JP2017119922A - 次亜塩素酸水含浸物 - Google Patents

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琢真 矢野
Takuma Yano
琢真 矢野
修介 森田
Shusuke Morita
修介 森田
高橋 健
Takeshi Takahashi
高橋  健
松田 秀三
Shuzo Matsuda
秀三 松田
千草 尚
Hisashi Chigusa
尚 千草
大川 猛
Takeshi Okawa
猛 大川
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Abstract


【課題】次亜塩素酸の失活を抑制した次亜塩素酸水含浸物を得る。
【解決手段】3.0以上7.0以下のpH値、1mg/kg以上の次亜塩素酸濃度、及び1〜1000mg/kgのナトリウムイオン濃度を有する次亜塩素酸水と、次亜塩素酸水が含浸された不織布とを含む次亜塩素酸水含浸物。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、次亜塩素酸水含浸物に関する。
水を電解して様々な機能を有した電解水として、アルカリイオン水、オゾン水、及び次亜塩素酸水などがある。このうち次亜塩素酸水は、優れた殺菌力を有するとともに、人体に安全で食品添加物としても認可されている。
このような電解水を生成する装置としては、例えば、1隔膜2室型電解槽や、2隔膜3室型電解槽を有する装置がある。1隔膜2室型電解槽では、陽極を収納した陽極室と陰極を収納した陰極室を特定イオンだけ通過させる隔膜で隔てて対向させた電解槽に電解質としてたとえば塩化ナトリウム水溶液を流水させ、陽極室で酸性水を、陰極室でアルカリ性水を生成する。酸性水としては次亜塩素酸と塩酸の混合したもの、アルカリ性水としては水酸化ナトリウム水や溶存水素を含んだ水などが得られる。一方、2隔膜3室型電解槽では、生成された酸性水およびアルカリ性水に塩化ナトリウムが混入するのを防ぐため、陽極室と陰極室の間に塩化ナトリウム水溶液などの電解質液を満たした中間室を配置し、中間室と陽極室の間を陰イオン交換隔膜、中間室と陰極室の間を陽イオン交換隔膜で隔て、塩化ナトリウム水溶液から電解に必要な陰イオンあるいは陽イオンだけを陽極室あるいは陰極室に通過させる構造としている。
陽極室で生成された次亜塩素酸水は殺菌消毒水として活用されている。一方、陰極室では陰イオン交換膜を透過したナトリウムイオンにより水酸化ナトリウムが生成されアルカリ性になる。
この次亜塩素酸水を不織布等に含浸することにより、例えばウエットワイパー等として使用することが可能である。しかしながら、次亜塩素酸は失活しやすく、殺菌消毒水としての効果が低下する傾向があるので、失活をなるべく抑制することが望まれる。また、塩化ナトリウム濃度が高いと、使用後に結晶として残るので、塩化ナトリウム濃度はなるべく低いことが望まれる。
特開平11−332779号公報 実用新案登録第3043153号公報 特開2000−70171号公報 特開2006−182431号公報 特開2006−204892号公報
本発明の実施形態は、次亜塩素酸の失活を抑制した次亜塩素酸水含浸物を得ることを目的とする。
実施形態によれば、3.0以上7.0以下のpH値、1mg/kg以上の次亜塩素酸濃度、及び1〜1000mg/kgのナトリウムイオン濃度を有する次亜塩素酸水と、該次亜塩素酸水が含浸された不織布とを含む次亜塩素酸水含浸物が提供される。
実施形態に使用する電解水を生成可能な電解水生成装置の構成を表す概略図である。 次亜塩素酸失活試験におけるナトリウム濃度と有効塩素濃度維持率との関係を表すグラフ図である。 次亜塩素酸水のpHと次亜塩素酸の存在比率と有効塩素残存率との関係を表すグラフ図である。 次亜塩素酸の失活抑制効果とpHとナトリウムイオン濃度との関係を表すグラフ図である。
実施形態にかかる次亜塩素酸水含浸物は、次亜塩素酸水と、次亜塩素酸水が含浸された不織布とを含み、次亜塩素酸水は、3.0以上7.0以下のpH値、1mg/kg以上の次亜塩素酸濃度、及び1〜1000mg/kgのナトリウムイオン濃度を有する。
実施形態によれば、上記次亜塩素酸水を不織布に適用することにより、次亜塩素酸の失活を抑制した次亜塩素酸水含浸物を得ることが可能となる。
実施形態に用いられる不織布は、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、またはそのうち2以上の異なる繊維から構成することができる。
次亜塩素酸水としては、例えば電解水を使用することができる。
電解水は、例えば図1に示す装置を用いて生成することができる。
また、実施形態において、次亜塩素酸水の失活抑制の範囲を定義するに当たり、塩化ナトリウムを次亜塩素酸水に添加することによりナトリウムイオン濃度を規定した。実際、次亜塩素酸の失活に関わるCl/HClOの存在比率は、塩化ナトリウム由来のナトリウムイオンではなく、塩素イオンの量に影響され、酸性領域において、塩素イオン増加により、失活が促進する。すなわち、塩素イオンの量によって次亜塩素酸水の失活抑制の範囲は定義される。しかし、次亜塩素酸水中の塩素イオン濃度は、揮発などの要因から安定した測定は困難である。
