JP2017123888A - 磁気共鳴イメージング装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フローアーチファクトを抑制しつつ振動・騒音を低減できるリフェーズ傾斜磁場の印加が可能なMRI装置を提供する。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明のMRI装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法は次のように構成される。即ち、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの非対称率をk空間の位相エンコード方向に異ならせて、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。好ましくは、k空間の位相エンコード方向の低域よりも高域で非対称率を大きくして、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、傾斜磁場による騒音を低減する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号(エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、エコー信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたエコー信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置において、撮像領域に血液などの移動する物質や運動する組織が存在する場合、GMN(Gradient Moment Nulling)法に基づくリフェーズ傾斜磁場を付加した撮像シーケンスにより、移動や運動が原因となって発生したスピンの位相を、移動や運動の速度や加速度に依らずに再収束(リフェーズ)させて、画質に与える影響(以下、フローアーチファクトという)を排除又は低減する(以下、リフェーズ効果という)ことが行われている(例えば、特許文献1)。このリフェーズ傾斜磁場はスライス方向、位相エンコード方向、周波数エンコード方向のうちの少なくとも1つの方向に、1次若しくは2次の形態で印加される。
国際公開2011/034004号 特開2001-309902号公報
リフェーズ傾斜磁場を用いる撮像シーケンスでは、リフェーズ傾斜磁場を構成する傾斜磁場パルスの数や印加強度(振幅)、傾斜磁場強度の単位時間当たりの変化量(スルーレート)が増加する。
一方、傾斜磁場コイルの駆動により電磁気力が発生し、傾斜磁場コイルに機械的歪み(振動)を生じさせて騒音が発生するという問題点がある(例えば特許文献2)。特に、リフェーズ傾斜磁場を用いる撮像シーケンスにおいては、傾斜磁場パルスの数、印加強度、スルーレートが増加するため、これらの騒音も増大する傾向にあり、被検体の負担が大きくなっている。
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、フローアーチファクトを抑制しつつ振動・騒音を低減できるリフェーズ傾斜磁場の印加が可能なMRI装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のMRI装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法は次のように構成される。即ち、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの非対称率をk空間の位相エンコード方向に異ならせて、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。
好ましくは、k空間の位相エンコード方向の低域よりも高域で非対称率を大きくして、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。
本発明のMRI装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法によれば、血液などの移動する物質や運動する組織によるフローアーチファクトを抑制しつつ振動・騒音の低減が可能なリフェーズ傾斜磁場を印加できるようになる。その結果、被検体の負荷を低減することができるようになる。
本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図 リフェーズ傾斜磁場のシーケンスチャート 静音化撮像シーケンスを実現するための処理フロー示すフローチャート 撮像パラメータの設定用GUIの一例を示す図 静音化撮像シーケンスの一例としての高速グラディエントエコーシーケンスを示すシーケンスチャート 静音化撮像シーケンスのk空間へのエコー配置の一例を示す図
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施例について詳説する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体101の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁石102と、傾斜磁場コイル103及び傾斜磁場電源109と、RF送信コイル104及びRF送信部110と、RF受信コイル105及び信号処理部107と、計測制御部111と、全体制御部112と、表示・操作部118と、被検体101を搭載する天板を静磁場発生磁石102の内部に出し入れするベッド106と、を備えて構成される。
