JP2017119929A - ナノファイバー成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノファイバーからなる微細な3次元成形体であって、1mm未満の寸法を有する、新規の3次元成形体を提供する。【解決手段】ナノファイバーを80質量%以上含有する3次元形状の成形体であって、該成形体の最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径(X軸又はY軸)が1.0mm未満であり、該成形体の最大径高さ(Z軸)が1.0mm未満であり、且つ下記(1)又は(2)のいずれかを満たすことを特徴とするナノファイバー成形体である。(1)前記底面の最大径(X軸又はY軸)が20μm以上である。(2)前記ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。【選択図】なし

Description

本発明は3次元成形精度に優れた微細なナノファイバー成形体と、該ナノファイバー成形体の製造方法に関する。
種々の材料として用いられる樹脂組成物及びその成形体は、強度を改良するために、繊維状のフィラーが用いられることがある。
例えば、特許文献1には、3次元ランダムマット状炭素繊維をシリコーン系エラストマー樹脂によって含浸した炭素繊維複合シートが開示されている。
また、高分子からなる繊維自体を成形する試みもなされている。例えば、特許文献2には、電界紡糸法による高分子ナノ繊維を用いた3次元構造体の製造方法であって、ノズルとコレクターとの間に高電圧を印加した状態で、所定の3次元形状を有するターゲット基材を前記ノズルと前記コレクターとの間の空間に配置するとともに、液状高分子ナノ繊維原料を前記ノズルから前記コレクターに向けて吐出することにより、前記ターゲット基材に高分子ナノ繊維を堆積させる3次元構造体の製造方法が開示されている。
特開2007−291204号公報 特開2011−214168号公報
上記特許文献1のように、2次元形状である複合シートを二次加工して3次元成形体を製造する場合、加工工程が増加するうえに、複雑な3次元形状には成形できなかった。また、上記特許文献2のように、一段階で3次元成形体を製造する技術も提案されているが、工程が複雑なため、生産性の向上に限界があった。さらに、電界紡糸法は、ノズルの閉塞や押し出される材料の粘性等から、繊維径1μm程度が限界であって、3次元成形体もまた、ある程度の大きさとならざるを得なかった。例えば、特許文献2では、長さ3cm、内径2mm、厚み70μmの円筒状形状や(特許文献2、段落[0049])、長さ2.6cm、内径1.5mm、厚み70μmの円筒状形状が開示されるに過ぎなかった(特許文献2、段落[0068])。
このように、従来技術においては、3次元形状を構成する寸法のうち、最大値が1mm未満であるような微細な3次元成形体は製造できなかった。
そこで、本発明は、ナノファイバーからなる微細な3次元成形体であって、1mm未満の寸法を有する、新規の3次元成形体を提案することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、以下の方法により、本願課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[7]に関する。
[1]ナノファイバーを80質量%以上含有する3次元形状の成形体であって、該成形体の最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径(X軸又はY軸)が1.0mm未満であり、該成形体の最大径高さ(Z軸)が1.0mm未満であり、且つ下記(1)又は(2)のいずれかを満たすことを特徴とするナノファイバー成形体。
(1)前記底面の最大径(X軸又はY軸)が20μm以上である。
(2)前記ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
[2]前記成形体が角錐形状又は円錐形状をなし、該角錐形状成形体の底面の一辺又は該円錐形状成形体の底面の直径が、それぞれ1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、それぞれ1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす上記[1]に記載のナノファイバー成形体。
(1)該角錐形状成形体の底面の一辺又は該円錐形状成形体の底面の直径が20μm以上である。
(2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
[3]前記成形体がニードル形状をなし、入り口の外径が1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす上記[1]に記載のナノファイバー成形体。
(1)該入り口の外径が20μm以上である。
(2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
[4]前記成形体が角柱形状又は円柱形状をなし、該角柱形状成形体の底面の一辺又は該円柱形状成形体の底面の直径が、それぞれ1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、それぞれ1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす上記[1]に記載のナノファイバー成形体。
