JP2017121791A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、液体吐出ヘッドを長尺化する技術として、記録素子基板を液体吐出ヘッドの長尺方向に1列に並べる技術が開示されている。
記録素子基板間の距離が長いと、互いに隣接する記録素子基板の隣接部において、各記録素子基板に設けられた吐出口列の走査方向のズレ幅が大きくなったり、各記録素子基板に設けられた吐出口列の長尺方向の間隔が間延びしたりする。このため、記録される画像における記録素子基板間の隣接部に対応する位置にムラ等が生じてしまうことがある。走査方向とは、記録素子基板10の表面に平行な面内において、記録素子基板が並んだ方向である長尺方向と垂直な方向のことである。
前記流路部材における、互いに隣接する前記記録素子基板の隣接部に対応する箇所に溝部が形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
本発明による液体吐出装置は、上記の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする。
本発明のよる液体吐出ヘッドの製造方法は、前記液体吐出ヘッドの製造方法において、前記蓋部材を前記記録素子基板における前記流路が形成された面に接合する工程と、前記蓋部材を接合した前記記録素子基板を、前記蓋部材及び前記流路部材が対向するように前記流路部材に接合する工程と、を有することを特徴とする。
以下の各実施形態の液体吐出装置では、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッド間で循環させる形態が採用されているが、他の形態が採用されても良い。例えば、液体吐出装置は、液体を循環せずに、液体吐出ヘッドの上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへ液体を流すことで、圧力室内の液体を流動させる形態でも良い。
以下の各実施形態では、液体吐出ヘッドとして、被記録媒体の幅に対応した長さを有する、所謂ライン型の液体吐出ヘッドが採用されているが、被記録媒体に対してスキャンを行いながら記録を行うための所謂シリアル型の液体吐出ヘッドが採用されても良い。シリアル型の液体吐出ヘッドとしては、例えば、ブラックインク用及びカラーインク用の記録素子基板を1つずつ搭載するものが挙げられるが、この例に限らない。シリアル型の液体吐出ヘッドは、例えば、数個の記録素子基板を、吐出口列方向に吐出口がオーバーラップするように配置した被記録媒体の幅よりも短いヘッドでもよい。
(インクジェット記録装置の説明)
図1は、本発明の適用例1に係る液体吐出装置の概略構成を示す図である。図1に示す液体吐出装置は、液体としてインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置1000(以下、記録装置とも称す)である。記録装置1000は、被記録媒体2を搬送する搬送部1と、被記録媒体2の搬送方向と略直交して配置されるライン型の液体吐出ヘッド3とを備え、被記録媒体2を連続的もしくは間欠的に搬送しながら1パスで連続記録を行うライン型記録装置である。被記録媒体2は、カット紙でも良いし、連続したロール紙でも良い。液体吐出ヘッド3は液体としてCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)インクを用いたフルカラー印刷が可能である。また、液体吐出ヘッド3は、後述するように液体を液体吐出ヘッドへ供給する供給路である液体供給手段、メインタンク及びバッファタンク(図2参照)が流体的に接続されている。また、液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び論理信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。液体吐出ヘッド3内における液体経路及び電気信号経路については後述する。
本適用例の記録装置に適用される、液体を循環させる循環経路について説明する。図2は、本適用例の記録装置に適用される循環経路の一形態である第1の循環経路を示す模式図である。図2において、液体吐出ヘッド3は、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、及びバッファタンク1003等と流体的に接続している。また、図2では、説明を簡略化するためにCMYKインクの内の一色のインクが流動する経路のみが示されているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3及び記録装置1000本体に設けられている。
サブタンクとして使用されるバッファタンク1003はメインタンク1006と接続される。バッファタンク1003は、そのタンクの内部と外部とを連通する大気連通口(不図示)を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005とさらに接続されている。補充ポンプ1005は、液体吐出ヘッド3の吐出口から液体を吐出または排出する動作によって液体吐出ヘッド3で液体が消費された際に、消費された分のインクをメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。液体を吐出または排出する動作としては、例えば、記録動作や吸引回復動作などが挙げられる。、
2つの第1循環ポンプ1001及び1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111から液体を引き出してバッファタンク1003へ流す機能を有する。第1循環ポンプとしては、定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的には、第1循環ポンプとしては、チューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ及びシリンジポンプ等が挙げられるが、例えば、一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態のものでもよい。液体吐出ヘッド3の駆動時には、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、それぞれ共通供給流路211及び共通回収流路212内を一定量の液体が流れる。この液体の流量は、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が、記録画像の画質に影響を与えない程度以上に設定されることが好ましい。しかしながら、あまりに大きな流量が設定されると、液体吐出ユニット300内の流路の圧損の影響により、各記録素子基板10間の負圧差が大きくなり過ぎ、画像に濃度ムラが生じてしまう。このため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら、流量を設定することが好ましい。
