JP2017121723A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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健治 ▲高▼橋
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充 千田
Mitsuru Senda
充 千田
光則 利重
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光則 利重
史朗 朱雀
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Noriyasu Ozaki
範保 尾崎
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真 照井
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Abstract

【課題】吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを提供できる液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。【解決手段】支持基板の上に第一の膜からなる犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層の上に第二の膜からなる、液体の流路を形成する流路形成部材を形成する工程と、前記犠牲層および前記流路形成部材を覆うように、液体の吐出口を有する第三の膜を形成し、前記支持基板および前記第一から第三の膜を有する第一の部材を得る工程と、前記第一の部材と、エネルギー発生素子および供給路を有する基板である第二の部材とを接合する工程と、前記犠牲層を除去し、前記第二の部材と接合された前記第一の部材から前記支持基板を除去する工程と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録装置等は、液体を吐出する液体吐出ヘッドを有する。液体吐出ヘッドは、一般的に、基板と、液体を吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、液体を吐出する吐出口を有する吐出口形成部材(オリフィスプレート)とを有する。該吐出口と該エネルギー発生素子との距離は一定である方が液体の吐出性能が安定する点、また、液体のワイピング性の点から、平坦な面を有する吐出口形成部材が望まれている。
特許文献1では、以下の液体吐出ヘッドの製造方法が提案されている。まず、流路の型材を形成し、該型材を覆うように、シード層およびめっき膜を形成する。その後、該めっき膜の上面からCMP(化学機械研磨)によって研磨し、吐出口が露出するまで平坦化させる。
特開2005−231115号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、研磨により吐出口形成部材を形成しているため、特に薄い吐出口形成部材を形成しようとする場合、吐出口形成部材に割れや変形が生じる場合があり、さらに改良する余地があった。本発明は、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを提供できる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、支持基板の上に第一の膜からなる犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層の上に第二の膜からなる、液体の流路を形成する流路形成部材を形成する工程と、前記犠牲層および前記流路形成部材を覆うように、液体の吐出口を有する第三の膜を形成し、前記支持基板および前記第一から第三の膜を有する第一の部材を得る工程と、前記第一の部材と、エネルギー発生素子および供給路を有する基板である第二の部材とを接合する工程と、前記犠牲層を除去し、前記第二の部材と接合された前記第一の部材から前記支持基板を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを提供できる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
本発明に係る方法により製造される液体吐出ヘッドの一例を示す斜視図である。 本発明に係る方法により製造される記録素子基板の一例を示す斜視図である。 第一の実施形態に係る方法の各工程を示す断面図である。 第二の実施形態に係る方法の一工程を示す断面図である。 第三の実施形態に係る方法の各工程を示す断面図である。 第四の実施形態に係る方法の各工程を示す断面図である。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、以下の各工程を含む。支持基板の上に第一の膜からなる犠牲層を形成する工程。前記犠牲層の上に第二の膜からなる、液体の流路を形成する流路形成部材を形成する工程。前記犠牲層および前記流路形成部材を覆うように、液体の吐出口を有する第三の膜を形成し、前記支持基板および前記第一から第三の膜を有する第一の部材を得る工程。前記第一の部材と、エネルギー発生素子および供給路を有する基板である第二の部材とを接合する工程。前記犠牲層を除去し、前記第二の部材と接合された前記第一の部材から前記支持基板を除去する工程。
