JP2017124153A - 生体情報計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検者が動いても生体情報を計測することが可能な生体情報計測技術を提供する。【解決手段】ある実施形態における生体情報計測装置100は、被検者の被検部に向けて光を出射する光源110と、被検者からの光を検出する光検出器140と、被検部の動きに応じて光の出射方向およびパワーを調整し、光検出器の出力信号に基づいて被検者の生体情報を計測する制御回路200と、を備える。【選択図】図1A

Description

本開示は、生体情報を計測する技術に関する。
人間の健康状態を判断するための基礎的なパラメータとして、心拍、血流量、血圧、血中酸素飽和度などが広く用いられている。血液に関するこれらの生体情報は、通常、接触型の測定器によって測定される。接触型の測定器は、被検者の生体を拘束するため、特に長時間にわたって連続して測定する場合に被検者の不快感を招いていた。
特許文献1は、被検者の頭部の動きを規制する頭部固定手段を備える生体活動計測装置を開示している。頭部固定手段は、例えば顎または額を固定する顎載台またはアイマスクである。この構成によれば、頭部の動きが制限されるため、脳機能を正確に計測することができるが、連続して測定する場合に被検者の不快感を招く。
生体情報を取得するためには、近赤外線(約700nm〜約2500nmの波長範囲の電磁波)がよく利用される。その中でも、波長の比較的短い(例えば約950nm以下の)近赤外線が特によく利用される。そのような近赤外線は、筋肉、脂肪および骨などの生体組織を比較的高い透過率で透過する一方で、血液中の酸化ヘモグロビン(HbO2)および還元ヘモグロビン(Hb)に吸収され易いという性質を有する。このような性質を利用した生体情報の計測方法として、近赤外分光法(以下、「NIRS」と表記する。)が知られている。NIRSを利用することで、例えば脳内の血液中の酸化ヘモグロビン濃度および還元ヘモグロビン濃度を計測することができる。ヘモグロビンの酸素状態に基づき、脳の活動状態(以下、「脳機能」と呼ぶことがある。)を推定することもできる。
特許文献2は、NIRSを利用して脳機能を計測する光脳機能計測装置を開示している。この装置は、赤外光を生成する光源部と、人体からの赤外光を検出する光検出部と、人体への光の照射位置を制御する光学系とを備える。この構成によれば、人体頭部の任意の位置で脳機能を計測することができることが開示されている。
特許文献3は、被検者の脳表面の複数の測定部位における脳活動に関するデータを得ることにより、被検者の周囲環境を適切に制御する環境制御システムを開示している。
特開2003−337102号公報 特開2015−134157号公報 特開2009−136495号公報
G. Lopez et al. "Continuous blood pressure monitoring in daily life," Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing 3(1), 179‐186 (2010).
しかしながら、上記の従来技術では、被検者が動くと生体情報を安定して測定できないという課題があった。
本願の限定的ではない例示的な実施形態は、被検者が動いても生体情報を測定することが可能な技術を提供する。
本開示の一態様に係る生体情報計測装置は、被検者の被検部に照射するための照射光を出射する光源と、前記被検者からの光を検出し、前記光に対応する電気信号を出力する光検出器と、前記光源が出射する前記照射光のパワーを決定し、かつ前記電気信号に基づいて前記被検部における血流に関する生体情報を計測する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記電気信号に基づいて、前記光源と前記被検部との距離を検出し、かつ前記距離が長いほど前記照射光の前記パワーが大きくなるように前記照射光の前記パワーを決定する。
上記の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、被検者が動いても生体情報を測定することが可能である。
図1Aは、実施形態1における生体情報計測装置100の概略的な構成を模式的に示す図である。 図1Bは、本実施形態における生体情報計測装置100のより詳細な構成例を示す図である。 図1Cは、光121が照射された被検者Oにおいて反射および散乱した光の例を示す図である。 図2は、酸化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)、還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)、および水のそれぞれの光の吸収係数の波長依存性を示す図である。 図3は、処理装置150の内部の構成を示す図である。 図4は、制御回路200の典型的な機能ブロックを模式的に示す図である。 図5は、生体情報計測装置100の処理の例を示す図である。 図6は、光源の構成の変形例を模式的に示す図である。 図7は、光検出器140とは別のイメージセンサ141をさらに備えた生体情報計測装置100の構成例を模式的に示す図である。 図8は、計測によって取得される脈波の一例を模式的に示す図である。 図9は、例えば顔および手の2点から得られる脈波a、bを模式的に示す図である。 図10Aは、本実施形態における生体情報計測モジュール300が取り付けられた電子機器400の例を模式的に示す図である。 図10Bは、本実施形態における生体情報計測モジュール300の構成を模式的に示すブロック図である。 図11は、生体情報計測モジュール300の制御回路200Aの典型的な機能ブロックを模式的に示す図である。 図12Aは、被検者である学習者Oが、電子機器400を用いて学科(例えば算数、国語など)の問題を解いている様子を示す図である。 図12Bは、図12Aの状態から、学習者Oの頭部が動いた状態の例を示す図である。 図13は、実施形態4によるロボット500および被検者である対話者Oを模式的に示す図である。 図14は、ロボット500の構成例を示す図である。 図15は、実施形態5による車両600の車内を模式的に示している。 図16は、実施形態6による環境制御装置700の外観を模式的に示している。
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
本願発明者は、被検者の血液に関する生体情報(例えば脳血流の情報)を検出して、被検者の集中度または感情などを推定し、推定結果に基づいて様々な機器を制御することを検討している。例えば、タブレット端末を用いた教育用のアプリケーションにおいて、学習者の集中度に応じて表示内容を変化させるといった制御を検討している。あるいは、対話型ロボットと音声または映像によるコミュニケーション(会話と表現する。)を行っている人の心理状態または集中度に応じて、会話の内容を変更するといった制御を検討している。他にも、運転者の集中度に応じた自動運転車の制御、または、室内の人の感情(暑さ、寒さ等の感覚を含む。)に応じて、エアコンディショナーの設定温度もしくはオーディオ機器のボリュームを変更するといった制御も検討している。
そのようなインタラクティブな動作を実現するために、使用者(以下、「被検者」とも称する。)の脳血流などの生体情報を適切に取得することが望まれている。しかし、被検者は、常に静止しているということはなく、通常よく動く。被検者の被検部(例えば額など)が動くと、生体情報を適切に取得することが困難になる。
特許文献1および特許文献3の装置は、頭部を静止させた状態を前提としているため、上記のようなアプリケーションに適用することができない。
特許文献2の計測装置においては、被検者と光検出部との間の距離に関わらず、光源のパワーは常に一定である。そのため、光検出器が被検者から離れるほど、被検者からの反射光および散乱光のパワーが減衰する。その結果、計測装置のS/N比が低下し、生体情報の検出精度が低下する。
本願発明者は、上記の考察に基づき、以下に開示する新規な生体情報計測技術に想到した。
本開示は、以下の項目に記載の生体情報計測装置、生体情報計測モジュール、集積回路、生体情報の計測方法、コンピュータプログラム、電子機器、ロボット、車両および環境制御装置を含む。
[項目1]
被検者の被検部に照射するための照射光を出射する光源と、
前記被検者からの光を検出し、前記光に対応する電気信号を出力する光検出器と、
前記光源が出射する前記照射光のパワーを決定し、かつ前記電気信号に基づいて前記被検部における血流に関する生体情報を計測する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記電気信号に基づいて、前記光源と前記被検部との距離を検出し、かつ前記距離が長いほど前記照射光の前記パワーが大きくなるように前記照射光の前記パワーを決定する生体情報計測装置。
[項目2]
前記制御回路は、さらに、第1時刻における前記距離である第1距離と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記距離である第2距離とを比較し、前記比較の結果、前記距離が変動したと判定した場合、前記照射光の前記パワーを再度決定する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目3]
前記光検出器は、複数のフレームを含む、前記被検部の動画を取得するイメージセンサであり、
前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記第1距離と前記第2距離との前記比較を行う、
請求項2に記載の生体情報計測装置。
[項目4]
前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記第1距離と前記第2距離との前記比較を行う、
請求項2に記載の生体情報計測装置。
[項目5]
前記光検出器は、前記被検部の画像を取得するイメージセンサであり、
前記電気信号は、前記画像を示す信号を含み、
