ところで、印刷物の各ページは、一般に、文字と画像とを合わせて編集されてから印刷されるため、1枚の読取り対象となったページには、文字領域と画像領域が混在している場合が多い。
従って、文字領域と画像領域とが混在した1ページを文字領域に合わせた解像度で読み取ると、画像領域にとってみれば解像度が不足してしまい、他方で、画像領域に合わせた解像度で読み取ると、文字領域に対して文字認識処理をすることが、例えば、処理量が膨大化や、想定外の文字サイズなどのために、困難となる場合が生じてしまう。
特許文献1には、画像を文字領域と写真領域とに分離し、その画像を均一な解像度で読み取った後で、写真領域の解像度を下げる技術(従来技術1)と、画像をプレスキャンすることにより画像を文字領域と写真領域とに分離し、領域の種類に応じた解像度で画像を読み取る技術(従来技術2)が記載されている。
従来技術1及び従来技術2の双方とも、実際に読み取る画像に基づいて文字領域と写真領域とを識別するので、必ずしも、文字領域と写真領域とが正しく識別されるとは限らない。また、従来技術1では、文字領域に対応する解像度と写真領域に対応する解像度のうちの高い方の解像度で全体を読み取った後に、解像度を落とす必要がある領域の解像度をデータ処理により落とす。従って、読取り速度を高い解像度に合わせる必要があるため、読取り速度が遅くなってしまう。また、データ処理とデータ領域を高い解像度に合わせる必要があるので、データ処理速度が必要以上に遅くなり、また、無駄なデータ格納領域を必要とする。これは、ことに、高い解像度の領域の面積の割合が少ない場合に大きな問題となる。また、従来技術2は、同一ラインに異なった解像度の領域が複数ある場合、どのような処理をするのか不明である。
そこで、本発明は、領域の種類毎に正確な解像度で画像を読み取ることを可能とする画像読取装置、画像読取方法及び画像読取用プログラム並びに画像読取装置を含む複合機を提供することを目的とする。
又は、本発明は、コンピュータ資源や時間などの資源を無駄遣いせずに画像を読み取ることを可能とする画像読取装置、画像読取方法及び画像読取用プログラム並びに画像読取装置を含む複合機を提供することを目的とする。
本発明によれば、
読取対象に含まれる2以上の領域それぞれの範囲及び解像度を少なくとも指定するテンプレートに基づいて前記読取対象を読み取ることにより第1次読取画像を取得する読取手段と、
前記テンプレートと前記読取手段により取得された読取画像とに基づいて、各領域が前記テンプレートで指定された範囲及び解像度を有する第2次読取画像を表すデータを生成する画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
また、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記テンプレートで文字認識処理を行うことが指定されている領域に対して文字認識処理を行う文字認識手段を更に備え、
前記テンプレートで文字認識処理を行うことが指定されている領域に対応するデータには、前記文字認識処理の結果を含めることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取手段は、再度読み取ることが指定された領域を、前記テンプレートで指定されている領域単位で再度読み取ることにより前記第1次読取画像を再取得することを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取手段は、再度の読取りを行う際に、ユーザにより指定された読取条件に従うことを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記テンプレートに記述されている前記2以上の領域のうち、ユーザにより指定された領域を前記テンプレートに存在する領域として扱い、ユーザにより指定されない領域を前記テンプレートに存在しない領域として扱った上で、前記読取手段及び前記画像処理手段が動作することを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
当該画像読取装置は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取手段は、副走査方向において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最大の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、
前記画像処理手段は、前記ラインセンサで読み取った第1次読取画像の解像度よりも低い解像度が前記テンプレートで指定されている領域に対しては、前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に下げるための解像度変換手段を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
当該画像読取装置は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取手段は、前記読取対象のページ全体において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最大の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、
前記画像処理手段は、前記ラインセンサで読み取った第1次読取画像の解像度よりも低い解像度が前記テンプレートで指定されている領域に対しては、前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に下げるための解像度変換手段を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
当該画像読取装置は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取手段は、副走査方向において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最小の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、更に、該読取りにより得られた第1次読取画像の解像度が前記テンプレートで指定されている解像度よりも低い領域を両者間の差分解像度で前記ラインセンサにより再度読み取り、
前記画像処理手段は、同一の領域に対応する前記読取手段による複数回の読み取りにより得られる複数の第1次読取画像を合成するための画像合成手段を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取手段は、前記読取対象に含まれる前記2以上の領域の各々を、前記テンプレートでその領域に対して指定されている範囲及び解像度通りに、読み取ることにより前記第1次読取画像を取得することを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取手段は、一部の領域については、前記テンプレートで指定されている解像度以上の解像度で前記読取対象を読み取り、