(1)該角柱形状成形体の底面の一辺又は該円柱形状成形体の底面の直径が、それぞれ20μm以上である。
(2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
[5]上記[1]に記載のナノファイバー成形体を複数有するナノファイバー複合成形体。
[6]凹部を有するモールドを成形するモールド成形工程、該凹部にナノファイバーを含有する懸濁液を注入するナノファイバー充填工程、該懸濁液を乾燥する乾燥工程、乾燥された充填物をモールドから離形する離形工程を有するナノファイバー成形体の製造方法。
[7]上記[6]に記載のナノファイバー成形体の製造方法において、表面上に複数の凹部を有するモールドを形成することで、同時に複数のナノファイバー成形体を形成するナノファイバー複合成形体の製造方法。
本発明の成形体は、ナノファイバーを80質量%以上含有する3次元形状の成形体であるため、機械的強度等の優れた物理的特性を有することができる。
本発明の成形体によれば、超低分子を捕獲するフィルターやナノレベルの表面形状を実現でき、生体組織に適用するアレイとして、痛点まで到達しない大きさのニードル形状を提供することができる。
また、本発明の成形体の製造方法によれば、二次加工を行わなくても3次元形状の成形が可能であるため、ナノファイバー成形体の生産性を向上させることができる。
さらには、凹部を有するモールドにナノファイバーを含有する懸濁液を充填する工程、充填された懸濁液から空気を抜く工程、充填された懸濁液の乾燥工程、乾燥された充填物をモールドから離形する工程を有することにより、微細な3次元形状の成形を実現するものである。
本発明のナノファイバー成形体の一実施態様を示す概念図(斜視図)である。 本発明のナノファイバー成形体の一実施態様を示す概念図(斜視図)である。 本発明のナノファイバー成形体の一実施態様を示す概念図(断面図)である。 本発明のナノファイバー成形体の一実施態様を示す概念図(斜視図)である。 本発明のナノファイバー成形体の一実施態様を示す概念図(斜視図)である。 本発明のナノファイバー複合成形体の一実施態様を示す概念図(断面図)である。 本発明のナノファイバー複合成形体の一実施態様を示す概念図(斜視図)である。 実施例1で得られた成形体1のデジタルマイクロスコープ写真である。 実施例2で得られた成形体2のデジタルマイクロスコープ写真である。 実施例3で得られた成形体3のデジタルマイクロスコープ写真である。 比較例1で得られた成形体4のデジタルマイクロスコープ写真である。
本発明を実施するための形態について説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明は、ナノファイバーを80質量%以上含有する3次元形状の成形体であって、該成形体の最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径(X軸又はY軸)が1.0mm未満であり、該成形体の最大径高さ(Z軸)が1.0mm未満であり、且つ下記(1)又は(2)のいずれかの要件を満足するものである。
(1)前記底面の最大径(X軸又はY軸)が20μm以上である。
(2)前記ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
<ナノファイバー成形体>
本発明のナノファイバー成形体は、ナノファイバーを80質量%以上含有する。すなわち、本発明においては、ナノファイバーを、該成形体の構成材料の80質量%以上含有することを必須とし、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、ナノファイバーのみからなる成形体であることがさらに好ましい。したがって、他物質を強化する補助的要素としてナノファイバーを使用する場合、例えば、繊維強化樹脂よりなる組成物で構成される成形体等は、本発明の範囲から除外される。
また、本発明のナノファイバー成形体は、ナノファイバー以外のバインダー樹脂を含んでもよいが、当該バインダー樹脂の含有量は、該成形体の構成材料の10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、バインダー樹脂を含有しないことがさらに好ましい。
本発明のナノファイバー成形体は、ナノファイバーからなるため、強度に優れる。特に、ヒトの皮膚における表皮ヤング率より高い強度を有するものとすることができ、好適である。したがって、後述するようにマイクロニードルとして用いる場合に必要な刺さりやすさ(穿刺力)を有し、効果的に用いることができる。
本発明のナノファイバー成形体は、該成形体の最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径(X軸又はY軸)が1.0mm未満であり、該成形体の最大径高さ(Z軸)が1.0mm未満である。
ここで最大径とは、当該成形体の最も長い部分の長さをいい、例えば、円錐形状で高さが最も大きい場合には、当該高さが最大径となる。そして、この最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径とは、底面である円の直径を示す。
