JP2017120144A - 凍結装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被凍結物への振動を付与するタイミングを正確に検出して、無駄な冷却を抑止することで、凍結時間を短縮することができる凍結装置を提供する。【解決手段】凍結装置10は、被凍結物Fが配置される収容庫20の冷却媒体Rを冷却する冷却装置30と、温度を測定する温度センサ40と、被凍結物Fへ物理的刺激を付与する撹拌装置50および被凍結物Fを収納する容器24に内蔵された振動付与装置と、被凍結物Fへの物理的刺激を指示する制御装置70とを備えている。制御装置70は、温度センサ40からの信号に基づいて演算した被凍結物Fの温度勾配が、被凍結物Fが過冷却状態となり、エネルギーバリアを超えて臨界核が発生して被凍結物Fの温度低下が緩慢になったことを示す値となったことを、検出すると、撹拌装置用出力部を介して撹拌装置50に撹拌を指示すると共に、振動装置用出力部を介して容器に内蔵された振動付与装置に振動を指示する。【選択図】図1

Description

本発明は、被凍結物を凍結させる凍結装置に関するものである。
被凍結物を過冷却状態にして、外部から物理的刺激を付与して凍結させる凍結装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の「冷凍方法および冷凍装置」は、冷凍室に配置される過冷却冷凍容器に冷風装置から冷風を送り、冷凍室の温度を計測する温度センサからの信号により冷風装置を制御する冷風制御装置が、氷結点温度より低い温度の冷風により、過冷却冷凍容器内の食品を過冷却状態に移行したことを確認後、過冷却状態の温度より低温の冷風により過冷却状態を解消させ、さらに食品を氷結点温度以下に冷却し、凍結させる、というものである。
具体的には、最初、食品に氷結点温度より低い第1の温度、例えば−5℃〜−9℃の冷風を0.5m/s以下の風速で当てて、食品を過冷却状態にする。食品が過冷却状態になった後、さらに低い第2の温度、例えば−15℃以下の冷風を、例えば0.5〜1m/sの風速で食品に当て過冷却状態を解消させて氷結晶を生成させる。その後も−15℃以下の冷風を食品に当て続け過冷却状態が解消したときに生成した氷結晶を核に食品中の水分を急速に凍結させている。
特開2009−44981号公報
このように特許文献1に記載の「冷凍方法および冷凍装置」では、冷風温度と風速とを設定した冷風を被冷却物に当てているだけある。そのため、同じ種類の被凍結物であっても、過冷却状態となる温度がばらつくので、被凍結物を過度に冷却し過ぎたり、冷却不足となったりするおそれがある。
被凍結物を過度に冷却し過ぎると、折角、振動を与えれば、被凍結物を凍結状態とする可能な温度になっているのに、更に被凍結物を冷却しようとするため、凍結時間が余分に掛かってしまう。
そこで本発明は、被凍結物への振動を付与するタイミングを正確に検出して、無駄な冷却を抑止することで、凍結時間を短縮することができる凍結装置を提供することを目的とする。
本発明の凍結装置は、被凍結物が配置される収容庫と、前記収容庫の冷却媒体の温度を低下させる冷却手段と、前記被凍結物の温度を測定する温度センサと、前記被凍結物へ物理的刺激を付与する刺激付与手段と、前記温度センサからの信号により演算された前記被凍結物の温度勾配が、前記被凍結物の温度が凝固点を超えて過冷却状態となり、前記被凍結物が有するエネルギーバリアを超えて、前記被凍結物に臨界核が発生することを示す所定の値となったことを第1のタイミングとして検出すると、前記被凍結物へ物理的刺激を付与するように、前記刺激付与手段に指示する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の凍結装置によれば、制御手段により、温度センサからの信号により演算された被凍結物の温度勾配が、被凍結物の温度が凝固点を超えて過冷却状態となり、被凍結物が有するエネルギーバリアを超えて、被凍結物に臨界核が発生することを示す所定の値となったことを第1のタイミングとして検出する。制御手段が第1のタイミングを検出すると、刺激付与手段に、被凍結物へ物理的刺激を付与するよう指示する。そうすることで、制御装置は、被凍結物が過冷却状態にあることを、確実に、検出することができる。