静磁場発生磁石102は、垂直磁場方式であれば被検体101の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば体軸方向に、それぞれ均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場コイル103は、MRI装置の実空間座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれたコイルであり、それぞれの傾斜磁場コイルは、それを駆動する傾斜磁場電源109に接続され電流が供給される。具体的には、各傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源109は、それぞれ後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、それぞれの傾斜磁場コイルに電流を供給する。これにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzが発生する。この傾斜磁場コイル103と傾斜磁場電源109とを含めて傾斜磁場発生部となる。
2次元スライス面の撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体101に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード(読み出し)傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、核磁気共鳴信号(エコー信号)にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
RF送信コイル104は、被検体101にRFパルスを照射するコイルであり、RF送信部110に接続され高周波パルス電流が供給される。これにより、被検体101の生体組織を構成する原子のスピンにNMR現象が誘起される。具体的には、RF送信部110が、後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、高周波パルスを振幅変調し、増幅した後に被検体101に近接して配置されたRF送信コイル104に供給することにより、RFパルスが被検体101に照射される。このRF送信コイル104とRF送信部110とを含めてRFパルス発生部となる。
RF受信コイル105は、被検体101の生体組織を構成するスピンのNMR現象により放出されるエコー信号を受信するコイルであり、信号処理部107に接続されて受信したエコー信号が信号処理部107に送られる。
信号処理部107は、RF受信コイル105で受信されたエコー信号の検出処理を行う。具体的には、後述の計測制御部111からの命令に従って、信号処理部107が、受信されたエコー信号を増幅し、直交位相検波により直交する二系統の信号に分割し、それぞれを所定数(例えば128、256、512等)サンプリングし、各サンプリング信号をA/D変換してディジタル量に変換する。従って、エコー信号は所定数のサンプリングデータからなる時系列のデジタルデータ(以下、エコーデータという)として得られる。そして、信号処理部107は、エコーデータに対して各種処理を行い、処理したエコーデータを計測制御部111に送る。
計測制御部111は、被検体101の断層画像の再構成に必要なエコーデータ収集のための種々の命令を、主に、傾斜磁場電源109と、RF送信部110と、信号処理部107に送信してこれらを制御する制御部である。
具体的には、計測制御部111は、後述する全体制御部112の制御で動作し、ある所定の撮像シーケンスの制御データに基づいて、傾斜磁場電源109、RF送信部110及び信号処理部107を制御して、被検体101へのRFパルスの照射及び傾斜磁場パルスの印加と、被検体101からのエコー信号の検出と、を繰り返し実行し、被検体101の撮像領域についての画像の再構成に必要なエコーデータの収集を制御する。
繰り返しの際には、2次元撮像の場合には位相エンコード傾斜磁場の印加量を、3次元撮像の場合には更にスライスエンコード傾斜磁場の印加量も、変えて行なう。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれ、スライスエンコードの数は、通常16、32、64等の値が選ばれる。これらの制御により信号処理部107からのエコーデータを全体制御部112に出力する。
全体制御部112は、計測制御部111の制御、及び、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等の制御を行うものであって、演算処理部(CPU)114と、メモリ113と、磁気ディスク等の内部記憶部115と、外部ネットワークとのインターフェースを行うネットワークIF116と、を有して成る。また、全体制御部112には、光ディスク等の外部記憶部117が接続されていても良い。
具体的には、計測制御部111に撮像シーケンスの実行によりエコーデータを収集させ、計測制御部111からのエコーデータが入力されると、演算処理部114がそのエコーデータに印加されたエンコード情報に基づいて、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させる。
以下、エコーデータをk空間に配置する旨の記載は、エコーデータをメモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させることを意味する。また、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶されたエコーデータ群をk空間データともいう。
そして演算処理部114は、このk空間データに対して信号処理やフーリエ変換による画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の画像を、後述の表示・操作部118に表示させ、内部記憶部115や外部記憶部117に記録させたり、ネットワークIF116を介して外部装置に転送したりする。
表示・操作部118は、再構成された被検体101の画像を表示する表示部と、MRI装置の各種制御情報や上記全体制御部112で行う処理の制御情報を入力するトラックボール又はマウス及びキーボード等の操作部と、から成る。この操作部は表示部に近接して配置され、操作者が表示部を見ながら操作部を介してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