前記画像処理手段は、前記テンプレートで指定されている解像度以上の解像度で前記読取手段により読み取られた領域の前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に変換することにより、該領域について前記テンプレートで指定されている解像度の前記第2次読取画像を取得するための解像度変換手段を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取手段は、一部の領域については、前記テンプレートで指定される解像度以下の解像度で前記読取対象を複数回読み取り、
前記画像処理手段は、前記テンプレートで指定されている解像度以下の解像度で前記読取手段により複数回読み取られた領域に対応する複数の前記第1次読取画像を合成することにより、該領域について前記テンプレートで指定されている解像度の前記第2次読取画像を取得するための画像合成手段を備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
前記読取対象を予備的に読み取ることにより得られる予備読取画像に基づいて、予め用意されている複数のテンプレートから前記読取対象に対応するテンプレートを選択する選択手段を更に備え、
前記読取手段及び前記画像処理手段は、選択された前記テンプレートを用いることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置であって、
プリンタドライバから取得した印刷情報に基づいて、前記テンプレートを生成するテンプレート生成手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取装置と、
画像形成装置と、
を備えることを特徴とする複合機が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の複合機であって、
前記画像形成装置は、
画像を担持するための感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに、潜像を形成するための露光手段と、
前記感光体ドラムに形成された前記潜像をトナー像に現像するための現像手段と、
前記感光体ドラムに形成された前記トナー像を記録媒体に転写するための転写手段と、
を備えることを特徴とする複合機が提供される。
更に、本発明によれば、
読取対象に含まれる2以上の領域それぞれの範囲及び解像度を少なくとも指定するテンプレートに基づいて前記読取対象を読み取ることにより第1次読取画像を取得する読取ステップと、
前記テンプレートと前記読取ステップにより取得された読取画像とに基づいて、各領域が前記テンプレートで指定された範囲及び解像度を有する第2次読取画像を表すデータを生成する画像処理ステップと、
を備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記テンプレートで文字認識処理を行うことが指定されている領域に対して文字認識処理を行う文字認識ステップを更に備え、
前記テンプレートで文字認識処理を行うことが指定されている領域に対応するデータには、前記文字認識処理の結果を含めることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取ステップは、再度読み取ることが指定された領域を、前記テンプレートで指定されている領域単位で再度読み取ることにより前記第1次読取画像を再取得することを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取ステップは、再度の読取りを行う際に、ユーザにより指定された読取条件に従うことを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記テンプレートに記述されている前記2以上の領域のうち、ユーザにより指定された領域を前記テンプレートに存在する領域として扱い、ユーザにより指定されない領域を前記テンプレートに存在しない領域として扱った上で、前記読取装置及び前記画像処理ステップが動作することを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
当該画像読取方法は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取ステップは、副走査方向において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最大の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、
前記画像処理ステップは、前記ラインセンサで読み取った第1次読取画像の解像度よりも低い解像度が前記テンプレートで指定されている領域に対しては、前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に下げるための解像度変換ステップを備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
当該画像読取方法は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取ステップは、前記読取対象のページ全体において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最大の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、
前記画像処理ステップは、前記ラインセンサで読み取った第1次読取画像の解像度よりも低い解像度が前記テンプレートで指定されている領域に対しては、前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に下げるための解像度変換ステップを備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
当該画像読取方法は、前記読取対象をラインセンサにより複数回主走査しつつ副走査することにより前記読取対象を読み取るものであり、
前記読取ステップは、副走査方向において重複する1以上の領域に対してそれぞれテンプレートで指定されている解像度のうちの最小の解像度で、前記読取対象を前記ラインセンサにより読み取り、更に、該読取りにより得られた第1次読取画像の解像度が前記テンプレートで指定されている解像度よりも低い領域を両者間の差分解像度で前記ラインセンサにより再度読み取り、
前記画像処理ステップは、同一の領域に対応する前記読取ステップによる複数回の読み取りにより得られる複数の第1次読取画像を合成するための画像合成ステップを備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取ステップは、前記読取対象に含まれる前記2以上の領域の各々を、前記テンプレートでその領域に対して指定されている範囲及び解像度通りに、読み取ることにより前記第1次読取画像を取得することを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取ステップは、一部の領域については、前記テンプレートで指定されている解像度以上の解像度で前記読取対象を読み取り、