前記制御手段は、前記刺激付与手段が物理的刺激を前記被凍結物に付与することで、前記被凍結物の温度が上昇した後、前記冷却手段による冷却により、前記被凍結物の温度勾配が、再度、前記被凍結物の温度が低下する第2のタイミングを示す値となったことを検出する機能を備えたことが望ましい。
被凍結物に物理的刺激が付与されると、被凍結物の過冷却状態が解除されて、急激に凝固を開始すると共に、被凍結物は凝固熱を放出して、被凍結物の温度は一時的に上昇し、被凍結物に氷晶核が生成されて、氷晶核の直径が成長していく状態となる。そして、被凍結物は、氷晶核の成長が終わり、凝固が開始され、80%〜90%凝固すると、被凍結物の品温は、温度勾配が一定で緩やかに低下していく。制御手段が、この凝固が80%〜90%となったことを示す第2のタイミングを温度勾配により検出するため、被凍結物が80%〜90%凝固したことを正確に検出することができる。
前記制御手段が、前記第2のタイミングを検出すると、前記冷却手段の冷却強度を上げるよう指示する機能を備えたことにより、被凍結物が80%〜90%凝固した状態から被凍結物が完全に凍結する最終的な目標の凍結温度まで、ひび割れや変質を発生することなく、一気に冷却することができる。
前記制御手段は、前記第1のタイミングを検出したときから、前記被凍結物の目標冷却温度まで、前記刺激付与手段による物理的刺激を維持させる機能を備えたことが望ましい。
前記収容庫は、液状の前記冷却媒体を貯留するものであり、前記収容庫には、前記液状の冷却媒体を撹拌する撹拌手段が設けられていることにより、被凍結物をブライン凍結により、効率よく凍結させる凍結装置とすることができる。
前記収容庫は、前記被凍結物が収納される容器を備え、前記容器には、前記刺激付与手段として、振動付与装置が内蔵されていると、直接的に、物理的刺激を被凍結物に付与することができる。
本発明によれば、被凍結物が過冷却状態にあることを、確実に、検出することができるので、被凍結物への振動を付与するタイミングを正確に検出して、無駄な冷却を抑止することで、凍結時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態に係る凍結装置を示す図である。 図1に示す凍結装置の制御装置の構成図である。 図2に示す制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示す凍結装置により被凍結物を凍結したときの時間と温度の関係のグラフである。
本発明の実施の形態に係る凍結装置について、図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る凍結装置は、被凍結部として、水分を含むもの、例えば、血液保存分野の血漿成分・血球成分・血液製剤・造血幹細胞、病理分野の細胞・組織・検体・遺伝子、バイオバンクの生体試料・臓器・組織、神経内科分野の脳(ブレインバンク)・脊髄・筋・神経細胞、ホモグラフトの皮膚・血管・骨・靭帯・組織・臓器・器官・網膜・羊膜・歯、受精卵分野の精子・精管・受精卵、iPS細胞・DNA・ワクチン・抗癌剤等、生鮮食料品、農畜産物、加工食品等を凍結させるものである。
図1に示す凍結装置10は、ブライン凍結により被凍結部Fを凍結させるものである。凍結装置10は、収容庫20と、冷却装置30と、温度センサ40と、撹拌装置50と、熱交換器60と、制御装置70とを備えている。
収容庫20は、被凍結物Fが配置される箱状容器である。この収容庫20の底部201と側壁部202とは、区画板21により仕切られた2重構造となっている。
収容庫20の区画板21により仕切られた内側は、冷却媒体Rを貯留する収容庫20の貯留槽22となっている。区画板21により仕切られた外側は、冷却媒体Rからの気体を通過させる通路23となっている。
冷却媒体Rは、熱伝導率が高く、融点も高い安全性・効率性に優れたエタノールやアイススラリー等の溶融液とすることができる。また、冷却媒体Rは、フロン類、代替フロン類、液体窒素等を用いることも可能である。
被凍結物Fは、収容庫20の天井部203から吊り下がる箱状の容器24に収納される。容器24は、小刻みな振動(物理的刺激)を被凍結物Fに与える刺激付与手段として機能する、例えば、機械的なバイブレータによる振動付与装置(図示せず)が内蔵されている。容器24は、被凍結物Fが浸漬される冷却媒体Rが通過可能なように金網で形成したり、パンチングメタルで形成したりすることができる。容器24は、モールドの成形品とすることもできるが、耐腐食性が高く、熱伝導率の高い金属製とするのが望ましい。
