JP2017120304A - スクリーン印刷用版の作製方法、スクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置、及びスクリーン印刷用版の製版装置 - Google Patents

スクリーン印刷用版の作製方法、スクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置、及びスクリーン印刷用版の製版装置 Download PDF

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【課題】熟練した技術を必要とせず、版に気泡を生じさせることなく、短時間で簡単にスクリーン印刷用版を作成できる方法及び装置を提供する。【解決手段】活性エネルギー線透過性であるフィルム(2)の上に紗(1)を載置させた状態で、紗(1)の開口を埋めるように感光液(3)を充填してなる積層体(10)を用い、前記積層体(10)の前記フィルム(2)側と反対側の面の雰囲気を不活性ガスで置換した状態で、前記積層体(10)の前記フィルム(2)の側から版下(4)を介して活性エネルギー線を照射した後、前記積層体(10)から前記フィルム(2)を剥がし、前記感光液(3)を溶解する液体で未硬化の感光液(3)を除いてスクリーン印刷用版を得ることからなる、スクリーン印刷用版の作製方法。【選択図】図1

Description

本発明は、不活性ガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射して行うスクリーン印刷用版の作製方法、該方法に用いられる不活性ガス層生成装置、及び、該方法に用いられる製版装置に関する。
スクリーン印刷は、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷に比べ、インク転移量が多くできる印刷方式であり、その特徴を生かして、Tシャツプリント等の捺染印刷分野で広く使われている。しかし、スクリーン印刷を行うには、原稿から、版下フィルムを作製し、版下フィルムと感光性樹脂塗膜とを密着し露光機で露光し、現像してスクリーン印刷用版を作製することが必要であり、換言すれば、多くの工程が必要であるとともに、各工程で要求される設備も必要になり、多くの時間と熟練した技術が必要である。したがって、スクリーン印刷は、未だ一般の人が手軽に印刷できる印刷方法とは言えない。
従来公知の一般的なスクリーン印刷用版の作製方法としては、直接法、間接法、直間法が知られている。
直接法は、次のようにして行われる。まず、一般的に水溶性の感光液を、枠張りした紗の表面に塗布し、乾燥させることにより、紗の上に感光性樹脂膜を形成させる。その後、該感光性樹脂膜の上に版下を重ね、版下側から紫外線を照射し、版下を透過した紫外線で感光性樹脂膜を硬化させる。次いで、水で未硬化の感光性樹脂膜を除去することでスクリーン印刷用版を得る。この方法では、枠張りした紗の上に感光液を均一に塗工し、均一な感光性樹脂膜を作製するのに、熟練した技術が必要であり、また、感光液を乾燥させるための時間が必要になり、簡単に短時間でスクリーン印刷用版を作製することはできない。
間接法は、次のようにして行われる。まず、フィルム上に水溶性の感光液を予め塗工し乾燥させて感光性樹脂膜を形成したフィルムと版下とを重ね、版下側から紫外線を照射し、版下のネガ画像に当たる感光性樹脂膜を硬化させる。次に、水で未硬化の感光性樹脂膜を除去することにより得られた硬化感光性樹脂膜を、水で膨潤している間に、枠張りした紗に強く押しつけて乾燥させた後、透明フィルムを剥離することにより、紗に硬化した感光性樹脂膜が転写されたスクリーン印刷用版を得る。この方法では、感光液を塗布する技術は不要になるが工程数が増え、また、硬化感光性樹脂膜を紗に転写させるのに技術が必要であり、版の作製に時間がかかり、また、版の耐久性も良くない。
直間法は、次のようにして行われる。まず、水溶性の感光液を予めフィルム上に均一に塗工し乾燥させて形成した感光性樹脂膜の上に、枠張りした紗を水で濡らした状態で圧着させる。そして、乾燥後、フィルムを剥がすことにより、枠張りした紗の上に感光性樹脂膜層を設ける。後は直接法と同様にしてスクリーン印刷用版を作製する。この方法では、感光液を塗布する技術は不要になるが、感光性樹脂膜を圧着させるのに技術が必要であり、感光液の乾燥に時間がかかり、また、紗のメッシュにより感光性樹脂膜の膜厚が異なるため、各種膜厚の感光性樹脂膜を備えたフィルムを用意しなければならず、また、版の耐久性も良くない。
特開昭53−91804号公報には、常温で固体状の感光性樹脂を溶剤または水に溶解させた感光液をスクリーンに塗布し乾燥してスクリーン目をふさいだ後、液状の感光性樹脂を塗工し、版下を重ね、露光現像する方法が開示されている。しかし、この方法では、操作工程が煩雑で時間がかかり、また、液状の感光性樹脂層の膜厚を均一にすることが難しい。
特開平7−319166号公報には、版下フィルムの上に液状の感光性樹脂を塗布し、版下フィルムの下から活性光線を露光した後、酸素障害で未硬化状態のままになっている感光性樹脂の上面に紗を置き、その上に酸素不透過性のフィルムを置いて活性光線を露光することにより、紗と硬化樹脂を接着する方法が開示されている。しかし、この方法は、工程が煩雑で時間もかかり、酸素不透過性のフィルムの密着性が悪いと製版状態が悪くなる。
