JP2017120011A - 張架・牽引材長さ調節装置 - Google Patents

張架・牽引材長さ調節装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた作業性及び耐久性を有すると共に国際的安全基準に合致した安全性を備えた張架・牽引材長さ調節装置。【解決手段】ボルト頭部11aから所定長さ延び雄ネジ11cが刻設されたボルト軸11bを有する長尺ボルト11と,隙間溝121を設けたカバーケースからなるホルダー12と,長尺ボルト及びホルダーに装着される固定及び移動フック13A,13Bを備え,ホルダー12は,中空孔の一端から,固定フックの円筒体のフック部を隙間溝121から突出させて挿入して端部に固着し,中空孔の他端から可動フックの円筒体のフック部を隙間溝121から突出させて移動自在に挿入し,長尺ボルト11は,ボルト軸11bがホルダー12に固着した固定フック13Aに挿通され,ホルダー12に移動自在に装着された可動フック13Bのネジ孔に螺合されている。【選択図】図1

Description

本発明は,張架・牽引材長さ調節装置に係り,さらに詳しくは,チェーン,ロープ等の張架,牽引乃至懸架材(以下,張架・牽引材という。)の長さを調節する調節装置に関する。
土木建設工事現場などにおいて,作業足場を架設する際に,足場板を敷設する鋼管を複数本使用し,これらの鋼管の両端などをチェーンにより上方の構造物などから吊り下げて調節する架設工法が採用されている。この架設工法は,複数本の鋼管を略水平に支持するために,複数本の鋼管の間に足場板を敷設した後に,それらを吊り下げるチェーンに長さの不足或いは弛みなどがあれば,それらのチェーンの長さを調節する工法となっている。
このようなチェーンの長さ調節は,通常,専用の用具,例えばターンバックルなどが使われているが,近年,このターンバックルに代えて他の用具が使用され始め,これに応じて様々な工夫した用具が提案されている。
例えば,下記特許文献1には改良された調節用具が提案されている。以下,図10を参照して,この特許文献に記載されたチェーンの長さ調節用具を説明する。なお,図10は下記特許文献1に記載の調節用具の一部縦断側面図である。
この特許文献1に記載のチェーン長さ調節用具1Aは,図10に示したように,所定太さ及び長さのボルト1と,このボルトの頭部1bに装着される頭部側の係合部材2及び先端側に装着される先端側の係合部材3を備えている。なお,符号1cは座金を示している。これらの係合部材2,3のうち,一方の頭部側の係合部材2は,鉄板などの板材を曲げ加工して形成したもので,ボルト軸部1aを貫通する筒状部4と,この筒状部4 から横側方に延出して互いに重ねられた状態で固着された板材両端延出部5a,5bと,これらの板材両端延出部5a,5bによって形成されたフック部6と,前記筒状部4の長さ方向の中央位置に形成された拡径部7とで構成されている。拡径部7は,ナット8の平行側面を挟む平行壁部を備え,ナット8を筒状部4の軸心と同心状態で且つその軸心回りの自転と軸心方向の移動ができない状態に包み込むナット把持用環状凹溝部7bが形成されている。
また,他方の先端側の係合部材3は,頭部側の係合部材2と同一のものに,ボルト軸部1aに螺嵌する雌ねじ孔8aが形成されたナット8が組み込まれた構成となっている。すなわち,このナット8は,拡径部7内にその平行側面が拡径部7の平行壁部(図示省略)で挟持されてナット8の周囲が拡径部7の内側のナット把持用環状凹溝部7bに嵌合し,筒状部4内を貫通するボルト軸部1aがナット8の雌ねじ孔8aを螺合貫通するように固定されている。
この構成のチェーン長さ調節用具1Aによれば,頭部側係合部材2のフック部6と先端側係合部材3のフック部6とを調節対象のチェーンの上下2箇所のリンクに係合させることにより,これら両係合部材2,3がボルト軸部1aの周りで自転するのを調節対象のチェーンによって阻止された状態になる。この状態でボルト1を締結方向に回転操作することにより,ボルト頭部1bに当接する頭部側の係合部材2に対して先端側の係合部材3を引き寄せ,各係合部材のフック部6が係合する調節対象のチェーンの上下2箇所間の距離を狭めて当該調節対象のチェーンを適度に緊張させることができる。
特開2006−070572号公報 特許第3917007号
しかし,上記特許文献1に記載のチェーン長さ調節用具1Aは,一対の頭部側及び先端側の係合部材2,3はボルト軸1aに対し,それぞれフリーに相対回転して互いに異なる方向を向いてしまうので,チェーンを引っ掛ける際に引っ掛けようとすると係合部材が回転してしまい引っ掛け難く,また引っ掛けた際にも作業中に回転してしまい一人作業が難しいものになっている。なお,このような係合部材をガイドレールの溝内に入れて回転を規制するようにした金物は既に公知(上記特許文献2参照)であるが,用途が異なり調節用具1Aへ転用できるものでない。
また,これらの係合部材2,3は,いずれも1枚の板材( 鉄板など)のプレス加工によりフック部が形成されているので,軽量になる利点はあるが一方で,板材プレス加工であるため機械的強度に難がある。さらに,これらの係合部材2,3は,抜け止めなどがないので,引っ掛けたチェーンがフック部から飛び出し外れてしまう恐れがある。
