JP2017119549A - 乗継ぎシュート - Google Patents

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健志 都築
Takeshi Tsuzuki
健志 都築
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Abstract

【課題】ベルトコンベア上の搬送物のこぼれ落ちを回避して、周辺設備の環境悪化を防止するとともに搬送ロスの軽減を図る乗継ぎシュートの提供。
【解決手段】搬送物をベルトコンベア1のベルト上面に落下させる乗継ぎシュート2であって、ベルトコンベア1のベルト上面に向けて間隔を隔てて開放する開放部2aを有し、その開放部2aを該搬送物の落下口とするシュート本体2bと、ベルトコンベア1の幅方向に所定の間隔をあけて配置され、シュート本体2bから落下した搬送物の幅を規制する一対の側方スカート2c,2cと、を備え、シュート本体2bは、下端前側部にベルトコンベア1に向けて開口するとともに開放部2aを通じてベルトコンベア1のベルト上面に落下した搬送物を排出する排出口3を有する。乗継ぎシュート2は、ベルトコンベア1のベルト上面に堆積している搬送物を掻き均すことによって搬送物の堆積高さを制限する掻き均し部材4を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメントや砂利、石炭、コークス、鉄鉱石、汚濁物、ダスト等の粒塊物を一時的に貯留するサイロあるいは槽等から該粒塊物(以下、これらの粒塊物を搬送物と記すこととする。)をベルトコンベアのベルト上面に払い出す際に用いて好適な乗継ぎシュートに関するものである。
製鉄所の原料工場や焼結工場あるいは製銑工場等に設置されているサイロや槽等では、それに貯留された搬送物を、ベルトコンベアを使用して目的とする場所まで搬送するのが普通であり、搬送物の払い出しは、サイロや槽等の下部に設けられた乗継ぎシュートを介して行われる。
ところで上記の乗継ぎシュートは、サイロや槽等に貯留された搬送物をその自重によって落下させるものであり、搬送物の払い出しにおいては、搬送物の、ベルトコンベアからのこぼれ落ちや吹き出し、あるいは搬送物同士の衝突による粉塵の飛散が避けられない状況にある。
このため従来は、乗継ぎシュートとベルトコンベアとの間にスカートを設けて搬送物のこぼれ落ちや吹き出し等を回避するようにしており、この点に関する先行技術としては、特許文献1では、上端部がシュート下端に取り付けられ、下端部がベルトコンベアに接触する可撓性のスカートにおいて、中間部にクッション部分を、下端部に低摩擦剛性部分をそれぞれ設けたスカート構造が提案されている。
また、特許文献2では、シュートから供給される搬送物が増大した場合、スカートの下流側出口から排出される搬送物が幅方向へ広がってしまい、積載断面が不安定になるという不具合を改善するために、ベルトコンベアの上流端部に配設した一対のスカートの下流側出口部に、搬送物の断面形状をその両側面部が山形となるように斜めにカットする一対のゲート部材を設けるとともに、該ゲート部材の高さ方向中間部所要位置に、スカートの下流端出口部から排出される搬送物の上端部をカットする上端カット部材を、掛け渡すように配設することが提案されている。
特開昭60−197515号公報 特開平7−277438号公報
しかしながら、特許文献2に記載のように、スカートの下流側出口部に棒状または平板状の上端カット部材を設けただけでは、上端カット部材によりカットされた搬送物がその場に留まる結果、スカートの下流側出口部において搬送物の閉塞が発生したり、カットされた搬送物が上端カット部材を乗り越えて積載断面が再び不安定となり、搬送物がベルト端からこぼれ落ちたりする。
そして、このような搬送物のこぼれ落ちは、周辺設備に堆積して環境を悪化させるとともに搬送ロスを引き起こす原因になっていた。