負圧制御ユニット230は、第2循環ポンプ1004と液体吐出ユニット300との間の経路上に設けられている。負圧制御ユニット230は、記録デューティ(Duty)の差によって循環経路内の流量が変動した場合でも、負圧制御ユニット230よりも下流側の圧力を予め設定した所望の圧力を中心とする一定範囲内に維持するように動作する。負圧制御ユニット230よりも下流側は、負圧制御ユニット230よりも液体吐出ユニット300に近い側である。負圧制御ユニット230は、互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの圧力調整機構としては、それ自身よりも下流の圧力を、所望の設定圧を中心とする一定の範囲以下の変動で制御できるものであれば、特に限定されない。圧力調整機構は、例えば、所謂「減圧レギュレーター」を採用することができる。圧力調整機構として減圧レギュレーターを用いた場合、図2に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の上流側を加圧させることが好ましい。この場合、バッファタンク1003の液体吐出ヘッド3に対する水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004としては、液体吐出ヘッド3の駆動時に使用するインク循環流量の範囲において、一定圧以上の揚程圧を有するものであればよく、ターボ型ポンプや容積型ポンプ等を使用できる。具体的には、第2循環ポンプ1004として、ダイヤフラムポンプ等が適用可能である。また第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差を有するように配置された水頭タンクを適用することも可能である。
2つの圧力調整機構の内、相対的に高圧設定側の機構と相対的に低圧設定側の機構は、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と共通回収流路212とにそれぞれ接続されている。相対的に高圧設定側の機構は、図2においてHで示され、相対的に低圧設定側の機構は、図2でLと示されている。液体吐出ユニット300には、共通供給流路211、共通回収流路212、及び各記録素子基板と連通する個別供給流路213a及び個別回収流路213bが設けられている。個別流路213(個別供給流路213a及び個別回収流路213b)は、共通供給流路211及び共通回収流路212と連通している。このため、共通供給流路211を流れる液体の一部が、共通供給流路211から記録素子基板10の内部流路を通過して共通回収流路212へと流れる流れ(図2の矢印)が発生する。これは、共通供給流路211には高圧設定側の圧力調整機構Hが接続され、共通回収流路212には低圧設定側の圧力調整機構Lが接続されているため、2つの共通流路(共通供給流路211及び共通回収流路212)間に差圧が生じているからである。
以上のように液体吐出ユニット300では、液体が共通供給流路211及び共通回収流路212のそれぞれを通過しつつ、その液体の一部が各記録素子基板10を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を、共通供給流路211及び共通回収流路212を流れる液体で記録素子基板10の外部へ排出することができる。また、本構成により、液体吐出ヘッド3による記録が行われている際に、記録を行っていない吐出口や圧力室においても液体の流れを生じさせることができるため、それらの部位におけるインクの増粘を抑制できる。また増粘した液体や液体中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、本実施例の液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
図3は、本適用例の記録装置に適用される循環経路のうち、上述した第1の循環経路とは異なる第2の循環経路を示す模式図である。第2の循環経路における第1の循環経路との主な相違点は、負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を制御することである。つまり、この2つの圧力調整機構が共に、この圧力を所望の設定圧を中心とする一定範囲内の変動で制御する機構(所謂「背圧レギュレーター」と同じ作用の機構)となっていることである。また他の相違点は、第2循環ポンプ1004が負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用することである。さらに他の相違点は、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド下流側に配置されていることである。
第2の循環経路において負圧制御ユニット230は、記録デューティ(Duty)の差によって循環経路内の流量が変動した場合でも、自身の上流側の圧力変動を、予め設定された所望の圧力を中心とする一定範囲内に維持するように動作する。負圧制御ユニット230の上流側とは、負圧制御ユニット230よりも液体吐出ユニット300側のことである。図3に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の下流側が加圧されることが好ましい。この場合、液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば、負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差を有するように配置された水頭タンクを適用することが可能である。
図3に示したように負圧制御ユニット230は、第1の循環経路と同様に、互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、高圧設定側(H)の機構と低圧設定側(L)の機構は、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と共通回収流路212とにそれぞれ接続されている。2つの負圧調整機構により共通供給流路211の圧力が共通回収流路212の圧力より相対的に高い。このため、共通供給流路211を流れる液体の一部が、共通供給流路211から個別流路213及び各記録素子基板10の内部流路を介して共通回収流路212へと流れる流れが発生する(図3の矢印)。このように、第2の循環経路では、液体吐出ユニット300に第1の循環経路と同様な液体の流れを作ることができ、さらに第1の循環経路とは異なる2つの利点がある。