ところで,日本は過去の高度経済成長期において,膨大な道路,橋梁,ダム,港湾などの社会資本(インフラ)が整備され,これらが高度経済成長及びその後の経済成長を支えてきたが,これらのインフラ構造物は,概ねセメントと鉄筋などで構築されているために,近年,これらは経年変化,社会環境の変化或いは台風,地震などの自然災害等々種々の影響を受けて,劣化や損傷が出始め,その対策が必要になって来ている。
この対策は,主として構造物の定期点検・診断,その結果にも基づいた適切な補修乃至補強などとなるが,橋梁などの点検・診断などは,河川などから数十メートルも高い高所にあって,そこに作業足場を架設して行う高所作業となり,そのために様々な危険を含んでおり,万全な安全対策が必要となる。この安全対策は,作業員の技能,作業工程,使用機器および足場架設用の板,パイプ及び付属材など多肢に亘っているが,人の生命にも関わることであって,極めて高い安全性が要求されている。したがって,このような高所における作業足場架設に,例えば上記特許文献に記載のようなチェーン長さ調節用具などが使用されると,それらには万全な安全対策が必要となる。
本発明は,上記従来技術が抱える課題を解決すると共に,要求される高い安全性を確保するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は,優れた作業性及び耐久性を有すると共に,国際的安全基準に合致した安全性を備えた張架・牽引材長さ調節装置を提供することにある。
上記目的を達成するために,本発明の第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,内部に前記ボルト軸が挿通される中空孔及び外周壁の長さ方向に隙間溝を設けたカバーケースからなるホルダーと,前記長尺ボルト及び前記ホルダーに装着される固定及び可動フックを備え,
前記固定フックは,前記ホルダーの前記中空孔に挿入固定され且つ前記ボルト軸が挿通される挿通孔を設けた筒状体と,前記筒状体に固定され前記隙間溝から突出するフック部を設けたフック本体を有し,
前記可動フックは,前記ホルダーの前記中空孔に挿入されて,内周壁に前記ボルト軸の前記雄ネジと螺合される雌ネジが刻設されたネジ孔を設けた筒状体と,該筒状体に固定され前記隙間溝から突出するフック部を設けたフック本体を有し,
前記ホルダーに,前記中空孔の一端から,前記固定フックを前記フック部を前記隙間溝から突出させて挿入して前記カバーケースの端部に固着し,前記中空孔の他端から前記可動フックを前記フック部を前記隙間溝から突出させて移動自在に挿入し,前記長尺ボルトは前記ボルト軸を前記ホルダーに固着した前記固定フックの前記挿通孔を通して挿通し,前記ホルダーに移動自在に装着された前記可動フックのネジ孔に螺合されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記長尺ボルトは,前記ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部に前記ボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されていることを特徴とする。
本発明の第3態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記固定及び可動フックには外れ止め具が装着されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記固定及び可動フックの少なくともいずれか一方に過大な荷重が掛かったときに,前記ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは前記固定及び移動フックより先に機械的に変形することを特徴とする。
本発明の第5の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記長尺ボルト及びホルダーは普通鋼で形成され,前記固定及び可動フックはいずれも炭素鋼からなる鍛造成型体で形成されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記長尺ボルトは,前記ボルト頭部が工具と結合される形状になっていることを特徴とする。
本発明の第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,雄ネジが刻設された長尺ボルトと,固定及び可動フックと,ホルダーを備え,このホルダーに,長尺ボルト及び固定及び移動フックが装着されているので,耐久性が高く,しかも、例えばISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドのような国際的安全基準に適合した安全性を備え,さらに従来のものと比べて操作性が格段に向上する。
なお、ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドは,以下のものである。