また、例えば、四角錐形状の場合は、最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面のX軸又はY軸のいずれか大きい方が底面の最大径となる。
本発明のナノファイバー成形体は、さらに、以下の(1)の要件を満たすことにより、製造することができる。すなわち、
(1)前記底面の最大径(X軸又はY軸)が20μm以上である、ことである。
本発明の成形体の形状は特に限定されず、用途や仕様に応じて適宜設計を行うことができる。例えば、図1(a)にその斜視図を示すように、角錐形状とすることができる。この場合には、角錐形状成形体の底面の一辺が20μm以上1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、20μm以上1.0mm未満であることが重要である。この範囲に制御することで、後述する用途として有効に機能する成形体とすることができる。なお、ここで、角錐形状とは三角錐、四角錐などの多角錐形状を指す。
また、図2(a)に示すように円錐形状とすることができる。この場合には、円錐形状成形体の底面の直径が20μm以上1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、20μm以上1.0mm未満であることが重要である。この範囲に制御することで、角錐形状と同様に、後述する用途として有効に機能する成形体とすることができる。
なお、ここで、角錐形状、円錐形状はともに、一般には頂点を有するが(図1(a)、図2(a)参照)、本願においては、必ずしも頂点を有することを要さず、例えば面(上面)になっていてもよい。具体的には、図1(b)に断面図を示すような形状も角錐形状に分類され、図2(b)に斜視図を示すような形状も円錐形状に分類される。
また、本発明のナノファイバーからなる成形体における3次元形状の一態様として、ニードル形状をなす成形体がある。本発明におけるニードル形状とは、図3(a)〜(e)に例示するような形状であって、該成形体を構成する入り口断面の直径を示す外径が20μm以上1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、20μm以上1.0mm未満であることが重要である。このような形体とすることで後述する用途として有効に機能する成形体とすることができる。
また、本発明の成形体は、図4に示すように、角柱形状であってもよい。この場合には、角柱形状成形体の底面の一辺が、20μm以上1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、20μm以上1.0mm未満である。また、本発明の成形体は、図5に示すように、円柱形状であってもよい。この場合には、円柱形状成形体の底面の直径が、20μm以上1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、20μm以上1.0mm未満である。
本発明のナノファイバー成形体の内面は、中空構造であっても、中実構造であってもよい。中空構造の場合は、例えば、内部に溶液等を多く包含させることができるという利点があり、中実構造の場合は、溶液等を含浸できるほか、ナノファイバー成形体の強度をより高めることができるという利点がある。したがって、中空構造とするか、中実構造とするかは、用途に応じて適宜決定する。
本発明のナノファイバー成形体は、以下の(2)の要件を満たすことにより、製造することができる。すなわち、
(2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上であること、である。
当該要件(2)を満足する場合には、上述の要件(1)を必ずしも満足する必要はない。ナノファイバーについて、以下詳細に説明する。
<ナノファイバー>
本発明におけるナノファイバーは、断面径(数平均直径)が1000nm以下であることが好ましく、1nm〜1000nmであることがより好ましく、1〜500nmであることがさらに好ましく、2〜100nmであることが特に好ましい。ナノファイバーの断面径(数平均直径)が、上記範囲内であることにより下記アスペクト比を満足し、成形時のハンドリング性、使用時の浸透性が上がる。特に、アスペクト比が高いほど、成形時の離形性、転写性が高まり、好ましい。そのため、成形される形状が微細であるほど、アスペクト比が大きいナノファイバーを使用することが好ましい。
なお、ナノファイバーの断面が非円形の場合、本明細書で用いられる際の断面径(数平均直径)という用語は、最大断面寸法を指す。
ナノファイバーの長さは、成形性の理由から、0.1〜2000μmが好ましく、さらには0.1〜1000μmが好ましい。
また、本発明で用いるナノファイバーは、離型時の剥離力に耐えるという理由から、アスペクト比20以上であることが好ましく、さらに好ましくは80以上、特に好ましくは100以上、さらに120以上、200以上とより好適となり、300以上であることが極めて好ましい。本発明のナノファイバー成形体は、要件(2)として前述したように、ナノファイバーのアスペクト比が120以上であると、前述の(1)の要件を満足しなくても、本発明のナノファイバーを成形することができる。また、(1)の要件と(2)の要件のいずれをも満足することが、成形時のハンドリング性(成形時の離形性及び転写性)、使用時の浸透性などの点から好ましい。
