JP2017120059A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Takayuki Minematsu
孝行 峰松
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Abstract

【課題】内燃機関の運転状態がアイドル運転の場合に、還元剤添加弁から発生する騒音を低減する。【解決手段】内燃機関の制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、吸着した還元剤を用いて内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物を還元する触媒と、前記触媒の上流側の排気通路に配置され、排気通路に還元剤を添加する還元剤添加弁と、還元剤添加弁に還元剤を圧送する圧送ポンプと、圧送ポンプが還元剤添加弁に還元剤を圧送するときの圧力を切り替える切替部と、を備え、切替部は、還元剤の添加要求があった場合に、内燃機関の運転状態がアイドル運転で、還元剤の添加要求がNOx還元要求以外である場合、圧送ポンプが還元剤添加弁に還元剤を圧送するときの圧力を、NOx還元要求により還元剤を圧送するときの第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の排気通路には、排気を浄化するための排気浄化装置が設けられている。このような排気浄化装置として、フィルタに選択還元型NOx触媒(以下、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒ともいう。)を担持させたものが開発されている。SCR触媒を担持させたフィルタの上流側には、排気中にアンモニア又はアンモニアの前駆体(例えば、尿素)を還元剤として供給する還元剤添加弁が設置される。還元剤添加弁から供給された尿素は、SCR触媒に到達するとアンモニアとして吸着される。そして、SCR触媒に吸着されたアンモニアによりNOxが還元浄化される。
ここで、還元剤添加弁から還元剤を添加する目的として、以下の3つがあげられる。
第1に、NOx浄化率の低下を防止するためである。上述したように、排気中のNOxは、SCR触媒に吸着されたアンモニアにより還元浄化されるが、SCR触媒のアンモニア吸着量が所定値以下となった場合、SCR触媒におけるNOx浄化率の低下などを招くおそれがある。したがって、NOx浄化率の低下を防止するために、例えば、SCR触媒のアンモニア吸着量が所定値以下の場合に、還元剤添加弁から還元剤を添加する(例えば、特許文献1)。
第2に、還元剤添加弁の詰まりを防止するためである。還元剤添加弁は常時排気にさらされているため、排気の熱により還元剤添加弁に残留した還元剤が固化して、還元剤添加弁に詰まりを生じさせることがある。還元剤添加弁に詰まりが発生すると、正規の量の還元剤を触媒に供給することができなくなり、排気の浄化不足といった問題が発生するおそれがある。したがって、還元剤の噴射によって還元剤添加弁の詰まりを防止するために、例えば、還元剤添加弁の詰まり度合いを検出し、当該詰まり度合いに応じた量の還元剤を還元剤添加弁から添加する(例えば、特許文献2)。
第3に、還元剤添加弁を冷却するためである。還元剤添加弁が過熱すると、その耐久性が低下したり、動作特性が悪化したりするなどの熱劣化が生じるおそれがある。したがって、還元剤の噴射によって還元剤添加弁を冷却し、還元剤添加弁の熱劣化を抑制するために、例えば、還元剤添加弁の推定温度が所定値以上の場合に、還元剤添加弁から還元剤を添加する(例えば、特許文献3)。
特開2013−155644号公報 特開2006−348811号公報 特開2015―31211号公報
還元剤は圧送ポンプから還元剤添加弁へと圧送されるため、還元剤添加弁のニードルバルブには、還元剤の圧力が作用する。還元剤添加弁のニードルバルブは、還元剤の添加が終了すると、スプリングの付勢力と還元剤の圧力とによって、バルブシート側へと付勢され、バルブシートに着座する。このとき、ニードルバルブがバルブシートに衝突するため、騒音が発生する。当該騒音は、比較的高周波の騒音であり、内燃機関の運転状態がアイドル運転の場合に目立ちやすい。
そこで、本明細書開示の内燃機関の制御装置は、内燃機関の運転状態がアイドル運転の場合に、還元剤添加弁から発生する騒音を低減することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された内燃機関の制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、吸着した還元剤を用いて前記内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物を還元する触媒と、前記触媒の上流側の前記排気通路に配置され、前記排気通路に前記還元剤を添加する還元剤添加弁と、前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送する圧送ポンプと、前記圧送ポンプが前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送するときの圧力を切り替える切替部と、を備え、前