記第二ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第二ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第二方向とするとき、
前記第一方向と前記第二方向が異なる、態様を有する。
また、本発明は、前記ノズルヘッドを備えたヘッドユニットの態様を有する。
さらに、本発明は、前記ノズルヘッドを備えた液体吐出装置の態様を有する。
上述した態様は、吐出された液滴の合一を抑制可能な技術を提供することができる。
液体吐出装置の構成例を模式的に示す図。 ヘッドユニットの上からヘッドユニット及びその周辺の例を模式的に示す平面図。 ノズルヘッドの構造例を模式的に示す断面図。 ノズル形成部の構造例を模式的に示す断面図。 図2のA1−A1の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 図2のA2−A2の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 ノズル列において連続した複数のノズルから吐出される液滴、及び、これらの液滴により形成されるドットを模式的に例示する図。 被記録媒体の相対移動方向における記録解像度を紙幅方向における記録解像度よりも低くした例を模式的に示す平面図。 ヘッドユニットの上からヘッドユニット及びその周辺の例を模式的に示す平面図。 第一ノズルヘッド及び第二ノズルヘッドの例を模式的に示す平面図。 図10のA3−A3の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 図10のA4−A4の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 第一ノズルヘッド及び第二ノズルヘッドの例を模式的に示す平面図。 図10のA5−A5の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 図10のA6−A6の位置においてノズル形成部の断面の例を示す図。 ヘッドユニットの変形例を模式的に示す図。 ノズルヘッドの変形例を模式的に示す断面図。 比較例のノズルヘッドのノズル列において連続した複数のノズルから吐出される液滴、及び、これらの液滴により形成されるドットを模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜18を参照して本技術の概要を説明する。尚、図1〜18は模式的に示す図であり、各方向の拡大率や縮尺は異なることがあり、各図は整合していないことがある。また、図1〜18に示すノズルヘッドや液滴やドット等は、あくまでも説明のため模式的に示されたものであり、実際の大きさや形状等はこれらの図の通りになるとは限らない。
[態様1]
図2等に例示されるノズルヘッドH0は、第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並んだノズル列L0が形成されたノズル形成部10を有する。前記ノズル形成部10は、液滴LQ0が吐出される側の第一の面11、及び、該第一の面11とは反対側の第二の面12を有する。前記ノズル列L0において、前記第一ノズルNZ1と前記第二ノズルNZ2とが隣接している。ここで、図5に例示するように、前記第一ノズルNZ1の前記第一の面11における開口OP11の重心点CP11と、前記第一ノズルNZ1の前記第二の面12における開口OP12の重心点CP12と、を結ぶ方向を第一方向D1とする。また、図6に例示するように、前記第二ノズルNZ2の前記第一の面11における開口OP21の重心点CP21と、前記第二ノズルNZ2の前記第二の面12における開口OP22の重心点CP22と、を結ぶ方向を第二方向D2とする。前記第一方向D1と前記第二方向D2とは、異なる。
図18は、比較例のラインヘッドH9のノズル列において連続した複数のノズルNZ9から吐出される液滴LQ0、及び、これらの液滴LQ0により形成されるドットDT9を模式的に示している。図18に示す各ノズルNZ9は、液滴LQ0を吐出する方向が全てノズルプレート921の厚さ方向D11、すなわち、吐出面911及び被印刷物500と直交する方向となるようにノズルプレート921に対して形成されている。ここで、ラインヘッドH9のノズル列における複数のノズルNZ9の並び方向D12が被印刷物500の紙幅方向D14であり、これらのノズルNZ9が600npi(nozzle per inch)で配置されているとする。この場合、ノズルピッチP1は42.3μmとなり、紙幅方向D14において被印刷物500に形成されるドットDT9の間隔はP1=42.3μmとなる。図18には、ドットDT9の形成予定位置を表す画素PX0も被印刷物500に示している。ノズルピッチP1=42.3μmの各ノズルNZ9から吐出された液滴LQ0は、被印刷物500に着弾して図18の状態ST91に示すようにドットDT9が広がると、図18の状態ST92の符号DT9cに示すようにドットが合一して大きく滲んでしまう。液滴LQ0のサイズを小さくすると滲みは低減するが、被印刷物上での濃度が低下してしまう。
ノズルヘッドを往復移動させるシリアルプリンターでは、複数回のパスで画像を形成可能であるため、隣接するドットを異なるパスで形成すれば液滴の合一を回避可能である。ラインプリンターでは、ノズルヘッドが被印刷物のある特定点を1回しか通過しないため、液滴の合一が発生し易い。被印刷物を印字前に加熱して液滴の乾燥及び被印刷物への吸収を促進させる方法でも、ほぼ同時に隣接ドットが形成されるラインプリンターでは効果が薄く、加熱による被印刷物の変形やラインヘッドの信頼性低下の課題がある。
また、インクとは別に処理剤を塗布して色材を凝集させたり固着させたりする等して液滴の合一による画質劣化を防止しようとする方法では、処理剤による凝集や固着が被印刷物の乾燥状態や表面の濃度分布などにより左右されるため印字品質が不安定となる。また、耐擦性低下の課題がある。
上記態様1では、ノズル列L0にある第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11と、該第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12と、を結ぶ方向は、第二方向D2と異なる第一方向D1である。ノズル列L0において第一ノズルNZ1と隣接する第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21と、該第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22と、を結ぶ方向は、第一方向D1と異なる第二方向D2である。従って、本態様は、吐出された液滴の合一を抑制可能なノズルヘッドを提供することができる。
ここで、第一ノズルに隣接する第二ノズルは、ノズル列にある複数のノズルの中で第一ノズルに最も近いノズルのいずれかを意味する。第二ノズルに隣接する第一ノズルは、ノズル列にある複数のノズルの中で第二ノズルに最も近いノズルのいずれかを意味する。
[態様2]
前記複数のノズルNZ0は、前記第一ノズルNZ1を複数含んでもよい。さらに、前記複数のノズルNZ0は、前記ノズル列L0において前記複数の第一ノズルNZ1のいずれかと隣接した前記第二ノズルNZ2を複数含んでもよい。本態様は、吐出された液滴の合一をさらに抑制可能な技術を提供することができる。
尚、第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2とは、ノズル列L0において交互に並べられてもよい。また、連続して隣接するn個の第一ノズルNZ1が1組とされ、連続して隣接するn個の第二ノズルNZ2が1組とされて、第一ノズルNZ1の組と第二ノズルNZ2の組とがノズル列L0において交互に並べられてもよい。いずれの場合も、上記態様2に含まれる。
[態様3]
図5に例示するように、前記第一ノズルNZ1の前記第一の面11における開口OP11の重心点CP11は、前記第一ノズルNZ1の前記第二の面12における開口OP12の重心点CP12を前記第一の面11に対して垂直に投影した点(例えば投影点PP1)から前記ノズル列L0における複数のノズルNZ0の並び方向D12と交差する方向(例えば搬送方向D13)にあってもよい。この態様は、ノズルの並び方向における液滴の合一をさらに抑制可能な技術を提供することができる。