別のスクリーン印刷用版の作製方法として、感熱製版方式のスクリーン製版がある。紗とフィルムが張り合わされたものを、サーマルヘッドの熱でフィルムに孔を開け製版する方式である。この方法では、熟練した技術は必要なく、製版時間も短い。但し、フィルムのカスが紗に絡まって残るため、インク通過性が感光液で作製したものと比べて悪い。また、製版装置が高価である。
上記問題点を解決する方法として、本願出願人は、2つのカバーフィルムの間に、紗を挟持するとともに感光液を充填してなる積層体を用意し、該積層体の一方のカバーフィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射した後、上記2つのカバーフィルムを剥がし、前記感光液を溶解する液体で未硬化の前記感光液を除くことからなる、スクリーン印刷用版の作製方法を既に特許出願している(特願2015−243032)。この方法は、技術を必要とせず簡単に製版できるという利点がある一方で、2枚のカバーフィルムが必要であり、上記積層体を得るために、一方のカバーフィルムの上に紗を載置して過剰の感光液を紗に含浸させた後、他方のカバーフィルムを重ねてスキージ等で過剰な感光液を押し出しながらラミネートする必要があり、その際、該カバーフィルムと感光液との間にわずかな空気が気泡となって残る場合があり、この気泡が硬化不良の原因となり、版にピンホールを生じさせることがあった。
特開昭53−91804号公報 特開平7−319166号公報
本発明は、熟練した技術を必要とせず、上記のような気泡を生じさせることなく、短時間で簡単にスクリーン印刷用版を作成できる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的の下に鋭意研究した結果、カバーフィルムの上に紗を載置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体を用い、該積層体の上記カバーフィルム側と反対側の感光液が露出した面の雰囲気を不活性ガスで置換した状態で、該積層体の前記カバーフィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一局面によれば、活性エネルギー線透過性であるフィルムの上に紗を載置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体を用い、前記積層体の前記フィルム側と反対側の面の雰囲気を不活性ガスで置換した状態で、前記積層体の前記フィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射した後、前記積層体から前記フィルムを剥がし、前記感光液を溶解する液体で未硬化の感光液を除いてスクリーン印刷用版を得ることからなる、スクリーン印刷用版の作製方法が提供される。
また、本発明の他の局面によれば、活性エネルギー線透過性であるフィルムの上に紗を配置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体の上に載置される枠体と、該枠体の上面を覆う板材とを備え、枠体を前記積層体の上に載置した時に、前記板材と前記積層体との間に前記枠体で囲まれた空間が形成されるようにしたスクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置が提供される。
また、本発明のさらに他の局面によれば、上記本発明のスクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置と、前記不活性ガス層生成装置で前記空間の空気を不活性ガスで置換した状態で、前記積層体の前記フィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線を照射装置とを備えてなる、スクリーン印刷用版の製版装置が提供される。
本発明のスクリーン印刷版の作製方法によれば、フィルムの上に紗を載置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体を用い、該積層体の上記フィルム側と反対側の感光液が露出した面の雰囲気を不活性ガスで置換した状態で、該積層体の前記フィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射することとしたので、その後に未硬化の感光液を溶解するのみでスクリーン印刷用版が得られ、特別な技術も必要とせず、均一の厚みの膜面を持ったスクリーン版が、簡単に短時間で作製できる。また、不活性ガス雰囲気下で露光するので、感光液の硬化に際して酸素障害が起こらず感光液の硬化性が良好となり、また、ピンホールの発生も大幅に低減し、さらには、スクリーン印刷版の印刷面側はフィルムに密着した状態で硬化するので、平滑性が高く、印刷性も良好になる。
また、本発明の不活性ガス層生成装置によれば、該装置の枠体を上記積層体の上に載置して、該装置の上面に設けられた板材と積層体との間に空間を形成することができ、該空間に仕切り板を配置した場合は、該空間の一端から不活性ガスを導入しつつ、この一端から他端へ仕切り板を移動させることで、上記積層体のフィルムと反対側の感光液が露出した面を不活性ガス雰囲気下に保つことができる。