本発明に係る方法では、前記第三の膜が吐出口形成部材となるため、前記第三の膜を形成する際の前記第三の膜の厚さにより、吐出口形成部材の厚さが決定される。前記第三の膜を形成する際には、特許文献1に記載の方法のように研磨等を行う必要がないため、吐出口形成部材の厚さを薄くする場合にも、吐出口形成部材の割れや変形を抑制できる。したがって、本発明に係る方法では、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができる。本発明に係る方法は、液体としてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの製造方法として好適に用いることができる。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
本発明に係る方法により製造される液体吐出ヘッドの一例を図1に示す。図1に示される液体吐出ヘッド102は、記録素子基板300と、記録素子基板300の一部である基板103の周囲に設けられた封止部材111と、を有する。記録素子基板300は、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子130を複数有する基板103と、エネルギー発生素子130に対応して設けられた吐出口110を有する吐出口形成部材109と、を有する。また、記録素子基板300には、吐出口110と連通する液体の流路113が設けられている。記録素子基板300は、支持部材105により支持固定されている。封止部材111は基板103の外周に設けられ、基板103の側面である端面の少なくとも一部に接して設けられている。これにより、液体が基板103の側面である端面に接することを防ぐことができる。また、封止部材111は、支持部材105とも接している。記録素子基板300と電気配線部材101とは、リード106により接続されている。リード106はリード封止部材112によって封止されている。
図2に、図1に示される記録素子基板300の斜視図を示す。基板5には、半導体製造技術を用いて、液体を発泡させるためのエネルギー発生素子6と、それを駆動させる駆動回路(不図示)などが形成されている。また、基板5の両面を連通する液体の供給路7が形成されている。基板5の上には、エネルギー発生素子6に対応して設けられた液体を吐出するための吐出口9を有する吐出口形成部材8が設けられている。供給路7から供給された液体は、エネルギー発生素子6の駆動により発泡し、その圧力を利用して吐出口9から吐出される。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の各実施形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を、図3を用いて説明する。図3(a)から(f)は、図2に示される記録素子基板をX−X’で切断した断面を示しており、本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法における各工程を示す。
まず、図3(a)に示されるように、支持基板11の上に犠牲層である第一の膜10を形成する。支持基板11には、例えばシリコン基板を用いることができる。支持基板11の厚さは、400μm以上800μm以下であることが好ましい。第一の膜10は後の工程で除去されるため、第一の膜10の材料としては溶出などにより除去可能な材料を用いることができる。該材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)、Al、ポリシリコン等の無機材料を用いることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。第一の膜10の厚さは0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましい。例えば第一の膜10の材料としてSiOを用いる場合には、第一の膜10は例えばSiHとNOとの混合ガスを用いたプラズマCVD法で形成することができる。プラズマCVD法の条件は、第一の膜10の厚さ等によって適宜選択することができる。
次に、図3(b)に示されるように、第一の膜10の上に、液体の流路を形成する流路形成部材である第二の膜12を形成する。第二の膜12は、無機材料を含むことが、液体の流路壁を補強できるため好ましい。吐出口形成部材を薄く形成すると、液体の流路壁も薄くなるが、第二の膜12が無機材料を含むことにより、吐出口形成部材や液体の流路壁の割れや変形を抑制することができる。第二の膜12が無機材料を含む場合、第二の膜12中の無機材料の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち第二の膜12が無機材料からなることがさらに好ましい。無機材料としては、例えばSiC、SiN、SiCN、SiO等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
一方、第二の膜12は、有機材料を含むことが、液体の流路壁にかかる応力を緩和することができるため好ましい。第二の膜12が有機材料を含む場合、第二の膜12中の有機材料の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち第二の膜12が有機材料からなることがさらに好ましい。有機材料としては、例えばエポキシ樹脂を含有するネガ型レジスト等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
