JP2017123287A - 電線、ワイヤーハーネスおよび電線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願明細書に開示される技術は、簡易な方法で形成された止水構造を有する電線、ワイヤーハーネスおよび電線の製造方法に関するものである。
【解決手段】本技術に関する電線は、複数の素線を含む芯線10と、芯線10に対し芯線10の長さ方向に連続的に被覆された絶縁被覆20とを備え、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における前後の箇所よりも、素線間、および、素線と絶縁被覆20との間の少なくとも一方の隙間が狭い止水部30が少なくとも1つ形成されたものである。
【選択図】図3
【解決手段】本技術に関する電線は、複数の素線を含む芯線10と、芯線10に対し芯線10の長さ方向に連続的に被覆された絶縁被覆20とを備え、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における前後の箇所よりも、素線間、および、素線と絶縁被覆20との間の少なくとも一方の隙間が狭い止水部30が少なくとも1つ形成されたものである。
【選択図】図3
Description
本願明細書に開示される技術は、電線の止水構造に関するものである。
電線の両端における圧力の違いなどにより、電線内に水などが入り込み、電気回路に不具合を引き起こす場合がある。これを防ぐ線間止水の方法として、たとえば、電線の絶縁被覆から芯線を部分的に露出させ、露出した当該芯線に止水材を付与する方法がある(たとえば、特許文献1を参照)。
しかしながら、従来の線間止水の方法では、止水構造を形成するために絶縁被覆を部分的に除去する工程と、さらに、露出した芯線に止水材を塗布する工程とが必要であった。したがって、止水構造を形成するための工程数が比較的多くなり、また、作業が複雑になるという問題があった。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を解決するためのものであり、簡易な方法で形成された止水構造に関するものである。
本願明細書に開示される技術の第1の態様は、複数の素線を含む芯線と、前記芯線に対し前記芯線の長さ方向に連続的に被覆された絶縁被覆とを備え、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも、前記素線間、および、前記素線と前記絶縁被覆との間の少なくとも一方の隙間が狭い止水部が少なくとも1つ形成されたものである。
本願明細書に開示される技術の第2の態様は、第1の態様に関連し、前記芯線が、硬度の異なる複数の前記素線を含む。
本願明細書に開示される技術の第3の態様は、第2の態様に関連し、前記芯線が、銅または銅合金を含む前記素線と、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む前記素線とを含む。
本願明細書に開示される技術の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれか1つに関連し、前記止水部における前記絶縁被覆の外周面が、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも凹んで形成されたものである。
本願明細書に開示される技術の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つに関連し、前記止水部の、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における幅が50mm以上である。
本願明細書に開示される技術の第6の態様は、上記のうちのいずれかに記載された電線を備えるワイヤーハーネスである。
本願明細書に開示される技術の第7の態様は、複数の素線を含む芯線に対し、前記芯線の長さ方向に連続的に絶縁被覆を被覆し、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも、前記絶縁被覆の周りから前記絶縁被覆を介して前記芯線を径方向に圧縮することによって、止水部を少なくとも1つ形成する。
本願明細書に開示される技術の第8の態様は、第7の態様に関連し、前記芯線が、硬度の異なる複数の前記素線を含む。
本願明細書に開示される技術の第9の態様は、第8の態様に関連し、複数の第1の素線と、前記芯線の断面において前記第1の素線に囲まれて配置され、かつ、前記第1の素線よりも硬度が低い第2の素線とを含む前記芯線に対し、前記芯線の長さ方向に連続的に前記絶縁被覆を被覆する。
本願明細書に開示される技術の第10の態様は、第7の態様から第9の態様のいずれか1つに関連し、前記止水部を、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向において500mm間隔で複数形成する。
本願明細書に開示される技術の第11の態様は、第7の態様から第9の態様のいずれか1つに関連し、前記止水部を、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向において200mm間隔で複数形成する。
本願明細書に開示される技術の第1の態様によれば、止水部においては素線間、および、素線と絶縁被覆との間の少なくとも一方の隙間が狭いため、電線内に水などが入り込むことを抑制することができる。また、当該止水構造を形成するために、芯線を露出させる必要がない。したがって、簡易な方法で、止水構造を有する電線を得ることができる。
特に、第2の態様によれば、電線の径方向に圧縮されることによって止水部が形成される際、硬度の低い素線が優先的に変形する。その結果、硬度の低い素線が、素線間、さらには、素線と絶縁被覆との間に充填されるように形成される。