また、本発明の製版装置は、上記不活性ガス層生成装置と、活性エネルギー線を照射装置とを備えているので、本発明の上記スクリーン印刷版の作製方法の実施を容易にすることができる。
本発明のスクリーン印刷用版の作製方法の工程を説明する概略図である。 図2は、本発明のスクリーン印刷用版の作製方法に用いることができる不活性ガス層生成装置の一例を示す概略斜視図である。 図2のA−A‘線に沿った断面図であり、図2の装置の動作を示す。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
1.積層体の作製方法
本発明のスクリーン印刷用版の作製方法では、活性エネルギー線透過性であるフィルムの上に紗を載置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体が使用される。この積層体は、例えば、図1に示すように、下記(1)〜(3)の工程で作製することができる。
工程(1):紗1(図示のものは枠張りされている)を用意する。
工程(2):上記紗1をフィルム2の上に載置する。その際、フィルム2の外側に版下4を予め積層しておいてもよい。また、版下4を下記工程(5)で用いる照射装置のステージガラス(図示せず)上に載置し、その上にフィルム2及び紗1を順に載置してもよい。
工程(3):上記紗1の上から感光液3をゴムへら、ローラー等の塗布手段5で押しつけながらスキージするなどの方法により、紗1の開口を埋めるように感光液3を紗1に充填して積層体10を得る。感光液は、紗の厚みとほぼ同じ厚みになるように充填されることが好ましく、その表面が平滑になるように、ゴムへら、ローラー等で塗工成形することが好ましい。
上記積層体で使用できる紗としては、スクリーン印刷用版に一般的に使用されているものが使用でき、例えば、ポリエステル、ナイロン、絹、ステンレス製のものが挙げられ、代表的にはポリエステル紗が挙げられる。硬化した感光液が絡みつきやすいように、紗を脱脂したり、紗の表面を物理的及び/又は化学的に粗くしたり、紗に表面加工及び/又は表面処理を施しても良い。また、ハレーション防止のために、紗を染料で着色しても良い。紗のメッシュ数は、特に限定されないが、30〜1200メッシュが好ましい。紗は枠に張ったものであってもよい。紗を張る枠としては、公知の枠を使用することができ、例えば、木製、金属製又は厚紙製の枠が使用できる。紗は、弛まないように適当な張力を掛けた状態で、その周縁を枠に固定することで、枠張りすることができる。
上記積層体において用いるフィルムは、活性エネルギー線透過性(例えば、波長400nm以下の紫外線透過性が良好なもの)でなければならない。フィルムは、通気性がなく、感光液によって侵されたり、感光液を浸透させたりしなければ、どのような材質でできていてもよく、扱いやすく、平滑で、平面性が確保されるものであることが好ましく、可撓性があっても良い。フィルムの代表例としては、プラスチックフィルムが挙げられ、その厚みは1ミクロン以上であれば良い。上記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルローストリアセテート(TAC)等のフィルムが挙げられるが、下記工程(6)での剥離性を考慮すると、極性の小さいポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムが適している。下記工程(5)で、積層体にフィルムの側から活性エネルギー線を照射するが、下記工程(5)での光の回り込みを防止するために、フィルム(図1ではフィルム2)の厚みは、薄いほど好ましいが、薄すぎると取扱性が劣るので、1〜100ミクロンが好ましく、2〜20ミクロンがより好ましい。
工程(3)では、図1のようにフィルム2に紗1を密着させながら、感光液3の上からゴムへら、ローラー等の押圧装置で一方向に押しつけてスキージしていくと、紗1の開口から空気や余分の感光液が排出される。この時、感光液3の厚みは、ほぼ紗1の厚みになる。特に感光液3の膜厚を調整する必要がない場合、これでほぼ均一の厚さの積層体10を作製することができる。感光液3の厚みが不均一であると、感光液層を硬化させるための活性エネルギー線の照射時間が場所により異なることになり、薄い部分は膜が薄くなり強度が弱くなったり、厚い部分は一定時間内に感光液層が硬化できず、現像時、紗から脱落したりすることがある。従って、少なくとも版下原稿の面積内は、ほぼ均一な厚みの感光液層が形成されるように留意することが好ましい。そのためには、版下、フィルム等は平滑であることが好ましく、また、ごみの付着は均一な感光液層形成の阻害要因になるので、上記工程内ではゴミが付着しないように注意する必要がある。
上記積層体10は、予め工場等で作製し、スクリーン印刷用版の作製用のスクリーン印刷用マスターとして市販してもよい。その際、感光液3が容易に硬化しないように、上記積層体10を遮光性フィルム等で包装した状態で提供することが好ましい。上記積層体10では、フィルム2の表面に画像を印刷すれば、該フィルム2が版下を兼ねることができる。この場合、上記積層体10のフィルム2の表面に印刷適性を付与するために、該表面にインク受理層を形成してもよい。
2.スクリーン印刷用版の作製方法