第1の利点は、第2の循環経路では負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されているため、負圧制御ユニット230から発生するゴミや異物が液体吐出ヘッド3へ流入する懸念が少ないことである。第2の利点は、第2の循環経路では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要のある流量の最大値が、第1の循環経路の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。
液体を吐出していない記録待機時において、液体吐出ユニット300内の各記録素子基板10間の温度差を所望の範囲内にするために必要な、共通供給流路211及び共通回収流路212内の流量の合計値の最小値を最小循環流量Aとする。また、液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する全吐時における吐出流量をFとする。
第1の循環経路の場合(図2の場合)では、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量が最小循環流量Aと等しくなるので、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量はA+Fとなる。このため、第1の循環経路における必要供給流量の最大値はA+Fとなる。
一方、第2の循環経路の場合(図3の場合)、記録待機時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量は最小循環流量Aと等しくなり、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への供給量は、吐出流量Fと等しくなる。このため、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量の合計値はA及びFの大きい方となる。したがって、第2の循環経路における必要供給流量の最大値は、A及びFの大きい方となる。
したがって、同一構成の液体吐出ユニット300を使用する場合、第2の循環経路における必要供給流量の最大値(A又はF)は、第1の循環経路における必要供給流量の最大値(A+F)よりも必ず小さくなる。このため、第2の循環経路の場合、適用可能な循環ポンプの自由度が高まる。したがって、例えば、構成の簡便な低コストの循環ポンプを使用したり、本体側経路に設置される冷却器(不図示)の負荷を低減したりすることができ、記録装置本体のコストを低減できるという利点がある。この利点は、A又はFの値が比較的大きくなるライン型ヘッドで特に顕著となり、ライン型ヘッドの中でも長手方向の長さが長いほど顕著となる。
しかしながら、その一方で、第1の循環経路の方が第2の循環経路よりも有利になる点もある。例えば、第2の循環経路では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大であるため、記録デューティの低い画像であるほど、各吐出口に高い負圧が印加された状態となる。このため、特に共通供給流路211及び共通回収流路212の流路幅(液体の流れ方向と直交する方向の長さ)を小さくしてヘッド幅(液体吐出ヘッドの短手方向の長さ)を小さくした場合、ムラの見えやすい低デューティ画像で吐出口に高い負圧が印加される。このため、サテライト滴の影響が大きくなる恐れがある。一方、第1の循環経路の場合、高い負圧が吐出口に印加されるのは高デューティ画像の形成時であるため、仮にサテライト滴が発生しても視認されにくい。このため、画像への影響は小さいという利点がある。
液体吐出ヘッド及び記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、及びヘッド内流路抵抗など)に応じて第1の循環経路及び第2の循環経路のうちの好ましい方を選択することができる。
適用例1に係る液体吐出ヘッド3の構成について説明する。図4(a)及び図4(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は、1つの記録素子基板10でCMYKの4色のインクを吐出可能な記録素子基板10を直線上に15個配列(インラインに配置)したライン型の液体吐出ヘッドである。図4(a)に示すように、液体吐出ヘッド3は、各記録素子基板10と、フレキシブル配線基板40及び電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91及び電力供給端子92とを備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は、記録装置1000の制御部(不図示)と電気的に接続され、それぞれ、論理信号及び吐出に必要な電力を記録素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号入力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、液体吐出ヘッド3の組み付け時又は液体吐出ヘッド3の交換時に着脱が必要な電気接続部数を少なくできる。図4(b)に示すように、液体吐出ヘッド3の両端部に設けられた液体接続部111は、記録装置1000の液体供給系と接続される。これによりCMYK4色のインクが記録装置1000の供給系から液体吐出ヘッド3に供給され、また液体吐出ヘッド3内を通ったインクが記録装置1000の供給系へ回収される。このように各色のインクは、記録装置1000の経路と液体吐出ヘッド3の経路を介して循環可能である。
図5は、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットの分解斜視図である。図5では、液体吐出ユニット300、液体供給ユニット220、及び電気配線基板90が筺体80に取り付けられている。液体供給ユニット220には、液体接続部111(図3)が設けられるとともに、液体供給ユニット220の内部には、供給される液体中の異物を取り除くため、液体接続部111の各開口と連通する各色別のフィルタ221(図2、図3)が設けられている。2つの液体供給ユニット220は、それぞれに2色分ずつのフィルタ221が設けられている。フィルタ221を通過した液体はそれぞれの色に対応して液体供給ユニット220上に配置された負圧制御ユニット230へ供給される。負圧制御ユニット230は、各色別の圧力調整弁からなるユニットであり、内部に設けられる弁やバネ部材等によって、液体の流量の変動に伴って生じる記録装置1000の供給系内(液体吐出ヘッド3の上流側の供給系)の圧損変化を大幅に減衰させる。これにより、圧力制御ユニットよりも下流側(液体吐出ユニット300側)の負圧変化をある一定範囲内で安定化させることが可能になる。各色の負圧制御ユニット230には、図2で記述したように、各色2つの圧力調整弁が内蔵されており、それぞれ異なる制御圧力に設定される。また、2つの圧力調整弁のうち高圧側が液体供給ユニット220を介して液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と連通し、低圧側が液体供給ユニット220を介して液体吐出ユニット300内の共通回収流路212と連通している。