また、図6に例示するように、前記第二ノズルNZ2の前記第一の面11における開口OP21の重心点CP21は、前記第二ノズルNZ2の前記第二の面12における開口OP22の重心点CP22を前記第一の面11に対して垂直に投影した点(例えば投影点PP2)から前記ノズル列L0における複数のノズルNZ0の並び方向D12と交差する方向(例えば搬送方向D13)にあってもよい。この態様も、ノズルの並び方向における液滴の合一をさらに抑制可能な技術を提供することができる。
ここで、前記並び方向D12と交差する方向は、吐出される液滴LQ0が着弾する被記録媒体(例えば被印刷物500)の前記ノズル列L0に対する相対移動方向(例えば被記録媒体の搬送方向D13)でもよい。これにより、ノズルの並び方向における液滴の合一をさらに抑制可能となる。
[態様4]
前記ノズル列L0における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、吐出される液滴LQ0が着弾する被記録媒体(500)の搬送方向D13と交差する方向でもよい。本態様は、吐出された液滴の合一を抑制可能なノズルヘッドの好適な例を提供することができる。
[態様5]
図9〜12に例示されるヘッドユニット100は、前記ノズルヘッドH0を複数有し、被記録媒体(500)に液滴LQ0を吐出する。前記複数のノズルヘッドH0は、第一ノズルヘッドH1、及び、該第一ノズルヘッドH1と同色の液滴LQ0を吐出する第二ノズルヘッドH2を含む。前記第一ノズルヘッドH1及び前記第二ノズルヘッドH2の前記ノズル列L0における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、液滴LQ0を吐出する時の前記複数のノズルヘッドH0に対する前記被記録媒体(500)の相対移動方向(D13)と交差する方向である。前記第一ノズルヘッドH1のノズルから前記相対移動方向(D13)の位置に前記第二ノズルヘッドH2のノズルが配置されている。本態様は、被記録媒体の相対移動方向における同色の液滴の合一を抑制可能なノズルユニットを提供することができる。
[態様6]
ここで、前記第一ノズルヘッドH1における前記第一ノズルNZ1から前記相対移動方向(D13)の位置に前記第二ノズルヘッドH2における前記第一ノズルNZ1が配置されてもよい。また、前記第一ノズルヘッドH1における前記第二ノズルNZ2から前記相対移動方向(D13)の位置に前記第二ノズルヘッドH2における前記第二ノズルNZ2が配置されてもよい。本態様は、被記録媒体の相対移動方向における同色の液滴の合一をさらに抑制可能なノズルユニットを提供することができる。
[態様7]
図13〜15に例示されるヘッドユニット100は、第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並んだ第一ノズル列L1、及び、第三ノズルNZ3及び第四ノズルNZ4を含む複数のノズルNZ0が並んだ第二ノズル列L2が、前記第一ノズル列L1における複数のノズルNZ0の並び方向D12と交差する方向(D13)へ並んだノズル形成部10を有し、被記録媒体(500)に液滴LQ0を吐出する。前記第二ノズル列L2は、前記第一ノズル列L1と同色の液滴LQ0を吐出する。前記第一ノズル列L1及び前記第二ノズル列L2における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、液滴LQ0を吐出する時の前記第一ノズル列L1及び前記第二ノズル列L2に対する前記被記録媒体(500)の相対移動方向(D13)と交差する方向である。前記第一ノズル列L1における前記第一ノズルNZ1から前記相対移動方向(D13)の位置に前記第二ノズル列L2における前記第三ノズルNZ3が配置されている。前記第一ノズル列L1における前記第二ノズルNZ2から前記相対移動方向(D13)の位置に前記第二ノズル列L2における前記第四ノズルNZ4が配置されている。前記ノズル形成部10は、液滴LQ0が吐出される側の第一の面11、及び、該第一の面11とは反対側の第二の面12を有している。前記第一ノズル列L1において、前記第一ノズルNZ1と前記第二ノズルNZ2とが隣接している。ここで、前記第一ノズルNZ1の前記第一の面11における開口OP11の重心点CP11と、前記第一ノズルNZ1の前記第二の面12における開口OP12の重心点CP12と、を結ぶ方向を第一方向D1とする。また、前記第二ノズルNZ2の前記第一の面11における開口OP21の重心点CP21と、前記第二ノズルNZ2の前記第二の面12における開口OP22の重心点CP22と、を結ぶ方向を第二方向D2とする。前記第一方向D1と前記第二方向D2は、異なる。さらに、前記第三ノズルNZ3の前記第一の面11における開口OP31の重心点CP31と、前記第三ノズルNZ3の前記第二の面12における開口OP32の重心点CP32と、を結ぶ方向を第三方向D3とする。また、前記第四ノズルNZ4の前記第一の面11における開口OP41の重心点CP41と、前記第四ノズルNZ4の前記第二の面12における開口OP42の重心点CP42と、を結ぶ方向を第四方向D4とする。前記第三方向D3と前記第四方向D4は、異なる。
上記態様7では、第一ノズル列L1にある第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11と、該第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12と、を結ぶ方向は、第二方向D2と異なる第一方向D1である。第一ノズル列L1において第一ノズルNZ1と隣接する第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21と、該第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22と、を結ぶ方向は、第一方向D1と異なる第二方向D2である。また、第一ノズル列L1における第一ノズルNZ1から相対移動方向(D13)へ第二ノズル列L2における第三ノズルNZ3が配置され、該第三ノズルNZ3の第一の面11における開口OP1の重心点と、該第三ノズルNZ3の第二の面12における開口OP2の重心点と、を結ぶ方向は、第四方向D4と異なる第三方向D3である。第一ノズル列L1における第二ノズルNZ2から相対移動方向(D13)へ第二ノズル列L2における第四ノズルNZ4が配置され、該第四ノズルNZ4の第一の面11における開口OP1の重心点と、該第四ノズルNZ4の第二の面12における開口OP2の重心点と、を結ぶ方向は、第三方向D3と異なる第四方向D4である。従って、本態様は、被記録媒体の相対移動方向、及び、該相対移動方向と交差する方向における同色の液滴の合一を抑制可能なノズルユニットを提供することができる。
[態様8]
図2等に例示される液体吐出装置200は、前記ノズルヘッドH0を備える。この態様は、吐出された液滴の合一を抑制可能な液体吐出装置を提供することができる。
ここで、液体吐出装置は、ラインプリンター、シリアルプリンター、等を含む。
[態様9]
前記ノズルヘッドH0は、被記録媒体(500)に液滴LQ0を吐出してもよい。図8に例示するように、液滴LQ0を吐出する時の前記ノズルヘッドH0に対する前記被記録媒体(500)の相対移動方向(D13)における記録解像度(例えば印刷解像度)は、該相対移動方向(D13)と直交する方向における記録解像度よりも低くてもよい。本態様は、被記録媒体の相対移動方向における同色の液滴の合一をさらに抑制可能な液体吐出装置を提供することができる。
(2)液体吐出装置の構成例:
図1は、液体吐出装置の構成例を模式的に示している。図1に示す液体吐出装置200は、インクを液滴LQ0として吐出してドットDT0を形成するときにヘッドユニット100が移動しないで被印刷物(print substrate)500が移動するラインプリンターとされている。被印刷物500は、被記録媒体の例であり、印刷用紙の他、樹脂シート、金属板、等を含む。図2は、ヘッドユニット100及びその周辺の例をヘッドユニット100の上から模式的に示している。図2の下部には、ノズルヘッドH0kの一部を拡大して示している。図3は、ノズルヘッドH0の断面の構造例を模式的に示している。