前記制御回路は、前記画像を示す前記信号に基づいて、第1時刻における前記被検部の輝度である第1輝度と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記被検部の輝度である第2輝度と、前記第1輝度と前記第2輝度との差である輝度変動量を検出し、かつ前記輝度変動量に応じて、前記照射光の前記パワーを調整する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目6]
前記画像が、複数のフレームを含む動画であり、
前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記輝度変動量を検出する、
請求項5に記載の生体情報計測装置。
[項目7]
前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記輝度変動量を検出する、
請求項5に記載の生体情報計測装置。
[項目8]
前記制御回路は、さらに、第1時刻における前記距離である第1距離と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記距離である第2距離との差である距離変動量を検出し、かつ前記距離変動量に応じて、前記照射光の前記パワーを調整する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目9]
前記画像が、複数のフレームを含む動画であり、
前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記距離変動量を検出する、
請求項8に記載の生体情報計測装置。
[項目10]
前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記距離変動量を検出する、
請求項8に記載の生体情報計測装置。
[項目11]
前記制御回路は、さらに、前記電気信号に基づいて、前記被検部の位置を検出し、前記位置に基づいて、前記被検者において前記照射光が照射される位置を決定する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目12]
前記光検出器は、前記被検部の画像を取得するイメージセンサであり、
前記電気信号は、前記画像を示す信号を含み、
前記制御回路は、前記画像を示す前記信号に基づく画像認識によって前記被検部の位置を検出する、
請求項11に記載の生体情報計測装置。
[項目13]
前記生体情報計測装置は、第1光検出器及び第2光検出器を備え、
前記第1光検出器及び前記第2光検出器の各々は、前記光検出器であり、
前記第2光検出器はイメージセンサであり、
前記第1光検出器は、前記被検者からの前記光のうち、前記照射光に含まれる波長の成分を検出し、前記波長の前記成分に対応する第1電気信号を出力し、
前記第2光検出器は、前記被検者からの前記光のうち、可視光の成分を検出し、前記可視光の前記成分に対応する第2電気信号を出力し、
前記制御回路は、前記第2電気信号に基づいて、前記距離を検出し、前記第1電気信号に基づいて、前記生体情報を計測する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目14]
前記照射光はパルス光であり、
前記制御回路は、前記光源が前記パルス光を出射してから前記光検出器が前記パルス光を検出するまでの時間に基づいて前記距離を検出する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目15]
前記照射光の経路上に配置され、前記被検者において前記照射光が照射される前記位置を変更する光学素子をさらに備え、
前記制御回路は、前記電気信号に基づいて前記光学素子を制御する、
請求項11に記載の生体情報計測装置。
[項目16]
前記被検部は前記被検者の額であり、
前記生体情報は脳血流に関する情報である、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目17]
前記光検出器から出力された前記電気信号を外部機器に送信する
インタフェースをさらに備える、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
[項目18]
被検者の被検部に照射するための照射光を出射する光源と、
前記被検者からの光を検出し、前記光に対応する第1電気信号を出力する光検出器と、
前記光源が出射する前記照射光のパワーを決定し、かつ前記第1電気信号に基づいて前記被検部における血流に関する生体情報を計測する制御回路と、
前記被検部の画像を取得し、前記画像を示す信号を含む第2電気信号を出力するイメージセンサを備える外部機器と通信するためのインタフェースとを備え、
前記インタフェースは、前記外部機器から前記第2電気信号を受信し、かつ前記外部機器に前記第1電気信号を送信し、
前記制御回路は、前記第2電気信号に基づいて、前記光源と前記被検部との距離を検出し、かつ前記距離が長いほど前記照射光の前記パワーが大きくなるように前記照射光の前記パワーを決定する生体情報計測装置。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能または類似する機能を有する構成要素には共通の参照符号を付し、説明を省略することがある。
(実施形態1)
まず、実施形態1における生体情報計測装置を説明する。生体情報計測装置は、被検者の被検部における脳血流を非接触で計測する。
図1Aは、実施形態1における生体情報計測装置100の概略的な構成を模式的に示す図である。
生体情報計測装置100は、光源110と、光検出器140と、これらに接続された制御回路200とを備える。光源110から出射された光は被検者Oの被検部(図示される例では額)で反射され、光検出器140に入射する。光検出器140は、入射した光を電気信号に変換して出力する。制御回路200は、光検出器140から出力された信号に基づいて、光源110による光の照射位置およびパワーを調整する。制御回路200は、簡単に述べると、以下の動作を行う。
(1)光源110の発光中に光検出器140から出力された電気信号(例えば画像を示す信号)に基づいて、被検部の位置、および被検部までの距離を特定する。
(2)特定した被検部の位置および距離に基づいて、被検者Oにおいて光が照射される位置および光のパワーを決定する。例えば、被検部の位置に光が正しく照射されるように、不図示のMEMSミラーなどの光学素子を制御する。そして、光検出器140に到達する光のパワーがほぼ規定値になるように光源110を発光させる。例えば、被検部までの距離が大きいほど光源110が発する光のパワーを高くし、当該距離が小さいほど光源110が発する光のパワーを低くする。
ここで、光のパワーを調整する方法について説明する。光のパワーは、単位時間あたりの光のエネルギーで定義され、単位はワット(W)=ジュール/秒(J/S)である。
照射光が連続光である場合には、照射光の強度を制御することによって、光パワーを制御可能である。すなわち、照射光の強度を高くすることにより、光パワーを大きくすることができる。また、照射光の強度を低くすることにより、光パワーを小さくすることができる。
また、連続光の照射時間が単位時間より短いときは、さらに照射時間制御により光パワーを制御することができる。単位時間は、例えば、1秒であってもよい。照射時間を長くすることにより光パワーを大きくすることができる。
照射光がパルス光である場合、照射光の強度の制御、さらにはパルスのデューティ比(パルスの周期に対する照射時間の比率)を制御することにより、光パワーを制御可能である。照射光の強度を高くすることにより、光パワーを大きくすることができる。パルスのデューティ比を大きくすることにより、光パワーを大きくすることができる。また、照射光の強度を低くすることにより、光パワーを小さくすることができる。
さらに、ひとまとまりのパルス光の照射時間が単位時間よりも短い場合は、パルス数制御により光パワーを制御することができる。このとき、パルス数を多くすることにより、光パワーを大きくすることができる。また、パルス数を少なくすることにより、光パワーを小さくすることができる。
制御回路200は、上記の動作を、生体情報の検出を開始する時(初期動作時)にまず行う。これにより、被検部に適切なパワーで光が照射され、生体情報の検出を高い精度で行うことができる。しかし、そのままの状態では、被検者Oが動いた場合に検出を継続することができない。そこで、本実施形態における制御回路200は、生体情報の検出を行っている最中に、所定時間ごとに上記の動作を行う。これにより、被検者Oが動いたとしても光の方向およびパワーが適切に維持され、生体情報の検出を継続できる。
上記の動作は、初期動作時、および検出を行っている最中の両方で行われる形態に限らず、初期動作時と、検出を行っている最中の少なくとも一方のタイミングで行われ得る。これにより、初期動作時および検出時の少なくとも一方において、被検者Oの被検部の位置によらずに精度の高い生体情報の検出が可能である。
以下、本実施形態の構成および動作をより詳細に説明する。
〔1−1.生体情報計測装置100の構成〕
図1Bは、本実施形態における生体情報計測装置100のより詳細な構成例を示す図である。この例における生体情報計測装置100は、前述した光源110、光検出器140、制御回路200に加えて、光源110から出射された光の経路を変更する光学素子120と、被検者Oからの光を集光する光学系130と、光検出器140から出力された信号を処理し、光源110および光学素子120を制御する処理装置150とを備えている。制御回路200は処理装置150の内部に設けられている。図1Bには、生体情報計測装置100の外部の要素であるディスプレイ(表示装置)160も示されている。ディスプレイ160は、処理装置200に接続され、処理結果を表示する。
以下、各構成要素の詳細を説明する。
光源110は、被検者Oの被検部に光を照射する。本実施形態における被検部は、被検者Oの額である。額に光を照射することにより、その反射光または拡散光を検出することにより、脳血流の情報を取得することができる。「散乱光」とは、反射散乱光と透過散乱光とを含む。以下の説明では、反射散乱光を単に「反射光」と称することがある。脳血流以外の血液の情報を取得する場合には、額以外の部位(例えば腕または脚など)を被検部としてもよい。以下の説明では、特に断りがない限り、被検部は額であるものとする。以下の説明において、被検者Oは人間であるものとするが、人間以外の皮膚を有し、毛の生えていない部分を有する動物であってもよい。本明細書における「被検者」の用語は、そのような動物を含む被検体一般を意味する。