本発明によれば、例えば、上記積層体を下記工程(4)〜(7)のとおり使用することで、スクリーン印刷用版を作製することができる。
工程(4):不活性ガス層生成装置20を使用して、積層体10の上方、すなわち、積層体10の上記フィルム2側と反対側の感光液3が露出した面に空間30を形成し、当該空間30の雰囲気を窒素等の不活性ガスで置換し、空間30を不活性ガス雰囲気に置換した状態に維持する。
工程(5):積層体10のフィルム2の側から版下4を介して活性エネルギー線を照射する。
工程(6):積層体10から不活性ガス層生成装置20を外すとともに、フィルム2を剥離する。
工程(7):感光液3の未硬化部分を、感光液3を溶解する液体で除き、乾燥することで、紗1と感光液3の硬化体とからなるスクリーン印刷用版を得る。
版下は、通常、図示のように、フィルム2の外側に積層され、画像部が活性エネルギー線を透過させない材料で作製されたものであればよく、例えば、写真技術で作製したリスフィルムや、感熱発色方式、熱転写フィルム方式、インクジェット方式、電子写真方式等の各種方式で透明フィルム上にインクやトナー等で画像形成したものが使用できる。版下は、重ね合わせるフィルムと別体のものであってもよく、または、フィルムに接着剤等で接着されて一体化されてもよい。また、版下は、活性エネルギー線透過性のフィルムの表面に熱転写印刷、インクジェット印刷等の方法で直接画像を印刷することによりフィルムと一体化されたものであってもよく、この場合、フィルムの印刷面にはインク受理層が形成されていると好都合である。そして印刷後に印刷面を撥水処理することが好ましい。従来、版下と乳剤版の密着が悪いと、製版状態が悪くなるため、露光時に、高圧で版下と乳剤版を密着させたり、減圧装置を使い、版下と乳剤版間の空気層を除く等の特殊な操作を必要としていたが、上記のように版下がフィルムに一体化されている場合、フィルムが版下も兼ねるので、このような特殊な操作は必要なく、また、工程(5)で光の回り込みが少なくなる点でも好都合である。なお、活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、X線、γ線が挙げられるが、このうち、取扱性の点から紫外線が好ましい。
工程(6)でフィルム2を剥離する際、フィルム2と感光液3との濡れ性が良いと、剥離しにくい場合もある。剥離を容易にするために、フィルム2の表面にシリコーンを塗布する等により、表面張力を下げる処理を施しても良い。
3.不活性ガス層生成装置
上記工程(4)で使用する不活性ガス層生成装置20としては、例えば、図1(4)に示すように、通気口24付きのパンを使用できる。このパンで積層体10を覆い、積層体10の上方に略密閉された空間30を形成し、通気口24から窒素ガス等の不活性ガスを吹き込むことにより、空間30に含まれていた空気をパンと積層体10の間の僅かな隙間(通常、0.1〜2mm)から追い出して、空間30を不活性ガス雰囲気に置換することができる。
パンはどのような形状でも良いが、空間30に不活性ガスを閉じ込めておく必要があることから、パンの縁は大部分が積層体10と接していることが必要である。また、始めに空間30に存在している空気を排出することが必要なので、積層体10とパンの縁の接触部は必ずしも密着している必要はなく、上記空気の排出に必要な僅かな隙間(通常、0.1〜2mm)があることが好ましい。別法として、通気口24とは別に、空気を逃がす孔をパンに設けてもよいが、この場合、その孔から、または、積層体10とパンとの接触部から、外部の空気がパンの内部に入り込まないように、空間30内の不活性ガスによる内圧を外部気圧より高い状態で維持することが好ましい。
不活性ガスの使用量を減らすため、不活性ガス層生成装置20が作り出す空間30は小さい方が良い。不活性ガスによって空間30から空気を追い出した後は、外部からの空気の侵入を抑えるのに必要な量の不活性ガスを空間30に送るか、上記のように、空間30の内圧を外部圧力より高く保つように制御することが好ましい。不活性ガスは、入手しやすさの点から、窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましい。
また、本発明によれば、上記不活性ガス層生成装置20として、図2及び図3に示すような装置を使用することができる。図2の装置20は、矩形の枠体21と、この枠体21の上面に取り付けられた枠状のシャーシ24と、枠体21の開口部の上面を覆うようにシャーシ24に取り付けられた板材22とを備えており、枠体21が積層体10の上に載置された時、積層体10と板材22との間に枠体21で側方が囲まれた空間30a,30bが形成されるようにしている。板材22は装置20の上方から空間の内部が見えるように、透明なガラス、プラスチック等の板で作られていることが好ましい。
図2の装置20は、上記空間を2つの空間30a,30bに仕切る仕切り板23を備えている。図示の例では、仕切り板23は直方体の形状を有し、長さ寸法は空間30a,30bの内のり幅と略同一であり、高さ寸法は空間30a,30bの内のり高さと略同一であり、幅寸法は空間30a,30b全体の内のり長さの10分の1以下の寸法である。したがって、図2の装置20を積層体10の上に載置した時に仕切り板23で仕切られた2つの空間30a,30bは、相互に気体の流通が殆どない状態に保たれる。なお、仕切り板23の幅は、積層体10の製版が必要な面の幅よりよりも大きいことが好ましい。
