JP2017122049A - インターロイキン1α(IL−1α)を含有する巨核球分化誘導及び血小板産生促進剤 - Google Patents

インターロイキン1α(IL−1α)を含有する巨核球分化誘導及び血小板産生促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、巨核球の分化誘導及び血小板の産生促進のための医薬又は医薬組成物の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、IL-1αを有効成分として含有する巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤である。より具体的には、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7からなるポリペプチド及びこれらのポリペプチドと実質的に同一であるポリペプチドを有効成分として含有する核球の分化誘導及び血小板産生促進剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する医薬組成物に関する。
血小板は、血液凝固(止血)に必須の細胞であり、例えば、骨髄移植、抗癌治療などにおいてその需要は極めて高い。通常、血小板は、止血に十分な量が血液中に存在しているが、様々な原因、例えば、事故による出血や、5−フルオロウラシル(5-FU)などの抗がん剤治療によりその数が減少する。生体内の血小板数が減少すると全身性の出血傾向を惹起する危険性があり、速やかに、血小板の量を正常時の量に回復させる必要がある。
このような状況に対応するための処置として、血小板輸血や生体内の血小板の産生量を上げる方法などが挙げられる。中でも、体内の血小板産生量を増加させるために必要な因子に関する研究は、これまでも盛んに行われており、多くの血小板産生促進因子が報告されている。
血小板は、巨核球(MKs)から産生され、少なくともインビトロにおいて、巨核球は、倍数体化、細胞質成熟の過程を経て、血小板を産生することが確認されている。そして、この間の巨核球分化を誘導する因子として、トロンボポエチン(TPO)が同定されている。また、ケモカインのサブファミリーに属するCCL27が血小板産生を誘導するとの報告もある(特許文献1)。
ところで、血小板の産生メカニズムには、2つの様式があると言われている。1つは、成熟巨核球の細胞質が伸長してプロプレイトレット(proplatelet)を形成し、突起状の部分から血小板が形成される様式である(非特許文献1及び2)。インビトロでは、TPOの存在下において、血小板を産生する培養巨核球細胞は、細長いプロプレイトレット形状を示すことが確認されている。しかし、インビボにおいて、プロプレイトレットからの血小板の産生が、どの程度の頻度で、どのような状況において行われているか不明な点が多い。
もう1つの血小板産生様式として、巨核球細胞がその断片化を介して直接血小板を生成することが報告されている(非特許文献3及び4)。ただ、この様式による血小板産生メカニズムに、どのような因子が作用し、そのようなタイミングで機能するのかは不明である。
現在のところ、想定される上記2つの血小板の産生様式が実際にインビボにおいて機能しているのか、また、機能しているとしても、どのような機序によって血小板を産生しているのか、不明な点が多い。そのため、実際に生体内で機能している血小板産生促進因子についてもその全容を解明するには至っておらず、未だに未同定な血小板産生促進因子が存在していると考えられている。
特許第4693348号公報
Italianoら, J Cell Biol., 147, 1299-1312 1999 Patelら, J Clin Invest., 115, 3348-3354 2005 Italianoら, J Thromb Haemost., 1, 1174-1182 2003 Kosakiら, Int J Hematol., 88, 255-267 2008
本発明の課題は、巨核球の分化及び血小板の産生を促す医薬組成物、インビトロにおける巨核球の分化誘導方法、インビトロにおける血小板の製造方法、及び血小板の減少を伴う疾患の治療方法を提供することである。また、不顕性な出血状態、骨髄機能不全などを検出する方法を提供する。
発明者らは、巨核球からの血小板の産生様式をインビボにおいて詳細に観察し、2つの血小板産生様式の存在を確認した。これら2つの血小板産生様式とは、巨核球が細胞質を伸長させて「プロプレイトレット(proplatelts)」を形成し、伸長した部分から血小板を放出する様式と、巨核球細胞が断片化し、血小板を直接産生する様式である。
平常時においては、短いプロプレイトレットが多く、トロンボポエチンの増大時など比較的長期に渡り血小板が必要な時期(例えば、骨髄移植時)には、長く伸長したプロプレイトレットが確認され、伸長した部分から血小板が産生された。
これに対し、緊急に血小板が必要な場合(例えば、失血時など)、IL-1レセプターを介したインターロイキン−1α(IL-1α)の作用によって促進される成熟巨核球細胞の破裂による断片化が促進され、血小板が産生された。
以上のことから、IL-1αは、生体内において、緊急に血小板が必要な状況下に血小板産生促進因子としても機能していることが分かった。
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下の1〜5である。
1.IL-1αを有効成分として含有する巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
2.以下の(1)又は(2)のポリペプチドを有効成分として含有する巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
(1)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7からなるポリペプチド
(2)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失若しくは挿入をもつアミノ酸配列からなり、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチド
3.さらに、TPOを含有することを特徴とする上記1又は2に記載の巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
4.IL-1αの存在下で巨核球又は血小板の前駆細胞を培養し、産生される巨核球又は血小板を採取することを特徴とする巨核球又は血小板の製造方法。