筺体80は、液体吐出ユニット支持部81及び電気配線基板支持部82から構成され、液体吐出ユニット300及び電気配線基板90を支持するとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を確保している。電気配線基板支持部82は、電気配線基板90を支持するための部材であって、液体吐出ユニット支持部81にネジ止めにより固定されている。液体吐出ユニット支持部81は液体吐出ユニット300の反りや変形を矯正して、複数の記録素子基板10の相対位置精度を確保する機能を有し、それにより記録される画像におけるスジやムラを抑制する。そのため液体吐出ユニット支持部81は、十分な剛性を有することが好ましく、材料としては、SUS(ステンレス)やアルミ等の金属材料、もしくはアルミナ等のセラミックが好適である。液体吐出ユニット支持部81には、ジョイントゴム100が挿入される開口83及び84が設けられている。液体供給ユニット220から供給される液体は、ジョイントゴム100を介して液体吐出ユニット300を構成する第3流路部材70へと導かれる。
液体吐出ユニット300は、複数の吐出モジュール200及び流路部材210からなり、液体吐出ユニット300の被記録媒体側の面にはカバー部材130が取り付けられる。ここで、カバー部材130は、図5に示したように長尺の開口131が設けられた額縁状の表面を持つ部材であり、開口131からは吐出モジュール200に含まれる記録素子基板10及び封止材部110(図9)が露出している。開口131の周囲の枠部は、記録待機時に液体吐出ヘッド3をキャップするキャップ部材の当接面としての機能を有する。このため、開口131の周囲に沿って接着剤、封止材、充填材等を塗布し、液体吐出ユニット300の吐出口面上の凹凸や隙間を埋めることで、キャップ時に閉空間が形成されるようにすることが好ましい。
図6(a)〜(f)は、第1〜第3流路部材の各流路部材の表面と裏面を示した図である。図6(a)は、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される側の面を示し、図6(f)は、第3流路部材70の、液体吐出ユニット支持部81と当接する側の面を示す。第1流路部材50及び第2流路部材60は、図6(b)及び図6(c)のそれぞれで示された当接面が互いに対向するように接合し、第2流路部材及び第3流路部材は、図6(d)と図6(e)のそれぞれで示された当接面が互いに対向するように接合する。第2流路部材60及び第3流路部材70を互いに接合すると、第2流路部材60及び第3流路部材70のそれぞれに形成される共通流路溝部62及び71により、流路部材の長手方向に延在する8本の共通流路が形成される。これにより色毎に共通供給流路211と共通回収流路212のセットが流路部材210内に形成される(図7)。第3流路部材70の連通口72はジョイントゴム100の各穴と連通しており、液体供給ユニット220と流体的に流通している。第2流路部材60の共通流路溝部62の底面には連通口61が複数形成されており、第1流路部材50の個別流路溝部52の一端部と連通している。第1流路部材50の個別流路溝部52の他端部には連通口51が形成されており、連通口51を介して、複数の吐出モジュール200と流体的に連通している。この個別流路溝部52により流路部材の中央側へ流路を集約することが可能となる。
第1〜第3流路部材50〜70は、液体に対する耐腐食性を有し、かつ線膨張率の低い材料で形成されることが好ましい。第1〜第3流路部材50〜70の材料としては、例えば、アルミナ、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニルサルファイド)またはPSF(ポリサルフォン)を母材として、無機フィラーを添加した複合材料(樹脂材料)が好適である。無機フィラーとしては、シリカ微粒子やファイバー等が挙げられる。流路部材210の形成方法としては、3つの流路部材を積層させて互いに接着しても良いし、材料として樹脂複合樹脂材料を選択した場合には、溶着による接合方法を用いても良い。
ここで、各色の共通供給流路211は対応する色の負圧制御ユニット230(高圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されており、共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されている。この負圧制御ユニット230により、共通供給流路211と共通回収流路212間に差圧(圧力差)を生じさせるようになっている。このため、図7に示したように各流路を接続した本適用例の液体吐出ヘッド3内では、各色で共通供給流路211〜個別供給流路213a〜記録素子基板10〜個別回収流路213b〜共通回収流路212へと順に流れる流れが発生する。
1つの吐出モジュールは、記録素子基板10及びフレキシブル基板からなり、記録素子基板10上の端子16と、フレキシブル基板上の端子をワイヤーボンディングで電気的に接続しされている。フレキシブル基板の記録素子基板10と反対側の端子は電気配線基板90の接続端子93(図5参照)と電気的に接続される。
本実施形態における記録素子基板10の構成について説明する。図8(a)は記録素子基板10の吐出口13が形成される側の面の平面図であり、図8(b)は図8(a)のAで示した部分の拡大図であり、図8(c)は図8(a)の裏面の平面図である。
図8(a)に示すように、記録素子基板10の吐出口形成部材12には、各インク色に対応する4列の吐出口列が形成されている。以下、複数の吐出口13が配列される吐出口列が延びる方向を「吐出口列方向」と呼称する。
図8(b)に示すように、各吐出口13に対応した位置には液体を熱エネルギにより発泡させるための発熱素子である記録素子15が配置されている。本発明において記録素子は発熱素子に限られず、圧電素子等、液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する各種素子が適用可能である。隔壁22により、記録素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。記録素子15は記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図8(a)の端子16と電気的に接続されている。記録素子15は、記録装置1000の制御回路から、電気配線基板90(図5)及びフレキシブル配線基板を介して入力されるパルス信号に基づいて発熱して液体を沸騰させ、その沸騰による発泡の力で液体を吐出口13から吐出する。図8(b)に示すように、各吐出口列に沿って、一方の側には液体供給路18が、他方の側には液体回収路19が延在している。液体供給路18及び液体回収路19は記録素子基板10に設けられた吐出口列方向に伸びた流路であり、それぞれ供給口17a、回収口17bを介して吐出口13と連通している。