図2の装置20は、シャーシ24に、装置20の各縁部で長さ方向に走行するベルト25a,25bが架けわたされた1対のベルトプーリー機構を備えている。そして、このベルト25a,25bの一部分に1対の磁石26a,26bを備える駆動機構26が取り付けられている。したがって、仕切り板23が金属製等の磁石で吸引される材料でできている場合、仕切り板23は駆動装置26の動きに従って、装置20の一端から他端まで移動する。この駆動装置26はベルトプーリー装置を手動で操作することにより移動させてもよく、また、モータ(図示せず)等の機械的駆動装置で移動させてもよい。
図2の装置20は下記のようにして用いることができる。図1(1)〜(3)に例示されるよう、活性エネルギー線透過性であるフィルム2の上に紗1を配置させた状態で、紗1の開口を埋めるように感光液3を充填してなる積層体10を用意し、この積層体10の上に図2の装置20の枠体21を載置する。そうすると、板材22と積層体10との間に側方が枠体21で囲まれた空間30a,30bが形成されるが、この空間30a,30bは、仕切り板23によって装置20の一端側の空間30aと他端側の空間30bに区画されている。枠板21と仕切り板23は積層体10と密着するか僅かな隙間(通常、0.1〜2mm)を残して積層体10と対向しており、これら間から気体が流通することは殆ど無いが、空間30aは板材22の一端側の端部に不活性ガス供給口31aを備え、空間30bは板材22の他端側の端部に空気排出口31bを備えている。したがって、図3(a)に示されるように、駆動装置26で仕切り板23を装置20の一端側に寄せた後、不活性ガス供給口31から不活性ガスを空間30aに供給するとともに、駆動装置26で仕切り板23を他端側に移動させる。すると、図3(b)に示されるように、仕切り板23が他端側に移動することにより、不活性ガスを含む空間30aは容積を拡大する一方で、空気を含む空間30bは空気を空気排出口31bから排出させつつ、容積を減少させる。そして、最終的には、図3(C)に示されるように、仕切り板23が他端側に到達した時点で、積層体10の上方の空間は殆ど不活性ガスで置換される。
図2の装置20では、駆動装置26を使用せず、空間30aに不活性ガスを供給するガス圧で仕切り板23を自動的に一端側から他端側に移動させてもよい。仕切り版23を駆動装置26を使用して移動させるか、手動で移動させるか、ガス圧で自動的に移動させるかに拘わらず、仕切り板23の移動速度は、「不活性ガスの供給量(体積)≧空気の排出量(体積)」を満たす速度とすることが好ましい。また、仕切り板23の移動方向前方(装置20の上記他端側)にスキージを取り付けて、図2の装置20を用いて、図1(3)の工程と図1(4)の工程を同時に行えるようにしてもよい。なお、図1(5)の工程を終了するまでは、空間30aへ少量の不活性ガスを供給し続け、空間30aを加圧状態に保つことが好ましい。
図2の装置を使用することにより、感光液を安定的に効率よく硬化させることが可能となり、また、不活性ガスの使用量を少量に抑えることができるので、コストも低減できるという効果が得られる。図2の装置に、図1(5)の工程で使用する露光装置、すなわち、図2の装置で空間30aの空気を不活性ガスで置換した状態で、積層体10のフィルム2の側から版下4を介して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置とを組み合わせることで、本願発明の製版方法の主要工程を一台の装置で実施することができるスクリーン印刷用版の製版装置が提供される。
4.感光液
感光液としては、従来スクリーン印刷用版の作製に使用されている水溶性及び非水性(非水溶性)の何れの感光液も使用できるが、作業環境を考慮すると、水溶性の感光液を使用することが好ましい。なお、本明細書において、感光液に関連して使用される「水溶性」の語には「水分散性」の意味も包含されるものとする。すなわち、本明細書でいう「水溶性感光液」には、活性エネルギー線硬化性成分が感光性液体中では均一溶解しているが、水中に溶出した際、水に溶解せず、ミセル状態になる物も含むものとする。
感光液は、大半が液体の活性エネルギー線硬化性成分から構成され、更に、色材又は少量の添加剤(光重合開始剤、重合禁止剤等)を含有してもよい。感光液は、液状成分が活性エネルギー線硬化性成分及び上記その他の成分のみで構成される無溶剤型であるのが好ましいが、硬化性に影響しないのならば、上記液状成分と相溶性のある溶剤を含有してもよい。
液体の活性エネルギー線硬化性成分としては、ラジカル重合可能な液状の(メタ)アクリル系モノマー又はオリゴマーが好ましい。また、上述のとおり、作業環境を考慮すると、活性エネルギー線硬化性成分は水溶性のものが好ましく、具体的には、水溶性の(メタ)アクリル系モノマー又はオリゴマーを一部または主成分とすることが、未硬化の樹脂成分を除くときに水で洗い流せるので好都合である。但し、活性エネルギー線硬化性成分の水溶性が強すぎると硬化後の被膜も親水性をもつため、現像後、硬化膜が弱くなり欠落が生じやすいので注意を要する。