本明細書において、符号D11はノズルプレート21の厚さ方向、符号D12はノズルNZ0における複数のノズルNZ0の並び方向、符号D13は被印刷物500の搬送方向、符号D14は被印刷物500の搬送方向に直交する紙幅方向、を示している。ノズルプレート21は、ノズル列L0が形成されたノズル形成部10の例である。搬送方向D13は、液滴LQ0を吐出する時のヘッドユニット100に対する被印刷物500の相対移動方向の例である。図2の例では並び方向D12と紙幅方向D14が一致しているが、並び方向D12と紙幅方向D14とはずれていてもよい。これらの方向D12,D14と厚さ方向D11と搬送方向D13とは、互いに直交するものとするが、直交しないで交差してもよい。むろん、二方向が交差することは、直交することを含めて二方向がずれていることを意味する。
図1に示す液体吐出装置200は、上記ヘッドユニット100の他、操作パネル47、搬送機構51、コントローラー40、等を備えている。
操作パネル47は、出力部47a、入力部47b、等を有し、コントローラー40に接続され、ユーザーが液体吐出装置200に対して各種の指示を入力可能である。出力部47aには、各種の指示に応じた情報や液体吐出装置200の状態を示す情報を表示する液晶パネル(表示部)、音声出力部、等を用いることができる。入力部47bには、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル、カーソルキーや決定キーといった操作キー、等を用いることができる。
搬送機構51は、紙送りモーター、ローラー対、等を有し、コントローラー40の制御に従って被印刷物500を搬送方向D13へ送り出す。
コントローラー40では、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、不揮発性メモリー44、通信I/F(インターフェイス)45、カードI/F46、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。不揮発性メモリー44には、フラッシュメモリー等の不揮発性半導体メモリー、ハードディスク等の磁気記憶装置、等を用いることができる。通信I/F45は、ホスト装置48に接続され、ホスト装置48に対して情報を入出力する。通信I/F45には、USB(Universal Serial Bus)、近距離無線通信規格、等を用いることができる。ホスト装置48には、パーソナルコンピューターといったコンピューター、スマートフォンといった携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、等が含まれる。カードI/F46は、不揮発性半導体メモリーであるメモリーカード49にデータを書き込んだりメモリーカード49からデータを読み出したりする回路である。
コントローラー40は、被印刷物500が搬送方向D13へ所定の速度(例えば1000mm/秒)で搬送されるように搬送機構51の動作を制御する。また、コントローラー40は、ホスト装置48やメモリーカード49から入力される印刷用データに応じたドットが形成される液滴LQ0がノズルNZ0から吐出されるように圧電素子27(図3参照)の動作を制御する。搬送方向D13において所定の印刷解像度(記録解像度の例)を実現するため、コントローラー40は、印刷解像度に合わせた周期の駆動パルスを有する電圧信号を生成している。例えば、搬送速度1000mm/秒の被印刷物500に対して印刷解像度600dpiを実現する場合、42.3(μm)÷1000(mm/秒)=42.3μ秒周期の駆動パルスを生成すればよい。コントローラー40は、印刷用データに基づいて、ドットが形成される液滴LQ0を吐出するタイミングで駆動パルスを圧電素子27に供給し、液滴LQ0を吐出しないタイミングでは駆動パルスを圧電素子27に供給しない。これにより、印刷用データに応じたドットパターンが印刷画像として被印刷物500に形成される。
ヘッドユニット100は、インクカートリッジ(液体カートリッジ)61cからのC(シアン)の液滴LQ0を吐出するノズルヘッドH0c、インクカートリッジ61mからのM(マゼンタ)の液滴LQ0を吐出するノズルヘッドH0m、インクカートリッジ61yからのY(イエロー)の液滴LQ0を吐出するノズルヘッドH0y、及び、インクカートリッジ61kからのK(ブラック)の液滴LQ0を吐出するノズルヘッドH0kを有している。これらのノズルヘッドH0c,H0m,H0y,H0kをノズルヘッドH0と総称し、インクカートリッジ61c,61m,61y,61kをインクカートリッジ61と総称する。ノズルヘッドH0は、ヘッドユニット100において色毎に設けられ、液滴LQ0を吐出するノズルNZ0が複数並んだノズル列L0を有するものとする。ヘッドユニット100は、ノズルヘッドH0の集合体とする。図2に示すノズルヘッドH0kは、第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が紙幅方向D14と一致する並び方向D12へノズルピッチP1で並んだノズル列L0を有している。本具体例のノズルピッチP1は、600npiに相当する42.3μmとする。残りのノズルヘッドH0c,H0m,H0yも、第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並び方向D12へノズルピッチP1で並んだノズル列L0を有するものとする。ノズルヘッドH0c,H0m,H0y,H0kは、搬送方向D13へ並べられている。
尚、特開平7-171956号公報に記載のサーマルインクジェットプリントヘッドは、サーマルインクジェットプリントヘッドの接続部での印字ドット密度が他の部分と変わらないようにインク吐出用ノズルを並び方向へ全て同じ角度で傾斜させているだけである。一方、本具体例は、同じノズルプレート21という部材に第一方向D1を向いた第一ノズルNZ1と異なる第二方向D2を向いた第二ノズルNZ2を形成することにより液滴LQ0の合一を抑制するという特徴を有する。また、本具体例は、第一ノズルNZ1の傾斜や第二ノズルNZ2の傾斜がノズルの並び方向D12ではなく、好ましい向きとして被印刷物500の搬送方向D13に向いているという特徴も有する。これは、被印刷物500の紙幅方向D14における液滴LQ0の合一を抑制する課題を好ましく解決するためである。
図3に示すノズルヘッドH0は、ノズルプレート21、流路基板22、及び、振動板23が順に厚さ方向D11へ積層されて接合された構造を有している。この接合は、接着剤等により行うことができる。振動板23の上には、収容空間25が形成されたヘッド本体24が配置されている。この収容空間25において、振動板23の上に駆動素子である圧電素子27が形成されている。
ノズルプレート21は、液滴LQ0が吐出される側の第一の面11、及び、該第一の面11とは反対側の第二の面12を有する平板状の部材である。ノズルプレート21には、第二の面12から第一の面11まで貫通したノズルNZ0が複数形成されている。各ノズルNZ0は、対応する圧力室31に連通している。
圧電素子27が積層された部分の振動板23は、圧電素子27の駆動に応じて弾性変形可能とされている。圧電素子27は、例えば、振動板23の上に形成された下電極、この下電極の上に形成された圧電体層、及び、この圧電体層の上に形成された上電極で構成され、ノズルNZ0毎に割り当てられる。図示しない駆動回路から下電極と上電極との間に印加される駆動電圧に応じて圧電体層が伸縮し、これにより圧力室31の壁の一部を構成する振動板23が弾性変形する。
ノズルプレート21と振動板23との間にある流路基板22には、ヘッド本体24の内部流路26に繋がった共通インク室29、ノズルNZ0毎に割り当てられた圧力室31、及び、圧力室31毎に割り当てられたインク供給口30が形成されている。各インク供給口30は、共通インク室29に繋がり、対応する圧力室31に繋がっている。従って、インクカートリッジ61からのインクは、内部流路26から共通インク室29に入り、各インク供給口30から各圧力室31に入る。圧電素子27の駆動により振動板23が弾性変形すると、圧力室31に連通するノズルNZ0から液滴LQ0となって吐出される。
尚、ノズルプレート21、流路基板22、振動板23、ヘッド本体24、及び、圧電素子27の材料には、種々の公知の材料を用いることができる。ノズルプレート21、流路基板22、振動板23、ヘッド本体24、及び、圧電素子27の形成方法も、特に限定されず、種々の公知の形成方法を採用することができる。ノズルプレート21にノズルNZ0を形成する方法も、物理的方法でもよいし化学的方法でもよく、種々の公知の形成方法を採用することができる。