冷却装置30は、収容庫20の冷却媒体Rの温度を低下させる冷却手段として機能するものである。冷却装置30は、制御装置70からの指示により冷却強度が調整される。冷却装置30は、冷却媒体Rを冷却する冷却部31と、冷却媒体Rを撹拌して冷却媒体Rの温度を均一化するプロペラ部32とを備えている。
温度センサ40は、被凍結物Fの温度を測定するものである。温度センサ40は、容器24に複数個取り付けられている。
撹拌装置50は、冷却媒体Rを撹拌して、被凍結物Fへ振動を与えることで、被凍結物Fへ物理的刺激を付与する刺激付与手段として機能するものである。また、撹拌装置50は、通路23からの気体を冷却媒体Rと共に撹拌してマイクロバブルを発生する機能を備えている。撹拌装置50は、このマイクロバブルによっても、被凍結物Fへ物理的刺激を付与する刺激付与手段として機能するものである。
熱交換器60は、冷却媒体Rから気化し、通路23を流れる気体を冷却するものである。
制御装置70は、凍結装置10全体を統括制御するものである。制御装置70には、作業者が操作するための操作盤80が接続されている。
ここで、制御装置70の構成について、図2に基づいて詳細に説明する。
制御装置70は、温度センサ用入力部71と、操作盤用入出力部72と、汎用入出力部73と、冷却装置用出力部74と、撹拌装置用出力部75と、振動付与装置用出力部76と、制御部77とを備えている。
温度センサ用入力部71は、温度センサ40からのアナログの信号をデジタル信号に変換して制御部77へ出力するAD変換の機能を備えている。操作盤用入出力部72は、操作盤80の操作キーの押下情報を制御部77へ出力したり、制御部77からの表示情報を操作盤80へ出力したりする機能を備えている。
汎用入出力部73は、制御部77内の各種情報、例えば、温度測定データなどのデータを外部へ出力したり、外部から設定情報を制御部77へ入力したりする機能を備えている。汎用入出力部73は、USBとしたり、カード型フラッシュメモリのスロット部としたり、無線通信により外部(メンテナンス会社等の端末装置)へ送信したりすることができる。
冷却装置用出力部74は、制御部77からの冷却指示を冷却装置30へ出力する機能を備えている。撹拌装置用出力部75は、制御部77からの撹拌指示を撹拌装置50へ出力する機能を備えている。振動付与装置用出力部76は、制御部77からの振動指示を容器24に内蔵された振動付与装置へ出力する機能を備えている。
制御部77は、温度センサ40からの信号により被凍結物Fの温度勾配を演算して、被凍結物Fの凍結制御を行う制御手段として機能するものである。
温度勾配Tgは、測定した時間taと、時間taの後の時間tbのそれぞれの温度をT1,T2としたときに、温度勾配Tg=(T2−T1)/(tb−ta)により演算される。
図1に示すように操作盤80は、表示部81と操作部82とを備えている。表示部81は、凍結時の各種の情報を表示するディスプレイである。表示部81には、凍結完了時に、実施された凍結曲線や時系列データが表示される。操作部82は、数字キー、機能キーなどを備えている。操作部82は、始動、停止、設定入力、設定出力などの際に操作者が操作するものである。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る凍結装置の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、被凍結物Fとして、血液パックに収納された血液を例に説明する。
まず、操作者は、予め制御部77に設定情報を設定する(ステップS10)。この設定情報の設定は、設定情報が記憶されたメモリカード(図示せず)を汎用入出力部73にセットして、操作者が操作盤80を操作することで、メモリカードの設定情報を制御部77により読み込ませることができる。また、操作者が、表示部81に表示された設定画面を見ながら、操作部82を操作して、設定情報を制御部77に設定することができる。