前記画像処理ステップは、前記テンプレートで指定されている解像度以上の解像度で前記読取ステップにより読み取られた領域の前記第1次読取画像の解像度を前記テンプレートで指定されている解像度に変換することにより、該領域について前記テンプレートで指定されている解像度の前記第2次読取画像を取得するための解像度変換ステップを備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取ステップは、一部の領域については、前記テンプレートで指定される解像度以下の解像度で前記読取対象を複数回読み取り、
前記画像処理ステップは、前記テンプレートで指定されている解像度以下の解像度で前記読取ステップにより複数回読み取られた領域に対応する複数の前記第1次読取画像を合成することにより、該領域について前記テンプレートで指定されている解像度の前記第2次読取画像を取得するための画像合成ステップを備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
前記読取対象を予備的に読み取ることにより得られる予備読取画像に基づいて、予め用意されている複数のテンプレートから前記読取対象に対応するテンプレートを選択する選択ステップを更に備え、
前記取得ステップ及び前記画像処理ステップは、選択された前記テンプレートを用いることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、
上記の画像読取方法であって、
プリンタドライバから取得した印刷情報に基づいて、前記テンプレートを生成するテンプレート生成ステップを更に備えることを特徴とする画像読取方法が提供される。
更に、本発明によれば、コンピュータを上記の画像読取装置として機能させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、領域の種類毎に正確な解像度で画像を読み取ることが可能となる。また、本発明によれば、コンピュータ資源や時間などの資源を無駄遣いせずに画像を読み取ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等、原稿の画像を読み取り可能な画像読取装置を備えた画像形成装置である。以下においては、本発明の画像形成装置の一例として、電子写真方式のレーザビームプリンタ(以下、「プリンタ」という)を用いて説明する。
本実施形態に係るプリンタ100について、図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ100を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係るプリンタ100の機能を概略的に示す機能ブロック図である。
図1及び図2に示すように、プリンタ100は、原稿の画像を読み取る画像読取装置101と、シートに画像を形成するプリンタ本体(画像形成部本体)102と、画像読取装置101及びプリンタ本体102を操作するための操作パネル部103と、操作パネル部103による操作に基づいて画像読取装置101及びプリンタ本体102を制御する全体制御部104と、を備えている。
画像読取装置101は、原稿を自動給送する原稿自動給送部SPF(Single Pass Feeder)400と、原稿の画像を読み取る読取装置本体410と、を備えている。なお、画像読取装置101は、図2に示す構成要素の他に、図2には示されないが図1に示される構成要素も含むが、これらについては、後に詳しく説明する。
プリンタ本体102は、シートを給送するシート給送部10と、シートを手差し給送可能な手差し給送部20と、シート給送部10又は手差し給送部20により給送されるシートに画像を形成する画像形成部30と、を備えている。
シート給送部10は、シートを積載するシート積載部11と、シート積載部11に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部12と、を備えている。シート積載部11は、回転軸13を中心に回動する中板14を備えており、中板14は、シートを給送する際に回動してシートを上方に持ち上げる。分離給送部12は、中板14により持ち上げられたシートを給送するピックアップローラ15と、ピックアップローラ15により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ対16と、を備えている。
手差し給送部20は、シートを積載可能な手差しトレイ21と、手差しトレイ21に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部22と、を備えている。手差しトレイ21は、プリンタ本体102に回動自在に支持されており、手差し給送する際には、所定の角度に固定させることでシートを積載可能になる。分離給送部22は、手差しトレイ21に積載されたシートを給送するピックアップローラ23と、ピックアップローラ23により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ24及び分離パッド25と、を備えている。
画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kと、後述する感光体ドラム300Y〜300Kと、これらの表面を露光する露光装置32と、感光体ドラム300Y〜300Kの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部(転写手段)33と、転写したトナー像をシートに定着させる定着部34と、を備えている。なお、符号の最後に付すアルファベット(Y、M、C、K)は、それぞれの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を示している。
4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kのそれぞれは、プリンタ本体102から取り外し可能に構成されており、交換可能となっている。なお、4つのプロセスカートリッジ31Y〜32Kは、形成する画像の色が異なること以外は同様な構成であるため、イエロー(Y)の画像を形成するプロセスカートリッジ31Yの構成のみの説明し、プロセスカートリッジ31M〜31Kの説明は省略する。
プロセスカートリッジ31Yは、像担持体としての感光体ドラム300Yと、感光体ドラム300Yを帯電させる帯電器310Yと、感光体ドラム300Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置320Yと、感光体ドラム300Yの表面に残留するトナーを除去するドラムクリーナ330Yと、を備えている。現像装置320Yは、感光体ドラム300Yを現像する現像装置本体(詳細には図示せず)と、現像装置本体にトナーを供給するトナーカートリッジ(詳細には図示せず)と、を備えている。トナーカートリッジは、現像装置本体に着脱可能に構成されており、収容されたトナーが無くなると、現像装置本体から取り外して、交換することができるようになっている。