光源110は、例えば650nm以上950nm以下の光を出射する。この波長範囲は、赤色から近赤外線の波長範囲に含まれる。上記の波長範囲は、「生体の窓」と呼ばれ、体内での吸収率が低いことで知られている。本実施形態における光源110は、上記の波長範囲の光を出射するものとして説明するが、他の波長範囲の光を用いてもよい。本明細書では、可視光のみならず赤外線についても「光」の用語を使用する。
図2は、酸化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)、還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)、および水のそれぞれの光の吸収係数の波長依存性を示す図である。650nm以下の可視光領域では血液中のヘモグロビン(HbO2およびHb)による吸収が大きく、950nmよりも長い波長域では水による吸収が大きい。一方、650nm以上950nm以下の波長範囲内では、ヘモグロビンおよび水の吸収係数が比較的低く、散乱係数は比較的大きい。よって、この波長範囲内の光は、体内に侵入した後、強い散乱を受けて体表面に戻ってくる。このため、効率的に体内の情報を取得することができる。そこで、本実施形態では、この波長範囲の光が主に使用される。
光源110は、例えばパルス光を連続的に出射するレーザダイオード(LD)などのレーザ光源であり得る。本実施形態のように被検者Oが人である場合、出射光の網膜への影響を考慮することが要望されている。光源110としてレーザ光源を使用する場合、各国で策定されるレーザ安全基準のクラス1を満足するように、光源110を設定してもよい。クラス1が満足されている場合、被爆放出限界AELが1mWを下回るほどの低照度の光が被検者Oに照射される。ただし、光源110自体はクラス1を満たしていなくてもよい。例えば、拡散板またはNDフィルタなどの素子が光源110と被検者Oとの間に配置され、光が拡散または減衰されることによってレーザ安全基準のクラス1が満たされてもよい。
光源110は、レーザ光源に限らず、発光ダイオード(LED)などの他の種類の光源であってもよい。光源110には、例えば半導体レーザ、固体レーザ、ファイバレーザ、スーパールミネッセントダイオード、およびLED(Light Emitting Diode)などが広く用いられ得る。これらと小型の光学素子120とを組み合わせることにより、装置全体を小型化することができる。光源110は、パルス光を出射する光源に限らず、連続光を出射する光源であってもよい。
光源110は、制御回路200からの指示に応じて発光の開始および停止、ならびに発光パワーの変更を行う。光源110から出射される光121は、脳血流に関する情報の検出、および額の位置および距離の検出に用いられる。
光学素子120は、光源110と被検者Oの被検部(即ち額)との間の、光121の光路上に配置される。光学素子120は、光121の光路を変更して光121を額へ導く。光学素子120は、制御回路200からの指示に応答して、額への光121の照射位置を調整する。光学素子120がミラーを含む場合は、その角度を変えることにより、額における光121の照射位置を変更することができる。
光学素子120は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーであり得る。特に2軸走査型のMEMSミラーを用いれば、被検部における光の照射位置を2次元的に調整できる。これにより、小型でかつ高速な光照射位置の調整が可能である。光学素子120には、他にも、例えば、ポリゴンミラー、ガルバノミラー、または回転型のプリズムを用いてもよい。
本明細書では、光源110および光学素子120の組み合わせを「光源ユニット」と称することがある。光源110および光学素子120を含む光源ユニット170は、例えば1つの光学モジュールとして構成され得る。本明細書では、光源ユニット170からの光の出射方向のことを、「光源からの光の出射方向」と表現することがある。
図1Cは、光121が照射された被検者Oにおいて反射および散乱した光(「戻り光」と表記する。)が光検出器140に到達する様子を模式的に示す図である。被検者Oからの戻り光は、被検者Oの表面で反射する成分(表面反射成分I1)と、被検者Oの内部で1回反射(拡散反射含む)、散乱、または多重散乱する成分(内部散乱成分I2)とを含む。このうち、検出したい成分は内部散乱成分I2である。しかし、一般に、内部散乱成分I2の信号強度は小さい。これは、前述のように、レーザ安全基準を満たす非常に小さな光量の光が照射されることに加えて、頭皮、脳髄液、頭蓋骨、灰白質、白質及び血流による光の散乱及び吸収が大きいためである。さらに、脳活動時の血流量または血流内成分の変化による信号強度の変化は、さらに数十分の1の大きさに相当し、非常に小さい。したがって、検出したい信号成分の数千〜数万倍である表面反射成分I1をできるだけ混入させずに検出することが望ましい。そこで、検出回路140を電子シャッターの機能を有するイメージセンサで構成し、制御回路200がシャッタータイミングを適切に制御することにより、拡散反射成分I2のみを検出するようにしてもよい。そのような構成は、例えば特願2015‐122390号の明細書に開示されている。特願2015‐122390号の開示内容全体を本願に援用する。
光学系130は、被検部で反射または拡散された光121を光検出器140に集光する。光学系130は、例えば単一または複数のレンズであり、ミラーを含んでいてもよい。光学系130がレンズを含む場合、レンズの受光側の面および出射側の面に光121の反射を抑制する反射防止膜をそれぞれ設けてもよい。これにより、より高い感度で脳血流の情報を検出することができる。
光検出器140は、被検者Oからの戻り光を検出する。光検出器140は、例えば1次元または2次元に配列された複数の光検出素子を含む。各光検出器は、例えばフォトダイオードを含み、被検部からの光121のパワー(光量)に応じた電気信号を出力する。光検出素子は、例えば光電子増倍管(PMT)のような他の素子でもよい。光検出素子として、高感度なアバランシェフォトダイオードまたは光電子増倍管などを用いると、より高い感度で脳血流の情報を取得することが可能である。
光検出器140は、光源110から出射される光の波長を含む波長域の光に感度を有するCCDまたはCMOSなどのイメージセンサであってもよい。イメージセンサを用いることで、光の2次元的な強度分布(例えば動画像)を取得することができる。後述するように、取得した動画像を利用して、被検部の特徴的なパターンを画像認識によって抽出し、画像中の被検部の位置を特定することができる。また、被検部の動きを動き検出によって検出してもよい。
光検出器140はまた、被検者Oまでの距離を計測可能な構成を備える。例えばTOF(Time−of−Flight)技術を用いて被検者Oまでの距離を計測できる。TOF技術では、照射光が被検者Oで反射され、その反射光が光検出器140に到達するまでに要する時間、すなわち飛行時間が計測される。各検出素子で検出される光の位相と、光源110における光の位相との差に基づいて、被検者Oにおける被検部までの距離を計測できる。
なお、光学系130と光検出器140とは一体的に構成することができる。また、光源ユニット170と、光学系130と、光検出器140とを一体的に構成してもよい。これにより、例えば携帯が可能な小型の光学ユニットが提供される。小型の光学ユニットは例えばUSBケーブルなどのケーブルで処理装置150に接続され得る。
図3は、処理装置150の内部の構成を示す図である。
処理装置150は、光源110、光学素子120、検出器140、およびディスプレイ160に接続され、これらを制御する。処理装置150は、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153、および制御回路200を備えている。制御回路200は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む集積回路である。制御回路200は生体情報計測装置100の動作を制御する。ROM152は、制御回路200によって実行されるコンピュータプログラムを格納している。コンピュータプログラムは、たとえば後述するフローチャートによって示される処理、またはその一部を、制御回路200に行わせるための命令群である。そのようなコンピュータプログラムは、例えばネットワークを介してダウンロード可能であり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納され得る。RAM153は、制御回路200がプログラムを実行するにあたって、当該プログラムを展開するためのワークメモリである。RAM153は、光検出器140から出力された信号(データ)、または計測された生体情報に関するデータを格納する記憶装置でもある。本明細書において、「生体情報」とは、心拍、血流量、血圧、血中酸素飽和度などの血液に関する種々の情報を意味する。特に、本実施形態では、脳血流における上記の情報が制御回路200によって計測される。これにより、被検者Oの集中度または感情などの状態を推定することができる。
処理装置150は、パーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータなどの汎用のコンピュータであってもよい。そのようなコンピュータは、処理装置150全体の動作を制御するCPUを備える。そのCPUが本開示における制御回路が行う動作の一部または全てを実行してもよい。その場合には、汎用コンピュータのCPUが本開示における「制御回路」の少なくとも一部として機能する。