設定情報としては、血液への物理的刺激を開始する第1のタイミングを示す温度勾配、冷却装置30への冷却強度の上昇を指示する第2のタイミングを示す温度勾配、被凍結物Fの目標凍結温度などである。
次に、作業者は、血液パックに収納された血液を被凍結物Fとして容器24に配置する。作業者は、操作盤80を操作して、凍結装置10を始動する。
凍結装置10では、冷却装置30が冷却媒体Rを冷却し始める(ステップS20)。
制御装置70では、温度センサ40からの信号を、制御部77が温度センサ用入力部71を介して受信して、被凍結物Fの温度を測定して、温度勾配Tgを演算する(ステップS30)。制御部77は、温度センサ40による温度測定、および測定された温度からの温度勾配Tgの演算を、これ以降、被凍結物Fが目標凍結温度に冷却されるまで、継続的に監視する。凍結装置10が冷却し続けることで、被凍結物Fの温度が凝固点Pを超えて過冷却状態となっていく(図4参照)。
冷却部31により冷却された冷却媒体Rは、冷却装置30のプロペラ部32により拡散されて温度が均一化される。また、冷却媒体Rが気化した気体は、通路23を周って、熱交換器60により冷却されて、収容庫20の底部201から冷却媒体Rに溶解する。
収容庫20は、2重構造になっているため断熱性および保温性を向上させることができる。
制御装置70は、温度勾配Tgが所定値となったか否かを判定する。この所定値は、被凍結物Fの温度がB区間内で冷却されているときの温度勾配を示す値である。
被凍結物Fの温度は、直線的に低下し、凝固点Pを超えて過冷却状態となったA区間から、被凍結物Fが有するエネルギーバリアを超えて、被凍結物Fに臨界核が発生することで、臨界核の発生前の温度低下より、被凍結物Fの温度低下が円弧を描くように緩やかになり、緩慢になったB区間には入る。
制御部77が、所定値をB区間内のいずれかの温度勾配Tgとし、このB区間を第1のタイミングT1として、被凍結物FがB区間のいずれかの状態となったことを、温度勾配Tgにより検出することで、制御部77は、被凍結物Fに物理的刺激を付与するに適した温度となったことを、確実に、検出することができる。
なお、本実施の形態では、第1のタイミングT1は、B区間でも温度低下が停滞したことを示す温度勾配が0に近いマイナスの値(B区間とC区間の境界の前)となったときとしている。
本実施の形態では、温度勾配Tgが所定値となったか否かの判定を、温度勾配Tgが所定値未満となったことで求めているが、所定値と一致したことで求めてもよい。しかし、冷却速度が早く、制御部77の処理速度が遅い場合には、制御部77により演算された温度勾配Tgと、所定値とを比較する際に、一致のタイミングが過ぎてしまった場合では、制御部77は第1のタイミングT1を見逃すおそれがある。
従って、温度勾配Tgが所定値となったか否かは、温度勾配Tgが所定値未満となったこと、または温度勾配Tgが所定値以下となったことで判定するのが望ましい。
このようにして制御部77は、第1のタイミングT1を判定する(ステップS40)
制御部77により第1のタイミングT1が検出されると、制御部77は、振動付与装置用出力部76を介して容器24に内蔵された振動付与装置に振動を指示する。また、撹拌装置用出力部75を介して撹拌装置50に冷却媒体Rの撹拌を指示する。容器24に内蔵された振動付与装置による被凍結物Fへ直接的な物理的刺激となる。また、撹拌装置50の撹拌により冷却媒体Rが撹拌されることで、冷却媒体Rの流れにより被凍結物Fが揺らぎ、被凍結物Fが容器24に衝突したり、被凍結物F同士が衝突したりして、被凍結物Fへの物理的刺激となる。更に、通路23からの気体が、撹拌装置50によりマイクロバブルとなって、冷却媒体R中を上昇して、被凍結物Fに衝突して振動することで、被凍結物Fへの物理的刺激となる。このようにして、被凍結物Fに物理的刺激を付与する(ステップS50)。
この物理的刺激により、被凍結物Fの過冷度を大きくし、被凍結物Fの芯部まで(何を)浸透させて、氷晶核の生成からの成長を最小限に抑える。氷晶核が成長するときに、被凍結物Fに物理的刺激が付与されることで、過冷却状態で液状だった被凍結物Fは、過冷却状態が解除されて、急激に凝固を開始すると共に被凍結物Fは凝固熱を放出する。この凝固による被凍結物Fは凝固熱の放出により、被凍結物Fの温度は一時的に上昇する(図4のC区間)。このC区間では、被凍結物Fは、氷晶核が生成されて、氷晶核の直径が成長していく状態である。