ア 本質的な安全設計(inherently safe design)
イ 防護手段(protective devices)
ウ 使用者への通知(information for users)
本発明の第2の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,長尺ボルトは,ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部にボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されているので,装置に過大な負荷が掛かり,長尺ボルトが弓型に屈曲しても,ボルト軸がホルダーの隙間溝から外へ飛び出すことが防止される。また,抜け止め部材がボルト頭部と間違って回転されることがない。
本発明の第3の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,チェーンを確実に掛止できる一方で,掛止されたチェーンの外へ飛び出しを防止できる。
本発明の第4の張架・牽引材長さ調節装置によれば,装置に制限を超える荷重負荷が掛かった場合,前記ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは,前記固定及び可動フックより先に機械的に変形するので,張架・牽引材長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。この判断に伴い適切な対応策,例えば,過大負荷の軽減及び張架・牽引材長さ調節装置の交換などにより,既存の張架・牽引材長さ調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
本発明の第5の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,固定フック及び可動フックが,いずれも炭素鋼S45C相当の鍛造成型体で形成されているので,普通鋼で形成された長尺ボルト及びホルダーより強度がアップする。
本発明の第6の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,ボルト頭部は,工具と結合される形状になっているので,効率よく作業ができる
本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置の斜視図である。 図2Aは長尺ボルトの斜視図,図2Bは平ワッシャーの斜視図,図2Bは抜け止め部材の斜視図である。 ホルダーの斜視図である。 図4は固定フックを示し,図4Aは側面図,図4Bは上面図,図4Cは図4Aの背面から見た部分断面図である。 図5は可動フックを示し,図5Aは側面図,図5Bは上面図,図5Cは5Aの背面から見た部分断面図である。 複数の張架・牽引材長さ調節装置で複数本の鋼管を吊り下げた状態の斜視図である。 張架・牽引材長さ調節装置の上下端にチェーンを引っ掛けた状態の側面図である。 張架・牽引材長さ調節装置に掛かる荷重を説明する側面図である。 張架・牽引材長さ調節装置のストローク対荷重負荷のテスト結果図である。 従来技術のチェーン長さ調節用具の一部縦縦断側面図である。
以下,図面を参照して,本発明の実施形態を説明する。但し,以下に示す実施形態は,本発明の技術思想を具体化するためのチェーン,ロープ等の張架・牽引材長さ調節装置を例示するものであって,本発明をこれに特定することを意図するものではなく,特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。なお,以下の実施形態では吊りチェーンに適用したもので説明するが,本発明はこれに限定さるものでなく,ロープ(含むワイヤロープ)などでの牽引乃至懸架などにも適応し得るものである。
図1を参照して,本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置の概要を説明する。なお,図1は本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置の斜視図である。
本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置10は,一端にボルト頭部11a,このボルト頭部から所定長さ延び雄ネジ11cが刻設された比較的長いボルト軸11bを有する長尺ボルト11と,内部にボルト軸11bが挿通される中空孔12及び外周壁12a(図3参照)の長さ方向に直線状の隙間溝12を設けた断面形状が略C型パイプからなるホルダー12と,長尺ボルト11及びホルダー12に装着される一対の固定フック13A及び可動フック13Bと,ホルダー12の他端部12c(図3参照)に当接されて長尺ボルト11の先端部11d(図2A参照)を回転自在にする平ワッシャー16及び抜け止め部材17で構成されている。
この張架・牽引材長さ調節装置10は,上記の構成を備えることにより,優れた作業性及び耐久性を有すると共に,例えばISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドのような国際的安全基準に合致した安全性をも具備するものとなる。