特に、第3の態様によれば、電線の径方向に圧縮されることによって止水部が形成される際、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むが優先的に変形する。
特に、第4の態様によれば、止水構造を形成するために、芯線を露出させる必要がない。したがって、簡易な方法で、止水構造を有する電線を得ることができる。
特に、第5の態様によれば、止水部が電線の長さ方向に幅をもって形成されるため、止水部のある断面において隙間が残存していても、止水部の他の断面において当該隙間と繋がる隙間が塞がれる可能性が高まり、止水部の止水効果が高まる。
本願明細書に開示される技術の第6の態様によれば、ワイヤーハーネスを製造する場合にも、止水構造を形成するために芯線を露出させる必要がない。
本願明細書に開示される技術の第7の態様によれば、止水部は、絶縁被覆の周りから絶縁被覆を介して芯線を径方向に圧縮することによって形成されるため、当該箇所においては、素線間、および、素線と絶縁被覆との間の少なくとも一方の隙間が狭い。そのため、電線内に水などが入り込むことを抑制することができる。また、当該止水構造を形成するために、芯線を露出させる必要がない。したがって、簡易な方法で、止水構造を有する電線を製造することができる。
特に、第8の態様によれば、電線の径方向に圧縮されることによって止水部が形成される際、硬度の低い素線が優先的に変形する。
特に、第9の態様によれば、複数の素線間、さらには、素線と絶縁被覆との間に均等に充填されやすくなる。そのため、素線間の隙間、および、芯線と絶縁被覆との間の隙間を効率的に狭くすることができ、止水部の止水効果が高まる。
特に、第10の態様によれば、最小単位とし想定される回路において少なくとも1つの止水部が割り当てられるため、電線に接続されるそれぞれの回路において適切に止水することができる。
特に、第11の態様によれば、最小単位とし想定される回路において複数の止水部が割り当てられるため、電線に接続されるそれぞれの回路において適切に止水することができる。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示される画像の大きさと位置との相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
<実施の形態>
<構成>
図1は、本実施の形態に関する電線の構成を例示する図である。図1に例示されるように、電線は、芯線10と、芯線10の周囲を覆って形成される絶縁被覆20とを備える。また、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、電線の径方向に圧縮された止水部30が形成される。
<構成>
図1は、本実施の形態に関する電線の構成を例示する図である。図1に例示されるように、電線は、芯線10と、芯線10の周囲を覆って形成される絶縁被覆20とを備える。また、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、電線の径方向に圧縮された止水部30が形成される。
芯線10は、通常、細い導体である素線が複数撚り合わされた撚り線である。ただし、芯線10が1本の素線によって構成される単線であってもよい。この素線は、たとえば、銅またはアルミニウムなどを主成分とする金属の線材である。絶縁被覆20は、たとえば、ポリエチレン、塩化ビニルまたはポリアミド系ナイロンなどを主成分とする合成樹脂の部材である。絶縁被覆20は、芯線10の長さ方向において連続的に形成される。すなわち、絶縁被覆20は、芯線10の長さ方向において芯線10を連続的に覆う。
止水部30は、電線の長さ方向において少なくとも1箇所形成される。図1においては、止水部30は、電線の長さ方向において2箇所形成される。止水部30の、電線の長さ方向における長さは、止水のために十分な長さとして、たとえば、50mm以上が想定される。
図2は、止水部が形成される間隔について説明するための図である。図2に例示されるように、止水部30が複数形成される場合、電線の長さ方向における止水部30と他の止水部30との間の距離は、たとえば、500mmである。ここで、電線の長さ方向における止水部30と他の止水部30との間の距離としての500mmは、回路長の最小単位として想定される。しかしながら、1つの回路に複数の止水部30が含まれるように、たとえば、電線の長さ方向における止水部30と他の止水部30との間の距離を200mmとしてもよい。
また、止水部30に対応する部分の絶縁被覆20には、マーキングとして、たとえば、止水部30の電線の長さ方向における前後とは異なる色が付されてもよい。
図3は、止水部の断面形状を例示する断面図である。止水部30は、電線が径方向に圧縮されることによって形成される。図1から図3に例示される止水部30は、その断面において、少なくとも1方向の径(直径)が電線の長さ方向の前後の箇所における径よりも小さい。すなわち、止水部30における絶縁被覆20の外周面が、電線の長さ方向における前後の箇所よりも凹んで形成される。ただし、止水部30の径は、電線の長さ方向における前後の箇所における径と同等であってもよいし、電線の長さ方向の前後の箇所における径よりも大きくてもよい。また、止水部30の断面形状としては、全方向に一様に圧縮された円形状であってもよいし、1方向に圧縮された楕円形状、矩形形状、または、台形形状などであってもよい。
図3に例示された止水部30においては、芯線10は、複数の素線100と、複数の素線100の間に充填されるように形成された素線101とを備える。ここで、素線100は、たとえば銅または銅合金を主成分とする金属の線材であり、また、素線101は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属の線材である。また、図3においては、素線100が複数本である場合が例示されるが、素線100が1本であってもよい。