5.以下の(1)又は(2)のポリペプチドの存在下で、巨核球又は血小板の前駆細胞を培養し、産生される巨核球又は血小板を採取することを特徴とする巨核球又は血小板の製造方法。
(1)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7からなるポリペプチド
(2)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失若しくは挿入をもつアミノ酸配列からなり、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチド
本発明の医薬又は医薬組成物は、血小板の減少を伴う疾患、又は、手術時、事故などにより血小板が欠乏した時に投与することで、生体内での血小板の産生を促進することができる。
本発明の治療方法は、ある種の疾患に罹患した時、又は、手術もしくは事故による失血の際に生じる血小板の欠乏状態を改善することができる。
本発明の巨核球誘導方法、血小板産生の促進方法は、インビトロにおいて、巨核球又は血小板の前駆細胞の分化を促進し、巨核球の分化を効率的に誘導し、血小板の産生を促す効果を発揮する。
インビボにおける2つの血小板産生様式。6週齢のCAG-eGFPマウスから採取した骨髄における血小板産生の様子のタイムラプスイメージ。インジェクトされた蛍光デキストランは血流を(デキストラン、矢印で血流の方向を示す)、ヘキストによる染色像は核を示す。また、△の表示は、血小板が放出される部位を示している。mは分(minute)。A及びB:巨核球細胞の破裂により、血小板が産生される様子を示した図。破裂型の血小板産生様式において、巨核球は、その細胞形状を変化させ(Aの10m、Bの12m)、ついで、全ての方向に突起が伸長したプロプレイトレットを形成する(Aの16m、Bの13m)。その後、細胞質が破裂する(Aの24m)。C及びD:一方向に突起が伸びたプロプレイトレットとそこから放出される小片(血小板)を示す(Cの18m、Dの26m)。 培養した骨髄細胞を用いた液性因子のスクリーニング。A:6週齢のマウスから単離した骨髄細胞をTPO(50ng/ml)及びSCF(50ng/ml)の存在下、又は非存在下において培養し、培養7日後、MAPsアッセイにより培地へ分泌される液性因子を評価した(Charles River社)。MAPs比(TPO+SCF/コントロール)を示す。2.5以上の比を示す7因子を同定した。MPO;ミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase)、LT;リンフォタクチン(lymphotactin)、GCP;granulocyte chemotactic protein.B:骨髄細胞を回収し、組換体IL-1α(50 ng/ml)、IL-1β (50 ng/ml)、IL-2 (50 ng/ml)、IL-3 (50 ng/ml)、IL-6 (50 ng/ml)、MPO(100 ng/ ml)、LT(50 ng/ml)、IL-12 Subunit p70 (50 ng/ml)、又はGCP-2 (50 ng/ml)の存在下で培養し、培養7日後にLin-CD41+CD42b+成熟巨核球数の解析を行った。%値は、コントロール細胞に対して標準化した。 生体内におけるIL-1αの巨核球分化誘導及び血小板産生への影響。A:TPO(マウス1匹あたり10μgを5日間毎日皮下投与)、又は組換体IL-1α(マウス1匹あたり10μgを5日間毎日皮下投与)処理した6週齢のCAG eGFPマウスにおける、巨核球数と血小板数を定量した。骨髄を視覚化し、最初の投与から7日後に血小板数をカウントした。Total:巨核球の総数、proplt:プロプレイトレット形態の巨核球数、rupture:破裂型形態の巨核球数、Pltcount:血小板数B:6週齢の野生型マウスをビークル(CTRL:コントロール)、TPO(マウス1匹あたり10μgを5日間毎日皮下投与)、組換体IL-1α(マウス1匹あたり10μgを5日間毎日皮下投与)、IL-1αに対する中和抗体(IL-1Ab)、IL-1Rに対する中和抗体(IL-1RAb)又はアイソタイプ同一抗体(IL-1Rに対してIgG1、IL-1RAbに対してIgG2)で処理し、単離した血液中の血小板数をカウントした。全ての抗体は、マウス1匹あたり100μgを3日間毎日皮下投与した。血液は、最初の投与から3日後及び7日後に採血した。 失血状態における巨核球の形態とIL-1α及びTPOのレベルの変化を調べた。 6週齢のCAG eGFPマウスおいて、急な失血状態を惹起し(1匹のマウスあたり500μlを行った)、巨核球の形態及び血清中のIL-1α及びTPOレベルを調べた。左図は、巨核球の総数(total)、プロプレイトレット形態の巨核球数(prolt)、破裂型形態の巨核球数(rupture)の変化を示し、右図は、IL-1α及びTPOレベルの変化を示す。 5-FU及びチオグリコレート投与後の巨核球の形態、血小板数、及びIL-1αとTPOのレベルの変化を調べた。5-フルオロウラシルを投与し(5-FU, 250mg/kgを腹腔内投与)(A)、また、チオグリコレート誘導の急性の腹腔内炎症(1匹のマウスあたり3%濃度を3ml腹腔内投与)(B)を引き起こした場合の、巨核球の形態及び数、血小板数及び血清中のIL-1α及びTPOレベルを調べた。A及びBにおいて、各々、左図は、巨核球の総数(total)、プロプレイトレット形態の巨核球数(prolt)、破裂型形態の巨核球数(rupture)の変化を示し、右図は、IL-1α及びTPOレベルと血小板数(Plt)の変化を示す。 骨髄移植後の巨核球の形態、血小板数、及びIL-1αとTPOのレベルの変化を調べた。6週齢の野生型マウスに対し、9.5Gyの致死的な放射線照射を行い同週齢のCAG eGFPマウス由来の骨髄を移植した。左図は、巨核球の総数(total)、プロプレイトレット形態の巨核球数(prolt)、破裂型形態の巨核球数(rupture)の変化を示し、右図は、IL-1α及びTPOレベルの変化と血小板数の変化を示す。 マウス胎児由来の肝臓細胞を用いた巨核球の分化誘導及び血小板産生の観察。 胎児期13日のCAG eGFPマウスから肝臓細胞を採取した。培養7日後、細胞を洗浄し、抗CD-41抗体、ヘキスト33342と共にインキュベートした。巨核球は、多核であること、CD41で染色されることを指標に同定した。TPO(50mg/ml)(A)、組換体IL-1α(50ng/ml)(B)で処理した巨核球培養細胞のタイムラプスイメージを示す。プロプレイトレットがTPO存在下において観察され、他方、巨核球細胞の破裂はIL-1αの存在下において観察された。 マウス及びヒト細胞に対する、IL-1αの巨核球の分化誘導及び血小板の産生促進効果。A及びC:6週齢の野生型マウス由来の骨髄細胞(A)又はヒト由来のCD34陽性骨髄細胞(C)を、IL-1α(50 ng/ml)のみ、あるいは、TPO(50 ng/ml)及びSCF(50 ng/ml)の存在下において7日間培養し、Lin-CD41+CD42b+分化巨核球数について解析を行った。Relative ration及び%値は、コントロール細胞に対して標準化した。B及びD:CD41+CD42b+血小板の産生について、A及びCと同様に解析を行った。Bは、週齢の野生型マウス由来の骨髄細胞、Dは、ヒト由来の骨髄細胞の結果である。