光源110、光学素子120および光検出器140は、各種のインタフェースを介して処理装置150と接続可能である。例えば、光検出器140がイメージセンサである場合、MIPI規格(登録商標)に準拠した端子を利用して処理装置150に接続され得る。また、光源110および光学素子120は、例えばUSBインタフェースを利用して処理装置150に接続され得る。
図示されるように、処理装置150には、被検者の動画像および生体情報を表示する表示装置160が接続され得る。表示装置160は、例えば液晶または有機ELなどのディスプレイである。表示装置160は、例えばHDMI(登録商標)規格の端子を利用して処理装置150に接続され得る。生体情報計測装置100の利用者は、生体活動に関する様々な情報を表示装置160から得ることができる。
上述した有線による接続以外にも、無線通信によってデータの送信および/または受信を行うことも可能である。例えばWi−Fi(登録商標)規格またはZigBee(登録商標)規格に準拠した通信が利用され得る。
生体情報計測装置100は、光の2次元の強度分布を計測し、その強度分布に基づいて脳における血流量、血圧、血中酸素飽和度、または心拍数などの種々の生体情報を計測することができる。そのような計測技術は、例えば特許文献2に開示され、本開示にも好適に利用することができる。参考のために特許文献2の開示内容の全てを本明細書に援用する。
脳血流量または血流内成分(例えばヘモグロビン)の変化と、人間の神経活動との間には密接な関係があることが知られている。例えば、人間の感情の変化に応じて神経細胞の活動が変化することによって、脳血流量または血液内の成分が変化する。従って、脳血流量または血液内成分の変化などの生体情報を計測できれば、被検者の心理状態を推定することができる。被検者の心理状態とは、例えば、気分(例えば、快、不快)、感情(例えば、安心、不安、悲しみ、憤りなど)、健康状態(例えば、元気、倦怠)、温度感覚(例えば、暑い、寒い、蒸し暑い)などを意味する。また、これに派生して、脳活動の程度を表す指標、例えば熟練度、習熟度、および集中度なども心理状態に含まれる。
〔1−2.生体情報計測装置の動作〕
図4は、制御回路200の典型的な機能ブロックを模式的に示す図である。制御回路200は、検出部210と、光源制御部220と、計測部230と、推定部240とを有する。制御回路200は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)のような集積回路である。各機能ブロックに対応する機能は、ソフトウェアおよびハードウェアのいずれによっても制御回路200に実装され得る。例えば制御回路200の内部ROM(不図示)またはROM152に格納されたコンピュータプログラムは、各機能ブロックに対応した機能を実行するための命令群を含んでいてもよい。制御回路200は単体で市場に流通し得る製品である。
図5は、生体情報計測装置100の処理の例を示す図である。以下、動作の主体を制御回路200とし、制御回路200が各機能ブロックに対応した機能を実行するものとして説明する。上述したとおり、制御回路200とは別にCPUが設けられている場合には、制御回路200の機能の一部をCPUが実行してもよい。以下、光検出器140はTOFイメージセンサであるものとして説明し、光学素子120はMEMSミラーであるものとして説明する。
(ステップS500)
制御回路200の検出部210は、被検者Oの額の位置および光源110と額との間の距離を検出する。具体的には、検出部210は、光検出器140から出力され、複数のフレーム画像から構成された動画像を利用して、フレーム画像中の額の位置情報を画像認識によって取得する。例えば、人の額に関連付けられたテンプレートを用いたパターンマッチングによって額の位置が特定される。位置情報とは、例えば、検出されたパターンにおける画像中の中心の位置を示す情報などであり得る。テンプレートは、例えばROM152に予め格納されている。画像認識には、公知の手法を広く用いることができ、特定の方法に限定されない。また、検出部210は、光検出器140から出力された光のパワーの位相差を示す情報を含む信号に基づいて被検者Oまでの距離を計算(測距)する。
制御回路200の光源制御部220は、光源110および光学素子120(すなわち光源ユニット170)を制御する。
光源制御部220および検出部210は、生体情報計測装置100の初期動作として、上述した動作を実行する。具体的には、生体情報計測装置100を用いた生体情報の計測を開始するとき、光源制御部220は光源ユニット170に発光を指示する。この際の光のパワーおよび出射方向は、予め設定された初期値に設定される。検出部210は、初期動作を実行し、被検部の位置および距離を示す初期情報を取得する。この初期動作は、生体情報計測装置100のキャリブレーションに相当する。
(ステップS501)
光源制御部220は、検出部210からの初期情報に基づいて光の出射方向およびパワーの初期値を設定する。具体的には、光の出射方向の初期値は光学素子120に設定される。光学素子120は、例えばMEMSミラーの角度を初期値に応じた角度に設定し、額における光121の照射位置を決定する。光パワーの初期値は光源110に設定される。光源110は、初期値に応じたパワーを有する光121を被検者0に出射する。以上の動作により、生体情報計測装置100に対面する被検者Oの位置に関わらず、その位置に応じた適切な方向に適切なパワーで光を出射させることができる。
(ステップS502)
制御回路200の計測部230は、光検出器140からの出力信号に基づいて被検者Oの生体情報を計測する。例えば計測部230はNIRSを利用して、脳内の血液中の酸化ヘモグロビン濃度および還元ヘモグロビン濃度を生体情報として計測する。制御回路200の推定部240は、計測した生体情報に基づいて被検者の心理状態を推定する。例えば、推定部240は、ヘモグロビンの酸素状態から、被検者Oの集中度、感情などの心理状態を推定する。
ここで、生体情報の計測方法の具体例を説明する。
血液の大きな役割は、酸素を肺から受け取って組織へと運び、組織からは二酸化炭素を受け取ってこれを肺に循環させることである。血液100mlの中には約15gのヘモグロビンが存在している。酸素と結合したヘモグロビンが酸化ヘモグロビンであり、酸素と結合していないヘモグロビンが還元ヘモグロビンである。図2に示すように、酸化ヘモグロビンおよび還元ヘモグロビンの光吸収特性は異なる。酸化ヘモグロビンは約830nmを超える波長の赤外線を比較的よく吸収し、還元ヘモグロビンは赤色光(例えば660nmの波長)を比較的強く吸収する。805nmの波長の近赤外線については、両者の吸収率に差異はない。そこで、本実施形態では、660nm(赤色光)および830nm(赤外光)の2つの波長を用いて、それぞれの波長について、被検部からの光パワーを計測する。これらの赤色光と赤外光のパワーの比率から2種類のヘモグロビンの濃度の比率(酸素飽和度)を求めることができる。用いる2つの波長の組み合わせとしては、805nm未満の波長と、805nmよりも長い波長の組み合わせであってもよい。酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンのうちどれだけが酸素と結びついているかを示す値である。酸素飽和度は、C(Hb)を還元ヘモグロビンの濃度、C(HbO2)を酸化ヘモグロビンの濃度として、以下の数式で定義される。
酸素飽和度=C(HbO2)/[C(HbO2)+C(Hb)]×100(%)
生体内には、血液以外にも赤〜近赤外の波長の光を吸収する成分が含まれているが、光の吸収率が時間的に変動するのは、主に動脈血中のヘモグロビンに起因する。よって、吸収率の変動に基づいて、高い精度で血中酸素飽和度を測定することができる。心臓から拍出された動脈血は脈波となって血管内を移動する。一方、静脈血は脈波を持たない。生体に照射した光は、動静脈及び血液以外の組織など生体の各層で吸収を受けて生体を透過するが、動脈以外の組織は時間的に厚さが変動しない。このため、生体内からの散乱光は、脈動による動脈血層の厚さの変化に応じて時間的な強度変化を示す。この変化は動脈血層の厚さの変化を反映しており、静脈血及び組織の影響を含まない。よって、散乱光の変動成分だけに着目することで動脈血の情報を得ることができる。時間に応じて変化する成分の周期を測定することにより、脈拍も求めることができる。
神経細胞が活動すると、毛細血管内の血液中のヘモグロビンによって運ばれてきた酸素が消費される。酸素の消費による局所反応に伴い、血流増加が生じることが知られている。また、毛細血管内還元ヘモグロビンが生体組織に酸素を渡すことにより、還元ヘモグロビンが一時的に増加することが知られている。例えば、被検者Oが課題を解いて学習しているとする。その際、脳血流量は集中度に応じて時々刻々と変化し得る。集中度が高いほど、脳血流量は増加し、血中酸素飽和度は低下する傾向にある。そこで、推定部240は、例えば脳血流量または血中酸素飽和度の基準値からの変化量に基づいて被検者Oの集中度を判定することができる。本実施形態では、脳血流量または血中酸素飽和度の基準値からの変化量と集中度とを対応付けるテーブルが予めROM152に格納される。推定部240は、そのテーブルを参照することによって、計測した生体情報から学習の集中度を判定することができる。計測部230の計測結果および推定部240の推定結果は、例えばRAM153に一時的に保持される。
(ステップS503)
上述したように、例えば被検者Oがある課題を解いて学習しているとする。その際、被検者Oの頭部、つまり、計測中に被検部である額が動くことが想定される。そこで、検出部210は、初期動作を行った後、被検者(特に頭部)が動いたかどうかを監視する。例えば、検出部210は、連続したフレーム画像間で動きベクトルを算出する。検出部210は、その動きベクトルの大きさが閾値以上である場合、被検者Oは動いたと判定し、動きベクトルの大きさが閾値未満である場合、被検者Oは動かなかったと判定する。例えば、その閾値は予めROM152に格納されている。
検出部210は、被検者Oの動きを順次判定しなくてもよく、所定のフレーム枚数(例えば300フレーム)毎に動きを判定してもよい。これにより、制御回路200の消費電力を抑えることができる。