それ故、本発明の課題は、ベルトコンベア上の搬送物の不安定な積載に起因した搬送物のこぼれ落ちを回避して、周辺設備の環境悪化を防止するとともに搬送ロスの軽減を図ることができる乗継ぎシュートを提案することにある。
本発明は、搬送物をベルトコンベアのベルト上面に落下させる乗継ぎシュートであって、ベルトコンベアのベルト上面に向けて間隔を隔てて開放する開放部を有し、その開放部を該搬送物の落下口とするシュート本体と、前記ベルトコンベアの幅方向に所定の間隔をあけて配置され、前記シュート本体から落下した搬送物の幅を規制する一対の側方スカートと、を備え、シュート本体は、下端前側部にベルトコンベアに向けて開口するとともに前記開放部を通じてベルトコンベアのベルト上面に落下した搬送物を排出する排出口を有し、前記側方スカートの下流側端部に、前記ベルトコンベアのベルト上面に堆積している搬送物を掻き均すことによって搬送物の堆積高さを制限する掻き均し部材を備え、前記掻き均し部材は、少なくとも前記一対の側方スカート間に延び、かつ、幅方向の端部に向かうに連れてベルトコンベアの搬送方向上流側へ向かうよう湾曲した掻き均し面を有することを特徴とする乗継ぎシュートである。
なお、本発明の乗継ぎシュートにあっては、前記掻き均し部材を前記ベルト上面に対して近接、離間させることで該ベルト上面から前記掻き均し面の下端までの隙間を調整する隙間調整機構を備えることが好ましい。
また、本発明の乗継ぎシュートにあっては、前記側方スカートは、該側方スカートに吊下げ保持され、その下端が前記ベルトコンベアのベルト上面に接触可能はシール壁を有することが好ましい。
本発明の乗継ぎシュートにおいては、搬送物が排出口を通して払い出される一方、その出側に位置する側方スカートおよび掻き均し部材によって搬送物の幅および高さが規制される。このとき、掻き均し部材によって掻き取られた搬送物の上部は湾曲した掻き均し面によって側方スカートの下流側端部に向けて案内されるため、掻き均し部材による搬送物の滞留、閉塞は回避され、側方スカートおよび掻き均し部材による搬送物の積載断面の安定化はスムーズかつ確実に実施されることとなり、搬送物のベルト端からのこぼれ落ちは回避される。
また、本発明の乗継ぎシュートにおいて、ベルトコンベアのベルト上面から掻き均し部材の掻き均し面の下端までの隙間を調整する隙間調整機構を設けた場合には、安息角の異なる種々の搬送物に対応することが可能となる。
さらに、本発明の乗継ぎシュートにおいて、側方スカートに吊下げ保持され、その下端がベルトコンベアのベルト上面に接触可能なシール壁を設けた場合には、搬送物が水分を含むものであったり微粉状のものであったりする場合でも、側方スカートからの吹き出しを回避することができる。
本発明にしたがう乗継ぎシュートの実施の形態を模式的に示した外観斜視図である。 図1に示した乗継ぎシュートの平面を示した図である。 図1に示した乗継ぎシュートの断面を示した図である。 本発明にしたがう乗継ぎシュートの要部を示した図である。 本発明にしたがう乗継ぎシュートの他の実施の形態を示した図である。
以下、図面に基づき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明にしたがう乗継ぎシュートの実施の形態を模式的に示した外観斜視図である。また、図2は図1に示した乗継ぎシュートの平面を示した図であり、図3は図1に示した乗継ぎシュートの断面を示した図である。なお、本明細書において、上流、下流とはコンベアベルトによる搬送方向(進行方向)でみて上流、下流を指すものとする。また、前方とは進行方向を指し、後方とは反進行方向を指すものとする。
図1〜3における符号1は、搬送物を搬送するベルトコンベア、2はその上端部がサイロや槽等につながる乗継ぎシュートである(サイロ、槽等は図示せず)。
乗継ぎシュート2は、ベルトコンベア1のベルト上面に向けて極僅かな隙間e(図3参照)を隔てて開放する開放部2aを有し、その開放部2aを搬送物の落下口とするシュート本体2bと、ベルトコンベア1のベルト上面からシュート本体2bの少なくとも開放部2aに至るまでの間に配置され該ベルトコンベア1の進行方向に対応する側(正面壁)を除いてシュート本体2bを取り囲むスカート2cとを備えている。