また、液滴を吐出させる駆動素子には、圧電素子以外にも、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズルから液滴を吐出させるサーマル素子、等を用いることができる。
図4は、ノズルプレートの構造例を模式的に示している。図4に示すノズルプレート21には、第二の面12から第一の面11まで貫通したノズルNZ0が形成されている。図4には、ノズルNZ0の第一の面11における開口OP1の重心点CP1、及び、ノズルNZ0の第二の面12における開口OP2の重心点CP2を示している。ここで、重心点CP1,CP2は、開口OP1,OP2が密度一定の薄い平板であると仮定したときに釣り合う質量中心とする。図3,4では重心点CP1,CP2を結ぶ方向が厚さ方向D11とされているが、本技術では、ノズル列L0内において重心点CP1,CP2を結ぶ方向を図5,6等に例示するように変えることにより、吐出された液滴の合一を抑制する。
以下、ノズルの開口の重心点を結ぶ方向を変える具体例を説明する。
(3)第一の具体例:
図5は、図2のA1−A1の位置においてノズルヘッドH0kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図5には、厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第一ノズルNZ1の例が示されている。図5に示す液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ1は、0.87°である。図5では、分かり易くするために角度を強調している。図示していないが、ノズルヘッドH0kのノズル列L0に含まれる他の第一ノズルNZ1、及び、ノズルヘッドH0c,H0m,H0yのノズル列L0に含まれる第一ノズルNZ1も、同じ構造とされている。
また、図6は、図2のA2−A2の位置においてノズルヘッドH0kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図6には、厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第二ノズルNZ2の例が示されている。図6に示す液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ2は、0.87°である。図6でも、分かり易くするために角度を強調している。図示していないが、ノズルヘッドH0kのノズル列L0に含まれる他の第二ノズルNZ2、及び、ノズルヘッドH0c,H0m,H0yのノズル列L0に含まれる第二ノズルNZ2も、同じ構造とされている。
ここで、図2に示すノズルヘッドH0は、ラインプリンターに用いられるラインヘッドである。ノズル列L0における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、吐出される液滴LQ0が着弾する被印刷物500の搬送方向D13と直交する紙幅方向D14である。ノズル列L0は、複数の第一ノズルNZ1、及び、複数の第二ノズルNZ2を含む。第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2は、ノズル列L0において交互に配置されている。従って、全ての第一ノズルNZ1はノズル列L0において複数の第二ノズルNZ2のいずれかと隣接し、全ての第二ノズルNZ2はノズル列L0において複数の第一ノズルNZ1のいずれかと隣接している。
図5には、第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11、第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12、及び、重心点CP11,CP12を結ぶ第一方向D1を示している。図6には、第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21、第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22、及び、重心点CP21,CP22を結ぶ第二方向D2を示している。図5,6に示すように、第一方向D1と第二方向D2は、異なっている。
また、図5には、第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP1)を示している。第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11は、前記投影点PP1から並び方向D12と直交する搬送方向D13の下流側(図5の左側)にある。図6には、第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP2)を示している。第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21は、前記投影点PP2から並び方向D12と直交する搬送方向D13の上流側(図6の右側)にある。
図7は、ノズル列L0において連続した4個のノズルNZ0から吐出される液滴LQ0、及び、これらの液滴LQ0により形成されるドットDT0(図7の下部)を模式的に例示している。図7の下部には、ドットDT0の形成予定位置を表す画素PX0も被印刷物500に示している。第一ノズルNZ1から吐出される液滴LQ0は、図7に示すようにノズル列L0を見る方向を基準として奥側へ吐出される。一方、第二ノズルNZ2から吐出される液滴LQ0は、図7に示すようにノズル列L0を見る方向を基準として手前側へ吐出される。
以上のように、ノズル列L0において互いに隣接する第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を異なる吐出角度に設計することで、液滴LQ0の着弾位置が搬送方向D13へずれる。これにより、液滴の合一による滲みが抑制され、高画質の印刷物が得られる。
図7に示す具体例では、第一ノズルNZ1からのドットと第二ノズルNZ2からのドットが搬送方向D13へ600dpi(画素ピッチP2=42.3μm)で1画素分ずれるように設計されている。例えば、液滴LQ0の速度を7m/秒、ノズルプレート21の第一の面11から被印刷物500までの距離を1.4mmとする。この場合、第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2の吐出角度の差(図5,6ではθ1+θ2)を1.73°にすればよい。θ1=θ2とする場合には、θ1=θ2=0.87°となる。実際には気流の影響や空気抵抗を受け多少のずれが生じるため、ノズルプレート21の第一の面11から被印刷物500までの距離を調整することで1画素分のずれ量に調整すればよい。この場合、第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2とで搬送方向D13における液滴LQ0の着弾位置が異なるため、コントローラー40(図1参照)は、第一ノズルNZ1に対応する画素、又は、第二ノズルNZ2に対応する画素を1画素分、搬送方向D13へずらす処理を行った上で各圧電素子27に供給する駆動信号を制御すればよい。
むろん、両ノズルNZ1,NZ2からのドットを搬送方向D13へずらす量は、1画素でなく、より吐出角度の差をつけて2画素以上にしてもよい。また、画素の単位からドットの位置がずれるため文字や線の品質が低下する可能性があるものの、両ノズルNZ1,NZ2からのドットを搬送方向D13へずらす量は、0.5画素、1.5画素、等、画素の単位の非整数倍としてもよい。
以上説明したように、本具体例のノズルヘッドH0は、ノズル列L0において互いに隣接する第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2について、第一ノズルNZ1の重心点CP11,CP12を結ぶ第一方向D1と、第二ノズルNZ2の重心点CP21,CP22を結ぶ第二方向D2と、が異なっている。従って、本具体例は、ノズルの並び方向における液滴の合一を抑制可能であり、液滴の滲みによる画質劣化を抑制することができ、印字品質が不安定になったり耐擦性が低下したりする等の問題を抑制することができる。
