JP2017119651A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】近年、口腔ケアが注目され、多くの洗口液が市販されている。洗口液に広く使用される抗菌剤の一つに、塩化セチルピリジニウム(CPC)があり、口腔カンジダ症の防御に有効であると考えられる。しかし、実際に市販されているCPC含有製剤の効果は限定的である。本発明の課題は、CPCを含む口腔用組成物において、カンジダ菌による菌糸形成を顕著に抑制することのできる口腔用組成物を提供することにある。
【解決手段】ミコナゾールまたはその塩および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含有する口腔用組成物により、上記課題を解決した。
【選択図】図1

Description

本発明は、口腔用組成物に関するものである。
口腔カンジダ症は老人や免疫力の低下した患者等に非常に多い疾患である。この疾患の原因菌であるカンジダ属酵母は、口腔カンジダ症を引き起こすだけではなく、口腔衛生を悪化させることも知られている(非特許文献1参照)。カンジダ属酵母は、常在菌であるがゆえ完全に除菌することが困難であり、抗真菌剤で一時的に症状が改善しても再発や、難治化に至ることが問題となっている。したがって、口腔カンジダ症や、カンジダ属酵母による口腔衛生の悪化に対しては、抗真菌薬になるべく頼らず、日常生活で持続的に利用可能な新たな予防および治療法の開発が必要とされている。
近年、口腔ケアが注目され、洗口液は歯ブラシを用いた機械的プラークコントロールの補助としての有効性が指摘されている。市販されている洗口液に広く使用される抗菌剤の一つに、第四級アンモニウム化合物である塩化セチルピリジニウム(CPC)がある。CPCによる口腔洗浄は、カンジダ菌のコロニー形成や感染の制御に有効であることが示唆されていることから、CPCは口腔カンジダ症の防御に有効であると考えられる(非特許文献2参照)。
しかしながら、実際に市販されているCPC含有製剤の効果は限定的である。その理由の詳細は明らかではないが、CPCのような陽イオン性の殺菌剤が製剤中に含まれる他の成分と静電的相互作用を起こすためであると推測される。そのため、十分な殺菌効果を得るためには、より高濃度のCPCによる口腔洗浄が必要となるが、使用時の刺激や苦味により使用感が悪く、使用が難しい。
またカンジダ菌は、病原性を発現する際には菌糸形で発育し、しばしば強固なバイオフィルムを形成することが知られ、このことから口腔カンジダ症の治療がさらに困難になっている。そこで例えば特許文献1には、エリスリトール、キシリトール及びソルビトールから選ばれる1種又は2種以上の糖アルコールに対し、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤を質量比で0.0001〜0.5含有するカンジダバイオフィルム除去剤が提案されている。
特開2008−303188号公報
Suzuki M et al. Med Mycol J, 56(1):J31−40, 2015 白井やよい,鈴木奈央,鎌田政善,清浦有祐.洗口液のCandida albicansに対する殺菌効果.老年歯学.2005,19(4):284−288
しかしながら、上記のような従来技術では未だその効果は十分とは言えず、改良の余地があった。
本発明の目的は、塩化セチルピリジニウム(CPC)を含む口腔用組成物において、カンジダ菌による菌糸形成を顕著に抑制することのできる口腔用組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、塩化セチルピリジニウム(CPC)とアゾール系抗真菌薬の1種であるミコナゾールまたはその塩とを併用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ミコナゾールまたはその塩、および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含有する口腔用組成物。
2.カンジダ菌による口腔衛生の悪化を防ぐために使用される前記1に記載の口腔用組成物。
3.口腔カンジダ症を予防または治療するために使用される前記1に記載の口腔用組成物。
4.ミコナゾールまたはその塩、および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含む組成物を口腔内に適用することにより、カンジダ菌による菌糸形成を抑制する方法。
上述のように、塩化セチルピリジニウム(CPC)は口腔カンジダ症の予防や治療に有望であるが、従来技術ではCPCが本来有する予防効果や治療効果を十分に発揮できないでいた。そこで本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、アゾール系抗真菌薬の中でもミコナゾールまたはその塩を使用することによって、CPCの口腔カンジダ症に対する予防効果及び治療効果が十分に引き出され、またミコナゾールまたはその塩とCPCとの併用によって、口腔カンジダ症に対する予防効果及び治療効果が相乗的に高められるという知見を得た。以上の知見により、本発明によれば、塩化セチルピリジニウム(CPC)を含む口腔用組成物において、カンジダ菌による菌糸形成を顕著に抑制することのできる口腔用組成物を提供することができる。