本発明の第1の実施形態は、インターロイキン1α(以下、IL-1α)を有効成分として含有する医薬又は医薬組成物である。特に、本発明の医薬又は医薬組成物は、生体内において巨核球の分化誘導及び血小板産生を促進する効果を有する。従って、本発明の医薬又は医薬組成物は、巨核球分化誘導剤であり、また、血小板産生促進剤である。なお、本明細書において、「IL-1α」と、「IL-1αタンパク質」、「IL-1αポリペプチド」は、特に断らない限り、同義である。また、「成熟IL-1α」と「IL-1α」は同義であり、成熟前のIL-1αを意味する場合には、「前駆体IL-1α」と記載する。
IL-1は、炎症性サイトカインとして知られている生理活性物質で、炎症や感染防御に重要な役割を果たしている。IL-1はマクロファージや単球などから分泌され、血管内皮細胞、リンパ球、マクロファージなどを活性化し、その結果として、種々のサイトカイン、ケモカイン、炎症性メディエーターなどの発現を誘導して、炎症を引き起こすと考えられている。IL-1には、IL-1αとIL-1βの2種類が同定されており、これらの遺伝子は同じクロモソーム上に近接して存在する。IL-1αとIL-1βのアミノ酸配列間には、約25%程度の相同性が認められ、同じレセプターに結合することが知られている。
本発明は、IL-1αの生体内における新たな機能、すなわち、巨核球前駆細胞から巨核球への分化を誘導し、成熟巨核球の破裂・断片化を引き起こして、血小板の産生を促進する機能を初めて見出したことに基づいて完成されたものである。ここで、本発明の医薬又は医薬組成物の有効成分、あるいは、巨核球の分化誘導及び血小板産生促進に使用されるIL-1αは、従来から、当業者において周知のIL-1αのことである。
本発明で用いられるIL-1αとしては、いかなる動物種由来のものであっても使用可能である。医薬又は医薬組成物の有効成分として使用する場合には、ヒト由来のものを使用することが好ましいが、副作用等の症状を引き起こさないのであれば、必ずしも、ヒト由来のものでなくてもよい。また、天然由来のものであっても、遺伝子工学的手法によって作製された組換体であっても使用可能である。
IL-1αのアミノ酸配列としては、限定はしないが、例えば、配列番号1(ヒト)、配列番号3(マウス)、配列番号5(ラット)、配列番号7(ウサギ)などを例示することができる。また、本発明で言及する「IL-1α」には、天然に存在するIL-1αと実質的に同一と考えられるポリペプチドも含まれる。天然に存在するIL-1αと実質的に同一と考えられるポリペプチドとは、例えば、天然に存在するIL-1αのアミノ酸配列(例えば、配列番号1、3、5及び7など)において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列であり、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチドである。なお、本発明のポリペプチドは、アミノ酸がペプチド結合しているものであればよいが、これに限定されるものではなく、ポリペプチド以外の構造(例えば、糖鎖など)を含むものであってもよい。
本発明で使用されるIL-1αは、天然由来のものを精製してもよく、また、化学合成もしくは遺伝子工学的手法により合成してもよく、あるいは、市販のものを購入してもよい(例えば、R & D Systemsなどから購入可能)。
遺伝子工学的手法によりIL-1αを調製する場合には、IL-1αをコードする遺伝子を公知の方法により取得し、適当な宿主細胞中において発現させ、精製して調製することができる。天然において、IL-1αは前駆体タンパク質として発現され、その後、プレセッシングを受けて、活性のある成熟IL-1αとなる。上記において例示した配列番号1、3、5及び7は、成熟IL-1αのアミノ酸配列である。これらの成熟IL-1αをコードする核酸配列としては、各々、配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配列番号8の核酸配列となるが、これらの核酸配列は、あくまでも、成熟IL-1αをコードする核酸配列情報の例示である。当業者において、周知の技術により、成熟IL-1αポリペプチド及びこれらの変異体(1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列)であって、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチドをコードする核酸を取得することは容易なことである。
本発明の成熟IL-1αポリペプチドは、これをコードする核酸配列を適当な発現用ベクターに組込み、適当な宿主細胞中で発現させることにより製造することができる。
発現用ベクターとしては、大腸菌を宿主とする場合に、例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pCBD-C等他、pGEX-4T(GEヘルスケア社)など、動物細胞を宿主とする場合に、例えば、pEGF-C、pEGF-N(クロンテック社)、昆虫細胞を宿主とする場合に、例えば、pFastBac HT(ライフテクノロジー社)などを使用することができる。また、酵母細胞を宿主とする場合には、例えば、pPICZ(ライフテクノロジー社)などを使用することができる。
成熟IL-1αポリペプチドを発現させるために用いられるプロモーターも、特に限定されるものではなく、用いる宿主細胞に対応して適切なプロモーターを使用すればよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、CMVプロモーター、SV40プロモーターが挙げられる。宿主が大腸菌である場合には、tacプロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター等が、宿主が枯草菌である場合には、SPO1プロモーター、penPプロモーター等が挙げられる。また、宿主が酵母である場合には、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター等が挙げられる。さらに、宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが挙げられる。