尚、上述した第一の具体例は、紙幅方向D14において隣接するノズルからの液滴の合一には効果があるが、搬送方向D13において隣接する液滴の合一には効果がない。例えば、被印刷物500の搬送速度1000mm/秒(A4サイズで約0.3秒)の高速搬送を行うラインプリンターにおいて、搬送方向D13において印刷解像度600dpiの精細度で一つのノズルNZ0から連続して液滴LQ0を吐出するとする。この場合、42.3(μm)÷1000(mm/秒)=42.3μ秒間隔で液滴LQ0を吐出することになるため、液滴LQ0の吸収が遅い被印刷物ではやはり滲みが生じてしまう。
そこで、図8に示すように、搬送方向D13における印刷解像度(画素ピッチP2)を液滴LQ0の合一が生じ難い距離まで広げてもよい。図8は、被印刷物500の搬送方向D13における印刷解像度を紙幅方向D14における印刷解像度よりも低くした例を模式的に示している。例えば、搬送方向D13における印刷解像度を400dpi(P2=63.5μm)にする場合、コントローラー40(図1参照)は、一つのノズルNZ0から搬送方向D13へ連続して液滴LQ0を吐出するときに63.5μm間隔でドットDT0が形成されるように圧電素子27に供給する駆動信号を制御すればよい。この場合、ヘッドユニット100はここまで説明した通りの構成であるので、紙幅方向D14の印刷解像度は600dpiのままである。液滴LQ0を吐出する時の搬送方向D13における印刷解像度が紙幅方向D14における印刷解像度よりも低くなると、搬送方向D13における同色の液滴の合一が抑制される。
(4)第二の具体例:
第二の具体例では、上述した搬送方向D13における液滴LQ0の合一の対策のため、図9に示すように、ノズルヘッドH0を各色2列配置としている。図9は、各色2列配置としたヘッドユニット100及びその周辺の例をヘッドユニット100の上から模式的に示している。図10は、第一ノズルヘッドH1k(H1)及び第二ノズルヘッドH2k(H2)の一部を拡大して示している。尚、第一ノズルヘッドH1及び第二ノズルヘッドH2の構造は、図3で示したノズルヘッドH0の構造と同様であるものとする。
図9,10に示すヘッドユニット100の複数のノズルヘッドH0は、第一ノズルヘッドH1、及び、該第一ノズルヘッドH1と同色の液滴LQ0を吐出する第二ノズルヘッドH2を含んでいる。具体的には、ヘッドユニット100に、Cの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1c及び第二ノズルヘッドH2c、Mの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1m及び第二ノズルヘッドH2m、Yの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1y及び第二ノズルヘッドH2y、並びに、Kの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kが配置されている。これらのノズルヘッドH1c,H2c,H1m,H2m,H1y,H2y,H1k,H2kは、搬送方向D13へ並べられている。ここで、第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1y,H1kを第一ノズルヘッドH1と総称し、第二ノズルヘッドH2c,H2m,H2y,H2kを第二ノズルヘッドH2と総称する。また、第一ノズルヘッドH1に形成されたノズル列L0を第一ノズル列L1と呼び、第二ノズルヘッドH2に形成されたノズル列L0を第二ノズル列L2と呼ぶことにする。
第一ノズル列L1及び第二ノズル列L2における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、搬送方向D13と直交する紙幅方向D14である。ここで、搬送方向D13は液滴LQ0を吐出する時の複数のノズルヘッドH0に対する被印刷物500の相対移動方向であり、紙幅方向D14は搬送方向D13と交差する方向である。
図10に示すように、第一ノズルヘッドH1kにおける第一ノズルNZ1から搬送方向D13の位置に第二ノズルヘッドH2kにおける第一ノズルNZ1が配置されている。また、第一ノズルヘッドH1kにおける第二ノズルNZ2から搬送方向D13の位置に第二ノズルヘッドH2kにおける第二ノズルNZ2が配置されている。ノズルヘッドH1c,H2cの組、ノズルヘッドH1m,H2mの組、及び、ノズルヘッドH1y,H2yの組も、第一ノズルヘッドH1における第一ノズルNZ1から搬送方向D13の位置に第二ノズルヘッドH2における第一ノズルNZ1が配置され、第一ノズルヘッドH1における第二ノズルNZ2から搬送方向D13の位置に第二ノズルヘッドH2における第二ノズルNZ2が配置されているものとする。
図11は、図10のA3−A3の位置において第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図11には、両ノズルヘッドH1k,H2kについて、厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第一ノズルNZ1の例が示されている。図11に示す液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ1は、ノズルヘッドH1k,H2kのいずれも0.87°である。図11でも、分かり易くするために角度を強調している。図示していないが、ノズルヘッドH1k,H2kのノズル列L0に含まれる他の第一ノズルNZ1、及び、ノズルヘッドH1c,H2c,H1m,H2m,H1y,H2yのノズル列L0に含まれる第一ノズルNZ1も、同じ構造とされている。
図12は、図10のA4−A4の位置において第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図12には、両ノズルヘッドH1k,H2kについて、厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第二ノズルNZ2の例が示されている。図12に示す液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ2は、ノズルヘッドH1k,H2kのいずれも0.87°である。図12でも、分かり易くするために角度を強調している。図示していないが、ノズルヘッドH1k,H2kのノズル列L0に含まれる他の第二ノズルNZ2、及び、ノズルヘッドH1c,H2c,H1m,H2m,H1y,H2yのノズル列L0に含まれる第二ノズルNZ2も、同じ構造とされている。
ここで、ノズルピッチP1が600npiであり、搬送方向D13における印刷解像度が600dpiであり、搬送方向D13において隣接する画素PX0には必ず異なるノズルヘッドからの液滴LQ0が着弾するものとする。この場合、第一ノズルヘッドH1から吐出される液滴LQ0だけ見ると吐出間隔は300dpi(84.7μm)と離れているので、液滴LQ0の合一は生じ難い。しかし、第一ノズルヘッドH1と第二ノズルヘッドH2の両方から搬送方向D13において連続して液滴LQ0を吐出すると、吐出間隔が600dpi(42.3μm)と狭く、液滴LQ0の合一が生じ易い。
そこで、本具体例では、図10に示すように、搬送方向D13において第一ノズルヘッドH1kと第二ノズルヘッドH2kとのノズルピッチP3を広くしている。例えば、被印刷物500の搬送速度1000mm/秒の高速搬送を行うラインプリンターにおいて、P3=10mmの設定としている。図示していないが、ノズルヘッドH1c,H2c、ノズルヘッドH1m,H2m、及び、ノズルヘッドH1y,H2yについても、搬送方向D13におけるノズルピッチP3を10mmに設定している。これにより、第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1y,H1kからの液滴LQ0が着弾してから第二ノズルヘッドH2c,H2m,H2y,H2kからの液滴LQ0が着弾するまで約10ミリ秒(10ミリ秒+42.3μ秒)の間隔が空く。この間に第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1y,H1kからの液滴LQ0が被印刷物500に浸透するので、液滴LQ0の合一が抑制される。尚、コントローラー40(図1参照)は、第一ノズルヘッドH1からの液滴LQ0の吐出と比べて第二ノズルヘッドH2からの液滴LQ0の吐出を10ミリ秒遅らせるように圧電素子27に供給する駆動信号を制御すればよい。
以上説明したように、本具体例のヘッドユニット100は、被印刷物500の搬送方向D13における同色の液滴の合一を抑制可能であり、液滴の滲みによる画質劣化を抑制することができ、印字品質が不安定になったり耐擦性が低下したりする等の問題を抑制することができる。