露光装置32は、レーザ光を照射する光源(図示せず)と、レーザ光を感光体ドラム300Y〜300Kに導く複数のミラー(図示せず)等と、を備えている。転写部33は、感光体ドラム300Y〜300Kに形成されたトナー像を担持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム300Y〜300Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト35に一次転写する一次転写ローラ36Y〜36Kと、中間転写ベルト35に転写されたトナー像をシートに二次転写する二次転写ローラ37と、中間転写ベルト35に残留するトナーを除去するベルトクリーナ38と、を備えている。中間転写ベルト35は、駆動ローラ39a及び従動ローラ39bに掛け渡されており、一次転写ローラ36Y〜36Kによって感光体ドラム300Y〜300Kに押し付けられている。二次転写ローラ37は、駆動ローラ39aとで中間転写ベルト35をニップ(挟持)しており、ニップ部Nで中間転写ベルト35が担持するトナー像をシートに転写する。定着部34は、シートを加熱する加熱ローラ34aと、加熱ローラ34aに圧接する加圧ローラ34bと、を備えている。
操作パネル部103は、所定の情報を表示する表示部103aと、ユーザが画像読取装置101及びプリンタ本体102への指示を入力する入力部103bと、を備えている。本実施形態においては、操作パネル部103は、読取装置本体410の正面側に配設されている。なお、正面側は図1の紙面の手前側に対応し、裏面側は図1の背面側に対応する。
図2に示すように、全体制御部104は、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び画像読取装置101を駆動制御するCPU104aと、CPU104aを動作させるための各種プログラムとCPU104aが用いる各種情報等を記憶するメモリ104bと、を備えている。全体制御部104は、ユーザによる操作パネル部103への操作に基づいて、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び画像読取装置101の動作を統合して制御し、シートに画像を形成させる。
次に、上述のように構成されたプリンタ100による画像形成動作(全体制御部104による画像形成制御)について説明する。本実施形態においては、原稿自動給送部400により給送され、読取装置本体410により読み取られた読取原稿の画像を、シート給送部10により給送されるシートに画像形成部30が形成する画像形成動作を例にとり説明する。
ユーザによる操作パネル部103の入力部103bへの入力により、画像形成開始信号が発信されると、ユーザにより原稿自動給送部400に載置された読取原稿が原稿読取位置に向けて自動給送され、原稿読取位置で読取装置本体410によって画像が読み取られる。
読取装置本体410により原稿の画像が読み取られると、読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置32が感光体ドラム300Y〜300Kに向けて、それぞれに対応する複数のレーザ光を照射する。このとき、感光体ドラム300Y〜300Kは、それぞれ、帯電器310Y〜310Bにより予め帯電されており、それぞれに対応するレーザ光が照射されることで感光体ドラム300Y〜300K上にそれぞれの静電潜像が形成される。その後、現像装置320Y〜320Kにより感光体ドラム300Y〜300K上にそれぞれ形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム300Y〜300K上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。感光体ドラム300Y〜300K上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ36Y〜36Kによって中間転写ベルト35に重畳転写され、重畳転写されたトナー像(フルカラーのトナー像)は、中間転写ベルト35に担持された状態でニップ部Nまで搬送される。
上述の画像形成動作に並行して、シート積載部11に積載されたシートが、分離給送部12によって1枚ずつに分離されながら、ピックアップローラ15によりシート搬送路26に給送される。そして、ニップ部Nのシート搬送方向上流にあるレジストローラ対27で、斜行が補正されると共に、所定の搬送タイミングでニップ部Nに搬送される。ニップ部Nに搬送されたシートは、二次転写ローラ37によって中間転写ベルト35が担持するフルカラーのトナー像が転写される。
トナー像が転写されたシートは、定着部34で加熱・加圧されることでトナー像が溶融定着され、排出ローラ対18により装置外に排出される。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
なお、シートの両面(第1面及び第2面)に画像を形成する場合には、第1面に画像が形成されたシートが装置外に排出される前に、排出ローラ対18を逆回転させて両面搬送路17に搬送し、両面搬送路17を介して画像形成部30に再搬送する。そして、第1面と同様に、第2面に画像を形成し、装置外に排出する。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
次に、上述した画像読取装置101について、図1及び図2に加え、図3及び図4を参照しながら画像読取装置101の概略構成について説明する。図3(a)は、本実施形態に係る画像読取装置101の斜視図であり、(b)はプラテンカバーを開いた状態を示す斜視図である。図4(a)は、本実施形態に係る読取装置本体410の内部構造を示す斜視図であり、(b)は(a)のIVb−IVb´断面図である。
図3(a)に示すように、画像読取装置101は、原稿を自動給送する原稿自動給送部400と、原稿の画像を読み取る読取装置本体410と、を備えている。図3(b)に示すように、原稿自動給送部400は、読取装置本体410の正面側が開放自在となるように、不図示の蝶番によって、読取装置本体410の背面側に回動自在に支持されている。
図1に示すように、原稿自動給送部400は、原稿を自動給送する自動給送装置本体401と、読取装置本体410に開閉自在に支持されるプラテンカバー402と、を備えている。
自動給送装置本体401は、原稿を積載する原稿給送トレイ403と、原稿を1枚ずつ分離給送する分離給送手段404と、原稿を原稿読取位置に搬送する搬送ローラ対405と、画像が読み取られた原稿を排出する排出ローラ対406と、を備えている。原稿給送トレイ403に積載された原稿は、分離給送手段404により1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対405により原稿読取位置に搬送される。原稿読取位置に搬送された原稿は、原稿読取位置で読取装置本体410により画像が読み取られ、排出ローラ対406によってプラテンカバー402の上面に設けられた原稿排出部407に排出される。なお、原稿の両面の画像を読み取る場合は、原稿が原稿排出部407に排出される前に排出ローラ対406を逆回転させて原稿を両面搬送路408に搬送し、第1面と同様の動作により第2面の画像を読み取る。