シュート本体2bは、ここでは、正面壁2b、背面壁2bとこれらの幅方向の端部で一体連結する側面壁2b、2bからなる逆四角錐台状のものを例として示したが、シュート本体2bの形状は種々変更可能であり、図示のものに限定されることはない。
また、スカート2cについては、シュート本体2bの両サイドにそれぞれ位置する一対の側方スカート2c,2cと、シュート本体2bの背面側で該側方スカート2c,2cに一体連結する後方スカート2cからなるもので構成し、これらを、フレームFによって固定保持するものを適用することができる(図3参照)。スカート2cは、少なくとも一対の側方スカート2c,2cを有していればよく、形状、寸法、固定構造等は適宜変更可能であり、図示のものに限定されない。
また、符号3は、ベルトコンベア1のベルト上面に落下させた搬送物を払い出す排出口である。この排出口3は、ベルトコンベア1の進行方向に向けて開口するものであって、シュート本体2bの下端前側部(正面壁2b)に形成されている。
排出口3は、下端部が切り欠かれた矩形切欠き形状の開口としたものを適用するのが好ましく、その形状や開口サイズは、搬送物の種類や払出し量(排出量)に応じて種々変更されてよい。
また、符号4は、側方スカート2c,2cの下流側端部に、ベルトコンベア1のベルト上面との間に所定の間隔をもって配置された掻き均し部材である。この掻き均し部材4は、排出口3から払い出され、ベルトコンベア1のベルト上面に堆積している搬送部の少なくとも頂部を掻き均すことによって搬送物の堆積高さを制限する機能を有するものである。本例では、掻き均し部材4は、一対の側方スカート2c,2c間に掛け渡された湾曲した板状体からなり、排出口3と向き合う側に、幅方向の端部に向かうに連れてベルトコンベア1の搬送方向上流側(側方スカート2c,2cの下流側端部)へ向かうよう湾曲した掻き均し面4aを有している。
排出口3より払い出された搬送物が掻き均し部材4の掻き均し面4aによって掻き均されることによって、搬送物の高さが制限され、かつ、掻き取られた搬送物が湾曲した掻き均し面4aに沿って側方スカート2c,2cの下流側端部に向けて誘導され、側方スカート2c,2c間の幅まで広げられるため、ベルトコンベア1上の搬送物の積載断面は安定化する。この結果、搬送物が側方スカート2c,2cを通過した後においてもベルト端から落下するのを有効に防ぐことができる。
掻き均し部材4は、搬送方向でみて、少なくとも部分的に側方スカート2c,2cとオーバーラップするよう配置することが好ましく、本例では掻き均し部材4の幅方向端部において側方スカート2c,2cの下流側端部とオーバーラップするよう配置されている。掻き均し面4aの高さ寸法については、搬送物が該掻き均し面4aを乗り越えることのない寸法に設定され、側方スカート2c,2cと略同じ高さ寸法としてもよい。
また、搬送物は、その種類や搬送物のサイズ等によって安息角が異なるため、ベルトコンベア1上の搬送物の制限高さ、つまりベルト上面から掻き均し面4a下端までの隙間t(図4参照)を変更し得る隙間調整機構(図示省略)を設けておくのが好ましい。また、搬送物の種類やサイズ等に応じて、掻き均し面4aの曲率(撓み度)を変更する曲率調整機構を設けたり、掻き均し部材4をベルトコンベア1の進行方向・反進行方向に沿って移動させる移動機構を設けたりすることもできる。
隙間調整機構、曲率調整機構、移動機構としては、図示はしないが、電動モータや油圧シリンダなどのアクチュエータを用いた公知の機構を使用することができる。
また、掻き均し面(搬送物と接触する面)4aには摺動ライナーを取り付けておくことが好ましく、これにより搬送物との接触による摩耗が軽減され掻き均し部材4の長期使用が可能となる。
図における符号5は、スカート2cを構成する側方スカート2c,2cに吊り下げ保持され、その下端がベルトコンベア1のベルト上面に接触可能なシール壁である。