第二の膜12の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。例えば第二の膜12の材料としてSiCを用いる場合には、第二の膜12は例えば以下の方法により形成することができる。SiHとCHとの混合ガスを用いたプラズマCVD法で、SiCからなる膜を形成した後、該膜の上にポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、流路のパターンを有するエッチングマスクを作製する。次に、該エッチングマスクを介して反応性イオンエッチングを行うことによって、該SiCからなる膜に流路のパターンを形成し、該エッチングマスクを剥離することで、第二の膜12が得られる。プラズマCVD法の条件は、第二の膜12の厚さ等によって適宜選択することができる。
次に、図3(c)に示されるように、第一の膜10および第二の膜12を覆うように、液体の吐出口を有する第三の膜13を形成する。これにより、支持基板11、第一の膜10、第二の膜12および第三の膜13を有する第一の部材14が得られる。第三の膜13は吐出口形成部材であるため、第三の膜13の厚さを制御することで、吐出口形成部材の厚さを制御することができる。第三の膜13の厚さは、2μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがより好ましく、3μm以上20μm以下であることがさらに好ましく、4μm以上10μm以下であることが特に好ましい。
第三の膜13は吐出口を形成する部材であり、吐出口が開口する面をより平坦にするためには、第二の膜12、第三の膜13を無機材料で形成することが好ましい。すなわち、第二の膜12および第三の膜13の少なくとも一方が無機材料を含むことが好ましい。第三の膜13が無機材料を含む場合、第三の膜13中の無機材料の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち第三の膜13が無機材料からなることがさらに好ましい。無機材料としては、第二の膜12における無機材料と同様の材料を用いることができる。
一方、第三の膜13は、流路を流れる液体に直接触れることになるため、該液体に対して不溶性の膜であることが、該液体の自由度を向上させることができる観点から好ましい。ここで、液体に対して不溶性とは、20℃の液体に対する溶解度が1g/100gよりも小さいことをいう。液体がインクである場合、インクに対して不溶性の膜としては、例えばSiCN、SiN、SiO等からなる膜が挙げられる。
例えば第三の膜13の材料としてSiCを用いる場合には、第三の膜13は例えば以下の方法により形成することができる。SiHとCHとの混合ガスを用いたプラズマCVD法で、SiCからなる膜を形成した後、該膜の上にポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、吐出口のパターンを有するエッチングマスクを作製する。次に、該エッチングマスクを介して反応性イオンエッチングを行うことによって、該SiCからなる膜に吐出口のパターンを形成し、該エッチングマスクを剥離することで、第三の膜13が得られる。プラズマCVD法の条件は、第三の膜13の厚さ等によって適宜選択することができる。第三の膜13の材料としてSiCNを用いる場合にも、同様の方法により形成することができる。このように、本発明に係る方法では、吐出口形成部材である第三の膜13の形成時に、研磨等を実施する必要がないため、負荷をかけずに容易に薄い吐出口形成部材を形成することができ、吐出口形成部材の割れや変形を抑制できる。また、吐出口形成部材の厚さを容易に調整することができる。
次に、図3(d)に示されるように、エネルギー発生素子6および液体の供給路7を有する基板16である第二の部材17を製造する。基板16には、例えばシリコン基板を用いることができる。基板16がシリコン基板である場合、供給路7はシリコンエッチングにより形成することができる。基板16の上には、図3(d)に示されるように、中間層15を形成してもよい。中間層15は、後述する第一の部材14と、第二の部材17との接合において密着層として機能し、第一の部材14との接合部に形成することができる。中間層15の材料としては有機材料を用いることができ、例えばポリアミド等を用いることができる。中間層15の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。中間層15の材料がポリアミドである場合、例えば以下の方法により中間層15を形成することができる。基板16の上にポリアミドをスピンコート法により塗布し、その上にポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことでエッチングマスクを作製する。その後、該エッチングマスクを介して磁気中性線プラズマエッチングを行うことで、ポリアミドの層にパターンを形成し、該エッチングマスクを剥離することで、中間層15を形成できる。
次に、図3(e)に示されるように、第一の部材14と、第二の部材17とを接合する。具体的には、第一の部材14の第三の膜13が第二の部材17と対向するように、第一の部材14と、第二の部材17とを接合する。本実施形態では基板16の上に中間層15を形成しているため、第一の部材14と、第二の部材17とは中間層15を介して接合される。中間層15の材料としてポリアミドを用いる場合には、例えば第一の部材14と、第二の部材17とを接触させた状態で、100〜300℃に加熱して中間層15を硬化させることで、第一の部材14と第二の部材17とを接合することができる。