図3に示すように、プラテンカバー402は、自動給送装置本体401と一体に形成されている。また、プラテンカバー402は、読取装置本体410に対して開方向に回動させる(開く)と後述するプラテンガラス411を露出させ、読取装置本体410に対して閉方向に回動させる(閉じる)と、プラテンガラス411に載置された原稿を押圧して読取原稿を安定させる。
図3及び図4に示すように、読取装置本体410は、上面にプラテンガラス411が配置された筐体412と、筐体412の内部に配置される画像読取部420と、読み取った画像の画質調整(ゲイン調整を含む)等を行う画像処理部413と、プラテンカバー402の開閉状態を検出する開閉検知センサ414と、プラテンガラス411上の原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知センサ415と、を備えている。
図4に示すように、画像読取部420は、プラテンガラス411上に載置された原稿に向けて光を照射するランプ(光源)421と、原稿からの反射光がプラテンガラス411と略平行になるように反射光を反射させる第1〜第3ミラー422a〜422cと、第1〜第3ミラー422a〜422cによって反射された原稿の反射光を集光するレンズ(光学系)423と、レンズ423により集光された光を電気信号に光電変換するラインセンサ(光電変換部)424と、を備えている。ラインセンサ424としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を用いる。
ランプ421及び第1ミラー422aは、第1キャリッジ425に配設されており、副走査方向に移動可能に構成されている。第2及び第3ミラー422b、422cは、第2キャリッジ426に配設されており、ランプ421及び第1ミラー422aと同様に、副走査方向に移動可能に構成されている。第1キャリッジ425及び第2キャリッジ426は、駆動モータ427により副走査方向に駆動される。レンズ423は、入射方向が副走査方向と略平行になるように、プラテンガラス411の下方において、副走査方向の一方側におけるプラテンガラス411の近傍に固定されている。ラインセンサ424は、レンズ423の入射方向における下流側に配設されており、レンズ423により集光された光を光電変換する。
画像処理部413は、所定のタイミングでランプ421を照射させ、前回のランプ421のレベルと現在のランプ421のレベルとを比較して、現在のランプ421のレベルが前回のランプのレベルよりも所定以上低下していた場合には、読み取った画像の画質調整(ゲイン調整を含む)等を行う。なお、所定のタイミングとは、例えば、電源起動時及びスリープからの起動時等、予め設定されているタイミングである。
開閉検知センサ414は、プラテンカバー402の不図示の蝶番と反対側(正面側)の端部に設けられており、プラテンカバー402が閉じられた際に読取装置本体410に接触することで、プラテンカバー402の閉状態を検出する。例えば、開閉検知センサ414は、読取装置本体410に接触することで閉信号を発信する。なお、開閉検知センサは、プラテンカバー402が開かれた際(読取装置本体410からプラテンカバー402が離れた際)に、開信号を発信する構成であってもよい。
原稿サイズ検知センサ415は、複数の発光部415aと、これらにそれぞれ対応する複数の受光部415bと、を含む。複数の発光部415aは、プラテンガラス411の一辺近傍に副走査方向に並んで配置され、プラテンガラス411上に載置された原稿に向けて光を照射する。複数の受光部415bは、プラテンガラス411の他辺近傍に副走査方向に並んで配置される。複数の発光部415aから出射した光は、読取原稿により遮られなければ、対向側にある受光部415bに入射する。従って、受光した受光部415bを調べることにより原稿のサイズを検知することができる。また、複数の受光部415bの全てが、複数の発光部415aの発光する光を受光した場合は、プラテンガラス411上に原稿が載置されていない状態と判断することができる。
従って、プラテンガラス411に原稿が載置されていない状態において、原稿自動給送部400から原稿排出部407まで読取原稿を搬送する間に、所定の位置に固定されている第1キャリッジ425及び第2キャリッジ426を用いて、読取原稿を読み取ることができる。また、プラテンガラス411に原稿が載置されている状態において、第1キャリッジ425及び第2キャリッジ426を搬送させることにより、読取原稿を読み取ることができる。
図5を参照すると、画像読取装置101は、画像読取部420、画像記憶部503、画像処理部413、予備画像記憶部511、文字認識部513、文字列情報記憶部514、合成部515、外部インターフェース516、テンプレート生成部519、テンプレート記憶部55、操作パネル部103及び読取装置制御部525を含む。
画像処理部413は、解像度変換部505a、画像合成部505b、画像回転部505c及び画像符号化部505dを含む。
画像読取部420は、上述したように、プラテンガラス411に載置されている読取原稿を読み取ることができる。この場合、画像読取部420は、ラインセンサ424による検出範囲と、第1及び第2キャリッジ425、426の移動範囲を調整することにより、指定された範囲の読取りを行うことができる。
また、画像読取部420は、上述したように原稿自動給送部400から原稿排出部407まで搬送される読取原稿を読み取ることができる。この場合、画像読取部420は、ラインセンサ424による検出範囲検出期間を調整することにより、指定された範囲の読取りを行うことができる。
画像読取装置101により予備読取りすることにより得られた予備読取画像は、予備画像記憶部511に格納される。また、画像読取装置101により読取りすることにより得られた読取画像は、画像記憶部503に格納される。
解像度変換部505aは、画像記憶部503に格納されている画像の解像度を変換する。解像度が変換された画像は、画像記憶部503に、新たな読取画像として格納される。
画像合成部505bは、画像記憶部503に格納されている読取画像を複数合成することにより、合成読取画像を生成する。ここで、合成元の画像とは、同一の領域に対応する複数の画像であり、画像間で相互に異なるサンプリング位置にある画素により構成される複数の画像である。合成読取画像は、画像記憶部503に新たな読取画像として格納される。
画像回転部505cは、画像記憶部503に格納されている画像の回転角度を変更する。回転角度が変更された画像は、画像記憶部503に、新たな読取画像として格納される。
画像符号化部505dは、画像記憶部503に格納されている画像を所定の符号化方式により符号化する。符号化方式としては、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。符号化済みの画像は、画像記憶部503に、符号化済読取画像として格納される。