記還元剤添加弁は、先端部に噴孔を備えるノズルボディと、前記ノズルボディ内部に往復動可能に配設されるニードルバルブと、前記ニードルバルブが着座するバルブシートと、前記ニードルバルブを前記バルブシート側に付勢し前記バルブシートに着座させるスプリングと、電磁コイルと、を備え、前記ニードルバルブは、前記電磁コイルへの通電により発生する磁気的吸引力によって、前記バルブシートから離間し、前記噴孔から前記排気通路内に前記還元剤を添加し、前記電磁コイルへの通電を停止すると、前記圧送ポンプにより前記還元剤添加弁へと圧送された前記還元剤の圧力と前記スプリングの付勢力とによって前記バルブシート側へ付勢されて前記バルブシートに着座し、前記切替部は、前記還元剤の添加要求があった場合に、前記内燃機関の運転状態がアイドル運転で、前記還元剤の添加要求が、前記還元剤を前記触媒に吸着させるためになされるNOx還元要求以外である場合、前記圧送ポンプが前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送するときの圧力を、前記NOx還元要求により前記還元剤を圧送するときの第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える内燃機関の制御装置である。
本明細書開示の内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の運転状態がアイドル運転の場合に、還元剤添加弁から発生する騒音を低減することができる。
図1は、一実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムの構成を示す概略図である。 図2(a)及び図2(b)は、還元剤添加弁の構成の一例を示す図である。 図3(a)〜図3(d)は、還元剤添加弁において発生する騒音について説明するための図である。 図4は、ECUが実行する騒音低減処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
まず、図1を参照し、一実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、一実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステム100の構成を示す概略図である。なお、本明細書に記載の「上流」及び「下流」は、排気系での排気の流れ方向を基準とするものである。
図1に示すように、エンジンシステム100は、吸気通路10と、内燃機関20と、排気通路30と、浄化用酸化触媒21と、フィルタ22と、触媒としての選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)70と、還元剤添加弁50と、還元剤供給機構40と、切替部としてのECU(Electronic Control Unit)60と、を備える。
吸気通路10には、吸気通路10内の吸入空気量を検出するエアフロメータ11が設置されている。
浄化用酸化触媒21は、内燃機関20の排気通路30に設けられ、排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を浄化する。フィルタ22は、浄化用酸化触媒21の下流に設けられ、排気中の微粒子を捕集する。上記浄化用酸化触媒21は排気中の燃料成分と酸化反応して発熱するものであり、そうした発熱を利用して排気を浄化可能な活性温度まで昇温したり、フィルタ22に捕集された微粒子を除去するための同フィルタ22の昇温が行われたりする。
浄化用酸化触媒21の上流側の排気通路30には、浄化用酸化触媒21に流入する前の排気温度を検出する排気温センサ31が設けられている。
SCR触媒70は、フィルタ22の下流側の排気通路30に設けられ、還元剤(例えば、アンモニア)を吸着し、当該吸着した還元剤を利用して排気中のNOxを還元浄化する。
還元剤添加弁50は、フィルタ22の下流側であってSCR触媒70の上流側の排気通路30に設けられている。図2(a)及び図2(b)に、還元剤添加弁50の構成の一例を示す。図2(a)に示すように、還元剤添加弁50は、ソレノイドコイル51、スプリング52、コア53、ニードルバルブ54、及びノズルボディ55等を備える。
図2(b)に示すように、筒状に形成されたノズルボディ55の先端部には、バルブシート55aが形成されている。ノズルボディ55の内部には、ニードルバルブ54が往復動可能に配設されている。ニードルバルブ54の先端は、テーパ状に形成され、バルブシート55aに着座できるようになっている。
ノズルボディ55の内部には、ニードルバルブ54とノズルボディ55の内周との間に、還元剤が供給される還元剤室55bが形成されている。また、ノズルボディ55の内部において、ニードルバルブ54の先端がバルブシート55aに着座する部分よりも先端側に、還元剤噴射孔55cが形成されている。
一方、ノズルボディ55の内部において、ニードルバルブ54の基端側には、ソレノイドコイル51が収容されたコア53、及びスプリング52が配設されている。スプリング52は、ニードルバルブ54をバルブシート55a側に付勢している。