以下,図1〜図5を参照して,張架・牽引材長さ調節装置を構成する個々の部材を説明する。なお,図2Aは長尺ボルトの斜視図,図2Bは平ワッシャーの斜視図,図2Bは抜け止め部材の斜視図,図3はホルダーの斜視図,図4は固定フックを示し,図4Aは側面図,図4Bは上面図,図4Cは図5Aの背面から見た部分断面図,図5は可動フックを示し,図5Aは側面図,図5Bは上面図,図5Cは図5Aの背面から見た部分断面図である。
長尺ボルト11は,図2Aに示したように,一端にボルト頭部11aと,このボルト頭部11aから所定長さ延び外周に所定の雄ネジ11cが刻設された所定太さ及び長さのボルト軸11bと,平ワッシャー16が遊嵌され,抜け止め部材17が装着される先端部11dを備え,棒状金属材の加工体で形成されている。
この長尺ボルト11のボルト頭部11aは,電動工具などを装着して回転できる形状,例えば六角型にするのが好ましい。また,この長尺ボルト11の寸法は,特に限定するものでなく任意でよいが,本実施形態では,例えば長さ(全長)は408mm,ボルト頭部の高さは8mm,ボルト軸の長さは400mm,ボルト軸11bの太さ(直径)は12mmであり,また,金属材は一般構造用圧延鋼(以下,普通鋼ともいう。)SS400相当である。
平ワッシャー16は,図2Bに示したように,所定の外形及び高さを有し,挿通穴16を設けたコイン状からなり,金属材で形成されている。平ワッシャー16の外径は,ホルダー12より大きい直径を有している。また,挿通穴16は,ボルト軸11bの直径より若干大きくした貫通孔で形成し,ボルト軸11bの先端部に抜け止め部材17が固定されたとき,長尺ボルト11の先端部11dが回転自在する構造になっている。この平ワッシャー16は,装置に過大な負荷が掛かり,長尺ボルトが弓型に屈曲した際に,ホルダー12の端面に当たり,ボルト軸11bを軸方向の外側に引っ張るためボルト軸11bがホルダー12の隙間溝12から外へ飛び出すのを阻止する。すなわち,ホルダー12の隙間溝12の溝口が拡大してボルト軸11bが外へ飛び出すのが阻止される。
抜け止め部材17は,ボルト軸11bの先端部11dに固定されて,長尺ボルト11がホルダー12から抜け出ないようにする部材であって,先端部11dにネジ止めするナット,或いは圧して嵌める圧嵌材などである(図2C参照)。なお,符号17はネジ孔を示している。抜け止め部材17は,ボルト軸11bの先端部11dに取り外し自在の装着できる部材が好ましい。取り外し自在にすることによって,張架・牽引材長さ調節装置10の分解が可能になり,部品の交換或いは保守が容易になる。
この抜け止め部材はボルト軸のボルト頭部と異なる形状等,例えばボルト頭部が六角形であればそれ以外の角型乃至丸型等或いはサイズを異ならせ、また取り外し自在なプラスチック乃至ゴム製キャップを被せて,ボルト頭部を回動させる工具が装着されないようにするのが好ましい。これにより,誤って抜け止め部材に工具が装着され,ボルト軸の先端部から外され、長尺ボルトが抜け出ることがない。
ホルダー12は,図3に示したように,内部に長尺ボルト11のボルト軸11bが挿通される大きさの中空孔12及び外周壁12aの長さ方向に直線状の隙間溝12を有し断面形状が略C型のパイプ(カバーケース)からなり,所定長さの短辺及び長辺並びに所定肉厚の略矩形状の金属板を湾曲加工して形成されている。すなわち,矩形状の金属板は,その長さ方向から両長辺側端が接近するように湾曲させて,内部に所定大きさの中空孔12及び両長辺側端間に隙間溝12が形成されるように湾曲加工したものである。
隙間溝12は,その幅を可動フック13Bのフック本体13の厚さより若干広くして,可動フックの筒状体14が外へ飛出すのを防止すると共に,長さ方向へ移動するのをスムーズにするガイド溝となっている。隙間溝12の溝幅は,フック本体13の厚さにプラス1.0〜2.0mm加算した範囲にするのが好ましい。1.0mm未満にすると可動フック13Bのガイドが円滑にならず,一方2.0mmを超えると開き易くなるからである。なお、ホルダーは断面形状が略C型のパイプに限定されるものでなく、他の形状のカバーケース、例えば角型でもよい。
ホルダー12は,長尺ボルト11をカバーするので,ボルト軸にモノが当たって損傷することがなく,オイルなどを注いだときその効力を持続させ,さらに,作業員が直接ボルト軸に触れることがなく,しまも把持し易くなる。また,特に,ホルダーはフックに過大な荷重負荷が掛かったとき,隙間溝が拡大されてフックが外へ飛び出すのを防止する重要な働きをする。さらに,後述するように,固定フック13A及び可動フック13Bを炭素鋼の鍛造成型体で形成し,ホルダー12及び長尺ボルト11(組立セットS)を普通鋼で形成するので,これにより,固定フック13A及び可動フック13Bを鍛造成型体の強度がホルダー12及び長尺ボルト11より強くなり,組立セットSが固定フック13A及び可動フック13Bより先に機械的に変形し,高い安全性を確保できる。
このホルダー12の寸法は,例えば長さ(全長)は390mm,中外直径は22mm,内径は18mm,溝幅は7mmである。