文字認識部513は、画像記憶部503に格納されている読取画像に対して文字認識処理を行い、これにより得られた文字列情報を文字列情報記憶部514に格納する。文字認識部513は、文字認識処理をする際には、文字種の情報(例えば、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、ハングル語、数字のみ)、文字列の方向を参照してもよい。
合成部515は、テンプレート記憶部521に格納されているテンプレートに従って、画像記憶部503に格納されている領域毎の読取画像を合成して、1枚の読取原稿全体に対する1つの読取ファイルを生成する。また、テンプレートにより、文字列情報が含めることが指定されている領域については、文字列情報もその領域に追加する。なお、合成部515は、複数枚の読取原稿に対して1つの読取ファイルを生成してもよい。
読取ファイルは、コンピュータ・ソフトウェアにより編集することが可能なものであってもよい。ここで、編集とは、領域毎のデータの編集の他に、レイアウトの編集も含む。例えば、Microsoft Office(登録商標)などのコンピュータ・ソフトウェアにより生成されるファイルのように、各領域に対するデータを含むオブジェクトの集合体の形式のものであってもよい。従って、合成部515により生成される読取ファイルは、そのようなコンピュータ・ソフトウェアにより表示したり、印刷したり、編集することが可能である。
ところで、プリンタ100は、図15に示すように、ネットワーク535を介して、複数のパーソナルコンピュータ(PC)531に接続されている。各パーソナルコンピュータ531には、アプリケーションプログラム又はオペレーティングシステムからの指示に基づいて、プリンタ100に対して、印刷を実行させるためのコマンド及びデータを出力するためのプリンタドライバ517が備わっている。
外部インターフェース516は、合成部515により生成された読取ファイルを外部に出力する。ここで、外部としては、ネットワーク535、記憶装置、他の装置(例えばパーソナルコンピュータ531)、複合機の他の機能部などが含まれる。
テンプレート生成部519は、外部インターフェース516を介して、プリンタドライバ517から取得した印刷情報から読取画像を取得するために必要なテンプレートを生成する。生成されたテンプレートは、テンプレート記憶部521に格納される。ここで、印刷情報は、例えば、ページ記述言語により記述されたものであってもよいが、パーソナルコンピュータなどで動作するアプリケーションが直接扱えるようなオブジェクト形式のものであってもよい。
操作パネル部103の説明は既にしたのでここでは省略する。
読取装置制御部525は、上記の機能ブロック全体の制御をする。
次に、図5に示す画像読取装置の動作の全体についての説明を図6を参照しながら行う。
まず、テンプレートを生成する(S551)。テンプレート生成部519は、プリンタドライバ517から、読取りの対象とする原稿と同様な原稿、つまり、テンプレートにおいては共通な原稿、を印刷する際に生成される印刷情報を取得し、この印刷情報を基に、テンプレートを生成する。印刷情報からは、原稿に含まれている各領域の範囲情報(例えば、左上位置及び大きさ)、解像度情報、画像エンコード方式、回転角度、文字が含まれているか否かの情報、文字種の情報(例えば、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、ハングル語、数字のみ)、文字列の方向を取得する。例えば、原稿が印刷オブジェクト単位で管理されているのであれば、印刷オブジェクトからもこれらの情報を取得してもよい。解像度については、領域毎のオブジェクトの種類を参照することにより、領域の種類を判別して、この種類に応じて解像度をこの領域に割り当てて、テンプレートに設定する。領域毎の解像度は、印刷情報から得られた解像度に基づいて指定してもよいし、領域の種類に対応させて予め指定しておいてもよい。
図7に示すように、テンプレート431には、領域数、各領域の範囲、各領域の解像度、各領域のオブジェクトの種類、領域の回転角度を含める。また、文字が含まれている領域に対しては、文字認識処理をするか否かの指定及び、指定されている場合には、文字種類及び文字列方向を含めるが、含めなくてもよい。文字種類を含めない場合には、ディフォルトの文字種により文字認識処理をしてもよいし、文字種を自動認識してもよい。文字列方向を含めない場合には、ディフォルトの文字列の方向を利用してもよいし、文字列の方向を自動認識してもよい。更に、テンプレート431には、領域が画像領域である場合には、その領域の画像の符号化方式とパラメータの指定なども含める。更に、テンプレート431には、領域毎に、読み込んだ画像を回転させる角度の指定も含める。更に、テンプレート431には、各領域の階調の指定も含めてもよい(図面では省略)。更に、テンプレート431には、各領域のカラーモード(フルカラー、2色、白黒二値、グレースケールなど)を指定も含めてもよいし(図面では省略)、階調数を含めてもよい(図面では省略)。
生成したテンプレート431は、これを識別する情報とともに、テンプレート記憶部521に格納する。
なお、プリンタドライバ517からの情報を用いずに、ユーザが独自に作成したテンプレートや外部から取得したテンプレートをその識別情報と共にテンプレート記憶部521に格納してもよい。
次に、原稿の読取りからファイル生成までを行う(ステップS553乃至S563)。
原稿のページ毎にステップS553乃至S559を繰り返してから(ステップS561)、ファイル生成を行う(ステップS563)。
各ページを、必要に応じて予備読取りする(ステップS553でYES、ステップS555)。それからそのページに対してテンプレート431を選択する。
ステップS557においては、読取装置制御部525は、操作パネル部103から入力されるユーザからの指定に従って、テンプレート記憶部521からテンプレート431を選択してもよい。また、例えば、読取装置制御部525は、予め予備読取りを行い(ステップS555)、予備画像記憶部511に予備画像を格納しておき、これから取得できた情報とテンプレート記憶部521に格納されている複数のテンプレートとを対比することにより、現在のページに対応したテンプレートして、テンプレート記憶部521に格納されている何れかのテンプレートを選択するようにしてもよい。ここで、対比の際には、予備画像に基づいて、予備画像の濃淡分布、画素間相関、周波数成分などを用いて、これをテンプレートに変換した場合のレイアウト、各領域のオブジェクト等を推測し、推測したこれらの項目を、テンプレート記憶部521に格納されている複数のテンプレートと対比するようにしてもよい。また、予備画像に基づいて取得した濃淡分布、画素間相関、周波数成分などをテンプレートに従った原稿(ダミー又は実際のもの)に基づいて取得した濃淡分布、画素間相関、周波数成分などと比較することにより、テンプレートを選択するようにしてもよい。
なお、予備読取り(ステップS555)は、ユーザが予備読取り画像を操作パネル部103に含まれる表示部103aを介して確認することだけのために行ってもよい。