検出部210が、被検者Oは動かなかったと判定した場合、処理は再びステップS502に戻る。従って、光源ユニット170の設定は初期設定のままである。検出部210が、被検者は動いたと判定した場合、処理はステップS505に移行する。
なお、このような動きベクトルに基づく監視を行わずに、例えば、ステップS502における生体情報の計測を繰り返し行い、計測が正常に行えなくなったことを検出した場合にはステップS505に移行するという動作でもよい。あるいは、単純に、所定時間(例えば数秒から数分)ごとに位置および距離の再検出を行ってもよい。
ここで、計測が正常であるか否かは、制御回路に入力される、被検部の血流に対応する電気信号の信号レベルを測定することによって判定できる。光源110と被検部との距離が長くなるほど電気信号のレベルが低下し、電気信号のSN比が劣化するので、信号レベルが所定の値以下になったときに、光源110と被検部との距離を再検出して、SN比が所定の範囲内になるように、光のパワーを大きくする。
一方、光源110と被検部との距離が短くなるほど電気信号は飽和するので、信号レベルが所定の値以上になったときは、光源110と前記被検部との距離を再検出して、信号レベルが所定値以下で、かつ信号のSN比が所定の範囲内になるように、光のパワーを小さくする。
(ステップS505)
検出部210は、被検者Oの額の位置および光源110と額との間の距離を再度検出して、位置および距離に関する更新情報を生成する。
(ステップS506)
光源制御部220は、検出部210からの更新情報に基づいて光の出射方向および光パワーを調整する。具体的には、光の出射方向の更新値が光学素子120に設定され、光パワーの更新値は光源110に設定される。光学素子120は、MEMSミラーの角度を更新値に応じた角度に変更し、額における光121の照射位置を変更する。光源110は、更新値が示す光パワー値に光パワーを変更する。光源ユニット170の設定が更新されると、処理は再びステップS502に戻る。
以上の動作により、初期動作時および生体情報の計測中に、光源ユニットの設定が最適化される。なお、本実施形態では、初期動作時および生体情報の計測中の両方において、上記の最適化が行われるが、本開示は必ずしもそのような形態に限定されない。初期動作時および生体情報の計測中の少なくとも一方のタイミングで上記の最適化が行われればよい。
〔1−3.変形例〕
続いて、本実施形態の変形例を説明する。
図6は、光源の構成の変形例を模式的に示している。この変形例における生体情報計測装置は、2つの光源110、111を備えている。2つの光源110、111は制御回路200に接続されている。
光源110と光源111とは異なる波長帯域の光を出射する。光源110および光源111が出射する光の波長は、例えば前述の650nmおよび830nmであり得る。しかし、この波長の組み合わせに限定されず、種々の組み合わせを採用することができる。本実施形態のように計測対象が生体組織である場合には、図2に示すように、波長が805nmより大きいときは酸化ヘモグロビンによる吸光度が還元ヘモグロビンによる吸光度に比べて大きい。一方、波長805nm未満では、その逆の特性を示す。したがって、例えば、光源110が750nm近辺の波長の光を発光し、光源111が850nm近辺の波長の光を発光するとする。この場合、光源110からの光による内部散乱成分I2と光源111からの光による内部散乱成分I2の各光パワーを計測すれば所定の連立方程式を解くことによりHbO2およびHbの血中濃度初期値からの変化量を求めることができる。
制御回路200は、光源110からの光による内部散乱成分I2と光源111からの光による内部散乱成分I2の各光パワーを用いて連立方程式を解くことにより、例えばHbO2およびHbの血中濃度初期値からの変化量を算出する。制御回路200とは別に、その連立方程式を解く演算回路(不図示)を別個に設けても構わない。
上記の例では、光源の数は2つであるが、出射光の波長帯域の異なる3つ以上の光源を使用してもよい。あるいは、光の波長帯域を変更可能な光源を用いてもよい。そのような構成によれば、血液に関するより多くの生体情報を取得することができる。
図7は、光検出器140とは別のイメージセンサ141をさらに備えた生体情報計測装置100の構成例を模式的に示す図である。このように、生体情報計測装置100は、光検出器140とは独立した別のイメージセンサ141を備えていてもよい。この構成によれば、光検出器140は、例えば生体情報計測に特化したセンサとして用いられ、被検部の位置および距離の検出は、イメージセンサ141からの出力信号に基づいて行われ得る。制御回路200は、イメージセンサ141の出力信号に基づいた動画像を用いて被検者の動きを検出してもよい。あるいは、制御回路200は、光検出器140の出力信号に基づいて距離を検出し、イメージセンサ141の出力信号に基づいて位置を検出してもよいし、その逆であってもよい。本明細書において、光検出器140を「第1光検出器」と称し、イメージセンサ141を「第2光検出器」と称することがある。また、第1光検出器から出力される電気信号を「第1電気信号」と称し、第2光検出器から出力される電気信号を「第2電気信号」と称することがある。
本実施形態による生体情報計測装置100は、脳血流以外の生体情報を計測することもできる。以下に幾つかの具体例を説明する。
血流量が変化すると光の反射率が変わる。これを利用して、例えば顔および手などの露出した被検部に近赤外光を照射し、反射光を検出することにより、脈拍数及び集中度を非接触で計測することができる。制御回路200は、上述した図5に示されるフローに従って、被検部の位置および距離の初期情報を検出した後で、初期情報に基づいて光の出射方向および光パワーの初期値を光源ユニット170に設定する。制御回路200はその後、被検部の動きを監視しながら、被検部の動きに応じて光の出射方向および光パワーを調整する。
図8は、計測によって取得される脈波の一例を模式的に示している。脈拍数を計測する場合、計測部230は、周期的な曲線を有する脈波を、例えば光検出器140からの出力信号に基づいて生成する。例えば計測部230は、脈波の極大値をカウントし、図示されるように、隣接する2つの極大値の間の時間差(「脈波の周期」と表記する)を算出する。計測部230は、脈波の周期を逆数に変換して脈拍数を算出する。
制御回路200の推定部240は、その脈波の周期の分散を所定期間において計測し、集中またはリラックスしているといった精神状態を判定することができる。一般に、集中または緊張しているときは、脈波の周期が一定に近づき、リラックスしているときは、脈波の周期が変動し易い傾向がある。そこで、推定部240は、周期の分散が所定値未満であれば、被検者Oは集中状態または緊張状態にあると判断する。呼吸に合わせて、その分散は次第に大きくなり所定値を超えることがある。その場合、推定部240は、被検者Oはリラックス状態にあると判断することができる。
さらに、生体情報計測装置100を用いて、血管年齢および血圧などを非接触で計測することもできる。具体的には、生体情報計測装置100を用いて脈波伝播速度(PWV)を計測する。顔および手などの脈波を計測し、脈波の時間差をそれらの間の距離で除算することでPWVが得られる。
例えば顔および手の露出した2箇所の被検部に近赤外光を照射し、反射光を検出することにより、PWVを求めることができる。あるいは、例えば手および足首の露出した2箇所の被検部に近赤外光を照射し、反射光を検出することにより、PWVを求めることができる。なお、2箇所の被検部として、互いに離れている箇所を任意に指定することができる。血管年齢および血圧をPWVに基づいて非接触で計測することが可能になる。制御回路200は、上述した図5に示されるフローに従って、2箇所の被検部の位置情報および距離情報の初期情報を検出した後で、初期情報に基づいて光の出射方向および光パワーの初期値を光源ユニット170に設定する。制御回路200はその後、計測中の2箇所の被検部の動きをそれぞれ監視しながら、各被検部の動きに応じて光の出射方向および光パワーを調整する。
図9は、例えば顔および手の2点から得られる脈波a、bを模式的に示している。計測点Aは顔に位置し、計測点Bは手に位置する。例えば、制御回路200の計測部230は、計測点AおよびBの脈波の立ち上がり点における時間差ΔTおよび2点間の距離Dを用いて、下記の式(1)からPWVを算出する。
PWV=D/ΔT 式(1)
例えば制御回路200の推定部240は、PWVに基づいて血管年齢および血圧を推定することができる。例えば、PWVの平均値を年齢(世代)毎に示すテーブルが予めROM152に格納されている。推定部240は、そのテーブルを参照して、計測で得られたPWV値はどの年齢の平均値に最も近いかを特定し、被検者Oの血管年齢を推定することができる。また、推定部240は、PWVから血圧を推定することができる。例えば非特許文献1に開示されているPWVを用いた血圧の推定方法を利用することができる。
接触型の計測装置を用いると、身体に対するセンサ部分の、取り付けまたは押し当ての仕方などが計測結果に影響を及ぼし得る。本実施形態のように非接触で計測できれば、このような課題は解決され、かつ、計測の簡便化に繋がる。
本実施形態によれば、制御回路200は、被検部の位置および距離に応じて光の照射位置および光パワーを調整する。このため、計測中、被検者Oは装置に拘束されることなく、比較的自由な姿勢で過ごすことができる。また、適正な位置に適正なパワーを有する光を照射できるので、高品質な信号が得られる。その結果、S/N比を改善することができる。さらに、制御回路200は被検者Oの動きを監視しているので、計測中に被検者Oが多少動いても、生体情報を安定して計測することができる。そのため、例えば被検者Oは作業をしながら計測を受けることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2における生体情報計測モジュールを説明する。本実施形態における生体情報計測モジュールは、例えばタブレット端末、スマートフォン、またはノートPC(ラップトップ)などの汎用の携帯電子機器に外付けして使用されるアタッチメントである。以下、実施形態1による生体情報計測装置100と異なる点を中心に説明し、共通する部分の説明は省略する。