素線100の硬度は、素線101の硬度よりも高い。そのため、電線の径方向に圧縮されることによって止水部30が形成される際、素線101が優先的に変形する。その結果、素線101が、複数の素線100の間、さらには、素線100と絶縁被覆20との間に充填されるように形成される。また、素線100および絶縁被覆20も変形し、素線間の隙間または芯線10と絶縁被覆20との間の隙間を埋めるように形成される。なお、素線100、素線101および絶縁被覆20には、変形しない部分が含まれていてもよい。
止水部30の断面においては、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、素線100および素線101を含む素線間の隙間が狭い。また、止水部30の断面においては、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、芯線10と絶縁被覆20との間の隙間が狭い。したがって、止水部30が止水構造として機能することにより、電線内に水などが入り込むことを防ぐことができる。仮に、素線101が充填されない隙間が残存する場合であっても、止水部30が電線の長さ方向にある程度の長さを有することにより、止水部30の電線の長さ方向における他の断面において当該隙間は塞がれると考えられる。したがって、止水部30全体として、十分な止水性能を発揮することができる。
なお、図3においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする素線101は芯線10の長さ方向に連続的に配線されることが想定されるが、素線101は、少なくとも止水部30における芯線10に含まれていればよい。
図4は、止水部の断面形状の他の態様を例示する断面図である。止水部30Aは、電線の径方向に圧縮されることによって形成される。ここで、芯線10Aは、複数の素線102を備える。ここで、複数の素線102は、たとえば銅または銅合金を主成分とする金属の線材のみ、または、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属の線材のみからなる。また、図3においては、素線102が複数本である場合が例示されるが、素線102が1本であってもよい。
素線102の硬度は、すべて同程度である。そのため、電線の径方向に圧縮されることによって止水部30Aが形成される際、複数の素線102が互いに接触しつつ変形する。また、絶縁被覆20も変形し、素線間の隙間または芯線10Aと絶縁被覆20との間の隙間を埋めるように形成される。なお、素線102および絶縁被覆20には、変形しない部分が含まれていてもよい。
止水部30Aの断面においては、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、複数の素線102の間の隙間が狭い。また、止水部30Aの断面においては、電線の長さ方向における前後の箇所よりも、素線102と絶縁被覆20との間の隙間が狭い。したがって、止水部30Aが止水構造として機能することにより、電線内に水などが入り込むことを防ぐことができる。仮に、素線102が充填されない隙間が残存する場合であっても、止水部30Aが電線の長さ方向にある程度の長さを有することにより、止水部30Aの電線の長さ方向における他の断面において当該隙間は塞がれると考えられる。したがって、止水部30A全体として、十分な止水性能を発揮することができる。
<製造方法>
図5は、本実施の形態に関する電線の製造工程について説明するための図である。図5に例示されるように、素線が複数撚り合わされた撚り線である芯線10または芯線10Aが、送り出し機200から押し出し機201に導入される。そして、押し出し機201において溶融された合成樹脂が押し出され、さらに、芯線10または芯線10Aに被覆される。そして、芯線10または芯線10Aの長さ方向において、芯線10または芯線10Aの周囲に絶縁被覆20が連続的に形成された電線が、冷却装置202を通って巻き取り機203によって巻き取られる。
図5は、本実施の形態に関する電線の製造工程について説明するための図である。図5に例示されるように、素線が複数撚り合わされた撚り線である芯線10または芯線10Aが、送り出し機200から押し出し機201に導入される。そして、押し出し機201において溶融された合成樹脂が押し出され、さらに、芯線10または芯線10Aに被覆される。そして、芯線10または芯線10Aの長さ方向において、芯線10または芯線10Aの周囲に絶縁被覆20が連続的に形成された電線が、冷却装置202を通って巻き取り機203によって巻き取られる。
巻き取り機203に巻き取られた電線は、さらに、適当な長さ単位(たとえば1リール)ごとに巻き直される。この際、巻き取り機203から供給される電線に対し、圧縮装置204において止水部30または止水部30Aを形成し、さらに、巻き取り機205に巻き直すことができる。なお、圧縮装置204における止水部30または止水部30Aの形成工程において電線を固定する必要がある場合には、固定ロールと可動ロールとを有する張力調整装置206を用いて、電線の張力を調整しつつ止水部30または止水部30Aの形成工程を行うことができる。
図5においては、止水部30または止水部30Aを形成する工程は、巻き取り機203に巻き取られた電線がさらに巻き取り機205に巻き直される段階で行われたが、たとえば、押し出し機201において絶縁被覆20が被覆された電線が巻き取り機203に巻き取られる段階などで行われてもよい。