(リフェーズ傾斜磁場の説明)
次に、スライス方向と周波数エンコード方向に好適な、1次のリフェーズ傾斜磁場波形の具体例およびその演算方法を説明する。ここで、1次のリフェーズとは、速度成分に基づく位相(1次位相成分)までを再収束させる波形を有するリフェーズ傾斜磁場(以下、1次リフェーズ傾斜磁場という)の印加によって行われる1次位相成分までの再収束を意味する。
なお、2次のリフェーズとは、加速度成分に基づく位相(2次位相成分)までを再収束させる波形を有するリフェーズ傾斜磁場(以下、2次リフェーズ傾斜磁場という)の印加によって行われる2次位相成分までの再収束を意味し、3次以上も同様である。本発明は、2次以上のリフェーズに対しても適用可能である。
最初に、1次リフェーズ傾斜磁場の印加時間と印加強度(振幅)の求め方を以下に説明する。速度成分までを考慮したスピンの位置座標x(t)は次式で表される。
Figure 2017123888
ここで、x0は、時刻t=0での位置を、vはスピンの移動速度をそれぞれ表す。傾斜磁場G(t)を印加したときに、運動しているスピンが感じる磁場B(t)は、(2)式のようになる。
Figure 2017123888
スピンの回転速度ω(t)は、各時刻でのスピンの感じる磁場に比例するので、(3)式に示すようになる。
Figure 2017123888
各時刻におけるスピンの位相θ(t)は、スピンの回転速度の時間積分であるから、(4)式で表される。
Figure 2017123888
(4)式に現れる時間積分は、それぞれ以下のように呼ばれる。
Figure 2017123888

Figure 2017123888
1次のリフェーズを行うということは、これらの各モーメントが0にする波形を有する傾斜磁場を印加して、移動又は運動の速度に基づく1次位相成分までをゼロ(リフェーズ)にすることを意味する。例えば、図2に示す波形(印加パターン)の1次リフェーズ傾斜磁場を作成する場合、(5-1)式と(5-2)式は以下のように表せる。
Figure 2017123888

Figure 2017123888
この連立方程式の変数は、1次リフェーズ傾斜磁場の波形を決める印加強度G1、G2と、印加時間T1、T2の4変数である。式2本に対し、変数4本なので、このままではこの方程式を満足する解を一意に決めることができない。このため、次の条件の組み合わせを追加して連立方程式を解く。
Figure 2017123888

Figure 2017123888
(6-2)式について、(6-1)式と(7-1)式からG2、T2を消去すると、以下の式が得られる。
Figure 2017123888
ここで、傾斜磁場のスリューレートmを一定とすると、立ち上がり時間r2は下式で表される。
Figure 2017123888
さらに、(7-1)式を(6-1)式に代入してG2について解くと(10)式が得られる。
Figure 2017123888
これを(9)式に代入してr2について解くと、(11)式が得られる。
Figure 2017123888
この結果を、(8)式に代入してG1について解くと、(12)式が得られる。
Figure 2017123888
この結果と下式からr1を求めることが出来る。
Figure 2017123888
以上の解法により、1次リフェーズ傾斜磁場の波形を決定できる。
式10、式12から、図2のTmを短縮することによって、G1およびG2を小さくすることができることがわかる。
(リフェーズ傾斜磁場印加方法の説明)
次に、本発明に関わる静音化撮像シーケンスによる撮像方法について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶部115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶部115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
ステップ301で、演算処理部114は、撮像パラメータの設定用GUIを表示部に表示し、操作者による撮像パラメータの値の入力設定を受け付ける。撮像パラメータの設定用GUIの一部を図4に示す。
ステップ302で、演算処理部114は、ステップ301で入力された撮像パラメータの内で、静音化撮像シーケンスを実施するか否か(401のプルダウンのON/OFF)を判断し、選択されていなかった場合(プルダウンのOFF)には、通常の撮像シーケンスの作成に移行して本処理フローを終了する。選択されていた場合(プルダウンのON)には、ステップ303に移行する。
ステップ303では、演算処理部114は、静音化撮像シーケンスの詳細な撮像パラメータ401〜403の入力設定を受け付ける。また設定された撮像パラメータは計測制御部111に送られる。これらの詳細な撮像パラメータについては後述する。
ステップ304で、演算処理部114は、ステップ301および303で入力設定された撮像パラメータで撮像可能か否かを確認する。撮像不可であればステップ301に戻って、操作者による撮像パラメータの変更設定を受け付ける。撮像可能であればステップ305に移行する。
ステップ305で、計測制御部111は、設定されたパラメータをもとに静音化撮像シーケンスの制御データを作成する。ここでステップ305において作成される静音化撮像シーケンスの詳細について図5を用いて説明する。
図5(a)は、高速グラディエントエコー法に基づく撮像シーケンスの一例を示すシーケンスチャートである。図5(a)のシーケンスチャートにおいて、上から順に、RF送信コイル104より照射するRFパルス(RF)、傾斜磁場コイル103から印加するスライス選択傾斜磁場(Gs)、位相エンコード傾斜磁場(Gp)、周波数エンコード(リードアウト)傾斜磁場(Gr)、及び被検体101からのエコー信号(Echo)をそれぞれ示し、縦軸はそれらの強度を、横軸は時間を示している。周波数エンコード傾斜磁場(Gr)には、図2で示した1次リフェーズ傾斜磁場が用いられている。