実施例1及び参考例1の各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度の測定結果を示すグラフである。 実施例2におけるウェル中のバイオフィルムの各状態を示す写真である。図2(a)は、実施例1の溶液を全く使用しない場合(control)の写真、図2の(b)は、ミコナゾール硝酸塩を用いずにCPCのみ(31.3μg/ml)を用いた場合の写真である。 実施例及び参考例におけるウェル中のバイオフィルムの各状態を示す写真である。図3(c)はミコナゾール硝酸塩のみ(100μg/ml)を用いた場合の写真、図3(d)は、実施例1の溶液を使用した場合(CPC31.3μg/mlおよびミコナゾール硝酸塩100μg/mlの場合)の写真である。 比較例1の各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度の測定結果を示すグラフである。
本発明の口腔用組成物は、ミコナゾールまたはその塩、および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含有することを特徴とする。以下、本発明の口腔用組成物の各成分について説明する。
ミコナゾールは、アゾール系抗真菌薬の1種として公知の化合物である。本発明で使用されるミコナゾールは、ミコナゾールまたはその塩であることができ、塩としては、ミコナゾール硝酸塩、ミコナゾール塩酸塩等が挙げられる。
本発明の口腔用組成物全体に対し、ミコナゾールまたはその塩の含有量は、例えば0.04μg/ml〜20mg/mlであり、好ましくは5μg/ml〜2mg/mlである。上記範囲であることによって、口唇腫脹、味覚異常などの副作用を伴うことなく充分な殺菌効果を得ることができる。また、本発明の口腔用組成物全体に対し、ミコナゾールまたはその塩の含有量が上記範囲であることによって、口腔に対する適用量としては、ミコナゾールまたはその塩を0.4μg〜100mgとするのが好ましい。
塩化セチルピリジニウム(CPC)は、カチオン性殺菌剤として公知の化合物であり、商業的に入手可能である。
本発明の口腔用組成物全体に対し、CPCの含有量は、例えば3μg/ml〜50mg/mlであり、好ましくは30μg/ml〜3mg/mlである。上記範囲であることによって、刺激や苦味などの不快感を伴うことなく口腔内への応用が可能となる。また、本発明の口腔用組成物全体に対し、CPCの含有量が上記範囲であることによって、口腔に対する適量量としては、CPCを30μg〜15mgとするのが好ましい。
本発明の口腔用組成物において、ミコナゾールまたはその塩とCPCの含有比率は、前者:後者(質量比)として、例えば0.0000008:1〜6,600:1であり、好ましくは0.0016:1〜66:1である。このようにミコナゾールまたはその塩とCPCの含有比率を調整することによって、口腔カンジダ症の予防効果及び治療効果に対する両成分併用の相乗効果がさらに高まる。
また、本発明の口腔用組成物は、必要に応じて公知の各種添加剤を含有することができる。
例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物;アズレン、アズレンスルホン酸塩、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及び塩類、ジヒドロコレステロール、エピジヒドロコレステリン、オウバクエキス、トウキエキス、酢酸dl−α−トコフェロール、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸等の抗炎症剤;塩化ベンザルコニム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン塩、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の殺菌剤;ガントレッツ酸、塩化亜鉛、有機酸亜鉛等の歯石予防剤;ヒノキチオール、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、塩化ナトリウム等の収斂剤;グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等の湿潤剤;ラウリル硫酸ナトリウム等の発泡剤;ピネン、ペパーミント油、シナモンオイル、グローブオイル、オイゲノール、レモンオイル、バニリン、シネオール、ユーカリオイル等の香料;サッカリン、サッカリンナトリウム、キシリトール、エリストール、ソルビトール、ステビア等の甘味料;青色1号、黄色5号、黄色4号、黄色202(1)号、緑色3号、緑色201号、赤色102号等の着色剤;パラベン類、安息香酸ナトリウム等の保存剤;リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム等のpH調整剤;POE硬化ヒマシ油、POE・POPブロックポリマー、POE・POPアルキルエーテル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE高級アルコールエーテル、POE・POP脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸塩、ラウロイルサルコシナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩、POEアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、POEアルキルアミン・脂肪酸アミド等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の口腔用組成物の形態は特に制限されないが、例えば、洗口液、液体歯磨き、口中清涼剤、うがい薬(含嗽剤)、液状歯磨き、練り歯磨き、トローチ、チューインガム等の形態であることができる。