一方、成形体の高さ方向の強度を保持する観点から、アスペクト比10000以下であることが好ましく、さらに好ましくは3000以下、特に1000以下であることが好ましい。
また、本発明のナノファイバー成形体は、前述のように、バインダー樹脂等を含まないナノファイバーのみからなる成形体が好ましい。したがって、ファイバーのみで成形しやすいという理由から、本発明で使用するナノファイバーは非水溶性物質により構成されることが好ましい。非水溶性物質としては、例えば、セルロース、ポリ乳酸、カーボン、セラミックスが例示される。
さらに、前記ナノファイバーは、生体適合性物質であることが好ましい。生体適合性物質を用いることで、仮に破損した成形体が体内に残留した場合でも、人体に悪影響を及ぼさない。このような材料としては、例えば、Mg系化合物、Ti系化合物などの無機化合物;キチン、キトサン、セルロース、ヒアルロン酸などの多糖類;その他マルトース、デキストランなどの生体高分子化合物;ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸などの合成有機高分子化合物などが挙げられる。また、アルミナ繊維(アルミナナノファイバー)も好適に用いられ、一部のアルミナは生体適合性物質でもある。
本発明で使用するナノファイバーとしては、上述のとおり、非水溶性物質であり、且つ、生体適合性物質であることが、さらに好ましい。非水溶性物質であり、生体適合性物質であるナノファイバーは、例えば、セルロース、ポリ乳酸、一部のキチン、キトサン、アルミナ繊維などがある。
これらのナノファイバーは用途により、適宜、選択することが可能であり、例えば、アルミナナノファイバーは、乾燥による自己組織化で二次元・三次元に配向することから、該ナノファイバーよりなる成形体のバリア性を向上させ、マイクロニードル用途に使用する場合は、薬液の酸化防止効果をもたらす、深さ方向の刺し込み強度を高めるなどの利点があり、特に好ましい。
本発明のナノファイバー成形体は、底面近傍の断面厚みTと頂点近傍の断面厚みTとが、T≦Tの関係であることが好ましい。このような構造とすることで、先端部の強度を向上させることができる。上記T≦Tの関係を得るためには、後述する、ナノファイバーを含有する懸濁液を分注し、且つ充填と乾燥の工程を繰り返すことで達成し得る。
なお、ここで底面近傍とは、ナノファイバー成形体の高さに対して、底面から高さの10%までの領域をいい、頂点近傍とは頂点から高さの10%までの領域をいう。また、頂点とは、ナノファイバー成形体が角錐形状、円錐形状等である場合には、頂点を意味するが、頂点が存在せず、面を形成している場合には、上述のように、当該上面のことを指す。
<ナノファイバー複合成形体>
本発明のナノファイバー複合成形体は、上記ナノファイバー成形体を複数有するものである。図6(a)及び(b)にその模式図(断面図)を例示する。また、該複合成形体をシート状としたものは、マイクロニードルパッチとして好適に使用でき、例えば図7に斜視図を示すように、ナノファイバー成形体を円状に設けた円盤状のマイクロニードルパッチなどが例示される。
<ナノファイバー成形体の製造方法>
本発明のナノファイバー成形体の製造方法は、モールド成形工程、ナノファイバー充填工程、乾燥工程、及び離型工程を有する。
(モールド成形工程)
本発明におけるモールド成形工程は、凹部を有するモールドを成形する工程である。本発明のナノファイバー成形体を製造するために使用するモールドは、その形状、材質等は問わず、種々のものを使用できるが、後述する離型工程において、本発明のナノファイバー成形体の転写性を向上させる観点から、モールドの基材は、表面が滑らかで充填物質を離型しやすい形状及び材料であることが望ましい。したがって、モールド基材の形状は、平板状、曲板状などの板状や円盤状など、表面が平滑である形状が好ましい。また、モールド基材の材料としては、樹脂、金属などがあるが、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが好ましく、特にシリコーン樹脂が好ましい。
本発明では、目的とするナノファイバー成形体の形状を得るための凹部を形成することが肝要であり、上述の本発明のナノファイバー成形体と形状は同一である。すなわち、凹部は外径が1.0mm未満であり、深さが1.0mm未満であり、且つ、外径が20μm以上の凹部を形成することが好ましい。詳細は後述する。
凹部を形成する具体的な方法としては、モールド基材に、機械加工、レーザー加工等の方法を用いて、目的とするナノファイバー成形体の形状に合った凹部を形成する。特に、加工の容易性等から、シリコーン樹脂よりなる板状基材を上記手法などにより切削する方法が好適である。
また、凹部の形状によっては、フォトリソグラフィー法により、作製することも可能である。例えば、ニードル形状を作製する場合などは、以下に記載する、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術によって作製することができる。より具体的には、以下の方法である。
(a)母材となる、例えばSi基板表面上にエッチングマスク材、例えば酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜の厚さはエッチング工程に用いられるアルカリ性水溶液種及び温度、エッチング量から決定する。