感光液(3)は、活性エネルギー線硬化性成分として、(メタ)アクリレート系オリゴマーと(メタ)アクリレート系モノマーの両者を含有することが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性成分は露光後短時間で硬化する方がよいので、(メタ)アクリレート系オリゴマーとして2官能以上の多官能オリゴマーを含む用いることが好ましく、さらに、(メタ)アクリレート系モノマーとして2官能以上のモノマーを含むことで硬化被膜の強度もあげることができるので好ましい。また、硬化被膜は柔軟性がある方が、印刷性はよくなるので、上記モノマー及びオリゴマーとして長鎖のものを含むことが好ましい。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートが挙げられる。水溶性の(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、水溶性ウレタンアクリレート、水溶性エポキシアクリレート等が挙げられる。このうち、水溶性エポキシアクリレートは、硬化後の被膜が硬くなるため使用しにくい。また、水溶性ウレタンアクリレートとしてはポリエーテル系とポリエステル系があるが、硬化被膜に柔軟性があるポリエーテル系が好ましい。同様の理由で、水溶性の(メタ)アクリル系モノマーとしては、ポリエーテル系水溶性アクリレートモノマーが好ましい。
水溶性の(メタ)アクリル系モノマーのうち、一官能性モノマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、イソステアリルアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、2−エチルヘキシルEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、オキサゾリドンアクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロリルアクリルアミド等が挙げられる。
水溶性の(メタ)アクリル系モノマーのうち、二官能性モノマーとしては、例えば、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
水溶性の(メタ)アクリル系モノマーのうち、三官能性モノマーとしては、例えば、エトキシ化トリメチロールプロハントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート等が挙げられる。
水溶性の(メタ)アクリル系モノマーのうち、四官能性モノマーとしては、例えば、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジグリセリンEO変性アクリレート、N−〔トリス(3−アクリルアミドプロポキシメチル)メチル〕アクリルアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマー又はオリゴマーの硬化被膜は、工程(5)の活性エネルギー線照射後、工程(7)において溶剤で現像する際に溶解しない程度に耐溶剤性を備えることが必要であり、更に硬化被膜はスクリーン印刷用版として用いるに十分な柔軟性及び強度を備えることが必要である。そのため、本発明では、活性エネルギー線硬化性成分は、重量平均分子量1200以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、重量平均分子量1500以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマーがより好ましく、作業環境を考慮すると、重量平均分子量1200以上の水溶性多官能ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、重量平均分子量1500以上の水溶性多官能ウレタンアクリレートオリゴマーがより好ましい。一方、版を水や溶剤で洗浄して再利用する場合は、版の耐水性及び耐溶剤性を向上させるために、活性エネルギー線硬化性成分として重量平均分子量5000以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。また、塗工性及び溶剤での現像性の点から、該多官能ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は100000以下であることが好ましく、20000以下であることがより好ましく、9000以下であることがさらに好ましい。また、感光液の粘度は、塗工性の点から、25Pa・s以下であることが好ましく、0.1〜20Pa・sであることがより好ましい。感光液の粘度が高過ぎると、紗に薄く広げることが困難となり、低すぎると、感光液が紗に必要以上に薄く広がる場合がある。