(5)第三の具体例:
ただ、液体吐出装置の小型化やコスト削減のため、図10に示すノズルピッチP3を狭くせざるを得ないことも想定される。図13は、第三の具体例として、ノズルピッチP4が図10のノズルピッチP3よりも狭くなった第一ノズルヘッドH1k(H1)及び第二ノズルヘッドH2k(H2)の一部を拡大して示している。尚、第一ノズルヘッドH1及び第二ノズルヘッドH2の構造は、ノズルNZ0を除いて図3で示したノズルヘッドH0の構造と同様であるものとする。また、第三の具体例のヘッドユニット100は、第二の具体例(図9参照)と同様、Cの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1c及び第二ノズルヘッドH2c、Mの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1m及び第二ノズルヘッドH2m、Yの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1y及び第二ノズルヘッドH2y、並びに、Kの液滴LQ0を吐出する第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kを有するものとする。
図13に示すように、第一ノズルヘッドH1kには、第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並んだ第一ノズル列L1が形成されている。第二ノズルヘッドH2kには、第三ノズルNZ3及び第四ノズルNZ4を含む複数のノズルNZ0が並んだ第二ノズル列L2が形成されている。第一ノズル列L1及び第二ノズル列L2は、搬送方向D13へ並べられ、図3で示したノズルプレート21に形成されている。第一ノズル列L1及び第二ノズル列L2における複数のノズルNZ0の並び方向D12は、搬送方向D13と直交する紙幅方向D14である。ここで、搬送方向D13は液滴LQ0を吐出する時の複数のノズルヘッドH0に対する被印刷物500の相対移動方向であり、紙幅方向D14は搬送方向D13と交差する方向である。
図13に示すように、第一ノズル列L1における第一ノズルNZ1から搬送方向D13の位置に第二ノズル列L2における第三ノズルNZ3が配置されている。また、第一ノズル列L1における第二ノズルNZ2から搬送方向D13の位置に第二ノズル列L2における第四ノズルNZ4が配置されている。ノズルヘッドH1c,H2cの組、ノズルヘッドH1m,H2mの組、及び、ノズルヘッドH1y,H2yの組も、第一ノズル列L1における第一ノズルNZ1から搬送方向D13の位置に第二ノズル列L2における第三ノズルNZ3が配置され、第一ノズル列L1における第二ノズルNZ2から搬送方向D13の位置に第二ノズル列L2における第四ノズルNZ4が配置されているものとする。
以下、液滴LQ0の速度が7m/秒、ノズルプレート21の第一の面11から被印刷物500までの距離が1.4mm、ノズルピッチP4が2mmであるとして、液滴LQ0の吐出角度θ1,θ2,θ3,θ4の例を説明する。ノズルピッチP4が2mmである場合、第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1y,H1kからの液滴LQ0が着弾してから第二ノズルヘッドH2c,H2m,H2y,H2kからの液滴LQ0が着弾するまで約2ミリ秒の間隔しかない。従って、液滴LQ0の吸収が遅い被印刷物では、搬送方向D13における液滴LQ0の合一が生じ易い。
図14は、図13のA5−A5の位置において第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図14には、第一ノズルヘッドH1kについて厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第一ノズルNZ1の例が示され、第二ノズルヘッドH2kについて厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第三ノズルNZ3の例が示されている。第一ノズルNZ1からの液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ1は、0°である。第三ノズルNZ3からの液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ3は、35.6°である。尚、分かり易くするため、図14に示す角度は正確ではない。図示していないが、第一ノズルヘッドH1kの第一ノズル列L1に含まれる他の第一ノズルNZ1、第二ノズルヘッドH2kの第二ノズル列L2に含まれる他の第三ノズルNZ3、第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1yの第一ノズル列L1に含まれる第一ノズルNZ1、及び、第二ノズルヘッドH2c,H2m,H2yの第二ノズル列L2に含まれる第三ノズルNZ3も、同じ構造とされている。
図15は、図13のA6−A6の位置において第一ノズルヘッドH1k及び第二ノズルヘッドH2kのノズルプレート21の断面を例示している。すなわち、図15には、第一ノズルヘッドH1kについて厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第二ノズルNZ2の例が示され、第二ノズルヘッドH2kについて厚さ方向D11及び搬送方向D13に沿った断面における第四ノズルNZ4の例が示されている。第二ノズルNZ2からの液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ2は、1.7°である。第四ノズルNZ4からの液滴LQ0の厚さ方向D11に対する吐出角度θ4は、33.9°である。尚、分かり易くするため、図15に示す角度は正確ではない。図示していないが、第一ノズルヘッドH1kの第一ノズル列L1に含まれる他の第二ノズルNZ2、第二ノズルヘッドH2kの第二ノズル列L2に含まれる他の第四ノズルNZ4、第一ノズルヘッドH1c,H1m,H1yの第一ノズル列L1に含まれる第二ノズルNZ2、及び、第二ノズルヘッドH2c,H2m,H2yの第二ノズル列L2に含まれる第四ノズルNZ4も、同じ構造とされている。
以上より、第一ノズルNZ1と第三ノズルNZ3の吐出角度の差(図14ではθ3)は35.6°であり、第二ノズルNZ2と第四ノズルNZ4の吐出角度の差(図15ではθ2+θ4)も35.6°である。第一ノズル列L1と第二ノズル列L2の吐出角度の差を35.6°程度にすると、ノズルピッチP4=2mmに対して液滴LQ0の着弾位置が1mmずれ、第一ノズル列L1からの液滴LQ0が着弾してから第二ノズル列L2の液滴LQ0が着弾するまでの時間を1.5倍(約3ミリ秒)とすることができる。また、第一ノズル列L1における第一ノズルNZ1と第二ノズルNZ2の吐出角度の差は第一の具体例と同程度の1.7°であり、第二ノズル列L2における第三ノズルNZ3と第四ノズルNZ4の吐出角度の差も第一の具体例と同程度の1.7°である。
図14には、第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11、第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12、重心点CP11,CP12を結ぶ第一方向D1、第三ノズルNZ3の第一の面11における開口OP31の重心点CP31、第三ノズルNZ3の第二の面12における開口OP32の重心点CP32、重心点CP31,CP32を結ぶ第三方向D3を示している。
図15には、第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21、第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22、重心点CP21,CP22を結ぶ第二方向D2、第四ノズルNZ4の第一の面11における開口OP41の重心点CP41、第四ノズルNZ4の第二の面12における開口OP42の重心点CP42、及び、重心点CP41,CP42を結ぶ第四方向D4を示している。
図14,15に示すように、第一方向D1と第二方向D2とが異なり、第三方向D3と第四方向D4とが異なっている。