冷却装置30が被凍結物Fを冷却し続け、氷晶核の成長が終わり、凝固が開始されると、被凍結物Fの品温は、温度勾配が一定で緩やかに低下していく。そして、被凍結物Fの凝固が80%〜90%となると、被凍結物Fの温度勾配が降下し始める(D区間)。更に、被凍結物Fが冷却され、第3のタイミングT3を超えると、被凍結物Fの品温が急激に低下して完全に凍結することで、被凍結物Fの温度が急激に低下し始める(E区間)。
制御部77は、第1のタイミングを検出した以降、被凍結物Fの温度勾配Tgを監視している。制御部77は、被凍結Fの温度勾配Tgが所定値となったか否かを判定する(ステップS60)。
この所定値は、被凍結物Fが80%〜90%凝固した第3のタイミングT3を示す値である。このようにして、制御部77は、D区間が終わり、被凍結物Fの温度が急激に低下し始めるE区間の始まりを示す第3のタイミングT3を検出することができる。
制御部77が第3のタイミングT3を検出することで、被凍結物Fが80%〜90%凝固したタイミングを確実に検出することができる。
制御部77は、被凍結物Fが80%〜90%凝固したこと(第3のタイミング)を検出すると、冷却装置30の冷却強度を上げるよう、冷却装置用出力部74を介して冷却装置30へ指示する(ステップS70)。
被凍結物Fが80%〜90%凝固しているため、冷却強度を上げても、被凍結物Fに亀裂や裂け、変質を発生させることなく、最終的な凍結温度である目標凍結温度に向けて、被凍結物Fを急激に冷却することができる。
次に、制御部77は、被凍結物Fの温度が目標凍結温度か否かを判定する(ステップS80)。被凍結物Fが血液であれば、目標凍結温度は、例えば、−45℃とすることができる。
被凍結物Fの温度が目標凍結温度であった場合、被凍結物Fへの冷却を停止してもよいが、冷却を停止したことで被凍結物Fに2℃〜4℃の温度の戻りが発生するため、制御部77は、2分から3分の最終的な冷却を行う(ステップS90)。
撹拌装置50および容器24に内蔵された振動付与装置は、第1のタイミングから被凍結物Fの温度が目標凍結温度となるまで、即ち、C区間、D区間およびE区間に渡って、冷却媒体Rを撹拌または容器24を振動して、被凍結物Fに物理的刺激を付与し続けている。
最終的な冷却が終了すると、被凍結物Fの凍結が完了する。
被凍結物Fの凍結が完了すると、制御部77は、実施された凍結曲線や時系列データが表示部81に、操作盤用入出力部72を介して表示する。また、操作者は、操作部82を操作して、メモリカードに、凍結曲線を示すデータや時系列データを書き込み、取り出したり、無線通信により外部の管理端末装置へ送信したりすることができる。
このように、凍結装置10では、温度勾配により第1のタイミングT1を検出していため、被凍結物Fが過冷却状態となり、被凍結物Fのエネルギーバリアを超えて、被凍結物Fに臨界核が発生して氷晶核を生成する状態にあることを、確実に、検出することができるので、過冷却状態にばらつきのある被凍結物に付与する振動のタイミングを正確に検出して、無駄な冷却を抑止することで、凍結時間を短縮することができる。また、被凍結物Fの過冷度を大きくして、氷晶核の成長を最小限に抑えることができる
また、凍結装置10では、温度勾配により第2のタイミングを検出しているため、被凍結物Fが80%〜90%凝固したことを正確に検出することができる。
更に、凍結装置10では、第2のタイミングを検出すると、冷却装置30の冷却強度を上げているため、更に、凍結時間を短縮することができる。
凍結装置10では、第1のタイミングT1を検出したときから、被凍結物Fの目標冷却温度まで、物理的刺激を維持させているため、最大氷晶生成帯(D区間)を短時間で通過させることができる。従って、凍結装置10は、氷晶核の成長を最小限に抑えて、高速で被凍結物Fの良質な凍結ができる。また、容器24から小刻みな振動が、直接、被凍結物Fとした血液パックに収納された血液全体に浸透するため、血液パックを変形させることなく、パック内の血液を均一に凍結することができる。
また、特許文献1に記載の冷凍装置と比較すると、空冷は液体に比べて熱伝導率が悪く、最大氷晶生成帯を通過するのに時間がかかり過ぎて、氷晶核がかなり大きく成長するため、良質な凍結になりにくい。