図10Aは、本実施形態における生体情報計測モジュール300が取り付けられた電子機器400の例を模式的に示す図である。図示されるように、生体情報計測モジュール300は、電子機器400に接続されて使用される。モジュール300は、光源110と、光検出器140とを有している。図10Aには示されていないが、モジュール300の筐体の内部に、MEMSミラーなどの光学素子120と、制御回路200Aとが設けられている。図10Aの例ではモジュール300が電子機器400の下部に接続されているが、これに限定されない。接続される位置は、電子機器400が有するコネクタの位置に依存する。本実施形態では、電子機器400が有するカメラ450によって取得される動画像の情報を利用することができる。
このような構成により、例えば、光源110および生体情報計測に特化した(即ち赤外光を検出する)光検出器140を備えたモジュール300を、タブレット端末またはスマートフォンなどの電子機器400に装着するという新たな使用方法が可能になる。電子機器400に内蔵されているカメラ450によって被検者Oの動きを検出し、その検出信号に基づいて、モジュール300における制御回路200Aが光源110の出射方向およびパワーを調整するといった動作が行われ得る。
タブレット端末またはスマートフォンなどの機器に内蔵されているカメラ450は、通常赤外(IR)カットフィルタをイメージセンサの前面に備えている。このため、カメラ450で赤外光を受光することはできない。一方、モジュール300の光検出器140は、生体情報の計測に適した近赤外光を検出するために、赤外カットフィルタを備えず、逆に可視光カットフィルタを備え得る。したがって、生体情報の検出はモジュール300の光検出器140によって行われ、可視光でも検出可能な被験部の位置および距離の特定は電子機器400のカメラ450によって行われ得る。
ここで、生体情報計測モジュール300の光検出器140により、生体情報の検出だけでなく、光源110と被検部との距離の検出を行なってもよい。電子機器400のカメラ450により、被検部の位置の検出が可能である。可視光で動作する電子機器400のカメラ450は、光源からの照射光無しの、周辺光のみで動作可能となり、光源は消費電力が大きいため、トータルの電子機器の消費電力を削減できる効果がある。
図10Bは、本実施形態における生体情報計測モジュール300および電子機器400の構成を模式的に示すブロック図である。生体情報計測モジュール300は、光源110と、光学素子120と、光学系130(不図示)と、光検出器140と、制御回路200Aと、ROM152と、RAM153と、外部の電子機器400に光検出器140の出力信号を送信するための入出力インタフェース(I/F)250とを有する。モジュール300は、図示されるように、モジュールとして動作するための最低限のコンポーネントを有していればよい。
電子機器400は、カメラ450の他に、ディスプレイ456と、制御回路454と、ROM452と、RAM453と、入出力インタフェース440とを備える。制御回路454は、例えばCPUおよび画像処理用のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含み得る。制御回路454は、カメラ450によって取得された画像の解析、およびディスプレイ456の表示の制御等を行う。制御回路454は、予めインストールされたコンピュータプログラム(アプリケーション)を実行することにより、モジュール300と連携した動作を行う。例えば、制御回路454は、生体情報の計測動作を行う際、モジュール300の制御回路200Aに、光源110、光学素子120、および光検出器140を用いた生体情報の計測を実行させる。並行して、制御回路454は、カメラ450に被検者Oを撮影させ、取得された画像に基づいて被験部の位置および距離を計算する。制御回路454は、その情報をモジュール300の制御回路200Aに送る。これを受けた制御回路200Aは、その位置および距離の情報に基づき、光源110の発光パワーと光学素子120の角度(即ち、光の出射方向)とを調整する。これにより、被験部の動きに追従して適切な方向に適切なパワーの光が照射される。
出力I/F250は、例えばUSBインタフェースであり得る。出力I/Fは、その他のインタフェース、例えば、例えばWi−Fi(登録商標)規格またはZigBee(登録商標)規格に準拠した無線通信用インタフェースであってもよい。
図11は、生体情報計測モジュール300の制御回路200Aの典型的な機能ブロックを模式的に示す図である。制御回路200Aは、CPU180と、検出部210と、光源制御部220とを有する。制御回路200Aは、計測部230および推定部240を含んでいない点で実施形態1における制御回路200とは異なる。CPU180は、生体情報計測モジュール300の動作を制御する。検出部210および光源制御部220の機能は、実施形態1で説明したとおりである。
生体情報計測モジュール300は、例えば出力I/F250に接続されたUSBケーブルを介して外部の電子機器400に接続することができる。電子機器400には、本開示における信号処理(例えば前述の位置および距離の計測処理および図5のステップS502に相当する処理)を実行するアプリケーションがインストールされる。これにより、電子機器400のプロセッサは、生体情報計測モジュール300から光検出器140の出力信号を受け取り、その出力信号に基づいて生体情報を計測することができる。また、その生体情報に基づいて被検者の心理状態を推定することができる。
本実施形態によれば、外部の電子機器400に着脱可能な生体情報計測モジュールが提供される。
(実施形態3)
次に、本開示の技術を適用した学習システムの実施形態を説明する。
図12Aは、被検者である学習者Oが、電子機器400を用いて学科(例えば算数、国語など)の問題を解いている様子を示す図である。本実施形態における電子機器400は、タブレット型コンピュータ(以下、タブレットPCと称する。)である。電子機器400は、タブレットPC以外にも、例えば携帯電話、スマートフォン、ノートPC(ラップトップ)、電子書籍端末、電子辞書、または電子ノートなどの、ディスプレイを有する任意の機器であり得る。
この電子機器400は、実施形態3におけるモジュール300が取り付けられたものでもよいし、モジュール300の機能が内蔵された専用端末であってもよい。
図示されるようなタブレットPCを用いた教育システムは、例えば学校もしくは塾などの教育機関、または家庭で用いられ得る。タブレットPCのディスプレイに算数または国語などの教科の問題を表示するアプリケーションを用いて、学習者O(例えば児童)は学習を行う。
電子機器400には、学科の問題を表示するアプリケーション(ソフトウェア)が予めインストールされる。当該アプリケーションは、例えばインターネットなどの電気通信回線を介してダウンロードされ得る。当該アプリケーションを電子機器400のプロセッサ(制御回路)が実行することにより、問題の表示、解答後の正解および解説の表示、および次の問題への遷移といった動作が実現する。
本実施形態における電子機器400の制御回路は、学習者Oが問題を解いている間の脳の血流量、血中酸素飽和度、または脈波の周期の分散などの生体情報を検出することによって学習者Oの集中度を監視する。集中度の判定方法は、実施形態1で説明したとおりである。電子機器400の制御回路は、学習者Oの集中度の低下を検出すると、例えばディスプレイに興味を惹く情報を表示したり、やさしい問題を表示したりして、集中度の低下を防ぐ。これにより、学習効果を高めることができる。
本実施形態のような学習システムにおいて、学習者Oが問題を解いている間、学習者Oが常に静止しているということはない。特に、問題がわからなかったり、集中力に欠けていたりするときには、学習者Oの頭及び体がよく動く傾向がある。図12Bは、図12Aの状態から、学習者Oの頭部が動いた状態の例を示している。学習者Oの頭が移動すると、電子機器400と被検部(額)との間の距離も変化し得る。このような場合、従来技術では、光源からの光が額に到達しなかったり、額に到達したとしても、距離の変化によって検出精度が低下したりするという問題が生じる。
これに対して、本実施形態の電子機器400の制御回路は、初期動作時(即ち発光開始時)および動作中に、学習者Oの額の位置と、額までの距離とを検出し、その位置および距離に応じて光の出射方向とパワーを調整する。これにより、学習者Oの額に適切なパワーの光が照射され、集中度を適切に計測することができる。このような調整を、光源の発光開始時と、発光中の所定時間ごとに行うようにすれば、額の動きに追従して常に適切なパワーの光を照射することができる。
本実施形態における電子機器400は、実施形態1における生体情報計測装置100を備えている。電子機器400は、被検者Oの額に赤外光を照射し、NIRSを利用して被検者Oの学習の集中度を推定する。被検者Oは、スタイラスを持って操作しながら、電子機器400の表示画面に表示された問題を解いて学習する。上述したように、被検者Oが問題を解いているとき、神経細胞の活動によって、被検者Oの集中度に応じて脳血流量等が変化する。制御回路200は、その変化に基づいて、被検者Oの集中度を推定する。例えば前述のように、テーブルを参照して集中度を判定することができる。
また、その集中度の時間的変化から学習の習熟度を推定することができる。数学の因数分解の学習を例に挙げて説明する。被検者は、学習の初めに因数分解の公式とその適用の仕方を学ぶ。初めのうちは慣れないために集中度が大きく脳血流量の時間的な変化量が大きい。問題をこなすに従って、公式の適用にも慣れてくるので解答時間が速くなるとともに脳血流量の時間変化量が減少していく。脳血流量の変化曲線の時間的推移から、学習の習熟度を判定することができる。脳血流の変化の時間的推移に加えて、解答時間の短縮度を示す情報も併用すると判定の精度が上がる。
電子機器400の利用者である被検者Oの頭部の変動量は、問題の難易度に応じて変化することが想定される。例えば、被検者Oが課題を解いているとき、頭部の角度が、図12Aに示す角度から図12Bに示す角度に変わったとする。その場合でも、制御回路200は被検者Oの動きを監視しているので、その動きを検知すると、光の出射方向およびパワーを調整することができる。