次に、図3(f)に示されるように、犠牲層である第一の膜10を除去し、第二の部材17と接合された第一の部材14から支持基板11を除去する。第一の膜10の材料として溶出可能な材料を用いる場合には、第一の膜10を溶出することで、支持基板11を除去することができる。本発明に係る方法では、図3(c)で示される工程において、先に吐出口9のパターンを形成しているため、第一の膜10を溶出させるための除去液の回り込みが良く、第一の膜10の除去性が高い。第一の膜10の材料としてSiOを用いる場合には、該除去液としては例えばバッファードフッ酸を用いることができる。
以上の工程によって、本実施形態に係る液体吐出ヘッドが製造される。本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、第三の膜13形成時の第三の膜13の厚さで吐出口形成部材の厚さが決定する。したがって、CMPなどの吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質な液体吐出ヘッドを製造することができる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、前記第一の実施形態における、図3(f)に示される、支持基板11を除去する工程の後に、図4に示されるように、第三の膜13の上に撥液層18を形成する工程をさらに含む。図4では、流路形成部材である第二の膜12の上にも撥液層18が形成されている。それ以外は、第一の実施形態と同様である。第三の膜13の上に撥液層18を形成することで、吐出口形成部材の吐出口が開口する側の面(第一の面)に撥液性を持たせることができ、液体の吐出性能を安定させることができる。撥液層18の材料としては、例えばフッ素系の樹脂を含有した材料等を用いることができる。より具体的には、例えばパーフルオロアルキル基を有するシランの縮合物や、パーフルオロポリエーテル基を有するシランの縮合物を含有した材料が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。撥液層18の厚さは、0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましい。撥液層18は、例えば以下の方法により形成することができる。感光性のある撥液材からなるドライフィルムを、第二の膜12および第三の膜13の上にラミネートし、該ドライフィルムの上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで吐出口9を形成する。
(第三の実施形態)
第三の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を、図5を用いて説明する。図5(a)から(g)に示される各工程は、第一の実施形態における図3(a)から(f)に示される各工程において、図3(a)で示される工程の後であって、図3(b)で示される工程の前に、図5(b)で示される工程が追加されている。すなわち、第三の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、犠牲層である第一の膜10を形成する工程の後であって、流路形成部材である第二の膜12を形成する工程の前に、第一の膜10の上に撥液層18を形成する工程をさらに含む。それ以外の工程は第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態に係る方法では、吐出口形成部材(第三の膜13)に負荷をかけることなく、撥液層18を形成することができる。撥液層18の材料および厚みについては、第二の実施形態と同様であることができる。撥液層18は、例えばスパッタ法によりフッ素含有ダイヤモンドライクカーボン(F−DLC)からなる層を形成することで得られる。
(第四の実施形態)
第四の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を、図6を用いて説明する。図6(a)から(f)に示される各工程は、第一の実施形態における図3(b)に示される工程において、流路のパターンと、補強部材のパターンとを有する第二の膜12を形成する以外は、第一の実施形態と同様である。図6(f)に示されるように、吐出口形成部材である第三の膜13が補強部材19を形成することによって、基板変形時に吐出口形成部材の剛性を高めることができ、吐出口形成部材の割れや変形をより抑制することができる。補強部材19は2列の吐出口9の間に形成されることができる。補強部材19の大きさは特に限定されないが、例えば幅が5.0μm以上100.0μm以下、高さが5.0μm以上20.0μm以下であることが好ましい。また、補強部材19にはスリットが入っていてもよい。
[実施例1]
図3(a)〜(f)に示される工程により、液体吐出ヘッドを製造した。まず、図3(a)に示されるように、支持基板11の上に犠牲層である第一の膜10を形成した。支持基板11には、シリコンの単結晶で形成されたシリコン基板を用いた。第一の膜10はSiOからなり、その厚さは3.0μmであった。第一の膜10はプラズマCVD法で形成した。形成条件は、SiHガス流量:100sccm、NOガス流量:2000sccm、HRF電力:250W、LRF電力:100W、圧力:200Pa、温度:420℃であった。