ソレノイドコイル51への通電がなされると、通電により発生する電磁吸引力によって、ニードルバルブ54がコア53に向けて移動する。これにより、ニードルバルブ54がバルブシート55aから離間し、還元剤噴射孔55cから還元剤が排気通路30内に噴射される。
還元剤供給機構40は、還元剤を貯留するタンク41、還元剤添加弁50とタンク41とを接続する供給通路43、及び供給通路43の途中に設けられた圧送ポンプ44と、を備える。
圧送ポンプ44は電動式のポンプであり、タンク41に貯留された還元剤を、供給通路43を通じて還元剤添加弁50に圧送する。還元剤を圧送する際の圧送ポンプ44の圧力は、ECU60により制御される。
タンク41には、還元剤の温度を検出する温度センサ45が設けられている。
ECU60は、中央処理制御装置(Central Processing Unit:CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶したROM(Read Only Memory)、CPUの演算結果等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、記憶装置、及び入出力インタフェース等を備える。ECU60は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。
ECU60の出力側には、前述の還元剤添加弁50、圧送ポンプ44の他、点火プラグ(図示せず)等の種々のアクチュエータが接続されている。また、ECU60には、前述したエアフロメータ11、排気温センサ31、温度センサ45の他、内燃機関20のクランク角を検出するクランク角センサ81、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ82、外気温を検出する外気温センサ83、車速に比例した自動変速機の出力軸の回転速度を検出する車速センサ84等の各種センサから、エンジンの運転状態や運転条件に関する様々な情報や信号が入力される。ECU60は、クランク角センサ81の検出値から内燃機関20の回転数を算出する。また、ECU60は、アクセルセンサ82の検出値からアクセル開度を算出する。また、ECU60は、車速センサ84の検出値から車速を算出する。さらに、ECU60は、上述した情報や信号に基づいて、還元剤添加弁50、圧送ポンプ44等の各種のアクチュエータを制御する。
次に、上述のエンジンシステム100において、還元剤添加弁50から騒音が発生するメカニズムについて説明する。上述した構成を有する還元剤添加弁50において、還元剤を噴射する前には、図3(a)に示すように、圧送ポンプ44から還元剤添加弁50に圧送された還元剤の圧力P1と、スプリング52の付勢力F1とにより、ニードルバルブ54は、バルブシート55aに押し付けられ、バルブシート55aからバルブシート反力RF1を受ける。
ここで、ソレノイドコイル51への通電がなされると、図3(b)に示すように、通電により発生する電磁吸引力MF1によって、ニードルバルブ54がスプリング52の付勢力F1及び還元剤の圧力P1に抗してコア53に向けて移動する。これにより、ニードルバルブ54がバルブシート55aから離間されると、還元剤室55bと還元剤噴射孔55cとが連通されて、還元剤室55b内の還元剤が還元剤噴射孔55cを通じて噴射される。
ここでソレノイドコイル51への通電が停止されると、還元剤の圧力P1とスプリング52の付勢力F1とによってニードルバルブ54はバルブシート55a側へ付勢され、バルブシート55aに着座する。このとき、図3(c)に示すように、還元剤の圧力P1とスプリング52の付勢力F1とによってニードルバルブ54はストロークの範囲で加速され、バルブシート55aに衝突するため、当該衝突により、騒音が発生する(図3(d))。
次に、上述の理由により発生する騒音を低減する処理について説明する。図4は、ECU60が実行する騒音低減処理の一例を示すフローチャートである。
図4の処理は、還元剤の添加要求が発生すると開始される。還元剤の添加要求は、NOx還元要求、冷却要求、及び詰まり防止要求の3種類に分けられる。
NOx還元要求は、NOx浄化率の低下を防止するために還元剤をSCR触媒70に吸着させることを目的とする。例えば、SCR触媒70に吸着する還元剤の吸着量がSCR触媒70の温度に基づいて設定される目標値以下になった場合に、NOx還元要求が発生する。
冷却要求は、還元剤添加弁50の冷却を目的とする。例えば、排気温度と吸入空気量とから推定した還元剤添加弁50の温度が所定値を上回っている場合に、冷却要求が発生する。
詰まり防止要求は、還元剤添加弁50の詰まり防止を目的とする。例えば、排気温度と吸入空気量とから推定した還元剤添加弁50の温度が、還元剤が析出する温度域にある場合に、詰まり防止要求が発生する。
ECU60は、還元剤の添加要求が生じると、まず、内燃機関20の運転状態が、アイドル運転か否か判定する(ステップS11)。ECU60は、例えば、内燃機関20の回転数及びアクセル開度に基づいて、内燃機関20の運転状態がアイドル状態であるか否かを判定する。ECU60は、内燃機関20の回転数が所定のアイドリング回転数域内で、かつアクセル開度が0%、即ちアクセルが踏み込まれていない場合に内燃機関20の運転状態がアイドル運転であると判定する。