そこで、実施形態では、水中でナトリウムイオン:塩化物イオン=1:1で電離する塩化ナトリウムを用いてナトリウムイオン濃度を測定することで、間接的に塩素イオン増加による失活を測定し、次亜塩素酸水の失活抑制の範囲を定義した。
図1に、実施形態に使用する電解水を生成可能な電解水生成装置の構成を表す概略図を示す。
図示するように、この電解水生成装置50は、飽和食塩水を循環させた中間室51と、その左右にイオン交換膜52,53を介して、各々、陽極電極56を備えた陽極室54、及び陰極電極57を備えた陰極室55を配置した三室型の電解槽58を有する。
陽極電極56及び陰極電極57には各々電圧が印加されている。
中間室51は、飽和食塩水貯留器61及び塩水循環ポンプ62を備えた飽和食塩水循環システム63と接続され、常に飽和食塩水65が供給される。
陽極室54及び陰極室55は、給水システム64と接続され、各々、常に新しい水が供給される。
このとき供給する水として純水を使用することができる。純水を使用することにより、例えば塩化物イオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の不所望なイオンの混入を防ぐことが可能となる。
陽極室54では陽極電極56により中間室51の塩素イオンを誘因するとともに塩素ガスを発生して次亜塩素酸水を生成し、陰極室55では陰極電極57により中間室51のナトリウムイオンを誘因するとともに水素ガスを発生して水酸化ナトリウム水溶液を生成する。前者は、有効塩素濃度20〜60ppm、pH2〜5程度の次亜塩素酸水であり、後者はpH10〜13程度の水酸化ナトリウム水溶液となる。水酸化ナトリウム水溶液は発生した水素ガスとともに陰極室55から排出ライン71を通して取り出される。排出ライン71に気液分離ユニット72を設けることにより、水素ガスを排出ライン71から外部に放出することができる。
この次亜塩素酸水は優れた殺菌効果を有するとともに食品添加物にも認可された安全な水である。
また、この水酸化ナトリウム水溶液を上述した次亜塩素酸水に適宜混合することでpHを次亜塩素酸水のpHよりも中性に近づけ、かつ次亜塩素酸を含む水を生成することができる。
以下、実施例を示し、実施形態を具体的に説明する。
実施例
次亜塩素酸の失活の抑制について、以下のような試験を行った。
電解水の生成
まず、電解水生成装置から電解水として、酸性水とアルカリ水を生成する。
次亜塩素酸水サンプルの調製
上記電解水生成装置から生成された電解水から、下記2種類の酸性水と2種類のアルカリ水を用意した。
酸性水1 有効塩素濃度62(mg/kg)、pH2.8
酸性水2 有効塩素濃度53(mg/kg)、pH2.9
アルカリ水1 ナトリウムイオン濃度310(mg/kg)、pH11.5
アルカリ水2 ナトリウムイオン濃度340(mg/kg)、pH12.1
有効塩素濃度は、柴田科学株式会社製 有効塩素濃度測定キットAQ−102Pを用いて測定した。
ナトリウムイオン濃度は、ナトリウムイオン濃度計として、HORIBA製 コンパクトナトリウムイオンメーターLAQUAtwinを用いて測定した。
電解水生成装置から生成した酸性水500mlにアルカリ水を添加してpH調整し、下記7種類のpHを有する次亜塩素酸水サンプルを調製した。
サンプル1−1
酸性水1をそのまま使用した。
サンプル2−1
酸性水1 500mlに、アルカリ水1を60ml混合した。
得られた次亜塩素酸水サンプルは、有効塩素濃度52(mg/kg)、pH3、ナトリウムイオン濃度9(mg/kg)であった。
サンプル3−1
酸性水2 500mlに、アルカリ水2を80ml混合した。
得られた次亜塩素酸水サンプルは、有効塩素濃度44(mg/kg)、pH4、ナトリウムイオン濃度30(mg/kg)であった。
サンプル4−1
酸性水2 500mlに、アルカリ水2を86ml混合した。
得られた次亜塩素酸水サンプルは、有効塩素濃度43(mg/kg)、pH5、ナトリウムイオン濃度28(mg/kg)であった。
サンプル5−1
酸性水2 500mlに、アルカリ水2を88ml混合した。
得られた次亜塩素酸水サンプルは、有効塩素濃度39(mg/kg)、pH6、ナトリウムイオン濃度31(mg/kg)であった。
サンプル6−1
酸性水1 500mlに、アルカリ水1を98ml混合した。
得られた次亜塩素酸水サンプルは、有効塩素濃度50(mg/kg)、pH7、ナトリウムイオン濃度48(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表1に示す。
Figure 2017119922
次に、サンプル1−1,2−1,3−1,4−1,5−1,及び6−1、それぞれ塩化ナトリウムを添加して、ナトリウムイオン濃度を調整した。
サンプル1−2,1−3,1−4の調製