このシール壁5は、搬送物が水分を多く含むものや粒径の小さいものを搬送物とする場合にとくに有効となる。というのは、これらの搬送物は、シュート本体2bとベルトコンベア1のベルトとの間に形成される隙間を通して吹き出すことがあり、その吹き出し量が多い場合には、スカート2cとベルトコンベア1のベルトとの相互間からこぼれ落ちることが懸念されるが、シール壁5を設けておくことによりこのようなこぼれ落ちを回避することができるからである。
シール壁5としては、具体的にはゴム等の弾性部材からなる板状体を適用することができる。
上記の如き構成からなる乗継ぎシュート2においては、搬送物が排出口3を通して払い出される一方、その出側に位置する側方スカート2c,2cおよび掻き均し部材4によって搬送物の幅および高さが規制される。このとき、掻き均し部材4によって掻き取られた搬送物の上部は湾曲した掻き均し面4aによって側方スカート2c,2cの下流側端部に向けて案内されるため、側方スカート2c,2cの下流側端部位置での掻き均し部材4による搬送物の滞留、閉塞は回避され、側方スカート2c,2cおよび掻き均し部材4による搬送物の積載断面の安定化はスムーズかつ確実に実施される。
図5は、本発明にしたがう乗継ぎシュートの他の実施の形態をその断面について示した図である。
この例は、ベルトコンベア1を構成するガイドローラをその幅方向に3分割するとともに、そのうちの両側に位置するガイドローラをそれぞれ傾斜配置にしてベルトの幅方向の端部を幅方向の中央部よりも高くした構造のものである。
かかる構造のベルトコンベア1においてシール壁5を適用するにあたっては、シール壁5とベルトコンベア1のベルトとの間に数ミリ程度の隙間を設けておき、その状態を維持したままシール壁5の下端がベルトの幅方向の中央側に向くように角度をつけて取り付ければよい。
本発明によれば、ベルトコンベアの側面からのこぼれ落ちによる周辺設備への搬送物の堆積等を回避して環境の改善を図るとともに、搬送物のこぼれ落ちによるロスを軽減することが可能となる。また、本発明によれば、堆積物の清掃において不可欠な設備停止が不要であり、生産性の向上に寄与する。
1 ベルトコンベア
2 乗継ぎシュート
2a 開放部
2b シュート本体
2c スカート
2c,2c 側方スカート
3 排出口
4 掻き均し部材
4a 掻き均し面
5 シール壁
F フレーム

Claims (3)

  1. 搬送物をベルトコンベアのベルト上面に落下させる乗継ぎシュートであって、
    ベルトコンベアのベルト上面に向けて間隔を隔てて開放する開放部を有し、その開放部を該搬送物の落下口とするシュート本体と、
    前記ベルトコンベアの幅方向に所定の間隔をあけて配置され、前記シュート本体から落下した搬送物の幅を規制する一対の側方スカートと、を備え、
    前記シュート本体は、下端前側部にベルトコンベアに向けて開口するとともに前記開放部を通じてベルトコンベアのベルト上面に落下した搬送物を排出する排出口を有し、
    前記側方スカートの下流側端部に、前記ベルトコンベアのベルト上面に堆積している搬送物を掻き均すことによって搬送物の堆積高さを制限する掻き均し部材を備え、
    前記掻き均し部材は、少なくとも前記一対の側方スカート間に延び、かつ、幅方向の端部に向かうに連れてベルトコンベアの搬送方向上流側へ向かうよう湾曲した掻き均し面を有することを特徴とする乗継ぎシュート。
  2. 前記掻き均し部材を前記ベルト上面に対して近接、離間させることにより該ベルト上面から前記掻き均し面の下端までの隙間を調整する隙間調整機構を備える、請求項1に記載の乗継ぎシュート。
  3. 前記側方スカートは、該側方スカートに吊下げ保持され、その下端が前記ベルトコンベアのベルト上面に接触可能はシール壁を有する、請求項1または2に記載の乗継ぎシュート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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