これらの中でも、本発明の効果が良好に奏されるという観点から、洗口液、液状歯磨き、口中清涼剤等の液体製剤の形態として用いることが好ましい。これらは公知の手段により製剤とすることができる。
例えば、洗口液とするには、水およびエタノール等を溶剤とし、各種成分を添加して常法によって調製すればよい。例えば、洗口液は、各成分を撹拌下で順次混合することで調製することができる。
またpH調整剤を用いてpHを5〜10とすると口腔内での使用感がさらに良好となる。さらにエタノールの使用量を洗口液全量に対して25質量%以下、好ましくは10%以下の範囲とすると口腔内での刺激を抑えることができるので好ましい。
本発明の口腔用組成物を口腔内に適用することによって、カンジダ菌の口腔内での菌糸形成を抑制することができる。その結果、カンジダ菌による口腔衛生の悪化を防止でき、口腔衛生を向上させることができる。さらに、カンジダ菌の口腔内での菌糸形成を抑制することにより口腔内におけるカンジダ菌の定着を阻止し、カンジダ菌によるバイオフィルムの形成を顕著に抑制することができるため、口腔カンジダ症を予防または治療するために特に有効に使用できる。
本発明の口腔用組成物を口腔内に適用する場合、口腔用組成物を上述した形態で使用することができる。また、例えば、本発明の口腔用組成物を洗口液として口腔内に適用する場合、15〜60秒間、口腔内でゆすぐように使用することで、本発明の口腔用組成物を口腔内に十分ゆきわたらせることができる。
本発明の口腔用組成物が有効なカンジダ菌としては、例えば、カンジダ・シフェリ(Candida ciferrii)、カンジダ・ファマタ(Candida famata)、カンジダ・ランビカ(Candida lambica)、カンジダ・リポリチカ(Candida lipolytica)、カンジダ・ノルベゲンシス(Candida norvegensis)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、カンジダ・ビスワナチ(Candida viswanathii)、カンジダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・ケフィア(Candida kefyr)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・デュブリニエンシス(Candida dubliniensis)等が挙げられる。これらのカンジダ菌の中でも、特に、カンジダ・アルビカンスに対して有効である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例、参考例および比較例においては、以下の材料を使用した。
・塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク社製)
・ミコナゾール硝酸塩(SIGMA CHEMICAL Co製)
・フルコナゾール原末(ファイザー製薬(株)製)
・カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(帝京大学医真菌研究センターに保存されているTIMM1768臨床分離株(serotypeA、−80℃凍結保存)を所定の方法で解凍し、各試験に用いた。)
<実施例1>
[バイオフィルム形成カンジダ菌の培養]
カンジダ菌は、子牛血清を含む培地では専ら菌糸形をとり、培養器の表面に付着して発育する。96穴マイクロプレートの各ウェルの中に、2.5%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI1640培地を滅菌水で3倍希釈した培地(以下、基礎培地という)を投入し、そこにカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を2.5×10cells/mlとなるように接種し浮遊させ、37℃、5%CO条件下で16〜18時間培養し、バイオフィルムを形成させた。
[実施例1の溶液]
以下の配合処方により実施例1の溶液1〜3を得た。各溶液において、CPCは1%Tween80で、ミコナゾールはジメチルスルフォキシド(DMSO)で溶解し、その後、基礎培地で各濃度に希釈した。
(溶液1)
塩化セチルピリジニウム(CPC):31.3μg/ml
ミコナゾール硝酸塩:6.25μg/ml
(溶液2)
塩化セチルピリジニウム(CPC):31.3μg/ml
ミコナゾール硝酸塩:25μg/ml
(溶液3)