図8(c)及び後述する図9に示すように、記録素子基板10の、吐出口13が形成される面の裏面にはシート状の蓋部材20が積層されており、蓋部材20には、後述する液体供給路18及び液体回収路19に連通する開口21が複数設けられている。本実施形態においては、液体供給路18の1本に対して3個、液体回収路19の1本に対して2個の開口21が蓋部材20に設けられている。図8(b)に示すように蓋部材20のそれぞれの開口21は、図6(a)に示した複数の連通口51と連通している。図9に示すように蓋部材20は、記録素子基板10の基板11に形成される液体供給路18及び液体回収路19の壁の一部を形成する蓋としての機能を有する。蓋部材20は、液体に対して十分な耐食性を有していることが好ましく、また、混色防止の観点から、開口21の開口形状及び開口位置には高い精度が求められる。このため蓋部材20の材料としては、感光性樹脂材料やシリコン板を用い、フォトリソプロセスによって開口21を設けることが好ましい。このように蓋部材20は開口21により流路のピッチを変換するものであり、圧力損失を考慮すると厚みは薄いことが望ましく、フィルム状の部材で構成されることが望ましい。
つまり、記録装置1000本体から液体吐出ヘッド3へ供給される液体は、下記の順に流動し、供給及び回収される。液体は、先ず、液体供給ユニット220の液体接続部111から液体吐出ヘッド3の内部に流入する。そして、液体は、ジョイントゴム100、第3流路部材に設けられた連通口72及び共通流路溝部71、第2流路部材に設けられた共通流路溝部62及び連通口61、第1流路部材に設けられた個別流路溝部52及び連通口51の順に供給される。その後、液体は、蓋部材に設けられた開口21、基板11に設けられた液体供給路18及び供給口17aを順に介して圧力室23に供給される。圧力室23に供給された液体のうち、吐出口13から吐出されなかった液体は、基板11に設けられた回収口17b及び液体回収路19、蓋部材に設けられた開口21を順に流れる。さらに液体は、第1流路部材に設けられた連通口51及び個別流路溝部52、第2流路部材に設けられた連通口61及び共通流路溝部62、第3流路部材70に設けられた共通流路溝部71及び連通口72、ジョイントゴム100を順に流れる。そして、液体供給ユニットに設けられた液体接続部111から液体吐出ヘッド3の外部へ液体が流動する。図2に示す第1の循環経路においては、液体接続部111から流入した液体は負圧制御ユニット230を経由した後にジョイントゴム100に供給される。図3に示す第2の循環経路においては、圧力室23から回収された液体は、ジョイントゴム100を通過した後、負圧制御ユニット230を介して液体接続部111から液体吐出ヘッドの外部へ流動する。
また図2及び図3に示したように、液体吐出ユニット300の共通供給流路211の一端から流入した液体の全てが個別供給流路213aを経由して圧力室23に供給されるわけではない。個別供給流路213aに流入することなく、共通供給流路211の他端から液体供給ユニット220に流動する液体もある。このように、記録素子基板10を経由することなく流動する経路を備えることで、本実施形態のような微細で流抵抗の大きい流路を備える記録素子基板10であっても、液体の循環流の逆流を抑制することができる。このように本適用例の液体吐出ヘッド3では、圧力室23や吐出口13近傍の液体の増粘を抑制できるため、吐出のヨレや不吐を抑制でき、結果として高画質な画像を記録することができる。
図10は、互いに隣接する吐出モジュールにおける、記録素子基板10間の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。図8に示すように、本実施形態では略平行四辺形状の記録素子基板10を用いている。図10に示すように各記録素子基板10における吐出口13が配列される各吐出口列14a〜14dは、被記録媒体の搬送方向に対して一定角度傾くように配置されている。これにより、記録素子基板10同士の隣接部における吐出列は、少なくとも1つの吐出口が被記録媒体の搬送方向にオーバーラップする。
図10では、線D上の2つの吐出口が互いにオーバーラップしている。このような配置によって、仮に記録素子基板10の位置が所定位置から多少ずれた場合でも、オーバーラップする吐出口の駆動制御によって、記録画像の黒スジや白抜けを目立たなくするようにすることができる。複数の記録素子基板10を千鳥配置ではなく、直線上(インライン)に配置してもよい。この場合でも、図10のような構成により液体吐出ヘッド3の被記録媒体の搬送方向の長さの増大を抑えつつ、記録素子基板10同士のつなぎ部における黒スジや白抜けを抑制することができる。なお、本実施形態では、記録素子基板10の主平面は平行四辺形状であるが、これに限らず、例えば長方形状、台形状またはその他の形状の記録素子基板10を用いた場合でも、本発明の構成を好ましく適用することができる。
本発明の適用例2による記録装置1000及び液体吐出ヘッド3の構成を説明する。なお以降の説明においては、主として適用例1と異なる部分のみを説明し、適用例1と同様の部分については説明を省略することがある。
(インクジェット記録装置の説明)
図11は、本発明の適用例2によるインクジェット記録装置を示す図である。適用例2の記録装置1000は、CMYKのインクのそれぞれに対応した単色用の液体吐出ヘッド3を4つ並列配置させることで被記録媒体2へフルカラー記録を行う点が適用例1とは異なる。適用例1では、1色あたりに使用できる吐出口列数は1列であったのに対し、本適用例においては、1色あたりに使用できる吐出口列数は20列となっている。このため、記録データを複数の吐出口列に適宜振り分けて記録を行うことで、非常に高速な記録が可能となる。更に、不吐になる吐出口があったとしても、その吐出口に対して被記録媒体の搬送方向に対応する位置にある、他列の吐出口から補間的に吐出を行うことで信頼性が向上するため、商業印刷等に好適である。適用例1と同様に、各液体吐出ヘッド3に対して、記録装置1000の供給系、バッファタンク1003及びメインタンク1006(図2)が流体的に接続される。また、各液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。
(循環経路の説明)
記録装置1000及び液体吐出ヘッド3間の液体循環経路としては、適用例1と同様に、図2及び図3に示した第1及び第2の循環経路のどちらも用いることができる。
(液体吐出ヘッド構造の説明)