電線が巻き取り機203に巻き取られる段階、または、巻き取り機205に巻き直される段階で止水部30または止水部30Aを形成する工程が実施される場合には、たとえば、止水部30または止水部30Aを回路長の最小単位として想定される500mm間隔、または、200mm間隔で形成することができる。
一方で、たとえば、図6に例示されるような、当該電線を備えるワイヤーハーネスを製造する段階で止水部30(または止水部30A)を形成する工程が実施される場合には、使用される態様に合わせて止水部30(または止水部30A)を形成することができる。なお、図6は、本実施の形態に関する電線を備えるワイヤーハーネスの構成を例示する図である。
<止水部の形成>
図7は、止水部を形成する場合に用いられる加圧部材の構成を例示する断面図である。図7に例示されるように、電線を挟む位置に一対の加圧部材300が配置される。それぞれの加圧部材300には、電線に向かう面に円弧状の凹部が形成される。そして、一対の加圧部材300によって電線を絶縁被覆20の周りから挟み圧力を加えることにより、電線は径方向に圧縮され当該部分的な箇所に止水部が形成される。圧縮後の電線の径は、加圧部材300における凹部の深さ、および、加圧部材300に加える圧力を調整することによって変更可能である。
図7は、止水部を形成する場合に用いられる加圧部材の構成を例示する断面図である。図7に例示されるように、電線を挟む位置に一対の加圧部材300が配置される。それぞれの加圧部材300には、電線に向かう面に円弧状の凹部が形成される。そして、一対の加圧部材300によって電線を絶縁被覆20の周りから挟み圧力を加えることにより、電線は径方向に圧縮され当該部分的な箇所に止水部が形成される。圧縮後の電線の径は、加圧部材300における凹部の深さ、および、加圧部材300に加える圧力を調整することによって変更可能である。
ここで、加圧部材300の凹部の形状を図7に例示されるような円形状とすれば、断面形状が円形状である止水部30または止水部30Aを形成することができる。また、加圧部材300の凹部の形状を楕円形状とすれば、断面形状が楕円形状である止水部を形成することができる。
図8は、止水部を形成する場合に用いられる加圧部材の他の構成を例示する断面図である。図8に例示されるように、電線の周囲に複数の円柱ローラーからなる加圧部材300Aが配置される。加圧部材300Aは、電線の周囲を回転しつつ、図8に例示される矢印の方向に均等に圧力を加えることによって、電線に止水部を形成するものである。
なお、止水部を形成する際に電線を加熱することで、芯線10を形成する素線または芯線10Aを形成する素線が軟化するため、加える圧力を抑えることができる。
また、少なくとも1本の素線がアルミニウムを含む場合は、アルミニウムの硬度が銅の硬度に比べて低いため、素線が銅を含む場合に比べて加える圧力を抑えることができる。
<素線の配置>
図9は、止水部が形成される前の電線の断面形状を例示する断面図である。銅または銅合金を主成分とする素線100と、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする素線101とを備える芯線10が電線に用いられる場合には、止水部30を形成する前の工程では、芯線10の断面において、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする素線101を囲んで銅または銅合金を主成分とする素線100が配置されてもよい。このように配置された場合には、芯線10が径方向に圧縮された際に、優先的に変形する素線101が、複数の素線100の間、さらには、素線100と絶縁被覆20との間に均等に充填されやすくなる。そのため、素線100および素線101を含む素線間の隙間、および、芯線10と絶縁被覆20との間の隙間を効率的に狭くすることができ、止水部30の止水効果が高まる。
図9は、止水部が形成される前の電線の断面形状を例示する断面図である。銅または銅合金を主成分とする素線100と、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする素線101とを備える芯線10が電線に用いられる場合には、止水部30を形成する前の工程では、芯線10の断面において、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする素線101を囲んで銅または銅合金を主成分とする素線100が配置されてもよい。このように配置された場合には、芯線10が径方向に圧縮された際に、優先的に変形する素線101が、複数の素線100の間、さらには、素線100と絶縁被覆20との間に均等に充填されやすくなる。そのため、素線100および素線101を含む素線間の隙間、および、芯線10と絶縁被覆20との間の隙間を効率的に狭くすることができ、止水部30の止水効果が高まる。
<以上に記載された実施の形態による効果について>
以下に、以上に記載された実施の形態による効果を例示する。なお、以下では、以上に記載された実施の形態に例示された具体的な構成に基づく効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
以下に、以上に記載された実施の形態による効果を例示する。なお、以下では、以上に記載された実施の形態に例示された具体的な構成に基づく効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、電線は、素線100および素線101を含む芯線10と、芯線10に対し芯線10の長さ方向に連続的に被覆された絶縁被覆20とを備える。そして、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における前後の箇所よりも、素線100と素線101との間、および、素線100または素線101と絶縁被覆20との間の少なくとも一方の隙間が狭い止水部30が少なくとも1つ形成される。