塩化セチルピリジニウム(CPC):31.3μg/ml
ミコナゾール硝酸塩:100μg/ml
[バイオフィルム形成カンジダ菌に対する実施例1の溶液1〜3の適用]
上記カンジダ菌のバイオフィルムを形成させた培地に対し、実施例1の各溶液を適用し、CPCとミコナゾールのバイオフィルム形成カンジダ菌に対する効果を評価した。
1.まず、バイオフィルムを形成させた上記ウェルに、実施例1の溶液1〜3各200μlを、それぞれ別々のウェルに注入し、37℃の恒温槽に10分間静置させた。
2.その後、ウェル中の液体を除去し、再び基礎培地中で37℃、6時間の条件で培養を行った。
3.培養終了後、各ウェルの培養物を吸引除去し、生理食塩水180μlを入れて洗浄除去し、70%エタノール200μlを入れて残存しているカンジダ菌を殺菌し、ウェルのエタノールを除去して水道水で洗浄した。
4.続いて、ウェル中のバイオフィルムの状態を写真撮影した後、染色液(0.1Mリン酸バッファーに溶解した0.01%クリスタルバイオレット液)100μlを入れてウェルの表面に付着したカンジダ菌を染色した。
5.その後、水道水で洗浄して余分な染色液を除去した後、0.04NHClを含む2−プロパノール150μlおよび0.25%SDS溶液50μlを入れて菌体に付着した色素を遊離させた。
6.色素を遊離させた後、プレートをマルチスキャンフォトメーターにかけて、各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度を測定した。
各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度の測定結果を図1(CPC+ミコナゾール硝酸塩)に示す。
<参考例1>
参考例1として、上記溶液1〜3それぞれについて、塩化セチルピリジニウム(CPC)を用いず、ミコナゾール硝酸塩のみを用いた場合についても、実施例1と同様の実験を行い、各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度を測定した。各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度の測定結果を図1(ミコナゾール硝酸塩のみ)に示す。
<実施例2>
また、実施例1について、溶液1〜3を全く使用しない場合(control)、ミコナゾール硝酸塩を用いずにCPCのみ(31.3μg/ml)を用いた場合、ミコナゾール硝酸塩のみ(100μg/ml)を用いた場合、および実施例1の溶液3を使用した場合(CPC31.3μg/mlおよびミコナゾール硝酸塩100μg/ml)についても、実施例1と同様の実験を行った。その写真撮影の結果を、図2(a)、(b)及び図3(c)、(d)にそれぞれ示した。
<比較例1>
実施例1及び参考例1において、ミコナゾールの代わりにフルコナゾール原末を用いたこと以外は実施例1及び参考例1を繰り返した。各ウェルのCV染色法による620nmの吸光度の測定結果を図4に示す。
図1の結果から、ミコナゾールとCPCを併用することによって、ミコナゾールの単独投与の場合と比較して、濃度依存的に顕著にカンジダ菌糸形発育抑制効果を示した。すなわち、ミコナゾールとCPCを併用することによって相乗的にカンジダ菌糸形発育抑制効果を示すことがわかった。
また図2及び図3の写真撮影の結果から、以下の事項が確認された。
図2(a)のcontrolではウェル全体に明確な菌糸形発育を示した。
図3(c)のミコナゾール硝酸塩のみの場合は菌糸形先端部に、図中に矢印で示す酵母形のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)がわずかに認められた。
図3(d)のミコナゾール硝酸塩およびCPCを含有する溶液では、図中に矢印で示す酵母形のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)が図3(c)よりも多く、カンジダ菌による菌糸形成を顕著に抑制していた。この顕著な効果は、図2(b)のCPCのみの場合では確認されなかった。
図2及び図3の結果からも、ミコナゾールとCPCを併用することによって、ミコナゾールまたはCPCの単独投与の場合と比較して、顕著にカンジダ菌糸形発育抑制効果を示すことがわかった。
一方、図4の結果から、フルコナゾールはミコナゾールと同様にアゾール系抗真菌薬の1種であるにも関わらず、CPCと併用してもカンジダ菌による菌糸形成の相乗的抑制効果は確認できなかった。

Claims (4)

  1. ミコナゾールまたはその塩、および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含有する口腔用組成物。
  2. カンジダ菌による口腔衛生の悪化を防ぐために使用される請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 口腔カンジダ症を予防または治療するために使用される請求項1に記載の口腔用組成物。
  4. ミコナゾールまたはその塩、および塩化セチルピリジニウム(CPC)を含む組成物を口腔内に適用することにより、カンジダ菌による菌糸形成を抑制する方法。
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