本発明の適用例2に係る液体吐出ヘッド3の構造について説明する。図12(a)及び(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は液体吐出ヘッド3の長手方向に直線上に配列される16個の記録素子基板10を備え、1色の液体でも記録が可能なインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド3は、適用例1同様、液体接続部111、信号入力端子91及び電力供給端子92を備える。しかしながら、本適用例の液体吐出ヘッド3は、適用例1に比べて吐出口列が多いため、液体吐出ヘッド3の両側に信号入力端子91及び電力供給端子92が配置されている。これは記録素子基板10に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減させるためである。
図13は、本実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す図である。具体的には、図13(a)は液体吐出ヘッドの斜視図であり、図13(b)は液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
本実施形態の液体吐出ヘッド3は、図13に示すように、複数の記録素子基板10と、流路部材210とを有する。複数の記録素子基板10は、流路部材210上に配置されている。
図14は、液体吐出ヘッド3の上面図であり、記録素子基板10の形状や配列の異なる4つの例が示されている。図14(a)の例では、平行四辺形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されている。以下、液体吐出ヘッド3における記録素子基板10が並んだ方向を長尺方向401とし、記録素子基板10の表面に平行な面内において長尺方向401と垂直な方向を走査方向402とする。
図14(b)の例では、一方の組の対辺が平行であり、他方の組の対辺がそれぞれ階段状の形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されている。図14(c)の例では、図14(a)の例と同様に平行四辺形状を有する記録素子基板10が一列に並んで配置されているが、互いに隣接する記録素子基板同士が長尺方向401にずれている。図14(d)の例では、長方形状の記録素子基板10が一列に並んで配置されている。
図14(a)〜(c)の例では、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において、少なくとも部分的にはオーバーラップしている。図14(d)の例では、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向においてオーバーラップしている。
図15は、液体吐出ヘッド3の吐出口列のズレを示す図である。図15(a)は、図14(a)の例における互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の拡大図であり、吐出口列のズレ幅403を示す。図15(a)に示すように、吐出口列のズレは、記録素子基板10の隣接部で発生し、互いに隣接する記録素子基板10間の距離である素子間距離404が小さいほど、吐出口列のズレ幅403は小さくなる。このため、素子間距離404は小さいほどよい。これは、図15(a)の例に限らず、互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において、図15(b)及び図15(c)の例のような、少なくとも部分的にオーバーラップしている液体吐出ヘッド3全般についても同様である。
図15(b)は、図14(d)の例における互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の拡大図である。図15(b)の例では、吐出口列のズレは生じないが、素子間距離404が小さいほどよいことは、図15(a)に示した液体吐出ヘッドと同様である。これは、素子間距離404が小さいほど、隣接部における吐出口列間の間隔405が小さくなるためである。以下、図15(a)に示したような互いに隣接する記録素子基板10が長尺方向及び走査方向の両方において少なくとも部分的にオーバーラップしている液体吐出ヘッド3を例に説明するが、同様な効果は図15(b)の例に対しても適応される。
図16は、互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部の側面図である。図16(a)に示すように、流路部材210には、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部に対応する箇所に溝部400が形成されている。溝部400は、記録素子基板10間の隙間と連通することで、記録素子基板10の隣接部に面して開口している。溝部400の幅(長尺方向における幅)400aは、互いに隣接する記録素子基板10間の距離である素子間距離404よりも長い。このため、記録素子基板10と流路部材210との接合面411が記録素子基板10の端部412から記録素子基板10の内側に入り込んでいる。このとき、記録素子基板10間の隙間の中心と溝部400の中心が同一線上に並び、互いに隣り合う記録素子基板10のそれぞれにおける溝部400の重なる部分の長さ(長尺方向における長さ)が等しいことが望ましい。また、溝部400は、図16では、走査方向402に対して記録素子基板10の外側に延びているが、記録素子基板10の内側に収まっていてもよい。記録素子基板10と流路部材210とは接着剤で接合されている。接着剤は、例えば、液体状の接着剤、ゲル状の接着剤、または接着シートなどである。
以上の構成により、記録素子基板10と流路部材210との接合に用いた接着剤が記録素子基板10における吐出口が設けられた表面413まで這い上がることを抑制することができる。具体的には、図16(b)に示すように、記録素子基板10と流路部材210との接合に用いた接着剤420のうち、接合面411からはみ出した接着剤421は、流路部材210の溝部の中、つまり、記録素子基板10の裏面に留まる。したがって、互いに隣接する記録素子基板10間の距離である素子間距離404を小さくしても、接着剤が記録素子基板10の表面413まで這い上がることを抑制することができる。このため、互いに隣接する記録素子基板10のそれぞれに設けられた吐出口列の走査方向に関するズレ幅を低減することが可能になる。したがって、記録素子基板10と流路部材210との接合に接着剤420を用いた場合でも、記録される画像の隣接部に対応する箇所のムラ等の不具合を低減することが可能になり、その結果、高画質な画像を形成することが可能となる。