一方、図5(b)は、図5(a)と同じく高速グラディエントエコー法のシーケンスチャートであるが、エコー信号を収集するときに印加される周波数エンコード傾斜磁場(Gr)の期間が短くなっている点が異なっている。つまり、図5(b)のシーケンスチャートにおいては、エコー信号はそのピーク位置に関して非対称な波形となっており、その非対称率は図2における変数記号を使って、
非対称率={1-(2Tm)/TA}
と表すことができる。図5(b)のシーケンスチャートにおいては、{1-(2Tm)/TA}>0となっているため、リフェーズ傾斜磁場における503および504の強度が、図5(a)のリフェーズ傾斜磁場における501および502よりも小さくなっている。これは、式10および式12においてTmが小さくなっているためである。つまり、非対称率に応じてリフェーズ傾斜磁場の波形が定まり、非対称率が大きくなるに従い、リフェーズ傾斜磁場の強度(振幅)が小さくなり、振動・騒音も小さくなる。
なお、RFパルス(RF)の照射からエコー信号の収集までの時間(TE)は、両シーケンスチャートで同一である。
次に、本発明のリフェーズ傾斜磁場印加方法を説明する。本発明のリフェーズ傾斜磁場印加方法は、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの上記非対称率をk空間の位相エンコード方向に異ならせて、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。好ましくは、k空間の位相エンコード方向の低空間周波数領域(以下、低域と略記する)よりも高空間周波数領域(以下、高域と略記する)で非対称率を大きくして、周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する。つまり、k空間の位相エンコード方向の高域にいくほど上記非対称率を大きくしてリフェーズ傾斜磁場の強度を小さくすることによって振動・騒音を低減することを特徴とする。
最初に、k空間へのエコーデータの配置と撮像シーケンスの関係について、図6を用いて説明する。前述した通り、位相エンコード方向(ky)のエコー信号の数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれるが、図6においては説明を簡略化するため、8としている。
図6において濃い網掛け部601は、エコーデータが配置されることを意味し、薄い網掛け部602はエコーデータが配置されないことを意味する。
すなわち、位相エンコード方向(ky)の中心(ky=0)近傍では、エコー信号がそのピーク位置に関して対称にサンプリングされて、kx方向についてはky軸(kx=0)に関して対称にエコーデータが配置される。一方、|ky|が大きくなるにしたがって、つまり位相エンコード方向(ky)の高域に向かうに従って、エコー信号がそのピーク位置に関して非対称率をより大きくして(つまりTmをより小さくして)サンプリングされて、kx方向についてはky軸(kx=0)に関してより非対称にエコーデータが配置される。つまり位相エンコード方向(ky)の高域に向かうに従って、kx<0の領域に配置されるエコーデータをより少なくしている。
このように位相エンコード方向(ky)の高域に向かうに従い、徐々に非対称率{1-(2Tm)/TA}を大きくすることにより、リフェーズ傾斜磁場の強度を徐々に下げることができるので、撮像シーケンスの実行期間に亘る騒音や振動を低減することが可能となる。他方、非対称サンプリングによるkx方向のデータの欠落は、周波数エンコード方向の分解能の低下につながる虞がある。
つまり、非対称率の変化率を大きくすると、振動・騒音の低減効果は大きくなるが、分解能の低下すなわち画質の劣化をもたらす虞がある。反対に、非対称率の変化率を小さくすると、振動・騒音の低減効果は小さくなるが、画質の劣化は軽減する。このように、本発明では、非対称率と振動・騒音の低減は、トレードオフの関係にある。
上記非対称率の変化率は、ステップ303において設定された撮像パラメータの一つである静音レベル(k空間の位相エンコード方向における非対称率の変化を指定するパラメータ)402によって制御する。すなわち、演算処理部114は、操作者により設定された静音レベル402が大きくなるに従って、非対称率の変化率を大きくする(騒音の低減効果を大きくする)。たとえば、レベル1ではky=0からkyの最大値にかけて非対称率を0%⇒30%、レベル2では0%⇒50%、レベル3では0%⇒80%といった具合に設定する。なお、非対称率は一定のステップずつ増加させてもよいし、図6のデータ収集部分601の境界(左側端部)が楕円弧となるようにしてもよい。
以上がステップ305において作成される静音化撮像シーケンスの詳細である。
ステップ306で、計測制御部111は、ステップ305で作成した制御データに基づいて静音化撮像シーケンスを実行し、エコーデータを計測する。
ステップ307で、信号処理部107は、ステップ306で計測されたエコーデータをメモリ113の画像用k空間領域に保存する。
ステップ308で、信号処理部107は、ステップ306で未収集のエコーデータをゼロ埋めするか推定処理するかの設定(プルダウン403のゼロ埋め/推定処理)を確認する。推定処理の設定の場合(プルダウン403の推定処理)にはステップ309へ、ゼロ埋め設定の場合(プルダウン403のゼロ埋め)にはステップ310へ移行する。
ここで未収集データの推定処理について説明する。MRI装置において、計測されたエコーデータはk空間上の対角位置(つまり原点対称の位置)において互いに複素共役の関係にある。そこで、この関係を利用して、エコー信号のピーク以後がサンプリングされていれば、エコー信号のピーク以前のサンプリングされなかったエコーデータをサンプリングされたピーク以後のエコーデータを用いて演算によって推定補完することが可能である。この手法を用いて、前半部の欠落したエコーデータを推定してk空間を満たすことにより、分解能の低下を免れることができる。