成熟ポリペプチドの分泌を促進するポリヌクレオチド配列として、分泌配列(シグナル配列)、リーダー配列などが知られている。これらの配列の他、成熟ポリペプチドの精製に使用されるタグ配列(Hisタグ、HAタグなど)を含んだ状態で発現させてもよい。
その他、形質導入・形質転換の方法、形質導入した細胞の培養方法等は、当業者において適宜選択して容易に実施することができる。
本発明の医薬又は医薬組成物は、有効成分としてIL-1αを含有し、その巨核球分化誘導活性及び血小板産生促進活性に基づいて、血小板の減少状態の改善、及び、血小板の減少を伴う種々の疾患に対して有用である。従って、本発明の医薬又は医薬組成物は、特に、巨核球分化誘導剤及び/又は血小板産生促進剤として有用である。特に、IL-1αは、既知の血小板産生促進因子であるTPOよりも、投与後、速やかに生体内において血小板産生を促進する能力を有する(例えば、図3Bなどを参照のこと)。従って、本発明のIL-1αを含有する医薬又は医薬組成物は、事故などに伴う急な失血による血小板の欠乏状態を改善する場合にも有効である。
血小板の減少を伴う種々の疾患としては、限定はしないが、例えば、急性白血病、慢性白血病の急転状態、再生不良性貧血、薬物投与に起因する血小板減少症(例えば、抗癌剤などの投薬治療による骨髄機能の抑制に起因する血小板減少状態など)、悪性貧血、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、敗血症、サルコイドーシス、血管腫などを挙げることができる。その他、手術時、事故時における出血によって生じる血小板の不足状態を改善するための治療剤としても有用である。
本発明の医薬又は医薬組成物の有効成分は、生理学的に許容される塩の形態であってもよい。塩としては、例えば、酸性基が存在する場合には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミン等のアミンの塩;又はリジン、δ−ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。塩基性基が存在する場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸塩、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩などを挙げることができる。
本発明の医薬は、有効成分であるIL-1αを投与してもよいが、一般的には、有効成分であるIL-1αの他、1又は2以上の製剤用添加物を含む医薬組成物の形態で投与することが望ましい。また、本発明の医薬組成物には、その有効成分として、上述のIL-1αの他、巨核球分化誘導効果又は血小板産生促進効果を有する物質(例えば、トロンボポエチン(TPO:thrombopoietin))等を含んでもよい。あるいは、本発明のIL-1αを有効成分とする医薬と、他の医薬(例えばTPOなど)を組み合わせて投与してもよい。
医薬組成物の種類は特に限定されず、剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な溶媒に溶解又は懸濁する形であってもよい。また錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明の化合物を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。経口投与用又は非経口投与用の任意の製剤形態で提供される。例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤又は液剤等の形態の経口投与用医薬組成物、静脈内投与用、筋肉内投与用、若しくは皮下投与用などの注射剤、点滴剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などの形態の非経口投与用医薬組成物として調製することができる。注射剤や点滴剤などは、凍結乾燥形態などの粉末状の剤形として調製し、用時に生理食塩水などの適宜の水性媒体に溶解して用いることもできる。また、高分子などで被覆した徐放製剤を脳内に直接投与することも可能である。
医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物の種類、有効成分に対する製剤用添加物の割合、又は医薬組成物の製造方法は、組成物の形態に応じて当業者が適宜選択することが可能である。製剤用添加物としては無機又は有機物質あるいは固体又は液体の物質を用いることができ、一般的には、有効成分重量に対して1重量%から90重量%の間で配合することができる。具体的には、その様な物質の例として乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングルコール、水等が挙げられる。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分例えば乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウム、無水ケイ酸などと混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するには、これらの散剤及び顆粒剤をそのまま、あるいはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマーなどの腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤、あるいはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには、散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をそのまま、あるいはグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油などに溶解した後ゼラチン膜で被覆し軟カプセルとすることができる。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖などの等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用事溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレチシン、ポリソルベート80 、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射剤用乳剤とすることもできる。