ナトリウムイオン濃度計(HORIBA製 コンパクトナトリウムイオンメーターLAQUAtwin)を容器に設置し、サンプル1−1を50ml入れた。サンプル1−1を攪拌し、ナトリウムイオン濃度を測定しながら、塩化ナトリウムの添加を行い、ナトリウムイオン濃度が300(mg/kg)になった時点で塩化ナトリウムの添加を停止し、サンプル1−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.7、有効塩素濃度58(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル1−2と同様にしてサンプル1−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.7、有効塩素濃度58(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度1000(mg/kg)にすること以外はサンプル1−2と同様にしてサンプル1−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.7、有効塩素濃度56(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表2に示す。
Figure 2017119922
サンプル2−2,2−3,2−4の調製
サンプル1−1のかわりにサンプル2−1を用いること以外はサンプル1−2と同様にして、サンプル2−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.9、有効塩素濃度48(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル2−2と同様にしてサンプル2−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.9、有効塩素濃度47(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を1000(mg/kg)にすること以外はサンプル2−2と同様にしてサンプル2−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH2.9、有効塩素濃度46(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表3に示す。
Figure 2017119922
サンプル3−2,3−3,3−4の調製
サンプル1−1のかわりにサンプル3−1を用いること以外はサンプル1−2と同様にして、サンプル3−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH4.0、有効塩素濃度44(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル3−2と同様にしてサンプル3−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH3.9、有効塩素濃度43(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を1000(mg/kg)にすること以外はサンプル3−2と同様にしてサンプル3−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH3.9、有効塩素濃度40(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表4に示す。
Figure 2017119922
サンプル4−2,4−3,4−4の調製
サンプル1−1のかわりにサンプル4−1を用いること以外はサンプル1−2と同様にして、サンプル4−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.0、有効塩素濃度43(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を300(mg/kg)にすること以外はサンプル4−2と同様にしてサンプル4−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.0、有効塩素濃度44(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル4−2と同様にしてサンプル4−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.1、有効塩素濃度43(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を1000(mg/kg)にすること以外はサンプル4−2と同様にしてサンプル4−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.0、有効塩素濃度40(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表5に示す。
Figure 2017119922
サンプル5−2,5−3,5−4の調製
サンプル1−1のかわりにサンプル5−1を用いること以外はサンプル1−2と同様にして、サンプル5−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.8、有効塩素濃度34(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル5−2と同様にしてサンプル5−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.8、有効塩素濃度34(mg/kg)のサンプル5−3を得た。