図4を参照して,固定フックを説明する。なお,図4は固定フックを示し,図4Aは側面図,図4Bは上面図,図4Cは図4Aの背面から見た部分断面図である。
固定フック13Aは,図4Aに示したように,フック部を有する側面視で略C字型のフック本体13と,このフック本体13の側部に合体され内部に挿通孔が形成された筒状体14とからなり,鍛造による成型体で形成されている。金属は炭素鋼S45Cである。鍛造成型体により,従来技術の1枚の板材(鉄板など)のプレス加工したもの或いは鋳物と比べて堅固になる。
フック本体13は,一側(図4Aの左側)の側本体部13aの頂部から他側(図4Aの右側)へ所定長さ延設した先端部13bと,同様に底部13cから所定長さ延設したフック部13dとの間に,吊りチェーンC(図7参照)のリンクが挿入される挿入口及びこの挿入口に連通しリンクが挿入掛止されるフック溝を内部に備え,全体形状が側面視で略C字型をなしている。
先端部13bは,側本体部13aから所定の幅及び長さで延設され,その先端がフック部13dの先端まで延びている。この先端部13bには,外れ止め具15の枢支軸部が装着される2つの枢支孔が形成されている。これら枢支孔は所定の間隔をあけて穿設されており,この間隔によって,当接部などのバネ力が調節される。
フック部13dは,側本体部13aから延びた底部13cから他側へ所定の幅及び長さで先端部13bへ向かって延びて先端部側へ立設され,その先端が先端部13bの先端と略同一になっている。底部13cは側本体部13aに比べて幅広にしてある。幅広によって,フック部13dを機械的に堅固にできる。また,フック部13dは,その幅を先き細にすることなく略同一幅にして,底部13cから立設されている。幅広の底部とこの底部から略同じ幅で立設させたことによって,フック部13dの引っ掛け強度がアップする。なお,フック部13dの幅は例えば8.0mm及び長さは15.5mm,底部の幅は16.5mmである。
筒状体14は,外径がC型パイプからなるホルダー12の中空孔12内に挿入される太さ及び内部の挿通孔14aはボルト軸11bが挿通される大きさにして,所定長さ及び肉厚の円筒状をなしている。なお,筒状体14は,下端部すなわちフック本体13の底部
より若干突出させるのが好ましい。この突出部はホルダー12の端部から突出させて組み立てる。
筒状体の寸法は,長さは45mm,内径は13mmである。挿通孔14aの大きさは,ボルト軸11bの直径より若干大きくして,ボルト軸が挿入されたときに若干の隙間ができるようにし,ボルト軸が自由に回動(空回り)できるようになっている
外れ止め具15は,フック本体11のフック部11dの先端内壁に当接する当接部と,この当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され対向する一対の延長片部と,これらの延長片部に先端を折曲させた一対の枢支軸部とを有し,側面視で略ヘヤピン状をなし,1本の所定の材料及び太さの線状のワイヤーを折曲加工して形成されている。フック本体11
に外れ止め具15を装着することによって,チェーンリンクの外れを防止できる。
線状ワイヤーは,ピアノ線(SWP)で,その径は例えば1.5mmである。
次に,図5を参照して,可動フックを説明する。なお,図5は可動フックを示し,図5Aは側面図,図5Bは上面図,図5Cは図5Aの背面から見た部分断面図である。
この可動フック13Bは,図5Aに示したように,フック部を有する側面視で略C字型のフック本体13と,このフック本体の側部に合体され内部に挿通孔が形成された筒状体14とからなり,鍛造による成型体で形成されている。
この構成は,固定フック13Aと同じであるが,挿通孔14aの一部内周壁に雌ネジ14が形成されている点が異なっている。ネジ孔の長さは筒状体の長さ及び長尺ボルトでの牽引力との関係で決定される。すなわち,筒状体の長さが長い場合,挿通孔14aの全内周壁に形成すると,雌ネジの精度が劣る場合に長尺ボルトでの移動がスムーズにならず,一方,短くすると,牽引力に耐え得なくなる。この筒状体の長さは,例えば40mm,ネジ孔の長さは例えば30mmである。
これらの固定フック13A及び可動フック13Bは,ホルダー12への装着時に両フックに設けた両フック部13dが互いに対向するように装着される。また,固定フック13A及び可動フック13Bは,いずれも炭素鋼S45C相当の鍛造成型体で形成されているので,普通鋼で形成された長尺ボルト11及びホルダー12より強度がアップする。
なお,固定フック13A及び可動フック13Bは,上記のものに限定されるものでなく,
フック本体及び外れ止め具15などは既に公知のものを使用してもよい。
図1〜図5を参照して,張架・牽引材長さ調節装置10の組立てを説明する。
まず,C型パイプからなるホルダー12に,固定フック13A,可動フック13B及び抜け止め部材17などを装着する。