(b)フォトソリグラフィー技術にて、マスク材にマスクパターン形状を転写する。例えば、Si基板表面に感光性樹脂を塗布し、紫外線を用いてマスクパターンを感光性樹脂に転写する。感光樹脂パターンを元にシリコン酸化膜をフッ酸緩衝液にてエッチングし、エッチングマスク材としてシリコン酸化膜に、マスクパターニングを転写する。
(c)Si基板表面に形成したエッチングマスクパターンをもとに、アルカリ性水溶液でSi基板を選択的に除去加工することで、Si製型を作成する。
なお、上記の場合は結晶異方性エッチングを利用しているが、単結晶基板の面方位、エッチングマスク形状を変化させることで様々な形状の型を作製することができる。
凹部の形状は、目的とするナノファイバー成形体の3次元形状と同一であり、例えば、円錐、三角錐をはじめとする多角錐、円柱、三角柱をはじめとする多角柱などが挙げられる。凹部の入口形状は、矩形であってもよいし、円であってもよく、凹部の出口形状は、例えば、円柱状や角柱状のような先端が尖った形状であってもよいし、そうでなくてもよい。また、凹部のなす3次元形状は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。
また、凹部がなす3次元形状は、先端部に孔が設けられてもよい。なお、後述する成形体の転写性及び離型性を向上させるために、凹部がなす3次元形状は、モールドを貫通する形状であって、入口の外径よりも出口の外径が小さい3次元形状を有するものが好ましい。
また、前記モールドの凹部の入り口の外径は、離形性の観点から、20μm以上である必要があり、さらに好ましくは30μm以上、特には40μm以上であることが好ましい。また、出口径は、モールドの凹部が貫通しない形状の場合、0である。後述する空気を抜く観点から、出口径が1〜100μmであることが好ましい。
また、モールド基材の平滑面に、複数の凹部を設けることにより、効率よく本発明のナノファイバー成形体を得ることができる。複数の凹部がなす3次元形状は、モールド基材の1表面に規則的に並んでもよいし、不規則に並んでいてもよい。また、複数の凹部がなす3次元形状は、モールド基材の1平面における複数の箇所に偏って配置されてもよく、例えば、格子状や同心円状に配列される場合などがある。
本発明において使用するモールドは、さらに、減菌処理、滅菌処理などを施すこともできる。これにより、医薬品製剤や化粧品などの、生体適合性が要求されるアプリケーションとして、効果的に使用される。
(ナノファイバー充填工程)
ナノファイバー充填工程は、モールド成形工程によって得られた凹部にナノファイバーを含有する懸濁液を注入する工程である。ここで、ナノファイバーを含有する懸濁液としては、上述するナノファイバーを含有するものであれば、特に限定されず、市販のものを使用することもできる。
なお、懸濁液は、モールドに充填されたのち乾燥処理されるものであるから、揮発性の高い溶媒でナノファイバーが希釈されたものであることが好ましい。用いられる溶媒は、特に限定されないが、水、酸水溶液、塩基水溶液などがある。特に環境への配慮や乾燥時に残存した時の皮膚刺激性の理由から、水が好ましい。また、懸濁液におけるナノファイバーの含有量は、転写性の理由から、50質量%以下が好ましく、さらに好ましくは、10質量%以下、特に5質量%以下が好ましい。一方、成形性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。
前述のとおり作製された、ナノファイバー成形体の形状をなす凹部を有するモールドに、ナノファイバーを含有する懸濁液を流し込む。このとき、凹部の先端まで、懸濁液を充填させるために、モールドの凹部内から空気を抜くことが好ましい。
モールドの凹部内から効果的に空気を抜くとの観点から、モールドの凹部は出口径が1〜100μmである貫通形状であることが好ましい。
空気を抜く方法としては、特に制限はなく、例えば、モールドの凹部上面からのエアープレス法、モールドの凹部下面からの減圧法、遠心力を使用する方法などの方法がある。このとき、効果的に空気を抜く観点から、モールドの凹部に形成された3次元形状の出口外径は入口外径より小さい形状に加工されることが好ましい。これにより、懸濁液がモールド凹部の出口側から流れ出ることを防ぎ、空気のみを効果的に抜くことができる。
また、前記ナノファイバーを含有する懸濁液は、一度で流し込まずに、分注し、複数回に分けて流し込むことが好ましい。分注する際には、充填工程及び後述する懸濁液の乾燥工程は2回以上繰り返し行うことが好ましい。
このような分注により、ナノファイバー成形体の厚みや強度を増加させることができ、離形不良を防ぎ、転写成形性の向上、生産性の向上が可能である。
特に、本発明の成形体が、角錐形状、円錐形状及びニードル形状である場合、懸濁液を分注し、複数回に分けて充填、乾燥を行うことにより、前述のように、該成形体の底面近傍の断面厚みTと頂点近傍の断面厚みTとの関係がT≦Tとなり、先端部の強度を向上させることができる。
さらに、懸濁液の充填後、乾燥工程に入る間に、被着材を載置する工程を有することが好ましい。これによれば、被着材がナノファイバーと一体化することによって、後述する離形工程におけるナノファイバー成形体の転写性を向上させることができる。充填工程乃至乾燥工程を2回以上繰り返し行う場合は、最後の乾燥工程の前に、該被着材の載置工程を有することが好ましい。