本実施形態によれば、被検者Oが作業しながらでも、被検部において適正な位置に、適正なパワーを有する光を照射でき、かつ、生体情報を安定して計測することができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4における対話型ロボットを説明する。
図13は、実施形態4によるロボット500および被検者である対話者Oを模式的に示す図である。図14は、ロボット500の構成例を示す図である。
本実施形態によるロボット500は、その頭部に実施形態1における生体情報計測装置100と同様の構成要素を搭載している。ロボット500は、被検者Oの額の位置および距離を検出し、額に向けて適切な光パワーを有する光を照射し、NIRSを利用して被検者Oの感情を推定する。ロボット500は、被検者Oの動きに追従して頭部を動かすことにより、光の照射位置を調整することができる。対話中、ロボット500は相手の方向を向くので、頭部を動かすことによって光の照射位置を調整することは自然な行為である。
図14に示すように、ロボット500は、実施形態において説明した構成要素の他に、頭部を含む各部を駆動する少なくとも1つのモータ520と、音声を出力するスピーカ530と、対話者Oが発した音声を検出するマイク540と、カメラ550と、各部を制御する制御回路510とを備えている。制御回路510は、実施形態1における制御回路200と同様の動作を行うことにより、対話者Oにおける被検部(例えば額)の位置および被検部までの距離を検出する。そして、光検出器140の検出結果に基づいて、脳血流量などの生体情報を計測する。その生体情報に基づいて、モータ520およびスピーカ530などの要素を制御するための制御信号を生成する。ロボット500は、その制御信号に基づいて、様々な動作を行うことができる。例えば、スピーカ530およびマイク540を用いた音声の対話中に、対話者Oの集中度が低下していることを検出した場合には、話題を変更したり、音声対話を停止したりすることができる。ロボット500は、対話中、相手の感情を推定する。具体的には、制御回路200は、神経活動に起因した脳血流の変化に基づいて感情を推定する。例えば、制御回路200は、脳血流の変化と感情(例えば、安心、不安、悲しみ、憤りなど)との関係を対応付けたテーブルを参照することで感情を推定することができる。ロボット500は、感情の推定結果に応じて、例えば対話者との話題を変更することができる。
制御回路510は、被検部の位置および距離に応じて頭部の動きを制御することにより、光の出射方向を調整することができる。さらに、ロボット500の頭部と、光源110の前方に配置される光学素子120とを組み合わせて光の出射方向を制御してもよい。例えば、先ず頭部の動きを制御して、光の出射方向を粗調整した後で、光源ユニット170を制御し、光の出射方向を微調整することができる。光学素子120は不要であれば省略してもよい。
本実施形態の動作を規定したプログラム(アプリ)は、例えば電気通信回線を通じてダウンロードされ、ロボット500にインストールされ得る。これにより、アプリの更新によって動作の改善を行なったりすることもできる。
本実施形態によると、ロボットとの対話において適切なコミュニケーションが図れる。
(実施形態5)
図15は、実施形態5による車両600の車内を模式的に示している。
本実施形態による車両600は、例えばドライブレコーダが取り付けられる位置またはその近傍に実施形態における生体情報計測装置100を備えている。生体情報計測装置100は、車両600の取付部610に取り付けることができる。運転者が生体情報計測装置100を自由に着脱することができる。車両600は、自動車のみならず、電車その他の運転が必要な移動体を含む。本実施形態においては、被検者Oは運転者である。
生体情報計測装置100は、被検者Oの額に赤外光を照射し、NIRSを利用して被検者Oの集中度及び健康状態を推定する。車両600は、車両600の動作を制御する制御回路620を備えている。制御回路620は、生体情報計測装置100の制御回路200からの生体情報に基づいて車両600の制御信号を生成する。あるいは、制御回路200が生体情報に基づいて車両600の制御信号を生成し、制御回路620が、その制御信号に基づいて車両600を制御してもよい。車両は、例えば自動運転モードを備える。車両が手動運転で走行中であれば、車両は、制御信号を受けて、走行モードを手動運転から自動運転に切り替えることができる。例えば、運転者Oの集中度が低下したことを検出した場合、運転者Oが居眠りをしている可能性がある。そこで、手動運転から自動運転に切り替えることにより、安全性を確保できる。
生体情報計測装置100をカーナビゲーションシステムと連動させることもできる。例えば、生体情報計測装置100は、運転者が集中を欠いていると判定したとき、カーナビゲーションシステムにその情報を送信することができる。カーナビゲーションシステムは、例えば音声スピーカまたは表示画面を用いて集中力が欠けている旨の警告を行うことができる。なお、生体情報計測装置100は常に運転者に赤外光を照射する必要はなく、例えばカーナビゲーションシステムの指示(「100m先の交差点を右に曲がります」等)をトリガーに、運転者に赤外光を照射して運転者の集中度を判定してもよい。カーナビゲーションの音声指示があっても、脳血流に変化が見られないときは、集中度が欠けている可能性が高い。
(実施形態6)
図16は、実施形態6による環境制御装置700の外観を模式的に示している。
本実施形態による環境制御装置700は生体情報計測装置100を備えている。環境制御装置700は、例えばエアコンディショナーおよびオーディオであり得る。このような、使用者の周囲の環境(温度、音、光、湿度、匂い等)を制御することのできる装置を、本明細書では「環境制御装置」と称する。本実施形態においては、被検者Oは環境制御装置700の一人または複数の利用者であり得る。
環境制御装置700は、被検者Oの額に赤外光を照射し、NIRSを用いて被検者Oの心理状態、具体的には、気分及び温度感覚を推定する。
生体情報計測装置100の制御回路200は、被検者Oの動きを監視し、先ずは被検者Oを特定する。制御回路200はその後、被検者Oの被検部(例えば額)の位置を画像認識によって特定し、その額への赤外光の照射を開始する。
環境制御装置700は制御回路710を備えている。制御回路710は、生体情報計測装置100の制御回路200からの生体情報に基づいて環境制御装置700の制御信号を生成する。あるいは、制御回路200が生体情報に基づいて環境制御装置700の制御信号を生成し、制御回路710が、その制御信号に基づいて環境制御装置700を制御してもよい。例えば、生体情報計測装置100が被検者Oの不快感を検知したとする。環境制御装置700がエアコンディショナーである場合には、環境制御装置700は、電源を自動でオンにして運転を開始したり、運転中は設定温度を下げたり上げたりすることができる。環境制御装置700がオーディオ機器である場合、環境制御装置700は音量を自動で下げてもよいし、例えば、リラックス効果が期待される音楽(クラシック音楽等)を自動で選曲してもよい。
(実施形態7)
実施形態7に係る生体情報計測装置について、実施形態1の生体情報計測装置100と異なる点を中心に説明する。
光源110からの照射光を平行光ではなく発散光とした場合を考える。被検部全体に照射光が当たるように発散光を照射して、イメージセンサにより被検部の画像を取得するとき、本願発明者らは、光源110と被検部との距離を検出するよりも、被検部における輝度変動量を検出する方が、被検者の動きの有無の検出精度が高いことを発見した。すなわち、実施形態7において実施形態1の生体情報計測装置100と異なる点は、輝度変動量を検出することである。
具体的には、実施形態1と比較して、光検出器140がイメージセンサであることと、図5に示す処理のステップS503からS506までの動作が異なる。
以下、動作の主体を制御回路200とし、制御回路200が各機能ブロックに対応した機能を実行するものとして、実施形態7におけるステップS503の動作を説明する。上述したとおり、制御回路200とは別にCPUが設けられている場合には、制御回路200の機能の一部をCPUが実行してもよい。以下、光検出器140はTOFイメージセンサであるものとして説明し、光学素子120はMEMSミラーであるものとして説明する。
検出部210は、光検出器140において、第1の時刻に取得された被検部の画像から第1輝度を抽出し、第2の時刻に取得された被検部の画像から第2輝度を抽出する。制御回路200は、第1輝度と第2輝度とから、第1の時刻と第2の時刻との間の被検部の輝度変動量を算出する。検出部210は、その輝度変動量の大きさが閾値以上である場合、被験者Oは動いたと判定し、輝度変動量の大きさが閾値未満である場合、被験者Oは動かなかったと判定する。例えば、その閾値は予めROM152に格納されている。
実施形態7では、光源110と被検部との距離を直接測定しないため、実施形態1のステップS505は不要である。輝度変動量を算出した後は、ステップS506に処理を進める。ステップS506では、検出した輝度変動量に応じて光源110の駆動電流変動分ΔJを決定する。第1時刻での光源110の駆動電流をJ1としたとき、第2時刻での光源110の駆動電流はJ2=J1+ΔJと設定する。照射光が発散光である場合、輝度変動量を精度良く検出できるため、光源110の駆動電流変動分ΔJの精度を高くすることができ、光のパワーの調整精度を向上させることができる。
ここで、被検部の画像から抽出される輝度とは、被検部全体の輝度の平均値でも良い。ただし、光源110から被検部までの距離が変動したときの輝度変動量の検出精度が高いのは、距離の変動量が小さい場合である。そのため、光源110の初期の光パワーを決定する場合には、光源110から被検部までの距離を実際に検出し、光源110の初期の光パワーを決定した後に、被検部の動きによる光源110の光パワーの調整を行なう場合には、輝度変動量を検出することが好ましい。
(実施形態8)
実施形態8に係る生体情報計測装置について、実施形態1の生体情報計測装置100と異なる点を中心に説明する。