次に、図3(b)に示されるように、第一の膜10の上に、流路形成部材である第二の膜12を形成した。第二の膜12はSiCからなり、その厚さは5.0μmであった。初めに、厚さ5.0μmのSiCからなる膜をプラズマCVD法で形成した。形成条件は、SiHガス流量:500sccm、CHガス流量:1000sccm、HRF電力:600W、LRF電力:200W、圧力:500Pa、温度:300℃であった。次に、該SiCからなる膜の上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、流路のパターンを有するエッチングマスクを作製した。次に、該エッチングマスクを介して反応性イオンエッチングを行うことによって、該SiCからなる膜に流路のパターンを形成した。その後、該エッチングマスクを剥離することで、第二の膜12を形成した。
次に、図3(c)に示されるように、第一の膜10および第二の膜12を覆うように、吐出口形成部材である第三の膜13を形成した。第三の膜13はSiCからなり、その厚さは5.0μmであった。初めに、厚さ5.0μmのSiCからなる膜をプラズマCVD法で形成した。形成条件は、SiHガス流量:500sccm、CHガス流量:1000sccm、HRF電力:600W、LRF電力:200W、圧力:500Pa、温度:300℃であった。次に、該SiCからなる膜の上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、吐出口のパターンを有するエッチングマスクを作製した。次に、該エッチングマスクを介して反応性イオンエッチングを行うことによって、該SiCからなる膜に吐出口のパターンを形成した。その後、該エッチングマスクを剥離することで、第三の膜13を形成した。これにより、第一の部材14を製造した。
次に、図3(d)に示されるように、第二の部材17を製造した。第二の部材17では、シリコンからなる基板16上に、半導体製造技術を用いて液体を発泡させるためのエネルギー発生素子6と、それを駆動させる駆動回路(不図示)とが形成されており、さらに中間層15が配置されている。基板16には、液体を供給するための供給路7が形成されている。中間層15は、第一の部材14との接合部に形成されており、以下の方法により形成した。初めに、ポリアミドをスピンコート法により厚さ2.0μmで塗布した。次に、得られたポリアミドの層の上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、エッチングマスクを作製した。次に、該エッチングマスクを介して磁気中性線プラズマエッチングを行うことによって、該ポリアミドの層にパターンを形成した。その後、該エッチングマスクを剥離することで、中間層15を形成した。
次に、図3(e)に示されるように、第一の部材14と、第二の部材17とを接合した。具体的には、第一の部材14と、第二の部材17とを接触させた状態で、200℃に加熱して中間層15を硬化させることで、第一の部材14と、第二の部材17とを接合した。
次に、図3(f)に示されるように、第一の膜10を除去することで、第二の部材17と接合された第一の部材14から支持基板11を除去した。具体的には、第一の膜10を、バッファードフッ酸を使用して溶出させることで、第一の部材14から支持基板11を剥離させた。
以上の工程により、液体吐出ヘッドを製造した。本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。
[実施例2]
図3(b)で示される工程において、第一の膜10の上に有機材料(商品名:EHPE3150、ダイセル製、エポキシ系のネガ型レジスト)をスピンコート法により厚さ14.0μmで塗布し、露光および現像を行うことで流路のパターンを形成した。これにより第二の膜12を形成した。それ以外は実施例1と同様に液体吐出ヘッドを製造した。
本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。特に、本実施例では流路形成部材を有機材料で形成したため、基板変形時に吐出口形成部材にかかる応力を該有機材料に逃がすことができ、吐出口形成部材の割れや変形をより抑制することができた。
[実施例3]
図3(c)で示される工程において、第一の膜10および第二の膜12を覆うように、厚さ5.0μmのSiCNからなる膜をプラズマCVD法により形成した。形成条件は、SiHガス流量:500sccm、NHガス流量:200sccm、Nガス:10slm、HRF電力:250W〜900W、LRF電力:200W、圧力:500Pa、温度:300℃であった。なお、該形成条件はケイ素と炭素の含有割合に応じて適宜調整した。次に、該SiCNからなる膜の上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで、吐出口のパターンを有するエッチングマスクを作製した。次に、該エッチングマスクを介してドライエッチング(反応性イオンエッチング)を行うことによって、該SiCNからなる膜に吐出口のパターンを形成した。その後、該エッチングマスクを剥離することで、第三の膜13を形成した。それ以外は実施例1と同様に液体吐出ヘッドを製造した。
本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。特に、本実施例では、吐出口形成部材を不溶性の膜で形成したため、液体に触れる部分が耐液体性であり、液体への自由度を向上させることができた。
[実施例4]