このような構成によれば、止水部30においては素線間、および、素線と絶縁被覆20との間の少なくとも一方の隙間が狭いため、電線内に水などが入り込むことを抑制することができる。また、当該止水構造を形成するために、芯線10を露出させる必要がない。したがって、簡易な方法で、止水構造を有する電線を得ることができる。また、別途止水剤を必要とせずに、止水構造を有する電線を得ることができる。なお、止水部30が複数箇所で形成される場合には、止水性能が向上する。一方で、止水部30が形成される箇所が少なければ、その分工程数を削減することができる。
なお、これらの構成以外の本願明細書に例示される他の構成については適宜省略することができる。すなわち、これらの構成のみで、以上に記載された効果を生じさせることができる。しかしながら、本願明細書に例示される他の構成のうちの少なくとも1つを以上に記載された構成に適宜追加した場合、すなわち、以上に記載された構成としては記載されなかった本願明細書に例示される他の構成を以上に記載された構成に追加した場合でも、同様に以上に記載された効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、芯線10が、硬度の異なる素線100および素線101を含むものである。このような構成によれば、電線の径方向に圧縮されることによって止水部30が形成される際、硬度の低い素線101が優先的に変形する。その結果、素線101が、複数の素線100の間、さらには、素線100と絶縁被覆20との間に充填されるように形成される。
また、以上に記載された実施の形態によれば、芯線10が、銅または銅合金を含む素線100と、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む素線101とを含むものである。このような構成によれば、電線の径方向に圧縮されることによって止水部30が形成される際、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む素線101が優先的に変形する。
また、以上に記載された実施の形態によれば、止水部30における絶縁被覆20の外周面が、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における前後の箇所よりも凹んで形成される。このような構成によれば、止水構造を形成するために、芯線10を露出させる必要がない。すなわち、絶縁被覆20の周りから絶縁被覆20を介して芯線10を圧縮するという簡易な方法で、止水構造を有する電線を得ることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、止水部30の、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における幅が50mm以上である。このような構成によれば、止水部30が電線の長さ方向に幅をもって形成されるため、止水部30のある断面において隙間が残存していても、止水部30の他の断面において当該隙間と繋がる隙間が塞がれる可能性が高まり、止水部30の止水効果が高まる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、電線の製造方法において、素線100および素線101を含む芯線10に対し、芯線10の長さ方向に連続的に絶縁被覆20を被覆し、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向における前後の箇所よりも、絶縁被覆20の周りから絶縁被覆20を介して芯線10を径方向に圧縮することによって、止水部30を少なくとも1つ形成する。
このような構成によれば、止水部30は、絶縁被覆20の周りから絶縁被覆20を介して芯線10を径方向に圧縮することによって形成されるため、当該箇所においては、素線間、および、素線と絶縁被覆20との間の少なくとも一方の隙間が狭い。そのため、電線内に水などが入り込むことを抑制することができる。また、当該止水構造を形成するために、芯線10を露出させる必要がない。したがって、簡易な方法で、止水構造を有する電線を製造することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、電線の製造方法において、複数の第1の素線としての素線100と、芯線10の断面において素線100に囲まれて配置され、かつ、素線100よりも硬度が低い第2の素線としての素線101とを含む芯線10に対し、芯線10の長さ方向に連続的に絶縁被覆20を被覆する。このような構成によれば、芯線10が径方向に圧縮された際に、優先的に変形する素線101が、複数の素線100の間、さらには、素線100と絶縁被覆20との間に均等に充填されやすくなる。そのため、素線100および素線101を含む素線間の隙間、および、芯線10と絶縁被覆20との間の隙間を効率的に狭くすることができ、止水部30の止水効果が高まる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、電線の製造方法において、止水部30を、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向において500mm間隔で複数形成する。このような構成によれば、最小単位とし想定される回路において少なくとも1つの止水部が割り当てられるため、電線に接続されるそれぞれの回路において適切に止水することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、電線の製造方法において、止水部30を、絶縁被覆20に被覆された芯線10の長さ方向において200mm間隔で複数形成する。このような構成によれば、最小単位とし想定される回路において複数の止水部が割り当てられるため、電線に接続されるそれぞれの回路において適切に止水することができる。