被着材としては、特に形状、材質等を問わず、用途に応じて適宜決定され、例えば、テープ、板材、ガーゼなどが挙げられる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、ナノファイバー懸濁液に含まれる溶媒成分を揮発させるものであれば、限定されず、公知の乾燥方法が採用可能である。例えば、オーブン(熱風乾燥器)や、自然乾燥(無風、常温)などの方法がある。
このとき、生産効率の向上や、低温での成形が必要な成形体にも応用可能との理由から、80℃以下の温度で乾燥することが好ましい。より具体的には、温度20〜80℃、好ましくは、20〜50℃で行うことが好ましい。
また、乾燥時間は、ナノファイバー成形体の大きさや形状に応じて適宜調整され、通常は5秒〜20分程度が好ましい。
本発明のナノファイバー成形体の製造方法においては、従来行われてきた、化学薬品によるエッチングや樹脂等の利用による高温処理が必要ないため、上述のように、溶媒を揮発させるための低温処理のみを介して成形体を得ることができる。
また、充填から乾燥の工程を複数回繰り返す場合、最後の乾燥工程は、乾燥時間を十分長く設定することにより離形性を高めることができる。
(離形工程)
前記充填工程乃至乾燥工程を終えた後、モールドの凹部から、乾燥された充填物であるナノファイバー成形体を離形する。このとき、ナノファイバー成形体が破壊されない速度、強度で離形させる。
なお、本発明のナノファイバーの成形体は、目的とする3次元形状とするために、離形工程の後に、さらに、切削加工や、貫通孔の形成加工などを施してもよい。
<ナノファイバー複合成形体の製造方法>
上記ナノファイバー成形体の製造方法を用いて、ナノファイバー複合成形体を製造することができる。すなわち、モールド基材の1表面に、複数の凹部を形成することにより、本発明のナノファイバー成形体を複数有するナノファイバー複合成形体を形成することができる。ここで、前記凹部をニードル形状などの逆円錐形状とすることで、マイクロニードルパッチのような、複数のニードル形状が並んだ成形体を得ることができる。
特に、複数の凹部が規則的に並んだ状態のナノファイバー複合成形体を形成することにより、そのまま、マイクロニードルパッチとして使用することができるため、極めて生産性が高い。すなわち、本発明のナノファイバー複合成形体は、マイクロニードルパッチとして有効である。
<ナノファイバー成形体の用途>
本発明のナノファイバー成形体は、成形体単体として、又は複数の成形体を有する複合体として、様々な用途に用いることができる。
なかでも、本発明のナノファイバー成形体がニードル形状であって、複数の成形体からなるマイクロニードルパッチに適用される場合、本発明のナノファイバー成形体は、強度等の物理的性質に優れるため、好ましく用いられる。
本発明のナノファイバーの成形体をマイクロニードルパッチとして用いる場合は、マイクロニードル内部、または、マイクロニードルの近傍に、貫通孔を形成してもよい。貫通孔を設けることにより、貫通孔を通して、体液/薬液を採取/供給する構成のデバイスに好適に用いることができる。
例えば、経皮投与の目的でマイクロニードルを用いる場合、貫通孔の断面径(数平均直径)は数μmから数百μm、長さは数十μmから数百μm程度のものであることが望ましい。さらに、本発明のナノファイバー成形体は、薬効成分等の送液性を高めるとともに送液量を増やす観点から、中空形状に成形された成形体の複合体であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない範囲において、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種測定及び評価は下記方法により行った。
<転写性>
デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製「VHX-600」)を用いて、離形後の各製品(サンプル)の形状について次のように評価した。
○:モールドの凹部の形状と同様の形状が転写された。
×:先端が折れたり、ナノファイバーが突出したりすることによって、モールドの凹部の形状の稜線と大きく異なる形状を形成していた。
実施例1
(1)モールドの成形
シリコーン樹脂よりなる平板状のシート基材を両面テープで固定した。両面テープは、凹部を作製する加工面の反対側に貼った。次に、高速万能AI CNCドリル(マシニングセンタ)FANUC社「ロボドリルα-T14iFa」を用いて、以下の条件で固定されたシート基材の平面部に凹部を作製した。
キリ条件:面取ドリルSVMA030-090
操作条件:回転数10000rpm、切削送り速度5mm/min、保圧3,000sec、
凹部の形状:円錐形状(テーパ形状)で、貫通孔を有する。入口径(円錐の底面の直径)は800μm、貫通孔の出口径は10μm、凹部の深さは300μmである。
凹部は、1枚のシート基材の同一平面部に、縦横5×5の計25個形成した。
(2)ナノファイバーの充填及び懸濁液の乾燥
ナノファイバーを含有する懸濁液として、SUGINO Machine Limited社製「BiNFi-s Sfo-20002」(キチン:直径2〜20nm、アスペクト比:100,長さ5μm程度、2.2wt%, 粘度:3040mPa・s,溶媒:水)を用いた。
モールドの凹部に、懸濁液を充填した。懸濁液は4回に分けて、分注し、1度充填するたびに、空気を抜く工程と乾燥工程を行い、再び、次の充填を行った。