直腸投与剤を製造するには、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの座剤用基材と共に加湿して溶解し型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解した後、ゼラチン膜等で被覆すればよい。
本発明の医薬又は医薬組成物の投与量及び投与回数は特に限定されず、治療対象疾患の悪化・進展の防止及び/又は治療の目的、疾患の種類、患者の体重や年齢、疾患の重篤度などの条件に応じて、医師の判断により適宜選択することが可能である。一般的には、経口投与における成人一日あたりの投与量は0.01~1000mg(有効成分重量)程度であり、一日1回又は数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。注射剤として用いる場合には、成人に対して一日量0.001~400mg(有効成分重量)を連続投与又は間欠投与することが望ましい。
本発明の医薬又は医薬組成物は、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムなどの徐放性製剤として、体内から即時に除去されることを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。担体として、例えば、エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、当業者によって容易に調製することができる。また、リポソームの懸濁液も薬剤的に受容可能な担体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。
さらに、本発明には、本発明の医薬又は医薬組成物を患者等に投与して、血小板の欠乏状態を改善する方法、及び、血小板の減少を伴う種々の疾患の予防又は治療方法が含まれる。
ここで「治療」とは、血小板の減少を伴う疾患等に罹患した哺乳動物において、その病態の進行及び悪化を阻止又は緩和することを意味し、これによって該疾患の進行及び悪化を阻止又は緩和することを目的とする処置のことである。
また、「予防」とは、血小板の減少を伴う疾患等に罹患するおそれがある哺乳動物について、該疾患の発症又は罹患を予め阻止することを意味し、これによって該疾患の諸症状等の発症を予め阻止することを目的とする処置のことである。
治療の対象となる「哺乳動物」は、哺乳類に分類される任意の動物を意味し、特に限定はしないが、例えば、ヒトの他、イヌ、ネコ、ウサギなどのペット動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどの家畜動物などのことである。特に好ましい「哺乳動物」は、ヒトである。
本発明の第2の実施形態は、IL-1α又はIL-1αと実質的に同一と考えられるポリペプチドの存在下において、巨核球又は血小板の前駆細胞から巨核球(Lin-CD41+、Lin-CD42b+、Lin-CD41+/ CD42b+あるいは、GPA-/CD41+)への分化を誘導し、巨核球のラッフリング及び断片化を引き起こして、血小板の産生を促進し、巨核球及び血小板を製造する方法である。ここで、巨核球又は血小板の前駆細胞とは、骨髄由来の細胞集団(ここでは骨髄細胞と称する。種々の細胞、種々の分化段階の細胞が含まれていてもよい)、造血前駆細胞(例えば、CD34+細胞、Lin-(CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD10、CD14、CD16、CD19、CD20、CD24、CD41、CD45、CD56、CD66b又はCD235a陰性)細胞など)、巨核球前駆細胞(CD41+CD9+細胞)、多核化前の未分化巨核球などが含まれる。血小板の前駆細胞としては、巨核球も含まれる。また、造血前駆細胞、巨核球前駆細胞、巨核球などは、骨髄から採取した細胞であってもよく、また、多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞等)から分化誘導させた細胞であってもよい。多能性幹細胞から巨核球前駆細胞を分化誘導する方法は、当業者に既知の方法によって成し得ることができ、例えば、Nakamura S, et al., Cell Stem Cell. 14: 535-548, 2014に記載の方法を参照することで成し得る。詳細には、多能性幹細胞由来の造血前駆細胞へ、外来性のc-MYCおよびBMI1を7日から14日間発現させた後、外来性のBCL-XLを発現させることで、巨核球前駆細胞を誘導することができる。このとき、TPO及び/又はSCFを含有する培養液中で培養する方法が例示される。当該多能性幹細胞から誘導した巨核球前駆細胞から巨核球を誘導する場合、導入した外来性のc-MYC、BMI1およびBCL-XLの発現を停止させることによって成し得る。
本発明には、インビトロにおいて、巨核球又は血小板の前駆細胞から、巨核球の分化誘導、及び血小板の産生促進を行うためのキットが含まれる。本発明の巨核球、血小板製造用キットには、有効成分であるIL-1αの他、場合によって、既知の巨核球分化誘導物質及び/又は血小板産生促進物質(例えば、TPOなど)が含まれていてもよい。また、必要に応じて、巨核球の分化誘導及び/又は血小板の産生促進を行うために必要な、バッファー、前駆細胞などが含まれていてもよい。本発明のキットは、該組成物のうち異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に各々の使用方法に応じて使用され、また、混合が必要な成分同士の混合が行われる。
キット中に含まれる試薬、細胞等は、構成成分の活性を長期間有効に持続し、また、構成成分が変質することのない材質で製造された容器中に供給される。
また、キットには使用説明書が添付されてもよい。本キットの使用説明は、紙などに印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、などの電気的又は電磁的に読み取り可能な媒体に保存されて使用者に供給されてもよい。詳細な使用説明は、キット内に実際に添付されていてもよく、あるいは、キットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メール等で通知されるウェブサイトに掲載されていてもよい。