感光液の粘度を調節するために、活性エネルギー線硬化性成分として、(メタ)アクリレート系モノマーを使用して、上記ウレタンアクリレートオリゴマーを希釈しても良い。但し、上記モノマーを多く入れすぎると硬化被膜の耐溶剤性及び強度が低下するので、上記モノマーの配合量は、活性エネルギー線硬化性成分の30質量%以下にすることが好ましい。また、上記モノマーとしては二官能以上の多官能のものも使用することもできるが、多官能モノマーを使用すると硬化被膜の柔軟性が低下し、脆くなることがあるので、一官能性モノマーを使用することが好ましく、多官能モノマーの使用はごく少量に制限することが好ましい。一方、版を水や溶剤で洗浄して再利用する場合は、版の耐水性及び耐溶剤性を向上させるために、活性エネルギー線硬化性成分として、重量平均分子量5000以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマーとともに、二官能以上の多官能モノマーを使用することができる。また、上記ウレタンアクリレートオリゴマーの粘度が高い場合、水や有機溶剤等の溶剤で希釈して粘度調整しても良い。但し、溶剤を入れすぎると硬化性が低下するので、活性エネルギー線硬化性成分の30質量%以下にすることが好ましく、30質量%以下にすることがより好ましい。
また、本発明の感光液は、硬化後、工程(6)で紗の片側にあるフィルムを剥離する際に剥離性が悪いと、硬化被膜が破壊することがあるので、フィルムに対する良好な剥離性を備える必要があり、また、工程(7)で溶剤で未硬化物を洗い落とす必要がある。この2つの要求を満たすため、本発明の感光液は水溶性感光液であることが好ましく、該水溶性感光液で使用する水溶性の活性エネルギー線硬化性成分は、親水性が高いポリエーテル系のものが好ましく、エチレンオキサイド鎖を分子中に有するものがより好ましく、特に、末端にエステル化されていない遊離のOH基を有するものが好ましい。未硬化物を水で洗い落として現像する際、硬化被膜は十分な耐水性を備えることが必要であり、更に、硬化被膜はスクリーン版として用いられ、水や他の溶剤で洗浄して再利用されるので、優れた柔軟性と高い強度を備えることが要求される。この要求を満たすために、上記水溶性感光液中の活性エネルギー線硬化性成分は、活性エネルギー線硬化性成分全体を100質量%として、70〜100質量%の重量平均分子量5000以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマー、及び、0〜30質量%の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含んでなることが好ましい。重量平均分子量5000以上の多官能ウレタンアクリレートが70%より少ないと、伸び、印刷耐久性、耐溶剤性、耐水性が悪くなる。多官能性(メタ)アクリレートモノマーが30%を超えると、硬化被膜が硬くなり、伸びも悪くなる。より好ましくは、上記水溶性感光液中の活性エネルギー線硬化性成分は、活性エネルギー線硬化性成分全体を100質量%として、75〜98質量%の重量平均分子量5000以上の多官能ウレタンアクリレートオリゴマー、及び、2〜25質量%の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも含んでなる。
感光液は添加剤として光重合開始剤を含有することができる。光重合開始剤としては、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール、α―ヒドロキシアセトフェノン、α―アミノアセトフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセン類、o−アシルオキシム型等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種単独で又は2種以上の混合物として使用できる。本発明のスクリーン用印刷版の硬化被膜の厚さは通常30μm以上となり、通常のインキ膜やコーティング膜に比べ厚いので、厚膜硬化性が良好なベンジルケタール又はベンジルケタールを含む混合物が光重合開始剤として好ましい。
感光液は、粘度が高いと、撹拌時、気泡を抱き込みやすく、また、紗に充填する際も気泡が感光液層中に抱き込まれやすく、気泡が入った状態で露光すると、気泡中に存在する酸素がラジカル重合を阻害し、ピンホールの原因になり得る。この気泡を抑えるために、感光液に消泡剤を添加することができる。感光液の粘度が高く気泡を抱き込んでも、消泡剤があると感光液を薄く塗工すると速やかに消泡し、均一な硬化塗膜を形成される。消泡剤としては、特に制限なく使用できる。
感光液は、活性エネルギー線硬化性成分の保存安定性を確保するため、添加剤として重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤としては、重合禁止作用があれば特に限定されず、例えば、ハイドロキノン系、ニトロソアミン系のものが挙げられる。
感光液は、工程(7)で現像する際に、未露光部分の洗浄除去が良好に行われているかどうかを目視で確認できるように、色材を含有してもよい。色材の色は視認性が良ければいかなる色であっても良い。但し、色材の吸収スペクトルによって露光時間を調節する必要が生じる場合がある。
色材としては染料及び顔料の何れも使用できるが、染料は、印刷時、インクと樹脂被膜との接触時に硬化被膜から溶出しやすいので、顔料を使用することが好ましい。顔料は顔料分散剤とともに直接感光液に添加し、ミルで分散してもよい。また、顔料を顔料分散剤とともに分散し、顔料分散体を感光液に添加してもよい。また、感光液が水溶性の場合、顔料分散体として顔料水分散体を使用してもよく、例えば自己分散顔料の水分散体を使用してもよい。顔料濃度は現像状態を確認できれば良いので、感光液全量の0.1〜1質量%であればよい。