空気を抜く工程は、底部を減圧して行うことによって、懸濁液が凹部の出口まで完全に充填するようにした。また、空気を抜いた後、懸濁液を乾燥させる工程は、熱風乾燥機を用いて、1回目〜3回目の乾燥条件は40℃で15sec、最後の1回は、40℃15minで行い、懸濁液を完全に乾燥させた。
(3)離形
充填工程乃至乾燥工程を終えた後、凹部に形成されたナノファイバー成形体が破壊されない速度でモールドから離形し、成形体1が25個(縦横5×5)連なる複合成形体を得た。成形体1は、モールドの凹部の入り口形状と同等の底面形状を有し、モールドの凹部の出口形状と同等の上面形状を有する中空構造をなす成形体であった。図8にデジタルマイクロスコープ写真を示す。
実施例2
(1)モールドの成形
実施例1において、高速万能AI CNCドリルに代えて、ピコ秒レーザー加工機(Time-Bandwidth社製「DUETTINO」)を用いて、凹部を形成したこと以外は実施例1と同様にして、凹部を有するモールドを成形した。具体的には、シート基板の平面部に対して、パルスエネルギー100μJで0.5秒間ピコ秒レーザーを照射することにより、シート基材の平面部に凹部を作製した。
凹部の形状:円錐形状(テーパ形状)で、貫通孔を有する。入口径(円錐の底面の直径)は40μm、貫通孔の出口径は20μm、凹部の深さは300μmである。
凹部は、1枚のシート基材の同一平面部に、縦横5×5の計25個形成した。
(2)ナノファイバーの充填及び懸濁液の乾燥
ナノファイバーを含有する懸濁液として、川研ファインケミカル社製「F-1000」(アルミナナノファイバー:直径4nm、長さ1400nm、アスペクト比350、濃度4.5〜5wt%, 粘度:10〜500mPa・s, 溶媒:水)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ナノファイバーの充填及び懸濁液の乾燥を行った。
(3)離形
実施例1と同様にして、成形体2が25個(縦横5×5)連なる複合成形体を得た。成形体2は、モールドの凹部の入り口形状と同等の底面形状を有し、モールドの凹部の出口形状と同等の上面形状を有する中空構造をなす成形体であった。図9にデジタルマイクロスコープ写真を示す。
実施例3
(1)モールドの成形
実施例2と同様にして、シート基材の平面部に凹部を作製した。
凹部の形状:円錐形状(テーパ形状)で、貫通孔を有する。入口径(円錐の底面の直径)は100μm、貫通孔の出口径は40μm、凹部の深さは100μmである。
凹部は、1枚のシート基材の同一平面部に、縦横3×3の計9個形成した。
(2)ナノファイバーの充填及び懸濁液の乾燥
ナノファイバーを含有する懸濁液として、中越パルプ社製「15B06CNF-1BBB」(粘度:605cPa,溶媒:水)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ナノファイバーの充填及び懸濁液の乾燥を行った。
(3)離形
実施例1と同様にして、成形体3が9個(縦横3×3)連なる複合成形体を得た。成形体3は、モールドの凹部の入り口形状と同等の底面形状を有し、モールドの凹部の出口形状と同等の上面形状を有する中空構造をなす成形体であった。図10にデジタルマイクロスコープ写真を示す。
比較例1
実施例1において、凹部の入口径(円錐の底面の直径)を15μm、貫通孔の出口径を9μmとしたこと以外は実施例1と同様にして(凹部の深さは300μmで実施例1と同様)、成形体4を(サンプル)を作製したが、離形の際、先端が折れたり、一部が破れたりし、転写性が不足するものであった。図11に電子顕微鏡写真を示す。
成形体4の高さは55μmであり、離形の際に先端が折れたことがわかる。
本発明によれば、ナノファイバーからなる微細な成形体を得ることができる。
また、本発明の成形体は、微細な3次元形状を有し、且つ転写性に優れるため、超低分子を捕獲するフィルターやナノレベルの表面形状を有する生体組織の模倣等に用いることができ、ヘルスケア、環境、エネルギーなどの様々な産業に適用することができる。
本発明の製造方法によれば、二次加工を行わなくても3次元形状の成形が可能であり、ナノファイバー成形体の生産性を向上させることができる。

Claims (24)

  1. ナノファイバーを80質量%以上含有する3次元形状の成形体であって、該成形体の最大径を高さ(Z軸)としたときの、底面の最大径(X軸又はY軸)が1.0mm未満であり、該成形体の最大径高さ(Z軸)が1.0mm未満であり、且つ下記(1)又は(2)のいずれかを満たすことを特徴とするナノファイバー成形体。
    (1)前記底面の最大径(X軸又はY軸)が20μm以上である。
    (2)前記ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
  2. 前記成形体が角錐形状又は円錐形状をなし、該角錐形状成形体の底面の一辺又は該円錐形状成形体の底面の直径が、それぞれ1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、それぞれ1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす請求項1に記載のナノファイバー成形体。
    (1)該角錐形状成形体の底面の一辺又は該円錐形状成形体の底面の直径が20μm以上である。