さらに、本発明には、体内における不顕性の失血状態や骨髄機能の抑制状態を検出する方法も含まれる。上述のように、IL-1αは、生体内において巨核球の分化誘導及び血小板産生を促進する効果を有する。そして、急な失血状態、あるいは、骨髄機能を抑制する5-FUの投与、急性の腹膜炎を誘導するチオグリコレートの投与など、緊急に血小板を必要とするような状態において、血中のIL-1αのレベルが速やかに上昇することが本発明者らにより明かにされている(図4及び図5を参照のこと)。これらの結果は、被験対象者の血中IL-1αのレベルが正常値(又は平常値)よりも上昇している場合には、その被験対象者の体内において、血小板が減少している状況、あるいは、骨髄機能の低下などが疑われることを示すものである。従って、被験対象者の血中のIL-1αのレベルを測定し、その値が正常値(又は平常値)(一般健康者の常態における平均値等)よりも高くなっている場合には、血小板の減少、骨髄機能の低下、あるいは、これらの状態の原因となる疾患を発症していることの指標とすることができる。
以下に実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
1.実験方法
1−1.実験動物
野生型 C57BL/6Jマウスは、Charles River Laboratories社から購入した。チキンβアクチンプロモーターの制御下においてeGFPを発現するCAG-eGFPマウスは、Japan SLC Inc.から購入した。使用したマウスは全て、雄であったが、予備的な実験により、血小板の産生において、性の違いによる有意差は認められなかった。全ての動物及び組換DNA実験は、動物管理使用委員会の承諾を得ており、東京大学の動物実験ガイドラインを厳密に遵守して行った。
1−2.動物モデル
失血による血小板の産生に対する影響については、4-12週齢のCAG-eGFPマウスの尾の血管から、1匹あたり500μlの血液を採血して、検討を行った。 また、5FU処理による影響については、マウスを5FU処理 (5-FU, 250 mg/kg量を腹腔内に投与、Sigma-Aldrich社)したのち、同じ週齢のマウスを使用して解析を行った。採決後又は5FU処理後の血清中のTPO及びIL-1αレベルの変動は、尾の血管から採血した血液をELISA法により解析し、評価を行った。
急性炎症の影響は、チオグリコレート(Sigma-Aldrich社))を腹腔内に投与したマウスを用いて解析した(1個体あたり3%濃度を3ml、1回投与)。
骨髄移植後からの回復状況を評価するために、6週齢の野生型マウスに同週齢のCAG-eGFPマウス由来の骨髄を移植したのち、致死量相当の9.5Gyの放射線を照射した。
また、液性因子の影響を調べるために、5週齢のCAG-eGFPマウスを組換体TPO (Sigma社、1個体あたり10 μgを、5日間毎日皮下注射により投与) 又はIL-1α (R&D systems社、1個体あたり10μgを、5日間毎日皮下注射により投与)で処理した。最初の処理から7日目後に、タイムラプス撮影により視覚化し検討を行った。
5週齢の野生型マウスは、vehicle (コントロール), TPO (1個体あたり10μgを、5日間毎日皮下注射により投与), 組換体IL-1α(1個体あたり10μgを、5日間毎日皮下注射により投与)、IL-1αに対する中和抗体(clone #40508、IL-1Ab:R&D systems社,)、IL-1Rに対する中和抗体(clone JAMA-147、IL-1RAb:Biolegend社)、及びアイソタイプが同一のコントロール抗体(Biolegend社)で処理を行った。全ての抗体は、マウスあたり100μgを3日間毎日、腹腔内に投与した。血小板数は最初の投与から7日後に解析を行った。
1−3.生きた骨髄中の血小板産生様式の生体内顕微鏡観察
頭蓋骨骨髄中の巨核球の動態を視覚化するために、インビボにおいて、従来の単光子法を改良した複光子顕微鏡を使用した(Choiら, Blood 85, 402-413 1995;Cramerら, Blood 89 2336-2346 1997)。雄のCAG-eGFPマウスは、ウレタン (1.5 g/kg)をインジェクトして麻酔を行った後、頭皮を除去し、倒立顕微鏡(Nikon社, Eclipse Ti)の高温ステージ(Tokai Hit社)に固定した。テキサスレッドデキストラン(25 mg/kg、70 kDa、D1830:Invitrogen社)及びヘキスト33342 (10 mg/kg、H1399:Invitrogen社)をマウスにインジェクトし、細胞の動態と血流を視覚化した。Ti: sapphire laser (Visio II, Coherent)を用いて、組織を860nmの波長で励起し、イメージを保存した。Z方向は、1μm厚の切片で、約50μm観察した。40倍の水侵対物レンズ(Nikon)を使用し、イメージは、1.5x の倍率で保存した。
1−4.マウス由来の骨髄細胞の培養
6週齢の野生型マウスから全骨髄細胞を単離した後、5 x 104の細胞を2 ml Dulbecco’s modified Eagle’s medium (DMEM社)+10% FBS中、TPO (50 ng/ml) 及び SCF (50 ng/ml:Sigma社)の存在下、あるいは、非存在下(コントロール)にて培養を行った。
培養7日後、培地と細胞を回収した。細胞から培地へ分泌された液性因子は、microbead-based MAPs(Multi-Analyte Profiles) analysis (Charles River社)によって解析した。細胞は、フローサイトメトリー法及びRT-PCR法を用いて解析を行い、巨核球分化及び培地への血小板の放出を評価した。また、液性因子の細胞への影響を調べるために、細胞を組換体IL-1α、IL-1β(50 ng/ml, R&D systems社)、IL-2 (50 ng/ml, R&D systems社)、IL-3 (50 ng/ml, R&D systems社)、IL-6 (50 ng/ml, R&D systems社)、myeloperoxidase (MPO, 100 ng/ ml, R&D systems社)、lymphotactin (LT, 50 ng/ml, R&D systems社)、IL-12サブユニット p70 (50 ng/ml, R&D systems社)又はgranulocyte chemotactic protein-2 (GCP-2, 50ng/ml, Biolegend社) で7日間処理した。