ただし、この手法は、SNRの低下や推定処理に起因するアーチファクトが出現することがあり、非対称率が比較的小さい場合には、前述したゼロ埋め処理が行われる。
ステップ309で、信号処理部107は、前述した推定処理により得られたエコー信号の未計測エコーデータを補完し、k空間に保存する。
ステップ310で、信号処理部107は、前述したゼロ埋め処理を行い、k空間に保存する。
ステップ311では、信号処理部107は、k空間に保存されたエコーデータにフーリエ変換を施して画像を得る。
以上までが本発明に関わる静音化撮像シーケンスによる撮像方法についての処理フローの説明である。なお、上記の説明においては2次元の高速グラディエントエコー法を例としたが、本発明はこの撮像シーケンスに限られるものではなく、3次元高速グラディエントエコー法あるいはスピンエコー法など他の撮像シーケンスに適用することが可能である。また、リフェーズ傾斜磁場の次数も1次に限らす、2次、3次等のより高次のリフェーズ傾斜磁場にも本発明を適用できる。
以上説明したように、本発明のMRI装置及びリフェーズ傾斜磁場印加方法は、k空間の高域にいくほど、計測するエコーデータの非対称率を大きくし、リフェーズ傾斜磁場の強度を小さくする。これにより、リフェーズ傾斜磁場を有する撮像シーケンスの実行期間中の振動・騒音を低減することが可能になる。
101 被検体、102 静磁場発生磁石、103 傾斜磁場コイル、104 送信RFコイル、105 RF受信コイル、106 寝台、107 信号処理部、108 全体制御部、109 傾斜磁場電源、110 RF送信部、111 計測制御部、113 メモリ、114 演算処理部(CPU)、115 内部記憶部、116 ネットワークIF、117 外部記憶部、118 表示・操作部

Claims (8)

  1. 傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部と、
    周波数エンコード方向にGMN法に基づくリフェーズ傾斜磁場を含む撮像シーケンスに基づいて、被検体から周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの計測を制御する計測制御部と、
    前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを用いて前記被検体の画像を再構成する演算処理部と、
    を備え、
    前記計測制御部は、前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの非対称率をk空間の位相エンコード方向に異ならせて、前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測することを特徴とする磁気イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測制御部は、前記k空間の位相エンコード方向の低域よりも高域で前記非対称率を大きくして、前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測することを特徴とする磁気イメージング装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記k空間の位相エンコード方向における前記非対称率の変化を指定する撮像パラメータの設定を受け付ける表示・操作部を備え、
    前記演算処理部は、前記表示・操作部を介して設定された前記撮像パラメータに基づいて、前記k空間の位相エンコード方向における前記非対称率の変化を設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記演算処理部は、未計測のエコーデータをゼロ(0)として、前記画像の再構成を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記演算処理部は、計測エコーデータを用いた推定処理により未計測のエコーデータを補完して、前記画像の再構成を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記演算処理部は、前記非対称率に応じて前記リフェーズ傾斜磁場の波形を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部と、
    周波数エンコード方向にGMN法に基づくリフェーズ傾斜磁場を含む撮像シーケンスに基づいて、被検体から周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの計測を制御する計測制御部と、
    前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを用いて前記被検体の画像を再構成する演算処理部と、
    を備えた磁気共鳴イメージング装置におけるリフェーズ傾斜磁場印加方法であって、
    前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータの非対称率をk空間の位相エンコード方向に異ならせて、前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測する計測工程を有ることを特徴とするリフェーズ傾斜磁場印加方法。
  8. 請求項7記載のリフェーズ傾斜磁場印加方法において、
    前記計測工程は、前記k空間の位相エンコード方向の低域よりも高域で前記非対称率を大きくして、前記周波数エンコード方向に非対称なエコーデータを計測することを特徴とするリフェーズ傾斜磁場印加方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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