    (2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
  3. 前記成形体がニードル形状をなし、入り口の外径が1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす請求項1に記載のナノファイバー成形体。
    (1)該入り口の外径が20μm以上である。
    (2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
  4. 前記成形体が角柱形状又は円柱形状をなし、該角柱形状成形体の底面の一辺又は該円柱形状成形体の底面の直径が、それぞれ1.0mm未満であり、且つ該成形体の高さが、それぞれ1.0mm未満であって、下記(1)又は(2)のいずれかを満たす請求項1に記載のナノファイバー成形体。
    (1)該角柱形状成形体の底面の一辺又は該円柱形状成形体の底面の直径が、それぞれ20μm以上である。
    (2)ナノファイバーの断面径が1000nm以下で、且つアスペクト比が120以上である。
  5. 前記成形体の、底面近傍の断面厚みTと頂点近傍の断面厚みTとが、T≦Tの関係である請求項2又は3に記載のナノファイバー成形体。
  6. 中空構造である請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体。
  7. 前記ナノファイバーは、非水溶性物質により構成される請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体。
  8. 前記ナノファイバーは、生体適合性物質である請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体。
  9. 前記ナノファイバーは、キチン、キトサン、セルロース、及びヒアルロン酸から選ばれる少なくとも1種の多糖類である請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体。
  10. 前記ナノファイバーがセルロースである請求項9に記載のナノファイバー成形体。
  11. 前記ナノファイバーがアルミナ繊維である請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体を複数有するナノファイバー複合成形体。
  13. 請求項12に記載のナノファイバー複合成形体からなるマイクロニードルパッチ。
  14. 凹部を有するモールドを成形するモールド成形工程、該凹部にナノファイバーを含有する懸濁液を注入するナノファイバー充填工程、該懸濁液を乾燥する乾燥工程、乾燥された充填物をモールドから離形する離形工程を有するナノファイバー成形体の製造方法。
  15. 前記凹部の外径が20μm以上1.0mm未満であって、深さが20μm以上1.0mm未満である請求項14に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  16. 前記ナノファイバーの断面径が1000nm以下、且つアスペクト比が120以上である請求項14又は15に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  17. 前記充填工程において、前記ナノファイバーを含有する懸濁液を分注し、且つ充填工程と乾燥工程を2回以上繰り返し行う請求項14〜16のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  18. 前記モールドの凹部は、モールドを貫通する形状であって、該凹部の出口径は該凹部の入口径より小さく、且つ該凹部の出口径は1〜100μmである請求項14〜17のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  19. 前記充填工程において、モールドの凹部上面からのエアープレス法、モールドの凹部下面からの減圧法、及び遠心力を使用する方法から選ばれる少なくとも一つの方法を用いて、モールドの凹部内から空気を抜く請求項18に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  20. 前記乾燥工程は80℃以下の温度で行う請求項14〜19のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  21. 前記モールド成形工程において、シリコーン樹脂よりなる板状基材を切削することにより凹部を形成する請求項14〜20のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  22. 前記充填工程及び乾燥工程の間に、被着材を載置する工程を有する請求項14〜21のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法。
  23. 請求項14〜22のいずれか1項に記載のナノファイバー成形体の製造方法において、表面上に複数の凹部を有するモールドを形成することで、同時に複数のナノファイバー成形体を形成するナノファイバー複合成形体の製造方法。
  24. 前記凹部は逆円錐形状を有する請求項23に記載のナノファイバー複合成形体の製造方法。
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