固定フック13Aの装着は,固定フック13Aの筒状体14をホルダー12の中空孔12の一端に,フック本体13のフック部13dを隙間溝12から突出させて挿入し,ホルダー12の端部に溶着固定する。なお,溶着箇所は、図1において参照符号21で示されている。この組立時に筒状体14を中空孔12の一端から突出させることによって,長尺ボルト11がホルダー12に装着されたとき,ボルト頭部11aとホルダー12の端部との間に隙間G(図1参照)が形成される。このギャップGは,溶接部21にボルト頭部11aが直接当たることがなくなり,溶接個所に荷重が掛かることがなくなる。なお,ボルト頭部11aとホルダー12の端部との間に少なくとも1枚の平ワッシャー16を介在させるのが好ましい。
可動フック13Bの装着は,この可動フック13Bのフック部13dが固定フック13Aのフック部13dと向き合うようにして,この可動フック13Bの筒状体14をC型パイプからなるホルダー12の中空孔12の他端から,フック部13dを隙間溝13から突出させて挿入する。この状態では,可動フック13Bは中空孔12内で長さ方向に自由に移動される。隙間溝12は,可動フック13Bが長さ方向へ移動する際のガイド溝の働きをする。その後,長尺ボルト11を装着する。この装着は,まず,長尺ボルト11に少なくとも1枚の平ワッシャー16を取付けて置き,このボルト軸11bの先端部11dをホルダー12に固定された固定フック13Aの挿通孔14aに挿入して押し込む。この挿入・押込みは,挿通孔14aの径がボルト軸11bの径より大きくなっているので,スムーズに押し込むことができる。
次に,可動フック13Bをボルト軸先端11dに数回回転させて数山螺合させた後,ボルト頭部16aを時計方向へ回すと,ボルト軸11bの先端部の雄ネジ11cが可動フック13Bのネジ孔内の雌ネジ14に螺合してネジ結合される。更に可動フック13Bが完全にホルダーに覆われるまでボルト頭部11aを時計方向へ回す。次に,少なくとも1枚の平ワッシャー16をボルト軸11dの先端部11dに装着し,抜け止め部材17を長尺ボルト11の先端部に固定する。以上の工程により,チェーン長さ調節装置10の組立てを終了する。
図6に示したように,この張架・牽引材長さ調節装置10は,複数の張架・牽引材長さ調節装置を構造物(図示省略)などに懸架した複数本のチェーンC1と複数本の鋼管P1〜P3に取付けた複数本のチェーンC2との間に介在させて両チェーンを連結する。なお,複数本の鋼管P1〜P3の間にはそれぞれ足場板を敷設して作業足場とするが図6ではこの足場板は省略されている。
各張架・牽引材長さ調節装置10は,それぞれのチェーンC1,C2に連結した後に,それぞれのチェーンの長さ調節を行う。この調節は,張架・牽引材長さ調節装置10のボルト頭部11aを回転させて行う。すなわち,この回転操作は,ボルト頭部11aに工具,例えば電動工具やラチェットなどの手動工具(図示省略)を結合し,時計方向へ回転させる。この工具でボルト頭部11aが時計方向へ回転されると,可動フック13Bは下方(図7A参照)の平ワッシャー16に接近した位置から上方の固定フック13A方向へ上昇する(図7B参照)。この可動フック13Bの上昇によって下方のチェーンC2が上方へ引っ張られて,可動フック13Bに繋がったチェーンC2の長さが調節される。
なお,ボルト頭部11aの回転操作中に,このボルト頭部11aが固定フック13Aの筒状体14の突出部に接触し,中空孔12aに直接当たらないので,溶接個所17aに荷重が掛かることがなく,溶接個所の破壊を防止できる。また,張架・牽引材長さ調節装置10はボルト頭部11aが反時計方向へ回転されれば可動フック13Bは下方へ降下する。すなわち,ボルト頭部11aを時計或いは反時計方向へ回転させることによって,可動フック13Bは上下動し,チェーンの長さが調節される。
この可動フック13Bは,ホルダー12内にあって,隙間溝12に沿って,すなわちガイドされて上下動するので,可動フック13Bがボルト軸11bの回りで回動することがなく,一人作業により効率よく行うことができる。
ところで,足場には,作業員が載り或いは機器などが載置されるが,定員がオーバし,或いは不用意に制限を超える重量機器などが載置され,或いはまた自然災害(台風)などにより,これらが制限を超えて,足場に過大な荷重負荷が掛かることがある。このような過大な荷重負荷が掛かり,張架・牽引材長さ調節装置の制限(許容値)を超えると,これが損傷或いは破損し,重大な事故を招く恐れがある。そのために,このような事故を未然に防ぐ防止対策が必要となる。
この防止対策として,この張架・牽引材長さ調節装置10は,ホルダー12と長尺ボルト11を組合せた組立セットS(図7,図8参照)と,固定フック13A及び可動フック13Bとに区分し,足場に過大な荷重負荷が掛かったときに,組立セットSが固定及び可動フック13A,13Bより先に機械的に変形,例えば略弓状に屈曲がるようにしてある(図8B参照)。
この屈曲は,足場に制限を超える過大な荷重負荷が掛かり,この過大荷重負荷がチェーンC2を介して可動フック13Aへ伝達されると,組立セットSに掛かる。すなわち,可動フック13Bのフック部13dとボルト軸11bの軸線間の距離をL,軸線上の点S1と組立セットSのS点との距離をL,フック部13dとS点間の距離Lとすると,LはLの2乗プラスLの2乗の平方根となり,組立セットSのS点に掛かるモーメントは,L×FCosθとなる(図8A参照)。