1−5.胎児肝臓細胞の培養
胎児期13日のCAG-eGFPマウス胎児から肝臓を得た。肝臓を22-及び25-ゲージの針を通し、10%FCSを加えたDMEMで単一細胞浮遊懸濁液を調製した。培養は、TPO (50 ng/ml) 、SCF(50 ng/ml)及び/又は組換体IL-1α (50 ng/ml)の存在下、あるいは、非存在下(コントロール)にて行った。培養4日目、細胞を洗浄し、巨核球を同定するために、抗CD41(MWReg30, Biolegend)社及びヘキスト33342の存在下でインキュベートした。巨核球の動態(プロプレイトレット形成及び細胞の破裂)は、37℃で培養して観察し、Nikon-A1Rシステムを使用して視覚化した。
1−6.免疫組織化学
免疫組織化学的解析は、細胞を4%ホルムアルデヒドで45分間固定し、1%トリトンX-100(CalBiochem社)で10分間膜透過処理を行った。その後、1%のBSAでブロッキングを行い、1次抗体(抗β1チューブリン抗体)で12時間反応させた後、Alexa Fluor 488結合2次抗体(Molecular Probes, Eugene)及びRPE結合抗CD41抗体(MWReg30)で1時間反応させた。さらに、細胞を20μMのヘキスト33342で1時間染色し、核を視覚化した。細胞の画像は、共焦点顕微鏡(NikonA1R)を用いて収集した。
1−7.細胞の調製及びフローサイトメトリー
骨髄は、頭蓋骨及び大腿骨にPBSを勢いよく注入して単離した。血液サンプルは、尾の血管から採取した。回収した細胞は、PBSで2回洗浄し、赤血球溶血バッファー中で10分間インキュベートした。その後、3%FBSを加えたPBS中に再懸濁した。その後、1 x 106 細胞あたり60 ngのFcBlock抗体(553141, BD Pharmingen社)を加え、氷上で15分間インキュベートした。単離した細胞を、モノクローナル抗体又はアイソタイプが同一のコントロール抗体で標識し、フローサイトメトリー解析を行った。
使用した抗体は、CD3 (145-2C11, BD Pharmingen社)、CD4 (RM4-5, BD Pharmingen社)、 CD8a (53-6.7, BD Pharmingen社)、CD11b (M1/70, eBioscience社)、CD19 (MB19-1, eBioscience社)、CD41 (MWReg30, eBioscience社)、CD42b (Xia.G5, emfret社)、CD45R (RA3-6B2, Biolegend社)、Ter-119 (TER-119, Biolegend社)及びLy-6G (RB6-8C5, Biolegend社)である。
1−8.統計処理
統計処理は、JMP 8.0 (SAS) softwareを用いて行った。結果は、means ± S.E.Mで表示した。2つのグループの統計的有意差は、スチューデントtテストにより評価した。2以上のグループ間の差は、ポストホックボンフェリーニ法による分散分析(ANOVA)を用いて評価した。相関は、ピアソン相関係数テストを用いて評価した。P値< 0.05 の場合に、有意であると判断した。回帰分析は、血小板数の独立した規定因子、及びそれらによって示される変異の割合を確認するために使用した。
2.結果
2−1.血小板産生の2つの様式
インビボにおける血小板の産生様式を明らかにするために、CAG-eGFPマウスの生きた骨髄を視覚化し、観察した。巨核球は、細胞のサイズ、多核性、及び強いGFPシグナルを発していることなどを指標に同定した。また、蛍光標識デキストランとヘキスト(Hoechst33342)を各々マウスにインジェクトして、生きているマウスの血液の流れと細胞核を視覚化した(図1)。
観察された血小板の産生様式の1つは、巨核球細胞が破裂しその細胞質の断片から血小板を産生するものである(図1A、B)。他の様式は、巨核球細胞がプロプレイトレット(胞体突起)を形成し、突起部分から血小板を放出するものである(図1C、D)。
巨核球細胞の破裂によって生じる細胞の断片化は、最初に細胞の形がラッフリングし、不規則な形になり、細胞膜近傍領域のGFPの強度が増大した。その後、細胞質由来のGFPの蛍光が消失して、デキストランのテキサスレッド標識由来のシグナル(血流を示す)が増大した(図1A)。この一連の過程において、核の位置と核の倍数性に変化は生じなかったが、強いGFPシグナルを発する小片が、細胞から血流中に四方に放出されるのが確認された(図1A、28minn)。これらの小片の平均直径は、血中を循環する小片よりも大きく、「large preplatelet intermediates」あるいは「protoplatelets」であろうと考えられる(Kosakiら, Int J Hematol 88, 255-267 2008;Thonら, J Cell Biol. 191, 861-874 2011)。
他方、プロプレイトレットを形成して血小板を放出する様式では、伸長したプロプレイトレットから、直接血流中へ血小板様の小片が放出された(図1C、D)。プロプレイトレットを介して産生された血小板は、骨髄内での成熟血小板(〜2μm)になると考えられる。
上記2つの血小板の産生様式は、いずれも、同一のマウス個体において確認された。
2−2.血小板産生に関与する液性因子
これまでに、TPOが巨核球の分化及び成熟の過程において重要な役割を果たしていることが知られている。また、IL-3, IL-6及びIL-11は、血小板の産生に必須の因子ではないが、TPOと協働的に働き得ることが示唆されている(Patelら, J Clin Invest 115, 3348-3354 2005)。その他、スフィンゴシン1リン酸が、インビボにおいて、巨核球の胞体突起の伸長を誘導するという報告もある(Zhangら, J Exp Med 209, 2165-2181 2012)。そこで、血小板産生に関与する未同定の因子、特に、急性の血小板産生(急な失血時など、緊急に血小板が必要される時の血小板産生)に関与する液性因子の同定を試みることにした。