内燃機関20の運転状態が、アイドル運転ではない場合、還元剤を添加した場合に還元剤添加弁50から発生する騒音は目立たないため、ECU60は、図4の処理を終了する。一方、内燃機関20の運転状態がアイドル運転の場合、還元剤を添加した場合に還元剤添加弁50から発生する騒音が目立つ。したがって、ECU60は、図4の処理を継続し、還元剤の添加要求が、NOx還元要求であるか否か判定する(ステップS13)。
還元剤の添加要求が、NOx還元要求である場合(ステップS13/YES)、ECU60は、図4の処理を終了する。一方、還元剤の添加要求が、NOx還元要求ではない場合(ステップS13/NO)、ECU60は、還元剤の添加要求が冷却要求であるか否かを判定する(ステップS15)。
還元剤の添加要求が冷却要求である場合(ステップS15/YES)、ECU60は、還元剤添加弁50を冷却するために添加する還元剤の添加量を算出する(ステップS17)。具体的には、ECU60は、マップを用いて、排気温センサ31から取得した排気温度と、エアフロメータ11から取得した吸入空気量とから、還元剤添加弁50の温度を推定する。次に、ECU60は、マップを用いて、推定した還元剤添加弁50の温度から、還元剤添加弁50の冷却に必要な還元剤の添加量Aを決定する。次に、ECU60は、マップを用いて、車速センサ84の検出値から算出した車速と、外気温センサ83から取得した外気温とから、添加要求減算量Bを求める。添加要求減算量Bは、走行風による還元剤添加弁50からの自然な放熱に相当する冷却に必要な還元剤の添加量である。次に、ECU60は、マップを用いて、温度センサ45から取得した還元剤の温度から温度補正係数Cを算出する。なお、還元剤の温度が高いほど、温度補正係数Cは大きくなる。最後に、ECU60は、還元剤の添加量Aから添加要求減算量Bを差し引いた値に、温度補正係数Cを乗算した値((A−B)×C)を還元剤の添加量とする。
次に、ECU60は、圧送ポンプ44が還元剤を圧送する圧力を、NOx還元要求により還元剤を添加する場合に使用する第1の圧力から、第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える(ステップS19)。これにより、ニードルバルブ54に作用する還元剤の圧力を低下させることができるため、還元剤の添加後に、ニードルバルブ54をバルブシート55a側に付勢する力が低下し、ニードルバルブ54がバルブシート55aに着座するときの衝突エネルギーが減少する。したがって、ニードルバルブ54がバルブシート55aに着座する際に発生する騒音を低減することができる。
続いて、ECU60は、ステップS17で算出した還元剤の添加量と、第2の圧力とに基づいて、還元剤添加弁50を駆動する期間を算出する(ステップS21)。具体的には、ECU60は、マップを用いて、圧送ポンプ44が還元剤を圧送する圧力(第2の圧力)と、ステップS17で算出した還元剤の添加量とから、還元剤添加弁50を駆動する期間、すなわち、還元剤の噴射期間を算出する。
ECU60は、ステップS21で算出した期間、還元剤添加弁50を駆動して、還元剤を排気通路30に噴射し(ステップS23)、図4の処理を終了する。
一方、還元剤の添加要求が冷却要求ではない場合(ステップS15/NO)、ECU60は、還元剤添加弁50の詰まりを防止するために添加する還元剤の添加量を算出する(ステップS25)。具体的には、ECU60は、排気温センサ31から取得した排気温度と、エアフロメータ11から取得した吸入空気量とから、還元剤添加弁50の温度を推定する。次に、ECU60は、マップを用いて、推定した還元剤添加弁50の温度から、還元剤添加弁50の詰まりを防止するために必要な還元剤の添加量を決定する。
次に、ECU60は、圧送ポンプ44が還元剤を圧送する圧力を、NOx還元要求により還元剤を添加する場合に使用する第1の圧力から、第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える(ステップS27)。これにより、ニードルバルブ54に作用する還元剤の圧力を低下させることができるため、還元剤の添加後に、ニードルバルブ54をバルブシート55a側に付勢する力が低下し、ニードルバルブ54がバルブシート55aに着座するときの衝突エネルギーが減少する。したがって、ニードルバルブ54がバルブシート55aに着座する際に発生する騒音を低減することができる。
続いて、ECU60は、ステップS21と同様に、ステップS25で算出した還元剤の添加量と、第2の圧力とに基づいて、還元剤添加弁50を駆動する期間を算出する(ステップS29)。
その後、ECU60は、ステップS29で算出した期間、還元剤添加弁50を駆動して、還元剤を排気通路30に噴射し(ステップS31)、図4の処理を終了する。