なお,固定フック13A及び可動フック13Bの各フック部13dは,ホルダー12の隙間溝12から突出し,同じ方向を向いているので,上記のモーメントは組立セットSのS点の同一方向,すなわち,各フック部15bが側に掛かる。この値が組立セットSの許容値を超えると,組立セットSは略弓状に屈曲する。この屈曲状態は,簡単に目視でき,張架・牽引材長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。したがって,この判断により適切な対応策,例えば,過大な荷重負荷の軽減及び張架・牽引材長さ調節装置の交換などにより,調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
ホルダー12と長尺ボルト11を組合せた組立セットSが固定フック13A及び可動フック13Bより,先に変形させるために,それらの部材を異なる素材で形成する。すなわち,この実施形態では,固定フック13A及び可動フック13Bを炭素鋼の鍛造成型体で形成し,ホルダー12及び長尺ボルト11(組立セットS)は普通鋼で形成する。これにより,固定フック13A及び可動フック13Bを鍛造成型体の強度がホルダー12及び長尺ボルト11より強くなり,組立セットSが固定フック13A及び可動フック13Bより先に機械的に変形する。
また,過大な負荷荷重が掛かった場合,上記のように組立セットSが機械的に変形するが,これを超え,さらに想定外の過大な負荷荷重が掛かった場合,長尺ボルト11のボルト軸11bがホルダー12から外れ飛び出すことも想定されるが,このような想定外の過大な負荷荷重が掛かる万一の場合に備え,ボルト軸11bがホルダー12から外れ飛び出しても,固定フック13A及び可動フック13Bは長尺ボルト11のボルト軸11bに堅固に結合されて残るので,チェーンが外れることが無く,安全性が担保される。
張架・牽引材長さ調節装置10の試験を行った。
・試験条件
長尺ボルト11;長さ(全長)408mm,ボルト頭部の高さ8mm,ボルト軸の長さ400mm,ボルト軸11bの太さ(直径)は12mm,普通鋼
SS400相当。
ホルダー12;長さ390mm,中外直径22mm,内径18mm,隙間溝幅7mm,肉厚2.0mm,普通鋼SS400相当。
固定フック13A及び可動フック13B:筒状体の長さ45mm,内径12mm,フック本体13の板厚6mm,底面の長さ42mm,高さ30mm,炭素鋼S45C相当鍛造の一体成型体。
チェーン:φ5mm(規格品)を長さ400mm(2本)。
・荷重試験結果
図9に示したグラフ。
なお,図9のグラフの横軸は装置及びチェーンのストローク(mm),縦軸は荷重負荷(kN),記号aの曲線は図7Aの吊り下げ状態,記号bは図7Bの吊り下げ状態の結果。
曲線a:屈曲までの耐荷重は9.1kN,最大荷重は21.5313kN(以降,チェーン破断)
曲線b:屈曲までの耐荷重は11.0kN,最大荷重は21.0938kN
(以降,チェーン破断)
・考察:通常の使用範囲(規定)2.0kN
この規定値(2.0kN)と,チェーンの変形を含めた屈曲までの耐荷重とを対比すると,4.5倍,5.5倍まで屈曲しない結果が得られた。
また,各最大荷重を超えた時点でチェーンが破断したが,装置は屈曲するものの破損しなかった。
この張架・牽引材長さ調節装置10は,国際的安全基準ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドとの関係は以下のとおりのものとなる。
ア 本質的な安全設計(inherently safe design)
この本質的な安全設計は,可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること,重要なことは,物理的な「原理原則」に基づいた安全対策を意味している,と定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置10は,ストローク対荷重負荷の試験結果(図9参照)からみて,高い耐久性が得られ,高い安全性が確保されているので,上記「可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること」は十分満たしている。すなわち,この種の張架・牽引材長さ調節装置10の法定使用は2kNであるのに対して,チェーンの変形を含めた屈曲までの耐荷重は,4.5倍,5.5倍まで屈曲しない結果が得られ,この屈曲はチェーンが破断するまで,持続し,極めて安全性が高くなっている。
イ 防護手段(protective devices)