4.現像用溶剤
工程(7)で未硬化の感光液を除くために使用する溶剤として、感光液を溶解する液体が使用される。感光液が水溶性感光液の場合は、水の他、エタノールのような低級アルコール等の水溶性有機溶剤を使用できる。感光液が非水性の場合は、酢酸エチル等の有機溶剤を使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
プリンター((株)ミノグループ製露光機)のガラスステージ上に版下を置き、その上に厚さ5μmmのPPフィルムを重ね、その上に枠張りした305メッシュ紗を重ね、下記の組成の水溶性感光液で紗のオープニングを埋めるように塗工し、へらで紗の表面をスキージすることで樹脂を紗の厚みにして積層体を形成した。この積層体の上に図2の装置を図3に示されるように載せ、板材と積層体との間に枠体で囲まれた空間の雰囲気を窒素ガスに置換した。
次に、30秒間露光して製版した後、紗の密着しているPPフィルムを剥がし、未硬化の感光液を洗い落とした。
そして、版を熱風で乾燥した後、版の枠を再び上記プリンターのガラスステージの上に置き5分間露光し、樹脂膜を十分に硬化させた。
<感光液組成>
2官能モノマー:ポリエチレングリコールジアクリレート 20g
4官能オリゴマー:ウレタンアクリレート 80g
開始剤:イルガ-キュア651(商品名:BASF ジャパン株式会社製) 4g
重合禁止剤:Q−1301(商品名:和光純薬工業製) 0.1g
消泡剤:BYK−012(商品名:ビックケミージャパン株式会社製)0.4g
着色剤:CAB-O-JET250C(商品名:キャボットジャパン株式会社製)0.8g
なお、2官能モノマー:ポリエチレングリコールジアクリレートとして、A−400(商品名:新中村工業(株)製)を用い、4官能オリゴマー:ウレタンアクリレートとして、WS4000(商品名:Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd.製)を用いた。
完成したスクリーン版で、布用スクリーンインクを使用して印刷したところ版下に一致した画像が得られた。
本発明は、スクリーン印刷の分野で広く利用することができ、特に、オフィスや家庭で簡単にスクリーン印刷を行うのに有用である。
1 紗
2 フィルム
3 感光液
4 版下
10 積層体
20 不活性ガス層生成装置
21 枠体
22 板材
23 仕切り板
24 シャーシ
25a ベルト
25b ベルト
26 駆動機構
26a 磁石
26b 磁石
30 空間
30a 空間
30b 空間
31a 不活性ガス供給口
31b 空気排出口

Claims (5)

  1. 活性エネルギー線透過性であるフィルムの上に紗を載置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体を用い、前記積層体の前記フィルム側と反対側の面の雰囲気を不活性ガスで置換した状態で、前記積層体の前記フィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射した後、前記積層体から前記フィルムを剥がし、前記感光液を溶解する液体で未硬化の感光液を除いてスクリーン印刷用版を得ることからなる、スクリーン印刷用版の作製方法。
  2. 枠体と、該枠体の上面を覆う板材とを備え、枠体を前記積層体の上に載置した時に、前記板材と前記積層体との間に前記枠体で囲まれた空間を形成するようにしたスクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置を用意し、該装置の前記枠体を前記積層体の上に載置し、前記空間をその一端側の空間とその他端側の空間に仕切る仕切り板を配置し、前記一端側の空間に不活性ガスを導入するとともに前記他端側の空間から空気を排出しつつ前記仕切り板を前記一端側から前記他端側へ移動させることにより、前記雰囲気を不活性ガスで置換する、請求項1に記載のスクリーン印刷用版の作製方法。
  3. 前記感光液は、活性エネルギー線硬化性成分を少なくとも備えてなり、前記活性エネルギー線硬化性成分は、(メタ)アクリレート系オリゴマーと(メタ)アクリレート系モノマーを少なくとも含有してなる、請求項1または2に記載のスクリーン印刷用版の作製方法。
  4. 活性エネルギー線透過性であるフィルムの上に紗を配置させた状態で、紗の開口を埋めるように感光液を充填してなる積層体の上に載置される枠体と、該枠体の上面を覆う板材とを備え、枠体を前記積層体の上に載置した時に、前記板材と前記積層体との間に前記枠体で囲まれた空間が形成されるようにしたスクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置。
  5. 請求項4に記載のスクリーン印刷用版の製版用の不活性ガス層生成装置と、前記不活性ガス層生成装置で前記空間の空気を不活性ガスで置換した状態で、前記積層体の前記フィルムの側から版下を介して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置とを備えてなる、スクリーン印刷用版の製版装置。
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