特に、接着剤420を厚塗りする必要がある場合、接合面411からはみ出す接着剤421の量が多くなるため、上記の効果が大きい。接着剤420を厚塗りする必要がある場合としては、記録素子基板10と流路部材210の接合面411の面精度が低い場合が挙げられる。面精度が低いと、接合強度を上げたり、流路部材210内を流れる液体のリークを防止したりするためには、接合面411の凹凸を吸収できる十分な量の接着剤420が必要となるからである。本願発明者等の実験では、流路部材210の接合面411の凹凸が50μm以上の場合、接着剤420の塗布厚みが150μmあれば、十分な接合強度を確保しつつ、液体のリークを抑制することができた。この場合、上記構成により、記録素子基板10間の素子間距離404を30μmにしても、接着剤421が表面413に這い上がることを抑制することができた。このときの溝部の幅は500μm、深さは500μmとした。
また、接着剤420を厚塗りする必要がある場合としては、流路部材210が長尺方向に反っている場合が挙げられる。図17は、流路部材210が長尺方向に反っている場合における液体吐出ヘッドの側面図である。
図17に示すように流路部材210が長尺方向に反っている場合、複数の記録素子基板10のそれぞれを表面413が同一平面上に形成されるためには、記録素子基板10毎に流路部材210との接合のための接着剤の厚みを変える必要がある。この場合、接着剤420を厚塗りする必要がある箇所が生じる。例えば、流路部材210の反りの高さが50μmの場合、接着剤420の厚みが10μm程度でよい箇所から60μm程度必要な箇所がある。したがって、接着剤420の塗布時に接着剤420の厚みを70μm程度とした場合、接着剤420が60μm程押しつぶされる箇所がある。この場合、多くの余分な接着剤420が記録素子基板10の周囲にはみ出してしまう。このような場合でも、本実施形態の液体吐出ヘッド3では、接着剤421が表面413に這い上がることを抑制することができる。
溝部400は、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部に対応する箇所以外に設けられてもよい。例えば、溝部400は流路部材210における記録素子基板10の外周部に対応する箇所に設けられてもよい。この場合、例えば、記録素子基板10における他の記録素子基板10と隣接していない辺の近傍に吐出口13が配置され、かつ、その辺の近傍の流路部材210に電気配線基板等を配置する場合などに有効である。具体的には、溝部400が備わっていることで、電気配線基板等に接着剤がはみ出ることを抑制することが可能になる。
流路部材210における記録素子基板10が並設された箇所の長さは、記録装置1000にセット可能な被記録媒体2の最大幅以上になっていることの望ましい。この場合、記録素子基板10間の隣接部に対応する箇所の画像を高画質にしつつ、その高画質な画像を被記録媒体2の幅方向全体に記録することが可能になる。
図18及び図19は、本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す図である。図18は、液体吐出ヘッドの概略図である。具体的には、図18(a)は、液体吐出ヘッドの斜視図であり、図18(b)は、液体吐出ヘッドの分解斜視図である。また、図19は、互いに隣接する記録素子基板の概略図である。具体的には、図19(a)は、液体吐出ヘッドの上面図であり、図19(b)は、図19(a)のC−C線に沿った断面図である。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、図18及び図19に示すように、第1の実施形態の液体吐出ヘッドと比較して、記録素子基板10と支持部材30との間に蓋部材20が設けられている点で異なる。また、本実施形態の液体吐出ヘッドでは、吐出口13に液体を供給するための裏面供給路430が記録素子基板10の裏面に設けられており、蓋部材20は裏面供給路430の蓋として機能する。さらに裏面供給路430に液体を供給するための供給口17aが蓋部材20に設けられている。供給口17aは、例えば、流路部材210内に設けられた流路と連通している。蓋部材20は流路部材210よりも薄いことが望ましい。
また、本実施形態の液体吐出ヘッド3では、記録素子基板10の端部における溝部400の上に突き出した箇所にも吐出口13が配置されている。裏面供給路430が蓋部材20で覆われるので、この溝部400の上に突き出した箇所の吐出口13にも液体を供給することができる。
なお、裏面供給路430の蓋である蓋部材20は、記録素子基板10と同等の加工精度で加工が可能となるように、流路部材210よりも厚みの小さい部材となっている。例えば、蓋部材20は、シリコン基板を加工することで形成することができ、この場合、蓋部材20の厚みは1mm以下にすることができる。シリコン基板の加工には、リソグラフィによる加工、ウエハ加工用のブレードダイシングによる加工またはレーザー加工を用いることが可能であり、これらの場合、記録素子基板10の加工精度と同等な加工精度が得られる。また、蓋部材20は、樹脂フィルムを加工することで形成することができ、この場合、蓋部材20の厚みは0.1mm以下にすることができる。樹脂フィルムの加工には、シリコン基板の加工と同様に、リソグラフィによる加工、ウエハ加工用のブレードダイシングによる加工またはレーザー加工を用いることが可能であり、これらの場合、記録素子基板10の加工精度と同等な加工精度が得られる。さらに、記録素子基板10と蓋部材20とは、液体の接着剤を用いずに互いに接合されることが望ましい。この場合、記録素子基板10や蓋部材20内の供給路に接着剤が入り込むことを抑制することができる。
本実施形態では、記録素子基板10における溝部400と重なる箇所、即ち記録素子基板10における溝部400の上に突き出した箇所にも吐出口13が配置されている。このため、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、互いに隣接する記録素子基板10間の互いに隣接する吐出口13の距離をさらに短くすることができる。したがって、互いに隣接する記録素子基板10間の隣接部における吐出口列のズレ幅をさらに低減することが可能になる。
例えば、第1の実施形態と同様に、互いに隣接する記録素子基板10間の素子間距離404が0.02mmの場合と、0.2mmの場合について考える。これらの場合、記録素子基板10の端から0.05mmの位置に吐出口13が配置される。記録素子基板10の斜辺の角度が45度の場合には、吐出口列のズレ幅は、約0.17mmまたは約0.42mmとなる。このため、第1の実施形態と比較して、吐出口列のズレ幅を大幅に低減することが可能になる。
以上のように本実施形態では、記録素子基板10と流路部材210とを接着剤で接合しても、互いに隣接する記録素子基板10の隣接部における被記録媒体2の走査方向の記録素子基板10間のズレ幅を低減することができる。したがって、吐出口列のズレ幅403を低減することができ、その結果、記録される画像における隣接部に対応する箇所に生じるムラ等の不具合を低減し、高画質な画像を形成することが可能になる。