光源110からの照射光を平行光ではなく発散光とした場合を考える。被検部全体に照射光が当たるように発散光を照射して、イメージセンサにより被検部の画像を取得するとき、本願発明者らは、距離または距離変動量を検出するよりも、被検部における輝度変動量を検出する方が、被検者の動き有無の検出精度が高いことを発見した。すなわち、実施形態7において実施形態1の生体情報計測装置100と異なる点は、輝度変動量を検出することである。
実施形態8において実施形態1の生体情報計測装置100と異なる点は、光源110と被検部との距離変動量を算出する点である。
具体的には、実施形態1と比較して、図5に示す処理のステップS503からS506までの動作が異なる。
以下、動作の主体を制御回路200とし、制御回路200が各機能ブロックに対応した機能を実行するものとして、実施形態7におけるステップS503の動作を説明する。上述したとおり、制御回路200とは別にCPUが設けられている場合には、制御回路200の機能の一部をCPUが実行してもよい。以下、光検出器140はTOFイメージセンサであるものとして説明し、光学素子120はMEMSミラーであるものとして説明する。
実施形態8のステップS503において、検出部210は、第1時刻において、光源110と被検部との間の第1距離を取得し、第2時刻において、光源110と被検部との間の第2距離を取得する。取得した第1距離および第2距離に基づいて、第1時刻と第2時刻との間の距離変動量を算出する。
検出部210は、その距離変動量の大きさが閾値以上である場合、被験者Oは動いたと判定し、距離変動量の大きさが閾値未満である場合、被験者Oは動かなかったと判定する。例えば、その閾値は予めROM152に格納されている。
実施形態8では、被検者Oが動いたと判定された場合に、再度、光源110と被検部との距離を検出する必要がないので、ステップS505は不要である。すなわち、被検者Oが動いたと判定された場合には、算出した距離変動量に応じて光源の駆動電流変動分ΔIを決定する。
第1時刻での光源の駆動電流をJ1としたとき、第2時刻での光源の駆動電流はJ2=J1+ΔJと設定する。一般的に、ΔJはJ1より十分小さいため、変動分ΔIにI1より十分小さい値の上限値を設定することが可能となる。そのため、距離の検出にエラーがあった場合でも、検出エラーによる駆動電流変動分が小さいため、所定外の光パワーを照射してしまうなど、光源の誤動作が低減できる。
本開示は、生体情報を非接触で計測する用途、例えば、生体・医療センシング、ロボット、車両、および電子機器等に利用できる。
100 生体情報計測装置
110 光源
120 光学素子
130 光学系
140 光検出器
150 装置本体
180 CPU
152 ROM
153 RAM
160 表示装置
170 光源ユニット
180、200、510 制御回路
250 出力I/F
300 生体情報計測モジュール
400 電子機器
500 ロボット
600 車両
700 環境制御装置

Claims (18)

  1. 被検者の被検部に照射するための照射光を出射する光源と、
    前記被検者からの光を検出し、前記光に対応する電気信号を出力する光検出器と、
    前記光源が出射する前記照射光のパワーを決定し、かつ前記電気信号に基づいて前記被検部における血流に関する生体情報を計測する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記電気信号に基づいて、前記光源と前記被検部との距離を検出し、かつ前記距離が長いほど前記照射光の前記パワーが大きくなるように前記照射光の前記パワーを決定する生体情報計測装置。
  2. 前記制御回路は、さらに、第1時刻における前記距離である第1距離と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記距離である第2距離とを比較し、前記比較の結果、前記距離が変動したと判定した場合、前記照射光の前記パワーを再度決定する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  3. 前記光検出器は、複数のフレームを含む、前記被検部の動画を取得するイメージセンサであり、
    前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記第1距離と前記第2距離との前記比較を行う、
    請求項2に記載の生体情報計測装置。
  4. 前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記第1距離と前記第2距離との前記比較を行う、
    請求項2に記載の生体情報計測装置。
  5. 前記光検出器は、前記被検部の画像を取得するイメージセンサであり、
    前記電気信号は、前記画像を示す信号を含み、
    前記制御回路は、前記画像を示す前記信号に基づいて、第1時刻における前記被検部の輝度である第1輝度と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記被検部の輝度である第2輝度と、前記第1輝度と前記第2輝度との差である輝度変動量を検出し、かつ前記輝度変動量に応じて、前記照射光の前記パワーを調整する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  6. 前記画像が、複数のフレームを含む動画であり、
    前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記輝度変動量を検出する、
    請求項5に記載の生体情報計測装置。
  7. 前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記輝度変動量を検出する、
    請求項5に記載の生体情報計測装置。
  8. 前記制御回路は、さらに、第1時刻における前記距離である第1距離と、前記第1時刻より後の第2時刻における前記距離である第2距離との差である距離変動量を検出し、かつ前記距離変動量に応じて、前記照射光の前記パワーを調整する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  9. 前記画像が、複数のフレームを含む動画であり、
    前記制御回路は、所定枚数のフレーム毎に、前記距離変動量を検出する、
    請求項8に記載の生体情報計測装置。
  10. 前記制御回路は、さらに、前記生体情報の前記計測が正常か否かを判定し、かつ前記計測が正常に行えなくなったことを検出した場合、前記距離変動量を検出する、
    請求項8に記載の生体情報計測装置。
  11. 前記制御回路は、さらに、前記電気信号に基づいて、前記被検部の位置を検出し、前記位置に基づいて、前記被検者において前記照射光が照射される位置を決定する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  12. 前記光検出器は、前記被検部の画像を取得するイメージセンサであり、
    前記電気信号は、前記画像を示す信号を含み、
    前記制御回路は、前記画像を示す前記信号に基づく画像認識によって前記被検部の位置を検出する、
    請求項11に記載の生体情報計測装置。
  13. 前記生体情報計測装置は、第1光検出器及び第2光検出器を備え、
    前記第1光検出器及び前記第2光検出器の各々は、前記光検出器であり、
    前記第2光検出器はイメージセンサであり、
    前記第1光検出器は、前記被検者からの前記光のうち、前記照射光に含まれる波長の成分を検出し、前記波長の前記成分に対応する第1電気信号を出力し、
    前記第2光検出器は、前記被検者からの前記光のうち、可視光の成分を検出し、前記可視光の前記成分に対応する第2電気信号を出力し、
    前記制御回路は、前記第2電気信号に基づいて、前記距離を検出し、前記第1電気信号に基づいて、前記生体情報を計測する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  14. 前記照射光はパルス光であり、
    前記制御回路は、前記光源が前記パルス光を出射してから前記光検出器が前記パルス光を検出するまでの時間に基づいて前記距離を検出する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  15. 前記照射光の経路上に配置され、前記被検者において前記照射光が照射される前記位置を変更する光学素子をさらに備え、
    前記制御回路は、前記電気信号に基づいて前記光学素子を制御する、
    請求項11に記載の生体情報計測装置。
  16. 前記被検部は前記被検者の額であり、
    前記生体情報は脳血流に関する情報である、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  17. 前記光検出器から出力された前記電気信号を外部機器に送信する
    インタフェースをさらに備える、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  18. 被検者の被検部に照射するための照射光を出射する光源と、
    前記被検者からの光を検出し、前記光に対応する第1電気信号を出力する光検出器と、
    前記光源が出射する前記照射光のパワーを決定し、かつ前記第1電気信号に基づいて前記被検部における血流に関する生体情報を計測する制御回路と、
    前記被検部の画像を取得し、前記画像を示す信号を含む第2電気信号を出力するイメージセンサを備える外部機器と通信するためのインタフェースとを備え、
    前記インタフェースは、前記外部機器から前記第2電気信号を受信し、かつ前記外部機器に前記第1電気信号を送信し、
    前記制御回路は、前記第2電気信号に基づいて、前記光源と前記被検部との距離を検出し、かつ前記距離が長いほど前記照射光の前記パワーが大きくなるように前記照射光の前記パワーを決定する生体情報計測装置。
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