また、図14に示すように、第三ノズルNZ3の第一の面11における開口OP31の重心点CP31は、第三ノズルNZ3の第二の面12における開口OP32の重心点CP32を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP3)から搬送方向D13の下流側(図14の左側)にある。第一ノズルNZ1の第一の面11における開口OP11の重心点CP11は、第一ノズルNZ1の第二の面12における開口OP12の重心点CP12を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP1)と一致している。尚、吐出角度θ1が0°でなければ、重心点CP11は投影点PP1から搬送方向D13の下流側又は上流側となる。
図15に示すように、第二ノズルNZ2の第一の面11における開口OP21の重心点CP21は、第二ノズルNZ2の第二の面12における開口OP22の重心点CP22を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP2)から搬送方向D13の上流側(図15の右側)にある。第四ノズルNZ4の第一の面11における開口OP41の重心点CP41は、第四ノズルNZ4の第二の面12における開口OP42の重心点CP42を第一の面11に対して垂直に投影した点(投影点PP4)から搬送方向D13の下流側(図15の左側)にある。
以上より、第一ノズル列L1については第一ノズルNZ1からのドットと第二ノズルNZ2からのドットが搬送方向D13へ600dpiで1画素分ずれ、第二ノズル列L2については第三ノズルNZ3からのドットと第四ノズルNZ4からのドットが搬送方向D13へ600dpiで1画素分ずれる。従って、本具体例も、第一の具体例と同様、ノズルの並び方向における液滴の合一を抑制可能である。尚、コントローラー40(図1参照)は、第一ノズルNZ1及び第三ノズルNZ3に対応する画素、又は、第二ノズルNZ2及び第四ノズルNZ4に対応する画素を1画素分、搬送方向D13へずらす処理を行った上で各圧電素子27に供給する駆動信号を制御すればよい。
また、第一ノズル列L1と第二ノズル列L2の吐出角度の差が35.6°あるので、吐出角度の差が無い場合と比べて、第一ノズル列L1からの液滴LQ0が着弾してから第二ノズル列L2の液滴LQ0が着弾するまでの時間が1.5倍となる。従って、本具体例も、第二の具体例と同様、被印刷物500の搬送方向D13における同色の液滴の合一を抑制可能である。尚、コントローラー40は、第一ノズルNZ1からの液滴LQ0の吐出と比べて第三ノズルNZ3からの液滴LQ0の吐出を約3ミリ秒遅らせ、第二ノズルNZ2からの液滴LQ0の吐出と比べて第四ノズルNZ4からの液滴LQ0の吐出を約3ミリ秒遅らせるように圧電素子27に供給する駆動信号を制御すればよい。
むろん、吐出角度θ1,θ2,θ3,θ4は、上述した例に限定されない。例えば、第一ノズル列L1における吐出角度θ1,θ2の差と第二ノズル列L2における吐出角度θ3,θ4の差とを1.7°程度等と同じにし、吐出角度θ1,θ3の差と吐出角度θ2,θ4の差とを35.6°等と同じにすれば、自由に設定可能である。一例を挙げると、図14において重心点CP11を投影点PP1よりも搬送方向D13の上流側(右側)にする場合の吐出角度θ1を18°、図15において重心点CP21を投影点PP2よりも搬送方向D13の上流側(右側)にする場合の吐出角度θ2を16.3°、図14において重心点CP31を投影点PP3よりも搬送方向D13の下流側(左側)にする場合の吐出角度θ3を17.6°、及び、図15において重心点CP41を投影点PP4よりも搬送方向D13の下流側(左側)にする場合の吐出角度θ4を15.9°とすることが可能である。
以上説明したように、本具体例のヘッドユニット100は、被印刷物500の搬送方向D13、及び、該搬送方向D13と交差する紙幅方向D14における同色の液滴の合一を抑制可能であり、液滴の滲みによる画質劣化を抑制することができ、印字品質が不安定になったり耐擦性が低下したりする等の問題を抑制することができる。
(6)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、本技術は、ラインプリンターのみならず、ノズルヘッドを往復移動させるシリアルプリンター等にも適用可能である。特に、シリアルプリンターが1ラスターの全ドットを1回の主走査で形成する場合、液滴の合一が生じ易いので、本技術を適用すると好適である。また、液体吐出装置は、インク滴を吐出するプリンターに限定されず、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような粒状体、等といったインク以外の流体を吐出する装置でもよい。特にプリンテッド・エレクトロニクスと呼ばれる印刷技術を用いて電子回路、デバイス等を形成する分野において本技術を適用することで、配線などのパターニング精度を向上せしめる効果が期待できる。また、立体(3D)造形プリンターにおいて本技術を適用することで、立体物の製造精度を向上せしめる効果も期待できる。
また、本発明をプリンターに搭載する全てのインク種において適用するのではなく、一部のインクについてのみ適用しても良い。例えばブラックインクにのみ本技術を適用し、黒文字や黒線画の品質を向上せしめると同時にシアン・マゼンタ・イエローには本技術を適用せずコストを削減するなどといった構成をとっても良い。
ノズル列における複数のノズルの並び方向は、被記録媒体の搬送方向と直交する紙幅方向に限定されず、搬送方向及び紙幅方向に沿った平面において搬送方向と例えば15〜75°の角度で交差する方向等でもよい。また、ノズル列自体も、複数のノズルが一直線状に並んだ直線状ノズル列に限定されず、複数のノズルがいわゆる千鳥状に並んだ千鳥状ノズル列等でもよい。
第一ノズルの傾斜の向き(投影点PP1から重心点CP11に向かう向き)、第二ノズル(投影点PP2から重心点CP21に向かう向き)、第三ノズル(投影点PP3から重心点CP31に向かう向き)、及び、第四ノズル(投影点PP4から重心点CP41に向かう向き)は、被記録媒体の相対移動方向に限定されず、該相対移動方向から第一の面に沿って例えば15〜75°の角度でずれた向き等でもよい。
一つのノズル列における複数のノズルには、第一ノズル及び第二ノズルの傾斜とは異なるノズルが含まれてもよい。また、一つのノズル列における複数のノズルは、第一ノズルと第二ノズルとが交互に配置されることに限定されず、第一ノズルが2個、第二ノズルが2個、第一ノズルが2個、第二ノズルが2個、…の順に配置される等してもよい。
また、第一ノズル及び第二ノズルはストレートな形状でなく、折り曲がったあるいは曲面を含むような複雑な形状をもっていてもインクの吐出方向が互いに異なっていれば構わない。また、第一ノズル付近と第二ノズル付近とで異なる電界や気流を付与する、あるいは第一ノズルと第二ノズルとで第一の面11の撥水性を異なった状態にするなど、インクの吐出方向を変化させる既知のあらゆる手段と組み合わせても、本発明と同様の効果を得ることができる。
ノズル列が形成されたノズル形成部は、流路基板に接するノズルプレートに限定されず、流路基板から離隔したプレート部材等でもよい。
図16は、共通のベースプレート20に複数のノズルヘッドH0が組み付けられたヘッドユニット100を模式的に示している。図17は、ヘッドユニット100に含まれるノズルヘッドH0の一つ(例えばノズルヘッドH0k)の断面の構造例を模式的に示している。尚、図2,3で示した構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図17に示すノズルヘッドH0は、ベースプレート20、ノズルプレート21、流路基板22、及び、振動板23が順に厚さ方向D11へ積層されて接合された構造を有している。この接合は、接着剤等により行うことができる。図17に示すベースプレート20は、液滴LQ0が吐出される側の第一の面11、及び、該第一の面11とは反対側の第二の面12を有する平板状の部材である。ベースプレート20には、第二の面12から第一の面11まで貫通したノズルNZ0が複数形成されている。各ノズルNZ0は、ノズルプレート21の中継流路21aを介して対応する圧力室31に連通している。従って、圧電素子27の駆動により振動板23が弾性変形すると、中継流路21aを介して圧力室31に連通するノズルNZ0から液滴LQ0となって吐出される。