まず、TPOとSCFの存在下で骨髄細胞を7日間培養し、培地に放出される液性因子を調べた。MAPs解析を行った結果、7つの候補因子を同定し(図2A)、それらの因子について、培養骨髄細胞からCD42b+CD41+巨核球への分化誘導効率について評価を行った(図2B)。IL-1βやIL-6などは、弱い効果しか示さなかったが、Il-1αは、血小板の産生量を顕著に増加させ、TPOを添加した場合よりも高い血小板産生能を示した(図2B)。また、巨核球細胞の断片化を伴う細胞の破裂の頻度は、TPOの投与により顕著に減少した(図3A)。これに対し、IL-1αの投与(マウス1匹に10μgを5日間毎日投与)により巨核球の総数が増加し、伸長したプロプレイトレットの産生は影響を受けることなく、巨核球細胞の破裂の頻度が増大した(図3A)。さらに、血液中の血小板数と骨髄中の巨核球数は、IL-1αの投与から3日後及び7日後に増大したが、TPOの投与による効果は、7日後以降においてのみ認められた(図3B)。そして、血小板数は、IL-1αの中和抗体及びIL-1レセプターの中和抗体によって減少することを確認した(図3B)。
3.血小板産生に対するIL-1αの作用
マウスに急な失血が生じた場合、主として生じる巨核球の形態変化は、巨核球の断片化であり、IL-1αレベルの上昇とパラレルであった(図4)。急な失血により、TPOのレベルはすぐには影響を受けないが、一定時間の経過後、最終的には増大した。また、骨髄の機能を抑制する5-FUをマウスに投与すると、血小板産生が完全に阻害され、投与から1日後に、破裂型の巨核球の出現頻度とIL-1αレベルの両方が増加した。TPOについては、徐々にそのレベルを増加させた(図5A)。さらに、チオグリコレート投与により腹膜炎を誘導すると、巨核球の破裂頻度は血小板数及びIL-1αのレベルと相関していた(図5B)。これらの結果は、体内において、失血や急性の炎症などにより血小板が緊急に必要な状況下では、TPOではなく、IL-1αのレベルが速やかに上昇し、巨核球破裂による血小板生成を誘導することを示している。
また、失血により血中のIL-1αレベルが速やかに上昇することから、IL-1αレベルが正常値(又は平常値)よりも高い場合には、不顕性の失血が生じていること、あるいは、骨髄の機能抑制などが生体内で生じていることが疑われる。そのため、IL-1αレベルが正常値(又は平常値)よりも高いことを指標として、生体内における不顕性な失血、あるいは、骨髄の機能抑制などを見つけ出すことが可能と考えられる。
上述の失血、5-FU処理及びチオグリコレート処理とは対照的に、放射線照射後に骨髄移植を行った場合には、血小板数は時間をかけて徐々に回復し、この回復期間中、プロプレイトレットによる血小板産生が主として観察された。そして、血清中のIL-1αレベルは減少し、TPOレベルが増加した(図6右)。長期にわたり血小板が必要な場合には、TPO刺激を介したプロプレイトレットの形成が優位である。しかしながら、急な失血の場合においては、IL-1αのレベル上昇と相関して、血小板生成様式が巨核球の破裂による断片化による様式へと変化することが分かった(図4)。
以上の結果から、骨髄中の巨核球は、明かに異なる2つ血小板産生様式、すなわち、TPOが関与するプロプレイトレットからの血小板産生様式と、IL-1αが関与する巨核球の断片化による血小板の産生の存在が確認された
4.IL-1αとTPOの役割分担
TPOとIL-1α作用メカニズムを明らかにするために、胎児GFPマウスから単離した肝臓細胞を培養し、解析を進めた。培養から5日後、抗CD41抗体とヘキストを用いて細胞を染色した。TPOで刺激すると、巨核球からの長いフィロポディア様の長い突起の形成が増えた(図7A)。これに対し、IL-1αで刺激すると、巨核球細胞の破裂が促進された(図7B)。
また、マウス骨髄由来の培養細胞において、TPOとIL-1αは、各々、巨核球の分化誘導を行い(図8A)、血小板の産生を促進した(図8B)。ヒト由来の細胞においても、同様に、TPOとIL-1αは、各々、巨核球の分化誘導を行い(図8C)、血小板の産生を促進した(図8D)。そして、TPOとIL-1αを同時に添加すると、その効果は相加的であった(図8A、B、C及びD)。
さらに、IL-1αによって放出された小片は、トロンビン刺激に応答し、血小板インテグリンαIIbβ3及び血小板凝集の活性化は、TPO刺激によって誘導された血小板及びコントロールとして使用した洗浄血小板のものと同等であることを確認している。
以上の結果から、TPOとIL-1αは、各々、別個に骨髄の成熟及び動態等を制御していると考えられる。
本発明は、医薬及び医薬組成物は、生体内において巨核球の分化誘導及び血小板産生を促進する効果を有する。従って、本発明の医薬又は医薬組成物は、巨核球分化誘導剤及び血小板産生促進剤等として、医療分野において利用性が高い。

Claims (5)

  1. IL-1αを有効成分として含有する巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
  2. 以下の(1)又は(2)のポリペプチドを有効成分として含有する巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
    (1)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7からなるポリペプチド
    (2)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失若しくは挿入をもつアミノ酸配列からなり、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチド
  3. さらに、TPOを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の巨核球の分化誘導及び血小板産生促進剤。
  4. IL-1αの存在下で巨核球又は血小板の前駆細胞を培養し、産生される巨核球又は血小板を採取することを特徴とする巨核球又は血小板の製造方法。
  5. 以下の(1)又は(2)のポリペプチドの存在下で、巨核球又は血小板の前駆細胞を培養し、産生される巨核球又は血小板を採取することを特徴とする巨核球又は血小板の製造方法。
    (1)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7からなるポリペプチド
    (2)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号7で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失若しくは挿入をもつアミノ酸配列からなり、かつ、巨核球の分化誘導及び血小板の産生を促進する活性を有するポリペプチド
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