ページに対してテンプレート431が選択されたならば、そのテンプレート431を利用して、ページを読み取る(ステップS559)。この読取り(ステップS559)については、詳細に後述する。
次に、合成部515は、テンプレート431に従って、1回又は複数回のステップS559で画像記憶部503に格納された領域毎の読取画像を合成して、1つの読取原稿全体に対する1又は複数の読取ファイルを生成する。読取ファイルは、ページ毎のものであってもよいし、1つの読取り原稿全体に対して1つのものであってもよい。また、上述したように、テンプレート431により、文字列情報が含まれていることが指定されている領域については、文字列情報もその領域に追加する。
[第2の実施の形態]
図8に、第2の実施形態による処理の全体のフローチャートを示す。
図6に示す第1の実施形態と比較した場合、再読取りのステップS565がステップS561とステップS563との間に追加的に挿入されている点が異なる。
ステップS565では、操作パネル部103を用いて、読取り画像を表示して、ユーザに確認してもらい、ユーザが指定する箇所を再読取りする。ここで、再読取りの単位はテンプレートにおける領域である。再読取りする領域に対しては、テンプレートで指定される読取条件とは異なる読取条件をユーザが指定できるようにしてもよい。例えば、領域毎に画面に読取画像を順次表示し、ユーザが或る領域が解像度不足で判断した場合には、ユーザが操作パネル部103を用いて指定する解像度で、その領域を再読取りする。また、テンプレートにおいては、白黒画像が指定されている領域に対して、カラー画像を指定して再読取りするようにしてもよい。
[第3の実施の形態]
図9に、第3の実施形態による処理の全体のフローチャートを示す。
図6に示す第1の実施形態と比較した場合、読取り領域指定のステップS567がステップS557とステップS559との間に追加的に挿入されている点が異なる。
ステップS567では、操作パネル部103を用いて、テンプレート431における各領域がわかる様に、必要に応じて、ページレイアウト及び/又はテンプレートに含まれる情報を表示して、ユーザに確認してもらい、ユーザによる読取り領域の指定を入力する。これに続くステップS559では、ステップS567でユーザが読取りを指定した領域のみを読み取る。つまり、テンプレートに含まれる1以上の領域のうち、ユーザにより指定された領域のみを存在するものとして扱い、ユーザにより指定されない領域を存在しないもの(テンプレートにはないもの)として扱う。
読取原稿によっては、必ずしも、その原稿にあるすべての情報が必要であるというわけではなく、例えば、文字認識処理により得られる文字列情報のみが必要であるようなこともある。また、画像のみが必要であるようなこともある。そして、同じテンプレートを適用できる読取原稿でも、個々の読取原稿によりそのような必要性が異なる場合もある。第3の実施の形態は、このような場合に少ない処理量で対応することができる。
次に、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に共通な、読取り(ステップS559)について、実施例により詳細に説明する。
図10に、読取りの対象となるページの一例を示す。このページ601は、左上に配置された画像領域602、右上に配置された文字領域603及び下に配置された文字領域604を含む。画像領域602及び文字領域603は、同一高さにおいて、左右に並ぶ。最終的には、画像領域602から600DPIの画像を取得し、文字領域603から300DPIの画像を取得し、文字領域604から300DPIの画像を取得する。また、文字領域603の読取画像からは、数字を認識するための文字認識処理が行われ、文字領域604の読取画像からは、文字、数字、記号などを認識するための文字認識処理が行われる。
なお、各領域の範囲、読取解像度及び文字認識の必要性並びに、文字認識が必要である場合には、文字種類は、ページ601に対応する、図7に示すようなテンプレート431に記述されている。このテンプレート431は、テンプレート記憶部521に格納されていたものであり、既に、ステップS557において読取装置制御部525により、選択され、読み込まれている。読取ページを読み取る際には、このテンプレート431が参照される。
図10に示すように、読取画像を、左右に伸びるラインセンサ424により主走査方向に走査しながら、相対的に副走査方向に走査することにより画像の読取りが行われる。つまり、読取画像をラインセンサ424により複数回主走査しつつ副走査することにより読取画像が読み取られる。
図11に示すように、実施例1では、画像読取部420は、画像領域602及び文字領域603を600DPIで読み取る。ここでの、600DPIは、画像領域602に対応した600DPIと文字領域603に対応した300DPIのうちの最大の解像度である。また、画像読取部420は、文字領域604を300DPIで読み取る。画像読取部420により読み取られたこれらの第1次読取画像は、画像記憶部503に各領域の識別情報と関連付けられた状態で各領域毎に格納される。
その後、解像度変換部505aは、画像記憶部503に記憶されている読取画像のうちの文字領域603に対応する読取画像の解像度を600DPIから300DPIまで落とすための解像度変換処理を行い、処理後の読取画像を第2次読取画像として画像記憶部503に格納する。また、格納の際には、変換前の読取画像を削除し、変換後の読取画像を、文字領域603に識別情報に関連付ける。
こうすることにより、画像記憶部503には、画像領域602に対応した600DPIの読取画像、文字領域603に対応した300DPIの読取画像及び文字領域604に対応した300DPIの読取画像が、これらの領域の識別情報と対応付けられた状態で格納されることとなる。
次に、文字認識部513は、文字領域603に対応した300DPIの読取画像に対して数字認識処理を施して、その結果得られる数字列情報を文字列情報記憶部514に、文字領域603に関連付けた状態で格納し、同様に、文字領域604に対応した300DPIの読取画像に対して日本語文字認識処理を施して、その結果得られる日本語文字列情報を文字列情報記憶部514に、文字領域604に関連付けた状態で格納する。
次に、画像符号化部505dは、画像領域602に対応する読取画像を画像記憶部503から読み出して、所定の符号化方式に従った画像フォーマットのオブジェクトに変換する。
次に、合成部515は、文字領域603に対応する画像を画像記憶部503から読み出し、また、文字領域603に対応する数字列情報を文字列情報記憶部514から読み出し、読み出した画像と数字列情報に基づいて、文字領域603に対応するオブジェクトを生成する。これは、例えば、Mircosoft Excel(登録商標)等の表計算ソフトに対応したオブジェクトであってもよい。
次に、合成部515は、文字領域604に対応する画像を画像記憶部503から読み出し、また、文字領域604に対応する日本語文字列情報を文字列情報記憶部514から読み出し、読み出した画像と日本語文字列情報に基づいて、文字領域604に対応するオブジェクトを生成する。これは、例えば、Mircosoft Word(登録商標)等のワープロソフトに対応したオブジェクトであってもよい。