ナトリウムイオン濃度1000(mg/kg)にすること以外はサンプル5−2と同様にしてサンプル5−3を得た。得られたサンプルについてpH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH5.8、有効塩素濃度29(mg/kg)のサンプル5−4を得た。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表6に示す。
Figure 2017119922
サンプル6−2,6−3,6−4の調製
サンプル1−1のかわりにサンプル6−1を用いること以外はサンプル1−2と同様にして、サンプル6−2を得た。
得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH6.9、有効塩素濃度50(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度を500(mg/kg)にすること以外はサンプル6−2と同様にしてサンプル6−3を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH6.9、有効塩素濃度50(mg/kg)であった。
ナトリウムイオン濃度1000(mg/kg)にすること以外はサンプル6−2と同様にしてサンプル6−4を得た。得られたサンプルについて、pH及び有効塩素濃度を測定したところ、pH6.8、有効塩素濃度48(mg/kg)であった。
得られた次亜塩素酸水サンプルについて下記表7に示す。
Figure 2017119922
次亜塩素酸失活試験
得られたサンプルの次亜塩素酸水サンプルを、それぞれ50mlずつ容器に入れ、5cm角、ポリエステル100%、目付160g/mの布を一枚浸漬し、暗室で3日間放置する。
3日間放置後、各サンプルについて有効塩素濃度を測定し、各サンプル調製時に測定した有効塩素濃度に対する維持率を下記式(1)のように算出した。
有効塩素濃度維持率(%)=(3日間放置後の有効塩素濃度/調製時の有効塩素濃度)×100…(1)
得られた結果について、ナトリウム濃度と有効塩素濃度維持率との関係を表すグラフを図2に示す。
図中、101はpH2.8、102はpH3.0、103はpH4.0、104はpH5.0、105はpH6.0,及び106はpH7.0のときの値を各々示す。
また、横軸の<70は、ナトリウムイオン濃度が70(mg/kg)未満のときの値であることを示す。
図示するように、pH2.8,pH3.0,及び4.0であるとき、次亜塩素酸水中のナトリウムイオンの濃度が300mg/kg以上で、有効塩素濃度の失活が大きく促進されることがわかる。また、pH5.0であるとき、ナトリウムイオン濃度が1000mg/kgで有効塩素濃度の失活が促進されることがわかる。pH6.0,pH7.0では、ナトリウムイオン濃度が1000mg/kg以下で有効塩素濃度が安定であることがわかる。
このように有効塩素濃度の失活速度は、ナトリウムイオン濃度、次亜塩素酸水のpHから影響を受ける。
実施形態に使用される次亜塩素酸水は、pH値が3.0以上7.0以下、次亜塩素酸濃度が1mg/kg以上、及びナトリウムイオン濃度が1〜1000mg/kgである。
次亜塩素酸濃度が1mg/kg未満である、十分な殺菌効果が得られない。また、次亜塩素酸水として、酸性水とナトリウムイオンを含むアルカリ水との混合を行う場合、ナトリウムイオン濃度を1mg/kg未満に調製することは困難となる。一方、ナトリウムイオン濃度が1000mg/kgを超えると、有効塩素濃度の失活が促進される。
また、pH値が3.0未満であると、有効塩素濃度維持率が50%未満となり、十分な次亜塩素酸濃度が得られない。pH値が7.0を超えると、次亜塩素酸が減少し、次亜塩素酸イオンが増加するため、十分な殺菌効果が得られない。このことを表すグラフ図を図3に示す。
図3は、次亜塩素酸水のpHと次亜塩素酸の存在比率と有効塩素残存率との関係を表すグラフ図である。
ClとHOClとHOClは、下記式(2)のように平衡関係にある。
Figure 2017119922
図中、201は塩素ガス(Cl)が存在する領域、202は次亜塩素酸(HOCl)が存在する領域、203は次亜塩素酸イオン(HOCl)が存在する領域を各々示す。
このグラフ図より、上述のように、pH値が7.0を超えると、次亜塩素酸が減少し、次亜塩素酸イオンが増加することがわかる。pHが7.5のとき次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの存在比率は、1対1となる。
また、図4に、次亜塩素酸の失活の抑制効果とpHとナトリウムイオン濃度との関係を表すグラフ図を示す。
図4では、ひし形、□、△、及び○の記号を用いて、次亜塩素酸水サンプル1−1〜1−4,2−1〜2−4,3−1〜3−4,4−1〜4−4,5−1〜5−4,6−1〜6−4のpHとナトリウムイオン濃度をプロットしている。
図中、領域310,領域320,及び領域330は、有効塩素濃度を50%以上に維持することが可能な領域を示す。
領域320,及び領域330は、有効塩素濃度を70%以上に維持することが可能な領域を示す。
さらに、領域330は、有効塩素濃度を80%以上に維持することが可能な領域を示す。