図3(f)で示される工程の後に、図4に示されるように、第二の膜12および第三の膜13の上に撥液層18を形成した。具体的には、パーフルオロポリエーテル基を有するシラン化合物とエポキシ基を有するシラン化合物の縮合物と、エポキシ樹脂とを混合して乾燥させた厚さ5.0μmのドライフィルムを、第二の膜12および第三の膜13の上にラミネートした。ラミネート条件は、温度:70℃、圧力:0.2MPaであった。次に、該ドライフィルムの上に感光性樹脂を含むポジ型レジストを塗布し、露光及び現像を行うことで吐出口9を形成した。これにより、撥液層18を形成した。それ以外は実施例1と同様に液体吐出ヘッドを製造した。
本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。特に、本実施例では、吐出口形成部材の上に撥液層18を形成することによって、吐出口形成部材の第一の面に撥液性を持たせ、液体の吐出性能を安定させることができた。
[実施例5]
図5(a)〜(g)に示される工程により、液体吐出ヘッドを製造した。本実施例は、実施例1における図3で示される工程において、図3(a)で示される工程の後であって、図3(b)で示される工程の前に、図5(b)で示される第一の膜10の上に撥液層18を形成する工程をさらに含む。それ以外は、実施例1と同様であるため、その他の工程に関する説明は省略する。図5(b)で示される工程において、撥液層18はフッ素含有ダイヤモンドライクカーボン(F−DLC)からなり、その厚さは1.0μmであった。撥液層18はスパッタ法によって形成した。形成条件は、DCパワー密度:10W/cm、圧力:1.0Pa、温度:25〜500℃であった。
本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。特に、本実施例では、吐出口形成部材の上に撥液層18を形成することによって、吐出口形成部材の第一の面に撥液性を持たせ、液体の吐出性能を安定させることができた。
[実施例6]
図6(a)〜(f)に示される工程により、液体吐出ヘッドを製造した。本実施例では、実施例1における図3(b)で示される工程において、流路のパターンと、補強部材のパターンとを有する第二の膜12を同様の方法により形成した以外は、実施例1と同様に液体吐出ヘッドを製造した。補強部材19は2列の吐出口9の間に形成され、幅は50.0μm、高さは10.0μmであった。
本実施例に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、吐出口形成部材に応力がかかる工程がないため、吐出口形成部材の割れや変形を抑制でき、高品質の液体吐出ヘッドを製造することができた。特に、本実施例では、吐出口形成部材が補強部材19を形成することによって、基板変形時に吐出口形成部材の剛性を高めることができ、吐出口形成部材の割れや変形をより抑制することができた。
5、16、103 基板
6、130 エネルギー発生素子
7 供給路
8、109 吐出口形成部材
9、110 吐出口
10 第一の膜(犠牲層)
11 支持基板
12 第二の膜(流路形成部材)
13 第三の膜
14 第一の部材
15 中間層
17 第二の部材
18 撥液層
19 補強部材
101 電気配線部材
102 液体吐出ヘッド
105 支持部材
106 リード
111 封止部材
112 リード封止部材
113 流路
300 記録素子基板

Claims (8)

  1. 支持基板の上に第一の膜からなる犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上に第二の膜からなる、液体の流路を形成する流路形成部材を形成する工程と、
    前記犠牲層および前記流路形成部材を覆うように、液体の吐出口を有する第三の膜を形成し、前記支持基板および前記第一から第三の膜を有する第一の部材を得る工程と、
    前記第一の部材と、エネルギー発生素子および供給路を有する基板である第二の部材とを接合する工程と、
    前記犠牲層を除去し、前記第二の部材と接合された前記第一の部材から前記支持基板を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第二の膜および前記第三の膜の少なくとも一方が無機材料を含む請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第二の膜が有機材料を含む請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第三の膜が、前記流路を流れる前記液体に対して不溶性の膜である請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記支持基板を除去する工程の後に、前記第三の膜の上に撥液層を形成する工程をさらに含む請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記犠牲層を形成する工程の後であって、前記流路形成部材を形成する工程の前に、前記犠牲層の上に撥液層を形成する工程をさらに含む請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第三の膜が補強部材を形成する請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記第三の膜の厚さが2μm以上100μm以下である請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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