合成部515は、更に、これらのオブジェクトを含むファイルを生成し、外部インターフェース516を介して、外部に出力する。
実施例1によれば、下半分の領域を300DIPで走査するので、主走査方向及び/又は副走査方向が解像度に依存している場合には、全領域を600DPIで走査する場合に比べ、ページ601全体に対する走査時間を短縮することができる。また、文字領域604の読取画像を最初から300DPIの解像度で取得することができるので、全領域を600DPIで走査してから、文字領域604の読取画像の解像度を300DPIに変換する場合に比べ、画像記憶部503の容量を節約でき、また、データ処理量を削減することができる。更に、1ページを1回だけ走査すればよいので、プラテンガラス411に載置されている読取原稿を読み取る方式による読取り、及び、原稿自動給送部400から原稿排出部407まで搬送される読取原稿を読み取る方式による読取りの双方に対応する。
読取りの対象となるページは、実施例1と同様である。また、実施例1と同様に、図10に示すように、読取画像を、左右に伸びるラインセンサ424により主走査方向に走査しながら、相対的に副走査方向に走査することにより画像の読取りが行われる。
図12に示すように、実施例2では、まず、文字領域603を300DPIで読み取る。これに連続して、文字領域604を300DPIで読み取る。次に、画像領域602を600DPIで読み取る。画像読取部420により読み取られたこれらの第1次読取画像は、画像記憶部503に各領域の識別情報と関連付けられた状態で各領域毎に格納される。
文字認識部513及び合成部515の動作は、実施例1と同様である。
実施例2によれば、プレビュー画像を用いてユーザが指定しなくても、各領域をそれに対応した解像度でスキャンし、その際、縦方向にも横方向にも他の領域をスキャンしないので、無駄なスキャンが発生しない。従って、短時間でスキャンを行うことができる。
また、実施例2によれば、画像領域602のような高解像度の領域のページ全体に占める割合が少なければ少ないほど、余剰な解像度で低解像度領域をスキャンをすることを削減できる効果が顕著となる。
読取りの対象となるページは、実施例1と同様である。また、実施例1と同様に、図10に示すように、読取画像を、左右に伸びるラインセンサ424により主走査方向に走査しながら、相対的に副走査方向に走査することにより画像の読取りが行われる。
図13に示すように、実施例3では、画像領域602及び文字領域603を300DPIで読み取る。ここでの、300DPIは、画像領域602に対応した600DPIと文字領域に対応した300DPIのうちの最小の解像度である。また、文字領域604を300DPIで読み取る。更に、画像領域602を300DPIで読み取る。ここでの、300DPIは、画像領域602に対応した600DPIから最初に画像領域602を読み取った時の300DPIを差し引くことにより得られる解像度である。なお、画像領域602を2回目に読み取る時には、1回目に読み取った部分を補間するように読み取る。これらの読み取られた画像は、第1次読取画像として画像記憶部503に格納される。
その後、画像合成部505bは、画像領域602の第2次読取画像を得るために、2つの解像度300DPIの読取画像を合成するための合成処理を行う。例えば、1回目に読み取った読取画像を2回目に読み取った読取画像により補間する処理を合成処理とする。合成処理の結果を第2次読取画像として画像記憶部503に格納する。
文字認識部513及び合成部515の動作は、実施例1と同様である。
実施例3によれば、実施例2と同様に、プレビュー画像を用いてユーザが指定しなくても、各領域をそれに対応した解像度でスキャンし、その際、縦方向にも横方向にも他の領域をスキャンしないので、短時間でスキャンを行うことができる。また、一部の領域をスキャンするついでに、他の領域をスキャンした画像を用いることにより、該他の領域を別途スキャンする際に必要な解像度を節約できるので、スキャン時間が解像度に依存する場合には、スキャン時間を更に節約することができる。
また、実施例3によれば、画像領域602のような高解像度の領域のページ全体に占める割合が少なければ少ないほど、余剰な解像度で低解像度領域をスキャンをすることを削減できる効果が顕著となる。
読取りの対象となるページは、実施例1と同様である。また、実施例1と同様に、図10に示すように、読取画像を、左右に伸びるラインセンサ424により主走査方向に走査しながら、相対的に副走査方向に走査することにより画像の読取りが行われる。
図14に示すように、実施例4では、画像読取部420は、画像領域602、文字領域603及び文字領域604を600DPIで読み取る。ここでの600DPIは、画像領域602に対応した600DPIと文字領域603に対応した300DPIと文字領域604に対応した300DPIのうちの最大の解像度である。画像読取部420により読み取られたこれらの第1次読取画像は、画像記憶部503に各領域の識別情報と関連付けられた状態で各領域毎に格納される。
その後、解像度変換部505aは、画像記憶部503に記憶されている読取画像のうちの文字領域603に対応する読取画像の解像度を600DPIから300DPIまで落とすための解像度変換処理を行い、処理後の読取画像を第2次読取画像として画像記憶部503に格納する。また、格納の際には、変換前の読取画像を削除し、変換後の読取画像を、文字領域603に識別情報に関連付ける。
同様に、解像度変換部505aは、画像記憶部503に記憶されている読取画像のうちの文字領域604に対応する読取画像の解像度を600DPIから300DPIまで落とすための解像度変換処理を行い、処理後の読取画像を第2次読取画像として画像記憶部503に格納する。また、格納の際には、変換前の読取画像を削除し、変換後の読取画像を、文字領域603に識別情報に関連付ける。
こうすることにより、画像記憶部503には、画像領域602に対応した600DPIの読取画像、文字領域603に対応した300DPIの読取画像及び文字領域604に対応した300DPIの読取画像が、これらの領域の識別情報と対応付けられた状態で格納されることとなる。
文字認識部513及び合成部515の動作は、実施例1と同様である。
実施例4によれば、画像読取部420は、読取原稿全体を1回のみ読み取ることにより全ての領域に対応する第1次読取画像を得ることができる。そして、そのようにして得られた第1次読取原稿に基づいて、第2次読取原稿を取得することができる。従って、読取原稿の種類に依存することなく、原稿自動給送部400を利用した画像読取りをすることができる。
なお、上記の画像読取装置及び複合機は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。また、上記の画像読取装置及び複合機により行なわれる画像読取方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。