領域301に示すように、pH値が3.0以上4.0未満のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下であると、有効塩素濃度を50%以上に維持することが可能となる。
領域302及び領域304に示すように、pH値が4.0以上5.0未満のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上300mg/kg以下であると、有効塩素濃度を50%以上に維持することが可能となる。
領域303,領域305,領域306、及び領域307に示すように、pH値が5.0以上7.0以下のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下であると、有効塩素濃度を50%以上に維持することが可能となる。
領域304に示すように、さらに、pH値が4.0以上5.0未満のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下であると、有効塩素濃度を70%以上に維持することが可能となる。
領域305,306に示すように、pH値が5.0以上6.0未満のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上500mg/kg以下であると、有効塩素濃度を70%以上に維持することが可能となる。
領域307に示すように、pH値が6.0以上7.0以下のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下であるであると、有効塩素濃度を70%以上に維持することが可能となる。
領域306に示すように、pH値が5.0以上6.0未満のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下であると、有効塩素濃度を80%以上に維持することが可能となる。
領域307に示すように、pH値が6.0以上7.0以下のとき、ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下であると、有効塩素濃度を80%以上に維持することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
50…電解水生成装置、51…中間室、52,53…イオン交換膜、54…陽極室、55…陰極室、56…陽極電極、57…陰極電極、58…三室型電解槽、61…飽和食塩水貯留器、62…塩水循環ポンプ、63…給水システム

Claims (7)

  1. 3.0以上7.0以下のpH値、1mg/kg以上の次亜塩素酸濃度、及び1〜1000mg/kgのナトリウムイオン濃度を有する次亜塩素酸水と、該次亜塩素酸水が含浸された不織布とを含む次亜塩素酸水含浸物。
  2. 前記pH値が3.0以上4.0未満のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下、
    前記pH値が4.0以上5.0未満のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上300mg/kg以下、かつ
    前記pH値が5.0以上7.0以下のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下である請求項1に記載の次亜塩素酸水含浸物。
  3. 前記pH値が4.0以上5.0未満のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下、
    前記pH値が5.0以上6.0未満のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上500mg/kg以下、かつ
    前記pH値が6.0以上7.0以下のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下である請求項1または2に記載の次亜塩素酸水含浸物。
  4. 前記pH値が5.0以上6.0未満のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上30mg/kg以下、かつ
    前記pH値が6.0以上7.0以下のとき、前記ナトリウムイオン濃度が1mg/kg以上1000mg/kg以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水含浸物。
  5. 前記不織布は、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、またはそのうち2以上の異なる繊維から構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水含浸物。
  6. 前記次亜塩素酸水は、電解水である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水含浸物。
  7. 前記次亜塩素酸水は、純水を用いて生成された電解水である請求項6に記載の次亜塩素酸水含浸物。
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