この防護手段は,低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要と,定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置10は,長尺ボルト11,固定及び可動フック13A,13Bはホルダー12に装着され且つボルト軸11bの先端11dは,平ワッシャー16と抜け止め部材17で結合され,また可動及び可動フック13A,13Bにはそれぞれ外れ止め具15が設けられているので,装置に過大な荷重負荷が掛ってもボルト軸11bがホルダー12から飛び出すことがなく,さらにチェーンの外れも防止できる。また,想定外の過大な負荷荷重が掛かった場合,長尺ボルト11のボルト軸11bがホルダー12から外れ飛び出すことも想定されるが,このような想定外の過大な負荷荷重が掛かる万一の場合に備え,ボルト軸11bがホルダー12から外れ飛び出しても,固定フック13A及び可動フック13Bが長尺ボルト11のボルト軸11bに堅固結合されて残るので,チェーンが外れることが無く,安全性が担保されている。
以上から,上記定義「低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要」に合致している。
ウ 使用者への通知(information for users)
この使用者への通知は,なお残留するリスクについては,使用上および据付上の情報を使用者に通知すること,定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置10は,過大な荷重負荷が掛かったときに,ホルダーと長尺ボルトとからなる組立セットSが略弓状に屈曲する。この屈曲状態は,簡単に目視でき,張架・牽引材長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。したがって,この判断により適切な対応策,例えば,過大な荷重負荷の軽減及び張架・牽引材長さ調節装置の交換などにより,調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
以上ア〜ウから,本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置10は,国際的安全基準(ISO/ECOガイド51の3-ステップメソッド)に適合した安全性を備えている。
10 張架・牽引材長さ調節装置
11 長尺ボルト
11a ボルト頭部
11b ボルト軸
11c 雄ネジ
11d 先端部
12 ホルダー
12 中空孔
121 隙間溝
13A 固定フック
13B 可動フック
13 フック本体
13d フック部
14 筒状体
14a 挿通孔
14 雌ネジ
15 外れ止め具
16 平ワッシャー
17 抜け止め部材
S 組立セット

Claims (6)

  1. 一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,内部に前記ボルト軸が挿通される中空孔及び外周壁の長さ方向に隙間溝を設けたカバーケースからなるホルダーと,前記長尺ボルト及び前記ホルダーに装着される固定及び可動フックを備え,
    前記固定フックは,前記ホルダーの前記中空孔に挿入固定され且つ前記ボルト軸が挿通される挿通孔を設けた筒状体と,前記筒状体に固定され前記隙間溝から突出するフック部を設けたフック本体を有し,
    前記可動フックは,前記ホルダーの前記中空孔に挿入されて,内周壁に前記ボルト軸の前記雄ネジと螺合される雌ネジが刻設されたネジ孔を設けた筒状体と,該筒状体に固定され前記隙間溝から突出するフック部を設けたフック本体を有し,
    前記ホルダーに,前記中空孔の一端から,前記固定フックを前記フック部を前記隙間溝から突出させて挿入して前記カバーケースの端部に固着し,前記中空孔の他端から前記可動フックを前記フック部を前記隙間溝から突出させて移動自在に挿入し,前記長尺ボルトは前記ボルト軸を前記ホルダーに固着した前記固定フックの前記挿通孔を通して挿通し,前記ホルダーに移動自在に装着された前記可動フックのネジ孔に螺合されていることを特徴とする張架・牽引材長さ調節装置。
  2. 前記長尺ボルトは,前記ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部に前記ボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  3. 前記固定及び可動フックには,外れ止め具が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  4. 前記固定及び可動フックの少なくともいずれか一方に過大な荷重が掛かったときに,前記ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは,前記固定及び移動フックより先に機械的に変形することを特徴とする請求項1に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  5. 前記長尺ボルト及びホルダーは普通鋼で形成され,前記固定及び可動フックは,いずれも炭素鋼からなる鍛造成型体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  6. 前記長尺ボルトは,前記ボルト頭部が工具と結合される形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
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