なお、第1の実施形態において、本実施形態と同様に記録素子基板10における溝部400の上に突き出した箇所に吐出口13を設けることは可能である。この場合、溝部400の上に突き出した箇所の吐出口13に液体を供給するための供給路を、吐出口13が形成された面に形成する必要がある。しかしながら、この場合、供給路の高さは最大でも数十μmであるのに対して、第2の実施形態のような裏面供給路430の高さは数百μmにすることができる。したがって、第2の実施形態の方が記録素子基板10における溝部400の上に突き出した箇所に設けられた吐出口13に液体を十分に供給しやすく、記録される画像における隣接部に対応する箇所をより高画質にすることができる。
また、裏面供給路430が形成されている裏面とは、記録素子基板10における吐出口13が形成された面の実質的な裏面である。つまり、記録素子基板10が複数の基板を重ねた構造の場合、裏面とは、吐出口13が形成された基板の、吐出口13が形成された面の裏面ではなく、記録素子基板10全体の吐出口13が形成された面の裏面である。
また、互いに隣接する記録素子基板10間の距離と、互いに隣接する蓋部材20間の距離とは、図19の例では等しいが、記録素子基板10間の距離が蓋部材20間の距離よりも短くてもよい。
図20は、第5の実施形態の液体吐出ヘッドの製造工程を説明するためのフローチャートである。
先ず、液体を発泡させるための記録素子15のような必要な回路などが形成された記録素子基板10に対して吐出口13を形成する吐出口形成工程が行われる(ステップS501)。このとき、記録素子基板10は、ウエハの状態である。続いて、記録素子基板10の裏面に裏面供給路430を形成する裏面供給路形成工程が行われる(ステップS502)。さらに、記録素子基板10の裏面に蓋部材20を形成する蓋部材形成工程が行われる(ステップS503)。その後、記録素子基板10の外形を加工して、記録素子基板10をウエハの状態からチップの状態にする切断工程が行われる(ステップS504)。さらに蓋部材20と流路部材210が対向するように記録素子基板10を流路部材210に接合する接合工程が行われる(ステップS505)。
以上のように、接合工程(ステップS505)の前に、蓋部材形成工程(ステップS503)によって記録素子基板10の裏面に蓋部材20が形成されることで、第2の実施形態の液体吐出ヘッドを作成することができる。したがって、記録素子基板10と流路部材210との接合に接着剤を用いる場合であっても、互いに隣接する記録素子基板10の走査方向におけるズレ幅を低減して、吐出口列のズレ幅を低減することができる。よって、記録される画像の、記録素子基板10の隣接部に対応する箇所で生じるムラ等の不具合を低減し、高画質な画像を形成することが可能となる。
蓋部材20がシリコン基板で形成される場合、ウエハ状態の記録素子基板10にウエハ状態のシリコン基板で形成された蓋部材20を接合することができる。このため、チップ状態の記録素子基板10のそれぞれに対して蓋部材20を接合するよりも工程数を削減することが可能となる。
また、蓋部材20は樹脂フィルムで形成される場合、ウエハ状態の記録素子基板10にフィルム状態の樹脂をラミネートすることで蓋部材20を接合することができる。このため、シリコン基板で形成される場合と同様に、チップ毎に蓋部材20を接合するよりも工程の削減が可能となる。
なお、本実施形態で説明した製造工程は単なる一例であって、これに制限されるものではない。例えば、吐出口形成工程(ステップS501)、裏面供給路形成工程(ステップS502)、蓋部材形成工程(ステップS503)及び切断工程(ステップS504)の順序は、本実施形態に限定されるものではない。接合工程(ステップS505)の前に蓋部材形成工程(ステップS503)があればよい。
10 記録素子基板
13 吐出口
20 蓋部材
210 流路部材
400 溝部
Claims (12)
- 液体を吐出する吐出口を備えた複数の記録素子基板と、前記複数の記録素子基板が並設された流路部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記流路部材における、互いに隣接する前記記録素子基板の隣接部に面して開口する溝部が形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記記録素子基板が並設された長尺方向における前記溝部の幅は、互いに隣接する記録素子基板の間の距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記記録素子基板における前記溝部と重なる箇所に前記吐出口が備わっていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記記録素子基板における前記流路部材の側の面に形成された、前記液体を前記吐出口に供給する流路と、前記記録素子基板と前記流路部材との間に設けられ、前記流路を覆う蓋部材とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記蓋部材は、前記流路部材よりも薄いことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記蓋部材の厚みは、1mm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記蓋部材の厚みは、0.1mm以下であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記蓋部材は、シリコン基板または樹脂フィルムで形成されることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する記録素子と、前記記録素子を内部に備える圧力室と、前記圧力室に液体を供給するための供給流路と、前記圧力室から液体を回収するための回収流路とを備え、前記圧力室内の液体は前記供給流路及び前記回収流路を介して外部との間で循環されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする液体吐出装置。
- 前記液体吐出ヘッドは、当該液体吐出装置にセットされた被記録媒体に対して前記吐出口から液体を吐出し、
前記複数の記録素子基板が並設された長さは、当該液体吐出装置にセット可能な前記被記録媒体の最大幅以上である、請求項10に記載の液体吐出装置。 - 請求項4ないし8いずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記蓋部材を前記記録素子基板における前記流路が形成された面に接合する工程と、
前記蓋部材を接合した前記記録素子基板を、前記蓋部材と前記流路部材とが互いに対向するように前記流路部材に接合する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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