<以上に記載された実施の形態における変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面において例示であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面において例示であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
10,10A 芯線
20 絶縁被覆
30,30A 止水部
100,101,102 素線
200 送り出し機
201 押し出し機
202 冷却装置
203,205 巻き取り機
204 圧縮装置
206 張力調整装置
300,300A 加圧部材
20 絶縁被覆
30,30A 止水部
100,101,102 素線
200 送り出し機
201 押し出し機
202 冷却装置
203,205 巻き取り機
204 圧縮装置
206 張力調整装置
300,300A 加圧部材
Claims (11)
- 複数の素線を含む芯線と、
前記芯線に対し前記芯線の長さ方向に連続的に被覆された絶縁被覆とを備え、
前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも、前記素線間、および、前記素線と前記絶縁被覆との間の少なくとも一方の隙間が狭い止水部が少なくとも1つ形成された、
電線。 - 前記芯線が、硬度の異なる複数の前記素線を含む、
請求項1に記載の電線。 - 前記芯線が、銅または銅合金を含む前記素線と、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む前記素線とを含む、
請求項2に記載の電線。 - 前記止水部における前記絶縁被覆の外周面が、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも凹んで形成された、
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の電線。 - 前記止水部の、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における幅が50mm以上である、
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の電線。 - 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載された前記電線を備える、
ワイヤーハーネス。 - 複数の素線を含む芯線に対し、前記芯線の長さ方向に連続的に絶縁被覆を被覆し、
前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向における前後の箇所よりも、前記絶縁被覆の周りから前記絶縁被覆を介して前記芯線を径方向に圧縮することによって、止水部を少なくとも1つ形成する、
電線の製造方法。 - 前記芯線が、硬度の異なる複数の前記素線を含む、
請求項7に記載の電線の製造方法。 - 複数の第1の素線と、前記芯線の断面において前記第1の素線に囲まれて配置され、かつ、前記第1の素線よりも硬度が低い第2の素線とを含む前記芯線に対し、前記芯線の長さ方向に連続的に前記絶縁被覆を被覆する、
請求項8に記載の電線の製造方法。 - 前記止水部を、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向において500mm間隔で複数形成する、
請求項7から請求項9のうちのいずれか1項に記載の電線の製造方法。 - 前記止水部を、前記絶縁被覆に被覆された前記芯線の長さ方向において200mm間隔で複数形成する、
請求項7から請求項9のうちのいずれか1項に記載の電線の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002224A JP2017123287A (ja) | 2016-01-08 | 2016-01-08 | 電線、ワイヤーハーネスおよび電線の製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2016002224A Pending JP2017123287A (ja) | 2016-01-08 | 2016-01-08 | 電線、ワイヤーハーネスおよび電線の製造方法 |
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JP (1) | JP2017123287A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3920194A1 (en) * | 2020-06-05 | 2021-12-08 | Nexans | A submarine power cable |
EP4002394A1 (en) * | 2020-11-12 | 2022-05-25 | Nexans | Assemblage for blocking water |
-
2016
- 2016-01-08 JP JP2016002224A patent/JP2017123287A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3920194A1 (en) * | 2020-06-05 | 2021-12-08 | Nexans | A submarine power cable |
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