本変形例のベースプレート20には、図2で示したように、第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2を含む複数のノズルNZ0が並んだノズル列L0が形成されている。従って、ベースプレート20は、ノズル列L0が形成されたノズル形成部10の例である。図示を省略しているが、ベースプレート20には、図5に示すような第一ノズルNZ1、及び、図6に示すような第二ノズルNZ2が形成されている。このため、本変形例のノズルヘッドH0は、ノズル列L0において互いに隣接する第一ノズルNZ1及び第二ノズルNZ2について、第一ノズルNZ1の重心点CP11,CP12を結ぶ第一方向D1と、第二ノズルNZ2の重心点CP21,CP22を結ぶ第二方向D2と、が異なっている。従って、本変形例も、ノズルの並び方向における液滴の合一を抑制可能である。
(7)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、吐出された液滴の合一を抑制可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10…ノズル形成部、11…第一の面、12…第二の面、20…ベースプレート、21…ノズルプレート、21a…中継流路、22…流路基板、23…振動板、24…ヘッド本体、25…収容空間、26…内部流路、27…圧電素子、29…共通インク室、30…インク供給口、31…圧力室、40…コントローラー、51…搬送機構、61…インクカートリッジ(液体カートリッジ)、100…ヘッドユニット、200…液体吐出装置、500…被印刷物(被記録媒体)、CP11,CP12,CP21,CP22,CP31,CP32,CP41,CP42…重心点、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、D4…第四方向、D11…厚さ方向、D12…並び方向、D13…搬送方向(相対移動方向)、D14…紙幅方向、DT0…ドット、H0…ノズルヘッド、H1…第一ノズルヘッド、H2…第二ノズルヘッド、L0…ノズル列、L1…第一ノズル列、L2…第二ノズル列、LQ0…液滴、NZ0…ノズル、NZ1…第一ノズル、NZ2…第二ノズル、NZ3…第三ノズル、NZ4…第四ノズル、OP11,OP12,OP21,OP22,OP31,OP32,OP41,OP42…開口、PP1,PP2,PP3,PP4…投影点、P1,P2,P3,P4…ピッチ、PX0…画素、θ1,θ2,θ3,θ4…吐出角度。

Claims (10)

  1. 第一ノズル及び第二ノズルを含む複数のノズルが並んだノズル列が形成されたノズル形成部を有し、液滴を吐出するノズルヘッドであって、
    前記ノズル形成部は、液滴が吐出される側の第一の面、及び、該第一の面とは反対側の第二の面を有し、
    前記ノズル列において前記第一ノズルと前記第二ノズルとが隣接し、
    前記第一ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第一ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第一方向とし、
    前記第二ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第二ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第二方向とするとき、
    前記第一方向と前記第二方向が異なる、
    ノズルヘッド。
  2. 前記複数のノズルは、前記第一ノズルを複数含み、さらに、前記ノズル列において前記複数の第一ノズルのいずれかと隣接した前記第二ノズルを複数含む、請求項1に記載のノズルヘッド。
  3. 前記第一ノズルの前記第一の面における開口の重心点は、前記第一ノズルの前記第二の面における開口の重心点を前記第一の面に対して垂直に投影した点から前記ノズル列における複数のノズルの並び方向と交差する方向にある、請求項1又は請求項2に記載のノズルヘッド。
  4. 前記ノズル列における複数のノズルの並び方向は、吐出される液滴が着弾する被記録媒体の搬送方向と交差する方向である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のノズルヘッド。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のノズルヘッドを複数有し、被記録媒体に液滴を吐出するヘッドユニットであって、
    前記複数のノズルヘッドは、第一ノズルヘッド、及び、該第一ノズルヘッドと同色の液滴を吐出する第二ノズルヘッドを含み、
    前記第一ノズルヘッド及び前記第二ノズルヘッドの前記ノズル列における複数のノズルの並び方向は、液滴を吐出する時の前記複数のノズルヘッドに対する前記被記録媒体の相対移動方向と交差する方向であり、
    前記第一ノズルヘッドのノズルから前記相対移動方向の位置に前記第二ノズルヘッドのノズルが配置されている、ヘッドユニット。
  6. 前記第一ノズルヘッドにおける前記第一ノズルから前記相対移動方向の位置に前記第二ノズルヘッドにおける前記第一ノズルが配置され、
    前記第一ノズルヘッドにおける前記第二ノズルから前記相対移動方向の位置に前記第二ノズルヘッドにおける前記第二ノズルが配置された、
    請求項5に記載のヘッドユニット。
  7. 第一ノズル及び第二ノズルを含む複数のノズルが並んだ第一ノズル列、及び、第三ノズル及び第四ノズルを含む複数のノズルが並んだ第二ノズル列が、前記第一ノズル列における複数のノズルの並び方向と交差する方向へ並んだノズル形成部を有し、被記録媒体に液滴を吐出するヘッドユニットであって、
    前記第二ノズル列は、前記第一ノズル列と同色の液滴を吐出し、
    前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列における複数のノズルの並び方向は、液滴を吐出する時の前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列に対する前記被記録媒体の相対移動方向と交差する方向であり、
    前記第一ノズル列における前記第一ノズルから前記相対移動方向の位置に前記第二ノズル列における前記第三ノズルが配置され、
    前記第一ノズル列における前記第二ノズルから前記相対移動方向の位置に前記第二ノズル列における前記第四ノズルが配置され、
    前記ノズル形成部は、液滴が吐出される側の第一の面、及び、該第一の面とは反対側の第二の面を有し、
    前記第一ノズル列において前記第一ノズルと前記第二ノズルとが隣接し、
    前記第一ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第一ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第一方向とし、
    前記第二ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第二ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第二方向とするとき、
    前記第一方向と前記第二方向が異なり、
    前記第三ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第三ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第三方向とし、
    前記第四ノズルの前記第一の面における開口の重心点と、前記第四ノズルの前記第二の面における開口の重心点と、を結ぶ方向を第四方向とするとき、
    前記第三方向と前記第四方向が異なる、
    ヘッドユニット。
  8. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のノズルヘッドを備えた、液体吐出装置。
  9. 前記ノズルヘッドは、被記録媒体に液滴を吐出し、
    液滴を吐出する時の前記ノズルヘッドに対する前記被記録媒体の相対移動方向における記録解像度は、該相対移動方向と直交する方向における記録解像度よりも低い、請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 本液体吐出装置がラインプリンターである、請求項8又は請求項9に記載の液体吐出装置。
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