上述の説明から明らかなように、本実施形態に係るエンジンシステム100は、内燃機関20の排気通路30に設けられ、吸着した還元剤を用いて内燃機関20から排出される排気中のNOxを還元するSCR触媒70と、SCR触媒70の上流側の排気通路30に配置され、排気通路30内に還元剤を添加する還元剤添加弁50と、還元剤添加弁50に還元剤を圧送する圧送ポンプ44と、圧送ポンプ44が還元剤添加弁50に還元剤を圧送するときの圧力を切り替えるECU60と、を備える。還元剤添加弁50は、先端部に還元剤噴射孔55cを備えるノズルボディ55と、ノズルボディ55内部に往復動可能に配設されるニードルバルブ54と、ニードルバルブ54が着座するバルブシート55aと、ニードルバルブ54をバルブシート55a側に付勢しバルブシート55aに着座させるスプリング52と、ソレノイドコイル51と、を備える。ニードルバルブ54は、ソレノイドコイル51への通電により発生する磁気的吸引力によって、バルブシート55aから離間し、還元剤噴射孔55cから排気通路30内に還元剤を添加し、ソレノイドコイル51への通電を停止すると、圧送ポンプ44により還元剤添加弁50へと圧送された還元剤の圧力とスプリング52の付勢力とによってバルブシート55a側へ付勢されてバルブシート55aに着座する。ECU60は、還元剤の添加要求があった場合に、内燃機関20の運転状態がアイドル運転で、還元剤の添加要求が、還元剤をSCR触媒70に吸着させるためになされるNOx還元要求以外である場合、圧送ポンプ44が還元剤添加弁50に還元剤を圧送するときの圧力を、NOx還元要求により還元剤を圧送するときの第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える。これにより、内燃機関20の運転状態がアイドル運転である場合に、NOx還元要求以外(冷却要求、詰まり防止要求)により還元剤添加弁50から還元剤を添加する場合には、還元剤添加弁50のニードルバルブ54に作用する還元剤の圧力を低下させることができる。ニードルバルブ54に作用する還元剤の圧力が低下すると、還元剤の噴射後にニードルバルブ54をバルブシート55a側に付勢する力が低下するため、ニードルバルブ54がバルブシート55aに着座するときの衝突エネルギーを低下させることができ、着座により発生する騒音を低減することができる。
なお、上記実施形態の図4において、還元剤の添加要求が、NOx還元要求ではない場合(ステップS13/NO)、ECU60は、ステップS15の処理を行わず、圧送ポンプ44が還元剤を圧送する圧力を、NOx還元要求により還元剤を添加する場合に使用する第1の圧力から、第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替えるとともに、ステップS17,S21及びステップS25,S29の処理を実行してもよい。この場合、ECU60は、ステップS21及びS29で算出した還元剤添加弁50を駆動する期間のうち長い方を選択し、当該期間、還元剤添加弁50を駆動して、還元剤を排気通路30に噴射してもよい。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
20 内燃機関
30 排気通路
44 圧送ポンプ
50 還元剤添加弁
60 ECU(切替部)
70 SCR触媒(触媒)
100 エンジンシステム(内燃機関の制御装置)

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、吸着した還元剤を用いて前記内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物を還元する触媒と、
    前記触媒の上流側の前記排気通路に配置され、前記排気通路に前記還元剤を添加する還元剤添加弁と、
    前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送する圧送ポンプと、
    前記圧送ポンプが前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送するときの圧力を切り替える切替部と、
    を備え、
    前記還元剤添加弁は、
    先端部に噴孔を備えるノズルボディと、
    前記ノズルボディ内部に往復動可能に配設されるニードルバルブと、
    前記ニードルバルブが着座するバルブシートと、
    前記ニードルバルブを前記バルブシート側に付勢し前記バルブシートに着座させるスプリングと、
    電磁コイルと、を備え、
    前記ニードルバルブは、前記電磁コイルへの通電により発生する磁気的吸引力によって、前記バルブシートから離間し、前記噴孔から前記排気通路内に前記還元剤を添加し、前記電磁コイルへの通電を停止すると、前記圧送ポンプにより前記還元剤添加弁へと圧送された前記還元剤の圧力と前記スプリングの付勢力とによって前記バルブシート側へ付勢されて前記バルブシートに着座し、
    前記切替部は、前記還元剤の添加要求があった場合に、前記内燃機関の運転状態がアイドル運転で、前記還元剤の添加要求が、前記還元剤を前記触媒に吸着させるためになされるNOx還元要求以外である場合、前記圧送ポンプが前記還元剤添加弁に前記還元剤を圧送するときの圧力を、前記NOx還元要求により前記還元剤を圧送するときの第1の圧力よりも低い第2の圧力に切り替える
    内燃機関の制御装置。
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WO2018235691A1 (ja) 2017-06-20 2018-12-27 株式会社小糸製作所 ランプユニット

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