更に、空冷式は被凍結物の表面のみ直接刺激を付与しており、被凍結物の内部品温との差が大きくなり、損傷が発生しやすくなる。被凍結物内の含水率によっては、表面のクラッシユ、或は、内部氷晶核の成長により細胞の損傷が大きくなる。そして、特許文献1記載の冷凍装置は温度センサによるプログラムフリーザーで、凍結装置10と違いコントロールフリーザーではない。
凍結装置10は凍結時間の大幅な短縮、過冷度による氷晶核の生成と成長を抑えるため、被凍結物Fの表面と内部の温度のムラがなく瞬時に凍結でき、微小な臨界核等による効率的かつ良質な凍結が実現される。その結果、空冷式に比べてランニングコストやC02排出量を大幅に抑えることができる。
なお、本実施の形態では、血液がパックに収納されているが、被凍結物が冷却媒体Rに露出したものでは、マイクロバブルが被凍結物の表面に接触することで、被凍結物Fの表面に付着する境膜を取り除くことができる。
本実施の形態では、冷却装置30が液状の冷却媒体Rを冷却して被凍結物Fを凍結していたが、冷却装置が気体を冷却して被凍結物を冷却するようにしても、温度勾配により第1のタイミングと第2のタイミングとを検出することで、本発明の効果を得ることができる。
しかし、冷却媒体Rとして液体を用いる方が、急速に被凍結物を凍結することができるため、本発明は、ブライン凍結に好適である。
本発明は、血液保存分野の血漿成分・血球成分・血液製剤・造血幹細胞、病理分野の細胞・組織・検体・遺伝子、バイオバンクの生体試料・臓器・組織、神経内科分野の脳(ブレインバンク)・脊髄・筋・神経細胞、ホモグラフトの皮膚・血管・骨・靭帯・組織・臓器・器官・網膜・羊膜・歯、受精卵分野の精子・精管・受精卵、iPS細胞・DNA・ワクチン・抗癌剤等、生鮮食料品、農畜産物、加工食品等の凍結に好適である。
10 凍結装置
20 収容庫
201 底部
202 側壁部
203 天井部
21 区画板
22 貯留槽
23 通路
24 容器
30 冷却装置
40 温度センサ
50 撹拌装置
60 熱交換器
70 制御装置
71 温度センサ用入力部
72 操作盤用入出力部
73 汎用入出力部
74 冷却装置用出力部
75 撹拌装置用出力部
76 振動付与装置用出力部
77 制御部
80 操作盤
81 表示部
82 操作部
F 被凍結物
R 冷却媒体

Claims (6)

  1. 被凍結物が配置される収容庫と、
    前記収容庫の冷却媒体の温度を低下させる冷却手段と、
    前記被凍結物の温度を測定する温度センサと、
    前記被凍結物へ物理的刺激を付与する刺激付与手段と、
    前記温度センサからの信号により演算された前記被凍結物の温度勾配が、前記被凍結物の温度が凝固点を超えて過冷却状態となり、前記被凍結物が有するエネルギーバリアを超えて、前記被凍結物に臨界核が発生することを示す所定の値となったことを第1のタイミングとして検出すると、前記被凍結物へ物理的刺激を付与するように、前記刺激付与手段に指示する制御手段とを備えた凍結装置。
  2. 前記制御手段は、前記刺激付与手段が物理的刺激を前記被凍結物に付与することで、前記被凍結物の温度が上昇した後、前記冷却手段による冷却により、前記被凍結物の温度勾配が、再度、前記被凍結物の温度が低下する第2のタイミングを示す値となったことを検出する機能を備えた請求項1記載の凍結装置。
  3. 前記制御手段は、前記第2のタイミングを検出すると、前記冷却手段の冷却強度を上げるよう指示する機能を備えた請求項2記載の凍結装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1のタイミングを検出したときから、前記被凍結物の目標冷却温度まで、前記刺激付与手段による物理的刺激を維持させる機能を備えた請求項1または2記載の凍結装置。
  5. 前記収容庫は、液状の前記冷却媒体を貯留するものであり、
    前記収容庫には、前記液状の冷却媒体を撹拌する撹拌手段が設けられている請求項1から4のいずれかの項に記載の凍結装置。
  6. 前記収容庫は、前記被凍結物が収納される容器を備え、
    前記容器には、前記刺激付与手段として、振動付与装置が内蔵されている請求項1から5のいずれかの項に記載の凍結装置。
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